2006/11 1755号 - 山口県医師会

2006
平成 18 年
11 月号
No.1755
秋彩
Topics
第 2 回郡市医師会長会議
渡辺惠幸
撮
山口県医師会報
平成 18 年 11 月
第 1755 号
Contents
●郡市医師会長インタビュー⑦ 「 美祢市医師会長」……………………………… 997
●今月の視点「医師確保対策について」……………………………… 佐々木 1000
山
口
県
医
師
会
報
996
●専門医会シリーズ⑦ 「 山口臨床泌尿器科医会 」 ……………………………… 1002
●第 2 回郡市医師会長会議 ……………………………………………………… 1004
●第 2 回男女共同参画フォーラム ………………………………………田中豊
1012
●糖尿病対策推進委員会…………………………………………………… 田中豊 1015
●県民対象の AED 心肺蘇生法講習会 …………………………………… 弘山 1018
●第 22 回全国医師会共同利用施設総会 …………………… 西村・田中豊・福山 1020
●第 28 回産業保健活動推進全国会議 …………………………………… 小田 1030
●郡市医師会介護保険担当理事協議会………………………………… 田中義 1038
●郡市医師会医療廃棄物担当理事協議会………………………………… 西村 1047
●第 64 回山口県医謡大会 ……………………………………………………… 1050
●山口県医師会ゴルフ大会……………………………………………………… 1052
●郡市医師会妊産婦・乳幼児保健担当理事協議会・関係者合同会議…… 濱本 1054
●郡市医師会学校保健担当理事協議会・関係者合同会議 ……………… 田中義 1060
●県医師会の動き…………………………………………………………… 三浦 1064
●第 11 回・第 12 回理事会 …………………………………………………… 1066
●いしの声…………………………………………………………………… 松岡 1070
●飄々「堀病院事件で露呈した産科医療の問題点 」 …………………… 渡木 1078
転載コーナー ●私の意見 大学勤務医からの開業医への変身 ……… 埼玉県医師会誌 1072
●休日在宅当番医雑感 ……………………………………… 柳井医師会報 1074
●日常診療雑感 ……………………………………………… 柳井医師会報 1076
●日医 FAX ニュース …………………………………………………………………………1084
●お知らせ・ご案内……………………………………………………………………………1082
●編集後記………………………………………………………………………………弘山
1085
山口県医師会報
平成 18 年 11 月
第 1755 号
郡市医師会長 インタビュー
第7回
美祢市医師会長 白 井 文 夫 先生
と き 平成 18 年 9 月 28 日(木)
ところ 山口県医師会館
[聞き手:堀 哲 二 広報委員]
堀:本日はこの 4 月から新しく美祢市医師会長
祢市立病院の院長、副院長、勤務医を合わせ 16
になられました白井文夫先生にインタビューをし
名です。活動状況は少人数所帯のため、理事会、
たいと思います。まず、美祢市医師会の歴史、現
総会、年末の懇親会が主なものです。山口県医師
況についてご紹介をお願いいたします。
会館、健康福祉センター、行政機関などへの出務
は各 A 会員に依頼して協力をお願いしています。
白井会長:美祢市は昭和 29 年に発足した市であ
りまして、美祢郡より派生しております。しか
堀:それでは新会長になられての抱負についてお
し、医師会の歴史が確認できる資料が現存してお
話をいただけますか。
らず、発足および経過などの根拠を呈示できませ
ん。美祢郡医師会長にも問い合わせてみましたが、
白井会長:事務局ができたばかりで、この運営を
参考になるようなものはないようです。山口県医
経済面をも踏まえ継続していかなくてはなりませ
師会の図書室に行って調べましたが、昭和 57 年
んが、会員各位の意見を集約して、県医師会へ関
以降の医師会長、副会長の記載しかありませんで
与していく所存です。私は継承開業して 16 年に
した。
なりますが、医療費改正で喜ばしいことがあった
現況についてですが、今までは美祢市医師会事
かどうか記憶にないほど惨憺たるものです。まだ
務局は医師会長宅に引き継がれておりました。今
この傾向が続くかと思うと前途多難です。やはり
年 4 月より、医師会長の事務負担の軽減を図る
医政を通じて主張していかねばならないと思いま
ため、事務局を美祢市のほぼ中央にあるテナント
す。そのためにも来年度の参議院選挙などに対し
ビルを賃貸し独立運営するようにいたしました。
て明確なる指針を示さなくてはならないと思いま
おかげで各会員への事務連絡などの仕事が格段に
す。
楽になり、総会、理事会などの会場の借用に奔走
の必要もなくなることが予想され大変感謝してい
堀:美祢市医師会員は非常に少数ですが、少ない
ます。現在 A 会員は 11 名、最高齢 72 歳で最年
会員数での医師会運営上問題点がありましたら、
少は 37 歳、平均年齢は 55 歳です。B 会員は美
お願いします。
997
平成 18 年 11 月
山口県医師会報
第 1755 号
白井:やはり経済面でしょう。会費を高くするわ
が、先生のところでも大変ですね。ところで今、
けにも行きませんから、市からの委託業務の謝金
平成の大合併ということで、市町村合併が行われ
を医師会会計に全額入れて運営しています。これ
ていますが、美祢市、美祢郡も例外ではないと思
からの運営資金の先行きは事務局を新規に創設し
います。山陽小野田市のように一つの市に二つの
たばかりでわからないのが実情ですが破綻しない
医師会が存在するところもありますが、先生はど
ように気を引き締めていく所存です。会員数が少
うお考えですか。
ないことでまとまりがよく、重要な会議はほとん
どの会員が出席してくれますから、今後もそれほ
白井会長:行政サイドでの合併の話し合いは以前
ど苦労はないと思います。
からありましたが、このたび合併協議会が再度開
催されたばかりです。現在のところ平成 20 年 3
堀:会員が少ないとのことですが、眼科、皮膚科、
月 21 日に合併する予定です。医療面での対応で
耳鼻科などの救急医療についてはどのような状況
は、すでに介護保険審査会は美祢郡と一緒に協議
でしょうか。
され問題なく運営されています。
医師会の関係でも、以前より学術講演会等は共
白井会長:眼科、皮膚科、耳鼻科の会員はいませ
催していて交流はありますから、もし行政の合併
ん。特殊な科といえば、脳神経外科でして、ほと
が実現したら医師会も合併の方向で進むと思いま
んどが内科です。
小児科の専門も一人おられます。
す。現在のところ反対の意見は聞かれません。厚
救急医療においては美祢市立病院や近郊の総合病
狭郡と山陽小野田市、下関市と豊浦郡の合併状況
院、大学病院にお世話になっています。
を参考にしたいと思います。
堀:救急医療は各医師会でも問題となっています
堀:行政区が合併しても順調に行くということで
998
平成 18 年 11 月
山口県医師会報
第 1755 号
すね。それでは先生から県医、他の郡市医師会、
会員の方々へのご要望がございましたらお願いし
対談を終わって・・・
ます。
聞き手の不手際で、最初緊張しておられた
が、インタビュー後は、打ち解けた感じで雑
白井会長:他の医師会に取り残されないよう、ご
支援ご指導、ご助言をお願いいたします。各郡市
医師会雑誌も大変参考になることが多く、医師会
員に回覧で見てもらい大変重宝しています。
堀:それでは最後に先生のご趣味、信条について
教えていただけないでしょうか。
談となり、白井会長は温厚で几帳面な方とい
う印象を受けた。
白井会長は美祢市医師会の現状を的確に把
握されており、合併問題、経済問題に対して
も、充分実力を発揮され、今後の美祢市医師
会の発展に貢献されるものと思う。
白井:信条、座右の銘などに関しては、頭に浮か
ぶものはほぼ言い尽くされていて自信を持ってこ
たえられるものではありませんが、あえて言えば
「健康に勝るものなし」です。地域主催の軽スポ
ーツ教室に参加をしてみたいのですが、時間的に
余裕がありませんでした。開業当初は市立病院の
ゴルフコンペに時々参加していましたが、ゴルフ
部長が退職されまして、以後ゴルフバッグは封印
のままです。
現在の日課は愛犬 ( ゴールデンレトリバー ) の
散歩でして、早朝誰もいない農道をかなり歩きよ
い運動をさせてもらっています。2 年前までは朝
は診療 30 分前まで寝ていましたが、最近 5 時前
から犬に起こされるようになり、夜更かしもつら
くなってきました。おかげで朝の自由時間が長く
なり、仕事前に体を動かすことの重要性を認識す
る毎日です。
堀:健康が第一ということですね。今日はご多
忙のところまた郡市医師会長会議でお疲れのとこ
ろ、どうもありがとうございました。
999
山口県医師会報
平成 18 年 11 月
第 1755 号
今
今月
月の
の視
視点
点
医師確保対策について
常任理事
佐々木美典
はじめに
を立ち上げること、専門医会との協議などを行っ
このところ療養病床の再編により追い出され
た。勤務医部門では新たに臨床研修運営協議会を
る慢性期入院患者の受け皿の問題、新臨床研修制
設置し、研修医・医学部学生・指導医・教授を交
度によって深刻化した医師不足問題、入院基本料
えて意見交換を行った。地域医療部門では地域医
の変更(看護師の新配置基準7対1)による看護
療計画委員会、郡市担当理事協議会などで出た地
師争奪戦など厚労省の打ちだした施策が悉く医療
域の現状や意見・要望を分析し、今年度から設置
現場に混乱を招いている。起こりうる事態を予測
された日医地域医療対策委員会(後述)において
し、十分な準備・対応策を打ったうえでの施行で
発言している。
はなく、医療現場にとって拙速な実施で今や地域
また県外の大学に在学中・研修中或いは県外の
医療は崩壊寸前に追い込まれ、
その後の対応は国・
病院で活躍中の会員子弟に県内の大学病院や中核
県・医療現場ともども後手々々に回らざるを得な
病院へUターンをしてもらえるように県の作成す
くなっている。
る医師確保に向けた情報誌の配布に協力すること
にしている。
勤務医師不足
数年前から地方の中核病院を中心に勤務医師の
山口県の取組み
不足が深刻化している。小児科・産科・麻酔科を
県医療対策協議会医師確保対策等専門部会では
中心とした勤務医師不足は、新臨床研修制度によ
今年度末を目途に小児科医・産科医の集約化・重
り 2 年間約 1 万 4 千人の医師の供給がストップ
点化の検討を行っている。
したこと、また同制度により研修医の大学離れか
修学資金貸付制度は大学医学部の学生で、将来
ら派遣医師の大学への引き上げがおこったこと、
県内の公的医療機関の小児科・産科・麻酔科に一
過重労働により疲弊した指導医クラスの中堅医師
定期間従事することを条件に、貸付資金の返還を
の開業や働き盛りに育児で現場を離れざるを得な
免除するものですでに募集・選考を終え、今秋ス
い女性医師の増加などで一気に社会問題化した。
タートしている。
山口大学医学部に新たに 10 名の地域枠を設定
山口県医師会の取組み
し、県内の高校を卒業または保護者が県内に住ん
山口県も医師不足について例外ではなく、県医
でいる者を推薦してもらうことになった。
師会も山口県医療対策協議会医師確保対策等専門
平成 16 年から開始している小児救急医療電話
部会委員の木下副会長を中心に最重点項目のひと
相談事業(県医師会が受託し、県小児科医会の協
つとして今年度からは組織、勤務医、地域医療の
力で実施)や今年度の新規事業として中核病院に
3部門で総合的に取り組むことになった。組織部
おける不要不急の時間外受診を抑制するための小
門では平成 16 年に立ち上げたドクターバンクを
児保護者に対する小児救急医療啓発事業(県医師
今年度より公的病院にも拡充させたこと、女性医
会が受託し、各医療圏において郡市医師会・小児
師の勤務環境の改善のため女性医師参画推進部会
科医会が実施)を行っている。
1000
平成 18 年 11 月
山口県医師会報
第 1755 号
労省に働きかけていくことにしている。
国の取組み
8 月 31 日に地域医療に関する関係省庁連絡会
終わりに
議(厚労省・文科省・総務省)が開催され、新
短期的、長期的な医師確保対策を打ち、十分な
医師確保総合対策を発表した。これによると、政
効果が見られなければ、(いわゆる)後期研修に
府は医学部定員削減方針を転換し、医師不足の
関して地域枠の設定に加えて、診療科枠の設定、
深刻な 10 県と自治医大の定員増で 10 年間最大
さらに開業医の診療科別枠の設定にまで話が及ん
1100 人の医師を増やすことになった。
でくる可能性がある。そうなると地域の診療科偏
医師不足が深刻な小児科・産科においては、広
在解消のために自由開業・自由標榜制が崩れるこ
く浅く配置している医師を中核病院に集め、集約
とも考えられる。
化・重点化によって急性期医療を担う拠点病院を
勤務医師の過重労働に対しては、少なくとも一
作り、個々の医師の負担を軽くするように都道府
次救急医療体制について今以上に地域医師会の十
県に働きかけている。
分なバックアップが必要である。身近な例である
医局に代わって都道府県が中心となった医師派
が、萩市医師会は 24 時間 365 日救急医療体制
遣体制の構築、医学部地域枠推薦の拡大、小児救
を会員の誇りにし、人口規模の小さい小児科医の
急電話相談事業の充実やいわゆる無過失補償制度
少ない地域で、地域医師会が開業医小児科研修事
の創設に向けての検討なども行われている。
業に積極的に取組んでいるケースとして有名であ
る。こういう頑張っている地域からは勤務医は立
日本医師会の考え方(10 月 24 日現在)
ち去らないと聞いている。
医師確保については日医のいろいろな委員会
一方で現在検討中の集約化・重点化により休日・
で取り上げられているが、
(私の所属する)日医
夜間の小児救急医療体制が充実すると、(就学前
地域医療対策委員会の協議について少し記載して
の乳幼児や小児の多くは医療費が無料のため)専
おきたい。同委員会は年間 5 回の予定であるが、
門医にいつでも診てもらえるなら無理して昼間の
現在 8 月より毎月 1 回の開催で、
「医師需給問題」
診療時間内にかかる必要もなくなり、一次救急患
について集中的に協議している。9 月には都道府
者の時間外受診が拠点病院において増えるのでは
県医師会の協力で地域における医師不足の実態と
ないかという予測もあり、かえってそこで働く勤
その対策について調査を実施し、検討した。現時
務小児科医の過重労働をさらにひどくする恐れも
点で日医の考えている主な医師確保対策として①
ある。そのため二次・三次救急を行う拠点病院の
開業医を中心とした地域医師会による準夜帯、休
時間外受診の有料化を(たとえ少額でも)行政レ
祭日の一次救急応需体制の構築 ②地方の研修医
ベルで検討すべきではないかとの声もある。また
確保のため臨床研修先募集定数の見直し、定数を
今年度より始めた小児の保護者に対する救急医療
現在の 1.3 倍から地域枠の設定を含め、ぎりぎり
啓発講習会も官民一体となって今後も引き続き続
に引き下げ、特に大都市圏への集中を是正する けていかなくてはならないと思う。それらにより
③臨床研修終了後の医師配置について、
地域ごと・
軽症患者の拠点病院への受診を抑制する効果が生
診療科ごとの定数設定 ④第 3 者機関による地
まれ、勤務小児科医の疲弊を防ぐことになるので
域、診療科における開業調整 ⑤医師が安心して
はないか。そのためにも一次救急医療体制をより
診療に携わることの出来る仕組み(無過失補償制
充実させるための地域医師会の勤務医世代に近い
度の創設、医師法 21 条問題の解決)などがある。
若手内科・小児科開業医によるバックアップと市
また正確なデータに基づく医師不足・偏在対策を
行政担当者の熱意・工夫が、大学関係者や二次・
打ち出すための地域医療のデータベース化、ドク
三次の救急医療を担う拠点病院から強く要望され
ターバンクの全国的なネットワーク化や女性医師
ている。我々地域医師会にはそれに応える責務が
バンクについても取組む予定で、またいわゆる後
ある。
期研修でへき地勤務を経験するシステム作りを厚
1001
山口県医師会報
平成 18 年 11 月
専 門 医 会
シ リ ー ズ
第7回
第 1755 号
山口臨床泌尿器科医会
山口臨床泌尿器科医会の
現状と課題
[記:山口臨床泌尿器科医会 会長 小金丸恒夫 ]
1
臨床泌尿器科医会の歴史
2
臨床泌尿器科医会の現状
山口臨床泌尿器科医会の設立、発足は平成8年
目的及び事業 本会は泌尿器科領域の医学、
3月7日であり、同年に日本臨床泌尿器科医会も
医術の研究ならびにこれに関する事業を行
発足しており、恐らく、全国組織にしても、県内
い、生涯教育の充実と医道の高揚を通して
の専門医会にしても、そのなかで最も遅く発足し
診療内容の一層の向上、進歩を図り、併せ
ていると思う。
て泌尿器科専門医の地位の向上を図ること
平成 7 年 4 月、大阪泌尿器科臨床医会を中心
を目的とする。目的達成のため次の事業を
に日本臨床泌尿器科医会の全国組織を設立しよう
行う。
との気運が高まり、千葉市にて第1回の準備委員
会が、全都道府県から代表が出席して開催された。
1 研究会、研修会など学術集会の開催。
山口県からは小生が、同門会会長をしていた関係
2 泌尿器科領域の臨床医学の研究と情報
で出席した。
の交換。生涯教育の実施。
このとき、全国的にみても、いかに臨床医会が
3 その他必要と認める事項と定めている。
組織されていない県が多いかが判明した。
会員 山口県内で泌尿器科の診療に従事する者
そこで先ずは、各都道府県単位での臨床医会を
が、会員となることが出来る。
立ち上げ、同時進行で全国組織としての日本臨床
泌尿器科医会を設立することになる。
会員数は平成 8 年発足時 78 名で、平成 18 年
それをふまえて平成 7 年 10 月、山口臨床泌尿
度現在 90 名である。
器科医会設立準備委員会発足、
平成 8 年 3 月 7 日、
設立総会を開催、大阪市立大学名誉教授、大阪泌
平成 18 年度役員(平成 20 年 3 月まで)
尿器科臨床医会会長、初代日本臨床泌尿器科医会
顧問 内藤 克輔(山口大学)
会長の前川正信先生の特別講演「日本臨床泌尿器
会長 小金丸恒夫(周南市)
科医会の結成について」と題しての講演をいただ
副会長 廣中 弘(岩国市)
き設立された。
幹事 新井 亨(下関市)
初代会長に小金丸が就任し、
現在に至っている。
大見千英高(山口大学)
篠原 陽一(下松市)
1002
平成 18 年 11 月
山口県医師会報
第 1755 号
清水 芳幸(宇部市)
山口県医師会の了解の下に、同医師会が平成 10
須賀 昭信(山口日赤)
年 10 月 15 日に制定した「精密検査機関の申し
永田 一夫(山口市)
出に係る取扱要領」に準じて定め、精密検査機関
林田 重昭(徳山中央)
名簿は公開している。
原 好弘
(県立総合医療センター)
前立腺がん検診実施要領を作成、50 歳以上
松山 豪泰(山口大学)
の 男 性 を 対 象 者 と し て、 血 清 中 の 前 立 腺 特 異
安井 平造(市立下関)
抗 原(Plostate Specific Antigen, PSA) を 測 定
監事 本永 逸哉(山口市)
し PSA 2.6 ng/ml 未 満 異 常 な し、2.6 ng/ml 以
日本臨床泌尿器科医会
上 4.0 ng/ml 未 満 要 受 診、4.0 ng/ml 以 上 要 精
常任理事 小金丸恒夫
密検査とする。精密検査は超音波ガイド下に経
直腸的前立腺生検6ヵ所以上を行うものである。
3
臨床泌尿器科医会の活動状況
定期総会は、毎年 1 回、3 月に開催している。
PSA 4.0 ∼ 10.0 ng/ml がグレーゾーンと言われ
て い る が、PSA 2.6 ∼ 4.0 ng/ml の 中 に も、 生
特別講演と保険診療に関しての問題点、注意点を
検で前立腺がんがかなり発見されることを内藤
社保、国保の審査委員との間で質疑応答の型で議
教授も強調されており注意を喚起しておきたい。
論している。
私が所属している徳山医師会管内(旧徳山
設立総会以降の特別講演の講師と演題名を記
市現周南市)では、平成 14 年度より臨床泌尿
載しておく。第 1 回 平成 9 年 3 月 6 日 兵庫
器科医会の方法に準じて前立腺がん検診を実施
医科大学泌尿器科教授 生駒文彦先生「亜臨床
しており大きな成果をあげている。今や患者さ
的器質的尿道通過障害の意義」
。第 2 回 平成
んの方から PSA 検査をして下さいとのことばも
10 年 3 月 12 日 近畿大学泌尿器科教授 栗田
耳にする。基本健診その他の健診で内科の方で
孝先生「前立腺肥大症の最近の知見」
。第 3 回
PSA 検査を実施して頂き、高値の場合に泌尿器
平 成 11 年 3 月 11 日 産 業 医 科 大 学 泌 尿 器
科専門医へ紹介して頂くのがベストと考える。
科教授 松本哲朗先生「尿路感染症の最近の知
開業医レベルでも前立腺生検を施行している。
見」。第 4 回 平成 12 年 3 月 16 日 札幌医科
顧問の内藤教授が平成 12 ∼ 13 年頃県内各地
大学泌尿器科教授 塚本泰司先生「前立腺肥大
の医師会で PSA 検査の意義について講演され前
症− Biology natural history そして治療−」。第
立腺がん検診の普及、啓発につとめられた。
5 回 平成 13 年 3 月 15 日 北里大学泌尿器科
教授 馬場志郎先生「前立腺肥大症に対する高
4.今後の課題
温度治療−最近の知見−」
。第 6 回 平成 14 年
高齢化の進むなか、高齢者の排尿障害を主訴と
3 月 14 日 京都府立医科大学泌尿器科教授 三
する患者さんの増加、尿路腫瘍、結石、感染症、
木恒治先生「進行性精巣腫瘍の治療−最近の知
腎不全、腎移植に至るまで泌尿器科医の取り扱う
見−」。第 7 回 平成 15 年 3 月 13 日 岩手医
疾患は多種多様になっており、治療方法も尿路結
科大学泌尿器科教授 藤岡知昭先生「進行腎癌の
石に対する体外衝撃波による破砕術の登場、内視
治療:私どもの教室の試み」
。第 8 回 平成 16
鏡的手術の発達、薬物療法の発達、悪性腫瘍に対
年 3 月 11 日 名古屋大学泌尿器科講師 後藤
する集学的治療等めまぐるしく発展しており、開
百万先生「女性尿失禁診療の現況」
。第 9 回 平
業医と勤務医の緊密なる病診連携のもとに、患者
成 17 年 3 月 10 日 大阪大学泌尿器科教授 奥
さんに対して、よりよい良質の医療を提供できる
山明彦先生「男性更年期障害−現状と展望−」。
ように日々研鑽を積み努力していかなければなら
第 10 回 平成 18 年 3 月 9 日 徳島大学病院長
ない。
(泌尿器科) 香川征先生「法人化後の大学病院」。
前立腺がん検診 平成 12 年 9 月に前立腺が
んの精密検査機関の申し出にかかる取扱要領を、
1003
山口県医師会報
平成 18 年 11 月
第 1755 号
第 2 回郡市医師会長会議
と き 平成 18 年 9 月 28 日(木) 午後 3 時∼
ところ 山口県医師会館 6 階会議室
会長挨拶・中央情勢報告
医療制度改革関連法の成立以後からの動きを
皆さんこんにちは。先日の台風 13 号では九州
報告いたします。前回の会長会議で玖珂郡医師会、
や山口では大きな被害があったと聞いております
岩国市医師会から要望が出されました「療養病床
が、被害にあわれた医療機関にはお見舞いもうし
の再編問題」について、日医理事会で問題提示し
あげます。
てみました。日医の基本的姿勢は「法案は必ず採
9 月 26 日に安倍晋三先生が新総理大臣になら
択される方向に行くので、現実的な選択としては
れ、新しい閣僚も発表されたばかりであります。
賛意をし、付帯決議で対応する」というものでし
次の参議院選挙の日医推薦候補であります武見敬
た。その後の動向ですが、日医は「療養病床につ
三先生は厚生労働副大臣になられ、また、林先生
いてのアンケート調査をもとに 10 月の中医協に
も内閣府行政担当副大臣ということで、心からお
おいてこれを議論しました。介護療養病床につい
祝い申し上げ、大いに期待したいと思います。5
ては、厚生労働省が 10 月に調査して、11 月ま
年半にわたる小泉内閣が終焉することになりまし
でにまとめる予定であるが、9 月末から 10 月に
たが、山口県として、安倍晋三先生が総理大臣な
はおおよその見通しがつくのではないか」として
られたことは誇りでもあり、大変うれしいことで
おりました。いずれにせよ付帯決議にのっとった
す。安倍晋三総理大臣は安全保障と社会保障を政
検証でどの程度の見直しができるか否かが一番問
治家として生涯のテーマとしておられますので、
題でありましょうが、9 月中旬の辻厚生労働事務
大いに期待できると思います。
次官の記者会見では「見直しを前提としない」と
出席者
県医師会
大 島 郡 川口 茂治
下 松 河野 隆任
会 長
藤原 淳
玖 珂 郡 吉岡 春紀
岩 国 市 保田 浩平
副 会 長
木下 敬介
弘山 直滋
熊 毛 郡 田尻 三昭
小野田市 砂川 功
三浦 修
田中 豊秋
吉 南 田邉 征六
光 市 河村 康明
専務理事
杉山 知行
田中 義人
厚 狭 郡 久保 宏史
柳 井 新郷 雄一
常任理事
吉本 正博
美 祢 郡 時澤 史郎
長 門 市 村田 武穂
濱本 史明
山本 貞壽
豊 浦 郡 永山 和彦
美 祢 市 白井 文夫
佐々木美典
武内 節夫
宇 部 市 猪熊 哲彦
西村 公一
山 口 市 奥山 暁
湧田 幸雄
萩 市 売豆紀雅昭
加藤欣士郎
徳 山 小金丸恒夫
防 府 松本 良信
1004
理
事
正木 康史
小田 悦郎
理
監
事 萬 忠雄
事 青柳 龍平
編集委員 吉岡 達生
平成 18 年 11 月
山口県医師会報
第 1755 号
言い切っているので、見通しはあまり明るくない
しています。また、保険者に対する第三者評価機
感じがします。
構の設置が求められます。
レセプトのオンライン請求義務化についてで
続いて公益法人制度改革ですが、5 月 26 日に
すが、付帯決議の中にも、このレセプトオンライ
行政改革推進法案が参議院で可決され、同時にこ
ン化について「2011 年 4 月までに完全実施に努
の公益法人関連三法が可決されました。これまで
める 」 と明記されております。山口県では基金よ
との違いですが、公益法人は一般社団・財団と公
り「医師会はどうするか、タイムスケジュールを
益性が認められた公益社団・財団に分けられ、以
調査したい」と打診がありました。日医のこの問
