リウマチ

関節リウマチ診断のための検査のすすめ方
関節リウマチ診断のための検査のすすめ方
基本
検査
炎症マーカー
CRP、赤沈
炎症の有無と程度を調べる
末血一般
WBC
RBC・Hb・Ht
細菌性関節炎・RA(↑)、SLE(↓)
TP、GOT、GPT、LD、
ALP、γ-GT、CK、
Cre、Na、K、CL
疾患が原因または薬の副作用などで臓器傷
害を起こしていないか確認
蛋白分画
γ-グロブリンの増加がないか確認
尿一般定性
全身状態の把握
問診・身体所見
生化学
関節症状
①単関節か多関節か
②炎症性か非炎症性
③自発痛か運動痛か
④発症の仕方や性状
尿検査
貧血の有無、程度の確認
関節内病変の有無の確認(関節)
間質性肺炎の確認(胸部)
X線検査(関節、胸部)
全身症状か臓器症状
心電図
疾患を絞る
感染性
関節炎疑い
結晶誘発性
関節炎疑い
膠原病疑い
・尿酸値
・関節液検査
(尿酸結晶、CPPD結晶
の証明)
診断のための
検査
・関節液細菌培養
・パルボウイルスB19
などウイルス検査
リウマトイ
ド因子・RF
その他の関節炎
・関節液細菌培養
・HLA-B27
・MRIなどの画像診断
抗核抗体
(ANA)
血清補体価
(CH50)
陽性
陰性
抗CCP抗体
抗ガラクトース欠損IgG
MMP-3
※特異度が高い
CA・RF
※活動性評価
自己抗体
検査
C3
C4
※ RA :正常
※早期RAに有効
SLE :低下
ACRの分類基準等
確定診断
低下
陽性
結果をもとに確定診断へ
RA
膠原病
その類縁疾患
参照文献:MEDICAL TECHNOLOGY2008Vol.36No1 「関節リウマチ診断の進め方」熊谷俊一 検査と技術2003Vol.31No.10「関節リウマチおよび他の
炎症性多発性関節症」大田俊行
関節リウマチ診断後の検査のすすめ方
関節リウマチ診断後の検査のすすめ方
RA(関節リウマチ)診断確定
炎症マーカー
赤沈、CRP
炎症マーカー
赤沈、CRP 11回
回/月
/月
滑膜増殖マーカー
MMP3
1
回
/1∼3月
滑膜増殖マーカー MMP3
1回/1∼3月
リウマチ因子
RF(定量)
リウマチ因子
RF(定量)11回
回/3∼6月
/3∼6月
活動性の把握のための経過観察
治療薬の副作用モニタリングなど
便潜血検査
1回/年
副作用による胃炎ないし胃潰瘍のチェック
1回/月
抗リウマチ薬の種々の副作用のチェック
尿一般定性
末血一般
生化学
GOT、GPT、LDH、CK
ALP、Cre、Na、K、CL
メソトレキートの副作用である間質肺炎の
チェック、結核などの感染症のチェック
KL-6、胸部X線
眼科受診
1回/年
ステロイド投与による白内障、緑内障の早
期診断
リウマトイド因子検査の特徴
リウマトイド因子検査の特徴
項目名
抗ガラクトース欠損IgG抗体
(CA・RF)
マトリックスメタプロティナーゼ-3
(MMP-3)
抗CCP抗体
特徴
目的
関節リウマチ患者に比較的
特異的な自己抗原であるガ
ラクトース欠損IgGに対する
自己抗体を検出する
関節リウマチの診断 早期
RAに有効と言われている
細胞外マトリックスを分解し
関節リウマチの関節破壊に
関与する蛋白分解酵素であ
るMMP-3蛋白量の測定
関節リウマチの活動性の評
価、関節破壊の評価ならび
に予後予測、関節リウマチと
痛風、変形性関節症、外傷
性関節炎などとの鑑別診断
RA自己抗原のひとつである
シトルリンを含む合成ペプチ
ドに対する抗体の測定
関節リウマチの診断、関節リ
ウマチの骨破壊進行の予測
参照文献:検査と技術2003Vol.31No.10「関節リウマチおよび他の炎症性多発性関節症」大田俊行 検査と技術2006Vol.34No.11「抗ガラクトース欠損
IgG抗体」渥美 達也 「マトリックスメタロプロテイナーゼ-3」抗CCP抗体 大田俊行
●リウマトイド因子検査の特徴
項目名
特徴
抗ガラクトース欠損 IgG 抗体
目的
関節リウマチ患者に比較的特異的な自己抗原である
ガラクトース欠損 IgG に対する自己抗体を検出する。
(CA-RF)
マトリックスメタプロティナーゼ-3
(MMP-3)
細胞外マトリックスを分解し関節リウマチの関節破
壊に関与する蛋白分解酵素である MMP-3 蛋白量の測
定。
保険点数
120 点
関節リウマチ診断
(免疫)
関節リウマチの活動性の評価、関節破
壊の評価ならびに予後予測、関節リウ
120 点
マチと痛風、変形性関節症、外傷性関
(免疫)
節炎などとの鑑別診断。
RA 自己抗原のひとつであるシトルリンを含むペプチ 関節リウマチの診断、関節リウマチの
抗 CCP 抗体
ドに対する抗体の測定。
骨破壊進行の予測。
(免疫)
通常の RF は主として IgM クラスの RF を検出するの
IgG 型リウマチ因子
210 点
に対して IgG クラスの RF を検出。高値の場合は RA 関節リウマチの活動性評価
(IgG-RF)
210 点
(免疫)
の可能性が高いと考えられる。
レセプト上の注意:CA-RF、MMP-3、IgG-RF、抗 CCP 抗体のうち 2 項目以上併せて実施した場合には、主たる点数のみを算定(1 項目のみの算定)
抗 CCP 抗体は他検査で RA と診断できなかった場合、原則として 1 回算定。ただし結果「陰性」の場合は、3 月に 1 回算定可。
(2 回以上算定する場合は、1 回目の検査値を診療報酬明細書摘要欄に記載する)
●リウマトイド因子検査の陽性率比較
・早期 RA 患者における検査の陽性率(%)
・RA 診断のための検査の陽性率(%)
抗 CCP
RF
CARF
IgG-RF
69.6
75.9
27.8
81.0
健常人(n=202) 3.5
6.4
2.0
3.0
非 RA 患 者 ※
(n=105)
31.4
11.4
7.6
RA(n=79)
22.9
RF
CARF
IgG-RF
抗 CCP 抗体
MMP-3
発症 2 年未満
(n=16)
56.3
75.0
43.8
68.8
75.0
発症 2 年以上
(n=63)
73.0
76.2
23.8
84.1
68.3
抗体
非 RA 患者※:SLE、SjS、PSS、PM/DM、MCTD
※検査と技術 vol.33 「関節リウマチ」熊谷俊一・林 伸英より引用