月 報

『やまふみ』1・2月合併号
山岳クラブ
山岳クラブ/グーテンターク
クラブ グーテンターク(
グーテンターク(ドイツ語
ドイツ語 こんにちは)
こんにちは)
月
報
№197 2012
2012年
12年平成24
平成24年
24年2月5日発行山踏み
発行山踏み
会
長 /M.T
事務局長 /K.T
編
集 /S.T M.S T.S
冬の明星山(赤禿山より)
もくじ
2012新年の抱負・・・・・・・・・・・・・・・・1~3
山行報告(7/24~9/16)・・・・・・・・・・・・・・3~12
山行計画・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12~15
来月担当者&編集後記・・・・・・・・・・・・・・・・15
★11月
11月3~4日 伊豆・
伊豆・海金剛 「Super Rain」「
Rain」「Super
」「Super Triton」
Triton」 (個人山行)
個人山行)
CL:K SL:S(AWC2)
2011 年 11 月 3 日(文化の日)
西伊豆・波勝崎にある海金剛に行く機会に恵まれた。名前からしてカ
ッコイイが、岩も実際にかっこいい。雲見オートキャンプ場で1日 500
円の駐車料金を払い、管理棟前に駐車。
車道を下ること3、4分の大きくカーブする場所からアプローチ。「雲
見54番」と書かれた電信柱から左の踏み跡に入る。知らなければ、
まずわからない。
すぐ右手にあるミカン畑には入らない。さらに上に進むと、じきに水
平移動となる。気持ち下りながらの水平移動となるが、部分部分が
悪い。迷ったら、とりあえず下に向かう。3~40分も歩くと崩壊した岩
場に出る。ここは尾根に上がらず、下るのが正解。
小尾根を下っていくと、支点が整備された場所からロープを出して
懸垂下降。広場に出ると、そこが西岩壁の基部。岬のコルを越えると
正面壁だ。木にスリングが巻かれており、取り付きはすぐにわかっ
た。
1
『やまふみ』1・2月合併号
伊豆・海金剛 「Super Rain (7P・220m,5.10b)」
1P目(5.7、35m)は恒例により K、09:25 に登攀開始。アプローチの一部って感
じ。途中、カムで支点は幾らでも取れる。「フレーク手前でピッチを切る」とあった
ので、カム2つを使って支点を構築。
2P目(5.8、25m)は S。フレークからコーナーを登るとスラブ面に出て、下部を
トラバース。森のテラスに入り、懸垂ポイントを通過するとフェース基部へ出る。
3P目(5.9、35m)は K。フィンガー~ハンドのクラックを直上する。写真は3P
目の出だし。「ナッツがあるとよい」と聞いていたが、なるほど。
松の木から左上すると、枯れ木から右上するシンハンドへ。クラックが閉じてい
るブランクパートが多く、ナッツと TCU を固めて取り、ちょっとびびりながら右上。
薄かぶりの部分から再び左上するが、ここは支点も取れて容易。
1P目
4P目(5.10b、30m)は S。瑞牆グレードなら 5.8 とか 9 だと思う。でかい岩
が浮いていたりしてびびる。上部はトポでは「フィスト」とか書いてあったが、そ
りゃないでしょ。と思って新しいトポを見たら「オフィズス」になっていた。ともか
く、相棒が得意なパートでよかった。
5P目(5.10b、35m)は K。「先人クラック」と呼ばれる美しいフィンガー。小ハ
ングが2つほどあるが、クラックが発達しているので快適に登れて楽しいっ!
いよいよ、下部要塞だ。6P目(5.9、35m)は S で、ワイドから。フォローして
みると、見た目よりもカブっていてパワーを吸い取られた。
4P目
7P目(5.8、25m)は K。「出だしが核心」とあったがその通りで、フェースに
スタンスが乏しく、オフセットした面に足を張ってパワーと根性で乗り越えた。
ここまでノーテンで来ただけに、かなり焦った。あとは快適なカンテを登ると山
頂だ!お疲れ様~!
