第 42 回衆議院総選挙 わが党の公約 自由民主党 はじめに 二千年という新たな千年紀を迎え、二十一世紀を目前に控えた今日、わが国は、混迷の 中にあります。日本経済は、政府与党一体となって実施した、数次に亘る対策が功を奏し、 最悪の状況を脱しつつあるとはいえ、まだ民需を中心とした自律的な回復には至っていま せん。また、わが国は、古来からの山川草木に神々が宿り、人智を超えた存在に対する畏 敬・畏怖の信仰をはじめ、渡来した仏教、キリスト教など多くの宗教が花開き、加えて、 華道・茶道など世界に誇る豊かな精神文化が形成されましたが、現在、日本人の心は、疲 弊し、古き良き日本の伝統・文化を尊重する愛国心は、希薄になっています。さらに、多 くの国民は、年金・医療や介護保険はどうなるのか、教育改革は実現するのか、日本経済 は再生するのか等々、将来に不安を抱いています。 今、政治に求められているのは、こうしたわが国の厳しい現状を打破するための政策・ビ ジョンを明確に提示することによって国民の不安を払拭し、安心を担保することです。そ して、国民一人ひとりが平和と真の豊かさを実感し、自らの将来にしっかりとした目標や 希望を持ち、誇りと自信を持てるような夢のある社会を実現することです。 また、経済的な富に加え、物と心のバランスがとれた品格や徳のある国家即ち「富国有徳」 という高い理想を掲げ、「信教と言論の自由が保障された国家」「安心して夢を持って暮らせ る国家」「心の豊かな美しい国家」さらに、世界平和に寄与し、国際貢献を果たす「世界から 信頼される国家」である新生日本を実現することです。 今回の衆議院総選挙は、こうした諸々の課題にどのように対応し、二十一世紀初頭のビ ジョンをどう描くのかが問われる重大な選挙です。わが党は、今回の選挙を闘うに当たり、 安心して夢を持って暮らせる、心の豊かな美しい、世界から信頼される国家−の実現と、 生活基準と生活環境を変える生活構造改革を断行するために、責任政党として以下の重要 政策の実行を公約し、国民の皆さまのご理解とご協力、さらに力強いご支援をお願いする 次第です。 一 (一) 景気対策と生活構造改革による豊かな国民生活と活力あ る経済社会の実現 民需主導の本格的な景気回復の実現 情報技術等が経済成長の原動力となるよう、各種の規制撤廃や硬直的な流通システム、雇 用市場などの改革の断行等を引き続いて行うとともに、不良債権の増大、企業の経営不安、 銀行の貸出圧縮などに伴う「信用の収縮」へも的確な対応を行うため、金融システム安定策 を実施することにより、不良債権処理、金融機関の再編を進め、金融機関の信頼性と機能 の回復を早期に図ります。併せて、いわゆる貸し渋り・融資回収等による信用収縮を防ぐ ため、信用保証制度の拡充、政府系金融機関の融資制度の拡充等の施策を強力に推進しま す。また、中小企業向けの貸し渋り対応特別保証制度や政府系中小企業金融機関に対する 既往債務の金利負担軽減措置を一年間延長いたしました。 これらに併せ、経済動向を最大限注視しながら、十二年度予算の前倒し執行や公共事業 1 等予備費の早急かつ効果的な執行も視野に入れた適時適切な財政・金融政策を行います。 (二) 中長期の日本経済の足腰を確かなものにする経済構造改革の断行 二十一世紀のニーズとシーズを展望した市場の創造 新たな起業・創業を支援し、わが国の経済の活力の担い手を育成していくことが急務と なっており、今後五年間で年間開業企業数を十万社程度増加させることを目標に、資金面、 人材面、技術面からの総合的な対策を講じます。このため、需要及び雇用の拡大が見込ま れる成長分野において、技術開発、規制緩和、人材育成等を加速的に推進し、事業者の自 由な事業活動を通じて、潜在的な需要の掘り起こしを進めます。とくに、潜在的な市場規 模が大きく、競争力の強化とも密接に関わる分野として情報化、環境との調和、高齢化等 の経済社会の変化に対応するニーズや産業横断的な技術シーズを背景とする市場の創造 に向けた取組みを、官民の連携により強化します。 ①情報化関連市場の創造 コンピュータやネットワーク技術の急速な発展により、電子政府の実現や電子商取引 の進展など、産業革命にも匹敵するこの「IT 革命」の幕開けへの対応が、わが国産業の国 際競争力と経済再生の鍵を握っているとも言えます。 このため、予算・税・財投をはじめとする公的資源の利用に積極的に取り組んできま したが、今後は、インターネット通信料金の引き下げや通信と放送分野の規制の見直し などをはじめ、情報化社会に相応しい環境に既存の制度的枠組みを整備します。また、 情報化人材の育成、情報技術開発の推進にも積極的に取り組みます。 ②環境関連市場の創造 廃棄物問題、地球温暖化問題等の環境問題に対応した循環型経済社会を構築すること は喫緊の課題であり、こうした環境問題に対応するニーズを背景とする市場を創造する ため、廃棄物・リサイクル、省エネルギー、新エネルギー等の分野における取組みを促 進するための環境整備を行うとともに関連する技術開発を促進します。 ③高齢者関連市場の創造 「寝たきり」や人的介護を伴う高齢者の自立等を支援するため、先端医療機器技術やバ イオテクノロジーを活用した健康の維持・増進を図るとともに、住居、公共空間等にお ける活動を支援するため、高齢者にも利用しやすい製品等の開発基盤を整備する等によ り高齢者にも安心できる生活・就労環境の構築を推進します。 ④バイオテクノロジー関連市場の創造 バイオテクノロジーは、幅広い産業分野の高付加価値化に貢献するため、ヒト・微生 物等のゲノム解明・解析等知的基盤の整備、遺伝子機能の予測技術の研究開発等先端的 技術開発を推進するとともに、バイオテクノロジー利用のための環境整備を推進し、事 業化を促進します。 2 フロンティア市場を産み出す技術革新環境の構築 わが国の産業競争力の強化を図るため、産学官の英知を結集し、フロンティア市場の創 造やエネルギー・環境問題等の社会的課題の解決に向けた技術開発を戦略的に推進します。 同時に、フロンティア創造型の技術革新システムの再構築を図り産業技術の迅速かつ的確 な普及・活用を促進するため、国家産業技術戦略を策定しました。これに基づき技術評価 システムの確立、技術開発成果の実用化・普及・移転の促進、知的基盤の加速的整備や国 際標準化活動の強化等を柱にした総合施策を展開します。とくに、わが国の経済社会活動 や研究開発活動を支える重要な基盤である「知的基盤」について、二〇〇一年までに欧州並 み、二〇一〇年までに米国並みの水準の達成を目指し、加速的な整備を行います。また、 わが国発の国際標準の獲得は国際競争力確保の鍵であることを踏まえ、技術開発と標準化 の連携強化、国際標準化活動の充実、基準・認証制度の国際整合化を支援します。 3 規制制度改革など国際的に魅力ある事業環境の整備 1 2 情報通信など新たな分野でのビジネス活動を促進するため、時代遅れとなり障害となっ ているような規制制度を思い切って見直し、改革していきます。また、わが国の高コスト 構造の是正に努め、国際的に魅力ある事業環境を整備していきます。 同時に、産業競争力強化のためには、企業がその事業を見直し、経営資源を得意分野に 思い切って集中して投入することが必要です。このため、会社分割税制や連結納税制度、 企業年金の統一的運営を実現する税制などを整備するとともに、会社組織に係る諸制度や 株主代表訴訟制度などの企業法制について、適切な企業運営が確保されるようその見直し に努めます。また、自動車関係諸税の軽減・簡素化や低燃費・低公害車に係る優遇措置の 拡充等に努めます。 (三) 創業・ベンチャー支援に向けた中小企業政策等の新たな展開と地域経済の活 性化 中小企業・ベンチャー企業の多様なニーズに対するきめ細かな支援策の推進 中小企業基本法の改正により、創業及びベンチャー企業に対する支援を中小企業政策の 柱に据えるとともに、創業者、小規模企業から株式公開を目指すベンチャー企業まで、中 小企業・ベンチャー企業の多様なニーズに応じて、その自助努力に対し、資金、人材、技 術、経営ノウハウ等の面からきめ細かな支援を行います。 ①人材、技術、知識、情報等のソフトな経営資源の充実強化 都道府県等が行ってきた中小企業指導事業を見直すとともに、地域の中小企業が経営 上の様々な課題を気軽に相談できる拠点として、「都道府県等中小企業支援センター」、 全国三百カ所程度のより身近な「地域中小企業支援センター」の整備を図ります。また、 地域プラットフォーム(新事業創出促進法に基づく研究開発から事業化に至るまでの総 合支援体制)を強化し、資金、人材、技術等のソフト面の支援を充実するとともに、イ ンキュベータ(孵化器。ベンチャー企業を入居させ、その成長を支援する機能を有する 施設のこと)等のハード面の支援を進めます。 ②中小企業・ベンチャー総合支援センターの整備 東京等全国八カ所に設置される「中小企業ベンチャー総合支援センター」において、支 援人材のデータベースの運用等中小企業、ベンチャー企業に対する各種の支援を行いま す。同時に、都道府県の支援センター、身近な支援センターとともに、情報ネットワー ク等により有機的な連携を図ります。 ③中小企業金融対策の推進 中小企業の資金調達環境が依然として厳しい状況にあることから、その資金調達の円滑 化を図るため、貸出基準の弾力的運用等政府系中小企業金融機関の的確な業務運営を確保 するとともに、信用保証協会の経営基盤の強化を図ります。 2 中小企業と地域経済の活性化 中小企業の活性化と地域経済の活性化が相乗的に効果を生むよう、地域と国との連携を 強化しながら、中小企業の経営革新、産学官の連携強化、地場産業対策、中心市街地の活 性化等を積極的に推進します。 ①技術開発と産学官連携の促進等 技術開発課題に対応する優れた提案を行う中小企業に対する研究開発、中小企業の新 製品・新技術等の創造的な研究開発への支援を通じて、中小企業の事業化を推進します。 また、公設試験研究機関や大学・国立研究所と連携して中小企業が行う研究開発や、中 小企業者及び組合等が実施する新商品・新技術開発、市場調査・販路開拓、人材養成等 の経営革新への取組みを支援します。 ②中心市街地の活性化 中心市街地活性化法に基づく基本計画の策定や計画に定められた具体的な事業が本 格化していますが、中心市街地の活性化を実現するため、計画策定・人材育成や施設整 1 3 備事業等に対する支援をします。また、中心市街地における中小小売商業・サービス業 の経営革新や新規創業等を支援します。 ③地場産業対策及び地域産業集積、伝統工芸品産業対策の推進 地場産業の活性化、地域産業集積の支援を図るため、地域の中小企業及び組合等が実 施する商品開発や販路開拓等を支援します。また、伝統的工芸品産業の活性化を図るた め、産地の製造協同組合等が実施する需要開拓等を支援します。 ④ものづくり基盤の強化 企業による研修の推進、熟練技術の客観化、マニュアル化や、情報通信技術を活用し た技術情報の蓄積、全国各地に結成される「地域ものづくり協議会」の広域的な連携など を通じて、ものづくり技術・技能の強化を図ります。 ⑤商店街・中小小売業対策の振興 中心市街地における小売商業活性化のためのハード、ソフトの各種支援策、商店街の 魅力向上や競争力強化のための各種取組み、個々の事業者による新業態の開発や新規創 業等に対する支援を強化します。 ⑥輸入繊維製品ヘの対応等 繊維製品の輸入急増に見られるようなわが国の産業に与える重大な損害等について は、セーフガード(緊急輸入制限)の発動等を含め国際ルールに則り適切な対応を図り ます。また、繊維産業の国際競争力を高め、産地の空洞化を防止するため、国内外の需 要拡大、ファッション産業の振興、人材育成などの自主的な努力を支援します。 ⑦まちづくり三法の適正な運用 大規模小売店舗立地法、中心市街地活性化法、都市計画法のまちづくり三法の整合性 をもった一体的な運用を行います。とくに、大店立地法については、まちづくりなど地 域の実情に配慮した柔軟かつ弾力的な運用を指導します。 ⑧公正競争の確保 急速な規制緩和により中小企業者が厳しい競争に直面していますが、多様で豊かな国 民生活の実現や経済の活性化のため、規制緩和の推進とともに進められるべき公正競争 の確保のための施策などを一層推進することにより、公正な競争を確保し、もって責任 ある市場原理に基づく資本主義社会の維持発展を図るとともに、優れた日本文化の伝統 の維持を図ります。 ⑨下請取引情報提供の充実等 下請中小企業の販路開拓を支援するため、より広域的な受発注情報の収集・提供を推 進します。また、下請取引適正化対策や官公需における受注機会確保対策を促進します。 ⑩中小企業の経営基盤の強化をはかるための中小企業関係税制の充実 取引を正規の簿記の原則に従って記録している者については、青色申告特別控除額を 五十五万円(現行四十五万円)に引き上げました。更に、青色事業主の勤労性等に配慮 した青色申告特別控除制度の改善・拡充に努めます。なお、小規模企業税制については、 個人事業所得の勤労性の評価も充分に勘案し、引き続き見直しを行っていきます。 また、事業承継円滑化のために特別措置の拡充(小規模宅地等の課税の特例の拡充、 非上場株式の評価方法の改善)を行ったところですが、今後、相続税の最高税率の引下 げを含む税率構造の見直し等について、検討を進めていきます。 さらに、土地税制、とくに、固定資産税については、地価の動向や負担水準を十分勘 案し、見直しに努めます。 加えて、ベンチャー・ビジネスの創業及び初期段階における資本の充実を支援するた め、エンジェル税制の抜本的拡充及び創業十年以内の中小企業等に対する留保金課税の 停止を実現しましたが、今後もより一層の支援に努めます。 (四) 電子取引の安全性確保のための電子認証制度の創設 4 電子署名に関し、電磁的記録の成立の推定、特定認証業務に関する認定の制度を創設し、 電子署名の円滑な利用の確保による情報の電磁的流通、情報処理の推進を図り、活力ある 経済社会の構築を目指します。 (五) 企業再編成の柔軟化 企業再編成のための法整備として、平成九年には、合併法制の合理化を行い、平成十一年 には、株式交換制度の導入を行いました。今回、企業再編成を促進するため、会社分割法 制の創設を行いました。 (六) 経済・産業や国民生活の中長期的な課題への的確な対応 エネルギー安全保障、環境保全、効率化の要請に同時に対応するため、原子力の開発・利 用の促進、省エネ・新エネ分野への重点化等を進めると同時に、通常の事業活動、日常生 活に深く関わる地球温暖化問題、廃棄物・リサイクル・ダイオキシン問題等の克服のため の技術開発を積極的に推進するとともに、循環型経済システムの構築に努めます。また、 国民が生き生きと安心して暮らせる社会の構築に努めます。 1 総合エネルギー政策の見直しとエネルギー供給リスク等への対応 エネルギーは国民生活や経済社会活動の基盤をなすものであり、環境保全や効率化の要 請に対応しつつ、安定的なエネルギーの供給を実現することが求められています。このた め、需要面では景気が低迷している中でも民生・運輸部門におけるエネルギー消費は伸び を示し、また、供給面において原子力発電所の立地計画の長期化や昨年来の原油価格の大 幅な上昇などの需給両面での種々の変化を捉えて、現行の各種施策や長期エネルギー需給 見通しについて、二十一世紀に向けてのわが国経済の新しい発展のきっかけともなるよう、 幅広い見直しを行います。 ①原子力安全・防災の充実や特別措置法の制定など原子力政策の一層の強化 昨年の東海村でのウラン加工工場における臨界事故という前例のない大事故を受け、 原子力災害対策特別措置法制定や補正予算による原子力安全・防災対策を抜本的に強化 しました。原子力発電施設等における安全確保及び防災対策については、立地地域はも とより国民各位に不安を与えることの無いよう、より一層の体制整備を行うなど引き続 き強化いたします。同時に、「原子力発電施設等立地地域振興特別措置法」を制定し、立 地地域振興のための施策の抜本的な拡充強化や的確な情報提供・情報公開を通じて、原 子力の円滑な立地を推進します。また、高レベル放射性廃棄物処分実施のための処分資 金の確保や実施主体の設立等の法整備を行うなど、バックエンド(核燃料サイクルの中 の廃棄物処分のプロセス)対策の充実によって、核燃料サイクル体制を早期に確立しま す。 ②省エネルギー・新エネルギー対策の推進 経済社会全体の省エネルギー化を促進するため、自治体、NGO 等による省エネルギー の導入促進、省エネルギー技術の実用化開発、生活・事業活動及び製品を省エネルギー 化するなどの取組みへの支援等を行います。また、新エネルギーの導入促進を図るため、 国と自治体、NGO 等の間の連携を強化するとともに、燃料電池等の新エネルギー技術 の実用化開発を推進します。 ③石油・天然ガス安定供給確保のためのシステム構築等 石油精製・流通業の構造改善・体質強化の取組みを支援するとともに、緊急時に備え た効果的・効率的な備蓄体制を整備します。また、石油・天然ガスの開発については、 探鉱投融資事業の着実な運営改善等により、一層効率的かつ安定供給に資する体制整備 を行います。同時に、アジア地域を中心としたエネルギー需要の増大、国際的な環境保 全への取組みの高まり、わが国の石油輸入の中東依存度の高まり等を踏まえ、アジア諸 5 国等とのエネルギー・環境面での協力強化等や産油国との関係強化を多角的・戦略的に 進めるなど国際的なエネルギー政策を推進します。 ④国内石炭政策の円滑な完了に向けた取組み等 現行石炭政策の終了する平成十三年度末に向けて、産炭地域振興対策・鉱害対策等の 各施策について、政策目的実現のための十分な措置を行います。また、石炭の有効利用 推進のため、石炭利用技術(CCT)の開発を進め、また、海外炭安定供給確保のため、 わが国炭鉱技術等を活用した技術協力を推進します。 2 循環型経済社会の構築の推進 環境問題への対応は、フロンティアの創造につながる課題ですが、同時に廃棄物問題、 地球温暖化問題を始め、日常生活や通常の事業活動とも広く、深く関わりを有しています。 この中でわが党は、平成六年にいち早く経済構造や市民生活を省エネルギー・資源リサイ クル型へ転換させると公表しましたが、環境問題への対応を経済活動のあらゆる面に取り 入れ、良好な環境の維持と持続的な経済成長の両立を可能にする循環型経済社会への転換 に向けて、各経済主体が適切な役割分担の下で取組みを進められる環境を整備します。 ①廃棄物・リサイクル対策の再構築 リサイクル(再資源化)の促進を中心とした従来の対応から、リデュース(廃棄物の 発生抑制)、リユース(再使用)、リサイクルを総合的に促進する対策へと転換するとと もに家電製品、建築廃材など様々な個別分野ごとの具体的な取組みを促進します。また、 地域における先進的な資源循環型モデル事業を支援するエコタウン事業を推進します。 ②地球温暖化対策の推進 省エネルギーの推進、新エネルギーの導入、安全に万全を期した原子力立地の推進、 代替フロン等の排出抑制対策、革新的な環境・エネルギー技術の研究開発などの国内・ 国際両面における対策を推進します。また、COP3 で導入が決定された排出量取引等の 具体的な制度構築・実施に向けた国際的な議論等に、経済成長と環境保全の両立を図る 観点に立ち積極的に参画します。 ③有害物質等の管理システムの構築 環境ホルモン、ダイオキシン等有害化学物質を一〇〇%管理できる経済社会を構築す るため、環境ホルモン等の有害性評価・適正管理に係る基盤技術開発、既に排出された ダイオキシン等の完全無害化技術の研究開発を支援します。また、化学物質排出量等の 届出制度等を着実に実施するとともに、産業界におけるダイオキシン類の排出実態の的 確な把握、排出削減対策等を推進します。 ④二〇〇五年日本国際博覧会を通じた循環型経済社会の構築 二十一世紀の「人と自然の新たな関係」を追求し、循環型経済社会の総合的実験及び検 証を行う二〇〇五年日本国際博覧会の開催に向けて、会場の基本設計及び実施設計の実 施、BIE(博覧会国際事務局)に対する登録及び政府参加の基本構想の具体化等を支援 します。 (七) 経済のグローバル化に対応した国際経済社会の構築 情報通信技術や運輸手段の飛躍的な発展、貿易投資の自由化の進展、自由な資本移動など によりますます経済がグローバル化している中、わが国の経済・産業にとって望ましい事 業環境を整えるため、世界的な自由貿易・投資の一層の推進、国際経済社会のルール作り、 わが国と経済的結びつきの強いアジア諸国の成長に必要な改革に対する協力などを推進し ます。 1 WTO(世界貿易機関)の新ラウンドの早期立ち上げ 貿易・投資の一層の推進、望ましい国際ルールを策定するため、WTO 新ラウンドの早 期立ち上げを支援します。また、WTO での取組みをより充実したものにするため、米国 やEUとの協力を推進するとともに、アジア等の発展途上国の成長に必要な改革への協力 6 2 を支援します。 アジア経済の本格回復と中長期的成長に向けた協力への支援 わが国は、アジア諸国と貿易・投資などを通じて極めて緊密な経済関係を築いており、 アジア経済の成長はわが国の経済成長と密接不可分の関係にあります。このため、アジア 諸国の貿易促進、経済法制などの制度整備、そのための人材育成など、二十一世紀のアジ アの成長基盤の強化に必要な構造改革への支援を強化いたします。 二 消費者保護の強化により、国民が生き生きとして安心し て暮らせる社会の構築 わが党は、規制緩和が進む中、消費者保護のための新たなシステムづくりの一環として、 消費者契約法の制定を第十八回参議院選挙でいち早く公約し、第百四十七回通常国会にお いて法制定を実現いたしました。これにより、契約を巡るトラブルから消費者を救済する 道が大きく前進することになり、製品の欠陥から被害者の保護等を図る「製造物責任法」と ともに、消費者保護の車の両輪として「消費者契約法」が適切に位置付けられるよう支援を 行うこと等により、国民が生き生きとして安心して暮せる社会の構築に努めます。 三 (一) 総合的な雇用対策の強力な推進 新規雇用の創出 雇用の拡大の実現 情報通信技術(IT)など新規成長産業に必要な人材の育成強化や、中小企業労働力確保 法の現実に即した運用等を今後一年間に集中して推進します。これに加えて、家庭とのふ れあいややすらぎとゆとりある生活を創造するための長期休暇の代替労働により雇用へ の効果も期待されます。これらの取組み等により、少なくとも年間五十万人程度の雇用創 出を実現します。 2 新規・成長分野における雇用機会創出の推進 景気の緩やかな回復を雇用の改善に結びつけるために、とくに情報通信技術(IT)や介 護関連の分野等に対する雇用創出特別奨励金の積極的な活用によって、今後成長の見込ま れる新たな産業への支援と、その分野に必要な人材を早期に育成するための対策を重点的 に実施します。 3 中小企業における雇用機会の支援の積極的な実施 新規雇用の創出のため、中小企業労働力確保法に基づく支援施策の活用を促進すること により、創業・異業種進出を行う中小企業における雇用機会の創出を支援します。 1 (二) 雇用の安定及び迅速な就職の促進 中高年ホワイトカラー求職者の再就職の支援対策の推進 リストラ等により失業が長期化した中高年ホワイトカラーの活動拠点として就職支援 セミナーの開催等を実施する「キャリア交流プラザ」を増設する等再就職の支援を推進し ます。 2 新規の学卒者等若年者の就職支援対策の推進 新規の学卒者の就職環境が極めて厳しい状況にある一方で、就職後早期に離職する若者 が増加しています。このため、就職面接会を積極的に開催し、未就職の卒業者に対する短 1 7 3 期の職業講習の実施を行い、また在学中からの職業指導や雇用情報の提供等を行います。 総合的な障害者雇用対策の推進 障害者が就職後の職場に適応できるよう職場適応援助者による職業リハビリテーショ ンを実施するとともに、雇用と福祉等との連携により総合的な障害者対策を推進します。 (三) 職業能力を十分に発揮できる社会の実現 地域における産学官の連携による人材育成システムの構築 地域において産学官が連携して教育訓練機会の開発整備を行うとともに、各人・各企業 のニーズに応じた教育訓練のあっせんを行うシステムを先導的に構築します。とくに、新 たな事業展開を担う人材の育成を図る中小企業や自ら新たな就業機会を創出する高齢者 に対し、特別の支援を行うことを内容とする「二十一世紀人材立国計画」を推進します。 2 労働者の自発的な能力開発の支援対策の推進 労働者が自発的に職業に関する教育訓練を受講した場合の教育訓練給付の上限額を二 十万円から三十万円へ引き上げ、職業能力の向上のための支援に努めます。 3 技能を尊重する社会の実現 熟練した技能者が活用され、技能の継承が行われるための支援等を実施します。 1 (四) 1 2 3 4 5 長期休暇制度の普及に向けた国民的な合意の形成と環境整備 家族の団らんやきずなを回復し、地域社会の活動などに積極的に参加できるよう当面二 週間程度の長期休暇制度の普及促進を図るため、国民会議の開催等を通じて、国民的な合 意が形成されるよう努めます。 また、その普及に向け、官が率先して長期休暇を実施するとともに先行して円滑な導入 と有効活用のための取組みを行うパイロット企業に対しての支援(従業員数三百人以下の 中小企業に五百万円程度の補助金を支給)や交通費の割引制度の創設などの環境整備に努 めます。 創造的な能力を十分に発揮できる環境づくりの推進 柔軟で主体的・創造的な働き方ができるよう、新たに導入された裁量労働制の活用を推 進します。 働く女性が能力を十分に発揮できる雇用環境整備の推進 採用や職場における男女の均等な取扱いの実現を図るなど、女性が働きやすい環境づく りに取り組みます。 労働者の健康確保対策の推進 労働者の健康確保に向けた労災保険制度のあり方の見直しを行い労働者の健康の確保 及び過労死の防止を推進します。 また、深夜業で働く労働者が自発的に受診する健康診断の費用の助成を行います。 労使慣行の正常化の推進 労使慣行の正常化の観点から、給与より労働組合費を天引き(チェック・オフ)するこ とを禁止する内容を含む「労働基準法等の一部を改正する法律案」の早期成立を目指しま す。 (五) 1 健康で安心して働けるゆとりある環境づくりの推進 多様な働き方を可能とする施策の充実 高齢者の雇用対策の推進 定年の引上げや継続雇用制度の導入等を促進するとともに、中高年齢者の再就職支援を 拡充強化し、六十五歳までの安定した雇用を確保します。 8 また、地域社会の日常生活に密着した臨時的かつ短期的な仕事を提供する「シルバー人 材センター事業」を推進するなど、多様な雇用・就業機会の確保を図ります。 2 子育てや介護をしながら安心して働ける社会の実現 育児休業給付及び介護休業給付の給付率を二五%から四〇%に引き上げるとともに、育 児休業・介護休業を取得しやすく、また職場復帰が可能な環境を整備します。 さらに、地域において会員間で育児や介護の相互援助活動を行う「ファミリー・サポー ト・センター」を増設し、労働者が働き続けやすい環境を整備します。 3 在宅ワーク対策の推進 家庭で子育てをしながら在宅ワークを行う方々のため、契約条件の文書明示など契約を 結ぶ際の最低限のルールについてガイドラインを作成、周知するとともに、在宅ワーカー 等に対する情報提供、相談体制の整備等の対策を推進します。 4 高齢期の生活安定のための勤労者への支援の推進 少子・高齢化の進展や労働移動の増加に対応し、老後における所得の確保と年金資産の 持ち運び(ポータブル化)を可能とする確定拠出年金制度を導入します。 (六) 国際社会への積極的貢献の推進 国際的な視野に立った国際協力の推進のため、外国人研修生・技能実習生及び受入企業等 に対する指導援助を通じた実効ある技能移転を確保します。 また、外国人労働者問題への適切な対応を図るため、留学生の日本国内での就職支援の強 化を含め、外国人求職者への職業紹介等の充実、外国人労働者に関わる雇用管理の改善、 労働条件確保対策等を推進します。 四 (一) 二十一世紀に向けたくましく、あたたかみのある高齢 社会の実現 将来にわたり安定的で効率的な社会保障制度の構築 年金、医療、介護など社会保障制度について、真に必要な給付を確実に確保する一方、将 来にわたる負担を過重なものとならないようにします。とくに、実際に費用を負担し、サ ービスを受ける国民の立場から、総合的な視点に立って、安定的で効率的な社会保障制度 の構築を図ります。 (二) 介護保険の実施による介護不安の解消 本年四月からスタートした介護保険については、要介護認定が始まって一年間が経過する 本年九月までは、いわば「制度の本格的なスタートに向けての助走期間」と位置付け、本年 四月から九月までの半年間は高齢者の保険料を徴収しないこととし、さらに、十月からの 一年間についても保険料を半額に軽減するなどの特別対策を実施し、国民が老後生活を安 心して送れるよう万全を尽します。 また、新たに策定した「ゴールドプラン二十一」に基づき、介護サービス基盤を整備すると ともに、健康・生きがいづくり、介護予防・生活支援対策に積極的に取り組みます。 さらに、お年寄りの健康維持・増進のために、老人スポーツの振興に努めます。 (三) 安心できる医療制度の確立 高齢化が進む二十一世紀においても、国民皆保険制度を維持し、国民誰もが安心して良質 9 で適切な医療が受けられるよう医療制度の抜本改革に取り組みます。 このため、良質な医療の確保や医療の効率化を目指して、薬価改定・診療報酬改定を行う とともに、医療保険制度の安定的運営を目指して、医療保険制度の改正を行います。 また、医療を取り巻く環境の変化に適切に対応し、患者の立場を尊重し、患者と医療従事 者との信頼関係を維持しながら、良質で効率的な医療提供体制の確立を目指して改革を進 めます。 (四) 将来とも安心できる年金制度の構築 公的年金制度については、将来世代の過重な負担を防ぐとともに、確実な給付を約束する という考え方にたった年金制度改正の実施により、現在の年金額を下げることなく、現役 世代の手取収入のおおむね六割を確保し、国民が安心できる制度を構築します。 また、国民の老後に備えた自助努力を支援するため、公的年金に上乗せされる企業年金な どの年金制度の新たな選択肢として、確定拠出年金制度を導入します。 さらに、恩給制度の理念を尊重するとともに、受給者の実態に配慮し、今後もその給付内 容の充実に努めます。 (五) 「メディカル・フロンティア戦略」の策定とその総合的な推進 次世代の先端科学及び医療・医術を国民の健康のために重点投入し、働き盛りの国民にと っての二大死因である「がん」、「心臓病」に立ち向かうとともに、痴呆や寝たきりにならな い健康な高齢期の創造に挑戦します。 このため、二〇〇五年までの総合的な取組みのため「メディカル・フロンティア戦略」を策 定し、活力ある長寿社会を実現します。 1 国民にわかりやすい目標を掲げる「戦略」 計画期間(二〇〇五年までの五カ年)の目標として、現在のがんの平均治ゆ率四〇∼七 〇%程度をさらに二〇%改善します。心筋梗塞の死亡率を二五%引き下げます。脳卒中の 死亡率についても、二五%引き下げ、また、痴呆や骨・関節疾患について研究から予防、 治療、リハビリまでの総合的な対策を展開し、痴呆や寝たきりを予防します。 2 いきいきした高齢社会のための研究開発の推進 痴呆、がん、高血圧などの病気について、基盤となる研究機関を整備し、その原因や治 療薬の効果と遺伝子の関わりに関する研究を進めます。これにより、一人ひとりの体質の 違いをより正確に明らかにし、個々人の体質に合わせた医療や画期的な新薬開発を目指し ます。 (六) 健康で安心できる国民生活の確保 生涯を通じた国民の健康確保のため、がん、脳卒中、心臓病、糖尿病等の生活習慣病の減 少を目指して、日常生活において、一日平均千歩程度の歩数の増加や一日あたりの食塩摂 取量を十グラム未満とするなど、栄養、運動、休養等の分野ごとに具体的目標を定め、健 康づくり運動を推進します。 また、結核等の再興感染症やウイルス性出血熱、新型インフルエンザ等の新興感染症に的 確に対応できるような体制を充実します。 (七) 社会福祉の活性化 約五十年ぶりの社会福祉の基礎構造の改革を行い、障害者のサービスの選択を尊重し、サ ービス利用者を保護する仕組みを導入します。また、障害者通所授産施設や手話通訳事業、 盲導犬訓練施設などの福祉事業や地域における社会福祉を支えるボランティアの活動の発 10 展を支援します。 (八) 障害者施策の充実 障害のある人が障害のない人と同様に生活・活動ができる社会をつくるため、自立と社会 参加の促進、生活環境の整備等による障壁の除去(バリアフリー化)に取り組む等、障害 者プランを積極的に推進します。 (九) 循環型社会を構築するための対策の充実 廃棄物のリサイクルを推進するとともに、廃棄物を安全かつ適正に処理するための体制の 整備、不法投棄対策の強化などの循環型社会を構築するための対策を充実・強化します。 また、ふるさとの美しい水環境を確保するため、浄化槽法の改正を踏まえて、合併処理浄 化槽の整備を推進します。 (十) リバースモーゲージ制度の創設と事業化の促進 高齢者にゆとりある生活をもたらすリバースモーゲージ制度(自宅に住み続けながら、そ の不動産を担保にして、老後に年金方式で介護や医療に必要な費用や生活費等の融資を受 け、返済は死亡時にその担保資産を処分して一括返済する仕組み)を普及させるため、立 法措置を含めた環境整備や検討を進めます。 五 (一) 少子社会に対応し、安心して子どもを生み育てられる 社会づくりの推進 少子化社会対策基本法案の早期成立 子どもがひとしく心身ともに健やかに生まれ育ち、子どもを生み育てる者が真に誇りと喜 びを感じることのでる社会の実現とともに、少子化の進行に歯止めをかけることが強く求 められています。こうした社会の実現を理念とする「少子化社会対策基本法案」の早期成立 に努めます。 (二) 子育て支援の総合的な推進 安心して子育てができる社会をつくるため、保育所の低年齢児の受入れの拡大、病気回復 期にある乳幼児の一時預かり事業の拡充、延長保育、休日保育等、多様な需要に応える保 育サービスを充実します。 また、在宅の乳幼児を含めた子育て支援の推進や、育児の相談支援体制及び母子保健医療 体制の整備など新エンゼルプランを積極的に推進するとともに、就学前の児童までに児童 手当を拡充しました。 (三) 子育てと仕事の両立への支援 育児休業給付の給付率を二五%から四〇%に引き上げるとともに、育児休業を取得しやす く職場復帰しやすい環境を整備します。また、地域において会員間で育児の相互援助活動 を行う「ファミリー・サポート・センター」を増設するとともに、家庭で子育てをしながら 在宅ワークを行う方々のため、契約条件の文書明示など契約を結ぶ際の最低限のルールに 11 ついてガイドラインの作成等を行い、在宅ワーク対策を推進します。 (四) 子育てを社会全体で支える文化の醸成 次代を担う子どもたちが健やかに生まれ育つことができる社会を目指し、社会全体で将来 世代の育成を支援していく文化を醸成します。 このため、「こども未来基金(仮称)」を創設し、税制上の優遇措置を講じて広く個人や企 業から寄付を募り(「エンゼルの羽根」「子育て支援基金ロゴマーク」)、子育て経験のある中 高年女性による育児相談活動など、地域における子育て支援活動を官民挙げて支援します。 (五) 児童虐待問題への対応 わが党が中心となってまとめた児童虐待防止法により、児童虐待の早期発見・早期保護、 そして虐待を行った親等に対する厳格な指導(カウンセリング)及び法的決着を行えるよ うにしましたが、こうした悲劇の背景にある、「健全な家族関係や近隣社会の連帯の崩壊と いう問題」に取り組みます。 六 男女共同参画社会の実現 国政・地方自治の各分野での政策・方針決定過程にさらに多くの女性が参画できるように するとともに、雇用環境を整備し、仕事と家庭が両立できる社会づくりを進めます。また、 女性に対する暴力のない社会を目指し、関係施策の充実に努めます。 七 (一) 進 科学技術創造立国と高度情報通信社会の実現 社会・経済・産業構造改革を実現し、豊かな未来を確実にする科学技術の推 新「科学技術基本計画」の策定 現行の「科学技術基本計画」が平成十二年度で最終年度を迎え、政府研究開発投資につい て五年間で総額十七兆円という目標が達成されることとなりました。政府研究開発投資の 拡充や様々な制度改革を実施した結果、研究開発の現場が大いに活性化しましたが、西暦 二千年という歴史の大きな節目を迎え、わが国もまた大きな転換点にさしかかろうとして いるなかで、社会・経済・産業構造改革を実現して豊かな未来を確実なものとしていくた めには、なお一層の努力が必要です。 このため、①高齢化社会を迎える中で、科学技術を活かし、人々が健康で活躍でき、し かも、安心・安全で快適な生活ができる国②絶え間ない知の創造と技術革新により高い国 際競争力を保持し、持続的な経済発展をなし得る国③科学技術を自国の発展のみに用いる のではなく、それによって、人類の未来に寄与できる、発信能力の高い知的存在感のある 国−の実現を目指し、これによって科学技術創造立国の実現をより確かなものとします。 そのための具体的施策として新「科学技術基本計画」を策定することとし、現行計画の実 績を踏まえた数値目標の設定による政府研究開発投資総額の大幅な拡充、科学技術におけ る世界水準の成果を数多く生み出せる、わかりやすい国家戦略目標の設定、資源の重点配 分とそれを可能にする制度改革等を推進するとともに、情報通信技術を積極的に活用しな がら、二十一世紀のわが国の研究開発を機動的、戦略的、重点的に推進します。 2 科学技術創造立国の実現 1 12 ①人々が健康で活躍でき、安心・安全で快適な生活ができる国の実現 ア 健康増進のためのライフサイエンスや地球環境を守るための科学技術の推進 最近のゲノムに関する研究開発の急速な展開により、生物の発生・分化・再生や脳 の仕組み等複雑な生命現象についての研究が急速に進展しています。これを踏まえ、 国内に順次設置する世界水準の先導的研究機関によって医療(痴呆、がん、糖尿病、 高血圧等)、環境、食料生産等に大きな技術革新をもたらしうるライフサイエンスの 研究活動を強化していきます。また、脳研究の成果を学習・能力開発の技術革新につ なげるなど、多方面の応用に積極的に取り組みます。 近時多発している事故災害を防止し、安全・安心な社会を実現するため、人文社会 系科学の知見を動員し、安全管理のためのシステムづくりやリスクの低減とその適切 な管理のための方法の開発などに取り組みます。 地球温暖化等の地球変動現象は、自然の生態系や人類の将来に深刻な影響を与える 重大な問題であり、その解明・予測及び対策の実現は、経済社会の持続的発展や地球 環境の保全・改善のための基礎となります。このため、地殻、深海を含む全海洋、植 生や土地利用を含む地表面、対流圏から成層圏に至る大気等、地球圏のほぼ全てを全 地球的に観測するシステムを構築し、それに基づいた気候変動予測の実現に取り組み ます。 過去の気候変動の把握や大深度の海底下における資源開発に貢献することを目的と して、海底下七千メートルを超える大深度までの掘削能力を有する地球深部探査船を 開発し、国際協力を積極的に進めながら、地球探部の探査を推進します。 イ 情報技術革命の社会に対応するための科学技術の推進 情報科学技術は、個人の生活から社会システム、科学技術の在り方に至るまで社会 全体に大きな変革を起こす原動力となるものです。