時間管理と効率的な会議のすすめ方

社会福祉法人成仁会
主催
平成27年度 メドック東浦職員研修
時間管理と効率的な会議の進め方
平成28年2月19日(金)第1グループ
平成28年3月 1日(火)第2グループ
17:30~19:00(90分)
福祉マネジメントラボ
代表 大坪 信喜
[email protected]
講義1
1.時間管理の重要性
時間はあなたの人生の貨幣である
あなたが所有する唯一の貨幣であり
それをどう使うかを決められるのは
あなただけだ
カール・サンドバーグ
(詩人・作家・編集者)
人間だれでも平等に1日24時間与えられている
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1.時間管理の重要性
時間は動作の影
●無駄な動きを排除する
●一歩先を考えて行動する
●同時に2つのことを行なうようにする
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2.全国どこのデイサービスも労働投下時間に大差ない
1週40時間×52週(年間)
=
30名定員のデイサービスの職員数
2,080時間
×
8名
=
2,080時間(前後)
=
8名(常勤換算)
16,640時間
サービス品質の違いや収益性の違いはどこから生まれるか
時間の活用の仕方に他ならない
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3.なぜ現場はいつも忙しいのか
緊
急大
性
緊急でかつ重要な仕事
緊急だが重要ではない
◎
△
緊急ではないが重要
緊急でも重要でもない
△
×
●利用してもらえる仕組みを作る
小
重要性
大
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小
5
4.会議にはどのくらいの費用が掛かっているでしょうか
○職員の平均年収(年間)
400万円
=
○職員の平均労働時間(年間)
=
2000時間
○職員の平均時給
400万円
÷
2000時間
=
2000円
職員が10人集まって2時間会議をした場合
2000円 × 10人 × 2時間 =40,000円
会議の成果が何もなければ4万円は無駄に浪費されます
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5.チーム効率
1+1が必ず2になるか?
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6.チームで何かを生み出す際の教訓
○何もしない(考えない)人が一人でもいてはいけない
○一人ひとりみんなが自分の役割を理解していないとい
けない
○全体を見て一人ひとりの力を引き出すような働きかけ
をする人(リーダー)がいないといけない
○チームの一人ひとりが目標(目的)を共有して集まら
なくてはいけない
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7.チームビルディングの進め方
単なる集合体
グループ
チーム
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個人中心・個人の価値観や
現場業務優先
リーダーがばたばたと動き
回る。リーダーに負荷がか
かる。メンバーは傍観者。
積極的に関与しない
個々が施設の目的に沿った
行動ができる
メンバー同士が信頼関係で
結ばれている
お互いを必要としている相
互依存の関係
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8.特別養護老人ホームで行った業務量調査
日勤全勤務者業務総合
3%
〇全日勤者が食事介助に
20%の時間を費やしている
6%
20%
4%
5%
6%
6%
12%
7%
12%
9%
食事介助
入浴介助
排泄介助
会議
洗濯
施設清掃
記録作成
フロア巡回
利用者受入れ
おやつ介助
居室清掃
その他
〇同じく入浴介助に12%の
時間を費やしている
〇また、排泄介助にも12%
の時間を費やしている
〇また、会議・申し送りに
は10%の時間を費やしてい
る
10%
1日の総労働投下時間:8時間 × 16人 = 128時間
1日の会議に要した時間:128時間 × 10% = 12.8時間
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9.福祉施設で良く見かける会議・委員会の問題点
●そもそもその会議の目的が明確になっていない。
●その会議に本当に必要なメンバーなのか吟味がされていない
●予定された時間に始らない、予定時間に終わらない
●議案がない。議事録も取られない。議事録と次の会議がつ
ながっていかない。
●報告連絡だけの会議が多い。1対1のやり取りに終始。
他のメンバーはただメモを取っているだけ
●現場の仕事を引きずって遅刻、途中退席、途中参加が多い
●司会進行が落としどころを持って臨んでいない
●決定されたことが周知されない
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10.会議は目的に合わせて考える
①情報伝達会議
連絡事項や報告を伝え
るだけ
一方通行・建設的な議
論にはならないもの
企画検討、業務改善等
朝礼
申し送り
職員会議
経営会議
②意思決定会議
双方向・建設的な議論
に発展しなければなら
ないもの
③意見調整会議
複数職種が集まって立
運営調整会議
場や利害を調整する
