【インフラ・イノベーション研究会】 「UAVによる写真測量・レーザ測量」を 活用した河川測量等への取り組み事例 調査測量事業本部 技術部 鈴木 浩二 平成28年6月16日 本日の発表内容 1.測量的視点から見た河川管理 ・従来の河川測量と河川管理 2.UAV写真測量による河川測量の事例 ・H27 信濃川河川事務所における事例紹介 時間があれば・・・ 3.UAVレーザ測量による災害調査の事例 (「次世代社会インフラ用ロボット現地検証」参加への取り組み) http://www.c-robotech.info/ 【インフラ・イノベーション研究会】 1 測量的視点からみた河川管理 2 1.測量的視点から見た河川管理 【測量は管理用の地形データ作成】 作業規程の準則に基づく「精度管理」を重視した従来手法 「地図情報レベル」で規定される均質なデータ作成 ● 代表的な河川測量の例 河川定期縦横断測量(実測)、河川基盤地図(河道1/2,500,流域1/25,000)、 河川改修・計画等に伴う現況平面(要求精度に応じて対応) ⇒各種マニュアルに従った測量方法で対応し品質を確保 【河川管理目的に対する測量の課題】 ・広域の測量はコスト面から数年単位 ⇒時間分解能の改善 ・降雨イベント等による時系列の変化 ⇒必要な範囲を必要な時 ・建設~メンテナンスへ ⇒狭い範囲(施設)を細かく=空間分解能の改善 必要な時に詳細情報を気軽に収集できる技術⇒UAVに着目 【インフラ・イノベーション研究会】 3 1.測量的視点から見た河川管理 【従来の測量・計画・設計・施工の場合】 測量 地形条件・範囲に応じた測量作業 定められた要求精度(情報レベル)に対応したデータ作成(ベースマップ) 地形データを納入(それ以外の情報は破棄) 全体に一様な地形測量 情報の加工(必要な情報が不足する場合が多い) 計画・設計 情報の質が重要 目的に応じた精度で計画・設計に必要な情報(主題図) 不足情報の収集・作成(例えば現地写真や断面データ、CG画像) 実測(詳細設計・施工用の測量) 施工・管理 (管理図) 追加測量する場合もあり 施工=高精度=実測 【インフラ・イノベーション研究会】 4 1.測量的視点から見た河川管理 【河川管理に対応した測量は】 ・全体管理の一様な図面は従来通りで良いが、以下の改善点に 対応できれば・・・ ・時間分解能の改善 コスト面をクリアし、「必要な時に必要な場所」のみを計測できないか? ・空間分解能の改善 河川管理施設や狭い範囲を高精度に計測できないか? ☆上記の改善目標に対応した計測方法として =新しい測量方法:3次元計測等の新技術活用 ⇒3次元計測の手法としてUAV(SFM技術)活用 【インフラ・イノベーション研究会】 5 1.測量的視点から見た河川管理 【新技術の活用】 基本的に3次元計測が主流 利用目的・要求精度への対応やコスト縮減への工夫 最近では、GNSS移動計測技術の利用(RTK-GNSS)、航空レーザ測 量、移動車両計測(MMS)、水面下のナローマルチ計測等の3次元計測 も増加。さらに気軽に飛ばせるUAVの適用も進められている。 ⇒3次元点群の活用 狭い範囲 狭い範囲 河道・流域 (航空) (人力) (UAV) 水部 (ボート・人) 堤防道路 等 (車両) 【インフラ・イノベーション研究会】 6 1.測量的視点から見た河川管理 【画像からの解析技術の発展】 SFM技術による3次元地形モデルの生成が発展 (①撮影の自由度が高く、②解析が容易、③記録性の高い画像、④かつ高精細) 画像パターンが豊富な都市空間(都市モデル)では非常に有効 GNSSによる撮影位置 3次元モデルにすることで対象物を 任意の視点から閲覧することが可能 斜め写真 河川では? 【インフラ・イノベーション研究会】 7 1.測量的視点から見た河川管理 【河川管理におけるUAVの適用】 ①河川管理要素は多様な空間分布を持つ ・面的な広がり(流域・河道:堤内・堤外環境) ・線的(横断構造物、縦断構造物) ・任意地点の管理施設(取水・排水施設) ・任意地点の河道内や水際(水部構造物、水衝部地形) ②上記対象物の個々の要求情報に応じた適用性 ⇒一律では不可能(オブジェクトに対応した以下の選択) ・範囲に応じたプラットホームの選択 ・管理目的や要求精度(数mm~サブmまで)に情報収集 ・特別な目的に応じたセンサーの選択 次節では、比較的広い面的計測の事例を紹介します。 