憧れのルートを自分たちの力で、しかも OS で登れて嬉しい。グレードはそ
れほど高くはないが、ビレー点の構築を含めてオール・ナチュプロ&オールフ
リーで登れるというのは素晴らしい!「大人気ルート」というのも頷ける素晴ら
しい1本であった!登攀終了、13:55。かなりのんびり登って4時間半の行程と
なった。
6P目
山頂に下降支点があり、7P目を下降。取り付きより少し下った右側の、ブッシュの近くに次の下降支点。
ここから6P目取り付きまで下降するが、ロープの回収がしづらかった。次からは4P目、2P目、基部まで飛ば
して下降可能(ロープは 50m ダブル)。最後の下降は1Pよりも左側のルンゼを下る。
16:50、雲見オートキャンプ場に帰着。松崎町の道の駅「花の三聖苑」にある「かじかの湯」で汗を流すことに
(年中無休、09:00~20:00、500 円)。アルカリ性単純温泉で、一日の疲れが癒される。
【携行ギア】
C4カム(~#3) 2セット+#3.5、小型ナッツ数本、TCU 1セットと、かなり過剰装備。実際にはC4は1セットあ
ったら足りたと思うが、支点構築にも2~3本は必要なので2セットあれば安心。#3.5 は1つは欲しい。小型ナッ
2
『やまふみ』1・2月合併号
ツはあった方が安心。
伊豆・海金剛 「Super Triton (5.10a 10P 250m)」
2011 年 11 月 4 日(金)
海金剛の2日目は、スーパー3部作の中では一番難しそうな「Super
Triton」へ。取り付きから崩落しており、悪そうだ。崩落があっても荷物が巻き
込まれないよう、入り江の海側に荷物を置いてロープを結び、出発。
1P目(80m?)は K。崩落上部まではコンテ。ろくにトポも見ずに、まっすぐ
大フレークを目指して登りはじめる。が、途中からボッロボロのスラブ帯 に。
持てば崩れ、乗れば崩れ、ろくに支点も取れずにランナウトとなる。ドンピシャ
でペツル2本の支点にたどり着くも、思ったよりも傾斜があり1P 目でぐったり。
トポを見れば「右上するバンドを登る」とあった。
2P目
2P目(5.7、35m)は S。支点から直上し、小ハングの左わきを登る。ブッシュの多いルンゼを登るが、ぼろぼ
ろと石が降ってきて苦労している様子だ。
フォローすると、S は岩小屋風のテラスにある木でビレーしていた。Super
Haruna の2P目終了点か?
3P目(5.8、25m)は K で、ルーフ基部から右側に伸びるクラックを登る。ここ
を越えると直上から左上するようになるが、案の定、ロープの流れが極めて
悪く苦戦を強いられる。
スラブに走るハンド~フィンガーを登るが、登れば登るほど屈曲したロープ
が重くなり、とうとうスラブのど真ん中でロープがスタック。たまたま右側に木
が生えていたので飛びついてピッチを切る。木があって助かった。
4P目(45m)は S。クラックはブッシュで埋まりつつあり、なんだか悪い。け
ど、そこはスラブが得意な S、はがれるホールドに苦労しながらもじわじわと
登っていく。「やば、堕ちるよ」とか言いながら、スラブからダブルダイノ風にブ
ッシュに飛びついた!
そして、本ルートのメインピッチである、5P目(5.10a、10m)「逆くの字クラ
ック」は K。意気揚々と取り付くも、苦手な斜上クラックだ。
なんとか体を上げて水平飛行になったところでスタンスがプアになり、引き
付けたままのプロテクションセットに難儀。終いには、焦ってカムが笛の紐に
絡まったりとセットに手間取り、涙のテンション。折角の花形ピッチなので一旦
ロワーし、S と代わる。
やっぱり、水平飛行に入ってから悪いみたいだ。そして、突っ込んだ。ん?
「がくん」と一旦堕ち、止まったと思ったらまた堕ちた。ベロンと指皮もって行か
れたらしい。
6P目はK。コーナークラックまでノーピンのトラバース、簡単。7P目はS。顕
著なコーナーだが、かぶっているしスタンスもプアでタイヘンそう。
3
5P目
『やまふみ』1・2月合併号
8P目は K。ごぼごぼしたアルパインチックなフェイスを右上。途中に大きなフレークがあったが、大きいカムを
置いてきたのでノープロで突っ込む。
9P目(5.8、40m)は S。コーナーのダブルクラックを登り、バンドから傾斜のゆるいクラックを左上する。波と風
の音が強くて、声どころか笛の音も届かない。
10P目は K。時間もおしていたので、途中から山頂を目指さずに上部要塞のテラスに入り下降することに。が!
