<センター通信 9月号> ~それでもタバコを吸いますか?~ 中津川市地域総合医療センター 船橋浩一 これまでの研究で、日本では年間12~13万人が喫煙により死亡してい ることが示されており、これは全死亡者数の約1割を占めます。また受動喫 煙(他人のタバコの煙を吸わされること)でも年間約1万5千人が亡くなって いると推計されています。 喫煙は生活習慣のうちで最も健康への悪影響が大きく、また受動喫煙に より周囲の人の健康も害するため、一人でも多くの人が禁煙をし、まだ喫煙 をしていない若い人が決してタバコに手を出さない事が強く望まれます。 では、タバコをやめるためにはどうすれば良いでしょうか? まずは、今さらではありますが、「タバコが健康に極めて悪い習慣」であるこ とを、全員が再認識する必要があると思います。 換気扇の下やベランダで吸っていても、受動喫煙の影響は家族に及ぶと されており、「家の中では吸わない」というよくある言い訳は通用しません。 また、親が喫煙者だと子供もタバコを吸う様になる確率が高くなることも示 されており、タバコという健康に悪い習慣が世代を越えて受け継がれていって しまいます。 ひとたび禁煙をしようと思えば、病院や診療所では、カウンセリングや禁煙 補助薬を用いて、少しでも禁煙の成功率を高める様にお手伝いをさせて頂 く事が出来ます。一定の条件を満たせば、健康保険も使えますのでかかりつ けの医師と相談してみて下さい。 私自身の先輩・知人にも喫煙者や元喫煙者は大勢いますし、もちろん 個々の喫煙者を否定したりするつもりは全くありません。でも喫煙者である ○○さんが、いかに人として魅力的であろうと、いかに現在健康に暮らしてい ようと、やっぱり「タバコは健康に悪い」のです。 目立つ話題では無いですし、出来れば直視したくない方も多いとは思いま すが、日本国内だけで、中津川市の人口の1.5倍以上もの人々の命を毎 年奪っている「タバコ」の話を抜きにして健康は語れないと思います。 喫煙という、避ける事の可能な危険を回避して、より多くの人が健康に暮 らせる様になればと思います。 参考資料:厚生労働省ホームページ
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