前の所管官庁による許可制から登録主義になり、
題に対する対応にはっきりした方向性が見えなか
一般社団・財団の中から事業の公益性の認定が一
ったので、日医理事会でこの件について執行部の
定の基準に基づいて公益認定委員会ではかられて
見解を求めたところ、
「オンライン化については
承認されることで、公益社団・財団になることが
賛成していない。試行的オンライン化がその前に
できます。医師会など既存の公益法人は法施行後
あって、これは協力しなければならない」との意
5 年以内に新法人に移行する必要があります。こ
見、それも「適応外処方を認めるのが前提条件」
のことについては、7 月 5 日に都道府県・郡市区
とのことでした。また、
「5 年後に義務化するこ
医師会を対象に日本医師会がアンケートをとって
とは技術的には無理であるが、IT 化の流れの中
おり、その結果を踏まえて対応するとしています
で絶対反対であると日本医師会として言うべきで
が、結論としては日医が中心となり全国的な取組
はない」との声もありました。いろいろ議論があ
・対応をすることになるとのようです。ただ、問
り、竹嶋副会長が「日本医師会としてはっきりと
題になるのは、公益認定では公益目的事業比率が
した見解は持っていないが、今回の要望をうけて
100 分の 50 以上が必要で、また、他の同一団体
まとめていく」とのことでした。8 月 8 日、日医
公益法人の理事・使用人等相互に密接な関係にあ
は記者会見で、オンライン義務化に関する見解と
るものが理事総数の 3 分の 1 以内でなければな
して、薬効薬理作用にもとづいた医薬品投与を認
らないということです。各地区の役員が日本医師
めること、レセプト利活用に関する問題について
会、県医師会等の役員を兼ねる事ができるかどう
民間利用の禁止、IT 化財源の別途確保など、5 つ
かなどの問題もあり、組織の存亡にかかわるので
の前提条件をつけて賛成、対応するとのことでし
はないかという不安の声も上がっております。日
た。これも簡単に要求が通るわけではありません
本医師会の対応としては、定款等検討委員会、税
が、もう少し時間が必要かなと感じます。
制、庶務と連携をとりながら今後情報を流すとの
次に、健診・保健指導についてですが、これ
ことです。
は医療制度改革大綱・医療制度改革関連法の成立
先週 9 月 19 日に第 2 回都道府県医師会長協議
により、医療保険者に対し、平成 20 年から義務
会が開催されました。唐澤会長は次期総理に誰が
付けられるものであります。対象は 40 歳以上の
なるか分からない段階で ( おそらく安倍先生が総
被保険者、被扶養者で、メタボリックシンドロー
理大臣になることを前提にだと思いますが ) かな
ムに着目したものです。日医も 「 生涯を通じた健
り厳しい口調で「今までの政策が続く可能性が高
康管理の視点からも、かかりつけ医の役割が非常
いのでこれまでどおり手綱を緩めずきちんとした
に大きい」としています。ただ問題は、健診受診
対応をしていく」といっておりました。また、こ
者のデータがすべて保険者に集まり、保険者はも
の協議会では全部で 9 題の議題があり、そのう
ちろんレセプトのデータを持っており、データを
ちのひとつとして、勤務医の日本医師会入会促進
突合する事が出てきます。その中で医療機関の誘
に関して木下副会長が会長代行として質問いたし
導が起こって、それが医療現場への直接介入につ
ました。これに対し「勤務医問題は医師会として
ながってくる可能性があるわけで、地域医師会と
の重要な問題であるので勤務医が日本医師会に参
しては十分留意し、保険者協議会や地域職域連携
加することのメリットが感じられる魅力ある医師
協議会などに医療関係者が必ず入る必要があると
会作りをしていく事が大事だ」と日医は言ってお
1005
平成 18 年 11 月
山口県医師会報
第 1755 号
りました。また、研修医についてはこれまでの年
防止として産婦人科の再教育を取り上げていくよ
額 6.1 万円 ( 会費部分と医賠責保険料 ) を年額 4
うです。
万円にするなど経費に関する支援もするとのこと
です。
医師不足について、県医師会の対応が見えな
いとの話も聞いておりますが、まず本年度の事業
その他の質問は割愛しますが、追加質問とし
計画に示したことを着実に実行しております。県
て、看護師の内診問題がありました。これについ
医師会の動きをしっかり見ていただければ分かる
ては、「看護師の内診をルールどおりに取り締ま
と思いますが、おそらく全国で医師確保対策では
ると、地域の産婦人科は崩壊するのではないか」
先陣を切って対処しているつもりです。計画に示
と中国四国連合医学会のとき、木下日医常任理事
した以外では最近では県の助成をうけ、日本医事
に話しました。9 月 5 日、日医は定例記者会見で
新報にドクターバンクの広告をしたり、県知事に
「内診は看護師の補助行為として認めるべきだ」
も直接要請にいったり、医師不足で問題がある地
と発言しております。少なくとも分娩第一期の内
域医師会あるいは行政の間で話合いをもったりし
診は医師の指導の下で看護師が行うことは問題が
ています。また、山大の小児科の古川教授とも意
なく、助産師不足の状況で内診が可能になるよう
見交換したりなど、いろいろ対応してまいりまし
にと日医はいっております。助産師は 5.2 万人必
た。目に見える成果が出ていないのが甚だ遺憾で
要なのに、2 万 4 千人しかいないとのことでした。
すが、根拠原因をたださなければ解決は困難です。
とにかく、今回の日本医師会の対応はすばやかっ
日医総研戦略会議についてですが、日医自身、
たかなと思いました。この件について、9 月に自
この戦略が見えてない感じがあり、役割が不透明
民党医療紛争処理のあり方委員会で看護師による
な感じではありますが、少しずつ軌道に乗ってき
内診、分娩に関連した脳性まひへの補償制度の法
ていると思います。前回は基調報告として、一橋
制化、医療事故時の警察の過剰介入阻止の 3 点
大学井伊教授より、「医療の基礎的実証分析と政
を要望されております。日医の対応として、事故
策」をテーマに活発な議論になりました。医療費
1006
山口県医師会報
平成 18 年 11 月
第 1755 号
の費用対効果、
医療費高騰原因はどうなのかなど、
医師会の加入率は 3 割。準公的、公的医療機関
これから日医総研がしなければならないテーマが
の若い勤務医の加入率が極めて低く、その理由の
浮かび上がってくると思っております。
1 つに各郡市医師会による入会金、年会費の格差
この 10 月より、県医師会事務の福田さんが日
があげられる。新医師臨床研修制度ができたこと
医総研に出向することになりました。日医総研
をきっかけに、研修医については、年会費を大学
から人材を探しているということで応募したわけ
医師会と同様の 3,000 円にするということにな
ですが幸い採用されました。期間は 1 年半です。
った。以前、勤務医担当のときに行った勤務医ア
帰ってくれば貴重な戦力になると思っておりま
ンケートによると、当時は入局後 10 年から 15
す。
年の間で異動が定着する傾向があった。つまり、
以上が挨拶と報告ですが、つくづく県医師会、
10 年か 15 年の間に開業するか、大きい病院の
郡市医師会の医療情勢の把握が非常に重要だと思
部長ポストにつくなどで、動きが止まってしまう。
っております。緊密な連携をとり、
医療に限らず、
異動する場合、退会して再入会するという形をと
介護、福祉など幅広い視野で関与していかなけれ
るので、手続きが煩雑になる。また、会費や入会
ば、医師会バッシングになりかねません。医師会
金も郡市によってばらばらだ。
として意見をよくすり合わせて結束して対応して
日本医師会では、研修医の会費年額を 6 万 1
いかねばならないと思いますので、会長各位のご
千円から 4 万円に下げる予定。医賠責保険料の
指導ご支援をよろしくお願いいたします。
部分を 3 万 4 千円にする方針で 10 月の臨時代議
員会に諮ることになっている。山口県医師会でも
日医に連動して研修医の年会費を下げていかなけ
2、中国四国医師会連合各種研究会報告
・・・会報 10 月号参照
ればならないと思う。
若手の勤務医を一人でも多く医師会に入会さ
せることが非常に大事なのではないかと思われ、
手続きの簡素化と会費の格差についても協議しな
いといけない。この問題は各郡市医師会との関連
3、都道府県医師会長協議会について
もあるので、ご協力をよろしくお願いしたい。そ
木下副会長
れに関して、羽生田常任理事が「異動手続きだけ
山口県が 9 月 19 日の第 2 回都道府県医師会長
で済ませる場合は、郡市医師会が異動する場合に
協議会に問題提起した勤務医の日本医師会入会促
すぐに手続きしないと空白ができ、医賠責保険が
進について説明させてもらい、その後でお願いを
きかないという事態が起きてくることがあるの
したいことがある。
で、空白ができないようにその日に手続きを済ま
これを提出議題にした理由は 3 つある。6 月の
してほしい」と指摘があった。
第 1 回都道府県医師会長協議会のときに医師確
唐澤会長は会費を安くするとか、手続きの簡素
保対策についてということで問題提起したが、医
化も大事だが、勤務医が医師会に入ってよかった
師確保対策というのは、医師不足とは勤務医不足
という展望を考えるべきだと発言。勤務医が日本
ということなので、勤務医対策をしなければな
医師会と一緒に医師会活動することは難しいとい
らないと思ったのが一つ目の理由。2 つ目の理由
う考えではなく、開業医と一緒に活動しなければ
は、勤務医もどんどん日医に入会してもらい、開
勤務医も大変になるという考えで、対応していき
業医と勤務医が一体となって組織力強化していか
たいとのことであった。
ないと、医師会活動にしても医政活動にしてもや
っていけないということ。3 つ目の理由だが、山
最後にもうひとつのお願いだが、地元における
口県の或る郡医師会長経験者から、ぜひ、若い勤
懸案事項について問題提起をしてもらいたい。そ
務医が容易に医師会に入れるような仕組みを考え
の中からわれわれは日本医師会に問題を挙げてい
てほしいといわれた。山口県では、勤務医の日本
きたいと思っている。
1007
山口県医師会報
平成 18 年 11 月
4、県および自民党への要望事項について
杉山専務理事
第 1755 号
減されることになっている。廃止される 23 万床
については介護老人保健施設や有料老人ホームへ
<要望事項>
転換する施策が打ち出されているが、このたびの
1 医師確保対策の推進について(継続・重点)
再編が介護施設整備の目安となる第 3 期介護保
県内各地において小児科・産婦人科・麻酔科等
険事業支援計画(平成 18 年∼ 20 年)の策定後
の医師の不足と偏在が顕在化し、地域医療は崩壊
に行われたことから、現状では医療療養病床から
の危機にある。医学部地域枠の確保等の長期対策
介護施設への転換は事実上困難である。このため、
とともに短期対策についても取り組むことが急務
全国の自治体の6割が反対を表明している。この
となっている。特に、次の事項について早急な対
たびの療養病床の再編については、医療区分を含
応を要望する。
めて全般的に見直すよう、国へ働きかけられたい。
なお、現状のまま実施される場合は、退院を
1) 小児科・産婦人科・麻酔科等の確保(新規)
余儀なくされた患者(療養者)の多くが、いわゆ
緊急課題となっている柳井、山口、岩国地域
る医療・介護難民となることが予想される。この
等については、県、市町、山口大学医学部、医師
ため、削減された療養病床の介護施設への転換が
会等の連携のもと国が設置する「地域医療支援中
スムーズに図れるように県の介護保険事業計画の
央会議(仮称)
」による医師派遣制度の活用を含
参酌標準を緩和するとともに医療・介護難民の受
めた早急な対策を講じられたい。
け皿対策を早急に講じられるよう要望する。
2) 医師会病院における医師確保対策(新規)
県が設けた修学資金貸付償還免除、県ドクタ
3 有床診療所対策の実施について(新規・重点)
ーバンク事業については、医師会病院が対象病院
このたび成立した医療法改正で有床診療所の
となっていない。地域支援病院に指定され、地域
ベッド数も医療圏のベッド数にカウントされるこ
医療の中核を担っている医師会病院を両事業の対
とになり、病床過剰地域では新規の有床診療所の
象とすること。
開設は原則的に出来なくなったが、県知事の裁量
3) 女性医師の働きやすい環境づくりの促進
で特定の要件があればその限りでないことも明示
(新規)
された。特に本県の医療圏は広域で医療圏全体と
近年、女性医師が増加している中で出産や育
しては病床過剰であっても、病院だけではベッド
児で医療現場を離れず継続して診療ができるシス
が充足できない地域が散在している。また、病院
テムづくりを行うとともに現在医療現場を離れて
が近くにあっても診療科が偏在している場合もあ
いる女性医師の復帰対策の拡充に取り組むこと。
り、地域医療の中で有床診療所の担う役割は今後
も重要である。これらの状況を充分配慮され、病
4)小児救急医療電話相談事業等の充実強化
床過剰圏であっても地域医療の確保の観点から新
(継続)
小児救急医療電話相談事業の県民への周知と事
規の有床診療所の開設に柔軟に対応されるよう要
望する。
業の充実に努めるとともに小児救急医療啓発事業
を継続実施し、小児救急医療体制の充実を図るこ
4 単県福祉医療助成制度の窓口負担現物給付の
と。
継続について(新規)
現在、各種県福祉医療助成制度について窓口負
2 療養病床再編対策の実施について
担金が現物給付され、患者は一部負担金の支払い
( 新規・重点 )
の心配をしないで医療機関に受診することができ
療養病床の再編は、検討不十分なまま拙速に
ている。ところが、最近厚労省の医療費抑制政策
医療制度改革法に盛り込まれた。平成 24 年 3 月
を受けて、この福祉制度の窓口負担金を償還払い
までに現在 13 万床ある介護療養病床は全て廃止
にしている地方自治体もある。 福祉医療の患者
され、25 万床ある医療療養病床は 15 万床に削
に窓口負担を立替えさせることで医療費と受診の
1008
平成 18 年 11 月
山口県医師会報
抑制を目論んでいる。弱者である福祉医療の患者
第 1755 号
望する。
に受診抑制を迫ることは福祉医療の理念に背くも
のであり、福祉医療の患者がこれまでどおり安心
7 学校・地域保健連携推進事業の継続実施につ
して医療機関に受診できるように、窓口負担の現
いて ( 継続 )
物給付を継続されるよう要望する。
学校・地域保健連携推進事業は、児童生徒の
学校における健康問題の多様化・深刻化に適切に
5 看護師等の確保・養成対策について(継続)
対応することを目的に、平成 16 年度から 18 年
1) 看護師の確保(新規)
度までの 3 年間、県が国の委託を受け実施され
平成 18 年度の診療報酬改定によって、7(患
ているものである。現在県医師会としては、産婦
者):1(看護師)の看護基準体制をとる病院が
人科・皮膚科・整形外科・精神科の各 1 名、県
増加しているが、これに伴い特に都市の大病院で
内 8 地域で 8 名の先生方の協力で学校における
は看護師の増員を図るために、地方の病院からの
それぞれの諸問題に関する学校専門医相談事業を
「看護師の引き抜き」を行っている現状もある。
行い、成果を上げているところである。この事業
このような状況下、県内中小病院の看護師不
は、今年度をもって終わりになるが、子どもの健
足が更に深刻になることは必至であり、また、診
康問題の多様化・深刻化に対応するために、県単
療所においても影響がでており、看護師の早急な
独として継続実施されるよう要望する。
確保対策に取り組まれるよう要望する。
2) 看護師等養成所運営補助金の増額(継続)
8 学校内禁煙対策の推進について(継続)
このように、今後予想される看護師不足を補
平成 18 年度から県立学校の敷地内禁煙が実施
うためにも、医師会立(准)看護師養成所の充実
されることとなった。しかし、相変わらず小中学
が期待されているところである。しかし、公的補
校での敷地内禁煙が実施されている所は少ない。
助金の削減等により運営が危うくなり、閉校を余
平成 18 年 3 月に「山口県たばこ対策ガイドラ
儀なくさせられている施設もでているのが現状で
イン」が作成された。未成年者の喫煙率は小学生
ある。県内における看護師の確保のための緊急措
が 6.8%、中学生が 9.3%、高校生が 19.7%とな
置として、医師会立看護師養成所への運営費補助
っている。「未成年者の喫煙をなくす」という目
金の大幅な増額を要望する。
標のもと、教育機関での取り組みとして、
3) 看護師等修学資金貸与事業の存続(継続)
○喫煙防止教育の観点から敷地内禁煙を行う 三位一体改革により国制度が廃止され、一般
○禁煙を希望する教職員の支援を行う 財源化された看護師等修学資金貸与事業について
○子どもたちに喫煙防止教育を行う は、平成19年度以降も県事業として存続される
等が掲げられているが、是非、全市町において
よう要望する。
学校敷地内禁煙が実施されるよう強力な施策の推
進を要望する。
6 公的施設等におけるAEDの設置促進につい
て ( 継続 )
救急医療の高度化とともに救急初療の重要性
9 三位一体改革等における医療施策の確保につ
いて ( 継続 )
も再認識されるようになったが、特に 2004 年に
三位一体改革により医療・福祉分野において救
一般市民のAED(自動体外式除細動器)使用が
急医療対策、へき地医療対策、感染症対策、医療
条件付で承認されて以来、一般市民の行う一次救
関係者養成確保対策等の国庫補助金の移譲等が実
命処置(心肺蘇生法+AED)により救命し、社
施されたが、このことによって地域医療・福祉施
会復帰させた事例が報告されるようになり、救命
策が廃止・後退することないようにすること。ま
救急に対する市民の意識も徐々にではあるが変わ
た、平成の大合併によって県内22市町となった
りつつある。尊い命を大切に守るため小・中・高
が、これに伴ってこれまで実施してきた休日診療
等学校を含め、公的施設へのAED設置促進を要
等の地域医療施策が後退すことがないよう市町を
1009
平成 18 年 11 月
山口県医師会報
指導するなど特段の配慮をされるよう要望する。
10 社会保険診療報酬に対する事業税非課税特
例措置の存続について(継続)
社会保険医療は、国民に医療を提供するとい
う極めて公益性の高い事業であり、その報酬は社
会保険診療報酬という低い価格に統一的に国が決
めている。このため社会保険診療報酬に対して事
業税を課 することは不適切であり、従来から非
課税措置がとられている。
また、社会保険診療報酬のマイナス改定等近年
の医業を取り巻く厳しい経営環境をご理解いただ
き、引き続き、現行の事業税非課税措置を存続さ
れるよう要望する。
第 1755 号
ルを基本に行うことで合意を得ております。
18 年 4 月の改定は、保険診療点数の改定が実
施されたことなどにより行うものですが、県医師
会としてはこれまでの経緯やルールに基づいて、
標準料金 ( 案 ) を作成して、郡市医師会と市町に
提示させていただきましたので、関係市町と協議
していただきたいと考えております。
広域予防接種に関する事案は、3 年の実績から、
安定したと考え、予防接種広域化推進協議会を
廃止し、今年度より、郡市妊産婦・乳幼児保健担
当理事協議会で検討していただくことしておりま
す。
来る 10 月 5 日にこの協議会に市町にも出席し
て頂き、開催いたしますので、標準料金 ( 案 ) に
ついてこれまでの経緯や地域医療の円滑な推進の
観点から十分な協議をよろしくお願いしたいと思
5、郡市医師会からの意見要望について
っております。
平成 19 年度広域予防接種標準料金 ( 案 ) につい
早めに標準料金案を提示させていただきたいと思
て ( 山口市医師会 )
平成 19 年度標準料金が、郡市医師会へ提出さ
れ、現在検討中である。
この内容 ( 案 ) が行政へも提示されているので
はないか。
県医師会にて最終決定されるまでは、そうした
情報提供については十分配慮される必要があるの
ではないか。
回答 ( 濱本常任 )
平素から予防接種業務等ではご理解、ご協力を
いただき御礼申し上げます。
予防接種の広域化については平成 14 年から予
防接種広域化推進協議会を設置し、郡市医師会や
市町村等の関係機関と協議を行い、
住民の利便性、
安全性を目的に県内統一様式の予診票、請求書、
標準料金等について合意を得て平成 15 年 4 月か
ら実施しています。
特に、広域における個別予防接種標準料金につ
いては、地域での十分な協議の上、基本的に保険
診療点数に基づき、従来の各市町村における料金
のバランスを考慮し、現状に即した料金として決
定されております。以後の料金改定は、このルー
1010
なお、20 年度から郡市医師会にはできるだけ
いますので、よろしくお願いいたします。
平成 18 年 11 月
山口県医師会報
第 1755 号
広報委員 吉 岡 達 生
安倍晋三内閣の発足直後の平成 18 年 9 月 28
地からの調査を目的としていた。喫煙など学校
日に、郡市医師会長会議が開催された。藤原淳
現場にあってはならないものは、ないことにし
会長の挨拶につづいて、報告のごとく議事が進
たい、現場の管理者の心理が透けて見えた。
行した。傍聴の機会をえて、考えたことを、い
現在は「教育機関での喫煙防止教育推進」の
くつか記す。
合意があるので、調査可能であろうか。またま
た、個人情報保護法の過剰反応で、やはり拒否
−勤務医の日本医師会入会促進について−
医師不足は、極論すると病院勤務医の不足で
ある。とくに産科・小児科・麻酔科に不足が著
されるのであろうか。学校保健を考えたり、学
術研究に協力をお願いする際、問題が起こって
いないのだろうか。
しいが、外科・脳外科など外科系も同様になる
危険性がある。すでに山口県医師会として、
「医
−請求事務の電算化・オンライン化について−
師確保対策の推進について」
、県などに要望し
市場原理主義者は、ビジネス・チャンスの創
いてる。また手続きの簡略化、会費の減額によ
出をめざす。安倍内閣の柳沢伯夫厚生労働大臣
る、勤務医の医師会入会促進を検討中である。
は、もと国土庁長官、金融相である。今後、厚
勤務医の現場において、過重労働の解消、女性
生・労働行政に、どのような態度をとられるで
医師の働きやすい職場環境づくりなど勤務環境
あろうか。
の改善の問題にも取り組んでいかなければなら
ない。
過労は飲酒と同様に、事故を引き起こしやす
たまたま、経済学者の竹田茂夫教授の『ゲー
ム理論を読みとく』(ちくま新書)を読んでい
ると、以下の記述があった。
い。飲酒すれば運転しなければよいが、医師は
使命感から、過労でも無理をせざるをえない。
(シリコン・バレーの企業家)ジム・クラーク
ベテラン勤務医が頑張りすぎて、燃え尽きる前
は医療事務の非効率なペーパーワークをすべて
に、日本全体で対策が必要だ。ようやくマスコ
インターネット化する構想を打ち出し、1996
ミは日本の医療の危機的な状況を報道している
年にヘルシオンを設立する。ヘルシオンは翌年、
が、行政や政治家の動きはよくみえてこない。
翌々年ともに大幅な赤字を出すのだが、1999
年のIPO(新規株式公開)は再び大成功の結
−学校内禁煙対策の推進について−
果となる。ジム・クラークは三度めもまた巨額
数年前に学校医として、高校生のアレルギー
の創業者利益を得るのである。しかも、今度の
性鼻炎の調査アンケートを実施した(無記名)。
場合にはジム・クラークの貢献は純粋に事業の
現在、調査結果は学術論文として投稿中である。
基本コンセプトに限定される。
当初の予定では、調査項目の中に喫煙の有無を
質問していた。ところが、ひとりの学校長から
民間医療保険が主体のアメリカでのお話なの
削除を要求され、説得できず質問を断念した。
で、ただちに日本と比較することはできない。
その理由は、
未成年者の喫煙は法律違反であり、
ただ、さきの小泉政権は、レーガン共和党政権
質問してはならないという一点であった。医療
が行った市場原理主義的な政策をお手本にして
従事者として、高校生の喫煙率は 20%とも 30
いたようなので、なんでもアメリカの事例に類
%いわれていた現実をふまえており、医学的見
似的なものをみてしまう。
1011
山口県医師会報
平成 18 年 11 月
第 1755 号
第 2 回男女共同参画フォーラム
と き 平成 18 年 7 月 29 日(土) 午後 3 時∼
ところ 大阪府医師会館 2 階ホール
[ 報告 : 理事 田中 豊秋 ]
このフォーラムは昨年、東京の日本医師会館で
また、委員会等は設置していないが勤務医部会の
第1回が開かれ本年は大阪で第2回が開かれた。
中で取り組んでいるところが6医師会あった。現
状は問題点を探っているところが殆どであるが活
唐沢日本医師会会長挨拶
発に活動を開始している所もある。夫々の地域特
昨年の第1回は「女性医師は何を求め、何を求
性があり、求められる事、できる事は各々異なっ
められているか」をテーマに開かれたが、今回は
てくるが、①女性医師の勤務支援、②医師会活動
女性医師バンクの創設を中心に考えて頂きたい。
への参画支援、③女性外来・性差医療など女性の
国家試験の合格者の3分の1を女性が占めている
視点を取り入れた医療への取り組みなどを共通の
が、かなりの数の女性医師が出産等で職場を離れ
問題点として地域医師会活動に組み入れる様に求
ている現実がある。これ等の離職した女性医師た
めた。特に②に関しては、地方医師会女性役員役
ちが臨床の現場に復職できるよう、女性医師バン
500 名に日医委員会への出席可能状況等も調査、
クが大きな役割をはたしてくれるように期待して
15%にあたる 78 人が出席の意思を示した。関心
いる。
の高い委員会は学校保健(21 名)乳幼児保健(17
名)広報(17 名)介護保険(9 名)産業保健(9 名)
酒井大阪府医師会会長挨拶
などであった。植松前日医会長は日医の各委員会
大阪府医師会の女性会員は平成18年4月時点
に最低 1 名の女性委員の起用を約束していたが、
で2883名、全会員の17%を占めている。大
現在 46 委員会のうち女性委員の起用されている
阪府医師会としては昨年「女性会員懇談会」を開
のは 19 委員会(44 名)にすぎない。これは委
催し、本年「男女共同参画推進委員会」を設立し
員のうち 6.8%にしかすぎない。女性医師の関心
た。女性の意見を反映していくのは民主主義社会
の強かった委員会のうち学校保健、産業保健、介
では当然の事である、近い将来、国家試験合格者
護保険には女性委員は起用されていない。その意
の半数を女性が占めるであろう。病院では女性医
味では今回の委員会の構成は女性登用に理解が少