すっかり忘れていたが、Super Rainの最終ピッチ取り付きからは懸垂できないのであった。ここは、いっそのこ
と山頂まで登ったほうがよかったってことだ。懸垂下降を繰り返す。ロープを回収し、ザックを置いた場所に戻る
頃には、完全に陽が沈んでしまった。ヘッドランプを装着し、慎重に登り返す。
真っ暗な中でわかりづらいアプローチを帰ることができるか心配であったが、なんとか帰着!初日に Super
Rain を登って下降路を確認できていたのは大きい。
雲見温泉にある民宿「番上屋」に寄る。結構しょっぱい「カルシウム・ナトリウム・塩化物温泉」で傷口がしみた
ものの、疲れが取れる感じがしてGood!700円ではあったが、平日なため貸切状態だったし、湯上りに自家製
うめぼしや黒ウーロン茶まで頂けて満足!
海からそそり立つ海金剛。景色もさることながら、海の幸もたまらない。グレード的には不動沢よりは甘いが、
確実なプロテクション技術が不可欠。技術的には湯川の 10a~b 程度のハンド~フィンガー、不動沢の前絵星
辺りをリードできればOKと思われる。ピッチが長いこと、暖かいとマムシが多いことから、限られた時間の中で
の登攀が強いられるため、余裕を持った行動が必要。
ルートとしては、やはり Super Rain が岩も安定していて面白い!ぜひトライいただきたい1本である。
(K:記)
★11月
11月27日
27日(日)
火打山
CL T.M N.T M.S A.M S.T
7:30 笹ヶ峰出発 11:30 高谷池ヒュッテ 13:00(2150m付近)折り返し 16:30 笹ヶ峰
大幅に松本組が遅刻し出発となる。昨年も来たが、そ
の時より雪が多いように感じられた。この 1 週間の寒波
で雪がかなり降ったらしい。黒沢を渡るまでは傾斜も緩く、
淡々と歩く。黒沢を渡ると、ここからが急登。久し振りの
登山は体に応える。息が切れるな~。富士見平から
徐々に雪が多くなり、本格的にラッセルが始まる。交代
で行なうが高谷池が遠く感じた。“まだ?”のくり返し。高
谷池で一休みして、時間的に頂上までは無理ということ
になる。11 月は日没が早く 5 時前には暗くなる。日が暮
れるまでに降りることを考えて、行けるところまで行って
引き返すことにした。ここからまた雪が深く、つぼ足の私
はハマる。まだそんなに雪はないだろうという判断で、M
さんと S さんの二人だけがワカンを持って来ていたので、ワカンをつけた二人に途中で交代し、ラッセルお願い
する。天狗の庭を超えて、稜線にでたところで、タイムリミット。どうせ頂上まで行けないなら、無理して先に進む
4
『やまふみ』1・2月合併号
理由もないということで早々に下山開始。再び高谷池で大休憩をして、日の暮れる前に何とか下山して終了。今
回の火打山は、年末の塩見、年明けの天狗尾根につなげていくためのトレーニングとして参加。冬山に行きた
いと思う方は、できる限りこの時期に、冬靴を慣らす意味でも、参加してほしいな~と思います。
【追記】昨年も火打山登山行い、以下記録。
笹ヶ峰 7:00 高谷池ヒュッテ 9:50~10:10 火打山頂上 12:30 高谷池ヒュッテ 14:10~14:40
やはり富士見平~高谷池までのラッセルが、昨年より 1 時間ほど多く要している。
笹ヶ峰 17:00
T 記
★12月
12月10日
10日(土)~11
)~11日
11日(日)
雪上訓練、
雪上訓練、(忘年会、
忘年会、スキー講習会
スキー講習会)
講習会)
参加者:T、K、S、H、I、K、M、S
CL K、S
天気:晴れ
毎年恒例の雪上訓練兼忘年会。
ひまわりに7時集合。天気は良いが今年は雪が少なめでスキー場関係者はリフトを動かすか多少迷ってい
たとのこと。ゴンドラで上がると膝ぐらいまでの雪、リフトも稼動しスキーヤーは気持ちよさそうに滑っています。
講義開始。まずは準備関係です。ハーネスなどの準備をしていると早速講師から一言、本番では建物の中で準
備できない、また素手でできないこともよくあるので手袋をしたままで準備とのこと。
服装は、絶対汗をかかないような配慮が必要。着すぎてもいけないし、風の有無で体感温度が大きく変わる
ので、どのような生地の服を着るか。ホイッスルは金属だと唇に張り付いてしまう。また、すぐに使えるようにヘ
