第27号 - 子どものいのちを守る会

27
2011 . 5 . 12 発行
巻 頭 言
東日本大震災、福島原発事故について、思うこと
慶應義塾大学名誉教授 認定 NPO 法人子どものいのちを守る会理事長 村井 寶
今回の東北・関東地域にわたる大災害の発
世代に久しくあまりにも欠けてきた、生き方
とりわけ原子炉の崩壊については、自ら物理
生以来、いま子どもたちが置かれているに違
の自覚と知性の働きという二つの要件を原因
学者あるいは原子物理学関係の専門家をもっ
いない苦境をあれこれと胸に浮かべてはみま
として生まれた、その意味で歴史的な人災、
て任じてきた人たちには、学者としての痛恨
したものの、痛ましさの思いがつのるばかり
あるいは、もっと率直に言えば、私たち大人
極まりない不甲斐なさの自覚が生まれている
で、いまもって何をどう言えばいいか、こと
たちの世代が、成熟した大人として当然払う
のではないかと思っているのです。
ばのかけようが考えつきません。
べきであった政治上の配慮と、当然働かすべ
そもそも原子とか原子核とかが、どういう
きであった科学上の知性の鋭さとに、これま
恐るべき威力のものなのか、最後的にどう対
まず衝撃的に感じ取ったことは、子どもたち
であまりにも欠けていたという事実からの、
応しどう処理することが人間にできるのか
をはじめ数多くの人々のさまざまの苦難のこ
これが必然の結果ではなかったか、その意味
は、まだ実は誰にも分からないものだとは、
とは当然ながら、それよりも以前に、まず、
「し
で、地震も津波も原子炉の崩壊も、ことごと
半世紀も前から広く知られてきているはずで
まった!」という、過去の自分自身の生き方、
く、まさに一連の人災そのものであったと見
す。それにも関わらず、ただ利用するだけは
あるいは子どもたちに対しては大人としての
なければならないのではないか、と感じられ
利用しようという一部の国民の欲望や行為
私たち世代の、まさにあまりにも貧しかった
ているのです。
を、その恐ろしさを一番よく知っているはず
じつは私のばあい、今回の災害にあたって、
政治上の配慮については、地震であれ津波
の専門家たちが、今日までどうして見過ごし
の、絶望的な後悔の痛みでした。その後悔が、
であれ原子炉であれ、まずこれまで政治家と
たり放置したりすることができてきたので
今なお続いています。
称してきた人々が、もっぱら政争に明け暮れ
しょうか?
としかいえない知性の働きと人間性の自覚へ
今回の災害は、一般には地震と津波という
ていただけで、国家の運命を左右するこうし
地震や津波や核分裂の専門研究者たちに
二つの天災と、その天災に付帯して起こった
た天災への備えなどにはまるで無見識、無防
も、それぞれの立場でのさまざまの言い分が
福島原子炉の崩壊という、いわば一つの人災
備のままに久しく過ごしてきたとしか見えな
あろうということは分かります。しかし、学
との、不運な三重の関わりによるものと見ら
いことを、決定的に責められなければなりま
者たち、あるいは専門家たち自身は、もちろ
れているようです。しかし私には 、この今
すまい。
ん私も含めてのことですが、いまはただただ、
自分たちの専門家としての研究や知識の貧困
回の災害がすべて、悔やんでも悔やみきれな
一方、科学上の知性については、私はもち
い、私たち大人たち世代による決定的な人災
ろん、私自身も含んで社会に広く学者と呼ば
さと、国民としての社会的自覚の未熟さとを、
であったと感じられてならないのです。
れてきた人たち、なかでも自然科学者として、
身をもってかみ締めるほかはあるまいと思っ
つまり、子どもたちに対する私たち大人世
しかも地震や津波についてはその専門家であ
ているのです。
代の、この事件に至るまでの生き方と知性と
ることをもって自ら任じ、社会でもその意味
の貧しさと粗末さ、あるいは 、私たち大人
で高く尊敬されてきた人たち、そしてまた、
これが、現在の時点で私に言える唯一つの
ことのように感じています。
Dawn - No.27
2011 . 5 . 12
001
目 次
Dawn27 号
◆巻頭言 東日本大震災、福島原発事故について、思うこと
慶應義塾大学名誉教授 認定 NPO 法人子どものいのちを守る会理事長 村井 寶…… 1
お知らせ
いろいろ
◆目次/お知らせいろいろ掲示板……………… 2
◆認定 NPO 法人「子どものいのちを守る会」
掲示板
第 10 回 総会のご案内… ……………………… 4
◆東日本大震災 緊急特集 … …………………… 5
レポート 1 被災地の現場から 津波に襲われた『創る村』のその時… …… 6
レポート 2 食を担う現場から 生産の現場で何が起きていたのか… 14
レポート 3 放射性物質をどうしたらいいのか
天然ゼオライトの可能性…………… 16
総会のお知らせ
◆理事会報告…………………………………… 18
◆編集委員会報告……………………………… 21
◆あとがき……………………………………… 23
認定 NPO 法人子どものいのちを守
る会の定例総会のお知らせです。
平成 23 年 5 月 15 日(日)
13 時開場 16 時 30 分まで
主婦会館プラザエフ 9 階すずらん
(東京都千代田区 6 番町)
総会の前には、今年もミニコンサー
トと講演会を予定しています。
ミニコンサートはバグパイプとバイ
オリンによるケルト音楽、講演会は当
会理事の牛島定信先生による「最近の
子どもたちをめぐって」と題して、震
災のこの時期に役立つお話を予定して
います。ぜひ、ご参加ください。
詳細は 4 ページをご覧ください。
002
子どものいのちを守る会 会報 Dawn
この度の東日本大震災で、お亡くなりになられた
方々、被害に遭われた方々、避難されている方々
には、謹んでのお悔やみ、お見舞いを申し上げます。
今号は、予定を変更し、東日本大震災緊急特集号として、被
災地等の現場からのレポートを中心にお届けします。
被災地支援の募金のお願い
皆さんのお声を
待っています。
この大災害にあたって、当会としても、何か被災地の方々
に役に立つことをしたい、しなければならないとの思いが強
く、しかし、避難された方々への物資の送達もままならない
現状から、募金活動を開始することに致しました。
会員の皆さんは言うまでもなく、こ
一般的な募金に参加することも考えましたが、出来れば志
の会報ドーンをお読みいただいた方
を同じくする関係ある団体、仙台松島海岸にある NPO 法人
に、子どもたちの現状をどう考えてお
「創る村」に特定することにしました(創る村の被害の状況
られるか、子どもたちの将来をより良
は 6 ページからのレポートをご覧ください)。
くするためにはどうしたらよいか、な
今回の大地震災害救援寄付金は、9月末日までとします。
どのご意見、あるいは身近な子どもに
○郵便払込票口座 00140 - 3 - 141327
ついての悩み、子育ての悩みなどをお
○加入者名 特定非営利活動法人子どものいのちを守る会
聞かせ下さい。
○通信欄に「大地震救援募金○○円」と書いてお送り下さい
また、会報の内容や、親子塾、講演
会などの行事についても、ご意見をい
ただければありがたいと思っています。
お手紙、ファックス、メールなど、
どれでも結構です。次の会報に掲載さ
せていただきますが、個人的な問題に
触れることは致しません。掲載の有無
にかかわらず、
薄謝を進呈いたします。
また、当会の趣旨に沿って、被害を受けた保育園、幼稚園
に対する支援の重要性を考え、
「保育園、幼稚園災害支援募金」
も特定寄付金 として設定しました。募金の送り方は上と同
じで、通信欄には「保育園、幼稚園災害支援募金○○円」と
書いてお送りください。
寄付金は「特定寄付金」として同 NPO 法人に随時送金し、
周辺の方々の救援にも使用して頂こうと思っております。そ
の経過等は、協力いただいた方に定期的にご報告致します。
皆様のご理解あるご協力を、心からお願い申し上げます。
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003
認定 NPO 法人『子どものいのちを守る会』
第 10 回総会のご案内
◆日 時:5 月 15 日(日)
16 時頃より約 30 分(牛島定信理事の講演会終了後)
◆会 場:主婦会館プラザエフ 9 階すずらん
東京都千代田区六番町 15(JR 四谷駅麹町口前)
電話:03-3265-8111
○総会終了後、懇親会(会費3千円)を開催致します。
ご都合のよい方は、どうぞご参加下さい。
審議の概要
・平成 22 年度事業活動報告
・決算報告の承認及び会計監査報告
・平成 23 年度事業方針(案)
・計
画(案)収支予算(案)審議
○定例総会前に、午後 1 時 30 分(開場 1 時)から、
ミニコンサート(バグパイプを使ったケルト音楽)
があり、引き続き本会理事 牛島定信男理事(三田精
神療法研究所長)の「最近の子どもたちをめぐって」
・平成 23 年度親子塾
と題する講演がございます。会員以外の方も傍聴は
・役員の改選
自由です。是非ご参加されるようお誘い致します。
♪ミニコンサート♪
13:00 開場 13:30 開演
バグパイプをつかった、ケルト音楽の、珍しいコンサートです。
日本には数名しかいないというイーリアンパイパーの奏でる音色を
お楽しみください。
バイオリン 大竹 奏さん
〜プログラム〜 庭の千草/ダニーボーイ/アイルランドのダンスチューンズ/
リール/ジグ/ホーンパイプ/イーリアンパイプの曲/
エア/スコットランドの音楽/ブルターニュの音楽/ポルカ
などを予定しています
バグパイプ 松阪 健さん
ミニコンサート終了後(14:30 頃より)
■講 演
「最近の子どもたちをめぐって−大震災のこの時期に」
子どものいのちを守る会理事 牛島定信先生(三田精神療法研究所長)
004
子どものいのちを守る会 会報 Dawn
東日本大震災 緊急特集
大災害でお亡くなりになった方々、被害に遭われた方々、避難されている方々には、
謹んでのお悔やみ、お見舞いを申し上げます。
3 月 11 日に始まった大災害、
われわれ日本人にとっても、また、世界の人々にとっても
絶対に忘れられない日になるでしょう。
何十年ぶりの大地震と大津波、それに原発のレベル7という深刻な事故が加わり、
被災地の復旧、事故の回復も、相次ぐ余震もあり、思うように進んでいません。
また、被災地から離れた地域でも、
