若い女性におけるCa強化7S調整豆乳のCa生体利用効率に関する研究

若い女性におけるCa強化7S調整豆乳のCa生体利用効率に関する研究
垂水千恵*・脇川典子・Hien Vu Thithu・猿倉薫子・Andrea Wakita・山本 茂
お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科
Bioavailability of Ca Fortified 7S Globulin Rich Soy Milk in Young Women
Chie TARUMIZU, Noriko WAKIKAWA, Hien Vu THITHU, Nobuko SARUKURA,
Andrea WAKITA and Shigeru YAMAMOTO
Ochanomizu University, Graduate School of Humanities & Sciences, Tokyo 112-8610
ABSTRACT
There are contradictions in the understanding of the bioavailability of food Ca. The
Ca concentration of TOFU is as high as that of cow's milk, while bioavailability of
the former is thought to be lower than that of the latter according to a report from
an older study in Japan; however the studies from all over the world have shown
rather similar absorption rates for TOFU, soybean products, cow's milk and dairy
product. In addition, there are remarkable differences in the recommendation of
Ca intake world-wide, which also suggests inconsistency in Ca bioavailability. The
purpose of this study was to establish the absorption rates and requirements of Ca
in Ca-fortified soy milk and cow's milk by the improved balance studies. Twelve
young female subjects were randomly assigned to two groups and were given
basal diets (Ca 300 mg/d) with Ca fortified soy milk (Ca 300 mg/d) or cow's milk
(Ca 300 mg/d) for 15 d separated by a 2-6 wk washout interval in a cross-over
design. Basal diets were 5 d cycle menu. Feces, urine and diets of the last 5 d were
collected in both dietary periods and were digested by the microwave method and
Ca concentration was analyzed by the atomic absorption method. The apparent
absorption rates were 19% in both the soy milk and cow's milk groups. The present
study showed that the Ca absorption rates for soy milk and cow's milk were similar
in young female subjects. Soy Protein Research, Japan 12, 1-10, 2009.
Key words : calcium, soy milk, cow's milk, bioavailability, women
*
〒112-8610 文京区大塚2-1-1
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高齢化が進む中,骨粗鬆症は世界的に重要な健康問
とする報告やLawrenceら14)の20代成人で豆乳22.6%,
1)
題 だが,この発症にはCaの摂取不足が大きく関与し
練乳29.1%とする報告,佐藤ら15) のマウスできな粉
ている.近年の国民健康・栄養調査報告によると,日
63%,粉乳46%,Elizabethら16) の8週齢ラットで牛
本人20 ∼ 49歳の平均Ca摂取量は,476±257(mg/d)
乳77%,Ca強化豆乳61%などの報告があり,大豆Ca
と低く,食事摂取基準2005を満たしていない2).
の生体利用効率は豆乳,豆腐,きな粉などに加工すれ
Ca推奨量は各国で大きく異なる.成人1日あたりの
推奨量は,米国では1,000 mg(50歳以上は1,200 mg)
ば乳類のCa利用率に劣らないほど良いと考えられる.
牛乳がCa源として優れていることの一つは液状で
以上3),ベトナムでは500 mg以上4),我が国では600
あるため摂取しやすいことであろう.牛乳に相対する
mg以上5) である.Ca摂取量と骨密度とは多くの研究
大豆製品として豆乳があるが,Ca含量が低い(100 g
で有意な関連が報告されている6) が,内分泌,加齢,
あたり調整豆乳31 mg8)).大豆たん白質は主に7Sおよ
遺伝などの内的要因や,食生活,運動歴など生活習慣
び11Sグロブリンから構成される.11Sグロブリンは
による外的要因など骨量の変化には他の多くの因子が
Caの沈殿を促進するため,これを含む豆乳にそのまま
関係することがわかっている.Caの吸収率には民族差
Caを強化すると沈殿物ができる.そこで,本研究では
があるという報告もあるが,体格や生活環境が異なる
11Sグロブリンを減少し,7Sグロブリンを増やした豆
ことを考慮しても,Ca推奨量にこれほど大きな差があ
乳にCaを牛乳と同じ濃度になるようにCaを加え(Ca
るのは化学的根拠に不足があるからだと考える.我が
強化7S調整豆乳,不二製油製造)た.そして,その豆
国のCaの食事摂取基準2005は,要因加算法に基づいて
乳と牛乳のCaの利用効率を若年成人女性を対象とし
いる5).Caの必要量は体内Ca蓄積量,尿中排泄量およ
て測定した.