【インフラ・イノベーション研究会】 8 UAV写真測量技術に関する検討業務 国土交通省 北陸地方整備局 信濃川河川事務所 「平成27年度 UAV写真測量技術に関する検討業務」より 9 2.UAV写真測量の検討事例 【はじめに】 UAV写真測量を実施するうえでの課題 ①当時は本手法のマニュアル無し(地理院マニュアル(案)はH28年3月) ②経験値が不足しており、SFMの精度は論文等の理論値 ③写真測量ではDSM(表層モデル)しか取得できない ④複数のSFM解析ソフトがあり、個々の特徴が不明(経験値無し) ⑤1枚の画像範囲が狭いUAV写真では河川部で画像相関が取れない ⑥写真測量の精度をどのように証明するか ⑦比高差の大きな河岸段丘地形 今回の計画範囲に対して、どこまで使えるのか? 【インフラ・イノベーション研究会】 10 2.UAV写真測量の検討事例 【地形条件と要求精度(地図情報レベル500)】 地形条件・範囲に応じた測量計画(河川・比高差・精度・検証方法) αUAV:2周波GNSS搭載 カメラ:LUMIX GX7 水部 約200m 対象範囲 1.26km2 R-MAX:GNSS/IMU搭載 レーザ:VUX-1 カメラ:リコーGR 【インフラ・イノベーション研究会】 11 2.UAV写真測量の検討事例 【比高差に対するUAV撮影の留意点】 比高差の大きい山地河川での実施課題となる 対応として このような撮影で精度 が確保できるか? ①対地高度を上げる ②標高差が極力少ないブロックの設定 ③ウェイポイントの細かい標高設定 写らない部分が発生する SLの不足で再撮影 【留意点】 高度を上げる=地上画素寸法が劣化 =精度劣化につながる 対応としては 高度を上げすぎると地上 画素寸法が悪くなる 2 対象範囲 1.26km ①撮影時間を考慮したブロック設定 ②細かい標高設定 【インフラ・イノベーション研究会】 12 2.UAV写真測量の検討事例 【地域特性での留意点】(水部の精度) 作業項目 実施時期 10/29~10/30 作業内容 撮影作業の安全に関する点検 運航計画 (高度150mと75m) 対空標識設置(2班) 11/2~11/3 UAVレーザ (VUX-1+カメラGR) 11/9~11/11 簡易UAV撮影 (カメラ Gopro) UAV撮影 (カメラ DMC-GX7) 11/11 踏査結果を踏まえたレーザ解析、高度の 確定 150m用(40cm×40cm)5点 75m用(20cm×20cm)75点 9~10日雨でスタンバイ 11日レーザ実施 撮影も実施 カメラRICOH GR 測線No.445 現地踏査 11/9~11/10 11/12~11/20 150m画像解析 (1.26km2 1593枚) 11/13~11/24 75m画像解析 11/21~12/4 カメラ位置誤差 12日(7フライト 150m完了) 13日(7フライト 75m右岸側完了) 14日~19日雨天待機 20日(4フライト 75m完了) ソフト①で先行解析 OK ソフト②は検証でエラー 配点を変えて OKとなった ソフト②で解析 OKとなった (1.15km2 4082枚) 画像の解析自体は1日1500枚程度 詳細な精度検証を実施して1週間程度で結果は出るが、精度が確保できない場合は再撮影もある 降雪が想定される当該地区では工程管理上の大きな課題となる 対象範囲 1.26km2 【インフラ・イノベーション研究会】 13 2.UAV写真測量の検討事例 【撮影・SFM解析・精度検証の方法】 前提条件 撮影対地高度 地上画素寸法 写真のラップ(進行方向) 写真のラップ(隣接コース) GCP(対空標識) 検証点(対空標識) 対空標識の測量方法 SFM解析ソフト 検証方法 地図情報レベル500 150m 75m 4cm 2cm 90% 85% 80% 60% 40cm×40cmを5点 標高精度の目標値 2 5 c m 150mは全域、75mは陸域のみ GCDの約5倍を標高精度と想定 オーバーラップ サイドラップ 空中三角測量のGCPとして使用 基準となる高さは重要( 距離標に設置) 検証+GCPが不足する場合に対応 標高精度に関連する( 手法は重要) 20cm×20cmを75点 GNSS測量(VRS方式) 一般的なソフトを3種類 空中三角測量後に発生する点群を使用し、検証点での精度を検証 GCP(対空標識) 対地75mの計画(河川を外して最適化) 対地150mの撮影範囲(河川部) 検証点(対空標識) 【インフラ・イノベーション研究会】 14 2.UAV写真測量の検討事例 【SFM解析処理の流れ】 GCPのインポート ATの点群 マッチングの確認(Ray Cloud view) 高密度点群 150mで20G 75mで40G 自動空三(AT)の検証 段丘部分の画像 (植生下のデータ無し) 【インフラ・イノベーション研究会】 15 2.UAV写真測量の検討事例 【解析結果と最終成果作成(様々なトライ)】 SFMソフトを変えて解析(対地高度150m) ソフト① 