特 ポーランド大使館 別 会 員 ニ ュ ー ス の技術系大学に、原発分野の学科・専攻課程が新設 または復活する予定である。さらに、原子力のさま ざまな基礎研究・応用分野を専門とする諸研究所を 原子力エネルギー導入計画概要 2009年1月13日、ポーランド政府は「原子力エネ 束ねる機関として「国立原子力研究所」の設置が予 定されている。 ルギー発展のために行われるべき作業」に関する決 原発建設の準備作業は、政府が指定した最大投資 議を採択し、その結果、2020年に原子力発電所第1 家のポーランド・エネルギー・グループ(PGE)に 号機を稼働させることを自らの義務と課した。 よって行われる。PGEは原子力分野における経験が 5月19日、原発第1号機稼働実現に向け、内閣の ないため、事業を成功させるために不可欠なのは、 決定に基づき「ポーランド原子力エネルギーに関す 原発建設分野における技術と経験を有する企業の参 る政府全権代表」が選ばれた。全権代表の主要な課 加である。そのため、2010年12月31日にPGEはポー 題のひとつは、ポーランドにおける原発の数や規模、 ランドにおける原発第1号機建設のための企業連合 可能な建設地などを規定する「ポーランド原子力エ を開設する。 ネルギー・プログラム(PEJプログラム) 」を2010年 原子力産業の導入に当たって、法律の見直し、人 末までに作成し、内閣に提出することである。また、 材育成、建設地の選定などが最重要課題であり、ポ 全権代表は、PEJプログラムの実現に不可欠な法律 ーランドの政府行政機関および企業は、日本の企業 と機関の整備、原子力エネルギー施設の準備・建設 や研究機関との協力関係構築に大きな関心をもって を目的に政府行政機関が執り行うさまざまな作業を いる。 実現する責任を負う。 本稿は、ポーランドの原子力エネルギー導入に関 8月11日、ポーランドにおける原子力エネルギ する記事の一部を紹介したものです。全記事はJOIウ ー・システム構築のため、政府は以下のロードマッ ェブサイト(http://www.joi.or.jp/poland_ j.html) プを採択した。 に掲載しておりますので、ぜひご参照ください。 ○第1段階(2010年12月31日まで) お問い合わせは、駐日ポーランド共和国大使館経 PEJプログラムの作成・採択によりポーランドへ 済 部 ( T E L : 0 3 - 5 7 9 4 - 7 0 5 2 、E - m a i l : t o m . の原子力エネルギー導入を最終決定。 [email protected])まで。 ○第2段階(2011年1月1日∼2013年12月31日) 原発第1号機の土地設定、その建設契約の締結。 ○第3段階(2014年1月1日∼2015年12月31日) 技術プロジェクトの実現と法律によって必要とさ れるすべての認可の取り付け。 ○第4段階(2016年1月1日∼2020年12月31日) 原発第1号機の建設。 ポーランドに原発システムを導入するための準備 作業として、原発と関連のある機関・企業で働く専 門家を養成するプログラムが実施される。すでにフ ランス国際原子力支援機構(AFNI)との協力が結ば れ、2010年末までに約140名が養成される予定であ る。原発専門家の養成を申し出ている国々、特に日 本、米国、韓国、スウェーデンとの協力関係締結も 計画されている。また、ポーランド国内のいくつか 2009.11 1
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