び経皮損失量の合計を,Ca吸収率で除して求める.し
かし,Ca吸収率については様々な報告があり,ヒトを
方
法
対象としたCa出納試験でも被験者や実験条件によっ
てかなりの幅がみられる7).また,現在目標量として
1.被験者
設定されている値は,要因加算法に基づく実験栄養学
被験者は,19歳から25歳の健常な女子大学生・大学
的研究によって設定された目安量と現在の日本人の
院生12名とした.被験者の身体特性(平均±標準偏差)
Ca摂取量を参考とした観察疫学的研究から得られた
は,身長160.3±6.2 cm,体重50.2±4.7 kg,BMI19.5±
中間の値であり,暫定的に設定された数値である.そ
1.2であった.また研究開始前に行った不連続な3日
れらの値は,体重や運動の要因が考慮されていない.
間の自記式生活活動調査と秤量法および24時間思い出
Caは重要な栄養素であるが,日常の食生活で必要量
し法による食事調査の結果,被験者の日常的な生活活
を充たすのは困難である.我が国をはじめとするアジ
動強度(Activity Factor)は(平均±標準偏差),1.5
ア諸国では,古くから大豆食品が日常的に広く摂取さ
±0.2,栄養素摂取状況はCa 548±119 mg/d,Mg 262
れてきた.大豆製品は牛乳に劣らないよいCa供給源
±63 mg/d,P 1,033±223 mg/d,エネルギー 1,862±
である(100 gあたり牛乳100 mg,木綿豆腐110 mg8))
352 kcal/dであった.食事のたん白質:脂質:炭水化
にも関わらず,牛乳ほど評価は高くない.その背景
物(PFC)のエネルギー比(%)は,15:27:57とな
9)
には1953年の兼松らの報告 がある.彼らの研究方法
り厚生労働省DRI2005の摂取目標量に近い望ましい食
は,わずか4名の被験者に,白米を中心とした基本食
事であった(Table 1)
.被験者の除外条件は,牛乳を
(Ca 120 mg/d)に,牛乳,小魚,炭酸Caおよび野菜
飲むと下痢するもの(乳糖分解酵素のない,あるいは
を4レベルで添加して吸収率を比較している.その結
少ない者)
,現在の健康状態が優れない者,下痢また
果は,同一食品の中でもCaの添加量によってかなりの
は便秘などがある者,CaやビタミンDなどのサプリメ
ばらつきがあるが,牛乳Caの吸収率が他食品より高
ントを摂っている者,消化管手術した者,Ca代謝に影
いと結論しており,それが現在まで信じられてきた.
響のある疾患,胃がん・糖尿病・腎臓病・肝臓病など
後に,兼松の報告に準じた試験10) が行われ,兼松ら
の既往歴がある者,喫煙者,妊娠経験のある者,生理
の結果を支持する結果となった.一方,世界の文献を
不順のある者とした.
調べてみると牛乳Caの吸収性が豆腐をはじめとする
なお被験者には研究内容についての説明を十分に行
他の食品のそれに比べて優れているという根拠は見
い,参加同意を文書で得た.本試験実施計画はヘルシ
られない11, 12).大豆製品のCa利用効率は,Adolphら13)
ンキ宣言を遵守して作成し,お茶の水女子大学倫理委
の成人男性において豆乳と牛乳の利用効率に差がない
員会の承認を得た.
