ニューヨーク株式市場は先週、EU 離

2分でわかる NY ダウ
By Arata Matsushima
木曜日まで神経質、分かれ目の終盤取引
「トレンド出ず」
ニューヨーク株式市場は先週、EU 離脱の是非を問うイギリスの国民
投票を控え緊張が高まった1週間でした。リスク資産とされる株式、
リスク回避局面では売られる傾向があります。先週は、その典型で
した。
ニューヨーク株式市場に上場している各セクターの代表的な企業 30
社で構成されるダウは、木曜日を除き下げました。週間ベースで
1.07%下落。質への逃避で米国債に買いが集まり利回りの低下傾向が
顕著ですが、銀行の業績を圧迫するとの見方で金融株が幅広く売ら
れました。銀行株の寄与度が大きい S&P500 は 1.19%下落しました。
テクノロジー株の比率が高いナスダックは、算出法から時価総額の
大きいアップルが大幅に下落したことが影響、1.92%安と大幅に下落
しました。
ヨーロッパの株式相場も週間ベースでは下落しました。しかし 17 日
金曜日は高く取引を終えました。ロンドンの FTSE100、フランクフル
トの DAX、そしてパリの CAC40 がそれぞれ上昇しました。週の締めく
くりの動きが欧米で異なり、トレンドが出ませんでした。
「英国民投票、FRB 議長、そして原油」
今週の欧米の株式市場では、23 日木曜日のイギリスの国民投票が最
大の材料です。前半は思惑が影響するとみられますが、積極的な取
引が控えられそうです。ヘネシー・ファンズのポートフォリオ・マ
ネジャーは、「月曜から木曜のイギリスの投票まで目立った経済デ
ータ発表がなく、誰も動かないだろう」と The Wall Street Journal
にコメントしました。
このレポートは、当社が信頼に値すると判断した情報を基に作成されています。あくまでも情報提供が目的であり、その
結果について責任を負うものではありません。投資に関しましては、投資家ご自身の判断に基づき決定してください。
無断転載や引用を禁じます。 ©Merket Editors
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2分でわかる NY ダウ
By Arata Matsushima
終盤の 24 日金曜日は投票結果が相場全体に大きく影響しそうです。
世論調査では、離脱支持がやや優勢になっていますが、きっ抗して
いて、予断を許しません。離脱が決まった場合、リスク回避で全面
安になると指摘されています。離脱に向けた交渉は今後2年間続け
られる方向で、不透明な状況が長期化するとの懸念で急落予想も少
なくありません。
来週のニューヨーク株式市場では、FRB のイエレン議長の 21 日と 22
日の議会証言も材料になる可能性があります。今後の利上げについ
てどう発言するかが注目点です。
アメリカの経済指標では、一連の住宅関連統計、5 月の耐久財受注
(24 日)が材料になる可能性があります。先週はやや強めの住宅関
連指標が発表され、不動産関連株が堅調でした。
元ファンドマネジャーで CNBC の人気コメンテーターのジム・クレイ
マー氏は、来週の株式相場について、イギリスの国民投票とイエレ
ン議長の証言に加え、原油価格の動向が相場に影響するだろうとコ
メントしました。リスク回避で下落基調になっている原油価格が節
目の 45 ドルを割った場合、株式相場が崩れるだろうとしています。
「外国株が割安」
イギリスの国民投票で EU 離脱が決まった場合、世界の株式市場が全
面安の展開になるとの見方が優勢です。それでは、残留が決まった
場合はどうか。安堵感から世界的に株高になると予想されています。
週末にウォール街関係者が必ず読むとされる Barron’s の 20 日付最
新号は、残留の場合、アメリカ以外の株式が恩恵を受けそうだと伝
えました。アメリカの S&P500 は年初から 1.7%上昇、PER(株価収益
率)は 17.7 倍。これに対し、FTSE100 は年初から 4.7%安、PER は
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2分でわかる NY ダウ
By Arata Matsushima
16.1 倍と低めです。また、ドイツの DAX は 11.1%安、PER が 12.1 倍
でさらに割安だとしています。
日本株はさらに下がっていて、数字で比較すると非常に割安に見え
ます。残留が決まった場合に安全資産として買われてきた円が売ら
れる可能性が高く、日経平均が最も大きく振れるかもしれません。
[June 20, 2016 NY 003]
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