甚大な被害のニュースに愕然とし、心を痛める中で、
電力の不足に伴う計画停電や、燃料の不足、
それに伴う物資の不足に、たちまち日常生活が脅かされ、
不安な毎日を余儀なくされることとなりました。
3 月 11 日の 2 時 46 分を境に、
たくさんの悲しいニュースが、日本中に溢れることになりましたが、
人と人とのふれあいや、温かい助け合いのエピソードも、また、たくさん生まれ、
それぞれが「今」何をすべきなのか、真剣に考える機会にもなりました。
私どもも、このような事態に出来る事は何かと考え、
関係の深い NPO 法人「創る村」( 宮城県東松島市の海岸に面している ) へ義援金を送ろうと、
皆様にもご支援を頂けるよう、ホームページや会報でお呼びかけ致しております。
今号の特集は、予定を変更して、東日本大震災に関するレポートとさせていただきました。
様々な現場で何が起きたのか、お伝えし、
被災地への支援や、家庭や職場での災害への備えなどへの一助にしていただければと思います。
レポート 1 ー被災地の現場からー 津波に襲われた『創る村』のその時
レポート 2 ー食を担う現場からー 生産の現場で何が起きていたのか
レポート 3 放射性物質をどうしたらいいのか ー天然ゼオライトの可能性ー
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日本三景で有名な松島湾の東に位置する『創る村』では、
海岸からわずか 100m のところに、老人介護施設「老莱
レポート 1
子の家」の建設を終えたばかり。落成記念の会を催したの
−被災地の現場から−
津波に襲われた
『創る村』のその時
は 3 月 5 日のことでした。
『創る村』には、当会の「親子塾」キャンプの子どもた
ちのケアーのために、若い方々に毎年支援・協力してもらっ
ています。11 日の大地震と大津波のニュースに、当会の
役員が何とか消息を知ろうと懸命に努力しましたが、数日
間全く連絡が取れませんでした。海岸に近いので、最悪の
事態も予想されたのですが、4日目に間接的に「無事」の
でいたとき、たまたま『創る村』の理
てくるだろうと、想像したそうです。
事長飴屋善敏先生が、地元信金の支店
別の建物にいたメンバーも、揺れが落
長から声を掛けられ、融資を受けたと
ち着いたところで、まだ物が入ってい
の日、
『創る村』では、敬老施設「老
いう幸運もありました。飴屋先生は、
ない新しい「老菜子の家」へと避難を
莱子(ろうらいし)の家」の見学会と
地元で様々な活動を続けてこられた篤
始めました。
落成祝賀会が行われました。
『創る村』
志家として知られていたのです。
■ 3月5日
地震の日から数日前のことです。こ
30 分ほど、建物の 2 階へと避難を
の新しい事業、本来の「敬老」とは何
窓からみえる松島湾の景色が、とても
している最中に、津波の大きな音は聞
かを問い続けるお年寄りの為の施設
素晴らしかったと、訪れた人たちが口を
こえてきたそうです。眼前に広がる松
揃えるとおり、その日の松島湾は穏やか
島湾ではなく、津波は背後から襲って
で、キラキラと輝いていたそうです。
きました。水音が迫る中で、建物の 2
「老莱子の家」の始まりの日です。
この施設の建設資金の調達に苦しん
階へと全員が集まり……、あっという
まにあらゆる物をなぎ倒した水が、窓
その時、津波はやってきた……
の外を川のようになって流れて行く様
■ 3 月 11 日
いつも通りの日常、……というより
“ これも何かの巡り合わせ……” と、
は少し高揚した気分の一日を、それぞ
飴屋先生は、その時を振り返っておっ
れが過ごしていた、あの日、老菜子の
しゃいます。
家の落成祝賀会から数日が過ぎ、『創
もしも、「老菜子の家」がまだ完成
る村』には、新しい時間が流れ始めて
していなかったら……、完成直後の中
いました。真新しい建物の前で、ある
身が無い状態でなかったら……、恐ら
者は新しいスロープの建設を手伝い、
くみんな、奥の建物に避難していて、
ある者は運営へ向けての打ち合わせの
助けるべき人の存在に気が付かなかっ
ためにそこを訪れ、皆が、“ はじまり ”
たと思う。そして、ちょうどその日に、
への手応えを感じていました。
看護士の由理さんが打ち合わせに訪れ
その時、未来へ続くはずの時間を、
巨大地震が止めてしまったのでした。
大きな揺れは、あらゆるものを倒し、
006
子を呆然と見つめました。
ていなかったら、救出した人を助ける
こともできなかっただろう……と。
決死の救出劇も、その時はただ無我
壊れたものが散乱、あっという間に足
夢中で、それぞれのできることをした
の踏み場もない状態になったといいま
のでしょう。流れにのまれた女性を 2
す。 海辺の村ですから、地震や津波
人、そして、避難する途中で車で立ち
津波到来時の様子(「老莱子の家」二階より撮影)
への警戒は、普段から怠ってはいませ
往生し、身体が水に浸かってしまって
家も車も船も樹木も、そして多くの人を
も巻き込み、飲み込んでいった津波は、
村の前面の堤防をなぎ倒して、松島湾に
向かった
ん。揺れと同時に電気は途切れ、他か
いた高齢者を助け出し、「老莱子の家」
らの情報が入らない状態になっても、
の 2 階は、助かった人の避難所とな
大きな揺れの後は、恐らく津波が襲っ
りました。
子どものいのちを守る会 会報 Dawn
東日本大震災 緊急特集
連絡が入り、漸く安堵したのです。
その時の情況を皆様にもお知らせしなければと、4 月 8 日
午後 『創る村』の飴屋先生に、
お電話でお話を伺いました。
大きな余震で、ライフラインの復旧が一歩後退。復興への道
して、混乱の中の 1 か月、
『創る村』のみなさんがどのよう
×
創る村
創る村
陸前大塚
に現実と向き合って生きてきたのか、
先生のお話に、
『創る村』
仙石線
からのブログの記事を交えて、お伝えします。
日が暮れてからも、救出劇は続き
ました。郵便局から流されて、岩に
松島湾
東名
至仙台
して力強いものでした。 大きな揺れに教われたその時、そ
至石巻
地震と津波の日から 1 か月近く経ったその日も、前の晩の
がなかなか見通せない状況の中、飴屋先生の声は明るく、そ
太平洋
野蒜海岸
松島海岸
着き、
もうすぐ救助がくるから、頑張っ
てと励まし続けたのです。
しがみついていた女性の救出を始め
なんとかボートが到着した時、疲労
たときには、すでに日が暮れて、あ
と低体温で、その女性の意識はほとん
たりは暗い状態だったそうです。
どない状態でしたが、ちょうど『創る
だんだんと弱々しくなっていく声
村』へ打ち合わせの為に訪れていた由
へ向かって、水の中へボートをこぎ
理さんの手厚い看護と皆の協力で、蘇
だしたのは、善太君と鈴太郎君のお
生することができたのだといいます。
父さん。流れる水に遮られて、なか
なかボートは進まず、その状況を見
それからの数日、避難に遅れた近所
かねて、鈴太郎君はひとり走り出し
の方や高齢者の避難所として、「老菜
ました。いつもは降りたこともない
子の家」の 2 階が機能したそうです。
断崖絶壁を下って、女性の元へ辿り
流された車がとまる「老莱子の家」の南角
水がひいたあとには……
周囲の状況を確認しに外に出たス
はずの音が全てなくなり、聞こえるの
道路はヘドロとがれきに占領されて
タッフの方は、あまりの光景に愕然と
は、鳥のさえずりとヘリコプターの音
しまい、線路の上を歩いての移動で
したということでした。日常にあった
だけ。あまりの静かさに、ぞっとした
す。その線路も、津波の破壊力によっ
と言います。
てめくれ上がり、100 メートルにもわ
津波が通り抜けた「老莱子の家」
無惨に破壊された東名駅とめくれ上がった線路
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たって、よじれが続きます。線路上に
も、車やがれきは流れ込み、最寄り駅
であった東名駅は、無惨に破壊されて
しまっていました。
東名運河の方へ進んでみると、深刻
な被害が、さらに大きく広がっていま
した。
水にのまれた家が運河に浮かび、
そして運河の向こうの町は、海になっ
てしまっていました。
あまりの光景に、
その先へ進むことができなかったと言
います。
堤防が倒壊した、
『創る村』の前に
広がる松島湾には、太平洋を臨む野蒜
海岸の方から流されてきた、がれきや
線路上に流れ着いた車
舟や車など、いろいろなものが流れ込
みました。
『創る村』にあったはずの車は流さ
れてどこにも見当たらず、どこからか
008
運ばれてきてしまった車や舟が目の前
きた車がとまり、津波の水が通り抜け
に広がります。
た 1 階部分には、ヘドロやがれきが
「老莱子の家」の角にも、流されて
いっぱい残されました。
線路のよじれは 100 メートルも続く
『創る村』の前に広がる、松島湾に流れ込んだがれき
野蒜海岸から流されてきた船
「老菜子の家」の前の堤防は津波で倒壊した
子どものいのちを守る会 会報 Dawn
東日本大震災 緊急特集
津波で運河に家が浮く
東名運河の向こう側の町は、海になってしまった
復興への歩み……
■ 3 月 16 日
震災の 5 日後、ようやく『創る村』
に通じる道路が復元し、正規の路を
通って村へ入ることができるようにな
りました。
「老莱子の家」の前の堤防は津波で
倒壊してしまったため、満潮時には、
少し水が上がってくる状態が、ずっと
続いています。
道が片付けられ、通れるようになった
■ 3 月 25 日
「創る村の現状」
(ブログより)
①幸い建物(特に新築したばかりの「老
莱子の家」は、一階は2メートルば
かりの水が奔流した)の一部がしっ
東松島市の東名地区は、まだ電気が
つかず、もちろん水もガスも出ない。
先の災害であり、早急に立て直さな
ければならない。
松島にあるキャンデーショップと毎
日往復する飴屋先生も、被災後 10 日
③一日も早く、正規の活動が始められ
るよう撤去作業を続けていること。
④散乱している大切な資料をきちんと
保存するため。
後に、ようやく制限付の通行証をもら
⑤あちらこちらで泥棒が出現している
うことが出来、落ち着きを取り戻して
とうわさがあり、大切な建物や資料
いる。
を守らなければならないこと。
生活の拠点を他に移さず、スタッフ
がここに残っている理由は、
とにより移動が出来ないこと。
②新しい活動を始めようとしていた矢
い。そういう中で、残された部屋でな
を続けている。
