観音山丘陵の哺乳類生息調査 特定非営利活動法人観音山丘陵調査 葛生淳一 高崎市街地西方の観音山丘陵において、トレイルカメラを使用した哺乳類生息調査を 行ったので報告する。 【調査期間】2016.1.20~2016.12.28 【調査地点】旧高崎市(平成の大合併以前)の行政区画の町別に設置。任意の地点を 設定したが、なるべく広範囲でエリアが重複しないよう考慮した。(地図参照) P10 P8 P2 P1 P9 P4 P7 P11 P3 P5 【調査方法】トレイルカメラを農道、獣道、河川沿いなど、野生動物が移動時に通過 すると思しき場所に設置。24時間体制で撮影。1週間から2か月おきに写真データ を回収して撮影された画像から種類を同定、データを分析した。 【結果】4目7科12種の哺乳類を確認。 ニホンイノシシ S.s.leucomystax (偶蹄目イノシシ科) ニホンジカ C.n.centralis (偶蹄目シカ科) タヌキ N.p.viverrinus (食肉目イヌ科) キツネ V.v.japonica (食肉目イヌ科) ニホンアナグマ M.m.anakuma (食肉目イタチ科) ホンドテン M.m.memlampus (食肉目イタチ科) ニホンイタチ Mustela itatsi (食肉目イタチ科) ニホンノウサギ Lepus brachyurus (ウサギ目ウサギ科) アライグマ Procyon lotor (食肉目アライグマ科) ハクビシン Paguma larvata (食肉目ジャコウネコ科) ノネコ Felis silvestris catus (食肉目ネコ科) ノイヌ Canis lupus familiaris(食肉目イヌ科) カメラ設置地点ごとの出現状況は以下の通り。 イノシシ p1 p2 p3 p4 p5 p6 p7 p8 p9 p10 p11 片岡 荒久 大夫 小塚 山名 ― 雁行 乗附 乗附2 鼻高 寺尾 10 ニホンジカ 103 64 78 4 タヌキ 90 キツネ 2 ニホンアナグマ 12 48 28 82 2 39 41 92 1 5 9 ホンドテン 41 5 97 31 9 1 3 5 ニホンノウサギ 2 31 25 アライグマ 23 15 1 9 2 21 1 ハクビシン 15 11 17 10 22 4 18 9 1 10 18 ノイヌ 6 6 1 ニホンイタチ ノネコ 1 24 66 1 10 4 1 7 1 4 1 2 1 64 3 1 28 1 76 1 98 15 83 1 観音山丘陵全域において、相当数の野生動物が生息することが判明した。 近年の目撃情報や農作物被害等からイノシシの勢力拡大は想定されたが、河川沿 いに極めて多く確認されており、移動ルートに河川を利用し分布を拡大している と推測。 以前より目撃情報(H10 私信)のあったニホンジカの生息が 3 か所で確認された。 確認地点が離れており、別の個体群と思われる。今後の動向を注視したい。 外来生物であるアライグマ・ハクビシンについて、ほぼ全域で生息が確認された。 アライグマについては撮影される時間帯が 23 時~3 時という深夜に集中しており、 発見されにくいものと思われる。 野生動物 62 4 キーワード:観音山丘陵 506 19 【まとめ】 419 7 2 2 計 哺乳類 5
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