情報科学技術の推進のため戦略 的・重点的分野として地球規模の気候変動をとりあげ、地球温暖化、異常気象等の長 期に亘る地球変動の解明・予測を目指して、現在の約一千倍の能力を持つスーパーコ ンピュータの開発を進めます。また、情報技術革命の進展の中で、危機管理や情報の セキュリティ、プライバシー等を守るための先端的な技術開発を積極的に推進します。 また、今や、大量生産・消費・廃棄型の社会を転換し、資源循環型社会を構築する ことが国民的共通課題となりつつあります。このため長寿命の材料の研究、使用済み 材料のリサイクル研究などを進めるとともに、省エネ環境保全型の都市形成に向けた 研究開発を促進します。 情報通信分野及び地球観測分野の技術開発として、高度技術を活用した飛行船であ る「成層圏プラットフォーム」の研究開発を推進し、同プラットフォームに観測センサ ー、無線局等を設置し、特定地域の集中的かつ詳細な地球観測等新たな地球環境の監 視、従来利用されていなかった周波数帯を活用した高速通信等を実現することにより、 わが国の経済発展基盤の整備・強化に大きく貢献します。 ウ 地震に強い安全な国造り 地震に強い国を造るため、阪神淡路大震災を契機として制定された地震防災対策特 別措置法に基づき、地震の調査研究を推進します。具体的には、地震に関する基盤的 調査観測施設の整備、調査観測結果の流通等を推進するとともに、地下構造の把握に 努め、活断層調査、地震の発生可能性の長期評価等を統合した全国の地震動予測地図 を作成します。 エ 安全確保と国民の理解を前提とした、エネルギー供給に寄与する原子力科学技術の 推進 わが国の原子力開発・利用史上、未曾有の深刻な事態となったJCOの臨界事故を 教訓とし、わが党主導で直ちに成立させた原子力防災対策特別措置法等関連二法に基 づき、原子力安全規制・防災対策を抜本的に強化します。また、本年四月に独立性と 機能を抜本的に強化した原子力安全委員会について、事務局の強化を行います。 13 原子力施設などの安全性に関する研究、環境中の放射性物質の挙動及びその影響に 関する研究、放射性廃棄物の処分に関する安全研究を行うとともに、環境放射能モニ タリングの効率的実施のために必要な設備・機器の整備等を進め、環境放射能調査を 行います。 物質やエネルギーの根源に対する新たな知識を創生するとともに、健康の増進や生 活の向上に貢献する、加速器、レーザー、放射線医学、核融合等の分野において、原 子力の基礎・基盤研究を推進します。 高速増殖炉については、非化石エネルギー源の一つの有力な選択肢として実用化の 可能性を追求するための研究開発を進めるとともに、経済性等の向上のみならず、環 境負荷の低減、核不拡散性への配慮など、多様なニーズに対応できる先進的な核燃料 リサイクル技術の研究開発を併せて進めます。 また、高レベル放射性廃棄物処分に関する研究開発、放射性同位元素に係る廃棄物 及び研究所から発生する放射性廃棄物処分対策等を推進します。 国民に対しては、二十一世紀の原子力の全体像と長期展望を明らかにし、情報公開 と国民各界各層を対象としたきめ細かな情報提供、原子力施設の立地地域住民等の理 解と信頼の増進を図ります。 さらに、原子力施設の地元の立場に立った立地地域振興を図るため、既存の地域振 興制度を見直し、地域が自立的に発展を図ることが可能な柔軟な制度を再構築します。 ②絶え間ない知の創造と技術革新により、持続的な経済発展をなし得る国の実現 ア 地域の科学技術振興による新産業の創出 地域経済の活性化のため、地域における産学官の連携体制を強化し、世界に通用す る研究開発型ベンチャー企業を創出します。 また、地域の産業界の活力・リーダーシップ・企業マインド等を活用し、複数地域 が連携した産学官の研究開発圏を構築し、世界に通用する新産業群を創出します。 イ 国際競争力の源泉となる世界レベルの研究成果の創出 わが国の研究環境を活性化し、世界レベルの優れた研究成果の創出を図り、わが国 の国際的な競争力を強化します。このため、公募によって優れた研究者に研究機会を 与える競争的研究資金を大幅に拡充します。現在、わが国の競争的な研究資金は、政 府全体の研究開発投資額の約一割にとどまっており、これを欧米諸国並みの二割から 三割の比率を目指して引き上げを図ります。 ウ 研究開発成果実用化の促進等社会還元の強化 大学、国立試験研究機関等の先端的な研究成果の活用を推進し、新産業の創出等わ が国の経済を新生します。このため、大学、国立試験研究機関等の研究成果の特許化 や新技術開発の促進のための施策を拡充するとともに、研究開発活動の活発な大学等 の近隣をはじめとする研究開発の発展可能性の高い地域においてベンチャー企業等 を通じた研究成果の活用・社会還元を集中的に実施するなど、研究開発型ベンチャー を通じた積極的な成果の展開を促進するための施策を充実します。 ③人類の未来に寄与できる、発信能力の高い知的存在感のある国の実現 ア 若手研究者の積極的な登用による独創的な基礎研究の推進 柔軟な発想とチャレンジ精神を持った、二十代、三十代の若手研究者がその創造力 をフルに発揮して活躍し、世界に向けて研究成果を自由に発信できるよう、適切な処 遇と研究環境を保障する等の抜本的な拡充を図ります。このため若手研究者向けの研 究費を大幅に拡充します。 イ 青少年の科学技術に対する関心や創造性の涵養、国民の科学技術に対する理解の増 進等 映像等を用いた先端科学技術の紹介や最新の研究開発成果の展示を行う科学技術振 興の総合拠点を整備し、併せて同拠点を中心に全国の科学館等とネットワークを組み、 その活動を支援します。また、科学技術に関するトピックや興味深い科学実験の番組 14 等について、ケーブルテレビ局への番組の配信を行うとともに、新たにCSデジタル 放送を活用した提供も開始します。 青少年の自然現象に対する好奇心を育むため、科学技術教育プログラムを拡充しま す。国民的な科学技術の理解増進に向けて、二〇〇一年に、国内において開催される ロボット創造国際競技大会を支援することとし、その一環として小型ロボット製作キ ットを用いたロボット競技会の支援、国際ロボットフォーラムの開催等を行います。 ウ 航空宇宙、海洋等の先端科学技術の推進 H−II8 号機の打ち上げ失敗について徹底的な原因究明を図り、その結果を生かし今 後のわが国の主力ロケットである H−IIA の開発を強化します。また、米、欧、露等 との協力による国際宇宙ステーション計画等宇宙環境利用の総合的推進を図るとと もに、次世代超音速機技術、航空安全・環境適合性技術等に関する研究を進めます。 また、海洋国であるわが国としては、膨大な資源を包蔵し、大きなエネルギーを有 する海洋の開発利用を進めるとともに、海洋と地球温暖化現象との関係等を明らかに するなどこの分野の研究において、国際社会のリーダーとして積極的な役割を果たし ていきます。そのため、海洋資源開発や地球システムの解明を進めるための深海掘削 船の開発等を引き続き推進します。深海底の極限環境下において生息する、深海微生 物はたくましい生命力を持っており、その利用は様々な産業応用の可能性があるため 関連技術開発を推進します。 脳科学研究、ゲノム科学研究等のライフサイエンス、物質・材料研究、地球環境科 学、情報科学技術等の基礎研究を長期的見地から幅広く推進し、世界が評価するよう な知的資産の蓄積に積極的に努力します。 エ 科学技術による世界の平和と安定への貢献 原子力平和利用を担保するための保障措置及び核物質防護を厳格に実施するととも に、ロシアの余剰兵器プルトニウムの処理処分に関する国際協力を行い、世界の核軍 縮に貢献します。また、人類のエネルギー問題の恒久的な解決を目指し、国際熱核融 合実験炉(ITER)の国際協力による工学設計の推進に努めるとともに、国際宇宙ステ ーション計画、深海掘削船計画等の実現に努力を続けます。 (二) 1 情報通信の高度化、郵便局ネットワークの活用によるわが国経済の新生と社 会経済構造改革の推進 郵便局ネットワークの活用を通じた、豊かな社会の実現 ①郵便局サービスの改善 郵政事業は、国営・三事業一体のもと、国民のニーズに的確に応える郵便局サービス の改善に努めます。 国民の基礎的通信手段である郵便サービスを、今後ともできるだけ安い料金で全国 津々浦々に確実に提供されるよう努めます。 インターネットや IC カードを利用したサービスの推進等、高度情報通信社会におけ る国民の要望に的確に対応した郵便貯金サービスの多様化・改善に努めます。 少子・高齢化社会において、国民の要望に応じた基礎的な生活保障手段を提供するた め、簡易保険の商品・サービスの改善に努めます。 ②地域社会への還元 郵便貯金資金の全額自主運用、簡易保険資金運用制度の充実により健全な事業経営を 確保するとともに、郵便貯金・簡易保険資金の地域への還元に努めます。 ③国民の老後に備えた自助努力の支援 新たに導入される確定拠出年金を郵便局で取り扱うことなどにより、国民の老後に備 えた安心を提供します。 ④郵便局ネットワークの有効活用 15 ワンストップ行政サービスの推進、ひまわりサービスの拡充、民間企業との提携拡大 など行政・地域・民間との連携のもと、国民共有の財産である郵便局ネットワークの更 なる活用を図ることにより、郵便局が「地域生活拠点」として新たな役割を果たすよう努 めます。 2 情報通信による社会経済構造改革の推進 ①二十一世紀型インターネットの総合的な推進 国民の誰もが、パソコンのみならず身の回りのあらゆる電子機器を超高速のインター ネットに接続して、自分の望む情報の入手・処理・発信を安全・迅速・安価に行えるイ ンターネット環境の実現を目指します。 とくに、米国並みのインターネットの普及を早期に実現するため、インターネット時 代に対応した超高速・大容量なネットワーク基盤の構築を進めるとともに、インターネ ットの通信料金について、競争の一層の促進を図り、低廉な定額制の導入を促進します。 ②情報通信ベンチャー支援 IT 革命に対応するため、情報通信分野のベンチャー企業を資金面、人材面、技術面か ら強力に支援することにより、雇用機会の拡大や二十一世紀に対応した経済構造の確立 を目指すとともに、とくに、若年・青年層の活力を引き出します。 ③教育の情報化の推進 すべての小中高等学校からインターネットに接続できるようにするとともに、すべて の学級のあらゆる授業において教員及び生徒がコンピュータを活用できる環境を整備 します。 ④放送のデジタル化の推進 全放送メディアのデジタル化のための環境整備を推進し、高度かつ多様な放送を実現 するなど、放送のデジタル化の利便性を国民が早期に享受できるようにすることにより、 わが国の経済・社会・文化の更なる発展に寄与します。 ⑤次世代携帯電話など新たな移動体通信システムの実現 世界各国で使用可能の多様なサービスを提供する次世代携帯電話や、渋滞の解消など に役立つ高度道路交通システムの導入を促進することにより、より暮らしやすく快適な 社会生活を実現するとともに、多様なビジネスの出現を促します。 ⑥電子政府の構築 政府部門の効率化の推進及び民間部門の行政手続の負担軽減を図るとともに、民間の 情報化を先導するため、行政手続の電子化、行政サービスの情報化等を促進し、電子政 府の実現を図ります。 ⑦情報通信技術の研究開発・標準化の推進 情報通信技術の研究開発・標準化を積極的に推進することにより、人類のフロンティ アを切り開きます。 3 誰もが参加できる情報通信社会の構築 ①情報バリアフリー環境の整備 情報バリアフリー環境を実現するための情報通信技術の研究開発や字幕放送等の視 聴覚障害者向け放送などの充実を図ります。 ②安全・信頼性の高い情報通信ネットワーク環境の整備 インターネットビジネスをはじめとする電子商取引を促進し、情報通信ネットワーク を安心して利用できるよう、ハッカーやサイバーテロ対策等の情報セキュリティ対策や 個人情報保護、違法・有害情報への対処を行い、安全・信頼性の高い情報通信ネットワ ーク環境の整備を図ります。 ③SOHO・テレワークの導入の促進 SOHO(情報通信機器を利用した独立自営型勤務) ・テレワーク(遠隔勤務)の導入を 促進することを通じて、通勤負担の軽減、家庭生活と仕事との両立、高齢者・障害者の 社会参加などを可能とします。 16 ④地域情報化の推進と地域間格差の是正 次世代に向けて、活力ある個性豊かな地域社会を構築していくため、地域における情 報通信の高度化を推進するとともに、携帯電話サービスが利用できない地域やテレビが 見えない地域の解消など地域間の情報格差を是正します。 ⑤沖縄地域における情報通信関連産業の集積 沖縄地域の情報発信機能を強化し、同地域をアジア・太平洋地域の「情報通信関連産 業の集積拠点」とするべく、地域の振興に全力で取り組み、併せて情報通信関連企業の 誘致に努め、雇用の確保、経済の活性化に貢献します。 八 (一) 子どもや孫の世代を考えた環境保全型社会の創造 身の回りからゴミ箱をなくす資源循環型社会の構築 「循環型社会形成推進基本法」の制定 全国で深刻な問題となっているゴミ問題を解決するため、ゴミを資源として活用する循 環型の社会をつくります。資源循環型社会の基本理念や国・地方公共団体・事業者・国民 の役割分担などを定める「循環型社会形成推進基本法」を制定し、この基本法の下で、廃棄 物処理法や再生資源利用促進法、容器包装リサイクル法、家電リサイクル法などの数多く の法制度を組み合わせ、総合的な効果を発揮させ、ゴミ箱を資源の貯金箱にします。 太陽光や風力、水力などの自然エネルギーの利用を促進するため、法制度の整備を推進 します。また、国や地方公共団体が再生紙、低公害車等の環境保全型製品等を率先して導 入していくための「国等による環境物品等の調達の指導等に関する法律」を制定し、需要面 から循環型社会づくりを加速化させます。 2 循環型社会づくりのための企業や国民の取組みへの支援 物を大切に使う新しい技術を積極的に開発し、普及を進めます。また、環境会計システ ムの確立、事業者の環境報告書づくりの促進などを通じて、事業者の取組みを支援し、環 境に熱心な企業への消費者の評価を高めます。さらに、草の根の活動を支援するとともに、 地方公共団体や企業、国民の自主的、積極的な環境保全に向けた取組みが互いに連携して 進むよう、幅広いネットワークづくりを「地球環境パートナーシッププラザ」を中心に進め ます。また、子どもたちには、体験が得られるような多様な環境教育・環境学習の場を提 供するともに、社会経験が豊富なシルバー層を対象に地域の環境学習や実践活動の中で活 躍できるような機会を積極的につくっていきます。 これらの一環として、毎年六月の環境月間の第二日曜日を「自民党環境の日」として、環 境保全のための全国的な国民運動を展開します。 3 環境アセスメント制度の推進 大規模な開発等による環境への影響を的確に把握するため、昨年六月から施行された 「環境影響評価法」などに基づき、事業に応じた的確な内容の環境アセスメント(環境影響 評価)を迅速かつ積極的に進めます。 1 (二) 1 ダイオキシン、環境ホルモン等対策の強力な展開 高度なダイオキシン対策の推進 ダイオキシンに対する国民の不安を早急に解消するため、昨年、わが党主導で成立した 「ダイオキシン類対策特別措置法」に基づき、ダイオキシンの排出の約九割削減や汚染土壌 対策を進めます。とくに、廃棄物焼却施設については、迅速にダイオキシンを低減するた め先進的な処理施設の整備を進めます。また、全国の地方公共団体によるダイオキシン汚 染状況の監視を支援するとともに、民間企業のダイオキシン排出削減のための設備投資を 17 2 促進するための優遇税制や低利融資を実施していきます。 環境中の化学物質による危険性を低める対策の体系的な推進 新たに制定された「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関 する法律(PRTR 法)」に基づき、国民にわかりやすく、化学物質に関する情報を提供し ていきます。 また、「環境ホルモン」については、科学的に不明な点が多く残されていることから、国 際的な連携・協力の下、早急に調査研究を進めて問題点を明らかにし、汚染を未然に防ぐ 観点から適切な対応を進めます。このため、環境ホルモンのような作用がある物質をはっ きりさせるとともに、わが国の大気や水の状況及び野生生物への影響実態等について全国 的な調査を実施します。また、試験法の開発や諸外国にひけをとらない研究体制を整備し ます。 (三) 地球環境保全への積極的な対応 地球温暖化対策の推進 地球温暖化は、人類の生存にかかわる重大な問題です。わが党は、平成九年十二月の気 候変動枠組条約第三回締約国会議において採択された京都議定書が平成十四年(二〇〇二 年)に発効し、世界中の取組みが早期に本格化するよう、九州・沖縄サミットにおける総 理を先頭にした働きかけなど、あらゆる外交努力を行います。 国内では、本年十一月の第六回締約国会議の結果を踏まえ、わが国として京都議定書を 早期に締結できるよう、地球温暖化防止のための総合的な国内制度の検討を進めます。具 体的には、議定書に定められた厳しい目標(温室効果ガスを一九九〇年の六%削減)の達 成に向け、各界各層の広範な取組みを公平な分担の下で効率的に推進するため、経済性に 優れた新しい仕組みを積極的に構想するとともに、「地球温暖化対策推進法」の下で適切な 施策を実施していきます。また、地域冷暖房施設、自然エネルギー利用施設、公共交通機 関などの環境保全型の社会資本の整備、エコビジネスの育成、緑化の推進等地域で率先し て取り組むモデル的な温暖化防止事業の支援を進めます。 これらの新技術や製品を通じて、わが国が、持続的発展ができる経済に向けて世界をリ ードしていきます。 2 国際的な場での主導的な役割の発揮 地球サミット後十年目の二〇〇二年に開催が予定されている国連の環境会議(「リオ+ 10」)で世界の環境政策の飛躍が図られるよう、わが党はリーダーシップを発揮します。 また、東アジアで心配される酸性雨に対して近隣諸国のネットワーク化を進め、アジア 太平洋地域での地球変動研究を連携をとって強化し、東アジア海域のサンゴ礁の国際的な モニタリング、北西太平洋地域海計画(NOWPAP)への支援などの具体的な協力事業 を展開するとともに、アジア太平洋地域における政策対話を強めるなど途上国への支援を 強化します。 さらに、わが党主導で世界の英知を結集して設立された地球環境戦略研究機関を活用し、 二十一世紀の持続可能な社会の実現のための政策提言を行います。 3 フロンの回収・破壊の推進 太陽から降り注ぐ有害な紫外線を遮り、人類をはじめ地上のあらゆる生物を守っている オゾン層をフロンによる破壊から守ります。このため、主要なフロンの生産を全廃すると ともに、わが党は、二〇〇一年から施行される家電リサイクル法を活用し、廃棄された電 気冷蔵庫、ルームエアコンからフロンの回収・破壊が行われるようにしました。今後は、 さらに、カーエアコン、業務用冷凍庫などに使われたフロンについても大気中に放出され るのを未然に防止するため、フロンガスの回収・破壊を義務付ける法制度を推進します。 1 (四) 環境ビジネス産業育成策の推進 18 ますます多様になる環境問題への対応は、新しい技術革新を発展させ、国際的規模で拓が る新規の環境ビジネス産業を創出します。わが党は、税制上の優遇措置等を含め、環境ビ ジネス産業育成のため各種施策を強力に推進し、経済に新しい活力をうみだします。 (五) 自然と人間の共生の実現 自然と国民とのふれあいの促進 わが国は国土の三分の二が森林に覆われている森林大国です。まさに先人が遺してくれ た最大の遺産を守るため、自然とのふれあいを国民すべてに提供します。