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各種委員会
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11.その会議は本当に必要なのか(WHY)
●その会議は何のために開かれるのか理解しているか
●その会議は何かを決める会議なのか、単なる連絡事項を伝え
る場なのか、会議の目的を明確にしておく必要がある
(主催者)
●前回会議の議事録を読んで前回までの会議の流れを把握して
いるか
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12.その会議では何を決めるのか(WHAT)
●議案は事前に準備され、メンバーに周知されているか
●メンバーは議案に関係する現場の情報を集めて出席している
か
●その会議で決定するためのたたき台(資料)は準備されてい
るか
●単なる連絡事項の伝達なら集まらなくても良いのではないか
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13.その会議のメンバーは適切なのか(WHO)
●安易に代理出席を認めていないか
●本当に必要なメンバーだけで構成されているか(何のために
座っているかわからないような人が含まれていないか)
●出席者数が多すぎないか(できるだけ全員を集めようとして
いないか)
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14.集中出来る場所か準備されているか(WHERE)
●集中できる場所か(利用者がそばにいないか)
●現場から呼ばれてすぐに出ていけそうな場所か
●内線電話が入ったり館内放送が聞こえてくる場所ではないか
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15.その会議は開催時間は適切か(WHEN)
●現場業務に支障を来さない時間帯か
●職員が疲れ切っている時間帯ではないか
●頻度が多すぎはしないか
●本当にその日に開催しなければいけないのか
●会議時間は2時間以上と長すぎではないか
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16.その会議の運営は適正か(HOW)
●雑多な議案で構成されていないか
●議長(司会進行者)は会議の落としどころを持って臨んでい
るか
●遅刻、中抜け、途中出席を厳しく律しているか
●隣同士二人だけで話し始める人たちを注意しているか
●最後まで一言も発言しない人に発言を促しているか
●施設長一人が話すだけで後は下を向いてメモしているだけに
なっていないか
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17.会議の生産性
コスト
投下時間
INPUT
投下人数
時給2000円
=
×
10人
×
2H
4万円
定刻に開始、2Hで結論、全員が発言
コストパフォーマンス
議案が完結すること
OUTPUT
会議の前と後では何かが変わ
ること
モチベーションが上がること
生産性
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会議の運用
①議長が場を支配する
今日の会議の目的と目標を明示する
時間通りに開始する。時間通りに終了する
ルール違反を注意する
②議長は事前に落しどころをイメージ
結論を踏まえて全ての出席者から意見をもらう
多くの人の意見を聞いて自分が考えてきた結論に問
題がないかを探っていく
自分が考えてきた結論に固執しない
関係部署の全体最適を考えた結論に導くこと
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会議の運用
③遅刻・途中退席・電話取次厳禁
皆が議論に集中できるよう環境整備に気を遣う
④時間を見ながら議案を進める
2時間で必ず結論を出す
この場で結論が出ない議論に時間をかけない
場合によってはメンバーへの宿題にする
⑤次の会議に連続性を持たせる
議事録を1週間以内に提出させる
議事録の点検を行う。議事録を踏まえて次回の議案
を作成する
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18.会議をしていて困る人(ルール違反)
●隣同士で話し出す人たち
周りの迷惑、議論に集中できない
●話が長い(要領を得ない)人
いつまで聞いていればいいのかわからない
●何も発言しない人
出席している意味がない
●終わりの方になって議論を根底から覆す人
すでに決まったことを根底からひっくり返し、積み上げて
きた合意がパーになる
●会議が終わった後にあれこれ言う人
会議で合意した後で終わってから色々言う。当然、結論を
自分の部署のスタッフに伝える事もない
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19.マネジメントサイクル
Action
(調整)
問題点を改善して
次の会議につなげる
会議のあり方を見直す
メンバーを見直す
Plan
(計画)
目的を明確にして
5W1Hで会議を
企画する
Do
(実施)
目的通りに会議を
回す
参加者は自分の
役割を果たす
Check
(評価分析)
会議は目的通り
進行できたか
結論は出たか
議事録の作成・振返りアンケート
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