説明書

トランスフェクショングレードのプラスミド精製
DN-Sure Plasmid Maxi Kit
Cat No. HS-13-10
【目的・用途】
DN-Sure Plasmid Maxi Kit は、陰イオン交換クロマトカラムによる高純度プ
ラスミド精製ができるキットです。DN-Sure Plasmid Midi Kit と同じトラン
スフェクショングレードのプラスミドを最大 1.5mg まで得ることできる、ス
ケールアップに最適なキットです。精製可能な大腸菌の培養液量は、60〜
240mL(High-copy)/200〜480mL(Low-copy)です。
【使用方法】
1) カラムの準備
Midi Column を 50mL 遠沈管にセットし、12.5mL の Column-EQ Buffer を
加え、自然重力によってカラムを通します。通過した溶液は除去します。
2) 大腸菌の回収
【特徴】
1)
トランスフェクショングレードのプラスミド精製が可能
2)
60〜240mL(High-copy)/200〜480mL(Low-copy)
3)
プラスミド最大結合容量は 1.5mg
大腸菌培養液を 6,000×g、15 分間遠心して上清を除去します。
3) 大腸菌の再懸濁
20mL の Resuspension Buffer(※)を加え、ボルテックスもしくはピペ
ッティングにより大腸菌ペレットを完全に再懸濁します。大腸菌のペレ
ットが完全に攪拌されていることを確認してください。
※ 最初に使用する前に RNase A を必ず添加してください
【キット内容】
DN-Sure Plasmid DNA Maxi Kit
内容
4) 大腸菌溶解液の調製①
10 回分
20mL の Lysis Buffer を加え、15 回転倒混和し混合します(ボルテックス
Column-EQ Buffer
135mL
は使用しないでください)。その後、室温で 3 分間静置すると、ライセー
Resuspension Buffer
215mL
トが半透明になります。
Lysis Buffer
215mL
Neutralization Buffer
215mL
Wash Buffer
315mL
Elution Buffer
215mL
RNase A (50mg/ml)
430μL
Midi Column
10
5) 大腸菌溶解液の調製②
20mL の Neutralization Buffer を加え、ただちに 10 回の転倒混和により
混合します(ボルテックスは使用しないで下さい。また、Neutralization
Buffer 添加後すぐに混合しないと不均一な沈殿が生じてしまいますので
ご注意ください)。その後、4℃、15,000×g、20 分間遠心します。
6) カラムへの結合
【使用期限】
5)で得た上清を、1)で平衡化した Maxi Column に移します。このと
室温にて 12 ヶ月(直射日光や湿気を避ける)
き、沈殿をカラムに移さないように注意してください。自然重力によっ
なお、RNase A を添加した Resuspension Buffer は、2-8℃では 1 ヶ月程度、
て溶液をカラムに通過させます。一度 Column を遠沈管からはずして通
-20℃では 12 ヶ月安定に保存することができます。
過した溶液を除去します。
【本品以外に準備が必要な試薬・器具】
•
菌体培養用試薬類
•
70%エタノール
•
イソプロパノール
•
核酸溶解用試薬 : TE Buffer あるいは Nuclease-Free 水など
•
試薬希釈用器具
•
ディスポーザブル手袋
7) カラムの洗浄
30mL の Wash Buffer をカラムに加え、自然重力によって溶液をカラムに
:
:
:
特級試薬をご使用ください
通過させます。
特級試薬をご使用ください
容器・メスシリンダー・ピペット 等
•
ボルテックスミキサー
•
冷却遠心機
•
遠沈管(15mL 容、50mL 容)
【試薬の準備】
RNase A のチューブを軽くスピンダウンして全量を Resuspension Buffer
のボトルに加えます。その後は 2-8℃で保管してください。
Lysis Buffer に析出物がないか確認します。もし析出がある場合は、37℃
で加温し溶解してください(激しく振らないようにご注意ください)。
8) プラスミドの溶出
カラムを新しい 50mL 遠沈管にセットし、15mL の Elution Buffer を加え、
自然重力によって溶液をカラムに通過させます。
9) イソプロパノールによる沈殿
7)で得られたプラスミド溶液に 11mL のイソプロパノールを加え 10
回の転倒混和により混合します。その後、4℃、20,000×g、30 分間遠心
します。
10) DNA ペレットの洗浄
注意深く上清を除去し、5mL の 70%エタノール(室温)を加え、穏やか
に混合し、DNA ペレットを洗浄します。その後、4℃、20,000×g、10
分間遠心します。
11) プラスミドの再溶解
注意深く上清を除去し、チューブが完全に乾燥するまで空気乾燥させま
す(または 70℃にて 10 分間インキュベートします)。乾燥させたペレッ
トに 300μL 程度の TE か Nuclease-Free 水を加え溶解します。得られた
プラスミド溶液は-20℃で保存してください。
【Q&A】
Q1
DNA の収量が低い
菌細胞が完全に溶解していない
・ 細胞数を減らす
・ 工程5)の Neutralization Buffer を加えた後に転倒混和で沈
殿を確実に崩す。ただしボルテックスは厳禁。
・ 工程 11)で DNA ペレットを確実に溶解する。
Q2
得たプラスミド DNA が後の実験でうまく作用しない
RNA のコンタミネーション
・ Resuspesion Buffer に RNaseA を確実に添加する。
・ RNase A を添加した Resuspension Buffer は、2-8℃では 1 ヶ
月程度、-20℃では 12 ヶ月安定に保存可能。期限を過ぎた場
合は、RNase A を 50μg/mL となるように再添加する。
・ 細胞数が多すぎる場合は減らす。
ゲノム DNA のコンタミネーション
・ Lysis Buffer を添加した後は穏やかに転倒混和する。また、
Lysis Buffer 添加後のインキュベート時間は 5 分以内とする。
・ 過剰培養した菌体は使用しない。
DNA ペレットに塩
ペレットに 塩 が残存している
・DNA ペレットを 70%エタノールで 2 回洗浄する。