自然を尊ぶこと が体験として学べる自然公園等の整備を充実させるため、太陽光や風力等の自然エネルギ ーを取り入れた施設の積極的な利用、環境学習施設の設置、高齢者等への配慮などを強化 します。 また、国立公園と周辺地域とを一体化して広域的に自然を活かしていくための施策を地域 住民等の意見を聴きながら進めることとし、そのためのシステムづくりを進めます。 2 人と多様な生き物とが共に暮らせる地域づくりの推進 生物多様性国家戦略に基づき、国土の豊かな生物の多様性の確保に努めます。このため、 日本中の生き物についての情報を生物多様性センターにおいて収集し、管理し、広く提供 するとともに、生物との共生を図るため、生き物のための棲み家(ビオトープ)の保全や 復活を支援します。 トキなどの希少な野生生物については、保護増殖を図るとともに、トキの野生への復帰 について中国との国際協力を進めます。また、改正された「鳥獣保護法」に基づき、シカな どの増加の著しいものや減少の著しい鳥獣について、科学的・計画的な保護管理に積極的 に取り組みます。 さらに、本年一月に採択された生物多様性条約に基づくバイオセイフティ議定書に適切 に対応していきます。 3 ペット動物の愛護と適正な管理の強化 わが党主導の議員立法で改正された「動物の愛護及び管理に関する法律」に基づき、ペッ トの愛護と適正な管理を強化します。 1 (六) 大気・水環境保全施策の推進 低公害車の活用と積極的な普及の促進 低公害車を強力に普及するため、自動車取得税の軽減措置の強化などの税制優遇措置を 講じたほか、天然ガス自動車の普及を妨げる要因となってきた高圧ガス保安法などの規制 緩和を進めてきました。また、国における低公害車の積極的導入とともに、その普及の基 礎となる燃料スタンドなどのインフラを充実するため、地方公共団体や民間事業者に対し 支援を行います。さらに、市民に身近な公営バスやごみ収集車について、ディーゼル車か ら天然ガス車など低公害車への計画的な転換を支援します。 また、次世代のクリーンな自動車として期待される燃料電池車の開発を進めます。 さらに、自動車による大都市地域の大気汚染対策を総合的に進める新しい仕組みについ て、衆知を集めて検討を進めます。 2 ディーゼル車の排気ガス対策の推進 NOx 排出量を一層削減するとともに、PM(粒子状物質)の排出量を大幅に削減するた め、新車について、新長期規制を二年程度前倒し実施することとし、そのために必要とな る自動車及び燃料の技術開発、低硫黄軽油の供給が担保されるように所要の措置を講じま す。 また、ディーゼル自動車に起因する NOx 排出量の低減対策を強化するとともに、新た 1 19 に PM の排出対策を実施することとし、そのために、来年の通常国会において現行自動車 NOx 法について所要の見直しを行います。 とくに、排出ガス規制を強化すべき対象地域においては、最新規制車への転換、または これに代わる PM 除去装置の装着等を求めます。 なお、これらの施策の実施にあたっては、技術開発の着実な促進及び規制強化に伴って ユーザー等の関係者の負担が過重なものとならないよう、税制、補助、債務保証等強力な 支援、誘導措置を国及び地方自治体において講じることとします。 幹線道路交通の分散や円滑な走行を確保することにより、NOx、PM 等の排出量が大き く削減できることから、幹線道路ネットワークの拡充や、交差点立体交差化等のボトルネ ック(交通渋滞)対策を一層推進します。 また、新たに有料道路の料金格差による環境にやさしい交通流の誘導、緑あふれる道路 空間による「緑のみちネットワーク」の創出、最新技術を活かした沿道の大気浄化等にも取 り組みます。 さらに、EPMS(交通公害低減システム)等交通管制の高度化を推進し、大型車をはじ めとする自動車交通流の分散、誘導等その円滑化を図ります。 3 水環境・土壌環境の保全 湖沼や内湾を汚している生活排水、工場排水、農地等からの汚水等への対策を一層進め るとともに、井戸や湧水の保全や復活をはじめとした各種事業の連携により、健かな水循 環を回復し、豊かな水量や多様な水生生物を含めた総合的な水環境の保全を図ります。 また、汚染物質が土壌や地下水に蓄積され、環境影響のおそれが高まって行くことに対 する対策(ストック汚染対策)を推進します。 九 (一) 抜本的な教育改革の断行、心を育てる教育の推進と学 術・文化・スポーツの振興 教育改革の推進 初等中等教育と高等教育について、それぞれの制度と教育内容を見直し、抜本的な改革を 行います。その中において、私学の役割を強化します。 1 教育立国を目指した教育改革の推進 わが国が地球規模での大競争時代の荒波を超えて、よき文化と伝統を保持・継承しなが ら、世界の繁栄に貢献できる国であり続けるため、また、富国有徳の社会を実現するため あらゆる社会システムの基盤となる教育の改革を推進することは、今や国政の最重要課題 です。 わが党は、「教育改革国民会議」での議論も踏まえながら、学校が地域や家庭の要請に応 え、自由と規律の良きバランスの下に、日本の将来を担う子どもたちのよき学舎(まなび や)となるよう改革を進めます。 また、いじめや不登校を解消し、「学級崩壊」の実態把握と解決に努めるとともに、基礎・ 基本を徹底して学力水準の確保を図りつつ、甘えを排し、自立した人間を育てる教育を心 がけます。 さらに、国旗・国歌に敬意をはらい、わが国の伝統・文化についての正しい理解を徹底 し、豊かな人間性や高いモラルと倫理・道徳観を育む教育を進めます。 心豊かな子どもたちを育成するため、マザーテレサや野口英世等の偉人伝を取り入れた 「徳育」の実践・充実を図るとともに、茶道、武道など「日本の道」文化の教育の強化に努め ます。 制定以来五十年を経た「教育基本法」についても、教育のあるべき姿について根本的な議 20 論を行ないつつ、幅広く検討します。 国際化に対応し、国際共通語たる英語教育の充実を図り、すべての高校卒業者が英語に よる対話能力を身に付けることを目指します。また、平成十七年度を目標にすべての学級 のあらゆる授業でコンピュータ等を活用できるよう条件整備を図るとともに、情報活用能 力の育成に力を入れ、すべての高校卒業者が高度情報化社会に適応できるようにします。 社会の変化に適応し、様々な選択肢のある学校制度を柔軟な発想で検討します。また、 中高一貫教育を積極的に推進し、当面、全国に五百校程度の設置を実現するとともに、小 中学校の通学区域の弾力化や小中連携などの学校間連携に努めます。 教育改革の成否は、直接子どもたちと接する教員の人格と資質能力にかかっています。 子どもたちの基礎学力の向上や、よりきめ細かな指導の実現をはじめとする今日的な課題 への対応のため、教員の抜本的な資質向上を図るとともに、小・中学校での基本三教科二 十人授業を実現します。また、複数教員による授業(ティーム・ティーチング)や心の相 談に応ずる専門的な職員(スクール・カウンセラー)の拡充などに努めます。 学校における「食」に関する指導の一層の充実のため、栄養教諭制度の実現を目指します。 問題教員については、担任からはずし、配置換えを行うなど、毅然たる対応をとります。 また、教育の地方分権を推進するとともに、各学校での校長の指導力を確立し、学校評 議員制度の活用を通じて、地域社会に開かれた適切な学校運営が図られるよう努めます。 耐震性の向上、情報化への対応や環境を考慮した学校施設の整備充実を図るとともに、 薬物乱用や生活習慣病を防止するための健康教育の推進、学校給食における衛生管理の充 実に努めます。 2 青少年の健全な育成 子育ての基盤となる家庭でのしつけがきちんと行われるよう、家庭への支援をすすめる とともに、地域で子どもを育てる環境を整備します。 子どもや親が二十四時間気軽に悩みを相談できる体制を全国で整備します。すべての児 童生徒と家庭に、相談窓口の電話番号を書いたカードを配ります。 また、多様な生活体験や自然体験の機会を意図的・計画的に提供することを通じ、青少 年の健全育成を図ります。 人々がいつでも自由に学ぶことができ、その学習の成果が適切に評価されるような生涯 学習社会を築いていくことによって、個人の生きがいと夢を活かします。 このため、ボランティア活動への支援、放送大学の通信制大学院創設、大学への社会人 受入れの促進など多様な学習機会の整備を図るとともに、専修学校や各種学校の振興に努 めます。 また、「子ども読書年」への取組みを契機として、学校図書館の活用も図りながら、読書 の普及啓発に努めます。 3 抜本的な大学改革の推進と知的拠点としての大学の育成 わが国の経済的繁栄と知的貢献を担う高度な人材を育成するため、教育研究の両面で国 際的に通用する大学づくりを目指して、抜本的な大学改革を進め、とくに大学院の重点的 整備を図り、さらに、高等教育研究への政府投資の配分を先進諸国並に拡充します。 大学入試については、大学入試センター試験の見直しなどにより改善を図ります。 「十八歳以上自立型社会」を目指し、大学生が親から自立して学べるよう、育英奨学事業 の充実を図るとともに、学生生徒の就職支援に努めます。 学術研究を、科学技術創造立国を目指すわが国の「未来への先行投資」と位置付け、科学 研究費補助金をはじめとする競争的研究資金の拡充、若手研究者の養成・確保、研究施設・ 設備の充実に努めます。 また、企業と大学との共同研究など産学連携を推進するとともに、大学での研究成果が 産業振興にも結びつくシステムを活発化します。 4 私立学校の教育研究への支援拡充 建学の精神に基づき、個性豊かな教育研究を展開している私立学校は、わが国学校教育 21 の発展に大きな役割を果たしています。教育研究条件の維持向上と保護者等の経済的負担 の軽減などを図るため、私学助成の拡充に努めます。また、私立大学等の設置認可の弾力 化など、各私立学校が、それぞれの創意と工夫を生かして発展を続け、多様化する社会や 国民のニーズに的確に応えていけるような環境整備を進め、私学の役割を強化します。 さらに、幼稚園での子育て支援など少子化対策を充実します。 5 奨学金の拡充 将来を担う学生が経済的に自立をして学べるようにするため、奨学金の無利子貸付の拡 充、成績優秀者の返還免除制度の創設など、奨学金制度を思い切って改革します。 (二) スポーツ・文化の振興と心豊かで活力ある社会の構築 スポーツの振興 明るく豊かで活力に満ちた社会の形成に寄与する学校体育、競技スポーツ、生涯スポー ツの振興に努めます。このため、総合型地域スポーツクラブの育成、学校体育施設の開放 促進などの環境整備を推進するとともに、スポーツを通じた青少年の健全育成、国際競技 力の向上などに努めます。 また、二○○二年ワールドカップサッカー大会などの国際大会を積極的に支援し、二○ ○八年夏季オリンピックの大阪招致に努めます。 これらスポーツ振興や青少年の健全育成のために、「スポーツ振興投票制度」を役立てま す。 2 文化の振興 わが国の伝統文化を継承しつつ、新しい芸術・文化の創造を支援します。このため、芸 術創造活動の活性化、伝統文化の継承・発展、地域における子どもの文化活動の推進、文 化を支える人材の養成・確保、文化財の保存と活用を推進します。 また、急速な情報化や国際的動向に対応した著作権制度の改善を図るほか、円滑な宗務 行政の実施に努めます。 1 (三) 国際交流・国際貢献の推進 教育・学術・文化・スポーツの国際化に対応し、各分野における国際交流や国際貢献を積 極的に進めます。 とりわけ、学生、教員、研究者などの国際交流について、交流規模の拡大に努めます。 また、とくにアジア地域を念頭に置いた単位互換ネットワークの構築など、教育機関相互 の交流促進についても、インターネットなどの情報通信技術も活用しつつ、積極的に取り 組みます。 さらに、人材養成面での途上国援助を推進するとともに、わが国への留学生受入れを拡大 するための条件整備を図ります。 十 (一) 1 社会資本の整備と健全で豊かな国づくりの推進 都市・住宅等社会資本整備の積極的な推進 都市政策の積極的な推進 ①都市再生の推進 人が住み、育ち、学び、働き、交流する舞台である都市を再生し、お年寄りから子ど もまで多世代が気持ちよく暮らせるコミュニティを創造するため、既成市街地の整備・ 再開発を進めます。とくに、中心市街地の活性化に総合的に取り組むこととし、市街地 22 の面的整備や道路、公園、駐車場等の整備、周辺地域とのネットワーク作りを進めるほ か、人口回復を促進するための住宅整備に取り組みます。また、地方分権を強力に進め、 各種補助金の統合化や公団のノウハウ等の活用により、地域の創意工夫を活かしたまち づくりを推進するとともに、地域の住民が自らの手で積極的にまちづくりを推進できる よう、非営利組織(NPO)の活用や、まちづくり計画への住民参加を促進します。 さらに、三大都市圏等においては、都市を再生し、国際競争力を備えた魅力ある都市 空間を創造するため、市街地の再開発等の推進による土地の有効高度利用や良質な住宅 供給等による職住近接を促進するとともに、街路等の都市基盤の整備を図り、優れた機 能と環境を備えた都市の形成を図ります。 また、諸外国に比べて著しく遅れている、三大都市圏等の都市構造の再編に資する環 状道路の整備を、重点的、強力に推進します。 緑あふれる美しい街並みの整備や都市内の緑の確保・保全、下水道整備による水環境 の改善等に取り組みます。 ②都市圏の交通円滑化 重大な都市問題の一つである都市圏の交通円滑化に強力に取り組みます。まず、深刻 な渋滞や死亡事故を引き起こしている踏切の解消を促進し、また、渋滞個所の重点的解 消を図ります。 さらに、乗降客の多い駅を中心に、乗り継ぎの改善や雨に濡れない歩行空間の整備な どを早期に実現します。 2 交流ネットワークの形成及び情報化の促進 諸外国の半分程度の整備水準にすぎない高規格幹線道路網について、適正な料金、財源 の確保等に配慮しながら二十一世紀初頭の概ねの整備を目指します。 また、地域高規格道路をはじめとする幹線道路の整備により、物流の効率化を図るため の空港・港湾との連携強化や地域間交流を推進します。 暮らしの利便性を高めるとともに、新たな情報関連産業の創出にも資する社会資本の高 度情報化を進めます。 具体的には、最先端の情報通信技術を活用した高度道路交通システム(ITS)を推進し ます。とくに、有料道路の料金所渋滞の緩和につながるノンストップ自動料金収受システ ム(ETC)のサービスを早期に全国の主要料金所で受けられるよう整備を促進するととも に、普及の促進を図ります。 また、道路、河川及び下水道を利用した光ファイバー網及びその収容空間(情報 BOX、 水辺の情報空間等)の整備を促進します。 3 ゆとりと豊かさを実感できる住宅政策の推進 ゆとりある生活を築くため、職・住の二戸住宅の住み替えや多世代間で使用する長期耐 用住宅の建設促進などにより、住宅環境の整備を進め、若い世代に負担の大きい住宅費の 軽減に努めます。 さらに、IT 社会に適合した住環境を実現するため、地方自治体等行政・医療・介護のネ ットワーク化を早期に実現します。 民需中心の本格的な景気回復を実現するため、民間投資の柱である住宅について、引き 続き、融資・税制等の支援による住宅投資の拡大を推進します。とくに、住宅ローン減税 の延長を視野に入れて、景気の継続的な回復を図るとともに、住宅リフォーム・中古住宅 市場の活性化など二十一世紀の成長分野における取組みを強化し、「住宅の品質確保の促 進等に関する法律」の適切な施行やスケルトン住宅等の整備により、良質で耐久性の高い 本格的な住宅ストックの形成を促進します。また、シックハウス(室内空気汚染)問題に ついて緊急に対策を講じます。 また、都市居住の主要な位置を占めるマンションについて、将来の老朽化や居住者の高 齢化などに対しても安心して住み続けられ、また円滑な建て替えが行えるよう、マンショ ン管理組合に対する相談、支援体制の強化、マンション管理業の適正化・育成、修繕積立 23 金の適正な積立・管理の支援などの総合的なマンション対策を推進します。 さらに、安全・快適な都市居住、豊かな自然の中での田園居住、平日は都心で、週末は 田園で暮らす複数地域居住(マルチハビテーション)など、良質かつ多様な住宅・居住環 境の選択が可能となるよう、定期借家制度の普及を通じた質の高い賃貸住宅の供給促進、 市街地再開発等による都市居住環境の再生、地域と共生する木造住宅団地の整備やゆとり ある住生活の実現と農山村の活性化に資する優良田園住宅の整備を推進します。 4 環境問題への対応 産業廃棄物の中で、その排出量、最終処分量ともにとくに大きい建設廃棄物のリサイク ルを促進するため、わが党が中心となって成立させた「建設工事に係る資材の再資源化等 に関する法律」を基に、建築物等の分別解体と再資源化の円滑な実施、再生資材の利用促 進を強力に推進します。 また、沿道環境問題や地球温暖化問題への対応については、道路特定財源を活用し、円 滑な道路交通を実現する幹線道路の整備等を推進するとともに、ディーゼル車の排ガス等 の大気汚染を緊急に改善するため、有料道路の料金格差による環境にやさしい交通流の誘 導、短距離移動の徒歩等への転換のための歩行空間等の形成、緑あふれる道路空間による 「緑のみちネットワーク」の創出、最新技術を活かした沿道の大気浄化等を実施します。と くに、首都圏等で大気環境が悪い交差点等について、平成十七年までに沿道環境を大幅に 改善することを目標に、短期間で実施できる立体交差の導入、交通阻害の著しい路上駐車 の排除等の対策を集中実施します。また、発生源である車両側の対策、交通需要の管理等 と連携した総合的・計画的な環境の改善に取り組みます。 さらに、河川、海岸等の多様な生態系や水質の保全などを促進するため、自然に配慮し た河川等の整備を推進し、コンクリートの川から緑の川への転換を図ります。 5 少子・高齢化社会に対応した住宅・社会資本整備の推進 高齢者、障害者も含め全ての人々が自立し、参画できる社会を実現するため、市街地の 駅、商店街、病院などの周辺において、三メートル以上の幅の広い歩道の整備や歩道の段 差・傾斜などの改善により、安全かつ円滑に移動できる快適な歩行空間のネットワーク整 備を促進し、誰もが利用する民間建築物、公共建築物のバリアフリー化を進めるとともに、 市街地整備に当たっては一般建築物と福祉施設との一体整備を推進します。 さらに、高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化を図るため、わ が党が中心となって成立させた「高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の 円滑化の促進に関する法律」を基に、旅客施設、周辺の道路、駅前広場等の移動の円滑化 を重点的・一体的に推進するとともに、新設・既設を問わず公共賃貸住宅のバリアフリー 化(とくに既設住宅へのエレベーターの設置)や福祉サービスの充実、高齢者向けの良質 な賃貸住宅の整備を推進し、高齢者が敬遠されない民間借家を普及します。また、住宅金 融公庫融資により、民間住宅のバリアフリー化を支援します。 さらに、住宅地への通過交通を抑え生活空間の安全を確保する道路の整備や幹線道路の 事故多発地点における緊急対策の推進などにより、交通事故の減少を図るとともに、電線 類の地中化を強力に促進し、安全で快適な通行空間の確保、都市景観の向上などを図りま す。 また、地方圏における快適な生活基盤となるふるさとの下水道の整備を図ります。 6 公共事業の効率的・効果的実施 公共事業については、わが国の新たな発展基盤の構築を目指し、都市の再構築や地域の 活性化、連携・交流を支えるネットワークの整備、安全で安心できる国土づくり・地域づ くりの推進など、現下の政策課題に対応した事業を重点的に実施します。