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者の月経開始日から数えて10日前後とし,試験期間が
2.試験デザイン
試験デザインをFig. 1に示した.被験者を無作為に
月経期間に被らないようにした.月経周期は試験終了
2群にわけ,基本食(Ca 300 mg/d)の上に,Ca強化
まで随時記録した.各試験期間はそれぞれ15日間とし,
7S調整豆乳(Ca 300 mg/d)または牛乳(Ca 300 mg/d)
最初の10日間を適応期間,最後の5日間を出納期間と
をクロスオーバー法で与えた.第1試験期間で基本食
して尿および便を全量採取した.尿の採取は,出納期
およびCa強化7S調整豆乳を摂取した群は, 第2試験期
間初日に起床後排尿し,その後蓄尿を開始,翌日の起
間で基本食および牛乳を摂取させ,他群はその逆とな
床後の排尿分までを1日分の尿サンプルとし,5日分
るよう実施した.試験実施期間は2008年の9月∼ 12月
採取してもらった.採取後は腐敗を防ぐため,トルエ
で,途中に2∼6週間のウォッシュアウト期間を設け
ン(99.5%,和光純薬工業)をサンプル1,000 mLあた
た.第1試験期間,第2試験期間の試験開始日は被験
り約1 mL添加し,冷蔵庫に保管した.便の採取はマー
カーとしてカルミン(Carmine nach Best(1A358)
,
和光純薬工業)3 gを出納期間初日の朝食時と最終日
Table 1. Characteristics of the subjects
の夕食時に摂取してもらい,出納期間中の食事に由来
National Nutrition Japanese
Subjects
Survey 2005 DRI 2005
Number of subjects
12
−
−
23±2
Age (years)
20∼29
18∼29
(19∼25)
Height (cm)
160.3±6.2 158.8±4.9
−
Weight (kg)
50.2±4.7 51.5±6.9
−
BMI
19.5±1.2 20.5±2.7
−
Body fat (kg)
11.4±2.9
−
−
Body fluid (kg)
27.0±3.0
−
−
Muscle mass (kg)
38.9±3.7
−
−
Activity factor (Af)1)
1.5±0.2
−
−
Ca intake (mg/d)
548±119 465±273 600(DG)
Mg intake (mg/d)
262±63
212±82
270
(RDA)
P intake (mg/d)
1,033±223 878±317 900
(RDA)
Vit D intake (μg/d)
3.1±2.4
6.0±8.4
5(AI)
Energy intake (kcal/d)
1,862±352 1,673±513
1,710
Protein intake (g/d)
70±19
63±21
50(RDA)
Lipid intake (g/d)
55±15
54±23
−
Carbohydrate intake (g/d) 263±47
226±76
−
PFC energy ratio (%)
15:27:57 15:29:56
−
Fiber intake (g/d)
13±4
13±5
17
する便を染色により識別して容器に採取してもらっ
た.採取した全ての便は分析まで冷凍庫で保管した.
試験食は陰膳および残食を採取した.
試験期間中は,
毎日体重測定と質問票による問診(健
康状態,排便状況,残食・追加食品,飲水量の確認)
を行った.また,激しい運動は避け,なるべく規則正
しい生活を送るように指示した.ウォッシュアウト期
間中は体重管理に気をつけ,第1試験期間と第2試験
期間で体重変化のないように努めてもらった.
3.試験食
試験食として,基本食,Ca強化7S調整豆乳(不二
製油)および牛乳(メグミルク牛乳,
日本ミルクコミュ
ニティ社製)を用い,それぞれのCa含量が約300 mg,
1日のCa摂取量が約600 mgとなるように設定した.
豆乳はそのままではCa含量が低い(100 gあたり調整
豆乳31 mg8))ため,使用した牛乳と同濃度のCa量と
なるよう調製した(Table 2).なお,7S調製豆乳には
乳酸Caを添加した.
基本食は1日3食で5日間のサイクルメニューとし
Mean±SD
Soy milk(15 d)
10 d
Group A
washout(2 ∼ 6 wk)
5d
Cow’
s milk(15 d)
10 d
balance period
Cow’
s milk(15 d)
Group B
10 d
balance period
washout(2 ∼ 6 wk)
5d
balance period
5d
Soy milk(15 d)
10 d
5d
balance period
Fig. 1. Design of the study. The subjects were randomly allocated to 15 d on basal diets (300 mg Ca) with Ca
fortified soy milk (300 mg Ca) or Cow's milk (300 mg Ca) separated by 2-6 weeks washout interval in a
crossover design. Feces and urine of the last 5 d were collected in both studies and Ca was analyzed.
