アンチダンピング調査立件暫定施行規則

対外貿易経済合作部
2002 年第8 号令
2002 年2 月10 日、部務会議は、《アンチダンピング調査立件暫定施行規則》を審議し
通過させ、ここに公布し、2002 年3 月13 日より施行する。
部長:石広生
2002 年 2 月 10 日
アンチダンピング調査立件暫定施行規則
第一章 総則
第一条 アンチダンピング調査の申請及び立件手続を規範化するために、《中華人
民共和国アンチダンピング条例》の規定に基づき、本規則を制定する。
第二条 対外貿易経済合作部(以下「外経貿部」という)は、輸出入公平貿易局を
指定し、本規則の実施に責任を負わせる。
第三条 外経貿部は、申請人の申請に応じ立件し、アンチダンピング調査を行うこ
とができ、自ら立件し、アンチダンピング調査を行うこともできる。
第二章 申請人資格
第四条 国内産業又は国内産業を代表する自然人、法人又は関連組織(以下「申請
人」という)は、アンチダンピング調査の申請を提起することができる。
第五条 国内産業とは、中華人民共和国国内同種製品全ての生産者、又はその総生
産量が国内同種製品全ての総生産量の50%以上を占める生産者をいう。
第六条 申請人の生産量が国内同種製品の総生産量に占める割合が50%に満たずと
も、申請を支持し及び申請に反対する旨の表明をした国内生産者のうち、
支持者の生産量が支持者及び反対者の総生産量の50%以上を占め、かつ、
申請を支持する旨の表明をした国内生産者の生産量が同種製品の総生産
量の25%を下回らない場合、当該申請は、国内産業を代表して提出された
ものと見なすものとする。
2 本条第1 項の支持者の生産量を確定する際、申請人の生産量は、計算に
含むものとする。
第七条 国内産業が非常に分散しており、関連する生産者の数が膨大である場合、
外経貿部は、統計学上有効なサンプリング方法を採用し、申請人の資格を
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審査することができる。
第八条 国内生産者が、輸出業者又は輸入業者と関連関係を有する場合、又はそれ
自身が調査申請輸入製品の輸入業者である場合、国内産業から除外するこ
とができる。
第九条 国内の一つの区域の市場のなかの生産者は、当該市場においてその全部又
は殆ど全部の同種製品を販売し、かつ、当該市場の同種製品の需要は、主
に国内のその他の地方の生産者が供給したものではない場合、一つの単独
産業と見なすことができる。
第三章 申請
第十条 アンチダンピング調査の申請は、書面の形式で提出するものとする。申請
書には、外経貿部に対しアンチダンピング調査を立件し、進行させること
を正式に請求する旨の意思表示を明確に記載し、かつ、申請人又はその適
法な授権者が捺印又は署名するものとする。
第十一条
アンチダンピング調査の申請は、次に掲げる内容を含み、かつ、
関連証拠資料を付するものとする。
(1) 申請人の関連状況
(2) 調査申請輸入製品の知れたる生産業者、輸出業者、輸入業者
(3) 調査申請輸入製品、国内同種製品に対する完全な説明及び両者の比較
(4) ダンピング及びダンピングマージン
(5) 国内産業が受けた損害の状況
(6) ダンピングと損害との間の因果関係
(7) 申請人が説明を要すると認めるその他の事項
第十二条申請人に係る情報に対する説明には、以下の証拠資料を含むものとする。
(1) 申請人の名称、法定代表者、住所、電話、ファックス、郵便番号、連絡担
当者等の関連状況
(2) 申請人が代理人に委託する場合、代理人の氏名及び身分等の事項を説明し、
かつ、委任状を提供するものとする。
(3) 申請を提出する前の3 年間に申請人が生産した同種製品の生産量及び国
内同種製品の総生産量に占める比率
(4) 全ての知れたる国内同種製品の生産者のリスト、国内同種製品の生産者が
協会又は商会を組織する場合は、当該協会及び商会の名称、住所、電話、
ファックス、郵便番号、連絡担当者等の関連状況を提供するものとする。
第十三条調査申請輸入製品の知れたる生産業者、輸出業者、輸入業者につき、申
請人は以下の証拠資料を提出するものとする。
(1) 調査申請輸入製品の初歩的説明
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(2) 調査申請輸入製品の知れたる生産業者、輸出業者、輸入業者の名称、法定
代表者、住所、電話、ファックス、郵便番号、連絡担当者等の関連状況
第十四条調査申請輸入製品及び国内同種製品の説明並びに両者の比較につき、申
請人は、以下の証拠資料を提出するものとする。
(1) 調査申請輸入製品の詳細な説明(製品の名称、種類、規格、製品の用途及
び市場状況、中華人民共和国関税コード等を含む)
(2) 調査申請輸入製品の原産国(地域)又は輸出国(地域)
(3) 国内同種製品の詳細な説明(当該製品の名称、種類、規格、製品の用途及
び市場状況等を含む)
(4) 調査申請輸入製品と国内同種製品の異同点の比較(製品の物理的特徴、化
学性能、生産工芸、代替性、価格及び用途等の方面を含む)