師への対応を誤れば医療が成り立たなくなる。大
なかったと言える。
阪府医師会としては、子育て支援、就労支援の二
本立てで取り組んでいく。
試案の段階であるが「医
師会立の保育所」
「民間保育所に補助金を出し医
師枠の創設」等を検討している。
パネルディスカッション
「女性医師バンクに関する諸問題」
1.日本医師会の取り組み状況 報告 日本医師会常任理事 羽生田 俊
「各都道府県での女性医師に関わる問題について
厚生労働省は平成 18 年度より女性医師バンク
の取り組み状況および日医各委員会での女性委員
を中心とした医師再就労支援事業を実施する。日
登用状況について」
本医師会はそれに呼応する形で職業紹介事業の許
日本医師会男女共同参画委員会委員長
保坂 シゲリ
可申請に向けて準備を開始し、本年度中の医師再
就労支援事業の立ち上げを目指している。現在、
現在 12 都府県医師会で委員会や部会が設置さ
医師不足の言われている小児科、産科、麻酔科
れ、更に 11 府県医師会で設置が予定されている。
の医師のうち 20%以上を女性医師が占めている。
1012
山口県医師会報
平成 18 年 11 月
第 1755 号
しかし、仕事と育児の両立困難に伴い離職してい
かつ充分な就業を可能とする視点が必要である。
る女性医師が多数いる。これ等の医師のうち子育
徳島県医師会では徳島県とタイアップして平成 8
てをしながら復職を希望している医師も多い。こ
年よりドクターバンク事業を開始している。現在
れ等の医師の復職を支援していく。まず日医にデ
までに 38 件成立を見ているが女性医師はそのう
ータベースの中央センターを設置し、更に東西 2
ち 8 件である。特に女性医師を対象として徳島
箇所にサブセンターを設置する。これ等のセンタ
大学・徳島県と女性医部会と連携したシステムを
ーには求人側、求職者側両者との面談を通じて希
立ち上げた。県内の全医療機関および女性医師に
望条件等を聞く相談員を配置する。これは無料で
アンケート調査をおこなった。187 医療機関の
行なう。また、再就労希望者の実務を含めた再教
うち当直免除 62 機関、時間外免除 58 機関、ワ
育実習についても検討していく。今後の課題とし
ークシェアリング 49 機関、フレックスタイム
てデータベースの充実の為に広報活動に努め求職
38 機関、専属の保育所 12 機関であった。これ
者、求人者の実態把握(常勤、パートタイム制、
等のアンケートを基に徳島大学が教育コンテンツ
フレックスタイム制等)を行なう。一般職業紹介
の作成・配信、参加型の教育研修の作成・実施を
業者との摩擦の回避等も考えなくてはならない。
行い、徳島県がこれ等の事業を支援する体制を整
えた。
2.千葉県医師会女性医師部会での取り組み
千葉県医師会理事 秋葉 則子
平成 17 年 12 月 3 日に女性医師部会を設立し
4.日本小児科学会での取り組み
大阪大学大学院医学系研究科小児科助手 現在 110 余名の参加を得ている。設立に先駆け
恵谷 ゆり
て行なった女性医師の意識アンケートでは、出
2004 年日本小児科学会の調査では小児科勤務
産、育児、介護等のため第一線で活躍していた環
医の 28%が女性であり特に 20 歳代では44%、
境を断念せざるおえない状況となり、さて職場復
30 歳代で 33%と非常に大きな割合を占めてい
帰と思っても日進月歩の医学の現場に戻る事の困
る。厚生労働科学研究班の調査では 47%が休職
難さに直面している。育児支援はもちろんである
の経験があり、再研修制度の不備や就業緩和措
が、職場復帰の為の研修の場を求める声が多かっ
置がない、保育施設が不十分などの理由で復帰
た。18 年度は医師会活動参加も含めた働く環境
が困難なケースが多く存在している事が指摘され
の整備、ドクターバンク事業、ホームページを通
ており、小児科医の労働力確保のうえで大きな問
じての広報、子育て支援等を事業計画として開始
題となっている。小児科医は子育ての経験がキャ
した。現在千葉県の医師のうち 18.4%が女性医
リアのうえでプラスになることも多い。2004 年
師であり、研修医の 35%が女性である。彼女達
の時点で欠員の生じている医療機関は一般病院で
の進路希望を見ると小児科希望者の 45.1%、産
24.2%、大学病院で 33%、小児専門病院で 40
科希望者の 71%を占めている。再研修の場とし
%に達し、このため過重労働時間は平均 64.4 ±
ては大学病院、臨床研修病院にて行う。ドクター
22.7 時間にのぼっている。欠員補充は大学医局
バンクでは求人側に求める情報としては保育施設
人事や公募に頼っている。今回開設した小児科医
の有無、病児保育の有無、再研修支援の有無等を、
バンクでは、育児中や介護中の制約のある医師も
求職側には専門科目、希望就労日時等、研修の必
求職し易いよう、託児所の有無や欠勤時のバック
要の有無等を聞いている。
アップの有無などのきめ細かい情報提供を行なっ
ている。本年 4 月から大阪地区で試験運用を始
3.ドクターバンク 徳島県医師会における取組
めた所、現段階で 15 件の求人があり 1 件成立し
徳島県医師会常任理事 櫻井 えつ
ている。今後全国展開を図り、医療機関・小児科
ドクターバンクには医師の分野偏在・地域偏
医への広報に勤めると共に再研修システムとの連
在による相対的医師不足を解消する視点と、社会
動、フレックスタイム・ワークシェアリングの推
的要因から休職・退職しやすい女性医師が積極的
進に努めて行きたい。
1013
山口県医師会報
平成 18 年 11 月
第 1755 号
5.東京女子医大での女性医師再研修の試み
コースの設定、24 時間保育や病児保育などの育
東京女子医科大学第一生理学教授
児支援・院内設備の改善などに取り組んでいる。
川上 順子
これ等のことから浮かび上がってきた問題点は女
2002 年、卒後 16 年以内の卒業生にアンケー
性医師の側には、子供が出来たら仕事をやめよう
ト調査を行なったところ、常勤率は 5 年以降低
と思っている人が多い。これは 3 歳までは母親
下してきており 26%が常勤から外れている。こ
が見ないといけないと言う 3 歳児神話、母親は
れ等の医師に常勤に戻って頂きたい。臨床の場を
一人しかいないと言うオンリーワン神話による
離れた女性医師の再教育には講義や研修会だけ
「いい育児をしよう症候群」に侵されているため
でなく実地の臨床体験が必須である。しかし研修
である。また、職域環境としては、職位の保障制
を希望する女性医師を取り巻く環境は個々で異な
度が無い、育児施設の不備、他の医師への迷惑な
り、研修条件を一律に決める事はできない。そこ
どが挙げられた。各科へのアンケートも発表され、
でオーダーメイドで研修先を探す事が出来れば再
女性医師を求めている職場、働きやすい条件を示
就職の可能性も高くなる。大学病院だけでなく地
しているのは内科系でなく外科系が多いことも示
域の病院とネットワークを構築しそれらの病院で
された。これは内科系は主治医制をひいている所
も専門臨床研修が可能となるような次のような再
が多く、代理が利きにくいのに対し、外科系はチ
研修センターの設立を提案する。①女性医師の環
ーム制のところが多く、勤務時間、勤務体制等で
境に合わせた研修の場所を紹介するマッチング機
かなり融通が利くことが考えられる。
能を持つセンター②女性医師臨床教育に実績を持
つ大学病院での専門性の高い再教育研修プログラ
基調講演
ムの実施である。現在女子医大を核として地域受
「次世代育成支援と男女共同参画∼職場・家庭・
け入れ病院 3 箇所で研修を行っている。再研修
センターでは医療安全と共に人間関係の教育にも
地域における希望を実現するために∼」
猪口邦子内閣府特命担当大臣
(少子化・男女共同参画)
力を入れている。
男女共同参画社会とは、憲法において規定され
6.国立病院機構近畿ブロックでの取り組み
ている男女平等を実質的に実現し、男女が、夫々
国立病院機構大阪医療センター統括診療部長 の個性と能力を発揮できる社会と定義し、法制化
山崎 麻美
はその第一歩である。現在のわが国の各分野にお
国立病院機構近畿ブロック事務所では平成 16
ける女性の参画状況は先進国中最下位であり、し
年から「ママさん医師登録システム」に取り組ん
かも世界全体でも低い方に属する。これは政治の
できた。育児等の諸事情により在宅を余儀なくさ
世界、政府の各種諮問委員会でも同様であると報
れている女性医師に可能な限り合わせた多様な勤
告された。日本医師会の役員構成にも触れ、会員
務形態を導入し、近畿ブロックの病院とのマッチ
中に占める女性の割合が 13.3%であり、今後更
ングを行なうシステム。大阪医療センターの「女
に増加していく状況であるのに女性役員がいない
性医師の勤務環境改善のプロジェクト」と共同で
のは如何なものかと批判された。現在、第一子出
平成 18 年 3 月 11 日に「お休みしている女性医
産後 7 割の女性が離職している。男女共同参画
師の皆さん!そろそろ復職してみませんか」と題
社会は民主主義社会の基本であり、育児が女性
してシンポジュウムを開催した。離職した女性医
の就業を困難にしているのであれば、育児は男女
師が復職しがたい要因には職場の物理的環境や制
で行なうべきである。政府の諸施策が実ってきた
度の問題、上司・同僚の意識、夫を中心とした家
のか直近の出生率はわずかではあるが増加してい
族の環境、女性医師自身の仕事や家庭・子育てに
る。今後も努力していきたい。
関する考え方などの問題点がある。手始めに大阪
医療センターでは就労形態の柔軟化、離職してい
る女性医師の復職を支援する為の再就職支援研修
1014
山口県医師会報
平成 18 年 11 月
第 1755 号
糖尿病対策推進委員会
と き 平成 18 年 8 月 10 日(木) ところ 山口県医師会館
[ 報告 : 理事 田中 豊秋 ]
会長挨拶
この 6 月に医療制度改革関連法案が国会で成
前 11 時 30 分から 1 時間の予定となっています。
講師の先生は矢賀副委員長にお願いしたいと思い
ますが如何でしょう。
立した。国民皆保険制度始まって以来の大改革だ
と言われている。医療費適正化計画が柱です。生
委員 矢賀先生にお願いしたいと思います。
活習慣病や在院日数の短縮といったこともありま
すが、これはあくまでもツールであって、近い将
県医 それでは、矢賀先生に岩国市で行なわれる
来には都道府県単位で医療運営をするようになる
やまぐち健康フェスタの講師をお願いします。矢
可能性がある。これが、医療費が抑制できなかっ
賀先生よろしくお願いします。
た場合は保険料にも反映されます。その上予算を
オーバーするようになると診療報酬単価にも影響
2.第 9 回やまぐち糖尿病ウォークラリーにつ
するようになってくる。大変厳しい物ですが、こ
いて
の是非はともかくとして、生活習慣病の対策、特
委員 このウォークラリーは平成 18 年 10 月 29
に糖尿病に対してしっかりした対策を考えていく
日(日)に山口市の維新百年記念公園で開催しま
事は医師の責務だと思っています。今日はよろし
す。受付開始は 9 時 15 分からです。終了時刻は
くお願いいたします。
午後 2 時です。参加費は 200 円頂く事になって
います。日本糖尿病協会山口県支部、山口県医師
1.やまぐち健康フェスタについて
会糖尿病対策推進委員会、ノボ・ノルディスク・
県健康増進課 やまぐち健康フェスタはこれま
ファーマ株式会社の共催になっています。過去、
で、山口市に在る総合保健会館を用いて県の主催
各回 150 名程度の参加があります。参加申し込
で行なってきました。きっかけは総合保健会館が
み等の周知を医師会にもお願いいたします。実際
出来た時に、立派な会館が出来たので、それまで
の運営は従来の事務局で行なう事になっておりま
各保健所の圏域内で行なってきた同様の健康の
す。
お祭りをまとめたものが始まりです。しかしいつ
も山口市で行なうわけにもいかないと言う声があ
県医 既に各郡市医師会を通して周知を行なって
り、平成 18 年度から持ち回りにした。18 年度
おります。主治医と相談して参加していただけれ
の健康フェスタを岩国市のシンフォニア岩国で行
ばと思っている。自分の患者さんと歩くのも良い
なうことになった。11 月 19 日に開催します。
勉強となるでしょう。
健康フェスタでは様々なイベントが行なわれる
が、糖尿病対策推進委員会では糖尿病に関する講
3.健診後の判定基準統一による糖尿病予防、
演について協力していただけると聞いている。時
早期治療について
間・場所等を確保している。
委員 糖尿病の予防をどうするかという問題と、
糖尿病になっていて放置されている患者さんをど
県医 やまぐち健康フェスタにおける講演会は午
うするのかという 2 つの問題があると思います。
1015
平成 18 年 11 月
山口県医師会報
第 1755 号
まず、予防と言う観点から考えると、啓発活動に
ロビン A1c とか心電図とかを行なうと医療機関
加えてもう少し具体的な活動をしたら如何でしょ
の持ち出しとなっているところもある。健診をさ
う。そして健診の後どの様な指導をするかという
れた先生の判断によって異なる。
ことです。
この春の糖尿病学会で糖尿病対策推進会議の各
委員 今度の新しい健康診断はメタボリックシン
県での取り組みが報告されました。多くは講演会
ドロームをとにかく拾い上げて推し戻そうという
を開催するという活動です。
もう一つは病診連携、
健診になります。糖尿病になると色々なリスクが
地域の医師会での症例検討会でした。また、新潟
増えてくるわけですから。この健診の案はかなり
県では冊子を作成しております。この冊子では糖
出来上がっていますので、このままの形で行なわ
尿病診断において推奨される診断手順が記載され
れる可能性が高い。
ています。新潟県ではそのような啓発活動をして
います。
県医 去年の 11 月頃からその話がありまして、
現在の健診ではヘモグロビンA 1c を入れてい
その後健診の内容については殆ど変化が無いよう
くのが一般的になってきています。ヘモグロビン
です。
A1c を 5.5 くらいでスクリーニングすると軽症の
かなりの部分が拾い上げられます。おそらくヘモ
委員 例えば、企業で安全衛生法による企業健診
グロビン A1c5.5~6 という部分が要指導で、6.1
をすると、そのデータを蓄積して、介入をして保
以上が要医療になっている。糖尿病学会でだして
健指導もすることが義務づけられる方向です。
いる糖尿病診断基準はヘモグロビン A1c6.5 です。
これは確実に糖尿病の方を拾い上げるものです。
委員 保険者がデータをみて、自分のところの
スクリーニングとしてはかなり不十分です。6.1
被保険者の結果を見て引っかかれば一律に保健指
未満で拾い上げると精度が上がるのではないでし
導、受診勧奨になる。誰の責任でやるかは、保険
ょうか。血糖値だけでなくこの辺の数字もあわせ
者が自分の所の医療費を減少させることにもなる
て啓蒙する必要があります。また、要経過観察と
ことを考慮に入れていくことになる。保険者毎の
いう言葉を使わずに要指導という言葉を使ってい
やる気にかかってくる。厳しい状況になる保険者
きたい。
も出てくるかもしれない。
現在、厚生労働省で検討されている、新しい健
診項目の判定基準という文章をみますと空腹時血
4.糖尿病の啓発活動について
糖 100 でヘモグロビン A1c の値は先程の議論と
委員 関心を喚起していく事は意味のあること
同じです。この文書ではヘモグロビン A1c は必
だ。日本のメタボリックシンドロームの基準は腹
須の項目になる予定です。
囲を中心に作られていますが、これには色々と議
論があり、今後変わっていくと思われます。
県医 県下の老人基本健診ではヘモグロビン A1c
の測定はどの程度行なわれていますか。オプショ
県医 この委員会で基準を作って会員に提示する
ンになっているところも多いのではないですか。
ことはどうでしょうか。この委員会で基準をこの
ように考えていますと言う提示をする事は可能だ
県健康増進課 老人健診は市町村が行なっている
と思います。各委員に基準を示せるような方向性
ので全てを把握しているのではないが、感覚的に
で検討していただきたいと思います。
は殆どでやっているのではないかと思います。
委員 医療機関への広報とともに患者さんへの広
県医 ヘモグロビン A1c のコストをオプション
報も必要です。県医師会のホームページにも規準
としてつけるところとつけないところがある。し
を載せていただくといいですね。
てもしなくても金額は同じところもある。ヘモグ
1016
平成 18 年 11 月
山口県医師会報
第 1755 号
県医 平成 17 年度の健康教育テキストは糖尿病
をテーマに作成しましたので、是非活用して頂き
たい。
委員 この健康テキストに載っている基準値は糖
尿病の診断基準で、私達がやろうとしている健康
診断のスクリーニングとは少し違います。
県医 会員向けには会報を使って基準を周知す
る方法もあります。冊子形式で周知するのも良い
方法だと思います。二本立てでいきましょう。平
成 20 年度からの新しい健診についてこれからも
色々と対応していかなければいけないと思ってい
ます。
5.その他
委員 この委員会は日本糖尿病協会、日本糖尿病
学会と医師会の三者で構成されております。本年
度日本糖尿病学会は各県に会議費として 20 万円
出す事になりました。是非活用して頂きたい。
委員 日本糖尿病財団と日本糖尿病協会が主催
で、平成 18 年度の糖尿病予防キャンペーンが行
なわれていますが、本年度は西日本地区大会を平
成 18 年 10 月 15 日に山口県総合保健会館で行
ないます。藤原会長にも出席していただきます。
500 名ていどは人数を集めたいと思いますので
ご協力お願いします。
県医 保険者協議会が国保関係や企業の健康保険
組合などが集まって連携を密にし、医療費の調査
や被保険者の健康保持などをやろうという主旨で
設立されました。医師会も積極的に関与していく
方針です。その事業の中で健康講座を開催する事
になりました。10 月から 12 月にかけて県内 2
ヶ所で行なわれる予定です。詳細が決定しました
らよろしくご協力お願いいたします。
本日は以上で終了いたします。この委員会もよ
うやく方向性が見えてきたように思います。今後
もよろしくお願いいたします。
1017
平成 18 年 11 月
山口県医師会報
第 1755 号
県民対象の AED 心肺蘇生法講習会
と き 平成 18 年 9 月 7 日(木) ところ 山口県総合保健会館 2 階多目的ホール
[ 報告 : 理事 弘山 直滋 ]
救急医学の進歩、救急救命士の業務拡大等によ
り、救急医療は格段に発展しつつある。平成 16
て、210 名の参加者を集めて開催した。
今回は、平成 18 年度の「山口県救急フェア in
年 7 月より、
非医療従事者の AED 使用が認められ、
山口」に伴う記念行事として、山口県総合保健会
一般市民の関心も徐々に増しているものと思われ
館で県民対象の AED 心肺蘇生法講習会を開催し
る。
た。
昨年、愛知県で開催された愛・地球博におい
はじめに、山口大学医学部高度救命救急センタ
て 5 人の心室細動に対して AED が使用され、う
ー講師笠岡俊志先生の「助かる命を救え! AED
ち 4 人が社会復帰を果たしたというニュースは、
を使った心肺蘇生法」の講演があり、引き続き実
AED の有効性を示すとともに、大きな反響を呼
技講習会を開催した。
んだ。
当日は、山口市消防本部から救急救命士 18 名、
山口県においては昨年 5 月、山口県・山口県
医師 5 名、済生会山口総合病院から看護師 4 名
医師会ならびに山口救急初療研究会が主催して、
等総勢 29 名の方に指導、運営スタッフとしてご
県民を対象とした AED 心肺蘇生法講習会を山口
協力いただいた。一般市民・県民、AED 設置機
県維新百年記念公園スポーツ文化アリーナにおい
関の方々約 180 名 ( 最終参加者 166 名 ) の参加
1018
平成 18 年 11 月
山口県医師会報
第 1755 号
があった。参加者募集に際しては、チラシを作成
昨年度より参加された県民の方の救急に対す
し、郡市医師会を通じて医療機関に配布した。ま
る意識が向上しており、一般の方の AED 使用に
た、ケーブルTV・新聞・マスコミ等へ開催案内
対する認知が浸透していることが実感できた。ご
をおこない、普及・啓発に協力いただいた。
協力いただいた、医師、救急救命士等の皆様に感
当初、定員 100 名としていたが、それを上回
謝申し上る。
る申込みとなったため、急遽運営スタッフや訓練
用機材を調達し、講習会に臨んだ。最後に修了証
を渡して講習会を終了した。
1019
山口県医師会報
平成 18 年 11 月
第 1755 号
第 22 回全国医師会共同利用施設総会
と き 平成 18 年 9 月 9 日(土) ところ 長崎ブリックホール・長崎新聞文化ホール
特別講演 ところであり、国の経済が好転してきているとい
「医療制度改革と地域医療」
うことが我々の基本政策に影響を及ぼすというこ
∼日本医師会の取り組み∼
とは当然考えられることである。しかし我々医療
日本医師会長 唐澤 祥人
関係者から見ると、世の中の経済が良かろうと悪
目下自民党総裁選挙を控えて重大な局面を迎え
かろうと、医療というものは国民にとって大切な
ている。小泉政権は様々な改革をおこなってきた
危機管理であるので、経済というものに振り回さ
が、医療制度改革もまさに小泉政権の下に進めら
れてはならないと考える。
れてきたものである。一昨年からの年金、介護保
アジアの諸外国、発展途上国における医療は
険そしてこの 6 月に我々にとって非常に関係の
わが国の医療と比べて極めて不十分なところが多
深い医療制度改革関連法案が可決された。現在も
い。今中国はめざましい発展を遂げつつあるが、
日本医師会挙げてこの法案の今後の施策について
医療に関してはわが国と比べてまだまだ不十分で
の取り組みを行っているところである。この法案
ある。我が国の医療制度は少ない費用で最大の医
の根底には明らかに財政優先、財政の削減が意図
療を提供するという世界に冠たるものであり、一
されているのである。
枚の保険証で全国どこでも公平に適切な医療を受
これは様々な分野にわたる膨大な法案である
けられるという、この保険制度を決して崩しては
が、健康保険法に関するものでいえば、医療費の
ならなのである。
適正化、平均在院日数の短縮、都道府県単位の医
社会保障制度について言えば、わが国の憲法第
療費適正化計画、高齢者患者負担の増加など医療
25 条には「全ての国民は健康で文化的な最低限
費の削減を意図した様々なものであった。日医前
度の生活を営む権利を有する」とあり、国民全て
執行部もこの法案をすんなり通すわけにはいかな
がきちっとした社会保障制度の中で生きていく権
いとして抵抗したが、政府に押し切られる形で決
利を有するということである。
まることが明らかな情勢となったため、私たちは
では今、経済財政諮問会議の財政優先の議論の
その施行段階で何とか修正が図れるようにするた
中にこの憲法に沿った施策が盛り込まれているで
めに、付帯決議 21 項目を書かせる努力をした。
あろうか。最も大事なことを何か忘れていないか
今後 1 年以内に様々な問題点が浮かび上がって
という事を、我々は国民に訴えていかなければな
くると思うので、厚労省の政省令、細則の施行な
らない。国民はこの皆保険制度が危うくなってい
どの運用面で様々な対抗手段をとっていきたい。
ることに気付かされていないのであり、このまま
介護療養病床再編の問題であるが、今日は各分
では必ず崩壊を来たすということを日本医師会と
科会に担当理事が参加して今後のあり方について
しても、また医療関係者としても国民に訴えてく
御意見を伺い、また意見を述べることになると思
責任があると考える。
う。医療制度改革というものは基本的には、少子
国際間の紛争の中で被害をこうむるのは国民で
高齢化という社会に対応した医療はどうあるべき
あり、それによって生まれた難民である。つまり
かを考えるのが基本であるが。わが国の経済は厳
経済の破綻、国民の貧困そして不平等がおこる。
しい時代を乗り越えて、復調の兆しが見えている
わが国は現在このような心配のない平和な国であ
1020
平成 18 年 11 月
山口県医師会報
第 1755 号
るゆえに、私たちは危機管理というものに対して
ある。現場の情報が実は数字を積み上げるデータ
洞察力が低下しているのではないか。わが国には
ベースの大きな意義付けになるのである。国に訴
年金制度、保険制度、福祉制度などがあり危機的
える大きな力になるのである。
な状況に鈍感になっているのではないか。危機的
日医はグランドデザインとして、国民医療のあ
状況が来うるということを常に知っておかなけれ
り方について提案しているが、この施策をどのよ
ばならない、いつどこから来るか分からない、新
うにして実現していくか、この戦略として次の3
型インフルエンザ、天然痘などの感染症も想定さ
つを考えている。1 つは国民に対してどのように
れる。我々医療関係者としては国民の生命、健康
して説明していくかという広報的な観点で、報道
を管理する立場からこれらの危機に対して注意を
機関に対しても同様である。もう一つ大切なのは、
払う義務がある。
政府・与党に対して丁寧に説明すること。そして
国連難民高等弁務官の緒方貞子さんなどが討論
行政官庁に対しても説明をしなければならない。
された「安全保障の今日的課題」と題して書かれ
そうして議論していくことによって理解を求める
た報告書があるが、これによるとこの危機的状況
努力を行っていく。
が発生するときに、国民の生命と健康に対して国
日本医師会は学術専門団体ではないが、大学、
がそれに究極することは、紛争を先駆けて抑止す
病院、診療所そして官僚などあらゆる分野のドク
ることになると述べている。軍備を高めることが
ターがいる。新しい医学、医療情報をきちんと伝
安全保障ではない。人間の健康と生命を守るとい
えていくことが大きな任務である。先生方が最新
う安全保障が、国家の安全保障に繋がると考える
の高度の情報を元に、国民にきちっとした医療を
のである。
提供する中で先生方の努力が報われる道を切り開
国民の最大の関心事は健康である。そうであれ
くために何が大切かというと、やはり医療施策の
ば、健康を守る医療担当者として我々は「国民医
推進、そして医政であると考える。「政治なくし
療」という観点から医療を考えていかねばならな
て医政なし、医政なくして医療なし」と言われて
い。
いる。私もこのことを信念として努力していく。
では「日本の国民医療」とは何かと考えてみた。
早急に今対応しなければならない課題に、医師
日本のどこに住んでいても現在の医療の恩恵を受