ルメットからつるすことも良い。シュリンゲは極力短くしておかないと、雪がつきいざというときに使えない。メガ
ネは紫外線が直接目に当たらないよう顔とめがねの隙間が小さいタイプがよい・・・・などなど、はじめて参加し
た私には、全てが新鮮でとても勉強になります。
急斜面でのピッケルの使い方、アイゼン歩行。私は早速アイゼンでスパッツに穴を開けてしまいました。尾根
で転倒したら、即滑落につながります。雪山ではアイゼンを意識した絶対に転ばない歩き方がとても重要です。
その後、歩行訓練も兼ね遠見尾根のケルンの近くまで上がりビーコンの操作を行いました。まず、ビーコンの電
波の届く範囲を確認。以外なのは、機種にもよりますが思ったほど遠くまで電波が届かないことです。大体10
~20mぐらいです。雪に埋もれたときは更に距離が短くなります。チームに分かれ、ザックに入れたビーコンを
探す訓練も行いましたが、いかに早く広い範囲を探すか事前の練習はとても重要だと思いました。
講習は4時頃まで行われ内容はとても充実しており毎年おこなうべきだと思います。
その後はひまわりでおいしいお酒・料理・話で盛りあがったことはいうまでもありません。
講師をしていただいたひまわりのオーナーの T さんには大変お世話になりました。ありがとうございました。
By S
★12月
12月 18日(日)
霧訪山
登り90分下
90分下り
分下り60 分
Y.U
里山三弾は塩尻市民の山らしい。たくさんの人に会った。
長野から塩尻市両小野中学校めざす。塩尻インターをおりていくとどうも来た記憶がある。途中で昨年孫とき
たチロルの森への道と同じであることが分かる。中学校の近くに大きな案内看板があり霧訪山登山口の小さな
案内板があった。裏にまわるとつぎつぎに案内板があり駐車場につく。いきなり金属製の階段がつづく。寒くて
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『やまふみ』1・2月合併号
体が硬いのでゆっくり登る。ここは茸の山であり最初から最後までロープが張られていた。しつこいほどに茸を
とると罰金をとりますという看板があった。40 分で高圧線にでる。かっとり城址とある。ということは昔城があっ
たということ?武田信玄の本には出ているかもしれない。階段が終わり落ち葉と雪がある道をたどる。松の木
が両側に生えているがひょろひょろして細く長い松なので茸生えるのかな。ところどころ木の名前が記されてい
る。休んでいるとおっちゃんが登ってきて親しく話しかけられる。コレステルールが高いので山登りをしているら
しい。ゆっくり登っていると頂上まで 20 分あたりから雪がかなり付ていたので弱ったなと思うが引き返すのもも
ったいないと思い慎重に登る。頂上は眺めが良いがまずいことに楽しみにしていたおにぎりを車の中に置いて
きてしまった。なんてドジ! 常念が大きく見えた。松本からみるのとだいぶ違う。反対側から来た人がいるが
そちらはもっと雪が着いていた。早々にくだる。猛烈に腹が減ってきた。しかし下りの雪が怖いが幸いに鎖とロ
ープを使ってなんとか下る。あっという間に下るはずが足が重くて時間がかかる。駐車場についておにぎりを食
べて一休み。帰りはかもしかに寄りたかったが時間に余裕がなくあきらめて家路を急ぐ。
★12月
12月23日
23日(金)~25
)~25日
25日(日)
塩見岳
CL T、S、S
1日目:松本合庁 05:00 =鳥倉林道(1630m) 08:50 -豊倉登山口 09:30 -三伏峠小屋13:30
-本谷山手前のピーク 14:00
2日目:幕場6:20―塩見岳9:40―三伏峠小屋15:00
3日目:三伏峠小屋7:00―豊倉登山口9:00―鳥倉林道9:40
1日目:天気・晴れ
今年はこの時期にしては雪があまり降っていない、塩見岳
はどうだろうと思いながら林道登り口につくと、やはり雪はほ
とんどない。車は私たちも入れて3台のみで人もあまり入って
いないようだ。
舗装された林道を40分ほど歩くと豊倉登山口。そこから1時
間もあるかないうちに登山道からは雪がなくなってしまった。
尾根をみるとほとんど雪がないようだ。風もなく暖かいためオ
ーバーウェアは着ていられない。ようやく標高 2000mぐらい
から膝ぐらいまで雪がある。もちろんラッセルはないためコー
