ふくやま美術館名品展

1998年度常設展示目録No.49
開館10周年記念所蔵名品展 ø
ふくやま美術館名品展
5月27日(水)-6月28日(日)
1998年
*月曜休館
No.63 塩出英雄〈泉 庭〉(部分)
この所蔵名品展は、美術館を支えてきていただい
ではなく、軸となる作品群を揃えることにより、美
た地域の皆さまとともに、ふくやま美術館の開館10
術を立体的に、そして身近にとらえていいただこう
年の軌跡をたどってみようという展覧会です。
ということにあります。そして、美術館が提供する
ふくやま美術館は、1988年の開館以来、
「ø福山・
のは、優れた作品そのものと、それに出会うための
府中広域市町村圏関連の作家の作品、¿瀬戸内圏関
「目」
(観点)ということになるでしょう。1点では理
連の作家の作品、¡日本近・現代美術、¬イタリアを
解できにくい作品が、関連した作品群のなかに入る
中心とする20世紀ヨーロッパ美術」という収集方針
ことにより、鑑賞者にその創作の原点や作品の魅力
のもとに作品を収集し、展覧会事業や教育普及事業
を発見してもらえるような、そんな「目」の提供で
も展開することにより、福山を中心とする広域圏の
す。このような「目」を軸に、コレクションを大き
芸術文化の振興に少なからず寄与してきたものと自
く3つに分け、エントランス・ホールと1階企画展示
負しております。
室、2階常設展示室で展示いたします。
ふくやま美術館の作品収集の特色は一点豪華主義
福山市西町2丁目4番3号 電話0849-32-2345
FUKUYAMA MUSEUM OF ART
エントランス・ホール、企画展示室/ヨーロッパと日本の現代美術
No. 作 家 名
作 品 名
制作年
材質技法
寸法(cm)
1
ジャコモ・マンズー(1908-1991) 大きな踊り子
1974
ブロンズ
273.0
2
アルナルド・ポモドーロ(1926-)
球体
1982
ブロンズ
120.0× 120.0× 120.0
3
ミンモ・パラディーノ(1948-)
行く者,とどまる者
1984
油彩、カンヴァス
391.0× 848.0
4
堀内正和(1911-)
27番目の立方体−C
1989
ステンレススティール
45.0× 90.0× 90.0
5
堀内正和
線C
1954
鉄
45.0
6
飯田善國(1923-)
SONZAI
1962
銅
7
豊福知徳(1925-)
風塔'83
1983
マホガニー
8
土谷 武(1926-)
植物空間ƒ
1990
鉄
9
草間彌生(1929-)
NO.»
1960
油彩、カンヴァス
183.0× 122.0
60.0× 42.0
174.0× 70.0× 54.0
64.0× 57.5
10
高橋秀(1930-)
波(黒)
1976
エナメル、カンヴァス
140.0× 303.0
11
桑山忠明(1932-)
Yellow, White, Red
1968
アクリル、カンヴァス、クローム
200.4× 54.3×
12
河原 温(1933-)
Nov.10,1987
1987
リキテックス、カンヴァス
13
中西夏之(1935-)
紫・むらさき…
1982
油彩、カンヴァス
227.0× 181.5
14
荒川修作(1936-)
緩慢な動きの中の認識できないものを調整し続ける(ナンバー) 1973-74
油彩、アクリル、カンヴァス
165.0× 246.5
15
高松次郎(1936-)
平面上の空間
1982
油彩、カンヴァス
218.0× 182.0
16
松本陽子(1936-)
ベイルシエバの荒野
1990
アクリル、カンヴァス 200.0× 250.0
17
李禹煥(1936-)
線より
1978
油彩、カンヴァス
No.13 中西夏之〈紫・むらさきƒ〉
No.16 松本陽子〈ベイルシエバの荒野〉
1990
4.7
25.5× 33.0
162.0× 291.0
No.27 サンドロ・キア〈少女〉
18
依田寿久(1940-)
Untitled #913
19
大竹伸朗(1955-)
網膜#34(網膜火傷)
油彩、カンヴァス
218.5× 335.5
20
中村一美(1956-)
慧可
21
ナウム・ガボ(1890-1977)
球体のテーマ
22
ファウスト・メロッティ(1901-1986) 対位法…
23
ペリクレ・ファッツィーニ(1913-1987)
風(踊り子)
1956-60
ブロンズ
139.0
24
タジリ シンキチ(1923-)
歩哨
1961
金属
350.0× 60.0× 80.0
25
マリオ・チェロリ(1938-)
影
1968
木
195.0× 120.0× 427.0
26
ジェラール・ティテュス=カルメル(1942-)
チャンカイシリーズ 絵画12
1985
油彩、カンヴァス
245.0× 320.0
27
サンドロ・キア(1946-)
少女
1981
油彩、パステル、紙、カンヴァス 194.0× 150.0
28
サンドロ・キア
双子の父
1986
ブロンズ
29
エンツォ・クッキ(1949-)
風景から大いなる絵を引剥さねばならぬ 1983
油彩、ファイバーグラス、ウレタン、木 309.9× 327.7× 218.4
30
アブラハム・ダヴィッド・クリスチャン(1952-)
無題
1992
ブロンズ
31
フランチェスコ・クレメンテ(1952-)
無題
1981
パステル、紙
32
ニコラ・デ・マリア(1954-)
顔よ微笑みたまえ
1985
油彩、カンヴァス
239.0× 319.0
33
アルカンジェロ(1956-)
全ての痕跡
1991
混合技法、カンヴァス
153.5× 112.0
34
ナム・ジュン・パイク(1932-)
世界は回る
1973
ビデオ作品 30分
35
ウルリケ・ローゼンバッハ(1943-) 作品集
1978-84
ビデオ作品 56分30秒
写真、プラスティック、シーツ、木製パネル 294.0× 220.0
1988
油彩、カンヴァス
1966ca.
