学校だより 平成22年度 第8号(76号) 発行日 平成22年12月1日 東京都立立川ろう学校 校長 信方 壽幸 〒190-0003 東京都立川市栄町1-15-7 ℡ 042-523-1358 Fax 042-523-6421 明日への試行 ~2つの公開モデル授業の実施~ 校長 のぶかた としゆき 信方 壽幸 立川祭には、約 1,000 人の方が来場されました。その多くは、本校の卒業生や旧職員の方。本校の 伝統を感じるとともに、来場者一人一人の本校への熱い思いがひしひしと伝わってきました。「本校の 伝統を大切にしながら、時代のニーズに対応した新しい教育を実現する」。この考えを実現するために は、多くの方々との連携・協力が必要です。そこで、11 月に2つの公開モデル授業を実現させました。 1 筑波技術大学と都立ろう学校(立川ろう学校、葛飾ろう学校)連携授業【11 月19日(金)】 筑波技術大学は、聴覚障害者と視覚障害者を対象とした我が国唯一の 4 年生の大学で、大学院も設 置されています。聴覚障害系の産業技術学部には、産業情報学科と総合デザイン学科、大学院技術科 学研究科(修士課程) 産業技術学専攻には、情報科学コース、システム工学コース、総合デザイン学コ ースが設置されています。この筑波技術大学には、ろう学校高等部普通科の卒業生だけでなく、専攻 科の修了生も入学できます。都立ろう学校もしっかりと連携していかなければならない大学なのです。 そこで、筑波技術大学に話を持ちかけ、本校高等部専攻科の生徒に対するキャリア教育の一環とし て、筑波技術大学で実際に教鞭をとっていられる准教授に本校に来ていただき「出前授業」を行うこ とにしました。この「出前授業」は葛飾ろう学校にも声をかけ、東京都が配備した教育用ICTテレ ビ会議システムを活用した双方向での「共同学習」にしました。 生徒たちは、実際に大学で行われている講義を模擬体験し、パソコンによる「パタパタアニメ」を 作成しました。完成した作品は、テレビモニターを通して相互に発表しあいました。 今回は、2つのろう学校をつないだ「出前授業」の形を取りましたが、将来的には、インターネッ ト回線を筑波技術大学につなぎ、高等部の生徒が実際に筑波技術大学の講義を受けたり、学生の方々 との交流をしたりすることができればと考えています。高等部から筑波技術大学へつなぐ取組です。 この計画は、東京都特別支援教育推進計画第三次実施計画の「都立聴覚障害特別支援学校の進学希 望への対応」の項にも掲載されていますが、これを先取りした取組になりました。この実績が教育委 員会にも評価され、来年度から、本校を中心に本格的なモデル事業が行われる予定になっています。 2 地域安全マップ公開授業【11 月29日(月)】 11 月30日(火)の毎日新聞朝刊に記事掲載 全国で初めての特別支援学校における地域安全マップ公開モデル授業(小学部4・5年生)を本校 で開催しました。授業をして頂いたのは、テレビにも出演している立正大学の小宮信夫教授。地域安 全マップ作りは、小宮教授が犯罪機会論を元に発案されたもので、全国の小学校でモデル授業が行わ れています。これを、ろう学校でやっていただいたのです。 授業は、犯罪が起こりやすい場所を事前に予測し、誘拐や痴漢行為などの犯罪から身を守る能力を 身に付けることを目的にしたもので、小宮教授の講義と学校周辺の屋外調査(フィールドワーク)、 マップ作りと各班の発表という順で展開されました。危険な場所のキーワードは「入りやすい場所」 「見えにくい場所」。このキーワードの元、児童は真剣にマップ作りに取り組みました。 3 まだまだありますー今後の予定 12月5日(日)プロ野球巨人軍の高橋由伸選手が若手選手と来校され野球部と交流します。 1月14日(金) ソウルオリンピック女子卓球代表の梅村礼選手が一日校長として来校されます。 秋の遠足 木の実や落ち葉を拾いました!! 11月11日(木) 幼 稚 部 東京学芸大学に行ってきました。 気持ちのいい秋晴れの中、みんなでスクールバスに乗り、たくさん の木の実や落ち葉を拾ってきました。おいしいお弁当も食べ、楽しい 一日を過ごしました。