⑦使用中の車両が流されてしまったこ
かり残っていること。
いつ改善されるのか、見通しはつかな
んとか、皆で生活しながら、復興活動
いことなど。
⑥通行規制が厳しく、一旦家を出たら
簡単に自分の家に戻ることは出来な
ミーティングの様子
明るいうちは作業を行いたいため、
暗くなってから始まる
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扉が流されてしまい、がれきが入り口を塞いでいた車庫
救援物資を運ぶ善太君と修理に忙しい舟山君
片付けると、水に濡れたピアノが出てきた
片付けと資料の捜索を続ける日々……
■ 3 月 26 日(ブログより)
今日、松島にあるホテル「海風土」
さんから入浴券を頂いて、2週間ぶり
■ 3 月 27 日(ブログより)
善太です。
の湯船に浸かりました。今までの疲れ
『創る村』は全員命を落とすこと無
今日で被災から2週間が経ちまし
が一気に吹き飛んで生き返った気持ち
く、建物も1階部は破壊に近い状態で
た。津波の過ぎ去った後の地獄のよう
になり、忘れられない1日になりまし
はありますが、『創る村』のキャビン
な状況から、自衛隊や市や全国各地か
た。今まで当たり前だったことが全て
も棟も新しく建てた「老莱子の家」も
らの様々な支援隊によるがれき撤去作
無くなって、アナログな生活を送る毎
堂々と建ってます。
業・救援物資、そして何よりも多くの
日ですが、これも貴重な体験なのでは
方々からの暖かいありがたいご支援・
ないか、と思えてきます。
応援を頂き、本当に救われ、励まされ
ています。
自分は津波からお二人の命を救うと
でも、いつまでも被災者という立場
いう貴重な体験をさせていただきまし
でいては、何も前に進みません。皆様
たが、失ってしまった命の多さに複雑
の応援に応えられるよう、復興そして
な思いでおります。
建設に向かって頑張っていきますの
災害から十日たちますが、まだ自分の
で、これからも温かく見守って頂けれ
中で全然整理も出来ていないし、一日一
ば嬉しいです。 鈴太郎
日不安があり、喜びがあり、また深い悲
しみがありと感情が安
定しない中ですが、今
回 の 震 災 を『 創 る 村 』
メンバー全員で生き延
びたこと、これからも、
このメンバーで、世の
中に貢献していくこと
が出来るのだという喜
びだけは実感できてい
ます。
ご心配くださいまし
陶芸小屋は残ったが……
3 台あった陶芸窯は、多くの作品とともに
津波によって破壊されてしまった
010
子どものいのちを守る会 会報 Dawn
た 方 々、 物 資 な ど を
ほとんど泥だらけになった無惨な掛け軸
送って下さっている
東日本大震災 緊急特集
方、『創る村』の復活を待ち望んでい
る方、本当にありがとうございます。
この災害を乗り越え、親父が言い出
したわが国の教育の基本である教育基
本法の正しい理念を学校に戻そう「個
人の尊厳と一緒に人類全体の尊厳をも
大切にする教育を取り戻す」という本
質的なテーマに、より一層向き合える
強さを手にして、生きて行けるようが
んばります。
これからも宜しくお願いいたします。
■ 4月6日
浸水してしまった鐵舟
飴屋先生の書も泥の中から出てきた
で「そのうちに戻ります。」と言う。
にか悲しい思いをしているだろう。
「飴屋の日記」
(ブログより)
津波で母親を亡くしたK君が豆腐を
彼女は、海が好きだといって引っ越
持ってきた。親友の善太が不在だった
してきて一年もたっていないのだ。も
僕には、最近このように偶然に出
ため、僕が受け取った。
「なんと言っ
う懲り懲りしているのかと思っていた
会って、自分にとって大事な方々がい
てよいかわからない…。
が、
大変だな。
」
僕が、
「来るんですか ?」と聞き返す
る。この人たちと、僕達の子孫の幸せ
という僕に彼は、
「いいえ……。
」と。
と、
「そうです!一緒にやらせてくだ
と繁栄のために、未来に向けた「絆
悲しみはいくばかりだろか。彼もま
(紲)」をつくっていきたいと思ってい
さい。
」と答えた。
た、いやおうなしに「生きるとはなん
彼女は、
「老莱子の家」落成祝賀パー
だろうか?」と考えさせられているだ
ティーで司会を受け持つなど、大変前
ろう。
向きで聡明な女性だ。
るのだ。
今、自らに降りかかった悲しみを乗
り越えて欲しい。僕にはそういう方々
その彼女は、僕らの目の前で津波に
を慰める力が無いし、悲しみを分かち
生きているのかを一緒に話し合おう。
」
お父さんをさらわれてしまったのだっ
合うことは難しい。彼らを慰める手
と言うと、うなづいて帰っていった。
た。
「お父さん ! お父さん!」と叫ぶ
立てはなにか無いかと考えるのだが
Nさんに助かってもらうことだけで、
……。
「落ち着いたら、僕達は何のために
ご近所のNさんは、今ご主人の赴任
先の東京に避難している。先日、電話
その時は精一杯だった。今も、どんな
がんばろう。
『創る村』の沿革
1980 年 塩釜市浦戸野々島に創る村を開設。
(東松島市 ) 新東名に移転。以後、定期的にコンサートを開催している。
1985 年からは、“ 子どもから大人まで皆で楽しめるオペレッタ ” を公演し児童館・老人ホーム等の依頼に積極的に
応じ、芸術フリースクールとしての活動を展開。
2003 年7月からは、松島において、宅老施設「宅老松島キャンデーショップ」を開設。音楽(身体リズム)や食事
療法など生き生きと楽しく生活できる施設を運営している。
2003 年 11 月には、特定非営利活動法人(NPO 法人)として認証を受ける。
『創る村』ホームページ
http://www.geocities.jp/tsukurumura/index.html
ブログ 『創る村』から
http://wave.ap.teacup.com/streamstudio/
Dawn - No.27
2011 . 5 . 12
011
special issue
■ 4月9日
「飴屋の日記」
(ブログより)
を超え、堤防を破って、巨大な船も家
も車も抱き込むようにして、松島湾に
雪崩れ込んでいったのだった。その時、
ここに非難していたスタッフは、数名
の方の命を救うことが出来たのだが、
M7.1 もっとも近いところで…
まだまだ多くの方々がこの海に沈んだ
ままだろう。その奔流の中で踏ん張っ
暗闇のガレキの中を通って、
「老莱
ていた新築したての「老莱子の家」は、
子の家」からキャンデーショップへも
今もなお、悠然と変わらぬ姿でたたず
どった。ここでは一昨夜の地震で消え
んでいるではないか。目の前の海には、
た電気がまた復活していた。
持ち主のない大きな船が月の光の中に
相変わらずテレビでは、
「日本!!」
浮かんでいる。
「日本!!」
「日本!!」と連呼している。
若い数名のスタッフが、泊り込んで
「日本は強い国」と…。
「老莱子の家」と周辺を守っているの
ニセアカシアの木と村のプレハブ
被災後一ヶ月たった今日も、
「老莱
だ。今なお、ライフラインのまったく
子の家」では電気も無く水も無い生活
切断され、治安も衛生も劣悪な地域と
戦死という極限の不幸を体験した。そ
が続いている。東松島市の中でも、海
なっている。まさにこの創る村は被災
して、現在日本の国は復興を成し遂げ
に沈んでしまった地区は別として、
『創
地の最先端にいるといえるだろう。だ
てきたかのようだ。
る村』のように建物が残り、なんとか
から言える事もあろう。いや、私達で
自力で生活している住民には、復旧と
なければ言えないことがあるのだ。
しかし、本当に日本の国は復興し、
日本人は自立できたのだろうか。個人
主義の理想である民主主義国家の国民
支援と情報が極めて乏しいのだ。
確かに、今回の災害は数多くの人々
として、敗戦から本当に立ち上がれた
この日も行方不明の方が目の前の海
の幸せを奪ってしまった。悲しみはい
のだろうか。今までは、表面的な繁栄
から発見された。巨大津波は運河を乗
つまでも消えないだろう。しかし人間
でしかなかったのではなかろうかと思
り越え、線路を剥ぎ取り、舟も人家も
は、つぶされてもつぶされてもいつか
う。今、日本の社会は崩れかかってい
数多くの車も押し流しながら、
『創る
どこかで復活する力を持っている。
るからだ。
村』に向かって疾走してきた。そして、
私は 12 歳のときに、原爆投下、日
確かに今回の災害は大きい。私達も
本各地での被爆、多くの兵士や国民の
その被災地の最先端に取り残されて苦
押し寄せた巨大津波は、
「老莱子の家」
を竜巻のようにぐるぐると廻り、堤防
しんでいる。しかし、六十年前の日本
の国の災いと比べたら、その比ではな
いだろう。私達は日本の国の人の中で
はまだまだ一部なのだから…。
日本人は強いと思う。でも、まだそ
の強さを発揮できてはいないだろう。
今度こそ、その力を発揮すべきときで
はなかろうか。今回の災いをきっかけ
にして。二十一世紀をむかえた人間は
新たな人間復興のために、その試練を
超えなければならない時が来ているの
だから。
広がる海の真ん中に見える車はちはる君の愛車サニー
これだけが海の中に沈んでいたのが見つかった
他の車は皆どこへいってしまったのだろうか
012
子どものいのちを守る会 会報 Dawn
今回のこの災いをチャンスに、真の
復興を目指したい。そのためには、い
東日本大震災 緊急特集
い加減な人達の言葉にだまされてはな
らないのだ。ごまかしで表面的な復興
をあおる様な宣伝には、惑わされては
ならないのである。私達日本人こそ、
世界・地球・宇宙に歓喜をもたらすこ
とが出来る民族であるという、自覚と
自信を持とうではないか。二十一世紀
に自由を獲得した人間が、本当に自立
した生き方をしなければならない時が
来たのだから。
「宇宙に歓喜」を与えることが出来
る人間になろうではないか。これほど
飴屋 善敏(あめやよしとし)プロフィール
1932 年 9 月 10 日
岩手県千厩町に生まれる
1956 年 3 月 東北学院大学英文学科 中退
1950 年 3 月 1961 年 3 月 宮城県塩釜高等学校 卒業
国立音楽大学声楽科 卒業
ベルカント唱法をアリゴ ・ ポーラ(3大テノールの一人 ・ パヴァロッティ
を育てた名教師)に師事した日本における数少ない後継者の一人。演奏法
をヨゼフ・モルナール、指揮法をハンス・ヨワヒム・コロロイター各氏に
師事。東京都町田市立音楽センター準備室長(音楽監督兼指揮者)宮城教
育大学で演奏法・身体表現法を研究。