平均 [m] 標準偏差[m] RMS誤差 [m] GCP誤差(m) X 0.000527 0.046575 0.046578 ソフト② 平均 [m] 標準偏差[m] RMS誤差 [m] Y Z 0.000087 -0.00026 0.037784 0.019125 0.037784 0.019127 検証点 誤差 (m) X Y Z 0.021162 0.008276 -0.01707 0.109406 0.046738 0.077297 0.111434 0.047465 0.07916 平面 標高 0.040869417 0.000314 0.009083139 0.00897 0.041702063 0.008195 平面 標高 0.048414171 0.010688 0.024885555 0.022927 0.054346541 0.025132 カメラポジションでの解析(2周波GNSSの位置基準) 150m Mean [m] Sigma [m] RMS Error [m] GCP無しで解析した検証点 GCPで解析した場合 較差 Z X Y Z X Y Z X Y 0.051215 0.023372 0.003773 0.021162 0.008276 -0.01707 0.030053 0.015096 0.020846 0.103835 0.049639 0.075469 0.109406 0.046738 0.077297 -0.00557 0.002901 -0.00183 0.115779 0.054867 0.075563 0.111434 0.047465 0.07916 0.004345 0.007402 -0.0036 グリッドデータ作成(最終成果) UAV機体 使用カメラ 使用したソフト 対地高度150m 対地高度75m ① ② 本業務の成果 ③60%ラップ ④高精度化 部分的に実施 ⑤ - ソフトC ⑥ - ソフトD ⑦、⑧ - ソフトA αUAV R-MAX F450 LUMIX GX7 ソフトB 備考 対空標識(GCP)の画像 空三は、PIX4DとPhotoscan ⑨対地高度は120m程度で実施 VUX-1(レーザ) 点群処理ソフト RICOH GR ソフトA ⑩ ⑪ 部分的に実施 Gopro ソフトA ⑫ ⑬ 部分的に実施 【インフラ・イノベーション研究会】 16 2.UAV写真測量の検討事例 【解析結果と最終成果作成(様々なトライ)】 GCP配点を変えて解析(対地高度75m) GCP6点 平均 [m] 標準偏差[m] RMS誤差 [m] GCP誤差(m) 検証点 誤差 (m) X Y Z X Y Z -0.00011 -5E-06 -0.000496 -0.02479 -0.041 -0.01236 0.008647 0.025644 0.004838 0.047324 0.049736 0.101829 0.008648 0.025644 0.004863 0.053426 0.064456 0.102577 GCP7点 平均 [m] 標準偏差[m] RMS誤差 [m] X Y Z X Y Z 0.000054 0.000199 -0.001861 0.008794 -0.01023 -0.02776 0.004931 0.008388 0.004736 0.015174 0.015144 0.044511 0.004931 0.008390 0.005089 0.017538 0.018274 0.052456 配点良い 60%ラップの解析(対地高度150m) OL:90% 平均 [m] 標準偏差[m] RMS誤差 [m] OL:60% 平均 [m] 標準偏差[m] RMS誤差 [m] GCP誤差(m) 検証点 誤差 (m) X Y Z X Y Z 0.000527 0.000087 -0.000263 0.021162 0.008276 -0.01707 0.046575 0.037784 0.019125 0.109406 0.046738 0.077297 0.046578 0.037784 0.019127 0.111434 0.047465 0.07916 Y X 0.009845 -0.00898 0.025902 0.025092 0.027709 0.026649 Z X Y Z 0.029171 0.016099 -0.01981 0.056472 0.05429 0.023214 0.028329 0.073464 0.061631 0.02825 0.034569 0.092661 高精度な位置情報を持つUAVではGCP軽減可能 GCPの配点は精度に影響を及ぼす(この精度が重要) OLは60%程度で良好な精度が確保できる 【インフラ・イノベーション研究会】 17 2.UAV写真測量の検討事例 UAV写真測量が従来手法と同等の精度で実施可能か? 