ソフソファー・ブロンズ
1974/84
真鍮
239.0× 139.0
30.4
50.0× 50.0× 15.0
172.5
31.0× 37.0× 13.0
88.3× 188.0
常設展示室第2室、第1室/郷土および日本の近・現代美術
No. 作 家 名
作 品 名
制作年
材質技法
寸法(cm)
132.5× 365.5
51
藤井松林(1824-1894)
四季花鳥図屏風(半双)
絹本着色
52
平櫛田中(1872-1979)
寿星
木、彩色
53
森谷南人子(1889-1981)
内海初夏(高島)
54
大村廣陽(1891-1983)
蓮池
55
金島桂華(1892-1972)
魚心暖冬
56
福田恵一(1895-1956)
安養
1926
絹本着色
57
池田遙邨(1895-1988)
林丘寺
1926
絹本着色
58
金重陶陽(1896-1967)
一重切花入
1964
備前焼
59
猪原大華(1897-1980)
若桐
1927
絹本着色
209.0× 190.0
60
児玉希望(1898-1971)
暮春
絹本着彩
161.0× 164.6
61
桑田笹舟(1900-1989)
朝日いま
紙本墨書
115.0× 80.0
62
大島祥丘(1907-)
大山冬日
1987
紙本着色
93.0× 142.0
63
塩出英雄(1912-)
泉庭
1950
紙本着色
149.4× 444.8
64
宮本竹逕(1912-)
清水もて
紙本墨書
120.0× 151.0
65
村上三島(1912-)
論語の語
1988
紙本墨書
228.0× 53.0
66
藤本陶津(1914-)
白釉茶
1993
陶
10.3× 12.4
67
今井政之(1930-)
栄螺文志野釉四方皿
1993
陶
23.7× 24.0
68
井伏圭介(1930-)
布目象嵌鍛鉄接合花瓶
1994
鉄、象嵌
25.0× 25.0
69
白瀧幾之助(1873-1960)
帽子の婦人
1905-10ca. 油彩、カンヴァス
72.3× 53.0
70
満谷国四郎(1874-1936)
和装の女
油彩、カンヴァス
96.7× 31.5
71
寺松国太郎(1876-1943)
青苔斜陽
1933
油彩、カンヴァス
88.5× 63.7
油彩、カンヴァス
80.3× 60.6
油彩、カンヴァス
116.7× 91.0
油彩、カンヴァス
36.5× 55.0
油彩、カンヴァス
80.5× 100.0
1944
1936
47.0
紙本着色
99.3× 134.4
絹本着色
216.5× 165.5
絹本着色
147.7× 250.5
146.0× 142.0
20.0
72
赤松麟作(1878-1953)
裸婦
73
南薫造(1883-1950)
夏
1919
74
小林徳三郎(1884-1949)
室内のF氏
1945
75
小林和作(1888-1974)
秋山
76
須田国太郎(1891-1961)
冬の漁村
1937
油彩、カンヴァス
48.5× 59.7
77
北川民次(1894-1989)
女のつどい
1954
油彩、カンヴァス
112.0× 162.0
78
矢島堅土(1895-1973)
化粧裸婦
1936ca.