やりがいのある、楽しい生き方はない
と思う。
■ 4 月 15 日
『創る村』に、ようやく水道が復旧
しました。“ 蛇口をひねれば水が出る ”
という、今まで当たり前だと思ってい
たことのありがたさに、皆で喜びあっ
たそうです。
復興へ……、そして、次なる事業の
はじまりへ向けて……、
『創る村』は、
新たな一歩を、踏み出しています。
○主な職歴
1961 年 4 月~ 1972 年 3 月
神奈川県津久井高等学校教諭
1972 年 4 月~ 1973 年 3 月
町田市立合唱団(設立準備室室長兼指揮者)
1969 年 4 月~ 1980 年 1 月
1973 年 4 月~ 1977 年 1 月
町田市教育委員会ひなた村村長
1999 年 4 月~ 2001 年 3 月
高知女子大学講師
1980 年 2 月~ 1997 年 3 月
2000 年 4 月~ 2002 年 3 月
2000 年 4 月~ 2004 年 3 月
る村』への災害救援寄付金を受け
付けています。
宮城教育大学助教授・教授
宮城県立宮城大学客員教授
高崎芸術短期大学客員教授
現在、NPO 法人 芸術フリースクール『創る村』理事長、音楽評論家。
学校法人堀越学園 創造学園大学講師
財団法人 すぎのこ文化振興財団評議員 ○主な著書
「子供たちの優しさと創造力を育てる」芸術現代社
「実践的指揮法入門」
芸術現代社
「子どもは宇宙にむけて」
NPO 法人『創る村』25 年記念実行委員会
「幼児期」
子どものいのちを守る会では、
『創
昭和音楽大学短期大学部講師
近代文藝社
○主な作曲
中原中也作 「汚れつまった悲しみに」他数曲
仙台市青年文化センターシアターホール
○郵便払込票口座 00140 - 3 - 141327
○加入者名 特定非営利活動法人
子どものいのちを守る会
○通信欄に
「大地震救援募金○○円」
と書いてお送り下さい。
20 歳を過ぎたポーラ(北海道犬♀)と飴屋先生
お金はね、それはもちろんありがたいの
だけれど、その前に、例えば、車を買い替
えるから古い方をあげるよ……なんて人が
いたら助かります。今は、何でもいい、動
いてくれるだけでうれしいです。とにかく、
津波に全部持って行かれて、な〜んにもな
くなっちゃったんだから……と、電話口の
今回の大地震災害救援寄付金は、
9月末日までとします。
向こうでガハハと笑う、豪快な笑い声がと
ても印象的な飴屋先生でした。
Dawn - No.27
2011 . 5 . 12
013
special issue
3 月 11 日から数日経って、地震や津波の被害とも原発
レポート 2
−食を担う現場から−
生産の現場で
何が起きていたのか
事故とも違うところで、新しい混乱が始まりました。ガソ
リンスタンドには、燃料を求めて自家用車が行列を作り、
スーパーマーケットからは、カップ麺などの保存食やトイ
レットペーパがなくなりました。その後、お米や水と、
次々
に品薄の商品が続き、納豆・牛乳・ヨーグルトなど、震災
との直接的な繋がりが想像できないような商品までが、姿
を消しました。
その影響は一時期、
西日本へも広がりました。
日常に、当たり前にあると感じていた「食」の量的安心
は、こんなにも脆いものだったのかと、人も物も、繋がっ
牛 乳
株式会社湯田牛乳公社
湯田牛乳公社は……酪農家に再生産できる乳価を、消費者に
は安心しておいしく飲むことのできる牛乳を適正な価格で提供
することを使命としています。 湯田牛乳には、岩手県和賀郡
http://www.yudamilk.com/
西和賀町、胆沢郡金ヶ崎町の牧場で酪農を支えるお父さん・お
〒 029-5521
母さんたちの “ 自然を尊び、牛を慈しみ、子どもたちにおいし
岩手県和賀郡西和賀町小繋沢 55 地割 138 番地
い牛乳を飲ませたい ” という熱い思いが込められています。
3 月 11 日
4 月 10 日
避難所へ向かう
車窓から
地震による直接の被害はなかったが、
すぐに停電に。
33 時間後には電気も復旧。
3 月 13 日
電気が復旧し、製造を一部開始するが、殺菌洗浄に
使用するボイラーの、
今後の燃料確保の目処が立たず。
3 月 15 日
殺菌洗浄に使用するボイラーの燃料不足、集乳車と
配送車の燃料不足により、営業休止。県からの指導も
あり、多くの酪農家の皆さんが牛乳を廃棄。
3 月 21 日
燃料が確保できるようになり、生産を再開するもの
の、牛乳パック工場(栃木)の被災の影響もあり、生
産数は限定的。
被害の多い地域への販売を優先に配送。
4月4日
津波の被害は甚大だが
道路などの
復旧作業も進んでいる
計画停電の影響でクール便の取り扱いがなかったた
め配送ができなかった「食といのちを守る会」の会員
宅へも、ようやく配送が可能になるが、まだ供給は不
安定な状態。
4月8日
不足していた 1000ml の牛乳も、徐々に供給開始。
4 月 18 日
インターネットショップを再開。
現在は、
通常に近い状態まで生産回復。
014
子どものいのちを守る会 会報 Dawn
避難所に届いた物資
東日本大震災 緊急特集
て成り立っているのだと、痛感させられました。
節電で薄暗い店内のあちこちに、“ 入荷未定 ” の張り紙
ばかりが目立ち、その光景に不安を覚えた人も多かったこ
牛 乳
とと思います。
被災地の工場の影響、燃料の不足による物流の停止、そ
ハートフルランド
ジャージー牧場株式会社
れに伴う物資の不足など、真偽さまざまな噂が飛び交いま
http://jersey.open365.jp/
したが、実際に、生産の現場で何が起きていたのか、「子
〒 989-4308
どものいのちを守る会」の友誼団体である「食といのちを
宮城県大崎市田尻町沼部字道祖神 78-3
守る会」で取り扱っている各食品の現場から、その時の状
況をお知らせします。
宮 城 県 大 崎 市 の 田 尻 に あ る「 ハ ー ト フ ル ラ ン ド
ジャージー牧場株式会社」さんは、乳牛の殆どを占
めるホルスタイン種ではなく、1頭あたりの乳量は
メッセージ 岩手県の㈱湯田牛乳公社です!
岩手県西部に位置する当社は、震源地から離れて
いたため設備の損傷はありませんでした。しかし、
少ないけれど、味の濃い高級牛乳として知られている
ジャージー種の乳牛の飼育をされている生産者です。
内陸部にある牧場ですが、震源地に近く、大きな被
害を受けられました。
震災直後は、停電・燃料不足で、酪農家の皆さんは
牛乳が出荷できない、私たちの工場も製造できない
生産者の佐藤さんに、地震の模様をお聞きしました。
状況がしばらく続きました。その間、酪農家の皆さ
んは牛乳を廃棄しました。今は、通常生産近くまで
本震の時は、まず立っていられないぐらぐらでした。
回復してきています。
毎日、
牛乳を生産してくださっ
工場の中にいましたが、パイプ類が全部揺れで動いて
ている酪農家の皆さんの想いに応え、消費者と生産
しまうなど、製造設備はひどい状況で、地震直後は何
者の架け橋となれるよう、牛乳やヨーグルト、そし
も考えられず、頭が真っ白になりました。復旧のため
てデザートをお届け致します。
に水が必要でしたが、水道が復旧したのが2週間後。
4 月 24 日に、知人がボランティアをしている大
いつもは日に2度搾乳していたが、1度しか出来ず、
船渡の避難所へ少しばかりの牛乳、乳酸菌飲料、衣
牛も体調を崩してしまいました。それに餌工場が被害
類を持っていってきました。牛乳・乳製品はたまに
に遭い餌を供給するのに困りました。牛乳工場がやっ
しか食事に提供されないそうです。出来る限り支援
と再開にこぎ着けたところに4月7日の余震で、また
を続けていきたいと思います。
牛乳が届けられなくなりました。沿岸部は、津波で大
写真は 4 月 10 日に陸前高田の避難所と大船渡の
避難所で撮ったものです。
変な被害を受けましたが、工場のある内陸部も、道路
に亀裂が入り、寸断されたり、家屋の倒壊があったり
と、大変な状況でした。
「食といのちを守る会」からは、工場と電話もつな
がらず、心配していましたが、ラジオの放送で「宮城
県の東京にあるアンテナショップでは、未だに連絡の
避難所の中
取れない生産者もいる」という報道を頼りに、アンテ
ナショップに連絡をし、ジャージー牛乳の生産者が無
事かどうか消息を聞きましたが、そのショップでも
ジャージー牛乳とは連絡が取れないとのこと、その後
何度も試みて、やっと連絡が取れ無事を確認すること
が出来ました。
牛乳の生産が再開できたのは 1 ヶ月以上もたった
4 月 17 日頃からでした。
Dawn - No.27
2011 . 5 . 12
015
お 米
お米ですから、すでに収穫が終わっており、物流の問
福島の米農家 小松正信さん
題もすでに解消しているため、当面の出荷に問題はあり
小松正信さんは……福島県奥会津にて、棚田で無農薬の
ませんが、これから始まる次の米作りに向けて、放射性
お米を栽培しています。奥会津は福島県でも西に位置し、
物質の影響とその対策が、気になる課題となってしまい
地震・津波、原発事故の被害は直接的ではなかったそうで
ました。
すが、津波で家を流された親戚などもあり、避難してきた
親類などで、5 家族 15 人での生活になったそうです。
メッセージ 小松万樹子さん(正信さんの奥様)からのメッセージ
を原文のまま、お届けします。
も、違うのです。
私どもは、この地で、作物を作ることが、生活するお
ゼオライトに会う 小松万樹子
金を得る手段の一つではありましたが、同時に、ここで
この度の災害で亡くなられた方々へ安らかなお祈り
たさや、幸せや、責任や義務を得てきたのです。
の気持ちが、また被害に遭われた方々へお見舞いの気
持ちがお届けできますように。
作物を作って生きることで、生きているのです。ありが
ここの地で、人が食べられるものを作れるかどうかを、
まだ諦めずに考えなくてはいけないと思いました。
「農薬は使わないで稲に聞きながら作るべな」と言い、
福島県に住む私どもは、東京電力の福島第 1 原子
力発電所の事故から次々とわき起こる事件ともいえる
出来事に向かい、深く考えることになりました。
でした。
それに比べ,私は臆病で小心者ですから、友人親類と、
3 月 11 日、当日は、余りに大きな津波の被害にた
不安や疑問を語りまくりました。「作れないかもしれな
だ驚くばかりでした。家族を失ってしまったであろう
い」ということが、若い頃、自分の愚かさに気づいた時
子供たちを思い、泣き、知り合いの安否を確かめるこ