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Table 2. Energy and nutrient contained in cow's milk
and soy milk
(/100 mL)
Energy (kcal)
Water (g)
Protein (g)
Lipid (g)
Carbohydrate (g)
Ash (g)
Ca (mg)
Mg (mg)
P (mg)
Fiber (g)
Cow's milk
67
87.4
3.3
3.8
4.8
0.7
110
10
93
0
Soy milk
49
90.4
3.2
3
2.2
1.2
110
14
45
0.1
Picture 1. Examples of breakfast (left) and lunch/
dinner (right)
のおかずは市販の冷凍食品(ファンデリー社製)を利
用し,比較食品である大豆製品および乳製品が多いも
のを避けて選定し基本食による影響がなるべく出ない
ようにした.また,朝食はパン食とし,脱落者を防ぐ
た.5種類のメニューは以下のとおりである.メニュー
ため,被験者が飽きないよう多様化や簡便に食事がで
(I)朝食:食パンのトースト,蜂蜜&バター,フルー
きるよう食べやすさを配慮した.基本食の栄養素摂取
ツミックスのシロップ漬け,昼食:ごはん,牛焼肉,
5)
量は,それぞれ日本人の食事摂取基準(DRI 2005)
4種の野菜のナムル,三彩白和え,南瓜と茄子のそぼ
と現在の栄養素摂取状況を考慮し献立を作成した.Ca
ろあん,なめたけおろしソースおよび夕食:ごはん,
にはその吸収を促進する物質と抑制する物質がある.
アジのピリ辛香味揚げ,ブロッコリーの蟹あんかけ,
吸収を促進するのは,アルギニン,リジン,ラクトース,
春雨ときくらげの和え物,メニュー(2)朝食:食パ
スクロース,ビタミンDがある.吸収を抑制する物質
ンのトースト,ストロベリージャム&バター,オレン
はシュウ酸,フィト酸,食物繊維,飽和脂肪酸,Pが
ジのシロップ漬け,昼食:ごはん,オムレツのきのこ
ある.献立作成に際して,特に食物繊維とリンの含有
ソース,ほうれん草のカレーソテー,蜂蜜入りさつま
量には留意した.Caの摂取量(Mean±SDは, 569±13
芋サラダおよび夕食:ごはん,カレイのおろし煮,若
mg/d,
(体重当たり11.4±1.1 mg/kgBW/d)とした.
竹煮,里芋の煮ころがし,メニュー(3)朝食:食パ
また,エネルギー,Mg,Pの摂取量はそれぞれ牛乳摂
ンのトースト,ブルーベリージャム&バター,黄桃の
取時が1,709±26 kcal/d,205±8 mg/d,855±20 mg/d,
シロップ漬け,昼食:ごはん,5種の野菜カレー,エ
PFCエネルギー比は15:23:62(%)
,豆乳摂取時が1,655
ビのオーロラサラダ,パスタソテーおよび夕食:ごは
±26 kcal/d,187±8 mg/d,711±20 mg/d,PFCエ
ん,アジの照り煮,チンゲン菜のゴマ和え,じゃがい
ネルギー比は16:22:62(%)とした(Table 3)
.
もそぼろ煮,メニュー(4)朝食:食パンのトースト,
各被験者には同量の基本食を与え,体重を考慮した
蜂蜜&バター,フルーツミックスのシロップ漬け,昼
食事量の設定は行わなかったが,不足分や空腹感を補
食:ごはん,カレイの南蛮煮,ほうれん草のガーリッ
うため,また食事制限によるストレスの緩和のために
クソテー,ピリ辛中華春雨および夕食:ごはん,チン
間食を用意した.試験食以外は飲料水と与えられた間
ジャオロースー,チンゲン菜のサラダ,南瓜とエビの
食のみとした.間食は,その摂取量によってCa代謝
ソテー,メニュー(5)朝食:食パンのトースト,マー
に影響が出ないように糖質中心のものとして,果実フ
マレードジャム&バター,オレンジのシロップ漬け,
レーバーのゼリー4種(ストロベリー,オレンジ,グ
昼食:ごはん,サワラの西京味噌,刻み昆布の炒め煮,
レープ,ピーチ,各25 g /個),炭酸飲料2種(ジン
ポテトのそぼろあんかけおよび夕食:ごはん,エビの
ジャーエール,サイダー)を用意した(Table 4)
.間
チリソース,チンゲン菜のオイスター炒め,ビーフン
食はそれぞれ自由摂取としたが,試験食を全て摂取し
のカレーソテー.メニュー(1)∼(5)を,15日間で
たうえでの補助食品とするよう説明した.被験者が消
繰り返し3回摂取した.
費する飲料水,間食は各自で毎日計量,記録して摂取
Ca強化7S調整豆乳および牛乳は毎食の基本食に加
してもらった.その他,提供される食事以外の食品や
えて試験期間毎にそれぞれ毎食100 gずつ計量して摂
栄養サプリメントを摂取することを禁止した.特にお
取してもらった.被験者の月経周期により,食事提供
茶やコーヒー,ガムなどは誤って摂取しやすいため注
に関して個別対応する必要があったため,昼食・夕食
意した.また,試験食は摂取量を正確に把握するため,
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固形物だけでなく,液体も全て残さずに摂取するよう
これは試料中Caがリン酸カルシウム(Ca3(PO4)
2)を
に指示した.