【 H23年度航空レーザ測量との面的な比較】 UAV写真のオルソ画像 参考(UAVレーザ) 【インフラ・イノベーション研究会】 18 2.UAV写真測量の検討事例 【参考 レーザ点群でみる経年変化】(6フライト) 過年度成果(有人機)による点群断面図 UAVレーザによる点群断面図 過年度成果(有人機) UAVレーザ(植生繁茂対象) 【インフラ・イノベーション研究会】 19 2.UAV写真測量の検討事例 UAV写真測量が従来手法と同等の精度で実施可能か? 【航空レーザ測量断面との比較(堤防) 】 UAVレーザ ソフトA 150m ソフトB 150m 完全に一致 若干低いが形状や植生も 良好に表現 ソフトA 75m ソフトA ほぼ一致 150m 60%ラップ ほぼ一致するが植生 との境界が少し弱い ほぼ一致するが植生との 境界が少し弱い 面的な比較・断面での比較ともに良好であった 【インフラ・イノベーション研究会】 20 2.UAV写真測量の検討事例 UAV写真測量が従来手法と同等の精度で実施可能か? 【実測断面との比較(自然地形)】 無植生の耕作地 で15cm程度 植生区間 は較差大 砂州区間は25cm程 度(経年変化あり) 水部混在の砂州 は75m精度劣化 植生区間 は較差大 無植生の耕作地 15~20cm程度 範囲外に近い 区間(精度劣化) 植生区間 0.144 352601 対地150m 平均 標準偏差 RMS誤差 実測 対地150m 対地75m 対地75m 平均 標準偏差 裸地区間 0.144 352601 対地150m 平均 標準偏差 RMS誤差 0.013m 0.144m 0.144m 植生区間 0.144 352601 対地150m 平均 標準偏差 RMS誤差 0.040m 0.155m 0.160m 対地75m 平均 標準偏差 RMS誤差 データ数 174MS データ数 460MS 0.871m 1.241m 1.513m 砂洲区間 0.144 352601 対地150m 平均 標準偏差 RMS誤差 -0.035m 0.258m 0.260m 0.540m 0.576m 0.788m 対地75m 平均 標準偏差 RMS誤差 -0.120m 0.266m 0.291m 砂洲および水部区間 データ数 290MS 0.144 352601 対地150m 平均 -0.112m 標準偏差 0.052m RMS誤差 0.123m 対地75m 平均 標準偏差 -0.107m 0.519m 水 部 に よ る エ ラ ー 対地75m 平均 標準偏差 RMS誤差 データ数 346MS 裸地区間 0.144 352601 対地150m 平均 標準偏差 RMS誤差 区 間 対地75m 平均 標準偏差 RMS誤差 植生区間 0.144 352601 対地150m 平均 標準偏差 RMS誤差 対地75m 平均 標準偏差 データ数 117MS 0.410m 0.721m 0.827m 0.346m 0.705m データ数 70MS 0.177m 0.114m 0.210m 0.115m 0.100m 0.152m データ数 100MS 0.769m 0.811m 1.115m 0.557m 0.733m 【インフラ・イノベーション研究会】 21 2.UAV写真測量の検討事例 UAV写真測量が従来手法と同等の精度で実施可能か? 【実測断面との比較(無植生のみでどうか)】 X 左岸 右岸 堤防裏法尻 堤防裏法肩 堤防表法肩 堤防表法尻 砂洲 砂洲 堤防表法肩 堤防表法尻 堤防裏法尻 堤防裏法肩 29739.849 29743.8 29745.195 29751.282 29979.891 30006.206 30143.551 30152.879 実測 Y Z 139454.3 139448.7 139446.7 139438 139112.3 139074.8 138879.1 138865.8 67.145 69.058 69.29 66.929 63.274 63.269 66.364 73.787 平均 標準偏差 RMS誤差 UAV写真測量 150m 75m 0.077 0.013 0.031 0.031 1.504 0.378 0.136 0.14 0.105 0.023 0.197 0.092 0.863 0.886 0.148 0.081 対象物 裸地 裸地 裸地(距離標) 裸地 砂洲 砂洲 植生下 0.382625 0.2055 0.491515 0.279804 0.622887 