以来、40 年ぶりの落胆の大きさでした。
とに必死でしたが、2 日目、原発に電気が全く届いて
しかし次の日、どんどん壊れていく原発建屋を見てい
いないことが明らかになり、にわかに足元がすくみ、
るうちに、「いや私のしなければいけないことは、やっ
自分の耳に自分の心臓の音が響き出しました。突然、
ぱり米を作ることだ」と思いました。
自分の暮らすこの地が、想像が難しい災害地になった
と感じました。
莫大な国費が必要である上に、この原発のこの事態
小松も同じように考えていました。それは数年前から
土壌改良に使われてきて耳にしていた、ゼオライトが助
けてくれるのではないだろうかと思ったことです。
の終息は万が一のシナリオにあったのだろうか……、
その後は何かに導かれたかのように、「食といのちを
どうかあって欲しいと祈りました。日本は国としての
守る会」代表の青木さんに誘われ、甲府のゼオライト研
存続が可能なのだろうかと、不安になりました。
究所に行き、教えてもらい、ゼオライトも分けてもらい
そうして「福島県全域で作付禁止」になるかもしれ
ないという噂が流れました。
ました。
地元の肥料屋にも、
ゼオライトを注文できました。
また、4 月 20 日の参院議員会館で開かれた「ゼオラ
「作付禁止」
イトと放射性物質を考える勉強会」に、地元の女性議会
この言葉は百姓にとって大ショックでした。今年は
議員さんたちも一緒に行くことができました。
不作だめ、病害虫の被害がひどかったのだと,いうレ
この勉強会ではとても勇気が持てました。消極的に生
ベルではない衝撃でした。原発により近い位置で生き
きてきた私どもも、原子力を使わないエネルギーを選ぼ
る漁業者、農業者、酪農者の方々は、どんなに苦しい
うと誘ったり、ゼオライトや炭を使って田畑の放射性物
ことでしょう。
質を取り除いて農業してみようと誘ったりしてゆこうと
「お金の保証があるさ」という人がいますが、それ
016
淡々と米を作ってきた小松正信は、数日の間、一層無口
思います。
は、違うのです。
「ならば、安全な地から仕入れてき
今のところは、ここの地はまだ作付禁止にもなってい
て売ることもできるだろう」という人もいます。それ
ません。出荷停止の作物もまだ出ていませんが、秋の収
子どものいのちを守る会 会報 Dawn
穫まで、できうる努力はして行こうと思います。
4 月 20 日の勉強会でお話いただいた 4 人の先生
方には、お会いできて本当によかったです。
納 豆
こだわりや本舗 株式会社
http://www.kodawariya.co.jp/
ゼオライトの難しい化学構造も少し理解できまし
た。4 人の先生方がひたむきに地道にゼオライトを
こだわりや本舗は……人生を楽しく快適に過ごすた
調べ、ゼオライトが化学物質を吸着し、無害化する
めの基盤作りを、『食』を通して、全ての人々に健康
事の研究に取り組み続けたことに心を打たれまし
で美しく、人生を快適に過ごしていただくために、最
た。ありったけのエネルギーを出し、心をこめて教
高のホスピタリティと理論に基づいた技術でお客様を
壇に立っている小学校の先生にも見えました。大切
サポートしています。
な大切な我が子を胸に抱く母親のようにも見えまし
た。ゼオライトという “ 子 ” の小さな良いところも
3 月 11 日、神野社長は、福島県川俣町の本社で地
見つけ出してくれて褒めてくれるから、誰よりも素
震にあいました。ひどい揺れでしたが、本社はなんと
晴らしい、ゼオライトにしかできないところを見つ
か助かったとのことです。
け出しているのだと思いました。
帰ってから、
行かれなかった小松に話をしました。
近所の人にも、ゼオライトを使ってみるように勧め
ています。数人がやってみることにしました。
残っている在庫で、直営店の営業は続けられました
が、流通がストップしてしまい、全国への発送は不可
能となりました。
一方、“ ぜいたく納豆 ” の生産工場は、宮城県の村
原発の事故から、新聞や週刊誌で「安全神話が壊
田市にあります。内陸部ですので、津波は到達せず、
れた」と何度も目にしましたが、実は安全神話など
人的被害もありませんでしたが、蔵は崩れ、大型の機
と思っていた人などはいなかったろうと思います。
械も、豆を蒸す大釜も一切使用不能となったそうです。
多くの人が原子発電所の稼働に反対しました。建設
崩れてしまった蔵の中には、豆が入っていましたが、
地となった福島では、さらに反対の声も大きかった
危険建物として、豆が入ったまま取り壊されたそうで
のですが、絶対安全であるとの説得に、ついに建設
す。別のところの頑丈な倉庫に保管していた原料豆は、
されていたのだと思います。
地震や津波の影響もなく、助かりました。
世の中が落ち着いているときは、人々は「自分が
停電の影響もあり、宮城県の工場では生産ができな
どう自分らしく生きようか」と考えました。それは
い状態が続きましたが、4 月初めに、2つだけ釜を復
今でも同じではありますが、今はその前に「自分が
旧させて生産を始め、4 月 7 日に出荷することがで
誰かのために何ができるのか」を考えるときなのだ
きました。現在もまだ、釜は 2 台のまま(通常は 6 台)
と思いました。
これもまた今に限らないことですが、
で稼働しているだけとのことです。
3 月 11 日以前は、
「他者の幸せも考えるべき」で
した。3 月 11 日からは、
「他者の幸せになるかど
しかし、3 月 17 日、福島原発で水素爆発があった
うかから考えるべき」ということなのかなと思いま
影響で、本社のある川俣町も危険地域となり、
「計画
した。
的避難区域」として、5 月末日までに、本社と社員
ゼオライトに会えたので、私どもはこれからも、
19 人の家族共々、
移転しなければならなくなりました。
子供も病気の人にも食べられる米を作ることに、努
原則出入り禁止とするのは、今すでに避難している
力すべきなのだと思っています。それが私どもの仕
地域での、家財を持ち去られるなどの盗難対策でもあ
事だと思います。このことは、何度も山の樹から、
るといわれています。集団で防護服を着て行動して、
水から、作物から、動物から教えられてきましたの
使った防護服は道ばたに捨てていっているとのこと、
で、これからも耳をすまして、心を開いて、自然か
とても安く防護服は手に入るとのことのようですが、
ら教わりながら、自分が地球の生き物として行き過
大変な状態が続いています
ぎていかないようにして、生きていきたいと思いま
した。
移転先は福島市へと決めましたが、現在もみんな大
混乱の中にあるとのことです。
Dawn - No.27
2011 . 5 . 12
017
special issue
地震・津波の被害復旧・復興は、全国民にとっての大問
題ですが、もう一つ、福島第 1 原発の事故の問題があり
レポート 3
ます。福島原発事故の収束は、何時になったら終わるのか
放射性物質を
どうしたら良いのか
−天然ゼオライトの可能性−
……。連日テレビ・新聞等で報道されております。政府の
対策・東京電力の対応のまずさ、情報の迅速性、正確さな
ど、いろいろな批判や反省などが続いています。
その内容はともかく、私たちにとっては、放射性物質(ヨ
ウ素・セシウムなど)がどのくらい、どの範囲に放出され
ているのか、人体に悪影響が出てくるのか、あるいは既に
出ているのか、農作物・牛乳・海産物などの汚染はどうな
文献を調べてみると、過去の原発事
一般的なゼオライトの効用について
して、有効に利用されるようになるこ
故、スリーマイル島やチェルノブイリ
は次ページに紹介した通りです。すで
とでしょう。また、そうなるように、
では、
放射性物質を無害にする物質
「ゼ
に、生活の様々な場面で利用されてい
私たちも声をあげて行かなければなら
オライト」
(和名 - 沸石)が使われて
ます。
ないと思っています。
ゼオライトは、その特徴的な形質に
一方、体内に取り込んでしまった場
我が国でも、日本原子力学会の学者
よって、様々な効果を持ちます。主な
合の放射性物質に対する対策も、私た
有志 59 人の方々が「天然ゼオライト」
特徴は、吸着効果とイオン交換作用で
ちの関心事であります。これについて
が無害化に有効であると発表(4 月 8
す。有害物質を多孔質構造の中に吸着
も、ゼオライトの性質から、一定の効
日付け読売新聞朝刊報道)
しています。
し、イオン交換によって無害化する性
果が期待され、土壌や水の無害化と同
行政や東電の内部にこの「ゼオライ
質は、悪臭やシックハウス症候群の原
様に研究が進められています。
ト」のことを知ってる人達もいると思
因となる化学物質などに対して、広く
われ、最近徐々に一部テレビでゼオラ
利用されてきました。
いることがわかりました。
イトを使用すると報道され始めたよう
放射性物質に対しても同様に、効果
です。今まで体面を重んじてか、残念
があると考えられ、ゼオライトの放射
ながら「ゼオライト」を試してみる事
性物質への効果についても、すでに研
すらしておりませんでしたが、ようや
究が進められています。
く、その効力が発揮されるときがきた
ようです。
このニュースは、私たちにとって希
望の光であるといえるでしょう。
ただし、人体に関することですから、
薬事法上の問題もあり、放射性物質へ
の薬効を謳うことはできないとのこと
です。
七沢賢治先生が長年の研究成果を
ホームページ〔ゼオライト生命体応用
汚染された水や土壌への効果など
研究会〕で発表されていますので、詳
は、過去の事故での実績も示されてお
しいことは、ホームページでご覧くだ
り、事故処理が終息した後には、日本
さい。[http://zeo-lite.jp/]
でも、汚染地域での放射性物質対策と
汚染水浄化、仙台産ゼオライトが有望…学会有志
2011 年 4 月 7 日 21 時 32 分 読売新聞
ゼオライト
東電福島第一原発のタービン建屋地下などにたまる高濃度の放射性物質を含む水の浄化に仙
関連
会の有志らがまとめ、7 日発表した。
ニュース
台市青葉区愛子(あやし)で採れる鉱物「天然ゼオライト」が有望であることを日本原子力学
研究チームは、同学会に所属する東北大など 5 大学と日本原子力研究開発機構の計 59 人。福
島第一原発で、難航する高濃度汚染水の処理の一助になればと、自主的にデータを集めた。
実験の結果、表面に微細な穴の多い「天然ゼオライト」10 グラムを、放射性セシウムを溶か
