インターネットでのビジネスにおける信頼の問題

A Matter of Trust Doing Business over the Internet
インターネットでのビジネスにおける信頼の問題
Benny Browne
2000 年 11 月
Griffith Hack 法律事務所
2000/10/30
Agenda
予定
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信頼関係 − ビジネスにとって必須
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インターネット契約
•
問題になりうること
•
2000 年電子商取引法
•
プライバシー
•
暗号化と認証
Trust relationship
信頼関係
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商取引が自由に行なわれるための必要条件
買主が売主を信頼する
− 適切な品質の商品の供給
− 期限内に合意された価格で供給
− 機密保持
売主が買主を信頼する
− 商品を受け入れる
− 商品に対して合意された価格を支払う
•
信頼が現実において必要だとすれば、仮想現実においてはさらに重要となる
•
行動のパターンが、商取引の繁栄をもたらす信頼関係を確立する
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Internet Contracts
インターネット契約
•
ネット上での標準書式の契約/条件
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インターネットでの契約/条件についての主要問題
•
インターネット契約を有効にし拘束力をもたせる方法
What is an Internet contract?
インターネット契約とは何か
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以下のいずれか
交渉不能な条件のセット、または、
交渉不能な条件のセットへの言及およびリンク
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そして
その条件を受け入れるための、「同意する」欄をクリックするという要件
Need to Knows about Internet contracts/terms and conditions
インターネットでの契約/条件について知る必要性
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クリックは条件の承諾を意味する
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クリックが「申込み」か「承諾」かは、条件に依存する
•
クリックは顧客を、クリックする前に見た条件にのみ拘束する
How to make Internet contracts valid and binding
インターネット契約を有効にし拘束力をもたせる方法
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顧客に「同意する」欄のクリックを要求する前に、すべての条件が読めることを保証するよ
うに、条件を記載する
•
顧客が、条件をスクロールせざるをえないようにする
•
顧客に、拒否し取引を取り消す権利を与える
•
次のページで、顧客の決定を再確認する
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Things that can go wrong
問題になりうること
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買主と売主が接続しない
•
買主と売主が別の人に接続してしまう
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記録の逸失または破棄
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裁判権の問題
Buyers and Sellers don’t connect at all
買主と売主がまったく接続しない
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影響
申込みと承諾が行なわれない
条件が誤解される
交渉が進まない
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防止策
確認を求める
確認を送る
提案された条件を要約する
Buyers and Sellers connect with the wrong person
買主と売主が別の人に接続してしまう
•
影響
申込みと承諾が行なわれない
プライバシーおよび機密が侵害される
機密、営業秘密などの保護違反の訴訟
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防止策
確認を求める
機密表示を含める
機密保護措置を使う − 暗号化、ディジタル署名など
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Loss or destruction of records
記録の逸失または破棄
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影響
法律および標準への不適合
請求書を裏付けられない、賠償請求に対して抗弁できない
義務を果たせない
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防止策
バックアップ
バックアップ
複数の場所でのデータの保存
Matters of Jurisdiction
裁判権の問題
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影響
契約は有効でないかもしれない
異なる制度が適用される。たとえば税金、通関、関税
契約は違法かもしれない
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防止策
契約に拘束力があることの確認を求める
税金などに誰が責任をもつかを明確にする
どの国の法律が適用されるかを明確にする
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Electronics Transactions Act
2000 年電子商取引法