0.347161 植生下をはずした 0.077 0.031 1.504 0.136 0.105 0.197 0.013 0.031 0.378 0.14 0.023 0.092 0.148 0.081 植生下、距離標 をはずした 0.077 0.013 0.031 0.031 写真同士の 比較(m) 0.064 0 0.136 0.105 0.197 0.14 0.023 0.092 -0.004 0.082 0.105 0.148 0.081 0.067 0.314 0.108286 0.115667 0.063333 0.488287 0.117769 0.052996 0.045125 0.580534 0.159986 0.127229 0.077765 0.0494 0.043952702 0.060361412 最終的に 5cmの議論 植生部の点群状況 拡大 拡大 UAVレーザ UAV写真 【インフラ・イノベーション研究会】 22 2.UAV写真測量の検討事例 【河川管理要素から見た適用性】 ・定期断面 河床変動を把握可能 (河道内植生がある区間は厳しい) ・堤防や河道等の改修 高精度に計測可能 堤防縦断標高の管理 (弱堤地抽出、スライドダウン解析) 出来形管理と現況平面の修正 現況平面図の部分的な修正 ・数値計算のパラメータ 樹高から粗度として把握 河床粗度としての礫径把握 ・支川からの異常堆砂 河積阻害を断面として把握 ・モニタリング 1出水による河床モニタリング 河道植生(環境)のモニタリング 水衝部の異常洗掘のモニタリング 河川管理施設のモニタリング 【インフラ・イノベーション研究会】 23 2.UAV写真測量の検討事例 【測量点観点から見た河川管理への適用性】 地図情報レベル500の面的作業を想定した適用性の検討状況(マニュアル発行前) 目標精度 対応面積 面積 1mm 1cm 10km2 取捨選択枠 2km2 5cm 10cm 1km2 20cm 0.1km2 50cm 迅速性 迅速性 高価 安価 コスト コスト 安価 高価 コスト コスト ○UAVを用いた公共測量マニュアル(案)が発行された (これにより、コスト・迅速性が右方向に若干シフト) 時間を要する 空中写真 マニュアル公開を受けて、UAV写真測量も他の測量手法と同様、 公共測量の一手法として扱われる。 ただし、当面は測量作業者は試行錯誤が続くと思われる。 航空 Lidar 実測 早い 安価 高価 コスト コスト マニュアルはあくまで地形図・点群作成の基本事項 マニュアルに準拠しない自由な発想も必要。 【インフラ・イノベーション研究会】 24 2.UAV写真測量の検討事例 【河川管理:樹林帯・支川土砂堆砂、有事の対応】 ~ 河 口 6 . 0 K 信 濃 川 長 岡 小 千 谷 川 口 01 渡部樋管施設 02 柳場川排水機場 03 子ノ明樋管設備 04 島崎川樋管設備 同所 39 島崎川排水機場 05 五千石排水樋管施設 06 敦ヶ曽根樋管 07 岩方樋門 08 旧黒川水門 09 新黒川水門 10 柿川水門 41 柿川排水機場 同所 12 長岡消流雪用水導入施設 11 緑町樋管 13 須川水門 16 焼田川樋管 15 表沢川樋門 20 茶郷川樋門 14 湯殿川樋門 同所 43 湯殿川救急排水機 21 小江戸川樋管 22 川口消流雪用水取水樋管 17 川井樋管 堤外地より 堤外地より 堤外地より 堤外地より 堤外地より 堤外地より 堤外地より 堤外地より 堤外地より 360° 堤外地より 堤外地より 堤外地より 堤外地より 堤外地より 堤外地より 堤外地より 堤外地より 堤外地より 堤外地より 堤外地より 堤外地より 堤外地より 人口集中地域に隣接 人口集中地域に隣接 人口集中地域内 人口集中地域内 人口集中地域に隣接 人口集中地域に隣接 大河津 大河津 大河津 大河津 大河津 大河津 大河津 長岡 長岡 長岡 長岡 長岡 長岡 長岡 越路 越路 越路 越路 越路 越路 堀之内 堀之内 十日町 18 鶴島排水樋管 堤外地より 十日町 19 上新井樋管 堤外地より 十日町 堤外地より 堤外地より 堤外地より 堤外地より 堤外地より 堤外地より 堤外地より 堤外地より 堤外地より 堤外地より 堤外地より 堤外地より 堤外地より 堤外地より 堤外地より 堤外地より 堤外地より 360° 堀之内 堀之内 堀之内 堀之内 堀之内 堀之内 堀之内 堀之内 堀之内 堀之内 堀之内 堀之内 堀之内 堀之内 堀之内 堀之内 堀之内 堀之内 十日町 堀 之 内 魚 野 川 ~ 小 出 南 魚 沼 38 下島樋門 23 江添川樋管 24 クルミ沢樋管 26 品袋樋管 25 水口沢川樋門 