スタイムど
おりのペースで登ることができた。
明日は塩見岳まで結構距離があるので、三伏峠小屋にテ
ントを張らずいけるところまで進む。今回は雪が少ないため
水用の雪も集めるのに苦労した。ピークにテントを張ったた
め、景色がすばらしい。夕方の飯田市街地の夜景や、星空が
とても美しい。雪山にひかれる理由のひとつだと思う。今回は
冬山用の装備が不十分だった。エアーマットがキャンプ用の
だったため、寒さで穴が開きつぶれてしまい夜は寒くて眠れ
なかった、装備はしっかりそろえるべきと反省。
2日目:天気・晴れのち雪
塩見岳ピストンのため荷物は軽い。明るくなってから歩き始める。尾根でも雪は少なく、トレースもついている
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『やまふみ』1・2月合併号
ため普通の速度で歩ける。岩場のアイゼン歩行がはじめてな私はかなり
緊張してしまい、前を歩くS さんに近づきすぎ注意されることも。樹林帯か
ら出ると風が強くなり、いきなりものすごい寒さに。ピッケルを持つ手は痛
いほど。冬山とはこういうものかと、気を引き締める。塩見小屋で先行パ
ーティーが降りてきた。早いと思っていたが、今日中に下山するようだっ
た。
ピークに到着し北岳などがみごとに見渡せる。素晴らしい景色だ。
午後から天気が崩れそうなので、休憩もそこそこに戻る。テント場には結
構早く着いたため、明日の下山を考え三伏小屋までもどることとした。小
屋ではテントをどこに張るか迷ったが、私のエアーマットが使えないこと
も考慮してもらい、小屋に張る。小屋内はきれいでござもひかれており。
快適である。静岡から
きた単独のひとは、小
屋の中は暖かいのに
なぜテントを張るのかと言っていたが、私のような年齢では
やはりテントを張ると暖かく快適である。トイレも冬用に1つ開
放されている。
3日目:天気・曇りのち晴れ
快適な夜を過ごし、朝7時に出発。雪が少ないため、2時間
で登山口林道に9:40分着。あっというまに下山したが私の
初冬山としては、いろいろ勉強になりました。
By S
★ 12月
12月23日
23日
戸隠
L S H T K
奥社 P6:00 胸突き岩 13:00 奥社 P15:30
先週の飯綱に続いて、わかん&アイゼンを使うような冬山に初めて入る。今年夏に一度登っている戸隠、雪
がつくとどう変わるのだろう?とわくわくしながら奥社Pを出発する。奥社までは雪が踏まれているようで快適に
歩ける。奥社を過ぎ傾斜が出てくるようになると、段々雪が深くなってきて歩きにくいようになる。しばらく歩いて
わかんを付けることにする。わかんを付けて歩くのも、ラッセルをするのも初めての経験。雪が崩れていきうま
く進めない。全然前に進まないのに、無駄に体力だけ消耗していくような感じがする。雪って難しですね。ちっと
も進んでいかないので、早々に先頭交代、後ろからついていくが、それでも苦労する。(ラッセルも練習が必要
だ…)。その後、百軒長屋を過ぎてから、わかんを外し、岩場をピッケルとアイゼンで進んでいく。夏に来た時は
さほどこわいと思わなかったような岩場も雪がついてるとこわさが増します。こわいので鎖にピッケルを刺して
手がかりにして登っていく。これは大変楽、でも後で L にそんなことして登ってどうする。と怒られました。確か
に鎖のない岩場でこんなことできませんからね…。そうして反則のようなことをしながら、何とか胸突き岩までた
どり着く。ここは S さんにリードしてロープを張ってもらい、あとはプルージックでフォローする。そうして岩場を登
り切るといよいよ目の前には蟻の戸わたりが…、が戸わたりは渡らず引き返す。八方にらみまではいけなかっ
たけど。ここまでで結構楽しめた感じでした。八方にらみはまたの目標に。リーダー、メンバーのみなさんあり
がとうございました。
カタカナ 記
7
『やまふみ』1・2月合併号
★1月14日
14日(土)~15
)~15日
15日(日) 八ヶ岳・赤岳天狗尾根
L S.T SL M.S N.T
1日目:晴れ 美しの森P8:00~出合小屋 11:00~天狗尾根取付 11:30~テン場(2250m付近) 14:00
林道歩きを少しでも減らしたかったけど林道ゲートが閉鎖されていたので予定通り美しの森Pに車を置いて