道路整備の財源 として利用者から付託された道路特定財源については、受益者負担という公平で合理的な 仕組みとして堅持しつつ、充実を図り、都市部、地方部を問わず多くの声に応え、高度で 質の高い道路サービスの全国的展開、深刻な渋滞、環境問題や高齢化への対応など喫緊の 課題に新たな取組みを進めます。 24 また、公共事業の実施に当たっては、国民との対話を重視した行政を基本としつつ、す べての公共事業を対象とした費用対効果分析、第三者委員会の意見を踏まえた再評価シス テムの活用、さらには、事後評価の試行、コスト縮減対策、民間資金等活用事業(PFI 事 業)の推進などにより、効率的で国民の目から見て分かりやすい事業の実施に努めます。 (二) 活力に満ちた豊かな国土づくりの推進 自立の促進と誇りの持てる地域の創造に向けた地方振興対策の推進 ①地域戦略プランの推進 都市と地方の各地域が自らテーマを選んで、活力とうるおいのある生活空間の創造の ために主体的に策定した地域戦略プランを強力に推進し、各地域の特性を活かした発展 基盤の整備を促進します。 ②豊かで魅力ある地域社会の実現に向けた地方振興対策の促進 地方の中小都市や農山漁村においては、誇りの持てる自立的な地域づくりを進め、各 地域の豊かな自然を活かした新たな生活空間を創造するための積極的な取組みを展開 するとともに、東北、北陸、中国、四国、及び九州の各地域の開発促進計画や、過疎、 山村、豪雪地帯、離島、半島、奄美群島、及び小笠原諸島など厳しい条件に置かれてい る地域に対しては、地域の実情を十分に踏まえた振興対策を積極的に推進し、真に豊か で魅力ある地域社会の実現に最大限の努力をします。とくに、過疎地域については、わ が党が成立させた「過疎地域自立促進特別措置法」に基づき、新たな過疎対策を強力に推 進します。 また、地域経済の活性化と豊かな暮らしの実現のため、既存の各種制度の抜本的な見 直しを含めた新たな地方産業の振興対策を実施します。 ③北海道経済の活性化と雇用の確保 可能性あふれる北海道の自立を実現するために、立ち遅れた社会資本の整備、中小企 業、ベンチャー支援施策、循環型社会の創造に向けた施策など各般の施策の積極的な展 開を図ります。 また、風光明媚な北海道の自然を生かし、観光産業により力を入れるとともに、環境 に配慮しつつ、雄大な自然のもとで老後を豊かに暮らせる場所としての北海道の整備を 図ります。 さらに、十分な北海道開発予算を確保し、社会資本整備を通じた雇用を確保すること により、依然として厳しい経済状況を克服していきます。 2 快適で魅力的な大都市整備の推進 人口、諸機能の集中が著しく、通勤混雑、住宅問題などの諸問題を抱えている大都市に ついては、環境と人間性の回復を重視した快適で魅力的な生活空間への再生を推進します。 また、わが国の経済社会の新生を先導し、国際的経済活動に対応し得る地域として、交通 網をはじめとする都市の諸機能の改善・向上を推進します。 また、これまで利用されなかった大深度地下を有効かつ適正に利用することで、公共施 設を効率的、効果的に整備し、充実した生活空間の実現を図ります。 3 活力ある経済社会の構築のための基盤づくりの推進 来るべき高度情報化社会に向け、防災、救急医療、福祉、教育等の広範な社会経済活動 の効率化、迅速化を目指し、官民が協力して利活用に関する技術開発等を行う地理情報シ ステム(GIS)の整備、普及を促進します。 従来、公的主体によって行われてきた公共施設等の整備を、適切な官民役割分担の下に、 民間の資金、能力、ノウハウを活用することによって、より効果的かつ効率的に行うとと もに、民間の事業機会の増加に資するため、民間資金等活用事業(PFI 事業)を強力に推 進します。 土地市場の透明性、効率性を確保するとともに、土地取引の円滑化、活性化を図るため、 1 25 より開かれた、充実した土地情報が提供される仕組みを構築するとともに、多様な資金の 投入により不動産の有効利用のために必要な資金の円滑な確保を図るため、不動産の証券 化等について、収益性を重視した不動産鑑定評価手法を充実し、こうした新たな取組みに よる土地の有効利用を促進します。 土地取引や社会資本の整備等において基礎となる土地の位置、境界、所有者、面積等の 調査を行う、いわば土地に関する戸籍の調査ともいうべき地籍調査について、民間の専門 技術者の活用や民間の宅地開発等の成果を活用するなど、新たな調査手法を導入して、計 画的かつ強力に促進します。 また、三カ所の移転先候補地が提案されている首都機能移転については、首都機能移転 に向けた検討、国民参加を一層推進するための方策を展開します。 4 安全な水を安心して利用できるようにするための総合的な対策の推進 近年の気候変動の影響を受け、頻発している渇水にも十分な対応ができるよう、水資源 開発のための施設の整備等に加え、各流域ごとの水循環系の健全化を図るための方策、環 境にも配慮した用水の確保のための方策を推進するとともに、来るべき循環型社会に向け、 合理的な水利用手法の確立等の水の有効利用を推進します。 また、地域の特性を活用した水源地域の保全、活性化を図り、関係住民の生活の安定と 福祉の向上のための水源地域対策について、より一層の充実を図ります。 (三) 安心で安全な災害に強い街づくりの推進 有珠山噴火対策の推進 有珠山の噴火活動については、地元市町村など関係者と密接な連携を取りながら警戒に 万全を期すとともに、避難住民の方々の生活や農林水産業や観光業などに対する支援をは じめとする各般の対策を強力に推進します。また、有珠山噴火が北海道全体に及ぼす影響 が懸念されることから、この影響を克服し、北海道の経済産業が、二十一世紀に向け、活 力に満ちたスタートを切れるよう緊急に取るべき対策について取り組みます。 2 阪神・淡路地域の復興の推進 阪神・淡路地域の復興については、強力に推進してきた結果、道路、港湾などの主要な インフラ施設についてはその復旧が完了し、応急仮設住宅についても解消することができ ましたが、被災者の生活支援、産業の復興等の残された課題について引き続き積極的に取 り組み、真の本格的復興に向けて全力を尽くします。 3 災害に対して安全な暮らしの実現 頻発する土砂災害から国民の生命・財産を守るため、土砂災害の再発防止工事の迅速な 実施や災害情報の住民との相互通報システムの整備などを進めるとともに、わが党が中心 となって成立させた「土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法 律」を基に、安全かつ迅速に避難できる体制の整備や危険個所への住宅等の立地を抑制す るなどのソフト対策を講じ、総合的な土砂災害対策を早急かつ強力に推進します。 さらに、平成十五年度までに緊急に対策を要する床上浸水常襲地区の解消を図るととも に、緊急に対策を要する高潮災害等の危険個所の解消を図ります。また、都市の地下街、 地下施設の浸水による都市機能の停止や人的被害を回避するための対策を強力に推進し ます。また、渇水により日常生活や産業活動に深刻な影響を受けている地域において緊急 渇水対策を推進し、渇水被害を軽減します。 4 各地域における震災対策の充実・強化 自然的、社会的諸条件からみて地震災害発生時の危険性が高い地域について、地震災害 に対する地域住民の安全性を向上するため、災害時には災害対策の拠点として機能し、平 常時には地域住民に対する防災に関する啓発等の場としての機能をもつ総合的な地域防 災拠点施設の整備を促進するとともに、地震などの災害が生じても安全な避難、応急活動 が円滑に行われ、被害が最小限にとどまるようにするため、防災公園の整備や密集市街地 1 26 の改善を強力に推進します。さらに地震発生の切迫性が指摘されている地域については、 これまでの教訓を活かした応急対策活動体制を中心とした広域的な防災体制の確立と、そ の充実、強化を図ります。 5 災害時危機管理体制の充実 自然災害や原子力施設災害などあらゆる災害の発生時において、情報の収集、伝達、被 害の早期評価、応急対策の支援を行うためのシステムの整備を充実・強化し、住民等への 迅速かつ的確な情報提供体制を整備するとともに、より的確でより迅速な応急対応を可能 にするための総合的な災害時危機管理体制の充実に全力を尽くします。 6 被災者生活再建支援事業の充実及び災害復旧制度による被災地の早期復旧 自然災害により生活基盤に著しい被害を受け、経済的理由によって再び自立した生活を 営むことが困難な被災者に対して、わが党が中心となって法制化した「被災者生活再建支 援法」に基づく被災者生活再建支援金支給事業を推進します。 また、被災者の住宅再建支援についても公的支援制度の創設を図ります。 さらに、本年三月、わが党は、激甚災害指定基準を制度創設以来はじめて大幅に見直し、 災害復旧制度を充実させましたが、これを円滑かつ適正に運用することにより、災害によ る地方財政の負担を緩和するとともに、被災地の一日も早い復旧に全力を尽します。 (四) 交通関係社会資本の整備と効率的な交通体系の形成 二十一世紀につなげる国家プロジェクトとして、人・物・情報の流れの高速・効率化を図 り、国際化に備えた環境整備を推進するため、交通の一層の高速化と交通費の低廉化を進 めます。 1 整備新幹線・高速鉄道網、航空及び港湾の基盤整備 札幌から鹿児島・長崎及び北陸を結ぶ整備新幹線は、二十一世紀に向けた重要な国家プ ロジェクトであり、目下、整備計画を踏まえ、鋭意整備を進めていますが、さらに一日も 早い全線フル開業を目指します。 また、在来線の高速化等幹線鉄道の整備を推進します。 航空については、将来の航空需要の増加、航空の一層の国際化と大競争時代に対応した 大都市圏拠点空港等の整備促進を図るとともに、航空ネットワークの充実を図るため、地 方空港等の計画的整備を推進します。 港湾については、わが国港湾の国際競争力を強化し、物流コストの削減を図るため、中 枢・中核国際港湾の国際海上コンテナターミナルの整備や港湾諸手続等の情報化等ハー ド・ソフトの施策を総合的に推進します。また、廃棄物海面処分場や地域の経済活動や生 活基盤となる港湾を整備し、活力に満ちた地域づくりを推進します。 2 快適で地球にやさしく、安全で災害に強い交通の実現 都市における通勤混雑や道路渋滞の改善等のため、快適で地球環境保全に資する公共交 通機関の整備を推進します。このため、都市高速鉄道や地下鉄の建設、既設路線の複線化・ 複々線化、鉄道と道路の連続立体交差化を進めるとともに、鉄道駅の総合的な改善やバス の利便性向上等都市交通の総合的な改善を進めます。 また、過疎地域などの交通需要の少ない地域については、バス、離島航路及び離島航空 路等の維持・整備を図るなど、地域の実情に応じた生活交通の維持方策を講じます。 さらに、陸・海・空を通じた総合的な交通安全対策を推進するとともに、災害に強い交 通体系を形成するため、耐震性の一層の強化・向上を図ります。また、自然災害から国民 を守るため予警報、予知等の体制の充実を図ります。 このほか、大規模油流出事故の経験等に鑑み、老朽船安全対策の推進、大型の浚渫兼油 回収船の代替建造、油防除資器材の整備・研究開発、環日本海諸国との国際強力の構築等 を進めます。 3 交通バリアフリー化の推進 27 本格的な高齢社会の到来を迎える中で、明るく活力ある社会を築くため、高齢者、身体 障害者、妊産婦などの人が公共交通機関を利用して、より便利で安全に移動することがで きるよう、駅等の交通ターミナル、車両等のバリアフリー化を推進します。 また、併せて駅周辺の道路、信号機についても、重点的かつ一体的なバリアフリー化を 推進し、暮らしやすい街づくりを進めます。 4 二十一世紀にふさわしい革新的な交通関係技術の研究開発の推進 交通機関の高速化、安全性・利便性の飛躍的向上、空間の有効利用といった社会的要請 に応え、二十一世紀の経済社会を牽引するのにふさわしい、新たな交通システムの構築・ 交通サービスの提供を実現するため、超伝導磁気浮上式鉄道(リニアモーターカー) 、軌 間可変電車(フリ・ゲージ・トレイン)、高度道路交通システム(ITS)、超大型浮体式海 洋構造物(メガフロート)をはじめ、陸・海・空にわたり、革新的で独創性のある技術の研 究開発を今後とも強力に推進します。 5 観光政策の推進等 地域の活性化と地方の国際化を目指し、魅力ある観光地づくりとその連携を進めます。 また、旅行者保護の一層の向上を図るとともに、観光レクリエーション施設整備や国際 コンベンションの(催物)誘致・開催に努めるほか、旅行者の安全の確保等を含め観光情 報提供体制の充実を推進します。 6 貨物流通政策の推進 わが国経済の活力を高め、豊かで活力のある社会を実現すべく物流の効率化を強力に推 進するため、国際物流拠点の整備を進めます。また、トラックから環境への負荷のより小 さい内航海運及び鉄道への乗り換えを促進するとともに、経済社会の変革に合わせ、物流 システム高度化を図るため、物流における情報化・標準化等を進めます。 十一 (一) 活力ある農林水産業の振興による豊かで住み良い農山 漁村づくりと安心安全な食料の供給体制の構築 新基本法農政の積極的な推進 新基本法の理念の実現 食料・農業・農村基本法の理念を実現していくため、国内農業生産の増大を基本とした 食料の安定供給体制を構築します。 このため、食料・農業・農村基本計画に基づき、総合的に施策を推進するとともに、食 料自給率の目標の達成を目指し、生産者、消費者とともに一体となって取り組みます。 2 農業の持続的な発展を目指した施策の展開 わが国農業の基幹である水田農業の活性化を図るとともに、環境と調和した持続的な農 業や農家所得の確保を基本とした生産性の高い農業の振興を図ります。とくに、自給率の 低い麦・大豆・飼料作物等への取組みの強化と飼料稲わらの安定供給を進めます。 同時に、畜産、野菜、果樹、花き等についても振興を図り、幅広い担い手を確保し、足 腰の強い農業経営を展開します。 3 消費者の視点に立った食料政策の強化 安心安全な食料を供給するため、遺伝子組換え食品や加工食品の原料原産地の表示制度 を充実するなど、消費者の視点に立った食料政策を強化するとともに、国産農畜産物の安 定供給を図ります。 4 農山村の活性化 豊かで住み良い農山村づくりを進めるため、生活基盤の整備や地域産業の振興を通じ、 農山村の総合的な活性化を図るとともに、グリーン・ツーリズム(農業体験等の滞在型余 1 28 暇活動)等による都市との交流を推進します。中山間地域においては、農業の多面的機能 を確保するため、直接支払制度の円滑な実施を図ります。 また、都市住民に緑とやすらぎを提供する都市農業の整備に取り組みます。 5 高齢者・女性施策の充実 高齢者や女性がさまざまな活動に参加しやすい環境を整備するほか、農山村における高 齢者福祉対策の充実や、農業に意欲をもって取り組める農業者年金制度の見直し等、農家 の老後の生活の安定が図られるよう必要な対策を講じます。 また、学童農園等、次代を担う子どもたちへの体験教育の充実に取り組みます。 6 農協改革の支援 農協をはじめとする農業関係団体が、地域において時代の要請に即し適切に役割を果た していけるよう、必要な改革を応援します。 (二) WTO 農業交渉への取組み WTO 農業交渉については、わが国の国益を守ることを最優先に位置付け、政府、関係団 体と緊密に連携するとともに、諸外国等へ積極的に働きかけ、いずれの国にとっても公平 で、かつ各国の農業が共存できる国際規律が確立されるよう、全力を尽くします。 (三) 新たな森林・林業・木材産業政策の構築 木材の供給をはじめ、国土・環境の保全、地球温暖化の防止など、国民生活にとってかけ がえのない存在である森林について、その多様な機能の持続的発揮に努めます。また、里 山や鎮守の森の保存、間伐等を推進し、国民の理解と支持をいただきながら、新たな基本 法策定に向け検討を進めます。 (四) 新時代の漁業の確立と活力あふれる漁村の構築 「水産基本法」の制定 現在、わが国水産業の現状は、周辺水域の資源が過剰漁獲や環境の悪化のため減少し、 漁業生産は低迷しています。加えて、漁業者の減少や高齢化も進行しています。 こうした状況に対処するため、昨年、わが党水産部会の下に設けられた水産基本政策小 委員会において水産政策の抜本的な見直しの検討を行い、昨年十二月に「水産基本政策大 綱」と「改革プログラム」を取りまとめました。 その柱は、わが国周辺水域における水産資源の積極的育成・培養と適切な管理により、 持続的利用を図り、国民への水産物の安定供給と漁業地域の活性化が可能となるように、 水産政策を再構築するということです。 今後、基本政策の理念と施策の方向性を、国民的な理解を得て「水産基本法」として次期 通常国会に立法化し、水産業関係者が安心して経営に携われるよう、明確な将来展望の下 で、わが国周辺水域の水産資源の継続・増大を柱とした関連政策を具体化します。 また、これに対応し、漁業、漁村における中核的組織である漁協系統組織が、合併等に よる事業・組織改革を一層促進できるよう強力に支援します。 2 強力な水産外交の展開 二百海里時代を迎えて、韓国との間においては新日韓漁業協定が昨年発効したことに加 え、中国との間の新日中漁業協定についても、本年二月末の日中閣僚協議において、本年 六月から発効させることで中国側と合意に達しています。今後は、同協定を的確に運用す ることにより、わが国周辺水域の水産資源の管理とわが国漁業の安定的な操業の確保を推 進します。 WTO 次期水産物交渉への取組みについては、シアトル閣僚会議での議論は凍結されま 1 29 したが、今後とも予断を許さない状況にあります。次期交渉においては、資源の保存と持 続的利用といった観点を踏まえ、わが国の漁業・漁村が国民の豊かな食生活や地域社会の 維持等に果たしている役割が、引き続き適切に発揮できるよう、全力を傾注します。 加えて、みなみまぐろ問題、便宜置籍船問題、捕鯨問題など、取り組むべき外交課題は 山積しており、わが国水産業を守るため強力な水産外交を展開します。 十二 (一) 財政及び税制の構造改革の推進 輝かしい二十一世紀を切り拓いてゆける財政の実現 平成九年秋以降、わが国経済は、金融機関の破綻に端を発する金融システム不安と貸し渋 りの発生、企業倒産の増加による雇用不安の増大などによって、消費や設備投資などが減 少し、戦後初めての 5・四半期連続のマイナス成長を続け、「デフレ・スパイラル」に陥るの ではないかという極めて厳しい状況にありました。 こうした状況から早急に抜け出すことが何よりも求められた課題であり、そのため、平成 十年十月には金融再生関連二法をはじめとする一連の法整備を行い、これらを含めた金融 システムの安定化確保のための枠組みに対する資金の総枠も、それまでの三十兆円から六 十兆円へと大幅に拡充しました。また、平成十年十一月には事業規模が十七兆円を超える 「緊急経済対策」(平成十年度第三次補正予算で対応)を決定するとともに、この補正予算 と一体的にとらえ、いわゆる十五カ月予算の考え方の下、平成十一年度当初予算を編成し ました。さらに、平成十一年六月には、厳しい雇用情勢に対応するため七十万人を超える 雇用・就業機会の増大策等を盛り込んだ「緊急雇用対策」(平成十一年度第一次補正予算で 対応)とともに、経済の供給面の体質強化を図るため「産業競争力強化対策」を決定しまし た。加えて、景気の本格的回復と新たな発展基盤の確立を目指すため、平成十一年十一月 に事業規模十七兆円超、介護対策を含めれば十八兆円超の「経済新生対策」(平成十一年度 第二次補正予算で対応)を決定しました。また、平成十二年度予算は、経済運営に万全を 期すとの観点に立って編成しました。 これら臨時異例の思いきった措置を講じてきたこともあって、わが国経済には自律的回復 に向けての明るい動きが現れてきています。