2014 年 6 月 5 日(木)発行 No.023 市場調査室レポート 0 アウトルック ドル円は、いよいよレンジ相場を抜け出せるか!? ドル円は 1 月 24 日以降、100.75~104.09 円の狭いレンジでの推移に終始しています(6 月 5 日現在)。 ただし、足もとは日米株価の堅調や、米 10 年債利回りの上昇に支えられ、上昇気運が高まっているように みえます。 それでは、ドル円は 104 円台を回復し、上述の狭いレンジを抜け出す可能性があるのか?について、一目 均衡表や、他のチャートを使って、考えてみたいと思います。 【ドル円一目均衡表(単位:円)(日足) 2014/3/28~6/5】 約 1 ヵ月ぶりに日足が 先行スパンを上回る! 上図は、ドル円の日足一目均衡表(6 月 5 日現在)です。日足が先行スパン(上図、赤または青色の帯)を 一時上抜きました。日足が先行スパンを上回るのは、5 月 2 日以来のことです。 まず注目されるのは、頭上の先行スパンが薄くなっている点です。先行スパンは中長期的な支持帯または 抵抗帯と考えられ、厚い部分は上にも下にも抜けにくく、薄い部分は抜け易い傾向がみられます。 現在、先行スパン下限が大きく括(くび)れて薄くなった部分に差し掛かっており、こうした部分を狙ったよう に上抜く例が過去に多くみられます。目先一番薄くなった部分は 6 月 6 日、つまり「米雇用統計発表日」に ちょうど当たっており、超目先、ドル円に動意が出てくる可能性があると推測されます。 1 Copyright - 1 - © 2002-2014 MONEY SQUARE JAPAN, INC. All rights reserved. This Report is for Authorized Recipients Only and Not for Public Distribution. このような一目均衡表の「急所」を上抜いた場合、その後の上げ幅が大きくなる可能性があります。 簡単な「上値メド」の計算方法として、「日足が先行スパンを上抜く前のボトム(底)から先行スパン下限まで の上昇幅を、上抜いた時点の水準に加える」という方法があります。 今回の例では、5 月 21 日安値(100.82 円)から 5 日時点の先行スパン下限(102.53 円)までの上昇幅は 1.71 円。先行スパン上限が 102.65 円なので、上値メドは「102.65+1.71=104.36(円)」が算出されます。 もし逆に日足が先行スパンを大きく上抜けない場合には、先行スパンが強い抵抗帯となり、レンジ相場の 下限水準(101 円割れ)への反落が想定されるでしょう。 上値メドを計算する、もう一つの方法として「移動平均線からのカイリ率」を利用するものがあります。 【ドル円 21 日移動平均線(単位:円)とカイリ率(単位:%)(日足) 2013/7/11~6/5】 21 日移動平均線 21 日移動平均線カイリ率 (通常ほぼ±2.5%に収まる) ドル円日足の 21 日移動平均線からのカイリ率(21 日移動平均線から終値が何パーセント離れているか) は、通常時にはプラスマイナス 2.5%前後に収まることが多いようです。 2013 年 7 月以降の上図の例でも、カイリ率は最大+2.62%、最低▲2.66%でした。 5 日現在、21 日移動平均線は 101.90 円にあるため、カイリ率が+2.5%で 104.44 円の上値メドが算出 されます。前ページで提示した一目均衡表による上値メドと、ほぼ同水準です。 6 日の米雇用統計の結果次第では、長らく続いた狭いレンジの上限を超える場面もありそうです。 (シニアアナリスト 山岸永幸) 2 Copyright © 2002-2014 MONEY SQUARE JAPAN, INC. All rights reserved. This Report is for Authorized Recipients Only and Not for Public Distribution. 本資料ご使用上の留意点 本資料は当社が信頼できると考えるデータをもとに作成されておりますが、機械作業上データに誤りが発生する可能性も あり、当社はその正確性、完全性を保証するものではありません。ここに示したすべての内容は、当社の作成時点での判 断を示しているに過ぎません。本資料は、お客様への情報提供のみを目的としたものであり、特定の取引の勧誘を目的と したものではありません。また、投資等に関するアドバイスを含んでおりません。当社は、本資料の論旨と一致しない他のレ ポートを発行している、或いは今後発行する可能性があります。本資料の利用に際してはお客様御自身でご判断ください ますようお願い申し上げます。 お取引に関しての注意事項 ●取引開始にあたっては契約締結前書面をよくお読みになり、リスク・取引等の内容をご理解いただいた上で、ご自身の 判断にてお願いいたします。当社の外国為替証拠金取引は、元本および収益が保証されているものではありません。ま た、取引総代金に比較して少額の資金でお取引を行うため、多額の利益となることもありますが、通貨価格の変動や金利 動向の変化により預託した資金以上の損失が生じる可能性があります。 また、外貨事情の急変、外国為替市場の閉鎖等、不可抗力と認められる事由により外国為替取引が不能となる可能性 があります。 ●取引手数料は価格上乗せ方式で、新規および決済取引のそれぞれに必要となります。手数料額は 1,000 通貨単位当 たり 10~100 円(対ドル通貨は 0.1~1 ドル)で、通貨ペア及び諸条件により異なります。 ●当社が提示するレートは、通常 2~8 ポイント買値と売値に差があります。 ●取引に必要な証拠金額は、個人のお客様の場合取引総代金の 4%、法人のお客様の場合取引総代金の 2%となりま す。 当資料に関するお問い合わせは、下記へお願いします。 カスタマーデスク 0120-455-512 (9:00~22:00 土日を除く) 株式会社マネースクウェア・ジャパン(M2J) 東証第一部/証券コード:8728 金融商品取引業 関東財務局長【金商】第 296 号 加入協会:一般社団法人金融先物取引業協会(会員番号 1507) 3 Copyright © 2002-2014 MONEY SQUARE JAPAN, INC. All rights reserved. This Report is for Authorized Recipients Only and Not for Public Distribution.
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