歩き出した。2時間近く林道を進むと河原に出た。そこから8つほど堰堤を越えながら進む。はしごが壊れそうで
ちょっと怖い。そして出合小屋に到着。とても快適そうな小屋だった。一休みして赤岳沢方面へ向かう。すぐに天
狗尾根の取付を発見。尾根の右側の急な沢筋をつめることにした。ここからは雪が深そうなのでワカンを付け
た。でも雪が深かったのは出だしの藪の中だけであとは少なかった。でも外すのが面倒なのでそのまま進んだ。
1か所ナイフリッジがあったのでそこだけはワカンのままで怖かった。2100m付近の最初のテン場を到着。も
っと良い場所があるか S さんが偵察に出ると少し上にとても快適そうなテン場を発見。誰もが泊まりたくなるよう
な素敵なテン場だったけど、「快適さを追求しちゃダメ!少しでも前に進む!」という姐さんの一言で却下。225
0m付近で次のテン場発見。まだ時間は早かったけどここに幕営することにした。事前に2日目が厳しので軽量
化するように、というお達しが姐さんから出ていた。何を削ろうか考えた結果、「テルモス」は贅沢だろうと持って
いかなかったが、これが後で死ぬほど後悔することになるとはまだ気付かない俺である。テントで休んでいても
暇なので、明日暗いうちに出発することを考えると普通は偵察に行くものである。姐さん「ちょっとトレースでも付
けに行こうか?」、S さんと俺「どうぞよろしく(ぺこり)」。もう根っこが生えてしまってテントから出る気はさらさら
ない男衆。ぶつくさ文句言いながらも姐さんが偵察に出た。25分ほど登ってもまだカニのハサミが見えなくて帰
ってきた。やはりもう少し先に進んでおくべきだったか?ただ夜は風がすごく強かったので樹林帯の中で泊まっ
たのは正解だった。暇なので早めに夕飯を食べて7時過ぎにはシュラフに入った。
2日目:晴れ(強風) テン場出発 6:00~カニのハサミ(2470m)7:00~小岩峰 9:00~大天狗岩 10::00~稜線
10:50~キレット小屋 12:00~ツルネ 13:00~15:20 出合小屋 16:00~美しの森P17:40
夜中は風の音がすごかったけどテントはそれほど揺れ
なかった。アイゼンとハーネスとヘッデンを付けて予定より
少し遅れて6時に出発する。せっかく昨日付けたトレースが
風に吹き飛ばされてほとんど残っていない。出だしから急
坂で息が上がる。明るくなって樹林帯を抜けるとカニのハ
サミが見えた。ここからが登攀ですよ、というスタートポイ
ントみたいなものだ。カニのハサミは左側を大股一歩分だ
け緊張しながら回り込む。そして10mの小岸壁で最初の
ザイル出す。姐さんがリードで俺はセカンドをアセンダーで
カニの
カニのハサミ
登らせて
大天狗と
大天狗と小岩峰
もらう。特に難しい訳ではないけど確保されていないと怖い。
登るとすぐに右の草付をトラバースする古いフィックスロープ
が見えた。S さんが登る間に先に進むことにした。プルージッ
クをセットして3mほど行くとロープに毛玉?が付いている。
良く見ると表皮が完全にむけて中の細い芯が5~6本つなが
っているだけだ。テンション掛けたら即切断だ。ビビりながら
ゆっくり戻った。ここは S さんがリードした。途中から細いリッ
ジへ続いている。ちょっと悪そうだ。ただ古いフィックスのお陰
でルートは分かる。そのためのフィックスかもしれない。ここ
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『やまふみ』1・2月合併号
もアセンダーで登った。ビレー点が狭いので安全なとこま
で行くように言われたけど、安全な場所なんてどこにも無
いので先に進むことにした。トレースも無いのでラッセルで
急坂を蹴り上がる。第2岩峰の手前のテラスまで行き待ち
ながら水を飲もうとしたら、プラティパスが凍りかけている。
ま、まずい。シャカシャカ振って飲めるだけ飲んだけどこれ
が最後の水になってしまった。まだ1.5リットルもあるのに。
第2岩峰は左から巻きたくなるような感じだったけどガイド
通り直登ルートを選んで正解。ノーザイルで越えた。さらに
小岩峰を右から巻いて大天狗基部のテラスに到着。ここか
らが核心だ。まだ新しいハーケンが残っていたのでそこか
ら姐さんがリードした。かなり悪そうで苦戦している。フリークライミング並みだよとこぼしていた。ここはアセン