27 西又川水門 28 堀之内消流雪用水導入施設 同所 29 与越川樋管 44 与越川救急排水機 30 房ヶ沢川樋管 31 旧羽根川水門 同所 45 袖八川排水機場 33 古川樋門 32 明神樋門 同所 42 明神簡易排水機場 34 板木川水門 35 清水川樋管 37 橋場川樋門 36 菅有沢樋管 堤外地より 人口集中地域内 人口集中地域内 JR在来線に近い 人口集中地域内 人口集中地域内 上越新幹線、JR在来 線、国道17号隣接 堀之内 河川名 魚野川 魚野川 魚野川 魚野川 信濃川 信濃川 信濃川 信濃川 信濃川 信濃川 位置(おおよそ) 20.05k R 19.05k R 7.0k L 5.0k L 34k R 71k R 68k R 67k R 59k R 56k R 箇所名 樹①-1 樹①-2 樹②-1 樹②-2 樹③ 堆① 堆② 堆③ 堆④ 堆⑤ 撮影方法 8方向 360度 8方向 8方向 8方向 360度 8方向 8方向 8方向 360度 ①事務所からリスト受領 ②撮影位置に展開 ③UAV撮影計画に展開 【インフラ・イノベーション研究会】 25 2.UAV写真測量の検討事例 【工程管理と実際の撮影】 出張所毎の撮影計画工程 全体計画 12月 樹林 施設 数量 堆砂 数量 44 10 堀之内出張所 21 4 十日町出張所 3 5 越路出張所 6 1 長岡出張所 7 大河津出張所 7 妙見管理支所 0 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 積雪想定地区⇒上流側から順次計画 【河川施設】 11/30 天候 天候 被災想定 作業班編成 作業班編成 主任1 対応 機体メモ 区間 ~ 河 口 6 . 0 K 信 濃 川 長 岡 小 千 谷 川 口 同所 施設名 01 渡部樋管施設 02 柳場川排水機場 03 子ノ明樋管設備 04 島崎川樋管設備 同所 39 島崎川排水機場 05 五千石排水樋管施設 06 敦ヶ曽根樋管 07 岩方樋門 08 旧黒川水門 09 新黒川水門 10 柿川水門 41 柿川排水機場 同所 12 長岡消流雪用水導入施設 11 緑町樋管 13 須川水門 16 焼田川樋管 15 表沢川樋門 20 茶郷川樋門 14 湯殿川樋門 同所 43 湯殿川救急排水機 21 小江戸川樋管 22 川口消流雪用水取水樋管 17 川井樋管 撮影方法 堤外地より 堤外地より 堤外地より 堤外地より 堤外地より 堤外地より 堤外地より 堤外地より 堤外地より 360° 堤外地より 堤外地より 堤外地より 堤外地より 堤外地より 堤外地より 堤外地より 堤外地より 堤外地より 堤外地より 堤外地より 堤外地より 堤外地より 注意事項 人口集中地域に隣接 人口集中地域に隣接 人口集中地域内 人口集中地域内 人口集中地域に隣接 人口集中地域に隣接 出張所 大河津 大河津 大河津 大河津 大河津 大河津 大河津 長岡 長岡 長岡 長岡 長岡 長岡 長岡 越路 越路 越路 越路 越路 越路 堀之内 堀之内 十日町 実施日 堀 之 内 魚 野 川 ~ 小 出 18 鶴島排水樋管 堤外地より 十日町 12/5 19 上新井樋管 堤外地より 十日町 12/5 堤外地より 堤外地より 堤外地より 堤外地より 堤外地より 堤外地より 堤外地より 堤外地より 堤外地より 堤外地より 堤外地より 堤外地より 堤外地より 堤外地より 堤外地より 堤外地より 堤外地より 360° 堀之内 堀之内 堀之内 堀之内 堀之内 堀之内 堀之内 堀之内 堀之内 堀之内 堀之内 堀之内 堀之内 堀之内 堀之内 堀之内 堀之内 堀之内 12/7 12/7 12/7 12/6 12/7 12/6 12/6 12/6 12/6 12/6 12/6 12/6 12/6 12/6 12/6 12/6 12/6 12/7 南 魚 沼 堀之内 12/6 36 菅有沢樋管 堤外地より 人口集中地域内 人口集中地域内 JR在来線に近い 人口集中地域内 人口集中地域内 上越新幹線、JR在来 線、国道17号隣接 12/3 12/4 12/5 12/6 12/7 12/8 雨 雨 曇り 晴れ 担当1、協力2 担当1 担当1、協力3 担当1、協力3 担当1、協力3(1班) 担当2、協力6(2班) 担当1、協力3(1班) Phantom3 V+ DJI S9000(α7、 nex7) Phantom3 V+ Phantom2 V+ Phantom2 V+ 10時 事務所 打合せ 詳細位置・イメージの確認、出 打合せ可能(翌日になる) 張所連絡(次回以降は不 この日はマイナスでOK 要?) 