油彩、カンヴァス
51.1× 43.5
79
林武(1896-1975)
妻の像
1927
油彩、カンヴァス
90.9× 72.7
80
吉田卓(1897-1929)
自画像
1919
油彩、カンヴァス
33.0× 23.5
81
吉田卓
羽扇を持てる裸婦
1926
油彩、カンヴァス
90.0× 130.4
82
東郷青児(1897-1978)
星座の女
1944
油彩、カンヴァス
235.0× 89.0
83
山口長男(1902-1983)
堰形
1959
油彩、合板
183.0× 274.0
84
圓鍔勝三(1905-)
漁婦
1937
木
107.0× 135.0×40.0
85
村井正誠(1905-)
四つのパンチュールNo.2
1937
油彩、カンヴァス
86
吉原治良(1905-1972)
作品
1960
油彩、カンヴァス
90.0× 73.0
87
今井俊満(1928-)
シメール
1968
油彩、カンヴァス
130.0× 162.0
60.5× 71.0
88
野田弘志(1936-)
ガラスと骨¿
1990
油彩、アクリル下地、カンヴァス
146.0× 112.0
89
中川直人(1944-)
アフリカの女王
1982
アクリル、カンヴァス
150.0× 178.0
No.52 平櫛田中〈寿星〉
No.54 大村廣陽〈蓮池〉
No.73 南薫造〈夏〉
常設展示室第3室/イタリアを中心とするヨーロッパの20世紀美術
No. 作 家 名
作 品 名
制作年
材質技法
寸法(cm)
36
フィリッポ・パリッツィ(1818-1899) ザンポーニャ奏者
1862
油彩、カンヴァス
37
ジョヴァンニ・セガンティーニ(1858-1899)
婦人像
1883-84
油彩、カンヴァス
38
メダルド・ロッソ(1858-1928)
門番の女性
1883
ワックス、石膏
37.0× 30.0× 17.0
39
ジャコモ・バッラ(1871-1958)
輪を持つ女の子
1915
油彩、カンヴァス
51.0× 60.5
40
アンドレ・ドラン(1880-1954)
婦人像
1925
油彩、カンヴァス
61.0× 73.8
41
ウンベルト・ボッチォーニ(1882-1916) カフェの男の習作
1914
油彩、カンヴァス
58.0× 46.0
42
ソーニャ・ドローネー(1885-1979) 色彩のリズム
1953
油彩、カンヴァス
100.0× 220.0
43
クルト・シュヴィッタース(1887-1948) 抽象19(ヴェールを脱ぐ)
1918
油彩、厚紙
69.5× 49.8
44
ハンス・リヒター(1888-1975)
1917
油彩、カンヴァス
60.0× 47.0
45
ジョルジョ・デ・キリコ(1888-1978) 広場での二人の哲学者の遭遇
1972
油彩、カンヴァス
80.0× 60.0
46
ルチオ・フォンタナ(1899-1968)
空間概念−銀のヴェネツィア
1961
油彩、ガラス、カンヴァス
60.0× 50.0
47
ジュゼッペ・カポグロッシ(1900-1972)
表面
1960
油彩、カンヴァス
48
マリノ・マリーニ(1901-1980)
マッシモ・カンピーリの肖像
1942
ブロンズ
49
ジャコモ・マンズー(1908-1991)
肖像
1950
ブロンズ
50
エンリコ・カステッラーニ(1930-)
白い表面 n.1
1987
カンヴァス
ベルナスコーニ氏像
70.0
60.0
120.0× 87.0
114.0× 162.0
38.0
64.0
120.0× 150.0
現在 (1998年3月31日現在) 、ふくやま美術館は1,856点
(寄託作品を除く)の作品を所蔵しています。そのうち作家本人
およびその御遺族、あるいは篤志家から寄贈いただいた作品は
767点、福山市が購入した作品は1089点です。また、評価額
から言いますと、寄贈作品は約9億円、購入作品は約19億円に
なります。このように、美術館コレクションにとって寄贈作品
は質の上からも、数の上からも重要な位置を占めているのです。
(とくに10年前の開館直前においては寄贈作品は436点に対し、
購入は342点という状況でした。)
ふくやま美術館は10周年を迎えますが、美術館 ・ 博物館の歴
史は、日本においては120年余、西欧においては数世紀におよ
び、 10年というのは、まだほんの端緒にあるといえます。です
No.39 ジャコモ・バッラ〈輪を持つ女の子〉
から、わたしたちの責務は、この美術館をますます豊かで、夢
のある空間にし、これを発展させることにあります。そして、
この美術館をより活気あるものとし、21世紀の子どもたちへ贈
る貴重な文化遺産としたいものです。
No.41 ウンベルト・ボッチォーニ
〈カフェの男の習作〉
No.49 ジャコモ・マンズー〈肖像〉
No.45 ジョルジョ・デ・キリコ
〈広場での二人の哲学者の遭遇〉