第十五条輸出価格につき、申請人は、調査申請輸入製品の申請を提出する前の12
ヶ月間の実際に支払った代金又は支払うべき代金を提出するものとする。
2 上記証拠資料は、実際取引価格、オファー・シート、価格リスト、税関
統計データ、代表性のある機構又は刊行物の統計データ等を用いた方法
で提供することができる。
第十六条正常価格につき、申請人は、国外における同種製品の輸出国(地域)又
は原産国(地域)の正常な取引の過程において消費に用いる比較可能な価
格を提出するものとする;比較可能な価格がない又は比較可能な価格を取
得できない場合、申請人は、調査申請輸入製品の構成価格又は第三国に対
して輸出する価格を提出するものとする。
2 申請人は、調査申請輸入製品の構成価格の証拠資料を提出する際、当該
製品の製造原価及び合理的費用の証拠資料を含むものとする。実際の構
成価格を取得できない場合、申請人は、それ自身の生産要素及び当該要
素の輸出国(地域)における価格又は国際市場の通用価格に基づき計算
することができる。
3 上記証拠資料は、実際取引価格、価格リスト又は代表性のある機構又は
刊行物の統計データ等の方式を用いて提出することができる。
第十七条価格調整及び価格比較につき、申請人は、正常価格及び輸出価格に対し
販売条件、条項、課税、取引段階、数量、物理的特徴等の方面において適
切な調整をするものとし、正常価格及び輸出価格につき比較する際、可能
な限り同一の取引段階、同一時期の販売、出荷前の水準において行うもの
とする。
第十八条申請人は、ダンピングマージンに対して初歩的見積りを行うものとする。
見積りは、調整後の正常価格の加重平均値から調整後の輸出価格の加重平
均値を引き、運賃保険料込み値段(CIF)の加重平均値で割る方法を用い
て計算するものとする。
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2 申請人が他の方法を用いて計算した場合は、理由を説明するものとす
る。
第十九条国内産業損害の状況は、主に国内産業損害の種類(実質的損害、実質的
損害のおそれ又は国内産業確立に対する実質的阻害)、調査申請輸入製品
の数量の変化及び価格の変化、国内同種製品の価格に対する影響、国内産
業に関連する経済要因及び指標に対する影響等の方面を含む。
第二十条国内産業に実質的損害をもたらすことを理由として申請を提出する場合、
申請人は、以下に掲げる証拠を提出するものとする。
(1) 調査申請輸入製品の絶対的数量又は国内同種製品の生産又は消費に対す
る増長状況、申請提出前の3 年間の輸入数量状況及び変動幅、上記数量変
動幅の曲線グラフ等
(2) 調査申請輸入製品が申請を提出する前3年間の中国国内での販売に係る
平均価格及び平均価格の変動グラフ等
(3) 調査申請輸入製品の価格の国内同種製品の価格に対する影響状況(国内同
種製品価格の低下状況、国内同種製品の価格の低廉化圧力及び抑制状況、
国内製品価格に影響を及ぼす変動値等を含む)
(4) 調査申請輸入製品の国内産業関連経済指標又は要因に対する影響(販売、
利益、生産量、市場シェア、生産性、投資収益又は設備利用率の実際の及
び潜在的な下降、国内価格に影響を及ぼす要因、ダンピングマージンの大
きさ、キャッシュフロー、就業、給与、資金調達又は投資能力及び在庫等
を含む)
2 上記のいずれかの指標、要因を適用しない場合、申請人は説明をするも
のとする。
第二十一条 国内産業に対する実質的損害をもたらす恐れを理由として申請を提
出する場合、申請人は、以下に掲げる証拠を提出するものとする。
(1) 調査申請輸入製品がダンピング価格で国内市場へ流入することが大幅に
増長する可能性(輸出国(地域)の現有の及び潜在的な輸出能力並びに輸
出国(地域)の在庫等の状況を含む)
(2) 本規則第二十条1 項(4)号に掲げる要因又は指標の明らかに予見可能で
かつ差迫る変化動向
第二十二条 国内産業の確立に対し実質的阻害を与えることを理由として申請を
提出する場合、申請人は、本規則第二十条、第二十一条に掲げる証拠を提
供するものとするほか、国内産業の発展可能性に係る証拠を提出するもの
とする(産業建設の計画及び実際に実施している関連状況を含む)。
第二十三条 申請人は、調査申請輸入製品の国内産業に与える影響を主張し及び証
拠資料を提供する場合、国内同種製品の生産に対し単独で認定を行うもの
とする。国内同種製品の生産に対して単独で認定を行うことができない場
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合、国内同種製品を含む最も狭い製品グループ又は範囲の生産をもって認
定するものとする。
第二十四条 ダンピングと損害との間の因果関係につき、申請人は、以下を提出す
るものとする。
(1) 調査申請輸入製品と国内産業に対する損害との間因果関係が存在するこ
とに係る論証
(2) ダンピング価格によらずに販売している輸入製品の数量及び価格、需要の
減少又は消費モデルの変化、国外又は国内生産者の貿易制限の方法及び相
互間の競争、技術発展及び国内産業の輸出実績、生産性等が国内産業の損