ダーで登れそうもないのでビレーしてもらう。確かにホールドが少なくてピッケルで引っかけながら登ったが、絶
対に落ちたらいけないアルパインで今日はじめてテンションを掛けてしまう。ワンテンでなんとか切り抜けてそ
の先に右へ巻くバンドがあったので偵察に行く。その先は小天狗へのリッジが続くが風がものすごく強くて飛ば
されそうになった。でもここからはザイルが無くてもよさそうなのでここでザイルをしまった。小天狗まで行くと稜
線の縦走路を歩く登山者が見えた。そして登山道の鎖が見えて天狗尾根は終了した。振り返ると天狗の岩峰、
そして雲海の富士山が綺麗だった。風は強いしこの先の行程も長いので赤岳は今回パス。権現岳方面へ向か
う。ザレた道を慎重に下る。さっき赤岳に向かった単独の人のトレースがあったので楽だ。キレット小屋で休憩
した。水はあるけど飲めないのでテルモスのお湯を少し分けてもらった。ここからツルネまでは登り返しでしか
もトレースが消えていてラッセルがきつかった。ツルネからは東稜を下る。2か所間違えやすい支尾根があって、
とにかく左に行くように言われていたので確認しながら進ん
終了点
だ。ツルネ東稜も一応アルパインルートらしいけど赤テープ
の目印が過不足なくしっかり付いていた。支尾根の分岐には
看板まである。おまえは一般登山道か!とツッコミを入れたく
なるような歩きやすいルートだった。河原まで下ると大きな岩
に「ツルネ東稜」とデカデカと書かれていた。河原は石がゴロ
ゴロで雪の下の石をアイゼンで踏むとこけそうになって歩き
にくい。出合小屋で最後の休憩をして装備を外した。ヘッデン
の電池も交換した。暗くなるまえに林道に出たかったので急
ぐことにした。そして最後の林道が長いこと。結局ヘッデン下
山になった。長い一日でくたくたになったけど楽しい山行でし
た。それとテルモスは忘れずに。
T 記
大天狗の
大天狗の登り
★1月15日
15日(日) 根子岳スキー
根子岳スキー
L M
I
K
K
奥ダボスゲレンデトップ9:00
根子岳山頂11:00~12:00
駐車場13:00
人生で2回目となる山スキー、昨年痛い目に逢い、同行したメンバーを待たせ迷惑を掛けまくった根子岳にリ
ベンジにやってきた。スキーの板を新調し、練習を積み?期待と不安を胸に抱きながらいざ出発!登りは昨年
と大差なく、先行する M さん K さんのペースにはついていけないが、ある程度までの傾斜ならシールを利かせ
て順調に登っていける。天気がいいおかげで登ってる最中はすこぶる暑い、メガネが曇りまくりで前が見えない。
9
『やまふみ』1・2月合併号
頂上直下までは順調にたどりつくが、このあたりから傾斜がきつくなってくる、急登でシールが効かせられず、
ズルズルと滑り落ちて行く…、去年の苦い記憶がよみがえる…が、今年は M さんに先導してもらい、傾斜の緩
いところにコースをとり何とか自力で登り切る。
11:00 ごろにはピークに到着、ここでまだ時間が早いので反対斜面を一度下って、もう一度登り返して来よう、
なることを L が言い出す。そして反対斜面の方へ歩いていくが、その斜面をみて私は即「無理!」と自己判断を
下す。「行くなら私はここで待ってます。みなさん行ってらっしゃい。」とそうそうにピークに向かって引き返す。
(本気でみんなが行ったら、待ってるつもりでした。)結局みんな行かず、ピーク近くの木の陰でお昼タイムを取
り、その後下りの準備を整える。
いよいよ山スキーの本番、昨年は散々だった下りの滑走である。雪的には昨年と大差なし?むしろ今年の方
が少なくてところどころ笹が隠れていない?笹の上に薄く雪のかぶった落とし穴状態?といった感じがしました。
去年のいやな思い出を振り払い、先週の S さんとのゲレンデ練習を思い出しながら滑りだしました。はじめのう
ちは新雪にスキーが埋まっていき、うまくコントロールができないが、滑って行くうちに何とか自分で修正してい
くことができる。数回は転んでしまったけど、去年よりも早く、順調に滑ることができる。(去年の当人比、当然周
りのメンバーよりは遅い)そして、何より超楽しい!(去年はしんどかったのに…、)山スキー2 回目にして、山ス
キーの楽しさを知ることができました。みなさんありがとうございました。感謝
感謝!
感謝!