業者間連絡(撮影位置は送付) 15時 業者間打合せ(安全・指 示~撮影スタンバイ) 工程計画 再委託申請 身分証明 フライト不可 (実災害時は後?) 午後から雨(フライト不 可) 10時30 ~15時 高度確定 曇り時に実施(風で 樹林2段階 中止) 2段階高度 晴れ 慣れてきたので、か なり早く処理 撮影位置のリスト 施設の撮影 樹林化地区の撮影 堆砂地区の撮影 12/9 曇り 晴れ 大河津以外 完了 最短でこの日 1日分の撮影 ただし、大河津は別 12/9 12/8 12/8 12/8 12/8 12/8 12/8 12/8 12/8 12/8 12/8 12/7 12/7 12/7 十日町 38 下島樋門 23 江添川樋管 24 クルミ沢樋管 26 品袋樋管 25 水口沢川樋門 27 西又川水門 28 堀之内消流雪用水導入施設 同所 29 与越川樋管 44 与越川救急排水機 30 房ヶ沢川樋管 31 旧羽根川水門 同所 45 袖八川排水機場 33 古川樋門 32 明神樋門 同所 42 明神簡易排水機場 34 板木川水門 35 清水川樋管 37 橋場川樋門 12/2 晴れ 担当1、営業1、協力1 機体メモ 16時30分 リスト受領 18時 施設位置確認 21時 Google上に展開 22時 撮影方法の確認 河川名 12/1 曇り 主任1・担当1 15:03-15:08 13:48-14:16 14:38-14:41 13:11-13:15 11:35-11:41 8:58-9:10 10:51-10:54 8:35-8:40 12:40-12:44 11:20-11:27 13:50-13:56 14:00-14:20 14:46-14-50 11:00-13:25 13:27-13:30 9:58-10:04 9:36-9:39 9:19-9:22 9:03-9:08 13:02-13:10 12:46-12:58 同上 11:25-11:30 11:07-11:17 8:51-9:01 計測日時を管理しながら実施箇所と工程を確認(非常に雪が少なかった) 平常時の成果として 経年変化を確認する写真帳として整理 H27.12.10航空法改正 【インフラ・イノベーション研究会】 26 2.UAV写真測量の検討事例 【有事の対応】 項目 発災 事務所 時間 30 分 情報収集・作業手法検討 継続 1 時間 作業箇所の確認・指示 2 時間 備 考(課題) 災害情報は逐次更新される 情報の位置展開、規制確認 更新情報への対応、法規制 現地移動 作業箇所確認用アプリ 現地確認・撮影方法の確定 どのようなデータが必要か 撮影 データ送付 3 時間 撮影画像の確認 4 時間 作業者 データ送付の方法 必要に応じて解析 面積に応じて数時間~1 日 解析するのであれば適する機 材や GCP 等を事前に準備 作業員が確保できれば速やかに現地移動可能 (バッテリー等、機材準備の課題もある) 初動の情報整理等、全て上手く進めば 最も早い時間想定で、約3時間で事務所へ情報提供 実際の災害では、撮影地区や範囲、交通網の状態に よって更に時間は必要。 災害の種別に応じた選択も必要となる。 (地震災害では、交通網が寸断される) 【インフラ・イノベーション研究会】 27 2.UAV写真測量の検討事例 【まとめ】 • 河川の面的な測量事例を提示させていただいたが、河川管理と いう意味ではほんの一例に過ぎません。 河川管理構造物、橋梁、河床材料、水文、流れ、環境(植生や不法 投棄等)、保全対象、用地管理、高水敷の施設等、様々な管理要素 がある。 それぞれ、目標精度や分布範囲(面積)、管理項目が異なる。 目的に応じた計測方法に対応する必要がある。 • UAVの特徴は、目的に応じた計測・解析への自由度。 対象物の範囲・精度・情報に応じた計測方法・センサー等、目的に 対する計測の適用は多様な方向に進化すると考えられる。 【インフラ・イノベーション研究会】 28 UAVレーザ測量による災害調査事例 時系列で得られる情報 国土交通省総合政策局公共事業企画調整課 「次世代社会インフラ用ロボット現場検証」より 29 3.UAVレーザ測量による災害調査 【実機からUAVレーザ測量の開発】 ①レーザ計測機材(測距装置,GNSS/IMU,記録装置)のダウンサイジング ②精度はどの程度か(リーグル社の協力による各機材の統合化検証) ③実機と同様の機材構成でUAVに搭載可能か?