遠足の事前指導では、二つのたてわり班グルー プに分かれ、リーダーを中心に班の名前を決めました。子供たちで考 えて決めたグループ名は「きりんぐるーぷ」と「おばけぐるー ぷ」です。大学の構内では、はりきるリーダーを先頭に、小さ いどんぐり、まてばしい、くぬぎなど色々な種類のどんぐりや 松ぼっくり、きれいな色の落ち葉、珍しい木の実などなど、た くさん探して拾い集めました。夢中になって拾い続けるお友だ ちもいました。遠足から帰った後には、拾ってきた落ち葉や木 の実を使い、のれんや玉ころがしのゲーム、剣玉、洋服やクリ スマスツリー、絵などを制作しました。是非ご覧ください。 小 学 部 今年度の小学部は、劇発表と音楽発表を行いました。移動教室 の余韻の残る中、気持ちを切り替えて、立川祭の準備に取り掛か りました。 1、2年生の「立川どろぼう学校」では、先生と生徒のやり取 りが、思わずくすりと笑いを誘う面白さがありました。どろぼう の見本をみせる先生の後ろについて、そろりそろりと行列がつな がっていくところは、思わず目で追ってしまいます。子どもたち 一人ひとりがしっかり声を出し、生き生きと演じていました。 3、4年生の「ほんとうの宝ものは」では、子どもたちが自分 たちが宝物だと思うものを、話し合って劇にしました。自分たち の宝もののイメージができあがっていたので、小道具までも手作 りしました。 5、6年生の「はだかの王様」では、難しい役どころを、それ ぞれの子どもたちが堂々と立派に演じました。大道具や衣装が本 格的で、子どもたちは、すっかり劇の世界に入り込んでいました。 音楽発表は、それぞれの学年で音楽の授業の成果を発表するこ とができました。鍵盤ハーモニカは、各学年共通で、あとはその 他の一人ひとりに合った楽器を演奏しました。 中 学 部 【立川祭】 (11月5、6日) 今年度中学部の発表は 2 つのグループ(A、B)に分かれておこないました。 A グループ「おどろき!おばけ」 怪談話やダンスを披露しました。映像や衣装に メイクと工夫をこらして発表しました。 B グループ「お化け屋敷」 教室をダンボールなど使って迷路に改装し、お化けに 変身した生徒がお客さんを驚かせていました。 舞台発表では和太鼓を演奏しました。ドキドキしながらも精一杯発表していました。 【総合文化祭】(11月18日)国立オリンピック記念青少年総合センター 立川祭で発表した和太鼓「清流登り打ち」 、「秩父屋台囃子」、 「三宅太鼓」を演奏しました。お客さんに喜んでもらえるよう気持ちを 一つにして演奏できました。 高 等 部 「立川祭を終えて」(11月5日・6日) 高等部では1・2・3年基礎は模擬店「メープルスターカフェ」 、3組はお店「く~たん」 、1年応用 は映画「ローキーズ」、そして大体育館では機械系、インテリア系、生活文化系、情報系、専攻科が、 電車の乗車体験、作品展示、映像作品の発表、製菓販売などを行いました。ステージ発表では、2年応 用は劇「けん太とタイムバイク」、有志からなるパフォーマンス「サイレントコメディー」など、素晴 らしい発表も見せてくれました。その他にも、部活の活動内容展示や美術作品の展示、筝曲演奏など盛 り沢山の内容で立川祭を盛り上げてくれました。 立川祭終了後はワークスペースで後夜祭を行いました。PTA が作ったカレーを食べながら、生徒た ちによる男装女装コンテストや生徒会の劇などを楽しみました。準備期間を入れると長い立川祭でした が、仲間との絆も深めることができ、とても充実していたようです。 聴覚障害教育支援部 立川祭で補聴器・日常生活用具の展示を行いました。 高等部定番のSLが廻るレール内で、補聴器会社のワイデックス・リオネットの新製品や自立コムの 日常生活用具の展示を実施しました。ネイルアートの要領で、イヤモールドに模様を描かれたものや 補聴器のTコイルを利用して使えるヘッドホンなどがありました。訪れた人が興味をもって、担当者に 聞いたりその体験をしたりしました。
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