した海水 100 ミリ・リットルに入れて混ぜると、5 時間で約 9 割のセシウムが吸着されること
を確認した。
018
子どものいのちを守る会 会報 Dawn
東日本大震災 緊急特集
のか、などが一番の心配事です。熟年
以上の方よりも、特に胎児、乳幼児、
子どもなど次世代を担う人達に影響が
大きいことが確実視されており、将来
ゼオライトとは
火山活動によって生じた火山灰が堆積し、長い年月をかけて生成した、ケ
の日本にとっての大問題だと思います。
イ酸アルミが主体の、多孔質鉱石火山岩が凝固してできた鉱物です。ゼオラ
放射性物質をどうしたら良いのか。
イトという名称は、こうした鉱物の総称で、細かくは、成分や結晶構造の違
この問題への解決策として、ゼオライ
いによって数十種類もあります。加熱したり減圧したりすると結晶構造の隙
トという、一縷の希望の光が見えてき
間に入っている水が蒸発して、沸き上がるように見えるため、ギリシャ語で
ました。希望を託せる情報としてお読
「沸騰する(Zeo)石(Lite)」と呼ばれました。邦名は、沸石といいます。
みください。
天然のゼオライトは、長い年月をかけて生成したものですが、人口的にも作
ることが可能です。火山の多い日本では各地で採掘されています。特別希少
「食といのちを守る会」
や本会でも、
な鉱物ではないため、すでに身近なものにも利用されています。
七沢先生を含め学者・研究者 4 人の
方々の講義をお聞きする会を開くなど
して、ゼオライトの勉強を始めていま
ゼオライトの主な効果と利用例
す。この問題が続く限り、定期的に勉
● 脱臭 (ガス吸着):ゼオライトの持つ空洞が、様々な臭気ガスを分子
強の機会を設け、これらを通じて得ら
レベルで吸着します。消臭効果が高いので、ネコ砂の原料として使われ
れた情報は、随時、ホームページや会
ています。最近では魚焼きグリルの皿の敷石としての製品もみかけます。
報などで、皆様にお伝えしていく予定
です。
● 吸水(吸放湿)
:自重の 60 ~ 80wt%と非常に高い吸水能力を持ちます。
ともかく、一番の心配ごとである放
有害物質などの吸着効果と吸放湿効果により、住宅の調湿や、ホルムア
射性物質の始末が可能であるという情
ルデヒドなどによるシックハウス症候群を抑制する材料としても使われ
報は、私達にとって、明るい希望とな
ています。
りました。
目に見えない放射性物質への恐れは
つきることはありません。しかし、根
● 土壌改良:窒素・リン・カリウムなどのイオンを吸着し、肥料成分の
流失を防いでくれるため、土壌の保肥力を改善します。
拠のない風評に踊らされることないよ
う、まずは、正しい情報得られるよう、
● 水質浄化:イオン交換作用により、水中の重金属イオンやアンモニア
努力して行きましょう。そして、自分
イオンなどを吸着し、水を浄化・軟水化します。ミネラル水の精製や、
たちが、今、すべきことは何か、冷静
お風呂の浄化、水槽の関連商品としても使われています。
に対応してきたいものです。
ゼオライト、汚染水対策に=放射性物質吸着、冷却再利用も
2011 年 4 月 16 日 7 時 6 分 時事通信社
福島第1原発事故で、東京電力は 16 日までに、海中の放射性物質が拡散するのを防ぐため、「ゼオライト」という鉱物を取
水口付近に投入した。放射性物質の吸着効果が確認されており、今後、建屋内の水の汚染軽減に活用することも検討している。
ゼオライトは、1979 年の米スリーマイル島原発事故でも汚染水の除染に使われた。微細な穴を多数持ち、1 キロ当たり、放
射性セシウム 6 グラムを吸着することが、東電が海中で実施した試験で確認されている。
東電は汚染水拡大を物理的に防ぐ水中カーテン「シルトフェンス」に加え、ゼオライト 100 キロを詰めた縦、横、高さ各 80
センチの大型土のう 3 袋を取水口付近に投入。このほか計 7 袋を用意しており、17 日以降も投入を継続する。
東電は今後、投入したゼオライトの吸着効果を詳しく分析。原子炉冷却のため注入した水や、タービン建屋などにたまった
水の汚染をゼオライトで軽減し、冷却に再利用できるか検討する。 Dawn - No.27
2011 . 5 . 12
019
理事会報告
平成 22 年度 第 4 回(常任)理事会議事録要録
日 時:平成 22 年 12 月 17 日(金)19 時~
場 所:東京都新宿区神楽坂 6-34 「駒」会議室
出席者:村井理事長、藤野副理事長、青木副理事長、鈴木深雪理事、中野益男理事、田中理事、木村理事・事務
局長、藤平事務局次長、藤野
[ 報告事項 ](事務局より)
1.平成 22 年 11 月末財政状況報告については、事務局長よ
り資料に基づき概要を説明、了承された。
2. 足寄町施設の運営について
(1) 取得した足寄町施設の施設名は、既にドーン 26 号と本会
2.定款の改訂は、10 月 6 日付け東京都知事の認証を得、以
のホームページで公募しており、来年 1 月末日を締切日とし
降関係官庁(法務局、国税庁)の手続きも完了した旨報告が
ているので、投稿後、理事会で選定し決定することとし、了
あり、出席者全員が了承した。
承された。
3.11 月 6 日~ 21 日の間、目に障害のある子どもたちへの
(2) 足寄町施設の什器、備品の整備は、寝具等は整備済みで
支援活動として、高知県立盲学校の子どもたちに、粘土を使っ
あり、食器等に関しても既に手配済みである。今後、建物等
た陶芸のワークショップを本会が支援したとの報告が了承さ
の補修は、雪の季節になるので雪解けをみて、対応すること
れた。
で了承された。
4.本会のパンフレット(会の活動方針、活動内容の紹介、
(3) 施設を保有することにより、固定経費(公租公課、電気
認定法人に対する寄附のメリット等)を作成し、正会員の募
の基本料など)を何らかの方法により得なければならなく、
集にも広く活用することを報告が了承された。
施設の有効な活用方策として、低額な使用料で道内はもとよ
5.11 月 6 日(土曜日)秋の社会科見学会を実施し、参加者
15 名が、卵の生産者稲葉ファームを訪問し、好評に終わっ
たとの報告があり、出席者全員が了承した。また、参加者か
ら寄せられた感想文が配布された。
6.ドーン 26 号は 11 月 30 日付で発行し、「親子塾」の記事
を中心に構成した旨の報告が了承された。
[ 協議事項 ] 1.収入拡大方策の検討
(1) 寄附金等収入拡大の方策として、ドーン 27 号に本会の運
り、全国の学校及び関連する諸団体に呼びかけることで了承
された。
(4) 施設の利用規則等については、利用申込書、利用承諾書、
利用のルールに関して、今後まとめ上げていくこと、施設の
鍵の受け渡しなど、(株)サン・クロレラ現地事務所にお願
いする旨、了承された。
(5) 固定経費の削減のため、固定資産税(土地・建物)を町
の条例に基づき、減免願えるよう町に交渉することで了承さ
れた。
営はすべて会費及び寄附金で賄っており、会員の拡大と会員
3.来年度活動計画の準備的な検討
外の志ある方々に、財政支援のお願いをアピールしたいとの
(1) 親子塾の開催時期は、平成 23 年 8 月 6 日(土曜日)か
提案が了承された。
ら 10 日を計画日とし、場所は、足寄町施設を有効活用する
(2) 寄附金のお願いは、現下の経済情勢を考慮すると、大口
ため、本年同様「ネイパルあしょろ」とすることで了承された。
の寄附は現実性に乏しいため、少額寄附を定期的にお願いし
(2) 第 10 回通常総会の開催は、平成 23 年 5 月 15 日(日曜日)
たいと考えており、次号以降に掲載したいとの提案に、了承
主婦会館を会場に開催することとし、併催行事については前
された。
回同様コンサート及び講演で約2時間のプログラムとする。
(3) 来年度の助成金申請は、募集団体等の情報を適宜にとら
コンサートについては田中理事紹介のケルト音楽であたって
え、助成金及び補助金を極力得る努力をしたいとの提案に、
いただき、講演は今井康之さんにお願いするよう、青木副理
出席者全員が了承した。
事長から予定を照会する旨、了承された。
なお、助成者の立場としては、本会の事業内容が明確化さ
020
べきであるとの意見があった。
(3) 今年度内の社会科見学会は、例えば、稲葉ファームと温
れていないと、助成の実現性に乏しいのではとの意見があり、
暖な南房総の花摘み計画などの提案があり、事務局で計画案
助成申請時には、事業内容及び活動内容等を明確に打ち出す
を作成する旨、了承された。
子どものいのちを守る会 会報 Dawn
平成 22 年度 第 5 回(常任)理事会議事録要録
日 時:平成 22 年 2 月 24 日(木)19 時 45 分~
場 所:牛込箪笥地域センター4階
出席者:藤野副理事長、青木副理事長、鈴木深雪理事、田中理事、木村理事兼事務局長、鈴木監事、藤野洋子、
藤平孝夫
[報告事項]
1.1 月末財政報告について、配布資料の通り、出席者全員
が了承した。
2.ネイパルあしょろの仮予約
平成 23 年度親子塾の主会場にネイパルあしょろを 8 月 7
日(日)から 8 月 11 日 (木)までの 4 泊 5 日で仮予約
した旨報告された。
3.福祉医療機構助成金募集説明会があり、助成要件と本会
(1) 現行の活動を選別すべきではないか
(2) より戦略的に構造変革及び機能変革が必要である
(3) 東京近郊の土地を利用した農業法人もひとつの選択
肢である
(4) 現状は特定の行事に多大な費用を掛けており、この
構造を改めるべきである
(5) 機関誌ドーンの発行は大きな柱であり、今後も継続
すべきである
の主旨が整合するが、助成金が採択されても、助成金交付
(6) 会員を増やすぺきではないか
決定が 8 月中旬の予定であり、予定した 8 月初旬の親子塾
(7) 社会が必要としているコンセプトに見合う事業が望
の費用への充当は認められないので実現性はないと報告さ
れた。
[ 協議事項 ]
1.足寄町施設の名称の決定について
名称募集の結果 8 点の応募があったとの報告があり、無記
名投票の結果、第 2 回目に「コロポックルの家」が選定さ
れ、当選者には、当選通知と景品を送ること で出席者全
員が了承した。
まれる
(8) 会のコンセプトは明確であり、原点に帰るべきでは
ないか
(9) 一般に説明する場合、本会の活動内容は分かりにく
いと指摘される
