SUPERCONDUCTING ECONOMICS

SUPERCONDUCTING
ECONOMICS T. KOBAYASHI
スマートグリッド(ICTによる
エネルギー需給調整)市場
超電導関連のノーベル賞:8件
→8億円
億円
→4000兆円
兆円(2030)
兆円
→エネルギーの5%を
を節約すると・・・
節約
200兆円
兆円の潜在的市場!
→
参考:自動車 151兆円(2020)
超電導材料の世界市場
→200億円
億円(2005)
→2兆
兆5000億円
億円(2020)
参考:
参考:ソーシャルゲーム
4000億円
億円(2013)
億円
家電小売:
家電小売:
9.5兆円
兆円(2010)
兆円
15年
年の遅れ・・・
実用化では米国に
直流超電導電力ネットワーク
を作れば世界平和
世界平和
Priceless
→
・超電導の
超電導の市場規模は
市場規模は
200兆円級
兆円級
・競争優位に
競争優位に立つために
今まで以上
まで以上の
以上の投資が
投資が必要
・超電導=世界平和
超電導 世界平和
超電導にまつわるお金事情
本稿では、未来の技術と呼ばれる「超電導」にまつわる「お金」について紹介する。
超電導がどれほどのお金を生み出してきたか、そしてこれから生み出していくか、
その経済効果について公表データを元に示す。
ノーベル賞
ノーベル賞の賞金
「超電導」現象は20世紀の物理学史上最大の
発見であり、現在も物理学研究における中心
課題の1つである。
実際、ノーベル物理学賞の歴代受賞者をみ
てみると、これまで、8件のべ16人の受賞者が
この超電導関連分野(超流動含む)から輩出さ
れている。また、最近ノーベル賞を受賞した
南部陽一郎氏(2008)は、受賞対象となった研
究に関して、超電導理論からその着想を得た
と言われ、その点からも超電導とノーベル賞
のゆかりは深い。
ノーベル賞の賞金は1000
1000万
1000万スウェーデン・
スウェーデン・
クローナ(
クローナ(およそ1
およそ1億円)である。
億円
超電導材料市場の
超電導材料市場の経済規模
超電導材料の世界市場規模は2005年現在、
およそ200
200億円
200億円である。その使用目的の内訳を
億円
見ると、医療用MRIやNMRなどの検査装置が全
体の60%程度に達する。それに次ぐのが、
「Big Physics」と呼ばれる、大型実験装置を
必要とする素粒子・原子核実験用の測定装置
であり、およそ30%を占める。超電導材料の材
料内訳を見ると、NbTiとNb3Snなどの合金系超
電導体が99%を占め、高温超電導体材料
BSCCO(Bi-Sr-Ca-Cu-O)は1%にも満たない。
このように、現在の市場規模は比較的小さ
な部類であるが、2020年にはその規模が3
3兆円
近くに達することが予想されており、今後の
発展には期待が寄せられている(経産省調べ) 。
実際、使用目的の少なさを考慮すると、新し
い用途の提案次第で、需要増加余地は大きい
といえる。
今後の課題と言えるのが、超電導技術の実
用化である。最近では住友電工と東京電力の
協力の下、実際に超電導ケーブルを用いた電
力発送実験が行われた(2012/10)。「超電導電
流」が家庭に光をともす日は近づいている。
しかし、米国と日本の技術開発計画を比較す
ると、日本側に15
15年程度
15年程度の
年程度の遅れが見られてお
り、今後の知財権利獲得の観点からも更なる
開発投資の充実が求められている。
超電導と
超電導とスマートグリッド
超電導の経済規模を飛躍させる市場はない
か?この問への答えの1つとなるのが、スマー
トグリッド市場であろう。スマートグリッド
とは、エネルギーの需要と供給をICT(情報通
信技術)により管理・調節し最適のエネルギー
需給環境を実現しようとする、次世代の電力
ネットワークである。2015年のスマートグ
リッド市場は500兆円、そして2030
2030年
2030年には4000
には4000
兆円の
兆円の市場規模が実現すると予想されている。
市場規模
超電導ケーブルによってこの電力ネットワー
クを形成すると、5%の送電ロスが解消される。
すなわち超電導ケーブルが200
200兆円規模
200兆円規模の
兆円規模の潜在
的市場を内包しているといえる。ここで注意
的市場
したいのが、この試算が太陽光発電や風力発
電などの発電事業を対象にしている点である。
スマートグリッドを駆使したまちづくり「ス
マートシティ」という概念も提案されており、
実際の市場規模は街全体のインフラ整備を含
めるとここで示した以上なる確率が高いこと
を指摘しておく。
超電導でみんな
超電導でみんなハッピー
でみんなハッピー♪
ハッピー♪
最後に紹介したいのが、超電導地球電力ネッ
トワークである。世界最大のサハラ砂漠を太
陽光発電パネルで覆えば世界に必要なエネル
ギーの4倍を生産できる。
この大量のエネルギーを送電ロスゼロの超電
導電力ケーブルネットワークで世界中に送り
届けるのである。(参考:科学技術は日本を救
うのか, 北澤宏一(2010))
こうなれば、石油や天然ガスなどの化石燃料
をめぐって戦争が起きることもなくなり、豊
富なエネルギーを用いた食料生産の増産で世
界の食糧危機も一挙に解決する。世界がつな
がっていることが電力ケーブルから発せられ
る磁場によって感じられるようになり、みな
穏やかな表情となるであろう。このような平
和が実現することの経済効果は、如何程のも
のであろう?それは「Priceless
Priceless~
Priceless~プライスレ
ス」、お金には換算できない価値が、この世
の中にはあるのである。超電導は、学問的、
科学技術的に人類の幸福に貢献するだけでな
く、人々の心に安寧をもたらすこともできる、
神が人間に与えたもうた救世の真理なのだ。