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これは何なのか
オーストラリアの情報経済発展のための、オーストラリア政府の戦略的枠組みの一部
この法律は、2000 年 3 月 15 日の公布により発効
電子商取引の国際貿易模範法に関する国連委員会に基づく
政府および政府の機関にのみ適用
2001 年 7 月からの、より幅広い適用を意図
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何をするのか
商取引で電子通信を使うための体制の創設
電子商取引に対する法的障害になりうるものを取り除くことによって、政府との取引に
おける電子通信を奨励する
電子商取引の利用への信頼の助長
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特に重要な規定
電子商取引を有効とする(第 8 条)
− 電子的に行なわれる取引は、他の法的要件にかかわらず有効と見なされる
署名は不必要(第 10 条)
− その人を特定し、伝達された情報のその人による承認を示す方法が使われれば、不
必要となる
− 使用される通信方法は信頼できるばかりでなく、情報が伝達される目的のために適
切であった
電子通信の、文書としての受け入れ(第 11 条)
− 情報が実質的に完全で改変されていなければ、情報の信頼性は保たれる
文書のハード・コピーは不必要(第 12 条)
− 書いたものの電子的記憶は受け入れ可能と見なされる
送付および受理の時点に関係する規定(第 14 条)
− 送付
− 送付:
電子通信は、受取人のシステムに入った時点で送られたと見なされる
− 受理:
電子通信は、受取人のシステムに入った時点で受け取られたと見なされる
電子通信の帰属
− 受取人が受け取ったものは、差出人によって、または差出人の権限をもって送られ
たならば、差出人によって、または差出人の権限の下で送られたと見なされる。
•
結論
この法律の実際の運用は実質的に証拠物と関係しており、裁判所によって解釈されなけ
ればならない。
安全に取引するには、技術の限界を理解しなければならない。
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Privacy in a Digital Environment
ディジタル環境でのプライバシー
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統計
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なぜ重要か
•
消費者情報
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立法
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具体例
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統計
1998 年:
1 週間に少なくとも 1 度はインターネットにアクセスするオーストラリア人
170 万人
•
2003 年:
530 万人になると推定される
1997 年:
世界全体での電子商取引への支出
2001 年:
世界全体での電子商取引への支出予測
2001 年:
世界全体でのユーザー数予測
6100 万ドル
13 億ドル
1 億 7100 万人
なぜオンラインでプライバシーが重要なのか
消費者は、プライバシーを懸念してインターネットの利用に積極的でない
人々はプライバシーの懸念のため、電子商取引の便宜の享受を抑制されてきたとオース
トラリア連邦政府は主張する。
選択可能ならば、消費者は一般に「クリック&モルタル」サービスよりも「レンガ&モ
ルタル」サービスを選ぶ。
消費者は、どんな情報が集められているのか、誰がそれを集めているのか、その情報が
どうなるのか、そして情報提供を拒否できないという事実について、懸念している。
•
消費者情報
消費者情報は極めて価値があることに企業は気付いた。
その結果は、
− 消費者情報を集めた大きなデータベースの急増
− 消費者の行動を素描するための新技術
オンラインは匿名と同等ではない
− 世界全体で独自である識別子の使用の増加
− オンライン・データベースの指数関数的増加
− クッキー技術は、消費者の活動の追跡を可能にする
− チャット・ショーへの参加などの送信は記憶させ検索することができる
その結果として、インターネットでの「リスニング」や「バギング」の装置の急成長に
対する消費者の懸念が高まっており、これらのことを可能にするビジネスを「罰する」
だろう
•
国民の力の具体例:
Double Click
バナー広告の提供
広告をウェブ・ユーザーに向けるための「クッキー」の利用
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Abacus と併合=個人を特定できる情報が、個人を特定できない情報と結合した
2000 年 2 月 14 日、連邦通商長官は、消費者情報をそのウェブ・サイトから集める
Double Click の行動の調査を開始した。
調査が公表されたとき、株価が 20%下落した(2000 年 2 月 14 日から 2000 年 3 月 23 日
に、NASDAQ は 10%上昇した)
Double Click の対応
− 消費者プロファイリングを行なう計画の放棄
− 詳しいプライバシー保護声明の発表
− ユーザーに、クッキーから除外される「選択権」を与える
− インターネット・プライバシー・キャンペーンの開始
− プライバシー問題の宣伝
− 独立したプライバシー諮問委員会の設立
•
オーストラリアでの立法
オーストラリア政府は 2000 年プライバシー修正(プバイバシー部門)法案を発表
この法案が成立すれば、インターネット・ユーザーは、誰が情報を集めており、情報が
いかに使われ記憶され開示されるかを知ることができる
この法案が課す義務
− ウェブサイトのオペレーターは、誰が情報を集めているか、それがいかに使われ記
憶され第三者に開示されるかを、ユーザーに告げなければならない。
− ユーザーは、自分の情報が収集されることを望むか否か、選択できる
この法案が課す義務
− ユーザーは、収集された情報へのアクセスを認められなければならない
− 企業は顧客の同意なしに、顧客情報を売ってはならない
この法案が課す義務
− ウェブサイトのオペレーターは、法案に記されている最低基準を遵守する、プライ
バシー行動規則を採用しなければならない。
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