形成し,フレーム中でのCaの原子化が抑制される(化
4.分析方法
学干渉)のを抑制する効果がある.試料中のP/Ca比
食事は料理毎に,便は全量を秤量し,必要に応じ
が0∼ 10のため,干渉抑制剤の最適濃度が3,000μg/
てイオン交換水を加えてミキサー(BM-HE08型象印)
mLとなるよう灰化済試料を1%塩酸(HCl)に溶解,
で均一化した.Ca分析は,その一部(約1 g)を採取
EMユーロPMPメスフラスコ(アズワン社製)50 mL
し,65%濃硝酸(HNO3)(和光純薬工業)7 mLと30%
に定容した.尿は原液のままでは濃度が高いため,干
過酸化水素(H2O2)(和光純薬工業)1 mLを加え,マ
渉抑制剤を3 mL添加し,1%HClで4倍に希釈し50 mL
イクロウエーブにて灰化(16℃で20分,200℃で20分,
に定容した.全試料は水流アスピレーター(アズワン
180℃で15分,それぞれ90Wで処理)後,十分冷却し
社製)でグラスファイバー濾紙(ワットマンフィル
た.灰化に使用した分解びんや内蓋に付着した試料は
ター アズワン社製)を用いて濾過により不純物を取
1%HClで数回洗うことで回収できたが,回収率を推測
り除いて測定試料とし,ポリプロピレン製容器(アイ
するため毎回スタンダード試料(Standard Reference
ボーイ アズワン社製)に保存した.
Material 1548a Typical Diet National Institute of
原子吸光光度計での測定にあたり,検量線作成の
Standard & Technology, USA) も 併 せ て 灰 化 し た.
ためCa標準溶液原子吸光用(和光純薬工業)を適宜
試料中のCa濃度は原子吸光度計で測定(島津理化製
1%HClで希釈し,測定試料に添加したと同じSr濃度に
AA-6800)するため,灰化済試料に干渉抑制剤を3 mL
なるように干渉抑制剤を加え,5 ∼ 25μg/mLの濃度
添加した.干渉抑制剤は,塩化ストロンチウム六水和
の標準溶液を調製した.測定波長は422.7 nmに設定し
物(SrCl4・6H2O)(原子吸光分析用)
(和光純薬工業)
た.Caの濃度が高すぎる場合は1%HClで希釈して,測
を1%HClに溶解してSrとして5%(w/v)に調製した.
定を繰り返した.作成した検量線から,食事,便およ
び尿中に排泄されたCa濃度を次式からもとめた.
Table 3. Energy and nutrients contained in 5 d cycle
menus of cow's milk and soy milk diets
excluding dessert*
Cow's milk diet Soy milk diet
1,709±26
1,655±26
Energy (kcal)
Protein (g)
66.3±3.2
66.3±3.2
Lipids (g)
44.8±1.6
42.4±1.7
Carbohydarate (g)
269.9±7.6
262.1±7.6
Ca (mg)
568.7±13.1
568.7±13.1
Mg (mg)
175.2±8.3
187.2±8.3
P (mg)
854.9±20.1
710.9±20.1
Vit. D (μg)
4.5±0.1
4.2±0.1
Fiber (g)
11.8±0.8
12.1±0.8
PFC energy ratio (%) 15:23:62
16:22:62
A ×V ×d
Ca含量(mg/g)=
W ×1,000
A :検 量 線 か ら 求 め た 測 定 用 試 験 溶 液 中 のCa濃 度
(μg/mL)
V :試験溶液量(mL)
d :希釈倍数
W:試料採取量(g)
デ ー タ の 解 析 に は, 統 計 ソ フ トSPSS ver.15 for
windows(SPSS社)を用いた.試験食間の比較には,
Wilcoxonの符号付き順位和検定を行った.有意水準は
5%以下とした.