(コハタ社との協業) 実機 車載(レーザ・GNSS/IMUの統合) GNSSアンテナ コントロールラック センサーポット ノイズ点検(各信号の確認) 組み込み 【インフラ・イノベーション研究会】 30 3.UAVレーザ測量による災害調査 【UAVレーザ測量の開発過程】 GNSSアンテナ 計測システム ・スキャナ ・IMU ・制御装置 開発当初 ①ペイロードの大きさ ②運航時間の長さ(エンジン) ③安定性 等の理由から産業用ラジコンヘリコ プターR-MAXを使用 機材は実機の航空レーザ測量を小型 化したものを搭載 送信機 R-MAX搭載の限界 ①自律飛行できない ②飛行制限150mの範囲 10kg以上のペイロードをもつマルチロータ の開発が必要となった。 【インフラ・イノベーション研究会】 31 3.UAVレーザ測量による災害調査 【基礎的なデータ取得と計測能力】 対地高度150m 対地高度100m 滑走路中心 断面 対地高度50m 滑走路中心 飛行位置 計測諸元(レーザ発射頻度)が同 じため、レーザの到達距離(最大 測距)もほぼ同じ結果。 よって、対地高度が低い方がデー タ取得幅が広い結果となった。 断面 滑走路中心 飛行位置 断面 飛行位置 設定発射頻度:500kHz 確認高度 取得幅 約138m 約420m 約 93m 約475m 約 52m 約490m 【インフラ・イノベーション研究会】 32 3.UAVレーザ測量による災害調査 【基礎的なデータ取得と解析】 標高分解能、精度、植生下の情報解析 笹下の標高精度 約2cmの亀裂 B 1cmの段差 A この段階で信濃川での計測作業を実施(H27.11) 【インフラ・イノベーション研究会】 33 3.UAVレーザ測量による災害調査 【マルチロータタイプの開発】 330° TOKI仕様 大きさ 1.8m×1.8m 羽根の枚数 8枚 搭載機器 VUX-1(RIEGL製) 330°視野による超広角データ収集! VUX-1仕様 最短距離 3m アイセーフ レーザクラス1(JIS C 6802) 有効測定レート 500,000測定/秒まで 視野角(FOV) 330° 最大差動飛行高度AGL 350m/1,150ft 【インフラ・イノベーション研究会】 34 3.UAVレーザ測量による災害調査 【次世代社会インフラ用ロボット現場検証に参加】 (H27.12) 災害時に、どこから、どのように計測し、何時間でデータが提示できるかの評価 フェーズ2 (斜面~約1km) フェーズ3 (斜面~約500m) 調査箇所(斜面) 背景はGoogle earthを利用 【インフラ・イノベーション研究会】 35 3.UAVレーザ測量による災害調査 【計測~解析作業:F2】計測後30分で地形モデルを生成し提示 電子基準点との解析処理は実施していない 機体位置情報とIMU情報のみで解析(絶対位置ではない) 【インフラ・イノベーション研究会】 36 3.UAVレーザ測量による災害調査 【計測~解析作業:F2 】簡易的なフィルタリングもビューワ上で解析 【インフラ・イノベーション研究会】 37 3.UAVレーザ測量による災害調査 【計測~解析作業:F2 】レーザの優位性は解析速度と植生下の地形把握 【インフラ・イノベーション研究会】 38 3.UAVレーザ測量による災害調査 【計測~解析作業:F3】 計測後3時間でGNSSの解析も実施 直径1cm程度のトラロープも表現可能 【インフラ・イノベーション研究会】 39 3.UAVレーザ測量による災害調査 【計測~解析作業:F3 】 計測後6時間で実機同様のフィルタリング 天然ダム形成時における堆積の痕跡 【インフラ・イノベーション研究会】 40 3.UAVレーザ測量による災害調査 【計測~解析作業:F3】 計測後8時間で各種主題図作成 【インフラ・イノベーション研究会】 41 3.UAVレーザ測量による災害調査 【計測~解析作業:F3】 計測後8時間で精度検証も完了 GNSS測位機 樹高推定 調整点1 横断測量状況 胸高直径推定 補完円 【インフラ・イノベーション研究会】 42 3.UAVレーザ測量による災害調査 【更なる発展】 自由度の高い機材で更なる計測対応を検討 (有人機) 330° 330° 200m 330° 500m UAV 舟載 地上 MMS UMV (無人ボート) 吊り下げ 人力 工夫が評価されるように今後も様々な計測を進めていきます。 【インフラ・イノベーション研究会】 43 ご清聴ありがとうございました 本発表では国土交通省の関係機関から資料開示のご協力をいただきました。 国土交通省信濃川河川事務所「平成27年度UAV写真測量検討業務」及び 国土交通省総合政策局公共事業企画調整課「次世代社会インフラ用ロボット現場 検証」の検討結果を使用させていただいております。 信濃川河川事務所様には多くの助言もいただきました。記して謝意を表します。 【インフラ・イノベーション研究会】 44
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