害に対し与える影響の説明
2 申請人は、上記のいずれかの要因を適用しないと認める場合、説明する
ものとする。
第二十五条 申請人は、本章に規定する証拠資料を提出する場合、証拠の出所を説
明するものとする。
第二十六条 アンチダンピング調査申請のなかで秘密保持資料に係る場合、申請人
は、秘密保持の申請を提出するものとする。秘密保持資料につき、申請人
は事件のその他の利害関係者が秘密保持資料に対して合理的な理解を有
することができる非秘密保持概要を提出するものとする。申請人が非秘密
保持資料を提供できない場合、理由を説明するものとする。
第二十七条 アンチダンピング調査申請書及び証拠資料は、中国語の印刷体形式を
採用するものとする。国が統一的に規定する専門用語がある場合、規範的
用語を採用するものとする。
2 申請人が提出する証拠資料が外国語である場合、申請人は、当該資料の
外国語全文を提供し、且つ関連部分の中国語の翻訳文書を提出するもの
をする。
第二十八条 アンチダンピング調査の申請は、秘密保持文書(申請人が秘密保持申
請を提出した場合)及び公開文書に分けるものとする。秘密保持文書及び
公開文書は、いずれも正本1 部、副本6 部を提出するものとする。公開文
書は、正本1 部、副本6 部を提出するほか、さらに、知れたる調査申請輸
入製品の輸出国(地域)政府の数に基づいて副本を提出するものとし、知
れたる調査申請輸入製品に係る輸出国(地域)政府の数が過多である場合
は、適宜に減らすことができるが、5 部を下回ってはならない。
第二十九条 輸入出公平貿易局は、申請人に申請書及び証拠資料の電子データ媒体
を提供するよう要求することができる。
第三十条申請人は、郵送又は直接送達等の方式で書面による申請書及び証拠
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資料を輸出入公平貿易局に提出するものとする。
第三十一条 申請人が正式に申請書及び証拠資料を提出する場合、輸出入公平貿易
局は署名受領するものとする。署名受領の日を、輸出入公平貿易局が申請
書及び証拠資料を受領した日とする。
第四章 立件
第三十二条 輸出入公平貿易局は、質問状又は実地調査等の方式を用いて申請書及
び証拠資料中の、申請人の資格及び調査申請輸入製品等を含む問題に対し
て調査を行うことができる。
第三十三条 輸出入公平貿易局は、申請書及び証拠資料を署名受領した日より60
日以内に、申請人のアンチダンピング調査申請に対して審査し、且つ意見
を提出して、国家経貿委と協議した後、立件調査をする旨又は立件調査
をしない旨を決定するものとする。
第三十四条 輸出入公平貿易局は、申請書及び証拠資料を署名受領した日より7 日
以内に、申請書及び証拠資料の副本1 部を国家経貿委に転送交付するもの
とする。国家経貿委は、少なくとも20 日の時間をかけ申請書及び証拠資
料を検討し、アンチダンピング調査立件に対して意見を提出するものとす
る。
第三十五条 輸出入公平貿易局は、本規則第三十三条が規定する期間内において、
申請人にそのアンチダンピング調査申請に対し調整又は補充を行うよう
要求することができる。申請人が調整若しくは補充しない場合、又は要求
された内容若しくは時間通りに調整若しくは補充しない場合、外経貿部は、
申請を却下することができ、且つ、申請人に通知する。
第三十六条 外経貿部が申請を却下する場合、調査申請を公開してはならない。
第三十七条 外経貿部が立件し、アンチダンピング調査を行うことを決定した場合、
公告を公布するものとする。
第三十八条 外経貿部は、立件公告を公布する前に、輸出国(地域)の政府に通知
するものとする。
第三十九条 立件公告は、次に掲げる内容を明記するものとする。
(1)申請書の概要及び外経貿部の申請に対する審査結果
(2)調査を開始する期日
(3)調査製品及び輸出国(地域)の名称
(4)調査期間
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(5)調査機関が実地調査を行う意向
(6)利害関係者が応訴しない場合に引受けることとなる結果
(7)利害関係者が意見を提出することを許可する期間
(8)調査機関の連絡方法
第四十条立件の決定は公布されたら、輸出入公平貿易局は、申請書の公開部分を
知れたる輸出業者及び輸出国(地域)の政府に提供するものとする。調査
が大量の輸出業者に及ぶ場合、輸出入公平貿易局は輸出国(地域)政府に
対してのみ申請書の公開部分を提供する。
第四十一条 アンチダンピング調査立件決定公布の日を立件期日とする。
第五章 附則
第四十二条 外経貿部は、ダンピング及び損害の存在並びに両者間の間に因果関係
があることを証明するに足りる十分な証拠がある場合、国家経済貿易委員
会との協議をした後、自ら立件を決定し、アンチダンピング調査を行うこ
とができる。
第四十三条 本規則は、外経貿部が解釈に責任を負う。
第四十四条 本規則は、2002年3 月13 日より施行する。
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