*
eans±SD/day
Table 4. Energy and nutrients contained in snacks and beverages
(/100 g)
Strawberry Grape flavor
Orange
Peach flavor
Ginger ale
flavor jerry
jerry
flavor jerry
jerry
94
94
94
95
36
Energy (kcal)
Protein (g)
2.4
2.4
2.4
2.4
0
Lipid (g)
−
−
−
−
0
Carbohydrate (g)
20.4
20.4
20.4
21.8
9.0
Ca (mg)
3
3
3
3
−
Mg (mg)
3
3
3
3
−
P (mg)
6
6
6
6
−
Fiber (g)
0.1
0.1
0.1
0.1
0.1
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Belly wash
Water
42
0
0
10.4
0
−
0
0.1
0
0
0
0
0.97
0
−
0.1
5
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Table 5. Ca balance and apparent Ca absorption rate
of soy milk and cow's milk
Test meal
Ca fortified Soy Cow's milk
milk+basal diet +basal diet
Intake (mg/d)
578±4
578±5
Feces (mg/d)
469±207
466±166
Urine (mg/d)
99±46
101±46
Balance (mg/d)1)
9±201
10±168
Retention rate (%)2)
1.7±24.7
1.8±29.0
Apparent absorption (mg/d)3) 109±206
112±165
Apparent absorption rate (%)4) 18.8±35.6 19.4±28.5
1)
2)
3)
4)
Balance (mg/day)=Intake−(Feces+Urine)
Retention rate (%)= Balance /Intake×100
Apparent absorption (mg/d)=Intake−Feces
Apparent absorption rate (%)=Apparent
absorption/Intake×100
*
Mean±SD (n=12). Significant differences were not
observed between the two groups by Wilcoxon
Signed Ranks Test.
る見かけのCa吸収率は,平均年齢19歳で27 ∼ 28%25),
成人女性は23%21),平均年齢67歳では9 ∼ 14%41) と報
告されている.日本人の食事摂取基準20055)では,こ
れらをの文献値を考慮した上でCa吸収率は,18 ∼ 49
歳の25%,50歳以上で20%と大まかに定めている.こ
れらの報告は,本研究で観察した結果に近い.
1953年の兼松らの報告9)では白米を中心とした基本
食(Ca 120 mg/d)に,牛乳,小魚,炭酸Caおよび野
菜をCaとして0.2 g,0.4 g,0.6 g,0.8 gの4レベルで
与えたときの平均Ca吸収率は,それぞれ53%,42%,
38%および18%と非常に高い.上西ら10)は,兼松の実
験の問題点である被験者が4名と少ない点,Caの投与
量と比較食品が個人間で異なる点,washoutを設けず
に連続して行った点などを改正して行った研究から,
見かけの吸収率は,牛乳食で36.9%,小魚食で33.5%,
野菜食で23.6%と報告している.兼松の結果よりは低
いもののかなり高い.この高い吸収率の原因として,
実験方法が考えられる.実験では,基本食(Ca 200
mg/d)のみを3日間,続けて基本食(Ca 200 mg/d)
結
に加えて試験食品(Ca 400 mg/d)を4日間摂取させ
果
ている.吸収率は,この連続した3日間と4日間に測
全試験期間を通じて,被験者12名全員に残食はなく,
定されている.基本食3日間,試験食4日間のどちら
ドロップアウトした者はいなかった.また,第1期と
にも適応期間が入っていないことが,誤差を生む原因
第2期で大きな体重変動がみられた者もいなかった.
となっているように思える.Ca出納試験では最低6,
Table 5に豆乳食および牛乳食のCaのみかけの吸収率
7日の適応期間が必要であると報告されている30).基
の結果を示した.便中Ca量(mg/d)は豆乳群で466±
本食の3日間は短期間であり,それまでの一般食の影
166(Mean±SD),牛乳群で469±207,尿中Ca量(mg/d)
響が強く現れると考えられる.さらに,試験食品を与
は,豆乳群で99±46,牛乳群で101±46となり,豆乳
えた4日間のCaの利用には,その前3日間の基本食が
群と牛乳群はほぼ同値であった.Ca保有率(%)は両
影響していると考えられる.基本食のCa量は200 mg
群ともにわずかに正であった.また,みかけのCa吸収
と非常に低い.Caの吸収率が,
Ca摂取量が低いと高く,
量(mg/d)は豆乳群で109±206,牛乳群で112±165,
摂取量の増加にともない低下することは,兼松の研
みかけのCa吸収率(%)は豆乳群で19±36,牛乳群で
究9)にも見られるように,よく知られるところである.
19±28となり,牛乳群と豆乳群で同等であった.