その一方で、わが国の財政状況は、平成十二 年度末の国・地方を合わせた長期債務残高が六百四十五兆円、対 GDP(国内総生産)比に すると一二九%に達する見込みであるなど急速な悪化をみました。 このような GDP(国内総生産)を超える債務残高を抱えるといった極めて厳しいわが国 財政の現状を出来るだけ早く健全にするため、財政構造改革は避けては通れない重要な政 策課題です。ただ、わが国経済はようやく最悪期を脱し、消費についてはなお見極めが必 要であるものの設備投資に前向きの動きが広がるなど緩やかな改善を始めたばかりであり、 これを確固としたものとすることなく財政構造改革に取り組むことは慎重でなければなり ません。病み上がりの身体に無理は禁物です。まずは、公需から民需への円滑なバトンタ ッチを図り、景気を本格的な回復軌道に乗せ、わが国経済を健康体にしてゆくことが大事 です。 その上で、財政・税制の諸課題について、二十一世紀のわが国経済・社会のあるべき姿を 展望し、速やかに検討を行い、抜本的な措置を講じたいと考えています。その際、単に財 政面のみの問題にとどまらず、二十一世紀の経済・社会に対応しうる、社会保障のあり方、 産業構造の変化、さらには中央・地方の関係といったものを含め、経済・社会のあり方を も視野に入れる必要があります。戦後わが国が辿ってきた繁栄への道を未来へとつなげて ゆくため、そして輝かしい二十一世紀を切り拓いてゆくためにも、これらの諸課題に全力 をあげて取り組んでいきます。 30 (二) 二十一世紀のわが国の経済社会にふさわしい税制の実現 平成九年秋以降のわが国における深刻な経済情勢に対処し、経済再生・経済新生を図る観 点から、税制面でも様々な思い切った減税を行ってきました。まず、所得税・個人住民税 について、平成十年に二回にわたり合計四兆円規模の特別減税を実施し、平成十一年には これを恒久的減税に切り替え、現在も継続実施されています。また、法人税・法人事業税 について、平成十年、十一年度に法人税(国税)の基本税率を三七・五%からアメリカ(三 五%)より低く戦後最低水準の三〇%に、法人事業税(地方税)を一二%から九・六%に 引き下げて、実効税率を国際水準並み(四〇%程度)としました。あわせると、実に九兆 円を超える史上最大規模の減税を行っています。これらのほか、住宅ローン減税の大幅拡 充、土地譲渡益課税の軽減や、パソコン減税、中小企業投資促進税制、産業再生のための 特例等の創設、エンジェル税制の拡充や留保金課税の特例の創設、小規模宅地の課税の特 例の拡充など、大胆かつ積極的な減税を行ってきています。 今後は、まず、わが国経済を民需中心の本格的な回復軌道に乗せることが重要です。その 上で、公的サービス水準とその裏付けとしての負担のあり方について、少子・高齢化、国 際化・情報化の進展、官民の役割分担、国・地方を通じた行財政改革や地方分権の推進な ど、二十一世紀へ向けたわが国経済社会の構造変化を見据えつつ国民的議論を行ってゆく 中で、税制全般にわたる見直しが必要です。 その際、高齢社会においても国民の一人ひとりが安心して生活ができるよう年金、介護等 の社会保障制度の基盤を揺るがないものとしつつ、社会保障と併せた国民負担率が五〇% を超えないよう努めます。また少子化に対する総合的な施策も重要です。 個人所得課税については、税率構造や各種控除、さらには課税方式など、社会保障とあわ せた負担のあり方について、世代間・所得階層間における公平・公正の確保、子育て支援 のあり方等も考慮し、引き続き抜本的に見直します。 贈与税について、物価の上昇等も考慮して控除を大幅に引き上げる等により、子育てなど について親子の間で生前に財産を渡しやすくする仕組みを導入します。相続税についても 税率構造や課税ベース等の見直しを進めます。併せて、蓄えた資産について、教育、福祉、 芸術、文化、スポーツ、NPO 等、広く公益目的に活用するため寄付金制度を見直します。 法人課税については、経済構造改革に資するため、会社分割に関する税制を整備した上で、 本格的な連結納税制度の導入を図ります。 租税特別措置は、特定の政策目的を実現するための手段として公平・中立・簡素といった 税制の例外として設けられている優遇措置ですが、長期にわたるものや既得権化している ものもあることが指摘されています。二十一世紀に向けて真に活力ある経済構造への改革 を推進するにはどのような特別措置が有効か、政策目的や効果を十分吟味し、本来の目的 に沿ってより効率的に機能を発揮しうるよう、その再編・整理・合理化を徹底します。 また、証券・金融税制について、資本調達の手段が間接金融から市場を中心とした直接金 融に移行しつつある中で、透明性や公開性を備えた国際的にも信頼される市場機能や、個 人が資産運用の手段として市場に安心して容易に参加できる仕組みが必要です。税制にお いてもこれを推進するとともに、キャピタルゲイン課税の申告分離課税への一本化につい ては、市場への影響等を考慮しながら、今後とも引き続き検討するなど、株式市場や金融 市場の安定にも寄与する税制を実現します。 金融機関等が保有する不良債権の実質処理を促進し資産の流動化や土地の有効利用を図 る観点から土地税制を見直します。 地方分権を進める上で地方の税財源の充実は重要な課題であり、国・地方の税財政全般に わたる見直しを行い、地方税財源を総合的に充実し、地方団体の円滑な財政運営の実現を 図ります。 31 十三 (一) 行政改革の一層の推進 中央省庁等改革 二十一世紀に向けて、中央省庁等改革を真に実効あるものとすべく、来年一月六日の新体 制への移行を円滑に実施するとともに、政治主導を進め、社会経済情勢や国民のニーズに 的確かつ機敏に対応できる新たな行政システムを確立します。 独立行政法人化についても、既定の方針に沿って着実に進めるとともに、引き続き国の事 務・事業の見直しを行い、公益法人等の改革も視野に入れつつ、独立行政法人化が適当な 事務・事業は積極的にこれを推進します。 行政の隠れみのになっていると批判される政府の政策審議型審議会は、法令に基づくもの を廃止し、大臣の責任において私的諮問機関として設置することとします。 (二) 公務員制度改革及び公務員倫理の確立 企画立案部門を中心に専門家の登用を活発化する等のため、民間政策研究機関の育成等の 条件整備を図り、企画立案部門の職員の内二〇%程度を任期付任用者をもって充てること を目標とします。 技官等の固定的人事慣行を是正し、真の適材適所人事を実現するため、特定ポストへの特 定試験区分合格者の継続的任命を排除するなど、人事の流動化、人事権の実質的一元化等 を図ります。 天下り(権限等を背景とした省庁等の押し付け的な斡旋による国家公務員の再就職)を禁 止し、定年の延長も含め在職期間の長期化を図るとともに、退職国家公務員の再就職は個 人と民間企業等の自由意思で行われるものに変えてゆきます。 各省庁の行政評価部門は、専門化の促進のため他部門と切り離し、定員の適切な再配置の 下、退職公務員を再任用を含め積極的に活用します。これにより、既定定員の範囲内にお いて、政府全体で五百人を超える体制を確立します。 また、憲法十五条及び国家公務員倫理法の「公務員は国民全体の奉仕者であって、一部の 奉仕者ではない」という原則を厳格に適用し、国家公務員の不祥事の防止を図り、公務に対 する国民の信頼回復に努めます。 (三) 事後チェック型の行政体制の確立、ルール・責任の明確化、透明性の確保、 危機管理体制の確立、情報公開と政策評価の導入 行政のあり方について、いわゆる事前規制型の行政から、自己責任原則と透明なルールに 基づく事後チェック型の行政に転換します。それに伴い、対応する法体系を整備します。 また、来年四月から施行される情報公開法の活用等を通じて、国民に対する説明責任を果 たします。 行政の責任の明確化の観点からも、内外の緊急事態に的確・迅速に対処できるよう、危機 管理体制の確立を図ります。 行政の体質の転換を図るため、来年一月からの新体制への移行に合わせ、行政が自ら政策 の効果を評価して、その結果を政策の企画立案に反映する仕組みである政策評価を導入し ます。 (四) 一般会計、特別会計、特殊法人、公益法人の改革 国民に対して国の財政情報をわかりやすく開示するため、企業会計原則の考え方を公会計 に適用して、国の一般会計及び特別会計を連結したバランスシートの作成を進めます。 32 すべての特別会計について、一般会計や関連する特殊法人、公益法人等を通じた連結の財 務諸表を作成し、ディスクロージャーを推進するとともに、特別会計そのものの必要性を 厳しく見直します。 特殊法人については、これまでの閣議決定を踏まえ、可能な限り廃止、民営化や独立行政 法人化等の改革を推進します。また、特殊法人の情報公開法制の整備についても検討を進 めます。 公益法人については、行政が公益法人を指定して行わせ、あるいは推薦している検査検 定・認定・資格付与等及び行政が公益法人に委託して行わせている行政手続等の事務につ いて、行政が関与すべきものと民間の自己責任に委ねるものとに峻別し、行政が直接関与 すべきものは、行政自らあるいは独立行政法人が行うこととし、また法律に規定のない検 査検定等に対する政府の関与を廃止します。 国または特殊法人等が設置する会館、宿泊施設等について、官民の役割を見直す観点から、 これらの新設を禁止するとともに既にある施設の廃止・民営化をできるだけ早期に行いま す。 (五) 規制改革 わが国経済社会の構造改革を進めるためには、これまでの財政出動による総需要政策のほ かに、民間による内需拡大がきわめて重要です。このため、既定の規制改革を確実に実施 するとともに、IT 革命に伴う構造改革を促進し、エネルギー、バイオ、環境、及び福祉な どの各分野における新規産業創出のため、思いきった規制の改革を推進します。 (六) 財政構造改革 日本経済を本格的な回復軌道に乗せた上で、税制や社会保障のあり方、中央と地方の関係 や経済社会のあり方まで視野に入れた抜本的改革を進め、国・地方を通ずる中長期の赤字 削減プログラムを策定し、後世代に負担を残さないよう財政構造改革を進めます。さらに、 政治主導によって省庁ごとの縦割りによる予算配分のもたらす財政の硬直化を打破すべく、 予算の重点化・効率化を推進します。 その際、国会議員、公務員ともに自らの身を切り、国民と痛みを分かち合うこととします。 (七) 地方行革の徹底、市町村合併の推進 国の行政が改革を断行することに合わせ、地方自治体においても、外郭団体等を含めその 事務・事業、組織・定員を厳しく見直し、減量化を徹底的に推進するとともに、地方議会 の議員定数の減少に努めます。また、地方行革を進めるため多くの自治体が行政評価制度 を導入するよう積極的に支援します。 市町村は、分権の担い手としてふさわしい総合行政主体となって地域住民のために行政サ ービスの水準を向上させるよう求められています。そのためには、人材を整えるなど行財 政基盤を充実・強化する必要があります。 こうした観点から、全国約三千二百の市町村を当面一千程度にすることを目標に、市町村 合併特例法の期限である平成十七年三月までを重点期間として、市町村合併を積極的に推 進することとし、そのため以下の支援策を講じます。 ・市町村合併推進補助金の交付、国庫補助金の優先的配分等、財政上のインセンティブを 強化するとともに、合併を支援する関係省庁の連携を強化します。 ・旧市町村間で生ずる公共料金等住民負担の格差を是正するための支援措置を行います。 ・町村合併によって人口が三万以上になる場合は市になることができることとする特例を 設置します。(現行四万) 33 ・政令指定都市や中核市、特例市の指定を弾力化することを検討します。 ・合併後の住民サービスの提供を安定させるために、旧市町村などでの地域振興策を推進 します。 十四 (一) 地方分権の推進による個性ある地域づくりと安全な社 会の実現 自己決定・自己責任の原則に基づく地方分権の推進 個性と活力にあふれた地域社会を基盤とし、地域住民の自己決定の拡充を図り、かつ、地 域の歴史、文化、伝統をふまえ、住民と行政との疎通の機会を拡げることによって民主主 義の活性化を目指します。また、今日での中央集権型行政システムの変革を進めることに より、国と地方について対等・協力の新しい関係を構築します。さらに、わが国の社会経 済の様々な変化や価値観の多様化に適切に対処し、国民福祉の一層の向上を図ります。 このため、地方への権限委譲、国から地方への関与の縮小などを進めるとともに、地方の 税財源基盤等の充実を図ることにより、真の分権型社会を構築し、国民の期待に応えます。 (二) 地方税財源の拡充と地方財政の健全化の推進 地方財政の健全化の推進 国・地方を通ずる行財政の簡素効率化や地方自治体における徹底した行財政改革を推進 するとともに、景気の動向を見極めつつ地方税財源の拡充を図り、地方財政の健全化を進 めます。 2 地方税の充実確保 真の地方分権を進めるためには、地方における歳出規模と地方税収入とのかい離を縮小 し、自己決定権と自己責任をより充実する必要があります。そのため、地方自治体の課税 自主権を尊重しつつ、国から地方への税源の移譲を含め、地方税の充実確保を図ります。 3 地方財政の円滑な運営 今後とも、地方税、地方交付税等の地方一般財源の総額を安定的に確保することにより、 地方財政の円滑な運営を推進します。 地方交付税については、地方自治体のより自立的な財政運営に資するよう、基準財政需 要額の算定について一層の簡明化を促進するとともに、地方自治体の意見を的確に反映す ることとします。 また、地方債については、許可制度を協議制度に代えるとともに、財政投融資改革に当 たっては、良質な公的資金の確保を図り、地方自治体がより安定的な資金調達ができるよ う取り組んでいきます。 4 補助金等の見直し 地方自治体への補助金等は、国から地方に対する強力な関与であり、今後、その一層の 圧縮を図り、地方自治体が自主的に使える財源に振り替えていきます。さらに、公共事業 に係る補助金等については、大規模な国家プロジェクトなどの真に必要な事業に限定し、 それ以外の事業については、統合補助金化を進めるなど、地方自治体が地域の実情に応じ 効率的に実施できるようにします。 1 (三) 1 活力と魅力ある地域づくりの推進 地域づくりのための各種事業等の推進 活力と魅力ある地域づくりを推進するため、経済新生、人づくり、広域連携等をハード・ 34 ソフト両面から推進する地域活力創出プラン関連事業、農山漁村地域が果たしている水資 源の涵養、自然環境の保持等重要かつ多面的な国土保全対策事業、地域の顔であるまちの 中心部の再活性化のための中心市街地再活性化対策事業、地域経済の振興のためのふるさ と融資制度の拡充を推進します。 また、地域における人づくりとして、防災体制の中核である消防団の一層の充実強化を はじめ、地域団体活動の活性化、さらに地域における人材の育成・確保、女性の社会参加 を推進するとともに、NPO 法(特定非営利活動促進法)のもとで住民がボランティア活 動に参加しやすい環境整備を支援します。 2 都市住民の主体的参加の推進 都市においては、小学校区単位程度のコミュニティを住民生活に密着した自治の単位と して積極的に位置付け、高齢者介護、育児・保育、安全防災、廃棄物・環境保全等の都市 行政の担い手として育成するなど、都市におけるコミュニティの再生による自治組織を形 成し、都市住民の主体的参加による自主的・自立的な都市づくりを目指します。 3 科学技術の振興等 二十一世紀に向けた地域の新たな発展基盤を整備するため、科学技術の振興、情報通信 基盤の整備を推進します。 (四) 国民生活の安全の確保 治安の安定は、社会、経済及び文化活動等あらゆる国民生活の基盤であり、わが国の治安 は、今日まで高い水準にあります。しかし、今日の犯罪件数は戦後最高を記録しており、 凶悪事件や外国人犯罪の増加、ハイテク犯罪や国際組織犯罪の深刻化に加え、覚せい剤等 薬物の大量流入と少年をはじめとする社会各層への浸透、一般住民を対象とした銃器犯罪 など、事件の凶悪化、多様化、広域化の傾向が見られ、深刻な状況になっています。 こうした犯罪に対し、国民が安全に安心して暮らせる地域社会を守るため、犯罪に対する 対処能力の強化、緊急展開能力の充実等を図り、犯罪防止に配意したまちづくりを進め、 広報啓発活動や相談活動など総合的な施策を積極的に展開し、社会と家庭が一体のなかで、 国民的な協力意識の高揚を図り、国内外に誇れる治安水準の回復と向上を目指して、住民 生活の安全に全力を尽くします。 (五) 警察行政の刷新による安心できる社会の実現 国民が安心して生活できるための治安を守るのは警察です。しかし、昨今の警察官の不祥 事などにより国民の不信感が募り、警察全体の信頼がそこなわれています。このため、国 民の生活と安全を守る警察に再構築するため、早急に警察の真の刷新を図ります。 1 人事・教育制度の刷新・充実 全階級において職務倫理を堅持させる教育、業務管理能力を高める教育の抜本的充実を 図ります。 とくに、第一線指揮官を養成するための警察大学校における警部任用教養を見直し、経 験・資質に応じた教育を実施します。また、警部補及び巡査部長任用教養期間についても それぞれ延長します。 また、困りごと相談、告訴・告発の受理、犯罪の被害者への対応等において真に国民の 立場に立ち、誠実かつ真摯な執行体制を実現するための教育の充実を図ります。 さらに、警察業務の特性に応じた警察官の処遇の改善を図るとともに、警察官採用試験 における人物評価を一層重視します。 2 公安委員会制度と監察制度の改革・充実 国家公安委員会及び都道府県公安委員会の管理機能の強化を図るため、監察等に関する 権限の強化を図ります。 35 また、個々の委員が高い見識に基づき独自に活動できる、真に簡素で効果的な委員補佐 体制の確立を図ります。 さらに、警察庁、管区警察局及び都道府県警察における監察体制の充実・強化を図りま す。 加えて、監察業務に重点を指向した管区警察局の組織改編の実施を図るとともに、警察 庁及び管区警察局による都道府県警察に対する無通告監察の随時実施を図ります。 3 キャリア制度の見直し キャリアの交番勤務をはじめとする第一線実務経験をおおむね五年間とします。 また、警察本部長適格性審査の実施と経歴形式(キャリア・パス)の多様化を図ります。 さらに、ノンキャリアの警察本部長等への積極的登用を図ります。 4 広域捜査体制の整備 警察庁及び管区警察局に、国際犯罪・広域犯罪・組織暴力犯罪についての捜査指揮体制 を一層充実させます。 また、サイバーテロ等の電子的犯罪に的確に対処するため、警察庁及び管区警察局に機 動的技術部隊を整備します。 5 民意の的確な把握 苦情相談・受理体制を充実強化しますが、その際、不要不急の相談により警察が忙殺さ れぬよう留意します。 また、警察署の運営に民意を十分反映させることのできるような制度を確立します。 さらに、交番の適正配置と無人交番解消方策を推進します。 (六) 総合的な交通安全対策の推進 わが国の日常社会のなかで、車が果たしている役割は非常に高くなっています。現在、車 の保有台数は、約八千八百万台、運転免許保有者は、約七千三百万人にも及んでいます。 一方、昨年の交通事故による死者数は、四年連続して大幅に減少しましたが、交通事故発 生件数は、七年連続して史上最悪の記録を更新し、百万人以上の方が負傷しています。 こうした状況に的確に対応し、交通事故を抑止するとともに安全で快適な交通社会を築く ため、交通安全施設の整備、交通安全教育の推進に努め、交通安全活動を国民的運動とし て推進します。また、高齢者等交通弱者対策等の施策を引き続き総合的かつ強力に進めま す。 