(10) 問題は財政難であり、財政難を解決する方策を考え
る必要がある。
(会として営利事業を行わない方針で来たが、パッケー
2. 運営準備、実地調査について
ジ会計処理を導入したので、営利事業を実施しても、
施設内の什器・備品の確認とチェックのため、4 月中旬乃
処理可能であるとの補足説明があった )
至下旬(連休前)を目途に、現地調査のため、藤野・藤平
2 名を派遣することを出席者全員が了承した。
3.親子塾の実施について
2 月 17 日、親子塾等についての検討会を実施し、開催の
(11) 親子塾は構造上、財政的に問題があるので、当面中
止すべきである。現行では、お金がかかる割には、恩
恵を被る子どもがあまりにも少数である
などの討議が行われた。
主旨説明内容、出席者の親子塾に関する意見など議論を踏
財政問題と親子塾については、当面の問題解決と同時に今
まえ、23 年度の会の運営及び財政基盤について、設立以
後の基本的事業方針のため早急に討議する必要があるので、
来の寄附金収入及び事業費支出等に鑑み、財政的には非常
来月理事会を開催したいとの提案に、出席者全員が了承した。
に切迫した状況の下で、会の運営及び親子塾の実施に関し、
次回、第 6 回理事会は、3 月 24 日(木)に開催することとなった。
Dawn - No.27
2011 . 5 . 12
021
平成 22 年度 第 6 回(常任)理事会議事録要録
日 時:平成 22 年 3 月 24 日(木)18 時 00 分~
場 所:新宿区矢来町123 矢来ビル3階本会事務所
出席者:藤野副理事長、青木副理事長、鈴木深雪理事、田中理事、木村理事兼事務局長、鈴木監事、藤野洋子、
藤平孝夫
(2) 全国の大学生に施設を開放する旨、ホームページ上に
[報告事項]
1.平成 23 年 2 月末の財政状況について報告があり、出席者
掲載する
(3) 東日本大震災の被災者の生活の場として利用してもらう
全員が了承した。
[ 協議事項 ]
などの意見があったが、今後も継続して検討することとした。
1.足寄町施設の運営準備、実地調査について
4.5 月 15 日の第 10 回通常総会での併催行事について
本年 4 月下旬を目途に施設の什器・備品の実地調査が了承さ
第 10 回通常総会の併催行事として、田中理事に企画依頼し
れたが、今年度の「親子塾」を中止するに伴い調査を延期す
ることとし、出席者全員が了承した 。
てあるケルト音楽コンサートのほかの行事については、
(1) 積極的な夢を与える講師(スタジオジブリの関係者)
2.親子塾の実施について
(2) 飴屋さんによる今回の震災の経験話
東日本大震災を含めた諸事情及び本会の財政事情を考慮し、
(3) 原発の影響を数字で定点観測した題材での講演
今年度の「親子塾」は中止すべきか否か、協議の結果中止す
ることで全員が了承した。
などが挙げられたが、結論は保留された。
また、総会併催行事に震災及び原発事故で関東地区に避難を
3.2011 年度以降の会の基本的運営方針について
している被災者を含めた子どもたちを招待してはどうかとの意
本会の活動が一般社会に見えにくいとの評価もあるが、多々
見があった(50 名程度)。
ある NPO の中で研修施設を所有する団体は稀であり、研修施
設の活用と会の運営をリンクさせた事業として
その他総会時の催事とは別に、今回の東日本関東大震災によ
り多大な被害を被った NPO 法人「創る村」の義援金集めの、チャ
(1) 立地の関係から音楽活動の合宿などに利用してもらう
リテイーコンサートを 6 月以降開催する事も課題として残した。
●子どものいのちを守る会は、認定 NPO 法人です●
今、全国に4万以上の NPO 法人がありま
すが、その中で「認定 NPO 法人」になって
いるのは僅か1パーセント弱に過ぎません。
この「認定」を受けるには、国税庁に申請
して半年以上の厳しい審査があり、それに合
格しなければならないのですが、
「認定 NPO
○個人によるご寄付の場合に控除出来る金額
その年に本会に寄付した金額の合計額 - 2,000 円 = 寄附金控除額
この「寄附金控除額」をその年の総所得金額等から控除出来ます。
*控除を受けるための手続き:所轄税務署に確定申告書提出の際
に、当会の発行した「領収書」を添付して申告をして下さい。
法人」へ、個人や法人が寄付をした場合、寄
○法人によるご寄付の場合に控除出来る金額
付した金額が、
寄付したその個人、
法人の「所
その年に本会に寄附した金額は、他の特定公益増進法人に対する寄附金
得」から控除され、税金が軽減されます。
と合わせ、一般の寄附金の損金算入限度額とは別枠で損金算入出来ます。
本会は、平成 19 年 11 月から認定を受け
ています。
(資本金×
0.0025 +所得の金額× 0.0025)÷2=損金算入限度額
*控除を受けるための手続き:寄附金領収日を含む事業年度の申
告書提出の際に、当会の発行した「領収書」を添付して下さい。
★現在は、寄付金が「所得」から控除される仕組みで
すが、民主党政権になってから、寄付金が直接「税
額」から控除するよう、検討されています。近いう
ちに法律が改正される見込みなので、今以上に皆さ
んのお志が反映されるように成ることでしょう。
022
子どものいのちを守る会 会報 Dawn
○このほか相続財産のご寄付についても控除が出来ます
以上、詳しいことは、お近くの税務署までお問い合せ下さい。
編集委員会報告
ドーン第 9 回編集委員会 要録 ドーン第 11 回編集委員会 要録
日 時:10 月 28 日(木)
19 時~ 20 時 30 分
日 時:平成 23 年 1 月 6 日(木) 13 時 30 分~ 16 時 30 分
出席者:青木副代表、鈴木理事、田中理事、木村事務局長、
出席者:青木副代表、鈴木理事、田中理事、木村事務局長、
土方光香氏、藤野
藤野
[ 審議概要 ]
[ 審議概要 ]
1.表紙デザインの刷新について
1.27 号について
現用紙のデザインを変更し、表裏 2 面をカラー化す
①中野先生の「牛乳の復権その 3」は、原稿は未着であ
るが、掲載する予定。
る見積りを取り、大西氏に新デザインについてもご支援
を頂いたとの報告あった。
②読書会のレポートは、まず過去 20 年分の本のリスト
アップをする。
2.26 号について
・秋の社会科見学会 (11 月 6 日 ) の報告を写真も含め掲
載する。
・巻頭言は、ニュージーランドの見聞記を今井康之氏に
③平成22年秋の社会科見学会の感想文掲載。
④会員ほかへの財政支援のお願いを掲載する。
⑤ 5 月総会予告を掲載する。日程は理事会で決定した通
り、5 月 15(日)、会場は四谷主婦会館をすでに予約済
依頼することした。
み。簡単なプログラム内容も併せて掲載。
・取得した旧サンクロレラ研修所の名称をドーン誌上で
公募すると理事会で決定されたので、今回写真等と一
2.親子塾について
緒に募集記事を掲載する。
理事会で予定した日程の予約がとれず、ずらさざるを得
ない。また、回を重ねてコンセプトが不明確になってお
3.その他
り、2月中旬から下旬にかけてのいずれかで親子塾キャ
・中野先生の総会講演録は、16 ページ分の量があるため、
ンプ委員会を開催し、対象・期間・場所・内容等をもう
27 号以降で 3 回に分けて掲載を予定する。
一度検討することとする。
・会のパンフレットの作成については、土方さんの担当
とし、次回に検討。
ドーン第 10 回編集委員会 要録
ドーン第 12 回編集委員会 要録
日 時:11 月 18 日(木)
19 時~ 21 時 30 分
日 時:4 月 5 日(木) 17 時 30 分~ 19 時
出席者:青木副代表、鈴木理事、田中理事、木村事務局長、
出席者:青木副理事長、鈴木理事、田中理事、木村事務局
土方光香氏
長、土方光香氏、藤野
[ 審議概要 ]
[ 審議概要 ]
1.26 号について
1.27号について
土方氏より、現在までの編集状況のコピーについてペー
①今号は東日本大震災・大津波ならびに原発事故に関す
る特集号とする。
ジ毎に検討が行われた。
2.27 号の方針
②巻頭言は、村井理事長に基本的な話を依頼する。
①中野先生の「牛乳の復権その 3」の原稿を掲載。
③震災について仙台所在の NPO『創る村』に電話イン
タビューをして掲載する。
②巻頭言は、野尻陽子氏または、河谷史夫氏に依頼。
③ニュージーランド見聞記
土方氏が担当取材する。
④保育園に贈呈したトウモロコシについての園児の礼状
④ゼオライトについて、研究者七沢先生から希望の持て
る話を伺い、掲載する。
⑤読書会のレポート
⑥盲学校生徒の粘土作品展示会のレポート
⑤5月15日 ( 日 ) の総会の案内を掲載する。
⑦「道を創る人」インタビュー
⑥発行は総会の案内もあるので、4月中には会員の手元
に届くようにしたい。
などを含め、2 月末乃至 3 月初旬発行を予定。
Dawn - No.27
2011 . 5 . 12
023
会員及び関係者の皆様へ
財政ご支援のお願い
平生、会員及び関係ある皆様には当会の活動について、
様々なご協力を賜りありがたく感謝しております。
お送りしている会報「ドーン」あるいはホームページで
このような仕組みに基づき、会員の皆様にご協力をお願
いしたいことは、ご関係のある個人、企業、団体等で飲料
の自販機を(建物の内外とも)設置しているオーナー様に、
ご承知かと存じますが、当会の活動は、すべて会員皆様の
この仕組みをご了承いただけるよう、お話いただければ幸
年会費と会員を含め一般の方々からの寄付金で財政をまか
いと存じます(このドーンに挟み込んであります資料をご
なっております。当会が平成 14 年 2 月に設立・認証を受
利用下さいませ)。
けて以来、満 9 年となりましたが、これまでの間、志ある
皆様のおかげで順調な財政状況を続けて参りました。
昨年 8 月、中野益男理事のご尽力で、北海道足寄町に
あります(株)サンクロレラ社が使用していました研修所
当会の活動に賛同頂けましたオーナー様のご負担は、当
初の手続きのみでございますので、もしご了承を得られれ
ば、皆様から FAX 03-5225-9056 まで、以下のご連絡を
賜りたいとお願い致します。
を、同社の好意で実質的に無償で取得出来ました。この施
1.自販機設置先(ロケオーナー)の個人・会社などお名前
設を有効に使用する準備をこれから検討致しますが、多く
2.設置場所の事務所のお名前・ご住所