カタカナ記
★ 1月16日
16日(月)
根子岳スキー
根子岳スキー
(個人山行)
個人山行)
J.K
11 月より血圧高め? 不整脈&動悸症状で、多雪山スキー絶好年なのに自重気味。年明けていくらか良くなっ
たが、15 日例会根子山行でメンバーの足を引っ張ってはいけないと 16 日に単独で決行。
奥ダボスリフト上(9:00)→根子岳(10:50~11:10)~~~→駐車場(12:00)
風なく天気高曇りのまずまずの条件。8 時頃 P に着いてしまうが、リフト可動 8:30 がかなり遅れ、リフト上 9:00
発となる。入山は自分のみ。軽い新雪の台地を進む。去年あった風力発電のための基礎データー観測櫓は撤
去されていた。行けるところまでという積りだったが、心臓はなから良さそうだったので休まず山頂まで。但し、
体力低下・運動不足で後半は立ち止りながらのアルバイトとなった。時々弱雪の笹の下に落ち込む。直下の急
ガリーで右シール外れ、片ツボ足で山頂へ。Col-tex のシールはやはり粘着力が弱くダメだ。
浅間~四阿~北アを眺めながら休憩し、出発。米子崩壊カルデラへ吹き抜ける風のためにガリガリとなった樹
林下の斜面を北にトラバースする。2100m 辺りから目指す尾根に向かって滑降。ここまで来るとパウダーとな
り、後傾気味になりながらも気持ち良く回転。足に疲労がたまるが休みながら順調に滑降を続ける。いつもの地
点でバラ線を二か所乗っ越し、高速で飛ばし放牧場/ゴルフ場のゲートを抜けてあと僅か。何度も来ているのに
ここで右に行き過ぎて最後のバラ線・樹林帯を抜けるポイントを間違い、時間ロス。50 分かかって P 到着。
K さんのおまけコーナー
さんのおまけコーナー(
コーナー(初めての方
めての方へのアドバイス
へのアドバイス)
アドバイス)
・登りルートには指導標が多数立っているのでガスっていても迷うことはない。
・山頂へは 2180m 辺りの樹林下を巻いてしまう方がよい。滑降も同様。水平気味トラバースが楽。下り過ぎてし
まうと滑降台地に登り返しとなる。南の沢下りなら可。
・滑降コースは色々あるだろうが、登行尾根の南対岸台地尾根が良いだろう。上から見て台地左突端の岩が目
印。
・岩から右手の凹地に入る。100m 位下ると最初のバラ線。初トレースの折知らずに突っ込み、引っ掛かっても
んどりうち、新品のオーバーズボンを引き裂いてしまったことがある。要注意。
・バラ線を越えたら疎林を左にトラバースして下ると直ぐ二番目のバラ線となる。
・ここからは広大な緩斜面を真っ直ぐ直滑降。歓声を上げて滑ろう! (^.^)/~~~
・牧柵ゲートを抜けたら正面左手の松方面へ下る。
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『やまふみ』1・2月合併号
・バラ線最低地点から幅 20m の樹林を抜けてグリーンに出たら右にトラバース。小沢を渡って直滑降で P 到
着。
* 編集後記*
年も明けた!正月に甥っ子達と海の近くの公園に凧揚げに行った。目を離したすきに、凧が 15m 近くある木の
末端に絡み付いてしまった。たまたま、前日にクライミングに行ったので、クライミング道具が車の中に入ってい
るのに気づき、プリクリ棒をだして試してみたが、予想以上に高く、全く届かない。で検討し、ここでクライミング
道具登場。二人でハーネス装着、ビレー確保で、枝にランニングビレイを取りながらの行けるところまで行くこと
に。結果的には無理であったが、まさかこんな公園の木で、クライミングをするとは思わなかった…
/てら
後記ネタが浮かばず、旦那が No.225 だった頃の 1990 年代からの「やまふみ」を見る事に。当時 B5 版で写真
の少なかった時代から徐々に現在の A4 へと移行していく…筈が?私の入会当時、まだ旦那は在籍していた筈
なのに 3 年分程欠落している。聞けば「捨てた」!?なに~!?しかも再入会後も捨て続けていたΣ(`0´*) どんだ
け苦労して編集してると思っとんじゃあ!!原稿請求・書式変換・画像編集・レイアウト調整・余白削減 etc…
まぁ Word が使いこなせる様になったので感謝していますョ
/み
正月に伊勢志摩へ旅行したのだが、病み上がりのダンナの復帰にせめて軽い里山でもと選んだのが今年の干
支を含む「龍仙山」。五ヶ所湾を望む展望の素晴らしい山でした。けれど、ちょっと欲をだして縦走コースを廻っ
たところ、紛らわしい道標に騙され違う尾根へ。道が消えたとたん、すごい勢いで藪の中へルートを探しに駆け
てったダンナに唖然。なんだ、歩けるんじゃん。お陰で、戻るのに一時間登り返し、結局あまり軽くない山行でし
た。
/とっこ
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