さらに、交通管制システムの高度化により、自動車が排出する二酸化炭素の削減を図ると ともに、最先端の情報通信技術を駆使して道路交通の円滑化を推進することにより、安全・ 快適で環境にやさしい道路交通社会を実現します。 十五 (一) 都市住民対策の推進 都市生活の新しいライフスタイルの実現 新しいライフスタイルの推進 多様化する価値観やライフスタイルの中で、大都市における住宅の持家志向も変化して いる今、多様な選択肢の提供、少子高齢社会への対応等のため、平日は都心で高層化によ り緑の多い調和のとれた小規模な住宅で、週末は地方で緑豊かな優良田園住宅で暮らす複 数地域居住(マルチハビテーション)を推進し、新しいライフスタイルを実現します。 2 住宅取得の促進 人々の一生の大きな夢である持ち家取得を促進するため、引き続き、融資・税制等の支 援による住宅投資の拡大を推進します。とくに、住宅ローン減税の延長を検討します。 1 36 (二) 高齢者・女性・障害者や子どもにやさしいバリアフリーのまちづくりの実現 都市のバリアフリー化の整備促進 高齢者や障害者等が、鉄道駅など公共交通機関を安全かつ円滑で身体的負担の少ない方 法で利用できるよう、エスカレーター・エレベーターの設置を進め、乗降の容易なノンス テップバスや車椅子での乗降が容易な低床スロープ付きバスを導入するなど、新しい法律 の趣旨に沿ってバリアフリー化を積極的に推進・整備します。また、乗り換えの利便向上 (シームレス化)も整備します。 また、誰もが安全かつ円滑に利用できる歩行空間をネットワークとして整備するため、 幅の広い歩道の整備や既設歩道の段差、傾斜、勾配の改善等を推進します。(平成十四年 度末までに約三千二百地区で、バリアフリー歩行空間ネットワークの整備を推進(平成十 年度から三年で、約一千六百五十地区において整備に着手)) 2 電線類の地中化の推進 電柱等のない歩道、美しい町並みや都市の防災性の向上のため、都市における電線類の 地中化を積極的に促進することとし、大規模な商業地域、オフイス街などに加え、新たに 中規模商店街や住宅地なども対象とするとともに、年間の整備量を従来の概ね二倍に引上 げて電線類の地中化を行う新電線類地中化計画(平成十一年度から五年計画で約三千キロ メートル)に基づき、電線類地中化の大幅な整備促進を図ります。 3 バリアフリー住宅の整備促進 バリアフリー化された住宅の取得やバリアフリー化された民間及び公共賃貸住宅の整 備を促進するとともに、高齢者・障害者向けの公共賃貸住宅の整備や公共賃貸住宅と社会 福祉施設との一体的整備を推進します。とくに階段室型を含めた中層公共賃貸住宅へのエ レベーター設置等のリフォームを重点的に推進します。 1 (三) 大都市の交通インフラの抜本的整備の推進 大都市の鉄道の抜本的整備 都市圏における通勤・通学の混雑緩和や快適な都市環境の確保、交通渋滞の解消などの 観点から、地下鉄網や都市鉄道ネットワークの整備を強力に促進します。このため、国や 自治体等がインフラを整備する上下分離方式による抜本的な整備方策を積極的に推進し ます。 2 三大都市圏の環状道路等の整備促進 大都市圏に集中する交通を適切に分散導入し、都心から通過交通を排除する環状道路の 整備を促進することにより、交通渋滞の緩和や物流の効率化と併せて、都市構造の分散型 ネットワーク構造への転換を図ります。(今後十年内を目途に、圏央道西側、外かん東側、 中央環状三号線以北、東海環状自動車道の東側区間の供用を目指すとともに、京奈和自動 車道については、平成十四年度末までに一部供用を目指す。首都圏では、圏央道内側の渋 滞ポイント約六百カ所の約六割の解消を図る) 3 都市圏における交通円滑化と環境の改善 都市圏の交通円滑化を図るとともに、大気汚染など都市内の沿道環境の改善を図るため、 バイパス等の整備及び交通需要マネジメント施策を組み合わせて、総合的かつ重点的に実 施します。 また、駅等の円滑な乗り継ぎ確保のための駅・駅前広場等の改善を図るとともに、連続 立体交差事業等によりボトルネック(交通渋滞)踏切の集中的な廃止等、都市部を中心に 踏切の改良を重点的に推進します。 (平成十四年度末までの三年間で約八百カ所の踏切を 改良) さらに、植樹帯や法面の緑化による緑豊かで潤いのある道路空間の創出などを図ります。 1 37 (平成十四年度末までに都市内の幹線道路の道路緑化率を約五〇%とする。(平成九年度 末約四四%)) (四) 働く女性の子育て支援、多様で選択肢の多い教育の実現 延長保育、休日保育等多様な保育サービスの充実 家庭生活と仕事など社会生活の両立を支援し、安心して子育てができる環境整備を図る ため、低年齢児保育、延長保育、休日保育等の多様な保育サービスを推進・拡充します。 このため、これらの新エンゼルプランの各施策については、目標値に向けた拡充だけでな く、その内容についても一層の充実を図ります。 2 都市部における保育所の設置促進 都市部においては、地価も高く、保育需要も急増していることから、都市のニーズに応 えられるよう保育所の分園方式や小規模保育所の制度等を活用することにより、駅の近く など利便性の高い場所での設置を促進します。また、小学校等の空き教室(廃園の公立幼 稚園も含む)を活用し、需要に応じた保育事業を推進します。 また、都市部の待機児童に向けて、新たに実施される保育所の規制緩和措置(設置主体 制限の撤廃、施設自己所有規制の見直し、定員要件の引下げ)を着実に推進します。 3 多様で選択肢の多い教育の展開 教育は、先人の知恵と知識を受け継ぎ、文化を継承する重要な役割を担い、かつ、知識 だけを教えるのではなく、知・徳・体及び実践を通じて基礎基本をしっかり身につけるこ とが重要です。 子どもの人間性豊かな育成、健やかな体力づくりには、地域の協力も得て、地域で対応 すべき活動は地域に委ね、新たに充実すべき分野の教育活動の展開を図る必要があります。 そのためには、学校・家庭はもとより地域とも協力・連携し、子どもがバランスのとれ た豊かな感受性や人間性を身につける教育にも重点をおきます。 また、幼稚園と保育所との連携強化のための方策を推進します。 4 心の教育の充実、スクールカウンセラーの強化 現在、社会的に大きな問題となっている、いじめや少年の非行に対しては、学校・家庭 及び地域の協力を得て解決策を講じなければなりません。 このため、学校においては、少年の悩み等に応えられる専門的な知識を有するカウンセ ラーの体制を強化し、全ての学校に配置します。 1 (五) 資源の活用をめざした循環型都市の実現 リサイクル都市システムの構築 資源等の有効活用(生ゴミ肥料化、事業所ゴミ再資源化、雨水利用など)を進め、都市 における良好な環境を維持するため、デポジット方式、余熱利用によるエネルギー回収な ど、昔の江戸百万都市がほぼ完全なリサイクル都市であったように、循環型社会の構築を 進めます。このため、循環型社会形成推進基本法を活用し、国・自治体・事業者の役割を 明確にし、廃棄物・リサイクル対策を引き続き推進します。 また、まず身近な環境保全対策として、学校・自治会等が中心となり、身近なゴミは地 元で清掃・処理することを慣習化し、きれいな街づくりを目指します。 2 廃棄物対策への国家的推進 都市圏における廃棄物、とくに産業廃棄物の排出は、毎年大量に発生しています。しか し、現在目標としている処理施策等では、増加する廃棄物処理は達成できない状況です。 首都圏においては一年以内でパンクするともいわれています。このため、廃棄物対策は自 治体の積極的な取組みと併せて国として積極的に取り組み、住民への理解と協力を得るこ とが喫緊の課題です。また、自治体が積極的に協力できるよう環境の整備を図ります。 1 38 (六) 住民が参加しやすい社会活動・ボランティア組織(NPO(非営利組織))の育 成・支援 都市住民が一体感・連帯感をもち、また、人が人として持っている親切心、助け合いの 気持ちを自然と発揮できる社会を構築します。 わが国は今、少子高齢社会を迎えたことや情報化・国際化の進展、週休二日の普及のも と、より活力があり豊かな安心できる社会を構築していくうえで重要な役割をはたすボラ ンティア活動等に、多くの国民が参加しやすい市民活動(NPO)組識を育成し、活性化す るための環境基盤整備を支援します。このため、税制優遇措置等を早急に実現します。 十六 (一) 国際的責務を果たすための外交・国際貢献と防衛力 の整備 平和を守る外交の推進 日米関係の促進 平和を確保し、安全と繁栄を確かなものとし、豊かな国民生活を実現することが、わが 国外交が追求する基本的な国益です。 このためには、わが国及びアジア太平洋地域の平和と安定を確保するための努力が不可 欠であり、この基盤となるのが日米安保体制を中心とする米国との同盟関係です。自由、 民主主義、基本的人権の尊重などの価値観を共有する米国との協力は、わが国外交の基軸 であり、良好な日米関係を維持し、その協力を一層発展させていくことです。 また、わが国として日米安保体制を堅持し、その信頼性を一層高めることが必要であり、 「日米防衛協力のための指針」の実効性確保や「沖縄における特別行動委員会」(SACO)最 終報告の着実な実施に引き続き努めます。 2 近隣諸国との関係強化 ①韓国、中国、アジア諸国との関係強化 二十一世紀のアジアの平和と安定の維持強化に向けて、韓国、中国、アセアン、南ア ジア諸国等アジア諸国との関係の更なる強化とアジア地域の振興に努めます。そのため に、各国と緊密な対話を続けると共に、とくにアセアン地域フォーラム(ARF)やアセ アン+3(日・中・韓)首脳会議等様々な枠組みにおける協力を通じ、高まりつつある アジア地域における地域協力強化の気運を更に増進させ、確かなものにするよう努めま す。 ②ロシアとの関係強化 首脳レベルを含めた政治対話の一層の緊密化を通じ、様々な分野において日露関係を 着実に強化しながら、東京宣言に基づき、北方四島の帰属の問題を解決して本年中に平 和条約を締結するべく全力を尽くします。 ③対北朝鮮政策の推進 北朝鮮に対しては、米韓両国との緊密な連携の下、北東アジア地域の平和と安定に資 するような形で戦後の不正常な日朝関係を正すよう努力します。また、拉致問題等の人 道問題やミサイル・核問題等の安全保障問題について積極的に取り組みます。 3 国際社会の平和と安定に向けた取組み ①安保理改革をはじめとした国連改革 国際社会が平和と安定に向け二十一世紀の諸課題に有効に対処するに当たっては、国 連が一層重要な役割を果たすことが期待されます。そのためには、安全保障理事会、財 政、開発等の分野における国連改革を早期に実現することが重要です。わが国は、国連 1 39 加盟国と協力しつつ、国連改革の早期実現に向け引き続き努力します。とくに、安全保 障理事会の改革については、改革が実現する中で、わが国が安保理常任理事国として、 一層の責任を果たすことのできるよう積極的に取り組みます。 ②国連の平和活動への積極的な参加 国際社会の平和と安全のために国連が行う努力に協力し、冷戦後頻発している紛争の 予防・解決及び秩序の回復等わが国の国際的地位と責任に相応しい役割を果たします。 このため、今後とも、国民的理解のもとに、国連の平和活動に資金面のみならず人的な 面も含め、一層の協力を進めます。 ③軍縮・不拡散 核兵器をはじめとする大量破壊兵器の廃棄など不拡散、通常兵器の移転抑制のための 国際世論の形成に努めます。 ④「戦争決別宣言」の提案 先の大戦で多くの犠牲者を出し、世界唯一の原爆被爆を体験した日本の立場から、二 十世紀を総括しての「戦争決別宣言」をまとめ、平和への決意を「九州・沖縄サミット」に おいて、世界に向かって宣言するよう強く求めていきます。 (二) 人間的な国際社会の建設 「人間の安全保障」の視点を踏まえた取組みの強化 国際社会が直面する貧困、環境破壊、薬物、国際組織犯罪、エイズ等感染症、難民流出、 対人地雷といった諸問題に対し、人間一人ひとりの尊厳を大切にする「人間の安全保障」 の視点を踏まえた政策の具体化に取り組み、わが国が存立するための良好な国際環境を創 出します。 2 官民を通じた国際的な対話と交流の推進 国際社会におけるわが国に対する理解を深めるため、政治・経済・文化等あらゆる分野 における、官民を挙げた国際的な対話と交流を進めます。とくに、文化交流については、 わが国の伝統的文化、現代の文化の海外への紹介や、海外における日本語の普及、更には 将来の社会を担う青少年の交流の拡大などに努めます。 1 (三) 繁栄した国際社会の建設 世界経済の安定と繁栄に向けた協力 国際経済のルールづくりへの参画など世界経済の安定と一層の繁栄のための枠組み作 りにリーダーシップを発揮して、わが国の繁栄が今後も維持できるための好ましい環境づ くりに努めます。 わが国及び世界の経済的繁栄の礎石である多角的貿易体制の強化のため、WTO 新ラウ ンドの早期開始に引き続き努力します。また、二十一世紀の世界経済の牽引車となるアジ ア各国の経済再生の努力に対しても引き続き支援します。 2 政府開発援助(ODA)の効果的かつ効率的な実施 わが国の国際貢献の顕著な具体的側面としては ODA が最大の柱です。開発途上国支援 を引き続き積極的に行います。国民の理解と支持が得られるよう ODA を実施するにあた り、政治が責任を持ちわが国の総合的な外交政策や国益に関わる重要な政策との連携をこ れまで以上に図るとともに、情報公開や国民参加型援助の推進を通じ、より効率的かつ効 果的な ODA を実施し、「顔の見える援助」を積極的に展開します。また、ODA を通じ、環 境や医療・衛生及び人口問題など地球規模の問題の解決に貢献し、国際社会におけるわが 国に対する信頼の向上に努めます。 3 九州・沖縄サミットの成功 本年七月に開催される主要国首脳会議・サミットの首脳会談は、沖縄県の将来の発展の 1 40 ために意義深いものです。それは、二十一世紀がよりすばらしい時代となるという希望を 全ての人が抱けるよう、世界へ明るいメッセージを発信することにつながるからです。 わが国が初めて九州・沖縄で開催するサミットとして、多様で豊かな文化、そしてもて なしの心に溢れる国民性を示し、世界の人々の理解が一層深まるよう全力を尽くします。 (四) 国の安全保障と危機管理体制の確立 適切な防衛力の整備と日米安全保障体制の堅持 わが党は冷戦後の安全保障について検討を行い、それが「日米安保共同宣言」、新ガイド ラインとなりました。昨年の通常国会ではガイドライン関連法等が成立・承認されたこと で、わが国の平和と安全が確保され、アジア太平洋地域の平和と安定にも寄与することに なります。 わが国の防衛は、自衛隊と日米安保体制がセットです。日米安保体制はわが国の安全と アジア太平洋地域の平和と安定の基盤となっています。弾道ミサイルや核兵器の脅威に対 処するためにも米国との協力は不可欠です。ガイドライン関連法の成立を踏まえ、今後は 米国との具体的な行動計画の検討作業を行います。また、船舶検査活動法案の成立を目指 します。 なお、情報収集力の充実のため情報収集衛星を導入し、防空体制強化のため弾道ミサイ ル防衛(BMD)の日米共同技術研究を推進します。 次期中期防(平成十三年∼)の策定などを通じて適切な防衛力整備を推進します。 2 新たな事態への対処と危機管理体制の整備の推進 冷戦後の国際軍事情勢は地域紛争が多発し、わが国近辺には朝鮮半島問題など不安定要 因が存在しています。一昨年八月の北朝鮮の弾道ミサイル発射や昨年三月の日本海におけ る不審船事案などの、安全保障・危機管理問題の解決策を緊急の課題として取り組んでい ます。 大規模な地震などに備え、自衛隊によるものを含め、災害対処体制を充実します。不審 船や原子力事故対応のためには、運用態勢の整備及び法整備を推進し、装備を強化します。 また、自衛隊と海上保安庁・警察等との共同訓練などを実施するなど連携の強化に努めま す。 新たにゲリラ・コマンドゥ攻撃、NBC(核、生物、化学)兵器などに適切に対処します。 わが国の緊急事態への対応(有事法制の整備、領域警備問題)やサイバーテロ対策を含め た「情報戦」への対応も行います。 これらを強力に推進するためにも、防衛庁の「国防省」への移行の実現に取り組みます。 3 国連協力と多国間の信頼醸成の推進 東チモール問題など国際社会には日本としても国際協力として取り組まなければなら ない課題があります。そのため、PKF本体業務の凍結解除を行い、それに伴う自衛隊の 武器使用を見直します。さらに、新しい国連の平和活動への参加問題についての検討を行 います。 地域の安全保障の確立と多国間の信頼醸成のために、各レベルで安全保障対話等を推進 します。 4 基地周辺住民への負担軽減の推進 わが党は、沖縄における米軍基地の整理・統合・縮小をはじめ、基地周辺住民への負担 軽減策や生活環境の整備等の諸施策を推進します。とくに、新たな負担を被る関係自治体 には特別な配慮・施策を講じます。 1 十七 沖縄経済振興策の推進 41 九州・沖縄サミットを成功させるとともに、今後の沖縄振興策の具体的課題としては、昨 年六月に中間報告を行った「沖縄経済振興二十一世紀プラン」の実施を引き続き図るととも に「沖縄国際情報特区構想」等の具体化など最終報告を沖縄県と相談しながら策定します。 さらに、沖縄全体の振興に関しては、昨年末の閣議決定で「沖縄振興新法」を目指すことと なり、今後は、その実現に向けて努力します。 なお、「二十一世紀プラン」「新法」に関しては、これまでの本土との格差是正の考え方と併 せて、沖縄の持つ独自性・優位性をいかに発揮するかという視点を踏まえて、沖縄経済の 自立と発展にむけて取り組みます。その際、北部地域の振興や基地跡地対策もしっかりと 推進します。 次に、沖縄米軍施設・区域の整理・統合・縮小問題への取組みについては、日米両国が最 大限努力した結果取りまとめた SACO 最終報告を着実に実施することが、沖縄県民の負担 軽減のため最も確実な道であると考え、全力で取り組みます。 とくに普天間飛行場の移設問題については、沖縄県及び地元から住民生活や自然環境への 特別な配慮、移設先及び周辺地域の振興、北部の振興並びに駐留軍用地跡地の利用の促進 等の要請があります。わが党は、これらの要望を真摯に受け止めて、今後の基地問題と沖 縄振興に全力で取り組みます。 十八 (一) 1 2 3 4 5 6 安心できる暮らしの実現 国民と世界から信頼される司法の実現 多様な法律サービスの提供 裁判外紛争処理制度(ADR)の拡充を図り、事案にふさわしい実効性のある紛争解決が 行われるようにすることが重要です。訴訟関与について、国民の理解が得られる隣接法律 専門職種(行政書士、司法書士、税理士、弁理士、社会保険労務士等)については、能力 的担保措置等の諸条件の整備を進め、訴訟代理権付与の早期実現を目指します。 裁判の迅速化と民事執行の充実 民事、刑事を問わず、例えば、原則として二年以内に第一審判決がなされるための態勢 の整備を五年を目途に実現するという目標を設定した上で、その実現を図ります。民事執 行の実効性確保のため、債権者の財産状況を知り、容易に債権を回収できるシステムの構 築を図ります。 知的財産権の保護と特許裁判の充実 知的財産の戦略的活用という観点から、知的財産権に関する紛争処理制度の充実・強化、 弁護士・弁理士の大幅な増員、知財専門サービスの総合事務所の実現、弁理士への侵害訴 訟代理権付与の早期実現を目指します。 国民の争訟解決の支援 民事、刑事を包括する、中立公正な運営主体による総合的法律扶助制度の構築が急務で あり、被疑者・被告人を通じた統一的な公的弁護制度を創設し、常勤弁護士等を活用しま す。適正な弁護活動確保のためのガイドラインを制定し、中小企業に対する法的支援制度 を導入します。 司法の人的・物的基盤の整備 法曹人口の大幅な増加が不可欠であり、例えば、一定期間内にフランス並みを目指すと いう目標を設定します。