の地域的偏在と診療科の偏在がある。
けられる、そこには救急医療、妊娠・出産といっ
各自治体、各医師会、各公的病院などで、比較
た面でも最新のレベルのものが受けられる。日進
的若い医師に僻地医療を担ってもらえるような体
月歩の医療情報が得られる。医療従事者の体制が
制を整えていくことが大切である。若い医師はき
整っている。そしてその医療は安価で継続性があ
つい・つらい・厳しい僻地医療を嫌っているよう
り、心の温まる医療が提供されていること。これ
に思われるが、決してそうではない。意欲を持っ
が私の考える「国民医療」である。
た若い医師は沢山いる。我々がそういう意欲を持
北から南の地域地域の医療はどうなのかと考え
った者が報われるシステムづくりをしていかなけ
てみると、気候、風土、文化、人口密度など様々
ればならない。
な要因が地域によって異なっており、それぞれに
新医師臨床研修制度に対する取り組みである
医療提供体制のあり方も異なってくる。家庭に老
が、今年の 4 月時点での調査で大学に戻る医師
人を引き取って介護のできる家庭がどれだけある
はほぼ半分くらいであり、大学の講座にとっては
のか、療養病床で医療を受けている老人を家庭に
大変な事態である。また基幹病院においても医師
帰れと誰がいえるのか。地域地域の現状を考慮し
の過重労働という問題があり、週 70 ∼ 80 時間
てきめ細かい施策をすべきである。
労働の中で研修医の指導を行うという極めて過酷
日本医師会としては、地域のそのような情報が
な労働を余儀なくされる。そんな中で耐えきれな
沢山欲しいのである。日医は医療の介護の福祉の
くなって、開業していくという実態がある。そし
現場について十分に分かっていない。やはりよく
て、女性医師にどうやって現場に留まって頂ける
分かっているのは現場で活動されている先生方で
か、あるいは復帰して頂けるかという問題。これ
1021
平成 18 年 11 月
山口県医師会報
第 1755 号
らを何とかしないとわが国の医療は持ちこたえら
平成元年より長崎市医師会平日準夜急患診療所を
れないとこまで来ている。
開設した。平成 14 年長崎市の設立で長崎市医師
それから医療機関の経営状況の把握であるが、
会が運営する「長崎市夜間急患センター」がスタ
今年の 4 月に 3.16%のマイナス改定があった。
ートした。特に小児科は午後 8 時から翌朝 6 時
厚労省は毎年医療費は3∼4%の伸びがあると言
まで 1 年中急患を受け付けている。
っているが、伸びどころか更に厳しいマイナスと
なっている現状がある。医療機関にとって厳しい
3)長崎市医師会保健福祉センター
経営状況が強いられるということであり、このこ
当センターは以下の6事業所を総括している。
とを詳らかにしたいと思う。
訪問看護事業所、訪問介護事業所、通所介護事業
厚労省は 2025 年には国民医療費は 141 兆円
所、療養通所事業所、居宅介護支援事業所、地域
と言っていたのが、最近では 65 兆円と言う。日
包括支援センター
医の試算ではこれが 42.1 兆円となるが、これは
度重なる減額改定と自己負担の増加が含まれてい
2、大村市医師会在宅介護支援部
大村市医師会副会長 朝長 昭光
る。わが国では保険料の事業主負担が減ってきて、
自己負担が増えているのであるが、これは諸外国
の中でも珍しい。これを何とか是正しなければと
大村市医師会は昭和 37 年大村市を区域として
考えている。
設立された。昭和 42 年医師会館竣工、
今日は共同利用施設の先生方の集まりである。
その後准看護師養成所と在宅介護支援部を開設し
各施設が地域医療に一歩一歩根を下ろしながら、
た。その他開かれた医師会をテーマとして、市民
発展していくことを願うものであるが、その根底
公開講座の開催や医師会だよりの発行をして市民
には国民の求める信頼される医療があり、安全な
への情報提供にも取り組んでいる。
医療があり、そしてそれを支えるしっかりとした
医療財源の確保があると考える。日医はその為に
大村市医師会在宅介護支援部
精一杯努力を行う所存であるが、日医が行動を起
1)訪問看護ステーション
こしたときには先生方の絶大なる御協力をお願い
これは長崎県下で最初の訪問看護ステーション
して、講演を閉じたい。
である。
2)大村市中央在宅介護支援センター
3)ヘルパーステーションやすらぎ
県内共同利用施設紹介
4)居宅介護支援事業所
1、長崎市医師会共同利用施設
長崎市医師会副会長 野田 剛稔
長崎市医師会は明治 26 年の大日本医会の創立
分科会
「医師会共同利用施設の新たなる展開へ向けて」
を受け、明治 40 年に長崎医学会を設立させ、以
第 1 分科会(医師会病院関係)
来平成 18 年 7 月現在でA会員 529 名、B会員
―地域は医師会病院をどう捉えているかー
448 名の構成員を持ち、来年で 100 周年を迎え
シンポジウム1
ようとしている。
板橋区医師会病院(東京都)
板橋区医師会病院副院長 泉 裕之
1)長崎市医師会医療センター診療所
昭和 63 年に長崎市医師会臨床検査センターと
板橋区は東京 23 区西北に位置し、人口約 52
長崎市医師会診療所が統合されて今日に至る。
万人である。板橋区医師会は会員 555 人を擁し、
区内には大学病院および都立病院がそれぞれ 2
2)長崎市夜間急患センター
施設ずつ開設されている。
地域住民の夜間診療に対するニーズが高まり、
今回は、板橋区医師会病院の地域における役割
1022
平成 18 年 11 月
山口県医師会報
第 1755 号
について医師臨床研修を通しての検討と報告があ
今後も、医師会病院としてのメリットを生かし
った。
た臨床研修病院として活躍していきたい。
1、病院の概要
シンポジウム2
昭和 41 年に大和町に病床 50 床の内科系病院
明石市医師会立明石医療センター(兵庫県)
として開院した。昭和 47 年に高島平に 100 床
明石市医師会長 日下 孝明
の総合病院として移転開院し現在は 199 床の急
性期病院として機能している。12 診療科と健診
1、病院の概要
センターで構成され常勤医師は 24 名である。
明石市医師会立明石医療センターは平成 13 年、
国立明石病院と国立神戸病院を統合した後医療を
2、医師臨床研修の実際
引き受ける形で、医師会立として開設された。
医師臨床研修を開始するにあたっては、医師会
病院の基本方針として、東播磨医療圏域での中核
及び医師会病院において活発な議論がなされた。
的な医療を維持し、地域医療の確保、充実に努め
この結果、人件費の増大、指導医の負担、医療事
る。保健・医療・福祉の連携を強化した包括的な
故に対する危惧などの問題点もあるものの、病院
医療を実践し、地域の医療需要に対応した運営を
全体のモチベーションの上昇、レベルアップ、地
行う。急性期病院としての診療機能や特殊診療機
域における信頼性の増大などが期待でき、何より
能の強化・充実に努める。またDOAにも対応で
次代を担う若き医師を育成することが重要である
きる2次救急医療を実施する。施設設備の共同利
と考え、平成 17 年度から管理型研修病院として
用を推進するなど、病診・病病連携の一層の推進
臨床研修を開始した。
を図るとしている。
医師会の方針として、研修医には積極的に手術
職員数は診療部、看護部、技術部、事務部、
や診療、処置などを行えるようにしている。地域
看護専門学校合わせて 337 名であり、診療科は
医療においては、医師会員の開設する診療所と共
12 、病床数は一般病床 247 床(開放型病床 10 床)
同して研修を行っている。
となっている。
研修後の感想では、内科や外科で一般的な疾患
を多く診る事ができた、研修医が少数なので多く
2、地域医療体制・地域との関わり
の症例を経験できた、手術や手技を多く経験でき
医師会病診・病病連携システム、開放型病院、オ
た等が良かった点として上げられた。逆に研修医
ープン検査、地域医療連絡室、人間ドック・検診
が少数なのでディスカッションや相談がしづらか
オープン検査、患者相談窓口などにて、地域の医
った等のデメリットも上げれたが、深刻なもので
療機関や患者サービスに努めている。
はなかった。
地域研修では、各診療科で外来研修ができたこ
3、教育、研修、機能評価
とや、診療所においては全人的な診療、往診の経
管理型臨床研修病院、神戸大学との協力型臨床
験や一般的な疾患が多く診られたことが有益であ
研修病院、付属看護専門学校、
ったとの声が多く聞かれた。
病院機能評価認定などにより、病院の内容充実を
板橋区医師会病院では、プライマリーケアだけ
目指している。
でなく、地域医療、医療連携の重要性を理解でき
たとする研修医の感想が多かった。当院の理念は
4、病院の活動状況
「医師会員と共に、より豊かな地域医療を目指し、
平成 18 年 4 月実績で、1 日平均患者数は入院
求められる医療の提供を通じて、地域の人々の健
119.5 名、外来 332.3 名。紹介率 58.5%、病床
康と福祉に貢献することを目的としている」であ
利用率 80.8%、平均在院日数 13.3 日、手術件数
り、これが実践されているのを研修医の目から見
132 件となっている。その他、DPC制度の適
た結果と思われる。
用開始、SPDシステムの運用開始を行っている。
1023
平成 18 年 11 月
山口県医師会報
病院長を中心とした病院全体での、
患者に安心・
第 1755 号
かっている。
信頼される診療体制作り、医師会員に信頼される
地域医療連携が評価され、市民、医師の間で「良
4、地域医療を取り巻く環境の変化
い病院」として定着した評価が得られている。そ
地域医療を取り巻く環境は、急速な高齢化や医
のことが病院自体の収益向上に繋がり、現在安定
療の細分化、高度化により、広範囲なサービスと
した経営を継続している。
質の向上が必須条件であり、高齢化社会や介護保
険制度に対応した保健・医療・福祉の連携が求め
シンポジウム3
られている。
大分市医師会立アルメイダ病院(大分県)
大分市医師会副会長 工藤 輝俊
5、まとめ
当院は市民県民から期待される快適な療養環境
大分市医師会は会員数 469 名で、共同利用施
や、多様化する近代医療等へ対応できるように病
設として医師会立病院、准看護専門学院、看護専
院の建て替え中である。平成 20 年のグランドオ
門学校、訪問看護ステーション等の 7 施設を運
ープンに向けて努力している。
営している。今回、医師会立病院の現状、問題点、
〔報告:常任理事 西村公一〕
今後の課題等についての発表があった。
1、病院の概要
昭和 44 年に大分市医師会立病院として開院し、
昭和 53 年開放型病院に承認されて以来、増改築
を行って現在の 385 床となった。県下唯一の三
次救急急患センターの認定、
災害拠点病院の指定、
第 2 分科会
1. 函館市医師会健診検査センター 函館市医師会副会長 竹田公一
地域医療支援病院としての承認など、地域医療の
函館市医師会は会員 600 余名、医療機関 259
中核病院としてその責務を果たしている。
施設を有している。事業としては医師会病院、健
診検査センター、看護学校と夜間救急センターの
2、現状の取り組み
4 事業を運営している。
当院は地域医療支援病院として、自己完結型
健診検査センターは昭和 47 年に設立され、総
の医療から地域完結型の医療を目指し、病診・病
合精度管理を重視した「検査・売上げ・物品管理・
病連携を推進し地域医療の中心的役割を担ってい
健診」の総合自動化システムを構築、平成 10 年
る。
にはデータ配信による外部診療支援システムの開
さらに県下唯一の救命救急センターとして、事
発・整備を行い、「正確・迅速」をモットーに業
故や災害の多様化や増加しつつある重要に対処す
務の拡大を図ってきた。当初、莫大な利益をもた
るため、第三次救急医療体制の重要性はますます
らしていたが、2 年毎の検査料の引き下げ、包括
高まっている。
制度の導入、民間センターとの競合、高齢化によ
る利用組合員の減少、新規会員の医師会離れなど
3、課題
により、平成 5 年をピークに減収の一途をたど
平成 18 年度の診療報酬改定は内容的にも厳し
った。平成 13 年からはマイナス収支となり、存
く、紹介患者加算の廃止はこれまで病診連携の要
在意義をとわれている。
として機能分担を支えてきた医師会立病院の在り
当初、薬剤機材費の見直し、外注項目の見直し、
方を否定するものである。今回の改定で急性期病
時差出勤による時間外費用の削減、退職者不補充
院の生き残る道は、入院基本料の区分(看護職員
による人員削減など徹底したコスト削減に努め、
配置)、平均在院日数、連携体制、DPCの導入
一般検査から健診業務へのシフトを図ったが、こ
などの条件をどのようにクリアーしていくかにか
の 10 年間の受診抑制や検査の手控えによる減収
1024
山口県医師会報
平成 18 年 11 月
第 1755 号
は著しく、会員ユーザーの獲得と健診業務の拡大
支援事業所、訪問看護ステーション、ヘルパース
による増収が課題となった。
テーション ) と健診検査事業部を有している。
会員ユーザーの獲得は存在意義にかかわること
昭和 38 年 7 月設立された。設立から 10 数年
からアンケート調査による会員の意識調査を実施
は順調な収益を保っていた。しかし昭和 56 年か
した。結果は、料率が高い、料率は同じでも医師
らの相次ぐ検査点数の引き下げや民間ラボの低料
会立検査センターに戻らないなど複雑な要因があ
率攻勢による会員の医師会検査センター離れ、長
ることが伺われた。この結果から営業担当者の育
期間勤務している検査技師職員の人件費のかさみ
成と増員、診療支援システムの配備、新規ユーザ
などにより、平成 5 年度をピークに収益も伸び
ーへの特別料金の設定、大手民間センターとの提
悩み、運営はきわめて厳しくなった。平成 7 年
携など競争力の強化に努め、会員並びに家族、従
度より市内の中小事業所の健診事業に着手し、料
業員の定期健診や X 線漏洩検査など会員サービ
率の引き下げも行った。また、検査試薬、消耗
スを充実し、センターニュースによる運営状況の
品購入の見直し、在庫管理の徹底、検査技師の完
逐一報告など会員との一体化を図った。さらに、
全フレックス制の導入等の対策を行ってきた。し
医師会長、運営委員長及び各運営委員が先頭に立
かし従来どおりの収益の確保にはつながらなか
ってユーザー獲得を進めた。検診も医師会長を先
った。平成 14 年度からは民間企業的経営管理手
頭に、医師会立としての公益性を前面に打ち出し
法を取り入れ、医師会事務局の介入による業務管
営業を展開し、市関連の業務委託を獲得した。こ
理の見直しも行ってきた。しかしこのような改善
れ等の努力の結果、平成 15 年で検査収入は下げ
努力も限界に達し、事務局と検査センター職員と
止まり 16 、17 年と単年度収支が黒字に転換した。
の軋轢により職員の相次ぐ退職もあり、センター
しかし、平成 18 年度は大幅な診療報酬引き下げ
の維持が難しくなった。そこで医師会検査センタ
が実施され、予断を許さない。
ーの名前を残し検体検査業務を外部委託すること
今後、これまでの方策を堅持するとともに、老
を総会に提案し承認を得た。そこで 2 社に調査、
朽化した建物の改修・建て替え、検査機器の更新、
検討を依頼し「ブランチラボ」方式で 1 社と契
診療支援システム ( 電子カルテを含む ) の再構築、
約した。
人材育成、雇用形態の見直し、そして医師の確保
医師会検査センターの検査スペースを提供し、
など問題は山積みしている。
委託先には検査技師の派遣を含め必要な設備も依
医師会健診検査センターは医師会活動の拠点で
頼した。精度管理は委託先検査技師に依頼し、検
あり、地域の保健・医療・福祉の充実が目的であ
査業務全体の管理は医師会理事会・事務局の下に
る。地域住民の医療情報基地として、情報ネット
置いた。集配業務、検査伝票等の報告書は従来ど
ワークを充実させ、予防医学にも寄与しなくては
おり、検査料請求事務も医師会事務局が行う。検
ならない。データの一元化・標準化も急務である。
査料の一定比率を委託料として業者へ支払うこと
とした。この方式で利用者は従来と変わりなく検
2. 焼津市医師会臨床検査センター
焼津市医師会副会長 中山力英
査センターを利用できる。検査センターの運営は
精度管理責任者である派遣検査技師と検査業者、
昭和 38 年に設立され、会員の診療支援、市か
医師会担当理事、医師会事務職員が参加して「検
らの委託事業の健診業務、中小事業所の健診など
査センター運営会議」を定期的に開催して行う。
を行ってきた。しかし、近年の検査料金の引き下
検査業務委託に際し、検査料率の設定が大きな
げや会員の利用率低下、職員の退職等もあり平成
ポイントとなった。検査料から一定の比率を支払
16 年からブランチラボ形態で検体検査のみを行
うことで決定した。これにより検体数減少等によ
っている。
るリスクの回避もある程度可能となった。「ブラ
医師会の規模は会員数 110 名 (A 会員 61 名 ) 、
ンチラボ」化の前後で財務状況を見てみると、検
医療機関数 61 である。共同利用施設としては在
査収入は横ばいであり、その分検査委託費分費用
宅支援事業部 ( 地域包括支援センター、在宅介護
が増加する。しかし薬品費が 0 、人件費も二分
1025
平成 18 年 11 月
山口県医師会報
第 1755 号
の一程度となり新規機器購入が不要になり、経常
に臨む事が重要である。日医総研に「医療経営支
利益も 7.4%にまで回復した。また、会員からの
援チーム」が結成されており、ここを活用するの
検体数が若干増加していることも利益率を保った
も一つの方法である。
要因である。しかし、新規会員の獲得が思うよう
今後、民間ラボを競争相手と捉えるだけでなく
にいかず、ここをどうするかが今後の営業活動の
協調体制をとることも医師会検査センターの将来
課題になっている。
に向けての選択肢の一つである。
ブランチ化によるメリットは①検査技師等の
人的なことに関する労力低減。②試薬品などの消
3. 長崎市医師会医療センター診療所
長崎市医師会理事 岩永 信昭
耗品費も民間ラボが一括購入できるので抑えられ
る。③精度管理は民間ラボに任せることで全国レ
長崎市医師会は来年創立 100 周年を迎える。
ベルで行うことができ、大きな安心感がある。会
会員数は A 会員 520 名、B 会員 447 名である。
員も従来と同じ形態で検査が可能となる。委託業
長崎市医師会医療センター診療所は主に健診業務
者にとっても検体数を確保できることはメリット
を担当する診療部と検査部で構成されている。
である。
検査部の母体は、数名の開業医が自己資金を出
医師会が検査センターを持つ意義は①きめ細か
しあって昭和 36 年に設立された。その後この検
な集配業務体制とそれによる迅速な検査と報告。
査センターを市医師会事業として吸収し、さらな
②検査技師が医師会にいることで検査情報等の
る発展をめざして昭和 37 年に長崎市医師会臨床
交換ができる。③医師会という安心感。④地域住
検査センターとなった。昭和 47 年 7 月には長崎
民のデータセンターとしての機能を持つことが可
市医師会診療所が開設された。診療部は当初被爆
能。などがあるが、もっとも大きな存在理由とし
者健診に主眼がおかれていたが、その後学童検診、
ては地域住民のデータセンターとしての機能を持
人間ドック等に事業を拡大してきた昭和 63 年に
つことができることである。逆に技師の確保、そ
臨床検査センターと統合し、長崎市医師会医療セ
の他の管理業務、精度管理の維持、試薬品等消耗
ンターとして再スタートしている。
品の購入に対する値引き交渉などが大きな煩わし
診療部は順調に推移しているが検査部の実績は
さとなる。新規会員の獲得に関しては理念だけで
平成 4 年をピークに以後減収が続き平成 17 年度
は困難であり、何か付加価値的な物を打ち出さな
には 1,400 万円の単年度赤字を出しており、赤
くてはならない。もう一つの方策は「IT 化への
字体質が続いている。さまざまな努力にもかかわ
対応」である。一般健診に加えて住民健診、職域
らず会員利用率は長い間 50%台と低迷しており、
健診で蓄えた検査データを活用し、複数の医療機
長崎市の臨床検査の市場は民間センターに押され
関で閲覧できる患者データ共有システム、電子カ
っぱなしの状況が続いている。
ルテへのデータの移行など民間企業の技術を活用
数年来の議論を経て、診療報酬改定のたびに下
していくことが課題となる。地域の医療情報の拠
げられていく保険点数、会員利用率の低さは如何
点として機能することが住民への良質な医療提供
ともし難く、検査部の経営を外部に委託すること
につながり、そのための技術支援を民間ラボが供
を、執行部を中心に代議員会のメンバーも加え検
給できればと思われる。
討中である。
ブランチラボ方式の課題としては①新規開業へ
の営業活動をどうするか、②委託業者への報酬料
協議会を終えて・・・
率の設定をどうするか、
③委託業務後の精度管理・
臨床検査部は何処の医師会でも頭痛の種になっ
人員配置・・検査機器設置状況などのチェックを
ているようである。現在外部委託化が一つの大き
医師会側が常に行う、④いろいろな問題に対して
な流れとなっている。民間検査センターに比較し
細かな契約書の作成などがあげられる。業務委託
て経営規模の小さいところが多いのも一つの原因
の契約期間はおよそ 5 年であり、契約内容の履
かもしれない。現在のままの形で存続を図るには
行の状況や委託の効果・問題点を分析して再契約
各検査センターの横への連携が必要であろうが、
1026
山口県医師会報
平成 18 年 11 月
第 1755 号
現在の保険点数の状態では難しいのかもしれな
との違いを示したい。通所介護事業は医師会運営
い。
の独自性を発揮し、認知症の利用者を積極的に受
け入れたい。当地域包括支援センタ−は周南市の
〔報告:理事 田中豊秋〕
約 55% の広範囲の地域が本当にカバ−できるの
か ? 在宅支援部の今後の戦略のキ−ワ−ドは“連携
の強化”と“リ−ダ−シップ”。在宅をサポ−ト
第 3 分科会 するには医療・医師との連携は是非必要。地域の
( 介護老人保健施設、地域包括支援センタ−、訪
オピニオンリ−ダ−として医師会に求められる使
問看護ステ−ション、ホ−ムヘルパ−ステ−ショ
命は大きい。
ン等関係 ) −介護保険事業 今後の戦略−
シンポジウム2
シンポジウム1 徳山医師会 ( 山口県 )
徳山医師会副会長 福山 勝
甘木朝倉医師会 ( 福岡県 ) −新たなる試練−
甘木朝倉医師会理事 火野坂 徹
会 員 数 111 名 (A 会 員 65 名 B 会 員 46 名 ) 、
人口は約 9 万 3 千人 ( 朝倉市と朝倉郡筑前町、東
会員数約 250 名、人口約 15 万 6 千人 ( 平成
峰村の 1 市 1 町 1 村 ) 。
15 年 4 月、旧徳山市、旧新南陽市、旧鹿野町、
共同利用施設としては、昭和 58 年 12 月に医
旧熊毛町 2 市 2 町が合併し周南市 ) 、約 140 の
師会病院を開設 (134 床 平成 2 年 5 月に増床
医療機関で構成されている。
し 240 床 ) 、介護老人保健施設 (100 床 ) 、訪問
昭和 41 年 4 月からオ−プンシステムの医師会
看護ステ−ション、ヘルパ−ステ−ション、居宅
病院 (391 床 ) を設立・運営。昭和 63 年 9 月に
介護支援事業所などを単独事業として運営してい
「在宅療養部」( 退院後の一貫した治療の展開の
る。昨年、慢性的赤字に悩む県立朝倉病院 (150
為 ) を新設し、無料で訪問看護をスタ−ト。その
床 ) の移譲を受け、より機能性を高めるため 2 つ
後、平成 4 年 11 月に最初の訪問看護ステ−ショ
の病院を合体させ、2 年後に 300 床の新医師会
ンを設立し、現在、2 つの訪問看護ステ−ション
病院を開設予定。
と 3 つの出張所を持ち、周南市全域をカバ−し
特徴として、1. 医療比重が高い、重症者が多い
ている。又設立以来、離島 ( 大津島 : 渡船料無料 )
2. 在宅のタ−ミナルへの取り組み
にも足を運んでいる。平成 5 年 4 月より在宅介
ヘルパ−による夜間の見守りを導入することに
護支援センタ− ( 基幹型 ) を委託運営。本年 4 月
より利用者、その家族から感謝されている。
より廃止して地域包括支援センタ−を受託。平成
今春の改訂の影響は余りない。幸いに経常利益
8 年 4 月には現在の訪問介護事業、平成 10 年 5
を出している。今後、各事業が会員にとってどれ
月より公設民営方式による通所介護事業の運営を
だけ役にたつ存在になるのか、共同利用施設の存
開始。介護保険制度の施行に伴い各事業所に居宅
在意義を再確認する。共同利用施設を強化するこ
介護支援事業所を併設したが、平成 13 年 4 月に
とは、医師会の組織力を強めることになる。これ
中央化 ( 単独型 ) した。本年 4 月より
「在宅支援部」
からも医師会病院を中核とした医療体系は堅持し
と組織強化。 つつ会員が一致団結した協力体制のもと、会員と
問題点としては、訪問看護事業は高い医療度を
介護施設とも連携を促進することでお互いの利用
求められているが、
慢性的マンパワ−不足である。
実績が更に高まると期待している。
訪問介護事業は介護保険の改正により経営的に苦
しい立場になったが、そよ風サ−ビス ( 公的介護
保険の隙間を埋める独自サ−ビス ) 等を開始。居
宅介護支援事業は逓減性を恐れず受け入れ、民間
1027
平成 18 年 11 月
山口県医師会報
第 1755 号
シンポジウム3
持つ在宅の中重度者等 ( 難病・癌末期 ) を対象。
長崎市医師会保健福祉センタ− ( 長崎県 )
2 床を用意。利用者の家族等からは大変好評であ
−介護保険改定の影響と新たな事業展開−
るが、未だ市民等の認知度・理解度は低い。訪問
長崎市医師会理事 藤井 卓
看護と療養通所介護の区分けと連携が課題である
人口約 45 万人の長崎市民を対象に医療・介護・
が、地域の医師会 ( 医療の立場から ) が行う重要
福祉活動を展開。訪問看護・訪問介護・通所介護・
な事業と考えている。
居宅介護支援センタ−を運営。基幹型 (1 カ所 )・
地域型 (3 カ所 ) 在宅介護支援センタ−を委託運営
していたが、本年 4 月より廃止し地域包括支援
センタ− (1 カ所 ) と地域支援事業を受託。6 月よ
り療養通所介護事業所を開設。
介護保険改定の影響 (H18.4 ∼ 3 カ月実績 ) は、
訪問看護・通所介護・居宅介護支援事業所では大
きな収入の変動はない。訪問介護は利用者数の減
少が無いにも関わらず△ 16% と大きな減収。訪
問看護業務は、重症例・症例検討会等の増加・看
護業務以外の事務量の増加と変化した。今後医療
度の高い対象を増やす。居宅介護支援事業所は来
年 4 月からの担当者数の制限が導入されれば△