このことは,200 mgという低いCa摂取量に適応しよ
うとした結果,試験食品の吸収が高くなった可能性が
考
考えられる.
察
Caの吸収率は,食事全体および試験食からのCa摂
本研究では,12名の若い女性被験者に一般食(Ca
取量の影響を受けるであろう.今回の研究では,全Ca
300 mg)と豆乳(Ca 300 mg)(豆乳食),あるいは一
摂取量約600 mg/dのうち,試験食品である牛乳およ
般食(Ca 300 mg)と牛乳(Ca 300 mg)(牛乳食)を
び豆乳からのCa量は約300 mg/dで半分であった.こ
与えた時のCa利用効率を比較した.豆乳食と牛乳食の
れまで食品別Caの吸収率の比較を目的とした実験で
見かけの平均Ca吸収量(mg/d)は,それぞれ109およ
は試験食品からのCa量は50%以上であることが多い.
び111,Ca吸収率(%)は,それぞれ19および19であり,
このことは,試験食品の量を多量にした場合は,Ca
両群に有意差はなかった(p >0.05).これまでの研究
利用効率には差があるのかもしれないが,その割合
17 ∼ 19)
では,女性のCa吸収率は18 ∼ 31歳で13 ∼ 31%
,
20, 21)
が50%以下では差が生じにくくなることを示唆してい
, 閉 経 期 女 性 で は20.5 ∼
る.人々が特定の単一食品から大部分のCaを摂取す
29.9%22 ∼ 24) とされている.また,日本人女性におけ
るということはないであろう.最近の日本人の国民健
23 ∼ 27歳 で14 ∼ 20%
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康・栄養調査2)によると,摂取Caの食品群別供給源は
の方が高いという報告がある.これは農村部の身体的
牛乳・乳製品から30%,野菜類から16%,大豆・大豆
活動量が多いためと推測される.しかし,農村部の女
製品から13%,魚介類から9%となっている.このよう
性では閉経後に急激に骨密度が低下し,都市部女性よ
なことから今回の研究結果は,豆乳と牛乳のCaの利用
りも低くなる.この原因として,農村部の食事は脂肪
効率に仮に差があったとしても,日常的な食生活の中
摂取量が低く,血清コレステロール値も低いいために
では差として現れないことを示唆するものであろう.
エストロゲンの血清濃度が低く,閉経後急激に骨量が
牛乳のCa吸収が良いとされる原因としていくつか
のことが報告されている.カゼインホスホペプチド
減少するのではないかと考えている.
大豆に含まれるフィチン酸はCaを不溶化するため,
(casein phosphopeptide, CPP)はCaとリン酸との結合
体内でのCa吸収を阻害すると言われている39, 40).本研
によりCaの可溶化を促進し,吸収を促進するとされて
究ではCa強化7S調整豆乳のフィチン酸の量を測定し
いる31, 32).今回の実験で,牛乳と豆乳のCaの吸収率に
てないが,仮に含まれているとしてもCaの吸収率に影
差がなかった理由としては,豆乳たん白質から消化管
響を及ぼすほどのものではないということが示唆され
内で生成されるペプチドにCPPと同じような役割をす
た.尿中Ca排泄の増大にはNa,たん白質,カフェイ
るものがあった可能性が考えられるが,その証明には
ンなども影響し,特にNaの影響は大きい.Na摂取量
将来の研究が必要である.
の多い我が国ではCa摂取量の向上と併せてNaの過剰
小林ら26) は,無糖乳からのCa吸収は,普通調整乳
摂取にも注意しなければならない.
からのCa吸収と比較して低下するとあり,乳糖が重要
Caの必要量は体内Ca蓄積量に影響される.Ca摂取
であると報告している.乳糖のCa吸収促進作用につい
量は,臨床試験的な短期間の測定では骨密度に反映さ
ては,pH低下説や可溶性複合体形成説の他,腸粘膜
れないため,十分なサンプル数の疫学的観察も必要で
透過性の亢進作用によりCaの吸収を高めるという説
あろう.本研究では被験者に軽度の便秘(排便頻度
が有力であるが,Ca吸収促進作用に関しての詳細はい
が2日に1回程度)である者がみられた.便秘の者に
まだ明らかになっておらず確証はない.
とっては出納期間が5日以上ある方がより正確な結果
今回の研究で,豆乳食および牛乳食どちらのCa量も
となったかもしれない.