の方々に使って頂くための一部の設備の補強・改造、寝具・
3.ご了承いただいた方のお名前(役職)と連絡出来る電話番号
調理用具・食器などの備品の購入、取得に伴う固定資産税、
以上よろしくお願い申し上げます。
それに 1 ~ 2 年先に必要になる建物本体の一部・外壁の
塗装などの補修等のために、相当程度の一時的資金が必要
と見積られます。
さらに、有効利用のため、宿泊者を迎え入れるに伴って、
○定期的少額寄付金支援制度の創設
私どもの会の活動を支援していただくお志があっても、
水道光熱費、クリーニング代金、清掃費、管理人件費等の
会員になるのは一寸踏み切れない、多少の寄付はしても良
経常費用が生じます。当会の設立趣旨から、宿泊者から受
いが送金が煩わしい、と思われる方がいらっしゃると存じ
け入れる利用料は、経常費用を大きく上回った金額に設定
ます。そこで、そのような方々に、定期的にご預金・貯金
することは出来るだけ避けたいと考えております。
の口座から自動的に寄付金を引落し出来る仕組みを作りま
した。
Ⅰ 皆様には、足寄町の新施設を大いに利用して頂きた
毎年、6 月 20 日と 12 月 20 日の 2 回、毎回 3.000 円以上で、
いという期待もございますが、同時に上に述べましたよう
上限は定めておりません。お志のある方は、ご連絡戴けれ
な、当面の当会の財政状況をご理解いただき、会員の拡大と、
ば、「預金口座振替依頼書・自動払込利用申込書」と返送
会員外の志ある方々にも働きかけて、ご寄付を頂けるよう、
封筒をお送りしますので、お名前、預金口座番号などを記
ご支援を切にお願い致します。
入・捺印されて、10 月末までにご返送された方は、12 月
20 日に、ご指定の金額が指定された口座から寄付金が当会
Ⅱ また、同封致しました「ゆび募金第3号」で、当会
が紹介されましたが、この「ゆび募金」は、飲料の自販機
のオーナー(自販機を置いている個人・企業など)と飲料メー
024
に振り込まれます。
引落し予定の 2 ヶ月前にご連絡して戴ければ、寄付金額
の変更、寄付の取りやめすることはご自由です。
カーから、売れた飲料1本につき、各1円(計2円)をステッ
当会は、認定法人でございますので、毎年 1 月~ 12 月
カーを張ってある当会に自動的に寄付をして頂けるという
までの当会への寄付金総額は、確定申告の時にその年の課
仕組みになっています。
税所得から差し引くことが出来ます(現在、与党と野党の
当会は、平成 21 年 2 月から、これに加わり、2 台の自販
議員共同提案で、寄付金額の半分位を課税額から差引く原
機オーナー様のご賛同を得て、21 年は合計 41,762 円、22
案がまとまろうとしており、通常国会にかけられる見込み
年は合計 50,574 円の寄付金を受け入れることが出来ました。
です)。
子どものいのちを守る会 会報 Dawn
ドーン寄金・一般寄付者 ご芳名
認定 NPO 法人子どものいのちを守る会に多額のご寄
付をありがとうございました。感謝とともに、お名前
を掲載させて頂きます。前号から期間が長いので、複
数回ご寄付頂いた方もお名前は一つだけ掲載させてい
ただきました。
(五十音順・敬称略)
< 2010 年 11 月 1 日~ 2011 年 3 月 31 日まで>
KK イービーエム松島榮子、今井康之、大西勉、
片野明子、木村勉、近藤総子、貞方美喜子、
(有)サンコウ健業、ジャパンカインドネス協会、
人幸人舎、杉山信夫・昭子、鈴木満、高橋順子、
中村昇・信子、野口幹夫、野尻陽子、
萩原光子、藤野洋子、藤平孝夫、堀金秀行、
堀野祐子、松本弘美、山崎陽子
あ と が き ☆この度の大震災、被害に遭われた方々には、心からお見舞い申
し上げます。
☆前の 26 号から発行間隔が大分空いてしまいました。会員、読者
の方々にはたいへん申し訳無く、お詫び申し上げます。諸事情
があり編集が遅れていたのですが、実は、3 月上旬に発行予定
をしておりました。ところが、11 日、東日本大震災の発生。事
務所では、書棚なとが大揺れで倒れかかるのを必死で抑えて、
どうやら事なきを得たのですが、調理場の陶器類が棚から沢山
落下し、破片は大きなバケツに2杯ほどになりました。スタッ
フは、まさに帰宅難民さながらに十数キロを歩いたりして、帰
宅は翌日となりました。次第に被災地の状況が分かるにつれ、
準備していた記事のままではと、急遽編集委員会を開き、内容
を「大震災特集」とした次第で、遅れが重なってしまいました。
☆テレビ・新聞では、広く各被災地の姿を報道しておりますが、
「ドーン」としては、会員の方あるいは、もろもろの縁の深い方
の生の有様をお伝えしたいと、現地には入れませんので、電話
東日本大震災・特定(創る村支援)寄付金寄付者 ご芳名
NPO 法人「創る村」を支援のため、当会からのお
呼びかけに応えられて、大勢の方にご協力を頂き、た
いへん有り難く感謝申し上げます。3 月末には、第 1
回分として 27 万円を「創る村」にご送金致しました。
(五十音順・敬称略)< 2011 年 3 月 22 日~ 3 月 31 日まで>
池之上宏美、牛島定信、大司節子、大木逸子、
小川悠子、梶川博子、岸部澄子、香月三生、
木村勉、久保田茂臣、倉橋桂子、黒木千晶、笹川洋子、
佐々木富紀、中村洽子、冨岡和子、野口幹夫、
中村百合子、西久子、西川内科クリニック西川英一、
藤野洋子、藤平孝夫、堀金秀行、町田邦雄
取材やインターネットを利用してまとめました。特に NPO「創
る村」には親子塾の子どもたちのケアーに若い人達が大変な協
力をしていただいており、その若い青年達の安否が懸念されて
いたのですが、6 ページ以下のような、奇跡とも云える情況を
お伝えすることが出来ました。
☆既にお願いのお知らせでご存じと思いますが、被災された方々、
特に子どもたちのために、一般のルートではなく、当会として
は、「特定寄付金(使途を限定)」として、「創る村支援寄付金」
及び「保育園・幼稚園復興支援寄付金」のご協力をお願いして
おります。既に、3月にお預かりした分として「創る村」に 27
万円を送金致しました。ありがとうございます。
認定 NPO 法人 子どものいのちを守る会 会報
Dawn(ドーン)27 号
2010 年 5 月 12 日発行
東日本大震災・特定(保育園・幼稚園復興)寄付金寄付者 ご芳名
被災された保育園、幼稚園の復興を支援するため、
当会からのお呼びかけに応えられて、ご協力を頂き、
たいへん有り難く感謝申し上げます。
(五十音順・敬称略)< 2011 年 3 月 22 日~ 3 月 31 日まで>
木村勉、是川教子
◎お問い合わせ/投稿などの送り先
子どものいのちを守る会 事務局
〒 162-0805
東京都新宿区矢来町 123 矢来ビル3階
電話:03-5225-9055 FAX:03-5225-9056
メールアドレス : office-kdm @ mamoru-kai.jp
バックナンバーをご希望の方、会についての
お問い合わせなども、上記まで、ご連絡ください。
Dawn - No.27
2011 . 5 . 12
025
子どもたちをとりまく環境が日々悪化していることに、
私たちは大きな心配をしています。
家庭で、教育の現場で、社会生活で、自然環境の中で、
子どもたちの大切ないのちが脅かされています。
世界を変えよう!大きな力を動かそう!と声を張り上げてみても、
変化を待っているその時間も、
子どもたちは現実の中で生きています。
誰かが何かを変えてくれることを期待するのではなく、
今、自分たちの手でできることを・・・。
そんな想いで「子どものいのちを守る会」は、活動をしています。
子どもたちのために今すぐ出来ることからはじめています
次世代を担う子どもたちのために、豊かな自然・希望に溢れた社会を残しましょう
平成 14 年 2 月に特定非営利活動 (NPO) 法人として発足以来、すでに 8 年。子どもたちが健やかに成長し、学ぶこと
ができる環境を緊急に整える必要があると考え、以下のような方針により活動を続けています。
1. 講演会、研修会などを通じて、子どもたちのために安全な食べ物の重要性を一般消費者に訴え、理解を広める活動。
2. 教育環境の改善を志す個人・団体と共同して、講演会・シンポジウムを開催し、子どもたちの教育のあり方を見直す活動。
3. 環境問題に関する図書、刊行物の配布、映画会などを通じて、環境の悪化の認識を広める活動。
4. 安全でおいしい食べ物、飲み物、特に基礎食品を作っている生産者の情報を収集し、一般消費者に紹介する活動。
ブックレットのご紹介
本会では、事業活動の一つとして、図書刊行物等を編集発行し、子どもたちにとって豊かな生育に役立つであろう内容を逐次「ブックレット」として刊行しております。
Ⅰ
食品の表示について考える
Ⅱ
鈴木深雪
講演録『「教わる」から「学ぶ」へ』
『教育について思うこと』
『福澤諭吉先生を語る』など
子ども、家庭、そして心の健康
牛島定信 三田精神療法研究所所長
健康は歯からやってくる
中島幸一 ウエルカム・デンタル・クリニック院長
おっぱいの神秘
出版人からみた文化状況
今井康之
食料自給率について考える
合原正二
2010年4月刊
「子どものいのちを守る喜び」ほか4編
2010 年 2 月刊
Ⅶ
ホンモノの食べ物を求めて
青木紀代美 ほか
良寛の歌−天然自然への愛
認定特定非営利活動法人(認定NPO法人)
高良和武 東京大学名誉教授
2009 年12 月刊
河谷史夫
村井
木村勉
2010年10月刊
子どもたちの健やかな成長を願って
はすみけい 童話作家、カウンセラー
子どもたちの成長過程での問題への
カウンセラーとしてのアドバイス
子どもたちについて
渡邊弘
Ⅳ
「脳を強くする技法」
「子ども・若者たちの未来に向けて」
「1+1はなぜ2になるのですか」など
鈴木満
橋本武夫
町医者の日常診療と視点
1+1はなぜ2なの?
九州大学名誉教授
レオロジー食品機能研究所所長
2009 年8月刊
Ⅵ
親子のための「脳疲労」革命
藤野武彦
慶應義塾大学名誉教授
ヒトの教育の会最高顧問
2007 年 4 月刊
Ⅴ
Ⅲ
村井 元日本女子大学教授
わかりにくい食品の表示について
加工食品/食品添加物/トレーサビリティ
制度などの項目別に、詳しく解説
教育を見直しましょう
2011 年 3 月刊
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