17% の減収を予想。
地域包括支援センタ−は、市が示した業務量の
3 倍・介護予防プランがメインとなっている。
( 他の 3 業務 : 権利擁護・総合相談支援・包括的、
継続的マネジメントは置き去りになっている。)
療養通所介護事業所は、医療と介護ニ−ズを併せ
1028
〔報告:徳山医師会 福山 勝〕
山口県医師会報
平成 18 年 11 月
第 1755 号
医師年金のおすすめ
◆日本医師会が会員のために運営する年金です。 ◆
◆会員医師とご家族の生涯設計に合わせた制度です。◆
制度設計から募集、資産運用等のすべてを日本医師会で運営しています。
◆◆◆ 医師年金の特徴 ◆◆◆
◆◆◆ 医師年金の特徴 ◆◆◆
その1 積立型の私的年金
●掛金として積み立てた資金を、将来自分の年金として受け取る制度です。
その1 積立型の私的年金
●公的年金のように若い人の掛金で老人を支える制度ではありません。
●掛金として積み立てた資金を、将来自分の年金として受け取る制度です。
●公的年金のように若い方の掛金で老人を支える制度ではありません。
その2 希望に応じて自由設計
●医師年金は掛金に上限がなく、いつでも増減が可能です。
その2 希望に応じて自由設計
●余剰資金をまとめて掛金とすることもできます。
●医師年金は掛金に上限がなく、いつでも増減が可能です。
●余剰資金をまとめて掛金とすることもできます。
その3 受取時期や方法が自由
●年金の受給開始は、原則
65 歳からですが、75 歳まで延長できます。
その3 受取時期や方法が自由
また、56歳から受給することも可能です。
●年金の受給開始は、原則 65 歳からですが、75 歳まで延長できます。
●年金のタイプは、受給を開始する際に選択できます。
また、56 歳から受給することも可能です。
(15 年保証期間付終身年金、5 年確定年金、10 年確定年金、15 年確定年金)
●年金のタイプは、受給を開始する際に選択できます。
(15 年保証期間付終身年金、5 年確定年金、10 年確定年金、15 年確定年金)
その4 法人化しても継続可能
●勤務医・開業医(個人・法人)に関係なく、日医会員であるかぎり継続的
その4 法人化しても継続可能
。
に加入できます
●勤務医・開業医(個人・法人)に関係なく、日医会員であるかぎり継続的
に加入できます。
<問い合わせ先> 資料請求、質問、ご希望のプランの設計等何でもお気軽にご相談
ください。 日本医師会 年金・税制課
TEL:03(3946)2121( 代表 ) FAX:03(3946)6295
(ホームページ:http://www.med.or.jp/) (E-mail:[email protected])
1029
山口県医師会報
平成 18 年 11 月
第 1755 号
第 28 回産業保健活動推進全国会議
と き 平成 18 年 9 月 14 日(木) 10:30 ∼ 15:55
ところ 日本医師会館大講堂
[ 報告 : 理事 小田 悦郎 ]
Ⅰ開会の挨拶
改正され、本年 4 月から施行されている。特に、
厚生労働大臣 川崎二郎
改正法による面接指導等においては医学的知識に
近年、わが国では産業構造の変化、就業形態の
基づく措置が不可欠であり、産業医に期待される
多様化など働き方に関わる環境が大きく変化し、
役割並びに、その責務はますます重要になる。こ
これによる労働者の健康への影響が懸念されてい
のような要請に応えるためには、産業医の主体的
る。定期健康診断の結果については、何だかの所
な取組が必要である。
見を有する労働者の割合が 5 割近くに及び、心
日本医師会では、小規模事業場の労働者の健
臓疾患の労災認定件数も高止まりの状況である。
康管理については地域の医師が地域医療の一環と
また、職場において強い不安や悩みストレスを感
して取り組むものが最も適切であるとの基本理念
じている労働者の割合は 6 割を超え精神障害等
により関係団体とも連携を密にし、産業保健活動
の労災認定件数は高水準にある。さらに、わが国
の推進を深めてきた。その具体的事業の一つとし
の自殺者数は年間 3 万人を超える状況が継続し、
て地域産業保健センターや産業保健推進センター
過労自殺を含め自殺の予防に対する社会的関心が
の事業がある。地域産業保健センターや産業保健
高まっている。こうした状況をふまえ厚生労働省
推進センター、さらには日本医師会認定産業医が
としては、労働安全衛生法を改正し、一定時間を
三位一体となった活動を展開し、我が国の活力と
超える時間外労働を行った労働者に対して、医師
基盤である労働者の健康の保持増進を通じて労働
による面接指導を義務付けるなど過重労働・メン
生産性の向上とともに健康事業や労働可能年齢を
タルヘルス対策を充実させている。また労働者の
のばし豊かで活力のある長寿社会の建設に大きく
家族を含めた相談体制を整備するなど自殺予防対
貢献することを期待している。
策についてもいっそうの強化を図っている。
このような施策の展開にあたりメンタルヘル
労働者健康福祉機構理事長 伊藤庄平
ス支援セミナーの開催をはじめとする地域産業保
企業間競争の激化、産業構造の変化、雇用形
健センター及び産業保健推進センターの活動や各
態の多様化が進展する中で、労働者の問題とりわ
事業場における産業医の指導がますます重要なも
け過労自殺の問題などは高止まりの状況にある。
のとなる。今後とも必要な支援処置の充実を図っ
労働者健康福祉機構としては全国 47 の産業保健
ていきたい。
推進センターを中心に働く方々の健康状況の改善
に貢献すべく産業医や産業看護師を対象として、
日本医師会長 唐沢祥人
健康障害防止対策やメンタルヘルス対策を重点と
わが国においては産業構造の変化、就業形態の
した保健指導、情報の提供、専門的な相談当を積
多様化など働き方に関わる環境が大きく変化して
極的に展開している。
おり職場において、強い不安や悩みストレスを感
また、少子化が深刻化する中で働く女性が妊
じている労働者が年々増加している。このような
娠あるいは出産を健康で安心してできるように母
状況を踏まえ、職場における過重労働、メンタル
性の健康管理に関する研修も今年度から新たに開
ヘルス対策の強化をはかるため労働安全衛生法が
始した。
1030
平成 18 年 11 月
山口県医師会報
第 1755 号
さらに、職業性の疾病対策もある。昨年度は
ク等に開設した。こうしたやり方は産業保健の方
アスベストによる健康被害が大きな問題となっ
向と違うという心配もしたが、事業所の管理者が
た。労働者健康福祉機構においては、アスベスト
健康診断の結果をもって相談にきたり、過重労働
疾患総合対策本部を立ち上げ、労災病院、産業保
の面談指導に予約が入り、それなりに意味をなし
健推進センターにおいて、様々な対応を矢継ぎ早
ていると考える。
に行った。今後とも、産業保健推進センターと労
今後の課題は、労働安全衛生法改正の周知・徹
災病院と相互に連携をはかっていきたいと考えて
底、メンタルヘルスケア支援事業推進の体制作り
いる。
である。
産業医学振興財団理事長 佐藤勝美
②宮崎中部地域産業保健センターの活動
財団では、厚生労働省の予算をうけ各都道府
宮崎市郡医師会産業医部会理事 中村洋之
県医師会に委託をして産業医研修事業を実地して
当センターは平成 8 年 9 月に発足し、宮崎市
いる。講習会関係については、昨年度に続き過重
医師会をはじめとし、3 つの医師会が協力して
労働・メンタルヘルス対策、及び健康情報保護に
運営している。農業と観光産業で、事業場が約 8
関する研修会、精神科医等のための産業保健研修
千箇所、労働者が 8 万人である。
会を各都道府県で実施していく。
事業を進めるにあたって 4 つの活動理念があ
本研修会は、昨年 11 月に交付され本年 4 月 1
日に施行された改正労働安全衛生法の内容を定着
るが、特に街に出ることと出前訪問を重要視して
いる。
化するための事業の一つである。また当財団の独
活動については、コーディネーターと看護師
自の事業としては産業医学専門講習会と産業医学
で事業にあたり、日曜日はサンデー健康相談、月
実践講習会を東京・大阪などで実施している。
曜日は働く人の健康体操と運動相談、水曜日は、
産業医活動を支援するための産業医学に関す
事業場の個別訪問指導を行っている。
る図書等の発行を行っている。産業医学情報の提
健康相談では、精神科医によるメンタルヘル
供は当財団の重要な職務の一つである。産業医の
ス相談も行っている。利用者は女性が多く、男性
職務Q&Aは、最新第 6 巻を本日の全国会議に
をどのように増やすかが課題である。健康相談の
間に合うように作成した。今年はアスベスト関連
相談内容については、健康増進、生活習慣病が多
ついて、広範な法令改正があったのでそれを網羅
い。メンタルヘルスに関する相談が全体の 8%と
した。
少ないが 94 件であり、1 年で 2 倍以上に増えて
いる。過重労働に関するものは 2%と少ないが、
Ⅱ活動事例報告
この度の法制化に伴い増加するものと思える。
①石川中央地域産業保健センターの活動
これからの重要な課題は、コーディネーターの
白山ののいち医師会事務長 横川幸雄
当センターでは産業医・産業界・行政と一体
企画、産業医の参加・メンタルヘルスケアの掘り
起こしである。
になり連携しながら産業保健活動を進めている。
これまでやってきたことを具体的に述べながら報
告する。
推進センターとの協力については、年間平均
③福岡産業保健推進センターの活動
福岡産業保健推進センター所長 織田 進
平成 17 年度の活動状況のまとめについては、
20 数ヶ所の事業所を産業医共同選任事業として
産業医研修に始まり、保健師、衛生管理者、労務
行っている。しかし、年間定期の健康相談の充実
担当者の研修を始めている。平成 17 年度は石綿
は、最大の課題である。6 年前までは、夜間窓口
が問題となったので、この報告・相談が非常に多
を開いていたが、相談者が極めて少ないという状
くなっている。
況が続いたため、窓口を人の大勢集まる市民温泉
地域センターの支援については、今後の課題
の相談室、商店街の公共施設、ホテル、ハローワー
であり平成 18 年度は後期に地域センターとの連
1031
山口県医師会報
平成 18 年 11 月
第 1755 号
携で研修会を開催する。内容は、
メンタルヘルス・
過重労働に関する内容を考えている。 新しい試みは、自発的健康診断を 1 回受けて
質疑応答
共同選任事業の産業医の出務手当てについて
いる人にこれを普及させることは困難であるが、
の調査をおこなったか。調査はしてない。年間の
現在、問題になっている過重労働を含めて、長時
報酬的なものは少ないように思える。
間労働の人を対象に自発的健康診断を啓発してい
Ⅲシンポジウム る。
また、より多くの対象者が受講可能になるよ
「過重労働・メンタルヘルス対策における産業
うに、インターネットを活用している。産業医学
保健活動について」
関連の研修会をWeb配信したり、テレビ会議
①法律・指針の改正の経緯
システムの活用もしている。これは 6 ヶ所の会
中央労働災害防止協会労働衛生調査分析センター
所長 櫻井 治彦
場で同じ研修会ができ、海外とも交信ができる。
Web 配信については、費用が高いのが欠点であ
労働安全衛生法及び関係法規が改正され、一
る。また、研修会の参加者の減少も考えなければ
部を除き 4 月 1 日より施行されている。また、
ならない。課題は多くある。
これに関連するいくつかの指針が改正された。全
体の姿は平成 16 年 12 月の労働政策審議会建議
④福島県における産業医共同選任事業
にしめされたとうりである。労働安全衛生法およ
福島産業保健推進センター所長 び関係法規の改正のポイントは①事業者による自
福島県医師会会長 小山菊雄
主的な安全衛生への取組を促進するための環境整
福島県産業保健推進センターは平成 12 年に発
備、②元方事業者による安全衛生管理の充実(建
足。センターでは平成 15 年度から 17 年度に亘
設業・製造業等)、③過重労働・メンタルヘルス
る 3 年間の助成期間で、11 集団 43 事業所に、
対策、④労働者の健康情報の保護、⑤化学物質管
産業医共同選任事業を行ってきた。同時に、当該
理の推進で、過重労働・メンタルヘルス対策はこ
事業及び産業医に対してのコメントをアンケート
の 5 本柱の 1 つと位置づけられている。
形式で調査した。
過重労働対策については、厚生労働省は平成
この事業の評価として、事業所からは、従業
14 年 2 月に「過重労働による健康障害防止のた
員の健康(主に疾病把握と予防)に対する意識が
めの総合対策」を策定し、積極的な対応を求めて
変わった、従業員の健康診断受診率が向上した、
きたが、十分な成果があがっていない。労災補償
従業員からの安全衛生・健康教育が充実した、月
の請求件数と認定件数の増加傾向や長時間労働の
100 時間を超える残業はしないとういう回答を
常態化などの状況下で、より的確に対処するため
得た。
に必要な施策の整備充実を図る目的で、今回の諸
一方この事業に参加した共同選任医師からは、
改正が行われた。
事業所の積極性に欠けることがあり、事業主の当
また、メンタルヘルス対策については、厚生労
該事業への関心度が薄かったという回答が得られ
働省は平成 12 年 8 月に「事業場における労働者
た。また、小規模事業所では、健康診断を実施し
の心の健康づくりのための指針」を策定して対策
ていない所もあるなど、10 年前と変わらない状
を進めてきたが、関連する労災補償の請求件数と
況にあるということが分かった。
認定件数の増加やその他の状況をみると、この問
調査の結果から今後の課題として、相互の日
題に対してより適切かつ有効な対策の実施を図る
時調整の工夫、当該事業所全員参加のうえでの本
必要があると考えられ、その目的に沿って今回の
事業活動あること、本事業の積極的広報活動、産
諸改正が行われた。主な内容は下記の通りである。
業医からの管内労災死傷病状況の周知、本事業助
成の 1 年延長の検討が挙げられる。
●月に 100 時間を超える時間外労働をおこなっ
た労働者で、疲労の蓄積が認められ、面接指導
1032
平成 18 年 11 月
山口県医師会報
第 1755 号
を希望するものに対し、医師による面接指導を
る個人情報を解釈して、事業者が行うべき措置を
受けさせることを義務化
考えなければいけない。
●労働者に事業者がおこなう面接指導を受けるこ
こういったメンタルヘルス情報をどのように保
とを義務化
護していけばよいかについては、「迷ったときは
●長時間労働に余地疲労の蓄積が認められ、又は
本人の同意を得る」のが最も正しいやり方と考え
労働者が健康に不安を感じ、申し出をおこなっ
る。
たもの、及び事業場で定めた基準に該当する労
産業医は、健康情報を取り扱う目的、健康情
働者に対し、医師による面接指導を受けさせる
報の必要性、本人同意の取得の可否、情報の利用
ことを努力義務化
と保護の均衡を検討したうえで、個別事例ごとに
●長時間労働者に対する面接指導を産業医の責
適切な判断ができるように務めるべきである。
務としての明記
( 表 2)
●過重労働による健康防止対策を衛生委員会の調
査審議事項として明記
④メンタルヘルス対策における事業場での対応に
●産業医は、必要があるときは、上記の面接指導
ついて の申し出をおこなうよう勧奨することが出来る
東京大学大学院医学系研究科精神保健学
看護学教授 川上憲人
ことを明記
メンタルヘルスケアを具体的に進めるにあた
②過重労働・メンタヘルス対策における産業医と
り、教育研修・情報提供、職場環境等の把握と改
しての対応について
善、メンタルヘルス不調への気付きと対応、職場
東京大学名誉教授
復帰における支援の 4 つの実施事項がある。
日本医師会産業保健委員会副委員長 和田 攻
まず、教育研修・情報提供については、一般
労働安全衛生法の改正によって、過重労働・メ
企業向けの教育研修では基本的なセルフケアの支
ンタルヘルス対策が大きな第一歩をあゆみ始め、
援をメインにしている。事業所における実施率は
産業医の対応も、より明確になると同時に責任・
大体 10%程度であり、もう少し進めていく必要
職務も重大となった。今回の改正は、面接指導を
がある。次に職場環境等の把握と改善については、
中心としている ( 表 1) 。面接指導は、事業者の
職場のストレス要因を減らすことが重要である。
安全配慮義務・企業の社会的責任の完遂、労働者
産業保健スタッフ等は、例えばストレスチェック
の健康保持増進と社会生活の充実、産業医の職務
などによって職場環境等のストレスを評価し、管
と責任の明確な遂行と三者全てにメリットのある
理監督者と協力してその改善を推進する。実施事
ものである。また面接指導においては、事後措置
業所の数は大体 10%程度で、管理監督者が日常
が最も重要であり、場合によっては、精神科医等
的に行う評価と改善については 19%の事業所が
と連携を図り適切な措置を講ずることが必要であ
実施している。またメンタルヘルス不調へのきづ
る。
きと対応については、従業員が精神的な不調を感
じたら、必要に応じてすみやかに専門医療機関を
③メンタルヘルス対策における個人情報の保護に
受診してもらうことが重要である。また、不調者
ついて
が管理監督者や産業保健スタッフ等に相談しやす
産業医科大学教授
い体制を作り、周知させることが重要である。さ
日本医師会産業保健委員会委員 堀江 正知
らに職場復帰における支援では、厚生労働省の
「心
メンタルヘルス対策において、個人の面接や
の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援
相談を行う者は、健康情報を始めとして、家庭環
の手引き」を使用すれば十分に職場復帰に対する
境など様々な個人情報を取得することが考えられ
改善の支援をすることができる。非常に良くでき
る。産業医が産業医の資格として職場で活動する
ているので参考にして欲しい。
と、一定の責任を伴う。医療情報やその背景にあ
今後の課題は、中小規模事業所でのメンタルヘ
1033
平成 18 年 11 月
山口県医師会報
ルスの推進である。
第 1755 号
ヘルス対策について等の質問があった。
⑤精神科医療機関から産業医への活動に関する提
言 Ⅳ協議 大阪精神科診療所協会会長 渡辺洋一郎
いくつかの協議がおこなわれた、その中で千葉
労働者のメンタルヘルス対策においては、職場
県医師会よりの議題を報告する。
と精神科医科医療機関との連携の必要性大切であ
わが国の勤務医は小児科や産婦人科ばかりでな
る。しかし、一方で、精神科医療機関と職場の安
く、過重労働が常態化しており、医療の安全や質
易な連携は「労働者としての患者」に不利益をも
の担保に問題が生じている。勤務医は労働者か、
たらす可能性があることを認識することも必要で
医師の過重労働をどのように考えるか。
ある。「労働者としての患者」に利益となるよう
に企業と連携を図るためには企業内にそれなりの
厚生労働省金井労働衛生課長:勤務医は労働者で
システムの整備が急務でると考えられる。これが、
ある。労働環境の整備が必要である。医師には応
産業医の機能であり、精神科医が産業医に期待す
招義務などもある。過重労働の原因は何か、本当
ることである。具体的には、産業医を中心とした
に医師は不足しているのか、根本的な問題まで議
安全衛生システムの確立・メンタルヘルス情報が
論していかなければならない、出来る限り事業主
適正に管理され、利用されるシステムの確立・メ
を指導していく。
ンタルヘルスに関する偏見をなくすための社員教
育、啓発活動・精神科医療機関との連携に関して
日本医師会今村常任理事:非常に大きな問題で、
は企業の窓口として、機能する・必要に応じて事
日医としても単なる産業保健の問題としてではな
業者に対する労働環境改善の勧告である。この要
く、日本の医療の問題として捉えていく。
件を満たせば精神科医医療機関は産業医と連携が
はかることがで、職場に適切な対応ができると考
Ⅴ総括
える。
最後に、竹嶋康弘副会長より「国民医療の重要
な一翼をになう専門家として、地域における産業
質疑応答
保健活動をますます推進して欲しい」との総括が
メンタルヘルスに関すること、面接指導の事後
あった。
措置に関すること、個人情報保護に関する情報開
示の問題、自殺者の問題、国家公務員のメンタル
1034
山口県医師会報
平成 18 年 11 月
第 1755 号
<表 1 >
項目
内容
面接指導(義務)
面接指導に準ずる措置(努力義務)
規定の趣旨 事業者は、一定の労働者に対し、医師による面接指導を 事業者は左欄の労働者以外の労働者であって健康への
行わなければならない。
配慮が必要なものについて必要な措置を講ずるように
努めなければならない。
面接指導の定 問診その他の方法により心身の状況を把握し、これに応じて面接により必要な指導を行うことをいう。
義
対象事業場 全ての事業場(常時使用する労働者の数が 50 人未満である事業場は平成 20 年 4 月から適応)
対象労働者 休憩時間を除き1週間当たり 40 時間を超えて労働させ ア. 長時間の労働により、疲労の蓄積が認められ、又は
た場合におけるその超えた時間が1月当たり 100 時間を 健康上の不安を有している労働者
超え、かつ、疲労の蓄積が認められる労働者で、面接指 イ. 前号に掲げるもののほか、
事業場において定められ
導の申出をしたもの。ただし、1ヶ月以内に面接指導を た法第 66 条の 9 の必要な措置の実施に関する基準に該
受けた労働者で、面接指導を受ける必要がないと医師が 当する労働者
認めた者を除く。
∼事業場で定める基準の例∼
なお、産業医は、時間外・休日労働が1月当たり 100 ①週 40 時間を越える労働が 1 月当たり 100 時間を超え
時間を超え、かつ、疲労の蓄積が認められる労働者に対 た労働者及び 2 ∼ 6 か月間の平均で1月当たり 80 時間
して面接指導の申出を行うよう勧奨することができる。 を超えた労働者全員
また、前記の超えた時間の算定は、毎月1回以上、一 ②週 40 時間を超える労働が 1 月当たり 80 時間を超え
定の期日を定めて行われなければならない。
た労働者全員
派遣労働者については、派遣元事業主に実施義務が課 ③週 40 時間を超える労働が 1 月当たり 45 時間を超え
実施事項
せられている。
面接指導:労働者の申出後、遅延なく実施する。
面接指導における確認事項:
た労働者で産業医が必要であると認めた者
面接指導又は面接指導に準ずる措置
∼面接指導に準ずる措置の例∼
①当該労働者の勤務の状況
対象労働者に係る作業環境、労働時間等の情報を産業
②当該労働者の疲労の蓄積の状況
医に提出し、事業者が産業医から助言指導を受ける。
③前号に掲げるもののほか、当該労働者の心身の状況
労働者の受診 前記の対象労働者は、事業者が行う面接指導を受けな
義務等
ければならない。ただし、事業者の指定した医師が行う
面接指導を受けることを希望しない場合において、他の
医師の行う同行の規定による面接指導を受け、その結果
を証明する書面を事業者に提出したときはこの限りでな
い。
記録の保存 面接指導結果の記録を作成して 5 年間保存しなければな
らない。
左記に準じた必要な措置を講じるよう努めなければな
医師からの意 面接指導の結果に基づき、当該労働者の健康を保持する
らない。
見聴取
ために必要な措置について、面接指導が行われた後(前
記の他の医師による面接指導を受けたときはその結果を
証明する書面を提出した後)、遅延なく、医師の意見を
聴かなければならない。
事業者の行う 医師の意見を勘案して、必要があると認めるときは、当
措置
該労働者の実状を考慮して、就業場所の変更、作業の転
換、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少等の措置を講
じるほか、医師の意見の衛生委員会若しくは安全衛生委
員会又は労働時間等設定改善委員会への報告その他の適
切な措置を講じなければならない。
1035
平成 18 年 11 月
山口県医師会報
第 1755 号
守秘義務、個 面接指導の実施の事務に従事した者は、その実施に関して知り得た秘 健康情報を含む個人情報の保護の観点
人情報保護法 密を漏らしてはならない。
から、個人情報の適切な取扱いを行わ
なければならない。
主な留意事項 面接指導の費用は、事業者が負担すべきものである。
面接指導に要した時間の賃金の支払は、労使協議により定めるべきものであるが、事業者がこれを支払うこと
が望ましい。
衛生委員会等又は労働時間等設定改善委員会への医師の意見の報告に当たっては、医師からの意見は個人が特
定できないように集約・加工するなど労働者のプライバシーに適正な配慮が必要である。また、必ずしも病名
を報告・記載する必要はない。
特にメンタルヘルス不調に関し、面接指導を受けた結果として、事業者が労働者に対し不利益な取扱いをする
ことがあってはならない。
常時使用する労働者の数が 50 人未満である事業場については、平成 20 年 3 月 31 日までの間、適用はないが、
地域産業保健センターを活用すること等により面接指導等を実施するとともに、その結果に基づく措置を講ず
ることが適当である。
<表2>メンタルヘルス対策におけるプライバシーの保護のための要点
1.産業保健専門職は、守秘義務の遵守および労働者と仕事の適応を推進する目的で健康情報を取り扱うことを明
言する。
2.医療職同士は、適切な判断および診療を実施するために必要な健康情報を連携する。
3.非医療職に健康情報を提供する際は、誤解や混乱を招きやすい専門用語を避ける。
4.健康情報でなくても良いときは、医療職が目的に応じて情報を加工する。
5.健康情報の目的外使用や提供は、本人等のインフォームドコンセントを得る。
6.健康情報の第三者提供は、できるだけ必要最小限の対象者に限定する。
7.個人の情報でなくても良いときは、個人識別情報を外す。
8.社会的偏見の存在に配慮し、事業場内においては偏見の排除に努める。
1036
平成 18 年 11 月
山口県医師会報
第 1755 号
【診療情報提供依頼書 例】
年 月 日
情報提供依頼書
病院
クリニック 先生 御机下
〒 ○○株式会社 産業医 印 TEL 下記1の弊社労働者の【就業措置、休養、復職、その他( )】に際し、下記
2の情報提供依頼諸事項につき、情報提供、ご意見などをいただきたく存じます。
この情報提供依頼につきましては頁下に本人の同意を得ておりますのでご確認願います。
なお、いただいた情報は、本人の【就業、休養、復職、その他( )】を支援する目
的のみに使用され、プライバシーに十分配慮しながら【 】が責任を持
って管理いたします。
また、この情報が開示されます範囲は
【 】です。
主旨ご理解いただきましてご協力をよろしくお願い申し上げます。
記
1.