法曹の質の維持、訴訟社会の回避等の視点も踏まえ、適正な法曹 人口の増加を図ります。司法が社会の基本的インフラとして機能するためには、裁判官な どの充実・強化が不可欠です。司法の人的基盤の充実強化や司法関係予算については、制 度改正の上、行財政改革の別枠扱いとして、その大幅な拡充を図ります。 二十一世紀の法曹養成の在り方の検討 42 法律専門家の基礎的知識・能力の共通化を図る方策として、「法律専門家統一試験」制度 を創設します。日本型ロースクール構想は、新たな法曹養成制度として正しい方向を目指 すものであり、実現のための課題について、早急に検討を進め、実現を図ります。他学部 生、社会人への門戸開放を図り、時代の要請に対応する教育内容を整備し、入学者の相当 数に奨学金を支給します。 7 国民の司法参加の在り方の検討 陪審制度は、国民の司法参加として最も徹底した制度である一方、わが国には、これが 有効かつ安定的に機能する基盤が備わっているとは思われない状況にあります。参審制度 は、多様な価値観を反映し得る裁判、先端的専門分野に的確に対応し得る裁判の実現方策 の一つとして、その採用を民事、刑事を問わず導入します。ただし、刑事については、刑 事司法手続全体の構造との関連につき考慮をしながら検討を進める必要があります。検察 審査会の「起訴相当」の議決については、これに従い手続を進める制度の構築を目指します。 8 法曹一元化 多様な経験を積み、広い視野と高い識見を備えた者を裁判官に登用する工夫が必要です。 法律家が相互の協力の下に全体で司法制度を支えることにより、国民から信頼される司法 を実現することが肝要です。法曹一元の前提条件は、未だ多くの点において整備されたと は到底言えません。新たな時代に向け、その条件整備に向けた建設的努力が重要です。当 面は、現行制度を基本的に維持しつつ、弁護士任官の大幅増加のための制度改善、弁護士 事務所や民間企業での長期研修をはじめとする判事補研修の一層の充実等の措置を講じ ます。 9 今後の司法制度改革 二十一世紀の自由でかつ健全で活力のあるわが国社会を支える身体的インフラとして、 国民の視点に立った世界に誇り得る優れた司法制度の構築に努めます。 (二) 犯罪被害者の保護・救済 司法は、犯罪被害者やその遺族の心情に適切に配慮をした上で、手続きを進めるとともに、 犯罪被害者やその遺族が被った被害について、早期かつ十分な回復を図るものでなければ なりません。このような観点から、犯罪被害者の保護・救済の在り方についても国民の関 心は大いに高まっています。 わが国の刑事司法は、犯罪被害者やその遺族への配慮という観点からみて、これまで十分 な役割を果たしてきたとはいえません。司法は、被害者の痛みを理解し、その心情に適切 に配慮した上で、手続を進めていかなければなりません。犯罪被害者とその遺族が被った 肉体的・精神的、あるいは財産的な被害について、早期にかつ十分な回復を図る必要があ ります。今後、犯罪の複雑・多様化、悪質・巧妙化、低年齢化、大規模化、国際化が一層 顕著になる中で、犯罪被害者の保護の強化を図ることは、重要な国民的課題です。 まず、犯罪被害者への配慮という面では、これまで、犯罪被害者やその遺族には、起訴状 の送達や公判期日の通知もなく、自ら刑事裁判に関わる手だてがほとんど与えられてきま せんでした。現在、犯罪被害者の公判手続きの傍聴への配慮など具体的方策が整えられつ つありますが、犯罪被害者やその遺族に対して、訴訟手続内でしかるべき地位が与えられ るよう、法改正を含め、その実現を図ります。 また、刑事事件の公判記録の民事手続における利用など、犯罪被害者の被害回復に対する 配慮も、これまで十分であったとはいえません。犯罪による被害の早期かつ十分な回復を 図るための措置についても、附帯私訴制度を含め、幅広い視点から、具体的に検討し、早 急に結論を得て、犯罪被害者の保護・救済態勢を充実させます。 (三) 少年法の改正 43 十七歳の少年によるバスジャック事件など、少年による凶悪重大事件が続発し、少年犯罪 問題への対応が重要な国民的課題となっています。残念ながら、先の国会においては、政 府提出の少年法改正案は審議未了廃案となりました。わが党は、早急に少年法の抜本的改 正案を取りまとめ、その早期成立を図ります。 「少年の健全育成」という少年法の基本理念は今後とも堅持すべきですが、罪を犯せば罰せ られるとの法規範を明示し、犯罪を抑止する必要があります。少年に責任を自覚させるこ とが重要であるとの見地から、少年法の見直しを行います。刑法は、十四歳以上の者につ いて刑事責任能力を認めていますが、少年法は刑事処分可能な年齢を十六歳以上と定めて います。これを引き下げ、少年法上の年齢制限を撤廃します。殺人等極めて凶悪重大な犯 罪については、原則として、刑事処分相当として逆送する制度を新設します。少年に対す る無期刑については、七年を経過すれば仮出獄が可能とされていますが、仮出獄が可能と なる期間を見直します。また、少年犯罪の被害者の立場を尊重し、一定の範囲で少年審判、 公判手続に関与できるよう、必要な措置を講じます。少年非行の原因・背景として、親の 教育・しつけの在り方の問題があることから、親の責任を理念的に明記する規定を設けま す。 (四) 不法滞在外国人対策と社会の要請に応える外国人の受け入れ 強力かつ効果的な不法滞在外国人対策を実施し、社会の安全と秩序を維持しながら、人権 尊重の理念の下で、社会の要請に応える外国人の受け入れを推進することにより、日本人 と外国人が共生する社会を目指します。 (五) ストーカー対策の推進 昨今、ストーカー被害が多く発生し、住民を不安にさせています。このため、成立したス トーカー行為等規制法により、個人の身体、自由及び名誉に対する危害の発生を防止し、 あわせて国民の生活の安全と平穏を守ります。 十九 (一) 政治・党改革による政治への信頼回復 国会改革の推進と国会の立法機能の強化 わが党は、やがて実行される行財政改革に伴う痛みを国民の皆さんと分かち合うべく、国 会議員自らが率先して犠牲を払う決意を固めています。 まず、国会議員の定数を二十名削減しました。さらに、参議院においても、議員定数を十 名削減します。 今後は、永年在職議員に対する特別交通費の支給を廃止し、その経験・功績にふさわしい 活動環境を勇退後に確保する名誉議員制度を創設します。併せて、弔慰金の廃止、送迎バ スの廃止、営繕・用務・記録・事務局の福利厚生など、国会補佐機能の統合再編・廃止を すでに提案しています。 加えて、行財政改革の実行と同時に議員歳費を一〇%カットすることとし、国民の皆さん と痛みを分かち合う決意の表明とします。 他方、「国のかたち」を方向付ける国会の論議を政治主導に改めるため、内閣に属する大臣、 政務次官など、国会議員が答弁の全責任を負い、また、党首たる内閣総理大臣が幾人もの 少数党党首の攻撃に直接身をさらす党首討論制度を率先して導入しています。 今後は、省庁再編に合わせて衆参両院の委員会を再編成し、国会の立法機能を一層強化し ていくこととします。また、国会を国民に開かれたものにするため、情報発信機能を整備 44 します。 (二) 党の活性化と政治のリーダーシップの強化 衆議院議員選挙比例代表候補者の七十三歳定年制については、平成七年六月に党選挙対策 本部で決定した通り、平成十三年十月より確実に実行します。また、今回の衆議院議員総 選挙に臨んで、わが党が定年制導入に向かっていることを党内外に明らかにする候補者選 定を行いました。 さらに、「党改革に関する答申」に盛られた党役員の任期見直しなどを通じ、党の活性化と ともに政治のリーダーシップの強化に努めます。 (三) 政治資金制度等改革の推進 わが党は、国民の期待にこたえる透明な政治を実現するため、政治家個人に対する企業・ 団体献金を禁じ、企業・団体献金は政党に対するものだけに限定しました。 また、わが党は、政治改革の理念に基づき、選挙や政治活動を政党中心とすべく党支部の 整備・強化に努めてきましたが、本年一月から施行されている政治資金規正法の改正を踏 まえ、地方党員のための党支部の設置について、より秩序立った取り組みを進めていきま す。 政党助成金については、各選挙区・比例区支部などに対して、その使途を厳格にするなど の指導を徹底しており、今後も引き続き国民の信頼の確保に努めていきます。 二十 二十一世紀にふさわしい国民のための憲法制定への 取組み 自主憲法の制定はわが党立党以来の党是であり、今国会から衆参両院に憲法調査会が設置 されたことを踏まえ、二十一世紀にふさわしい国民のための憲法の制定を目指します。 二十一 栄典制度の見直し 国家社会のため貢献した人々の功績を称える栄典制度について、官民格差の是正、等級の 簡素化等二十一世紀にふさわしい制度に改革します。 二十二 (一) 領土に関する問題の平和的解決への前進 北方四島の解決に向けての前進 北方領土は、わが国固有の領土です。平成五年十月の日露「東京宣言」を基礎に、領土問題 を解決し、二〇〇〇年日露関係の完全正常化を目指し、平和条約締結に向けて全力を傾注 します。 (二) 尖閣諸島はわが国固有の領土 尖閣諸島はわが国固有の領土であることは、歴史的にも国際法上も疑いありません。 45 (三) 竹島問題の解決努力の継続 竹島の領有権については、わが国の領土であることを一貫して主張しています。韓国側に 対し、あらゆる機会をとらえてわが国の立場を申入れるなど、外交努力を継続していきま す。 二十三 (一) 二十世紀に残された課題への対応 戦没者遺族、戦傷病者等の援護の拡充 先の大戦における戦没者、内外の戦争犠牲者に対し深い哀悼の意を表するとともに、戦没 者等の遺族、戦傷病者等をはじめ、旧ソ連抑留者、原爆被爆者、中国残留邦人等の心情に 配慮し、各種援護施策を充実します。また、靖国神社への公式参拝の実現に向けた努力を 積み重ねます。 (二) 在日韓国人旧軍人軍属等に対する措置 在日韓国人の旧日本軍人軍属等については、人道的精神に基づき、戦没者及び重度戦傷病 者に対し弔慰を表し、労苦をねぎらうため所要の措置を講じます。 ブロック政策 北海道ブロック 北海道新幹線の早期開通 ・二〇一〇年までの札幌開業を目指します。 高速交通ネットワークの早期実現 ・高速道路・高規格道路のネットワーク化を早期に実現します。 ・主要な高規格道路と空港とのネットワーク化を促進します。 景気・雇用対策の実施、強化 ・安定的な公共事業を実施します。 ・新産業、新技術開発へ重点的に投資します。 ・「クリーン水素」供給基地・水素関連産業振興プロジェクトを推進します。 ・創業者精神の醸成とすぐれた潜在力を持つ中小企業を育成します。 ・情報技術革命に対応した情報関連産業を育成します。 ・規制緩和を選択的に推進します。 有珠山噴火災害に対する充分な対策 ・避難住民への生活環境整備や教育環境整備に対し万全な支援を行います。 ・離職や休業を余儀なくされた被災者の新たな就労の場の確保や企業に対する支援を行い ます。 ・農林水産業、商工業、観光関連産業に対する積極的な金融支援策を拡充します。 ・激甚災害の早期指定を行います。 ・代替ルートの早期整備と輸送力を確保します。 東北ブロック 46 ・私たち自由民主党東北ブロック国会議員団は、まさに多彩な顔ぶれです。全員が皆さん と一体となって、あなたの地域の未来を切りひらきます。 ・青森、岩手の念願である東北新幹線・盛岡以北の早期完成を目指します。 ・秋田、山形、青森に期待される環日本海交流圏と日本海国土軸の形成を展望した陸海空 の高速交通ネットワーク整備を推進します。 ・首都機能移転に最もふさわしいのは東北です。なす・あぶくま(福島)への誘致を図り ます。 ・東北の中心、宮城の活性化を図ります。 ・東北の美しいこころと自然、文化、伝統を大切に守り、受け継ぎます。 ・景気対策を推進し、東北の雇用と新産業創造を図ります。 ・女性にやさしい育児支援や介護対策、少子化対策を推進します。東北の男性の理解が大 事です。 ・「ほくとう銀河プラン」の実現―東北経済団体連合会の提言にある北東国土軸の重要性を 全国に訴え、「ほくとう銀河プラン」を実行に移します。 ・「食と緑を守る」農林漁業の振興―担い手の皆さんの声を大切にして、東北でガンバル農 林漁業者の支援策を実施します。 ・子どもたちに夢のある、すばらしい東北をつくります。 ・個性豊かな自治体を育成するため、地方分権の確立を図ります。 ・東北の豊かな自然環境との共生を図り、循環型社会の形成を目指します。 北関東ブロック ・中小企業対策及び雇用対策を積極的に推進します。 ・地方分権の推進と地方財源の強化充実を図ります。 ・化学物質(ダイオキシン・環境ホルモン等)の対策の充実強化に努めます。 ・自給率の高い食料・農業・農村対策を積極的に推進します。 ・青少年の健全育成や子育て支援施策の充実強化を図ります。 ・介護保険制度の充実及び社会福祉政策の強化を図ります。 ・水資源対策の充実強化に努めます。 ・二〇〇二年サッカーワールドカップ大会開催準備を積極的に進めます。 ・常磐新線の建設促進を積極的に推進します。 ・北関東自動車道及び首都圏中央連絡自動車道の整備促進を積極的に推進します。 ・国会等移転の着実な推進を図ります。 南関東ブロック 安心して夢を持って暮らせる国家をつくる ・景気対策の強化、中小企業の育成、雇用不安の払拭を図ります。 ・行財政改革の推進―都市と地方の税配分の抜本的改革を断行します。 ・自然災害をはじめとする危機管理体制を確立します。 ・少子高齢化社会の進展に対応する社会保障構造改革を推進します。 ・政治倫理、公務員倫理と企業倫理を確立し、綱紀粛正に努めます。 心の豊かな美しい国家をつくる ・二一世紀へむけての教育改革の実現。教育基本法の改正。―学級崩壊、校内暴力、不登 校などに対する抜本的な対応策を樹立します。 47 ・日本文化・歴史的伝統の尊重と思いやりの心や奉仕の精神の強調による道徳教育を実現 します。 ・環境への負荷の少ない「循環型社会」の構築。地球温暖化ストップを実現します。 ・化学物質や産業廃棄物対策を推進します。 ・食料の自給率を高め、安定した農・水産業の確立を図ります。 世界から信頼される国家をつくる ・人類の平和と繁栄のため、「国際社会は何をなすべきか」を求め、沖縄サミット成功を期 します。 ・日米関係を基軸とし、アジア中心の共存共栄の外交を推進します。 ・自らの安全保障基盤を強固なものとし、世界から信頼される国家をつくるため、平和活 動を推進します。 ・有事法制についての検討を行います。 東京ブロック ・都市機能を高めて 新生東京! ・道路網、鉄道交通網、情報網など基盤整備で 快適東京! ・多摩・島しょの特色を生かした いきいき東京! ・環境破壊ストップで自然に やさしい東京! ・安心とゆとりの暮らしやすい ふるさと東京! ・都市再構築への大幅な規制緩和で のびのび東京! ・防災システムの確立とライフラインの保全で 安全東京! ・良質都市型住宅の大量供給で にこやか家族東京! ・成田・羽田で二十四時間化を実現し、グローバル都市・東京! ・首都圏・海の手(ベイエリア)の活性化で次世代タウンの 夢東京! ・雇用の拡大と職場の確保で 安心な東京! ・中小企業の支援を強め経営の安定化で 元気な東京! ・新規産業の創出拡大で 繁栄の東京! ・高齢化社会への適切な対応で ふれ愛東京! ・だれもが明るく交流し支え合う やさしい東京! ・少子化への多面的な対応で 気くばり東京! ・「心の教育」を推進し地域に開かれた学校教育で すこやか東京! ・財政の健全化と情報活用の推進で 信頼の東京! ・税還元率を高めるなど、都市税制の確立で 公平な東京! ・社会を癒す新しい活力の創造で さわやか東京! ・男女共生計画の展開で なかよし東京! 北陸・信越ブロック ・北陸新幹線の整備促進に努めます。 ・日本海沿岸東北自動車道、北陸自動車道、能越自動車道等の道路整備の促進を図ります。 ・新潟、能登、富山、福井、松本等の空港の整備を促進します。 ・環日本海時代に対応し得る港湾等の整備拡充を図ります。 ・エネルギー安定供給のため、電源地域の振興等、対策の強化を図ります。 ・景気対策、中小企業活性化対策等を推進するとともに雇用の確保を図ります。 ・介護保険制度の円滑な導入等社会福祉施策を推進します。 48 ・金沢大学総合移転や信州大学の充実強化等高等教育機関の整備を促進します。 ・農林水産業の活性化に努めます。 ・快適で安全な雪国づくりを推進します。 東海ブロック ・東海地域への首都機能移転を積極的に推進します。 ・地方分権の推進と地方財源の強化充実を図ります。 ・農林漁業振興対策を推進します。 ・中小企業及び雇用対策を中心とした総合景気対策を促進します。 ・リニア中央新幹線・第二東名・第二名神・伊勢湾口道路など総合交通体系を整備します。 ・二〇〇五年愛知万博成功のため諸施策を推進します。 ・中部国際空港の建設促進と各地方空港の整備充実を図ります。 ・東海地震に備えた総合防災対策事業を促進強化します。 ・高齢化社会に対応した社会福祉政策の充実を図ります。 ・下水道・治水事業・公園整備等、社会資本(インフラ)の充実を図ります。 近畿ブロック ・景気の回復に全力を挙げ、特に中小零細企業に対する銀行の貸し渋りをなくします。 ・新産業創造等による雇用の創出を図ります。 ・住宅再建制度の創設を図ってまいります。 ・教育・児童福祉・臨床心理学・精神医学・法律など総合的な青少年育成対策の充実を図 るとともに、高齢者に対しては、介護保険の適正な運用を図ります。 ・近畿は水と緑に恵まれた豊かな自然と歴史的な遺産や伝統文化の宝庫です。これを大切 にまもりながら、魅力ある新しい郷土づくりを推進します。 ・関西国際空港全体構想・地方空港建設を推進するとともに、二〇〇八年オリンピック大 阪招致を積極的に支援します。 ・伝統産業とその技をもつ近代工業の再生・振興を図ります。 ・紀伊半島の海洋・森林・文化など豊富な資源を活用できる半島地域の振興を推進します。 ・農林水産業の振興を図り、生活者が安心して生活できる環境づくりを推進します。 中国ブロック ・地方分権と地域の振興を促進します。 ・「いま再び、美しい日本のこころ」−良き伝統と秩序を保持し、創造と進歩の二一世紀を 担う人材づくりを目指します。 ・情報技術革命に対する情報基盤の整備を促進します。 ・山陽と山陰を結び、それぞれの地域の交通網の整備・充実を図ります。 ・一次産業の復権と環境の保全を促進します。 ・中山間地域農業を確立します。 ・保険・医療・福祉・介護の充実を図ります。 ・日本海での安全操業を確保します。 49 四国ブロック ・四国を一体化して総合力を発揮するため、四国内高速道路を整備促進します。 ・四国へのフリーゲージ・トレインの導入を推進します。 ・太平洋新国土軸構想と地域連携軸構想を推進します。 ・四国情報スーパーハイウェイ構想を推進します。 ・テクノスーパーライナーの四国への導入を推進します。 ・ベンチャー企業育成等を通して、経済力格差を克服します。 ・高齢者しあわせランド構想を推進します。 ・心を癒し、人を育む四国づくりを目指します。 ・環境アイランド四国を推進します。 九州ブロック ・九州・沖縄サミット成功のため全力を尽くします。 ・九州国立博物館の建設を推進します。 ・九州新幹線(鹿児島ルート、長崎ルート)を実現させます。 ・東九州自動車道の早期全面開通に努めます。 ・新九州国際空港の早期開港に努めます。 ・普天間飛行場の早期返還と経済の振興に努めます。 ・新時代の食料・農業・農村・林業・水産業政策を推進します。 ・社会資本を整備するため公共事業を推進します。 ・商工業の活性化と雇用の安定、創出に努めます。 ・観光・リゾート産業の振興に努めます。 50
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