600 mg/dの摂取量で,出納値がゼロに近かったこと
本研究は12名の被験者で行われたCa出納試験であ
は,出納法でみた必要量は約600 mg/dであることを
り,結果には大きな個人差がみられた.Caの吸収率に
示唆している.米国食事摂取基準のCaの目安量(AI)
個人差が生じる原因として,日常の食生活,身体活動
は50歳以上で1,200 mg/d33)となっており,他の欧米諸
レベル,運動歴,身体的要素,遺伝的要因,環境要因
国でも高齢者への推奨量を高く設定する傾向がみられ
などがある.本研究では,身体的特徴や生活習慣を考
る.現実にはこれほど高いCa量を摂取するためにはサ
慮し,さらに除外基準を設定することで,出来る限り
プリメントなどで補うことが不可欠である.現実に米
個人差によるバイアスが生じないようにしたが,被験
国ではサプリメントを摂取する者が多く,Ca摂取量の
者の体格や運動歴にはかなりの個人差があった.
50%に近いほどである.しかし,昨年の研究より推定
本研究の結果,Ca強化7S調整豆乳のCa吸収率や出
したベトナムの閉経後女性の平均必要量は約550 mg/
納値は,牛乳のそれらとほぼ同等であることが明らか
d34).標準偏差の2倍を加えた量(食事摂取基準の推
になった.また,約600 mgのCa摂取はやや正の出納
奨量)は約700 mg/dとなり,アジア人においては米
であったことから,成人女性のCa平均推定必要量は約
国のように高い値を設定しなくても十分であると考え
600 mgであることが示唆された.
られる.Ca摂取不足による骨量や骨粗鬆症への影響に
ついて,Nordinら35) はCa摂取量の著名に低い日本や
インドで骨量が相対的に低いと示した.Ca摂取量が
低い地域に骨粗鬆症の頻度が高いことを示した旧ユー
ゴスラビアの報告36) もある.このように肯定的な報
告が多い中で,否定的な報告も少なくない37, 38).これ
は骨粗鬆症の成因は多岐にわたり,Ca摂取以外の因
子の寄与率の方が相対的に大きいことを示している.
Hienら34) の研究で,ベトナム女性のCa摂取量は都会
部より農村部で低いが,若年時の骨密度は農村部女性
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要 約
食品Caの生体での利用効率に関する知見には矛盾が多い.豆腐はCa含量が高いが,その利用効
率は牛乳に比べて劣ると一般に信じられている.それは古い日本の研究結果に基づいている.しか
し,過去に世界で発表されたCaの利用効率に関する報告を見ると,豆腐および大豆製品に含まれる
Caの利用効率は,牛乳や乳製品と似ているという報告が多い.またCa推奨量は国によって著しく
異なっているが,そのこともCaの利用効率に関する報告値に矛盾があるためと考えられる.今回の
研究では健常な若年成人女性12名を被験者とし,ウォッシュアウト期間を挟んだクロスオーバー法
を用いて日常食に近いCa摂取時のCa出納試験を実施した.被験者を無作為に2群に分け,15日間,
基本食(Ca 300 mg/d)にCa強化7Sグロブリン調整豆乳(Ca 300 mg/d)または牛乳(Ca 300 mg/
d)を与えた.基本食は5日間のサイクルメニューとした.第1期間でCa強化豆乳を摂取した群は
第2期間で牛乳を摂取させ,他群はその逆順とした.両試験期間において最後の5日間の食事(陰
膳)
,尿および便を全量採取した.試料のCa分析はマイクロウエーブで灰化後,原子吸光度計でCa
濃度を測定した.その結果,豆乳食と牛乳食のCaの見かけの吸収率は,豆乳および牛乳でともに約
19%でよく似ていた.以上の結果,Ca強化7Sグロブリン調整豆乳と牛乳のCa吸収率は,ほぼ等し
いことが示唆された.
謝 辞
初めにCa強化7S豆乳作成において格段の努力を強いました不二製油研究所の,高松清治,西村
隆司,柳澤昌伸の諸氏,その他ご協力いただきました皆様に厚くお礼申し上げます.また,貴重な
時間をさいてご協力頂きました被験者の皆様,格別のご指導,ご助言を賜りました聖徳大学人文学
部の江指隆年先生および佐々木弘子先生,そして本研究の財政支援をいただきました不二たん白質
研究財団の皆様に対しまして厚くお礼申し上げます.
文 献
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