労働者
氏名 (男 女) 生年月日 年 月 日
2.
情報提供依頼事項
1)
2)
3)
4)
以上
本人記入
私は本情報提供依頼書に関する説明を受け、情報提供文書の作成ならびに
( )への提出について同意します
年 月 日
氏名 印
1037
平成 18 年 11 月
山口県医師会報
第 1755 号
郡市医師会介護保険担当理事協議会
と き 平成 18 年 9 月 21 日(木) 午後 3 時∼
ところ 山口県医師会館 6 階会議室
[ 報告 : 理事 田中 義人 ]
っかりと手綱を締めていきたい」ということを言
会長挨拶
われ、それが安倍政権に対する唐澤会長の今の印
本日はお忙しい中、お集まりいただきましてあ
象だと思います。総裁選の遊説の中で「社会保障
りがとうございました。また、県の長寿社会課か
と安全保障を生涯のテーマとする」ということを
ら鶴田調整監、藤井主幹に来て頂き、感謝申し上
言われていましたが、保険範囲の給付の見直しと
げます。
いうことも述べられていましたので、それに対す
先日、台風 13 号が九州・山口を直撃いたしま
る唐澤会長の反応ではなかったかと思います。
して、大変な被害が出ております。被害に遭わ
小泉政権下のこの 6 月に国民皆保険制度以来
れました医療機関には心よりお見舞い申し上げま
の改革と言われております医療制度改革関連法が
す。同時に一刻も早い被害復旧を祈る次第です。
成立しましたが、その目玉の一つである療養病床
昨日、自民党の総裁選がございまして、山口県
の改編は十分な議論もなく進められ、医療関係者
出身の安倍晋三先生が選出され、次期総理大臣に
はもとより国民の間からもいろいろ苦情が出て社
なることが確実な状況になりました。小泉政権は
会問題となっております。
5 年半に及ぶ長期政権となりましたが、これが終
この問題に関しましては、医療制度改革関連
焉することになるわけです。山口県としては 8
法案が国会で審議されている最中の日本医師会の
人目の総理大臣になられるということでお慶び申
理事会の中で、執行部の対応について質問しまし
し上げます。
た。唐澤会長から「この法案は必ず採択される方
9 月 19 日の日医都道府県会長会議で唐澤会長
向にあるので、現実的選択としては賛意を表して
の挨拶が、「今までの政策が続くという考えでし
付帯決議で対応するしかない」という言葉があり、
出席者
県医師会
大 島 郡
正木 純生
光 市
丸岩 昌文
玖 珂 郡
河郷 忍
柳 井
弘田 直樹
会
長
藤原 淳
熊 毛 郡
藤田 潔
長 門 市
川上 俊文
副 会 長
木下 敬介
吉 南
田邉 完
美 祢 市
札場 博義
常任理事
佐々木美典
厚 狭 郡
河村 芳高
理 事
弘山 直滋
下 関 市
赤司 和彦
宇 部 市
藤本 定一
県庁長寿
山 口 市
坂本 正
社会課
萩 市
柳井 章孝
調整監
鶴田 宗之
徳 山
西村 敏郎
主 幹
藤井 修
防 府
松村 茂一
下 松
中島 洋二
小野田市
森田 純一
1038
田中 義人
平成 18 年 11 月
山口県医師会報
第 1755 号
それがこのときの日本医師会の基本的スタンスで
した。日医は療養病床について 7 ∼ 8 月にかけ
協議事項 1
アンケートをまとめて、10 月の中医協において
地域包括支援センターの現状と問題点について
議論することになり、厚労省は療養病床について
10 月に調査し 11 月にまとめる予定です。9 月
県医 地域包括支援センターの現状を知りたいと
末から 10 月にはおおよその見通しがつくのでは
いうことで各担当理事に事前にアンケート調査を
ないでしょうか。付帯決議に則った検証でどの程
した。地域包括支援センターは、現時点では市町
度の見直しができるのかですが、9 月 15 日に辻
が運営しているところが多いが、下関市と周南市
厚生労働事務次官は「追加調査は見直しを前提と
は医師会もやっている。アンケート結果を見ると、
していない」と断言しており、見直しはしないの
今のところ地域包括支援センターが出来たばかり
ではないのでしょうか。
で、具体的問題点が明らかになるところまでいっ
先の中国四国医師会連合における医療保険・
ていない印象だ。医師会がどこまで関与している
介護保険研究会においても多くの時間がこの問
かを調査するため医師会の担当者の役職をお聞き
題に割かれました。山口県でも療養病床が 1 万
したが、介護保険担当理事、医師会長が担当して
700 床あるのですが、医療型が 6900 、介護型が
いることがわかった。それともう一つ、地域包括
3800 ということです。これを国の示す基準では
支援センターについては運営協議会が舵取り役を
6460 床にするわけですから、大幅な削減になり
するのではないかと考えているが、まだ具体的な
ます。本当にそこまで出来るのかなと疑問を持っ
内容まで踏み込んでいないという印象だ。
ています。その転換におきましても県の計画の縛
りがあります。まさに逃げ場をなくして診療報酬
下関市 運営協議会がどこも上手く機能していな
を下げて追い打ちをかけている印象があります。
いというのが問題だと思う。人選について少し考
ところで、介護保険制度は平成 12 年に創設さ
えないといけない。作業部会のようなものを作っ
れ、この度の改正では新予防給付、施設給付の見
て実際の問題点を実務的に処理していかなければ
直し、地域包括支援センターの 3 点が主なもの
ならないと思う。医療と介護が一体となっており、
だと思います。今回の医療制度改革におきまして
地域包括支援センターが担う役割として医療が関
医療運営が都道府県ということになりますと、診
わる部分が大きいと思う。例えば特定高齢者の拾
療所の医師は医療機能分化、連携を推進し、シー
い上げに関しても基本健康診査を行っているとい
ムレスな医療を推進するといった役割をより一層
う例を取っても医療の関与は大きい。医師会とし
重要視していかなければなりません。要するに介
ても気をつけて見守っていかなければならない。
護保険に関与していかなければ診療所もやってい
けなくなるのではないかと思います。もっと言え
県医 予防給付のケアプランに追われているとい
ば、世の中の情勢を見ますと、医者はずしという
う状況があると思うが、いかがか。
方向性に向かって行っているように感じます。例
えば、今回の医療制度改革の目玉であります健診・
下関市 毎月 10 件ずつ1人が受け持つ数が増え
保健指導に関しましてもそのような状況で進んで
ている状況で、今は1人が 50 件は持たないとい
います。今後、留意すべきは保険者協議会、山口
けない状況がある。年度末には1人 100 件にな
県にはまだ設置されていませんが、地域職域連携
ることが予想される。そういう状況でケアマネが
協議会についても多くのことがそこで決められる
足らないということは、良質なケアプランが出来
と思いますので、医師会としても積極的に参加し
ないということが考えられる。そういう意味では
てリーダーシップを発揮していくことが肝要であ
特定高齢者への対応はほとんど出来ていないので
ると思います。
はないか。下関の 4 つの地域包括支援センター
本日はいろいろと協議題がございますので、忌
を見てみると、北浦は医師会が受託をしておりま
憚のない議論をお願いします。
だ良いが、本庁の地域包括支援センターの職員は
1039
平成 18 年 11 月
山口県医師会報
夜の 11 時になっても帰れないという状況である。
第 1755 号
してやらなくてはならなくなる。そうすると要介
護 1 に戻して欲しいという要望も出てくる。
周南市 徳山の医師会も地域包括支援センターを
運営しているが、実際はまだ稼働している状況に
県医 岡山であった連合総会でも委託手数料を取
はほど遠いと思う。まだ経過を見てみないとわか
られるという話が出たが、各郡市の状況はどうか。
らない。いずれにしても運営協議会などを見ても
先ほど意見が出たように作業部会などを中心に動
宇部市 地域包括支援センターから宇部市の在宅
かないと運営協議会の委員の間で温度差や介護保
介護支援センターや訪問看護ステーションに下請
険に対する知識の差等もあり、一部の委員が中心
けの様な形でスタッフ1人につき 8 件受けてい
になって運営が行われてしまう可能性がある。
るが、そういったことは把握していない。
美祢市 新予防給付においては大変な思いをして
山口市 承知していない。
いると思う。外のケアマネさんに 8 件まで委託
できるということでそれを最初は活用していた。
県医 この話は直接医師会の方には来ないので、
ただ業者の契約とかは全部地域包括支援センター
ご存知ないかもしれないが、金額にばらつきがあ
でやらなければならないので手続きが大変だ。
るようだ。市町によっては手数料を取らないとこ
ろもある。
県医 委託件数の 8 人の縛りが 3 月まで延長さ
れたが、それに関していかがか。
県医 今の手数料に関する話だが、委託先にお金
を振り込む際に何百円か要るそうだ。500 円は
下関市 居宅のケアマネはケースを持ちたくな
医師会が取ったように感じる地域もあるかもしれ
いのが本当だと思う。報酬が低いし、地域包括支
ないが、実際は手元には残らない。3500 円振り
援センターに 500 円取られることにもなる。月
込むための手数料がいるという事だ。
4000 円 で 500 円 取 ら れ る の で 1 ケ ー ス 3500
下関市の医師会が受託している地域包括支援
円にしかならない。訪問してプランを作って又訪
センターだが、ケアプランを 6 対 4 ぐらいで、4
問して了解を得ないといけないのでやっていかれ
くらい委託していたが、それが先月くらいに 7
ないのではないか。
対 3 ぐらいになって、自前でケアプランを立て
る割合が増えている。それではもうちょっとケア
県医 他に問題等はあるか。
マネを増やそうかということになったが、募集を
しても人が集まりにくい状況があるようだ。
郡市 4 月から制度が変わり受けられるサービス
が受けられなくなり、そうすると行政に言っても
県医 地域包括支援センターの新たな開設予定は
駄目だということになる。そうすると医師の方に
今のところないようだ。これからもそういう動向
来て、こういう理由があるからお願いしたいと医
に注目していく。
師に書いてもらうとどうにか了解してもらえる。
そういうことが増えてきている。
県医 医師会として運営協議会に委員は出ている
が、役割が不明であることが多く、これから運営
長門市 地域包括支援センターについては未だ
協議会にもしっかり参加して欲しい。
見えて来ない状況だ。スタッフもまだまだだ。保
健師も十分確保出来ていない。例えば、要介護 1
県長寿社会課 今、色々意見を聞かせていただ
から要支援 2 になってケアプランを作って予防
いたが、新予防給付の対応で手一杯で困難事例や
的な介入をしようとすると今まで体をデイケアで
総合相談の対応に手が回らない状況であり、さら
触ってもらっていたのが、自分でマシーンを動か
に特定高齢者についても新予防給付のケアマネジ
1040
平成 18 年 11 月
山口県医師会報
第 1755 号
メントで手一杯であるのが今の状況だ。そのこと
県長寿社会課 先ほどから出されている意見は私
で、県としては市町と意見交換をする中で国への
どもが行っている市町との意見交換会においても
働きかけや研修会の充実を図り、対応していきた
出ている。今の地域包括支援センター職員の身分
い。また、新しいセンターの開設については人口
だとか、4000 円という介護報酬の問題だとか、
2 万人から 3 万人に一か所ということもあるが、
8 件の委託制限の問題だとか、国の方にも言って
あともう一つ高齢者人口 3000 人から 6000 人に
いる。機会があれば、再度国にも強く言う。
つき保健師、主任ケアマネージャー、社会福祉士
を各一名ずつ置くことになっている。それに従っ
県医 8 件の縛りが 3 月まで延期になったが、厚
て一か所の地域包括支援センターに複数保健師等
生労働省も柔軟に考えていくのか。
を置いている訳だ。
ただ、私どもも地域包括支援センターの運営経
県長寿社会課 今回 8 件の制限が半年伸びたの
費というものが、
(市町の)介護保険給付見込額
は、この 8 件という委託の制限も今年の初めに
の 3 パーセント ( 今年は 2 パーセントだが ) 、そ
突如として厚生労働省が言い出した訳で、市町で
ういうものがあって、人の配置等あまり市町に
は今年度の人員配置を決めた後だから、一年間だ
指導はしてなかったが、市町との意見交換会の中
けは延ばそうというのが厚生労働省の言い方だと
ではそういったところで県から強く言ってもらえ
聞いている。恐らく 3 月で既定方針どおり経過
ば、市町の組織の中で対応がしやすくなるという
措置がなくなると思う。
意見もあった。
運営協議会については軌道に乗ってないという
県医 今回の改正の大きなものとして新予防給付
こともあるが、先ほど意見が出た作業部会という
と特定高齢者があるが、市によっては積極的に行
ものも必要になってくると考えている。
われているところもあるかもしれないが、進捗状
況については県はどのように考えているか。
岩国市 岩国市は 4 カ所あるが、運営協議会は
本部でしかされない。各支所で協議会をして欲し
県長寿社会課 意見交換会や調査をしたところ、
いとお願いはしているが、今はして頂けないとい
上半期でこれから健診結果が地域包括支援センタ
うことだった。
ーの方に来ることになっている。後半になってプ
ランを作るという状況がほとんどだ。ただチェッ
県長寿社会課 マニュアルの中では、市町村単位
クリストの方もなかなか厳しくて特定高齢者が少
で 1 か所で良いという原則はあるが、地域の実
ないというか、むしろ場合によっては要介護でな
情に応じて、例えば合併で拡がったところ等は地
いと対象にならないとか、このあたりにも問題が
域包括支援センターごとに運営協議会をやっても
あると思うので、市町等とよく検証し、国に問題
差しつかえはないと思う。
があることを伝えていくことが必要だと考えてい
る。
県医 ケアマネが足りない中で、一年目は赤字で
もしょうがないという状況もあるが、5 年や 6 年
県医 基本健診と一緒にやっているチェックリス
で制度が無くなることがこれまでもあったので、
トだが、特定高齢者が選定される率はどのくらい
地域包括支援センターがまた変わるかもしれない
か。
という恐れもある。雇う方としては、常勤は最低
限にして、パートで雇いたいという事情もある。
県長寿社会課 最終的には 5 パーセントを目指
そうすると雇われる側のケアマネはパートでは嫌
しているが、今の状況だと 1 パーセントにも満
だということになり、人が集まらない状況が生ま
たないような状況と感じている。
れる。
県医 国は基本健診にチェックリストを入れて 2
年間限定で実施してみようということだが、各郡
1041
平成 18 年 11 月
山口県医師会報
第 1755 号
市医師会で苦労されているが、国が思っている程
生が 1 時間程度話をされたそうだ。そういった
特定高齢者を拾い上げることは出来ていない。他
研修の場で医師会としても積極的に出向いて行け
の方法で新予防給付の対象者を拾い上げていくこ
ばケアマネの方にとっても連携が取りやすくなる
とになるのではないか。
のではないか。
協議事項 2
県医 実務研修については県の介護保険対策委員
ケアマネタイムアンケートについて
の先生に以前より出ていただいている。ただ県内
全員のケアマネが来られるわけではないので、地
県医 昨年の 7 月に 1 回目の調査を実施し、今
域の結びつきを強くするために、医師会の先生方
年度 1 年経過した状況を再調査している。アン
と地域のケアマネで合同研修や学習会を実施され
ケートの結果を見ると、ケアマネから連絡があっ
ている地域もある。こういう地域では、関わり合
たところもあるようだが、全くアプローチがなか
いが深くなっていると聞いており、ぜひケアマネ
ったところもあるようだ。県医師会としてはこの
協議会との合同研修会などを開催して欲しい。
11 月に県ケアマネ協議会と介護保険対策委員会
で協議する予定にしている。以前と比べるとケア
県医 県医師会とケアマネの協議会の役員との間
マネとの接触は増えた感じはするが、まだまだ十
で意見交換をして、各地区で医師とケアマネの連
分ではない。
携を上手くするにはどうするかという話からこの
リストを作成した。ケアマネタイムに賛同する先
光市 この度、ケアマネジャーの更新研修があ
生方の多さにびっくりしている。次にどうするか
り、私は光市のケアマネ協議会の会長もしている
というと、各地区の医師会の先生方が窓口になっ
ので、そこで主治医とケアマネの連携について話
て、各地区にはケアマネの協議会の支部があるの
して欲しいと依頼を受けている。山口県医師会と
で、その方と密接な関係を取って欲しい。意見を
してケアマネとの連携についてどのようにアプロ
交換するということが大事だ。県の単位でやると
ーチしていくかご教示いただきたい。
広くなるので、各地区で密接にやられるのが一番
良いと思う。
県医 山口県医師会としては県レベルでケアマネ
協議会の役員の方と定期的な会議をするが、どう
協議事項 3
もケアマネの方が医療機関に出向く機会が少ない
療養病床の再編について
のではないかということで、医療機関に行っても
先生方はお忙しいので、いつ会えばいいのか分か
県長寿社会課 療養病床の再編については、行
らない状況があり、このアンケートを作成した。
政側としては、出来るだけ受け皿を作りながら計
先生方によっては来ても良いということであるの
画的に転換していくということが基本的な考え方
でケアマネの方も行きやすくはなったのではない
だ。介護保険事業支援計画と医療費適正化計画、
か。
医療計画、法定計画でいうとその 3 つに絡んで
くる。それぞれの計画については、平成 21 年度、
光市 先生の間に温度差があるように感じてい
あるいは 20 年度から次の計画がスタートすると
る。
いうことになるので、その前に 3 つの計画を束
ねるようなマスタープランのような位置づけにな
下関市 介護支援専門員の試験に合格してすぐ実
ると思うが、都道府県ごとに「地域ケア整備構想」
務研修があるが、県の医師会として積極的に参加
というものを作成して進めていく。
するわけにはいかないのか。確かに国が決めた研
また、この 10 月 1 日付で各療養病床にアンケ
修のスケジュールというのはあるが、例えば歯科
ート調査を行って、実態や転換の希望等を把握す
医師会は口腔ケアについて歯科医師会の理事の先
る。それを踏まえ、また一方では今年度中に国が
1042
平成 18 年 11 月
山口県医師会報
第 1755 号
指針を作成するということなので、それを見なが
もある。まだ 4 年から 5 年くらいしか経過して
ら来年度になって具体的に地域ケア整備構想の検
いない。来年 1 月より 48 時間規制が撤廃されて、
討を行うというスケジュールになっている。来年
医療計画の中で有床診の一般病床が基準病床数に
の秋頃に各都道府県は地域ケア整備構想を作り、
カウントされるようになった。そのような状況の
医療保険や介護保険の次の計画に反映させてい
中で、療養病床の先行きが見えないため、再び一
く。今回行う療養病床のアンケートだが、各療養
般病床に戻す動きもあるが、それについて県は認
病床を持っておられる医療機関に送付し、10 月
めるのか。また期限はあるのか。
末までに提出していただく。直接の担当は県の医
務保険課である。
県長寿社会課 医療療養病床から一般病床への転
アンケートの項目は国が示している標準的なも
換については所管外なので回答ができない。介護
ので山口県も行う。最初に病床数や入院患者数と
療養病床については老健とかケアハウスに転換し
いった療養病床の概況を調査する項目があり、次
ようとしても現行計画の期間中だから、事実上転
に療養病床の転換の意向についてお答えをいただ
換枠がないので難しい。次の計画で数字を読み込
くということになっている。さらに患者票という
んで転換せざるを得ない。一方、介護療養から医
患者アンケートもあり、これは入院患者の 3 分
療療養への転換については計画で抑えているわけ
の1を抽出することになっている。誕生月が 3 月、
ではないので、4 月から山口県内でも 300 床く
6 月、9 月、12 月の患者について調査をお願い
らい転換が行われているのではないか。介護療養
することになっている。施設票と患者票のアンケ
から医療療養には移れる。介護療養みたいに計画
ートを 10 月いっぱいでお願いしている。
で抑えているわけではなく、医療計画では療養病
このアンケートが地域ケア整備構想を作る上
床全体を抑えるので、どちらの保険を使うかとい
で、数字を固めるものにもなってくるので、先生
うことになるので、介護療養から医療療養に行く
方にご理解をお願いしたい。
ことは出来るようだ。
県医 医療制度改革関連法案の中で昨年 12 月あ
県医 一般病棟にはもちろん移れるわけか。
たりから、まず厚生労働省の中で医療療養病床の
削減の話があって、その時点では介護療養病床に
県長寿社会課 そういう風に聞いている。直接所
ついての話は出ていなかったが、今年 2 月上旬
管していないのではっきりは申し上げられない。
に当時の経団連会長が厚生労働省に介護療養病床
の廃止を提言し、何故か認められて医療療養病床
県医 日本医師会では介護療養から医療療養への
の削減だけではなくて、介護療養病床の廃止にま
転換について今年中は保証出来るが、来年は分か
で話が進んだ。介護療養病床というのは各都道府
らないという意見が大勢だ。都道府県に裁量があ
県の三年ごとの介護事業支援計画の中で決まって
るわけだから、しっかりやってほしい。
おり、すでに数量はぎりぎりの中でやっている。
(註;その後 10 月中旬、厚労省通知で有床診の
たとえ現時点で介護療養病床から医療療養病床
既存の療養病床から一般病床への転換は年内はも
へ、あるいは老健へと転換を希望しても無理な話
ちろん来年 1 月以降も認められることになった。
)
になっている。例えば介護療養病床を経過型介護
療養病床にしたり、医療療養病床を介護保険移行
県長寿社会課 来年度作る地域ケア整備構想で、
準備病棟にすることは可能かもしれないが、その
割り振りや受け皿を検討していくという感触だ。
先6年後の計画が全く見えない中で、経営してい
る立場からすると不安なのではないか。
県医 県のアンケートのことだが、病床を持って
いるところは答えるのに困る内容ではないか。今
県医 有床診でも療養病床が認められて、一般病
後どうなるのかわからないのに、転換するのかし
床から療養病床に転換して部屋を広くしたところ
ないのかという希望だけを出せというアンケート
1043
平成 18 年 11 月
山口県医師会報
第 1755 号
なので、答えることが難しいアンケートではない
ために単純比較は出来ないが、要支援 2 の比率
か。
が最も高いのは鳥取県で 65 パーセント、最も低
い岡山県が 40 パーセントだ。山口県は香川県に
県医 病床を減らせる目途はあるのか。
近い 48.6 パーセントだった。この要因について
は介護認定審査会の動向等を見てみないと分から
県長寿社会課 介護保険計画で規定する分につい
ない。
ては、どれくらいの数字まで良いですよという指
また、介護サービス情報公表制度及び介護予
針を国が平成 20 年度くらいに出すので、国にき
防市町村支援委員会について岡山県から提出議
ちんと考えて指針を出して欲しいということは言
題があったが、岡山県の場合、手数料の費用が
って行かなければならないと思っている。
66,000 円と高い。介護サービス情報公表制度が
県の社会福祉協議会を通じて行われるようになっ
郡市 療養病棟が計画的に減らなかったら強制的
ている。そこで、各事業所に来た通知書が断定的
にやめなさいということになるのか。
で高圧的だったため、各県の状況はどうかという
のがこの質問の主旨だ。
県長寿社会課 そこは情報を得ていない。現実問
中国四国で最も金額の高い岡山県が 66,000 円
題としては出てくるかもしれない。
で、低い鳥取県は 54,500 円だったので、11,500
円の違いがある。また、指定情報公表センターと
県医 今までのやり方だと経済的に成り立たせな
しては、県社会福祉協議会が最も多く、県国保連
くする方法で転換を迫ってくる。恐らくそういう
合会が担うところもあり、NPO法人、民間会社
やり方だと思う。
がやるところもあった。
また、介護予防市町村支援委員会については各
郡市 国の通知によると医療機関の相談窓口を設
県とも委員会に県医師会から委員が加わる現状が
けるようにというのがあるが、山口県の場合はど
報告された。
こがやるのか。
さらに日医への要望・提言だが、検討する時間
がなかったが、介護サービス情報の公表・調査に
県長寿社会課 相談窓口については、医療療養に
ついて提出があった。事業所ごとに手数料を徴収
係る部分については医務保険課、介護療養は長寿
することは複数の事業所を持っている所は複数の
社会課で役割分担をしている。介護療養に関する
手数料を取られることになるので、自発的に公表
相談では、老健などへの転換という話はほとんど
する制度も取り入れて欲しいということを厚生労
なく、むしろ介護療養から医療療養に移るという
働省に要望してもらいたいということだった。
話が入っているのが現実だ。
県長寿社会課 介護サービス情報公表制度につい
協議事項 4
てだが、改正介護保険法の中にこの条項が盛り込
中国四国医師会連合「医療保険・介護保険研究
まれて、全国統一的に始まっている。手数料の問
会」の報告について
題もあるが、原価計算を行い、県の条例で規定を
したので、中国四国地域では高いところもあると
県医 香川県から改正前の要介護 1 は改正によ
は思うが、原価計算に基づいているということで
り介護予防に力点を置くため要介護 1 と要支援
ご理解をお願いする。実施にあたっては県下を 6
2 に分けられたが、その比率はどうかという議題
つの地域に分けて事業所の方々に説明会を行いな
が提出されたが、厚生労働省が出してきたもので
がら順次実施していく。周南の一部事業所では実
は要介護 1 の6割が要支援2になる計算だった。
際に情報を公表している。県のホームページに載
しかし、香川県では数字が逆になっているようだ。
っている。
各県によって認定状況が集計されている月が違う
事業所の方からはいろいろご意見をいただいて
1044
平成 18 年 11 月
山口県医師会報
第 1755 号
いるので、少し県で整理して国に伝えていく。ま
が、今年度は生涯教育・介護保険の担当役員が、
だ制度は成熟していない。
認知症サポート養成研修(愛知県国立長寿医療セ
また、介護予防市町村支援委員会のことだが、
ンター)を受けてきて、認知症対応向上研修会を
山口県においても 11 月下旬に立ち上げを予定し
企画した。一年間に2か所ずつ県下の医療圏を回
ており、既に県医師会から委員の推薦をいただい
って研修会を開催しようと思う。今年度は岩国、
ている。
萩・長門で行う予定だ。周南医療圏は、既に昨年
国のモデル事業で実施されている。
下関市 介護サービス情報の対象となるのは介護
(県医註;18 年度当初の事業計画では、下関を入
報酬が年間 100 万円以上の事業所に公表の義務
れた 3 か所になっていたが、県医の都合により
があるということだ。調査に応じなければ指定を
変更した)
取り消されることにもなる。100 万円の収入で 6
万円を持っていかれる。医師会が考えないといけ
周南市 昨年度徳山医師会で実施したが、周南医
ないのは、訪問看護をやる、居宅療養管理指導を
療圏のたくさんの先生方が参加された。新しい知
やるところは介護保険のみなし事業所になってい
識の習得も含めて非常に役に立つと思う。
る。厚生労働省の省令によって 9 つのサービス
について順次拡大されていく。今年度は通所リハ
県医 この研修会と同時に地域において認知症の
と訪問リハがモデル事業としてある。そのうち、
診療連携体制を整えていく必要がある。地域の精
みなし事業所も範疇に含まれる可能性もある。こ
神神経科の専門医と医師会員が認知症患者に対し
れは厳重に医師会が注視していかなければならな
て連携して取り組んでいくためだ。
い。
最近の流れとして、行政が税金をかけて調査し
協議事項 6
なければならないことを、次第に費用を民間に負
主治医意見書の提出について∼小野田市医師会
担させる方向にある。最近ではレセスタというケ
の新しい取り組みについて∼
ースがある。レセスタの運営費用の年間 15 万円
を各診療所に負担させようとしている。法律で決
NTTデータ 要介護認定審査会において審査の
まっている。厳重に見張っていかなければならな
支援システムを山口県医療情報ネットワークのシ
いことはたくさんある。
ステムの中でこの支援システムを構築した。介護
認定審査会のどこをシステム化したのかを説明す
県医 そのとおりでレセプトの電算化に伴う費用
る。
を国はほとんど負担しないで、医療機関に押しつ
まず、申請者の方が各介護保険課に書類を提出
けてオンライン化を進めようとしている。
することは変わりない。申請者の方の情報を要介
護認定審査会のシステムの方に登録し、そこから、
県医 私どもが一番警戒しているところだ。
電子的に、e メールになるが、各主治医の先生、
各調査員の方にその依頼が届いたということで、
協議事項 5
主治医意見書の記入依頼、また調査票の依頼とい
かかりつけ医認知症対応力向上研修会の開催に
うものも届く。そうすると各先生方で主治医意見
ついて
書のPDF化、日本医師会作成の主治医意見書の
ソフトで書類がPDF化出来るようになっている
県医 これは地域における認知症の早期発見・対
ので、それを添付して、システムに登録する形に
応システムの充実を図るため、高齢者が日頃受診
なる。その後はシステムから介護保険課の方が資
する診療所の医師(かかりつけ医)に対して、適
料を作成して、会議が行われ、メールで審査の結
切な認知症診断、家族に対する支援等の知識や
果が届くようになっている。また、別の流れもあ
技術の習得を図るための研修だ。昨年度までは生
り、システムの方から手入力もできる。
涯教育セミナーの中で認知症の講座を作っていた
1045
平成 18 年 11 月
山口県医師会報
木下副会長挨拶
第 1755 号
介護保険にも色々問題があります。対人間関係
が大事です。ケアマネとの連携が大事です。連携
時間を目一杯使い熱心なご議論ありがとうござ
を向上させる手段として、このケアマネタイムア
いました。介護保険にしても医療保険にしても暗
ンケートを各地区に持ち帰っていただいてご活用
い話ばかりですが、その根元というものは、これ
いただきたいと思います。
から 5 年間行われようとされている社会保障費
の削減にあるわけです。これ以上削減されますと
介護保険も医療保険も崩壊するかもしれません。
今回長州 8 人目の総理大臣が誕生することが確
実な情勢です。これ以上の社会保障の削減がない
ように、安倍総理大臣に望みを託したいと思いま
す。
医師は神職、弁護士と並ぶ3つのプロフェッシ
ョン(天職)のひとつで、私たちはプロフェッシ
ョンと呼ばれています。プロフェッショナルはた
だの職業ということにもなるわけですが、プロフ
ェッションというのはどこが違うかというと、他
人の苦しみや悲しみを救って自分の利益を顧み
ないということです。こういう暗い世情の中でも
患者さんのため、県民のため、住民のために一生
懸命取組まなければならない定めになっておりま
す。これからも介護保険の取組みについては、特
にご尽力をお願いします。
株式会社損害保険ジャパン 代理店
共栄火災海上保険株式会社 代理店
1046
山口県医師会報
平成 18 年 11 月
第 1755 号
平成 18 年度
郡市医師会医療廃棄物担当理事協議会
と き 平成 18 年 9 月 21 日(木) 午後 3 時∼
ところ 山口県医師会館 6 階会議室
[ 報告 : 常任理事 西村 公一 ]
れたということで、医療機関としてしっかり理解
会長挨拶
しておく必要があります。そのような意味で医療
本日は郡市廃棄物担当理事協議会にご出席い
ただききありがとうございます。
廃棄物担当理事協議会を毎年開催しているところ
です。
さて、医療廃棄物につきましては平成 16 年 3
昨年の 11 月に都道府県医師会郡市区医師会感
月環境省により「廃棄物処理法に基づく感染性廃
染性廃棄物のアンケート調査を日医が行っており
棄物処理マニュアル」が策定されまして、これで
ます。これは今後の感染性廃棄物に関する取組や
一応軌道に乗っておりますが、しかし、昨年もこ
在り方に向けた基礎資料として現在解析中であり
の場でご質問が出ましたが内視鏡の吸引の液であ
ますが、今後の主な検討の柱としては医療機関か
るとか、手術時の洗浄吸引液等具体的な処理法等
ら出る感染性廃棄物の安全処理、在宅医療などに
をみると意外と医療機関としても処理は難しい。
伴い患者の自宅から出る在宅医療廃棄物の処理、
これを行政に聞いても的確な回答が返ってこな
廃棄物処理法で設置が義務付けられている特別管
い。そのようなことが実態であろうかと思います。
理産業廃棄物管理責任者の育成という3点が挙げ
このような質問については日医の都道府県会長会
られています。今日の協議会で出た質問要望は、
議に取り上げて、
日医に回答してもらいましたが、
ここで解決できないものは日医・行政に挙げたい
その回答も医師の判断ということがかなりウエイ
と思っておりますので、忌憚のないご意見をお聞
トを示しておりまして、曖昧で割り切れないもの
かせ頂きたいと思っておりますので、よろしくお
も感じている次第です。しかも医療廃棄物につき
願い致します。
ましては医療機関の責任が大変重く罰則も強化さ
出席者
県医師会
大 島 郡
松本 直晃
萩 市
森 繁広
玖 珂 郡
松井 達也
徳 山
松村 和彦
会 長
藤原 淳
熊 毛 郡
西川 恵子
防 府
亀田 美久
常任理事
西村 公一
吉 南
吉武 裕明
下 松
水津 貴
理 事
正木 康史
厚 狭 郡
吉武 和夫
岩 国 市
森川 章彦
理 事
田中 豊秋
美 祢 郡
時澤 史郎
小野田市
長沢 英明
豊 浦 郡
重本 歴
光 市
佃 邦夫
下 関 市
浅野 正也
柳 井
中岡 清人
宇 部 市
柴山 義信
長 門 市
友近 康明
山 口 市
吉野 文雄
美 祢 市
原田 菊夫
1047
平成 18 年 11 月
山口県医師会報
第 1755 号
医療機関から出る廃棄物の処理法
となり、その命令に違反する者につい
協議に先立って、山口県産業廃棄物協会の中川
て罰則の対象となった。
氏から、「病院・診療所廃棄物の分類と処理」(大
⑤
マニフェストの義務違反に係る罰則が
阪廃棄物処理株式会社製作)というDVDを使っ
強化された。(6月以下の懲役又は 50
て、感染性・非感染性廃棄物の具体的な判断法に
万円以下の罰金)
ついての説明があった。このDVDは各郡市担当
理事に配布したので、御利用いただきたい。
2 無許可営業罪等に係る法人重課規定の創設
無許可営業罪・無許可事業範囲変更罪等
について、法人重課の規定が創設され、法
協 議
人に対して、不法投棄等と同等の「1億円
医療廃棄物三者協議会の報告 以下の罰金」が科せられることとなった。
平成 18 年 6 月 22 日に医療廃棄物三者協議会
が開催された。
これは山口県環境生活部の廃棄物・
3 産業廃棄物処理業者の再委託に係る規制の
リサイクル対策課と山口県産業廃棄物協会と山口
明確化
県医師会の三者が、医療廃棄物適正処理関連問題
産業廃棄物収集運搬業者は、廃棄物の処
について毎年協議を行っているものである。今年
分を他人に委託してはならないことが明確
度は一部法改正があって、県行政からその説明が
化された。
あった。その概要は以下の協議の中で説明する。
4 最終処分場の維持管理積立金制度の対象拡
廃棄物処理法の改正概要について
大
廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び同法
現在、対象外となっている平成10年6
施行規則の一部が改正され、平成 17 年 10 月 1
月以前に埋立処分が開始された最終処分場
日から施行された。
についても、維持管理積立金制度の対象に
された。(積立金:違法業者の行方がわから
1 産業廃棄物管理票(マニフェスト)制度
の強化
①
産業廃棄物の運搬受託者及び処分受託
ない場合など処分に困る事態が想定される
がそれに対して積立金で処理する。平成 18
年度より実施)
者に、マニフェスト又はその写しを5
②
年間保存する義務が課され、これに違
5 失格要件の厳格化等
反した場合は罰則等の対象となった。
① 不正の手段により廃棄物処理業・施設の
産業廃棄物の処理を受託した者が、当
許可を受けた者については、許可の取消処
該処理を終了せず、又は最終処分が終
分及び罰則の対象となった。
了した旨が記載されたマニフェストの
② 廃棄物処理業・施設の許可を受けた者が欠
写しの送付等を受けていないにもかか
格要件に該当するに至ったときは、2週間
わらず、マニフェストの写しを送付す
以内に届け出ることが義務付けられた。
る行為について、罰則の対象であるこ
③
とが明確化された。
暴力団員等の事業活動支配に係る欠格要件
産業廃棄物の運搬受託者及び処分受託
が、個人事業者に対しても適用されること
者 ( 事業者 ) の氏名又は名称が、マニフ
となった。
ェストの記載項目に追加された。
④
1048
③ 現在、法人に対してのみ設けられている
④ 産業廃棄物処理業の許可及び産業廃棄物処
マニフェスト制度違反に係る勧告に従
理施設の設置許可に係る申請書類に、申請
わない者に対し、都道府県知事は、そ
者が欠格要件に該当しない者であることを
の旨の公表及び措置命令ができること
誓約する書類が追加された。
平成 18 年 11 月
山口県医師会報
特別管理産業廃棄物の状況
平 成 15 年 度 の 排 出 量( 感 染 性 産 業 廃 棄 物 )
4,369 トンとなっており、平成 12 年度の 5,851
第 1755 号
Q:期限切れのプラスチック性注射器の区別
A:使用してなければ一般の産業廃棄物でよ
い。
トンと比べてかなり減っている。分別が進んでき
たため、年々減少しており、再生利用という意識
が高まってきたようである。
要望:将来的には厚労省が医療機関から出る
廃棄物を無菌化して出すというようなこ
とであるがそうなると莫大な費用がかか
廃掃法施行規則の改正
(施行期日:平成 18 年 7 月 1 日)
委託契約書の追記があり、書面で情報提供をし
なければならないということが追加されている。
ると思うが早いうちから日医を通じて医
療機関の負担にならないように働きかけ
て欲しい。
A:液状の廃棄物等は滅菌処理をして出すと
現状のものについては変更する必要はないが、契
いうになると思うが、これにはコストが
約更改するときに新しいものを使用してもらうよ
かかるであろうと思われるので話がどこ
うになるが、県とも相談をして情報提供をする。
まで進んでいるのか、それに対する日医
なお、現在のところ山口県では医療廃棄物に
の考え方を聞いてみたいと思う。
関する不正処理業者は発生していないということ
である。県としては、そのような情報が入り次第
公開し、注意を促すということである。
【郡市医師会からの質問・要望】
Q:病理組織プレパラートの処理方法につい
て
A:有機溶剤等で処理されており、おそらく
感染性はないと思われるが
1.人体組織の一部であること
2.プレパラートの材質がガラス(鋭利物)
であることから、鋭利性感染性廃棄物と
して処理をすすめる。
1049
山口県医師会報
平成 18 年 11 月
第 1755 号
第 64 回山口県医謡大会
と き 平成 18 年 9 月 10 日(日) 午前 11 時∼
ところ ホテル松原屋 ( 光市虹ケ浜 3-9-16)
番組のとおり、各医師会の競演です。出演者の
に驚く事は恋物語ではつまり彼氏は子方 ( 子供 )
方々、ベテランぞろい、会場は素謡、仕舞など、
である。なお能で音楽と言えば笛 ( 能管 ) だけで
迫力満点、日ごろの診療の気遣いも忘れた一日で
すが、この笛わざと調律がはずれている。つまり
した。
ドレミハが無く歌謡曲などは吹けない、それも一
さて、最近、謡曲といってもピンと来ない人が
本一本違う、人前で吹ける代物ではない ! 非現実
多々あるのも如何かと思い、私なりに言わせてい
的なものを見聞きして勝手に想像しろ、と言って
ただくと、
います。
①謡曲 ( 能楽 ) を何故やるの?
⑤奥が深いと言われる所以で何度も生まれ変わら
現実からの逃避なんです、一時的にね。時々思
んと極められないと言われます。
うんです。
さて、当番組の素謡のサワリです。
②何が逃避なんです?
歴史物語とそれに伴う想像にいたる場面や思い
敦盛 ; 平敦盛を討って無常を感じ、出家して蓮生
ですね。最近職員旅行で東北地方に行きましたが、
となった熊谷直実が一の谷で昔の事を追懐してい
平泉や衣川、坂上田村麻呂、藤原三代、義経、な
ると、笛の音が聞え、敦盛の幽霊が現れ、平家の
ど、ワクワクする話は元は謡曲ですな、宿泊のホ
栄華と没落、自分の最後の有様などを語り蓮生の
テルでカクテル飲みながら見てきた様な話に皆さ
え向を喜んできえうせる。
んを感心させた・・かもよ !
忠度 ; 藤原俊成の家人が出家して須磨浦に来ると、
③謡の本にはきまり ( ルール ) がある
老人が桜の木の古墳に花を手向けたので、この老
ルールのないものは面白くないのは当然です
人に一夜の宿を乞うと、花の蔭にまさる宿はない
ね。ところがこのきまりが一口で言えないほど、
でしょうと言い、その夜夢に忠度が現れて、「 行
極めて複雑、文句を見るとそれぞれ五七調で字の
き暮れて 」 の歌を読人知らずとされたのが妄執の
横にてんが打ってある。妙な鉤型もある。つまり
第一という。最後の様子で、箙にこの名歌を結ん
一字一句に拍子があって節まわしがある。この拍
で戦死した。
子たるや、一拍の長さはその時そのときや場面で
ちがう。
千手 ; 一の谷の合戦で生け捕られた平重衡は鎌倉
に送られたが、源頼朝は、同情して千手 ( 女性 )
④場面、登場人物、フィクション、などは、極め
を遣わして慰めた。千手は酒を勧め、琵琶琴など
て非現実的であり、無理、不自然です。
の酒宴となったが、短い夜が明け始め、都に送ら
三間四方の能舞台は、家は四角形の垂木をつな
れることになった重衡を千手は、泣きながらこれ
いだもの、墓は木箱、船は竹ひごを丸くしたもの、
を見送る。
などが舞台装置、登場人物は、多くは幽霊、僧侶、
武士 ( 大抵は初めの幽霊があとで武士 ) 、・・特
1050
雨月 ; 西行法師が住吉に参詣して、或る庵に一夜
平成 18 年 11 月
山口県医師会報
第 1755 号
の宿を求めると、そこには老人夫婦が居て、「 し
が妨げる。その後その夫婦が琵琶と琴を合奏した
ずが軒端を葺きぞわずらう 」 という下の句を得た
が、その神技に驚いた師長が、渡唐をやめて出て
から、この上の句をつがれたらお宿をしましょう
行こうとすると、夫婦は渡唐を止めさせようと思
と言う。そこで西行が、
「月は漏れ雨はたまれと
って現れた村上天皇と梨壺女御であると言って消
とにかくに」と詠むと、
夫婦は喜んで招じ入れた。
えうせる。…なお「玄象」とは、琵琶の銘です。
海士 ; 藤原房前が、自分の母は讃州志度の浦で死
とまあ内容は様々ですが、現実離れの物語として
んだ海女であると聞き、志度の浦に下ると、一人
は、おもしろく事次第では NHK の大河ドラマに
の海女が来て、玉を奪い返す事で、我が子を世継
もなりそうです。かくて、この会もはずみ、気分
ぎにして貰う約束で、命を懸けて海底にはいり、
上々、中でも、檜垣先生の謡いは素晴らしく、一
遂に玉を奪い返した、という話を物語ったが、実
場を圧した感がありました。
は私が貴方の母なのですと告げる。
そこで房前が、
追善供養すると、母の海女は竜女となって成仏の
※素揺の題のサワリについては観世流謡曲本を参
出来た事を喜ぶ。
考にしました。
※①∼⑤は能楽士の方々との雑談、独逸文学者高
玄象 ; 琵琶の名手藤原師長が、渡唐を思い立って、
橋先生 ( お名前は失念 ) の文の一部を参考にしま
途中須磨浦に立ち寄り、老人夫婦の塩屋に泊まっ
した。
て、所望のままに琵琶を弾いていると、村雨の音
( 藤村 朴 記 )
1051
山口県医師会報
平成 18 年 11 月
第 1755 号
山口県医師会ゴルフ大会
と き 平成 18 年 10 月 9 日(月) ところ 美祢カントリークラブ
大会実行委員長 中嶋 薫 ( 萩市 )
平成 18 年 10 月 9 日(体育の日)に、萩市医
ライバーの調子がもうひとつで(とにかく飛びす
ぎで)OB を連発されスコアーメイクに苦労され
ました。しかし、それが結果的に良かったのか優
師会と長門市医師会の共同引き受けにより、美祢
勝と、同スコアのベストグロスを獲得されました。
CC で山口県医師会ゴルフ大会が開催されました。
ベストグロスは昨年還暦を迎えられ、ますます練
週間天気予報は当日台風の影響のためか雨との予
習に励んでおられます、わが萩市医師会のホープ
測でありました。引き受け担当としてはなんとか
重岡健一郎先生でした。また藤原県医師会長もド
台風がそれることを願いました。そのためか、は
ライバーはナイスショットであったと同伴者より
たまた参加されたメンバーの日ごろの行いがよか
の情報でした。
ったのか、当日は台風の影響もなく快晴のもとコ
ンペが順調に行われました。
私が入会したころは、萩市医師会員のゴルフ
人口も非常に多くコンペも大盛況だったと記憶し
今回は、体育の日でとりわけ連休の最終日で
ております。しかし、昨今年齢的にも徐々に参加
あったこと。また当初予定していたコースが変更
者が減少し、特に若い会員は、あまりゴルフに
になったためか参加エントリー 48 名、当日参加
関心がない様子です。このような事情から最近ゴ
者 45 名と少しさびしい大会となりました。しか
ルフコンペを開催しても1組か2組がせいぜいで
し、参加者皆さんハッスルプレーで堪能されたの
す。このため歯科医師や薬剤師、医療関係者にも
ではないかと思います。
参加を募ってなんとか体裁を保っているのが現状
昨年の引き継ぎのときは、ブルーライン CC で
です。今回 12 組のエントリーのため萩市医師会
予定していましたが、その後萩市医師会に持ち帰
員では人数が足らず、長門市医師会の先生方のご
り再度検討しました。今まで萩市にはゴルフ場は
協力で何とか運営できましたことに感謝いたしま
ありませんでした。しかし昨年 3 月の広域合併
す。特に皆様方のご参加、また不手際に対しまし
に伴い、田万川 CC が萩市唯一のゴルフ場となり
てのご寛容(特に優勝者への最高の栄光である優
ました。そこでの開催を検討しましたがほかの地
勝杯を当日忘れ)、また本当にゴルフが好きな先
域からのアクセスが大変だとのことで却下されま
生方の快晴のもと美祢 CC でのプレー、皆様の愛
した。前回長門市医師会が主幹で当時故斉木先生
情に触れまして感謝申し上げます。特に、裏方と
が幹事をされた時はブルーライン CC で開催され
して本当にご尽力いただきました神崎事務長、吉
ました。その経緯もあり、また萩市医師会会員メ
岡さん、杉山さん、本当にご苦労様でした。また、
ンバーが多く、高速道路からのアクセスもよい美
体調不良にもかかわらず、参加受付にわざわざお
祢 CC での開催となりました。
出でいただいた売豆紀勝彦先生、表彰をしていた
恒例のダブルペリア方式で今回の優勝者は防
だいた売豆紀雅昭萩市医師会長、ご苦労様でした。
府医師会の山本一成先生でした。前半はティーシ
美祢 CC は3コースあり、本来は折り返しができ
ョットにセカンド、アプローチと随所にすばらし
ないコース設定です。しかし何といいましても今
いと言えるゴルフを展開されワンオーバーでホー
大会のコンペの趣旨をご理解いただき、大変なわ
ルアウトされ、優勝候補の一人と思いました。し
がままをお聞きいただいた山下さんご有難うござ
かし後半は、独特のコース設定に阻まれ、またド
いました。
1052
山口県医師会報
平成 18 年 11 月
第 1755 号
次年度の引き受けは、柳井・熊毛・大島医師会
いアプローチパットという 2 つのゲームが混在
の担当でございます。時間、場所は未定ですが、
する競技だといえましょう。その醍醐味はまさし
是非皆様の多数のご参加をお願い申し上げます。
く白球がはるかかなたに飛んでいったときの爽快
感と、イメージ通りにボールをコントロールでき
べスグロ 重岡健一郎 先生
たときやカップインするときの何ともいえない快
シニアべスグロ 田中 宏 先生
感にあります(自分の思うようにならないことが
大 波 津田 広文 先生
ほとんどですが・・・)。そんなゴルフに魅せら
おしどり 森岡 孝之 先生
れて 20 数年、県医師会のゴルフは本当に楽しみ
ニアピン 大田 民男 先生
にしている大会のひとつです。
ニアピン 岩崎 皓一 先生
体育の日に開催された今大会では、これ以上
ニアピン 保田 浩平 先生
ない絶好のゴルフ日和の中、思いもかけず優勝さ
ニアピン 柳井 章孝 先生
せていただくことができました。途中 3 ホール
ドラコン 松原 堅 先生
連続を含む 4 発のOBがあるにもかかわらずこ
ニアピン 伊藤 義廣 先生
のスコアですから、いかにほかのショットがよ
ニアピン 大城 研二 先生
かったかということです。同伴してくださった中
ニアピン 長岡 栄 先生
嶋先生、増満先生、本当にありがとうございまし
ニアピン 伊藤 義廣 先生
た。おかげさまで優勝できた上に、ふぐやら見島
ドラコン 小林 元壮 先生
牛やら豪華商品までいただき家族からも喜ばれる
ドラコン 桑原宏太郎 先生
し・・・。
来年以降もぜひ参加させていただきたいと思っ
優勝者 山本一成先生 ( 防府 ) コメント
ています。
最後になりましたが、引受の萩市医師会、長門
300 ヤードを超えるドライバーショットも、
市医師会の先生方とスタッフの皆様、そして県医
わずか数センチのパットも一打は一打。ゴルフと
師会の皆様方に心より感謝申し上げます。ありが
は豪快にかっ飛ばすゲームと、カップに寄ったと
とうございました。
かはずれたとかで一喜一憂するとっても心臓に悪
順位
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
氏名
山本 一成先生
大城 研二先生
田中 宏先生
斎木 貞彦先生
米田 敬先生
友近 康明先生
水田 篤志先生
宮尾 雅之先生
松浦 宏先生
吉金 秀樹先生
上位 10 名
1053
平成 18 年 11 月
山口県医師会報
第 1755 号
平成 18 年度
郡市医師会妊産婦・乳幼児保健担当理事協議会
・関係者合同会議
と き 平成 18 年 10 月 5 日(木) ところ 山口県医師会館
[ 報告 : 常任理事 濱本 史明 ]
会長挨拶
現在、医師不足、医療事故の多発、医療難民、
他の協議事項と併せ、地域の中で円滑に医療保健
事業が遂行出来るようにしっかりご議論をお願い
する。
介護難民、医療機関の未収金問題等、医療現場の
問題が社会問題となって、連日のようにマスコミ
に取り上げられている。一方ではこの 6 月に国
山口県健康増進課長挨拶
民皆保険制度を堅持し、将来にわたり持続可能な
最近、戦後 60 年を経て、過去の資料を振り返
ものとするということで、医療改革関連法案が国
る機会があり、その中で時に周産期を含めた母子
会で成立した。医療費の適正化が推し進められて
保健の指標の改善というものは著しいものがある
いるところで、今や先進 7 ヶ国の中では一番医
が、ここ 20 年間を見ても随分と進歩していると
療費が低く抑えられている国となり、多くの問題
いう事が確認できた。これもひとえに医療関係者、
が吹き出しているのが現状である。すでに医療費
そして、市町で母子保健を支えて下さっている皆
抑制策の限界であり、医療崩壊と言われるような
様方のおかげであるという事をあらためて実感し
事態を招来しているとしか言えない。もちろん、
た。地方分権の流れの中で、市町が担う衛生保健
ミクロ政策においては絶えず色々な政策が実施さ
の仕事というのはますます増えるばかりだが、母
れる必要があるが、マクロ政策的においては、資
子保健に関しても著しいものがある。
源投入が避けられない状況だと思っている。
県としても可能な限りの支援をしてきたが、
近年少子化が進むなかで、妊産婦・乳幼児保健
個々の現場に直面した問題に対して、現場の方々
は人の生涯を通じた保健という視点の中で極めて
の苦労がどれだけ大きかったが理解できる。引き
重要な位置づけにあると思っている。安心して子
続き情報を共有して母子保健水準の維持向上のた
どもを生み育てる環境づくりのためには地域全体
めの努力をしていただき、県としてもそれに力を
が知恵を絞って体制づくりを行う必要性がある。
加えさせて頂かなければと感じている。
医師会としては具体的環境整備の中において、当
これまでは、予防接種の話が主なものであっ
然のことながら、医療体制の整備に最重点をおい
たわけだが、妊産婦・乳幼児保健の会議という事
た取組をしなければならない。本日は郡市医師会
で周産期医療の話題についてもこの会議で取り上
のみならず、県および市町行政の方、県立総合医
げるという事である。関係する皆様方の日頃の仕
療センターの佐世先生にもご出席いただいて、妊
事のなかで、母子保健の中でも新たな分野として
産婦・乳幼児保健に関する広範な問題についてご
の周産期医療に関して、市町母子保健担当者がど
協議いただくことになっている。
ういう仕事ができるのかを発見できるのではない
特にこれまで予防接種の広域化について、県医
かという事を期待してこの会議に臨みたいと思い
師会として平成 14 年から予防接種広域化推進協
う。
議会を設置し、住民の利便性、安全性の観点から
検討してきた。その結果、
およその合意が得られ、
協議事項 1 方向性がついた事から、予防接種の広域化協議会
平成 18 年度広域予防接種における高齢者の
は今日の設定のように郡市妊産婦・乳幼児保健担
インフルエンザ予防接種期間等一覧について
当理事協議会に移されたが、
残された問題もあり、
県医 柳井市が 10 月 16 日から始まる予定であ
1054
平成 18 年 11 月
山口県医師会報
る。また、萩市と和木町が 11 月 1 日から 12 月
第 1755 号
ているが、そのような状況は現実にあるのか。
28 日までとなっている。県下統一期間ではない
ので、必ず接種前には確認をしていただきたい。
県医 一応、調査を行い、大量に抱え込まないよ
後日、接種期間を記載した表をお送りする。
うにとお願いはしている。しかし、病院関係はど
うしても在庫が増える。県医師会や山口県も調査
小野田市医師会 もし、2 月、3 月頃に新型イン
をして、どこにどのくらいあるかという情報は出
フルエンザが発症したとしたら、その場合の対応
すようにしているが、後で余る可能性はある。
はどう考えておられるか。
県健康増進課 通常のインフルエンザのワクチン
県健康増進課長 新型インフルエンザへの対応で
は、流通量自体は数割という単位で増加してきて
あるが、新型インフルザを確認する前に試作で創
いる。できるだけ、国全体で不足が生じないよう
ったプロトタイプワクチンを医療関係者や社会を
に生産調整をしている。ここ数年で新型インフル
維持するような人たちに接種する作業を行ってそ
エンザの危険性が高まるといわれるにつれて、生
の後、流行が確認された新型インフルエンザに関
産の方も実際に余裕があるほど流通をカバーでき
するワクチンの製造が始まる。その供給がいつ頃
るわけではない。毎年厚生労働省は、ワクチン接
になるかは、現段階では目途がたっていないと理
種率が高まる時期においては流通調整について、
解している。いずれにしても新型インフルエンザ
業界・県・卸・医師会・病院協会に在庫を抱え込
の株が確定したら、政府の方ですぐ開発・製造に
まないようにお願いをしている。
入るものと思っている。プロトタイプワクチンに
また、新型インフルエンザが実際に発生した
ついては、国の方で流行の可能性がかなり高まっ
場合は、流通調整に関して強めの規制がかかると
た段階ですぐ打てる準備はほぼ終わっていると聞
理解している。ワクチン製造については通常一ヶ
いている。
月程度要する。1 ∼ 2 週間で状況が変わっても国
全体の供給ができるかというと難しいので、危険
小野田市医師会 ここで話し合われているインフ
な状態になったときには若干の混乱が起こる事を
ルエンザワクチンというのは従来のインフルエン
予測しておかなければならない。なるべく、その
ザのワクチンであるから、新型インフルエンザの
場で混乱を少なくするというのが行政の役割であ
流行が始まっても基本的には意味のない予防接種
る。
ということになるが、心理的には予防するという
気持ちを含めて患者のニーズが増える可能性があ
協議事項 2
る。また、最近では夏場にもインフルエンザの流
平成 19 年度広域予防接種における個別接種の
行もあるので、2 月末で広域予防接種の期間が終
標準料金案について
わるが、そのあたりは状況に合わせてフレキシブ
県医 来年度における高齢者のインフルエンザ予
ルに考えていくことも必要ではないか。
防接種料金について、宇部市はまだ流動的である
が、全市町統一料金ということも難しいので、消
県医 一般の方の需要は増えるのではないか。新
費税を入れた 4200 円を標準料金としていう事で
型インフルエンザに対しては今のワクチンでは
了承された。インフルエンザは、自己負担金の支
効かないにしても心理的に接種したらよいのでは
払方法と請求方法が異なるために、事前に市町に
ないかという事はあるかもしれない。そういう可
問い合わせていただきたい。 能性があることは頭に入れておかなければならな
平成 19 年度、乳幼児の個別接種標準料金案の
い。
算定根拠であるが、これは 4 月に医療費が改定
になり、これまでの協議で診療報酬に準じて改定
会長 ワクチンの流通に関して、医療機関によっ
するという事であるから、事前に標準料金案を提
てはシーズン当初に大量注文しておいて、終わる
示した。
頃になると大量返品するという事例もあると聞い
これからは、乳幼児の広域予防接種に関するト
1055
平成 18 年 11 月
山口県医師会報
第 1755 号
ラブルがこれからも色々と出てくる可能性がある
ので、高齢者のインフルエンザも含めまして議論
BCG接種に関するトラブル等の質問をした。
していきたいと思う。
郡市担当理事 BCGを早く接種するようにな
長門市医師会 今、日本脳炎の新しいワクチンが
り、リンパ腺が腫れた症例を何例か見るが、これ
2 年後になるという話で、それまでの 2 年間に積
は早く接種するための影響だろうか。2 ヵ月くら
極的に勧奨しないで大丈夫なのだろうか。ある程
いまでにやった子どもに多いようである。
度やったほうがいいのか、放置して良いのかご教
示いただきたい。
郡市担当理事 リンパ節腫脹は 2 ヵ月から半年
で消えていくだろうということで大きさだけ見て
郡市担当理事 私どもは行政と協議したが、3 期
経過観察している。
が中止になっただけである。1 期と 2 期は実施し
ていることをお知らせしたいと思っていたのだ
郡市担当理事 BCG接種で、以前からリンパ腺
が、そのことに関しても、実際に日本脳炎の予防
が腫れることはあった。小さいお子さんにやって
接種を実施しているという事を広報するだけでも
いると、むしろ今は気がつかないことが多いので
勧奨する事になる可能性があり、行政はできない
はないか。そういう事に関してはあり得ると理解
と言われた。それはまずいという事で下関市の小
しても良い。
児科医会単独で日本脳炎予防接種に関する経緯を
お知らせして、1 期と 2 期はできるという事を広
郡市担当理事 BCG接種でコッホ現象が出たと
報している。そうすると、接種を希望される方も
ころがあるか。
増えてきた。勧奨しないという事はどういう事か
厚生労働省の方に教えていただきたい。
郡市担当理事 先月、3 ヵ月過ぎたお子さんにB
CGを接種して、2 日目に発赤があり、コッホ現
県健康増進課長 勧奨しないという事はなかなか
象かなと思ったが 4 日目に消えた。初めての経
解釈が難しいのですが、予防接種を受ける選択肢
験であったので、それもコッホ現象かなと少し思
を消すというニュアンスはまずいだろうと思う。
ったが、それ一例だけである。下関市では予防接
公衆衛生行政を行っている者としては、積極的推
種は 3 ヵ月健診の時にしか来ないのでBCGは 3
奨は出来ないが、自分の子どもに日本脳炎の予防
ヵ月健診と同時にスタートということが多い。
接種を受けられる選択肢があるという事は伝える
べきだろうと思う。
県健康増進課 コッホ現象は県内で昨年 2 例の
報告があった。
県医 現在では、副作用のことを事前に説明し、
そのことを理解した上で接種するという承諾書に
郡市担当理事 山陽病院での結核の勉強会では、
保護者のサインを記載していただく方法しかない
コッホ現象が結果的にアレルギー的なものという
であろう。日医に確認したが、経過措置等の対策
報告あり、結核感染とは結びつかなかった。その
は講じられないであろうということであった。
2 例がそれと同じ症例かどうかは分からない。た
ここで、各群市医師会担当理事の先生がたと各
だ、現実、山口県には結核患者が結構いるので、
市町の方に、現在における日本脳炎予防接種・接
そのなかで、コッホ現象が出てこないというのは
種状況をお尋ねしたが、少しずつ増加していると
異様だなということは感じる。
ころと、ほとんど増えていないところがある。こ
れは、行政のスタンスは変わらないが、日本脳炎
郡市担当理事 私も一例経験したが、両親のどち
予防接種を行う接種医の考えでそれぞれ異なって
らかが結核でした。その子どもさんもレントゲン
いるようであった。
撮影を行い、ツ反も行ったが陰性であった。その
1056
山口県医師会報
平成 18 年 11 月
第 1755 号
ような状況でBCGを接種したら、発疹が 2 日
る。これらの施設が 3 次施設として山口県の医
目か 3 日目に出て、これで 2 ∼ 3 日後には消え
療レベルを支えているということである。
ていたので、
そこであまり深く追求はしなかった。
他は一例もない。
総合周産期母子医療センターは今年 1 月にオ
ープンした。ベッド数は産科が 18 床、うちMF
ICU、重症疾患と位置づけた妊婦さんを診ると
県医 日本脳炎の話に戻るが、現場では多少の混
ころが 6 床あり、それ以外に後方病床が 12 床と
乱もあるということであった。厚生労働省の考え
いうことである。全国的には中から小規模である。
もあるかと思うが、このことに関して公式のコメ
特徴としては病棟の中に手術室を持っている。M
ントがあればそれに即応していける。新しいワク
FICUは当初それぞれ扉があったのだが、集中
チンが出るまでに 2 年以上かかるかもしれない
治療室は大部屋でないといけないということで、
という事が不安感につながる。 扉を取り去った。プライバシーのためには扉を付
このことは日医の理事会に上げてみたいと思
う。
けたかったのだが、今はカーテンで仕切っている。
妊婦さんは病室の中で過ごすことが多いので、ト
イレも全室にある。分娩室は、LDRといい、陣
協議事項 3
痛と分娩、回復を一つの部屋で行う。医療器具が
「周産期医療について」
むき出しにならないように全て木目調の中に隠さ
山口県立総合医療センター総合周産期母子医療
れていて、扉を開けば器具が出てくる。分娩手術
センター部長 佐世 正勝
室は、常に帝王切開ができるように全て器具を揃
今、周産期医療については色々いわれているが、
えてスタンバイしている。厚生労働省は周産期セ
山口県の現状を中心にお話したい。また、総合周
ンターの基準として手術決定から分娩まで 30 分
産期母子医療センターがこの 1 月にオープンし
以内という条件があるが、常に準備している状態
て、その位置づけについても述べたいと思う。
でないと条件をクリアできないので、そのような
ご存知のように出生率は年々低下している。山
口県は老人県なので、平均と比較して出生率は低
状態にしている。
NICUはクリーンルームであるので、靴を履
い。ただ、山口県で 1 万 2 千人前後の出生はある。
き替えるというのが昔は主流だったが、今は上挿
それは全国の 1 パーセント強の割合で、そのな
気、下排気でほこりがたたないように空調を行っ
かで、医療を必要とするようなお子さんは、全国
ているのですべて土足である。手洗いだけはしっ
よりやや高い割合で出生される。周産期死亡率に
かりしていただく。床は不潔であるので、色々な
関しては全国とほぼ同等である。
コードを這わせないようにすべて上からのつり下
周産期死亡率とは妊娠 22 週以降、生後 7 日目
げ式となっている。
までの死亡のことを言う。一般に産科新生児の医
GCUはNICUを卒業したお子さんたちが
療レベルを評価する上で使用される。山口県の医
自宅へ帰ることができるまで大きくなっていくと
療施設では、ご開業の先生がたの 1 次施設、そ
ころである。
れ以外の 2 次施設、3 次施設と分かれている。山
総合医療センターの稼働状況は、昨年 4 月か
口県は横に長い県であるので、瀬戸内を中心に 3
らのデータで、帝王切開率は 30 パーセント前後
次施設が 6 つある。西の方から下関済生会総合
である。全国の状況とほぼ同様で、一般病院は
病院、山口大学医学部附属病院、そして県立総合
10 パーセント前後だろうと思う。周産期センタ
医療センターである。総合週産期母子医療センタ
ーができるということで分娩数が増えている。産
ーは、3 次施設の中では規模は一番小さいが、人
科病床は増えてないが分娩制限をせざるを得な
口 100 万人に一つ作るということで県が設立し
い。分娩数としては月 50 件くらいである。帝王
た。それから県北部をカバーしているのが山口赤
切開の半分くらいが緊急帝王切開である。
十字病院であり、広い範囲をカバーしている。そ
1 月にオープンして 4 月から赤ちゃんとお母さ
れ以外は徳山中央病院と岩国医療センターであ
んの集中治療室が稼働し、後方病床のGCUが稼
1057
平成 18 年 11 月
山口県医師会報
第 1755 号
働している。15 床あるが、看護師が一名しかつ
1 次病院、2 次病院が 14 あった。3 次病院が先
かないので、実質的に無理であり、半分くらいし
ほど示した 6 つある。公的あるいは準公的な病
か稼働していない。
院が 20 あってその病院が周産期医療を行ってき
分娩の患者さんの 6 割くらいが紹介患者さん
た。3 次病院は何とか維持されているが、2 次病院、
である。実際に母子に病気があって、どうしても
地域で受けられる産科病床が無くなったり、新生
紹介という方は全分娩の 20 ∼ 30%である。
児病床が無くなったりしている。この数年で産科
月に 4 ∼ 5 例は緊急で母体搬送される。新生
が 2 つ病院から無くなった。もう病院からも産
児搬送がそれより少ない 3 ∼ 4 例である。稼働
科を診る病棟、新生児を診る病棟はどんどんなく
率は、MFICU、ICUは加算病床であるので
なっている。
100%以上稼働することはない。産科病床の方
なぜ、このような状況になったのか、患者さん
は 100%を超えている。一日入院のこともあり、
がいなくなる訳ではなくて、病院勤務の産婦人科
100%を超える事もあるが、実際には他の病床を
医、小児科医がどんどんいなくなる。山口県にも
占有することもあり、分娩制限を行わざるを得な
顕著に現れている。私が考えた原因であるが、産
い状況である。GCUは看護師が充足されていな
科はリスクが高い割に給与が安い。紹介・搬送で
いので 100%に達してはいない。
リスクの高い患者さんがどんどん運ばれてくる。
山口県周産期医療研究会の、2 次、3 次病院の
また、働いても働かなくても給与は同じ。そした
平成 17 年度のデータを示したものである。山口
ら自分でやるか、労働を減らしたらいいのではな
県・周産期医療の救命率は、トータルで 99.3%
いかとなる。さらに医師というのは全国を流れて
のお子さんが救命されている。やはり 500 グラ
いる。たまたまここで働いているという方が勤務
ム以下のお子さんだとか、あるいは在胎週数が
医には多い。開業した場合には地域に根付いてと
22 ∼ 23 週で出産すると厳しい状況である。ど
いうことになるだろうが、勤務というのは別にそ
のようなお子さんが亡くなられているかという
ういう事はないので、都会との給与格差は明らか
と、胎児 20 人、新生児 20 人位で、やはり先天
であり、辞めて東京に行った産婦人科医医師もか
異常が多いようである。産科的疾患は、未熟性と
なりいる。他科でも東京に出て行く傾向がある。
上位胎盤早期剥離で、分娩前に胎盤が剥がれてし
ご開業の先生がたも昔は勤務医をされていたと思
まう。例年 4 人前後のお子さんがこれで亡くな
いうが、特に周産期をやっていると時間外勤務だ
られており、これらを何とかしないといけない。
らけ、基本的に家族と過ごすというまともな家庭
新生児は 3 分の 1 が先天異常であり、3 分の 1
生活は成り立たない。それと、最近顕著に感じて
が未熟性、仮死が 15%位を占める。
いるが医師と患者の関係が変化してきた。まとも
山口県で早産のお子さんがどのくらい生まれ
に生まれて当たり前という感覚である。さらに女
ているかと言えば、過去 5 年間で、500 グラム
性医師の増加があり、産婦人科、小児科は女性医
以下のお子さんが例年 10 人生まれている。500
師の割合が非常に高い科である。結婚・出産で離
∼ 1,000 グラムくらいのお子さんがだいたい 40
職するので、5 年から 10 年仕事をし一人前にな
人。それが山口県における未熟児出生の数であ
ったところで辞めてしまう。そして時間外勤務が
る。1500 グラム以下の低出生体重児のお子さん
多い。いつ医者が欲しいかと言えば夜の医者が欲
は 60 名から 70 名である。
しい。時間外の医者が欲しい。時間外は家庭が成
山口県における勤務産科医の数は、1990 年か
り立たなくなるので働けない。
ら 2005 年の 15 年間で約 85 人いた産婦人科医
そして、訴訟が多いので学生が敬遠する。また、
師が 60 人くらいまで減って来ている。もうどん
医学部の定員を増やしても他科が増えるだけにな
どん右肩下がりで減ってくる。このままいけば、
るのではないか。あと奨学金制度は、医者になっ
20 年から 30 年で産婦人科医師は山口県からい
たらすぐに返すのであまり意味がないのではない
なくなるだろうというくらいのペースで減ってい
か。全国で医者は足りており、田舎にいないとい
る。これが山口県の現状である。山口県では元来
う認識である。
1058
山口県医師会報
平成 18 年 11 月
現場の医師からすると東京からの距離で給料を
第 1755 号
「ほけん」には 2 つある。険しい「保険」と健や
出せば良いのではないかという話も出るくらいで
か「保健」である。本日の場合は健やか保健で、
ある。医師もボランティアでやっている訳ではな
4 つの部門に分かれていて、妊産婦・乳幼児保
いので、まともな生活をおくる必要がある。言わ
健、学校保健、成人・高齢者保健、産業保健であ
れている集約化も、そのためには数が多くなけれ
る。厚生労働省は妊産婦・乳幼児保健を母子保健
ばできない。地元から産婦人科、小児科が無くな
と表現しているが、とにかく 4 つの部門があるが、
って不自由になるかもしれないが、それはそれだ
国の考えは 1 つの流れとして捉えようとしてい
けの維持ができないから、今の政治の考えからい
る。現実問題として妊産婦・乳幼児保健と学校保
くと仕方ないという事である。さらに、能力給の
健が少し途切れる。これは所轄の省庁が違うので、
導入も必要かと思う。
そうなるのかもしれないが、山口県ではこの辺を
また、医者と患者関係は崩壊している。私たち
しっかり行っていかなければならない。こういう
が医療において患者さんに説明する事は医療の内
協議の場で出された問題点を国や日医に伝えて実
容ではなく、どうしたら患者さんに訴えられない
を結ぶものにしていきたい。これからもよろしく
かということの説明の同意書であり、病院の中で
お願いする。また、佐世先生が話された事につい
どんどん増えている。
ては、山口県医師会としても、根元は低医療政策
にあると考えているので、その方向を断ち切るた
めに一生懸命活動していく次第である。
副会長挨拶
本日は県行政の関係者、市町における実務担当
の方にも集まっていただき、また佐世先生には今
の医療の問題点にも踏み込んだお話をしていただ
いて感謝している。私たち医師会が取り組でいる
出席者
郡市担当理事
玖 珂 郡
熊 毛 郡
吉
南
厚 狭 郡
豊 浦 郡
下 関 市
宇 部 市
山 口 市
萩 市
市町
下 関
宇 部
山 口
萩 防 府
下 松
岩 国
光 長 門
柳 井
市
市
市
市
市
市
市
市
市
市
川田 礼治
片山 和信
利重 恭三
松井 達
新村 和典
末永 眞次
冨田 茂
小泉 明
中嶋 薫
中野 理恵
藤井 晃子
木原恵津子
山根 眞次
吉武 和子
向井 玲子
松林 美子
田中 満喜
国近 昌則
嬉 靜恵
徳 山
防 府
下 松
岩 国 市
小野田市
光 市
柳
井
長 門 市
美 祢 市
美
祢
市
周
南
市
山陽小野田市
周防大島町
和
木
町
上
関
町
美
東
町
秋
芳
町
阿
武
町
阿
東
町
河村 一郎
蔵重 秀樹
篠原 照男
毛利 久夫
砂川 功
道上 文和
近藤 穂積
梶山 公則
横山 幸代
藤本 篤志
深町 幸子
石井 尚子
田村美沙子
田岡 千春
八木 静恵
津田真由美
柿村 静子
大谷筒美子
板垣久美子
県医師会
会
副 会
専 務 理
常 任 理
理
長
長
事
事
事
藤原 淳
木下 敬介
杉山 知行
濱本 史明
田中 豊秋
山口県立総合医療センター
県庁健康増進課
佐世 正勝
名越 究
宮下 洋一
1059
山口県医師会報
平成 18 年 11 月
第 1755 号
平成 18 年度
郡市医師会学校保健担当理事協議会
と き 平成 18 年 9 月 14 日(木) 15 時
ところ 山口県医師会館
[ 報告 : 理事 田中 義人 ]
協力してまいりました。また、懸案でありまし
開会挨拶(木下副会長)
た山口県医師会学校医部会につきましても、7 月
ここ数年、学校保健を取り巻く環境の変化、多
16 日に設立総会を開催し、活動の第一歩を踏み
様化には目を瞠るものがあります。これらに対し
出したところです。また、濱本常任理事が日本医
て私達大人、つまり行政や学校側がその変化の速
師会の学校保健委員会の委員となりました。昨日、
さについていけず、対策が後手後手になっている
第 1 回目の会合があったと聞いておりますので、
のが実情ではないかと思われます。
後ほどその報告があるかと存じます。
ポスト小泉内閣のほぼ確実と目されている次期
このように、県医師会としても環境がだんだ
政権は教育改革、とりわけ教育基本法の改正を最
んと整いつつあり、これからますます学校保健に
も大きな公約の一つに掲げています。これは、日
ついて取り組みの充実が期待できると考えていま
本の将来を託す子ども達の教育を現状のままにし
す。
ていると、この国の存亡に関わるという危惧の念
郡市医師会におかれましても、ここにお集まり
の現れといっていいのかもしれません。
いただいた担当理事の先生方を中心に学校保健お
山口県医師会ではここ 2 、3 年、地域保健の中
よび学校医活動のますますの充実にご尽力いただ
でも特に学校保健への取り組みに力を傾注してき
くとともに、本日のこの会議が実り多いものにな
ました。藤原執行部になった 3 年前より、県教
ることを期待し、この内容を各郡市医師会に持ち
育庁との懇談会を毎年定期的に開催し意見や情報
帰り、今後の学校保健活動の取り組みに活用され
の交換を行っています。また、学校・地域保健連
ることをお願いして、開会のご挨拶に代えさせて
携推進事業に積極的に参画して産婦人科、精神科、
いただきます。
皮膚科、整形外科の 4 科の学校専門医の設置に
出席者
大
玖
熊
吉
厚
豊
下
宇
島
珂
毛
山
萩
口
狭
浦
関
部
郡
郡
郡
南
郡
郡
市
市
川口 茂治
河郷 忍
片山 和信
安野 秀敏
松井 達
木本 和之
石川 豊
冨田 茂
徳
山
防
府
下
松
岩 国 市
小野田市
光
市
柳
井
長 門 市
舩津 浩彦
村田 敦
篠原 照男
正木 龍男
藤村 嘉彦
丸岩 昌文
近藤 穂積
須田 博喜
市
市
小泉 明
森 繁広
美 祢 市
白井 文夫
県教育長学校安全・体育課
教育調整監 水上 哲彦
1060
県 医 師 会
副
会
長
常 任 理 事
理
事
木下 敬介
濱本 史明
田中 義人
平成 18 年 11 月
山口県医師会報
協議・報告事項
第 1755 号
3 日医学校医講習会(平成 18 年 2 月 18 日)報
告ならびに学校・地域保健連携推進事業の今後の
1 平成 18 年度中国四国学校保健担当理事連絡
展望について
会議について(報告)
日医学校医講習会の報告については、県医師会
2 平成 18 年度中国地区学校医大会について(報
報 5 月号(第 1739 号)および日医雑誌 7 月号
告)
別冊を参照。
報告の詳細については県医師会報 10 月号(第
同講習会でも取り上げられた学校・地域保健連
1754 号)参照。
携推進事業について、県教育庁学校安全・体育課
中国四国学校保健担当理事連絡会議の議題 1
「学校定期健康診断時における運動器検診の実態
の水上教育調整監より最初に以下のとおり説明を
いただいた。
について」に関連して濱本常任理事より、内科校
医をされている先生方に運動器検診(女子の検診
学校・地域保健連携推進事業は、近年多様化・
の状況等)について質問したところ「個別なので
深刻化する児童生徒の健康問題に対応するため、
特別問題なく女子も診ている。養護教諭も協力
地域保健と連携して専門家の学校への派遣等を行
的である。」「
(小規模の小学校であるので)聴診
う事業である。平成 16 年度から 3 年間のモデル
器をあてる際に全員に対して必ず側弯症のチェッ
的事業であるので、今年度で最終年であるが、来
クをしている。
」
「700 人くらいの生徒の学校で
年度から本事業がどのようになるかは決まってい
あるが、2 人で校医をしているので十分対応でき
ない。
る。」など出席の先生方は側弯症のチェックをい
ろいろ工夫しておられる現状が報告された。
事業の内容と平成 17 年度の評価については以
下のとおり。
また、学校医大会における累進屈折力眼鏡につ
いての研究発表に関連して、同じく濱本常任理事
から児童生徒の近視とパソコンあるいはTVゲー
連絡協議会
県医師会、また産婦人科、整形外科、皮膚科、
ムとの関係について眼科校医の先生に質問したと
精神科の専門 4 科の先生にも推進委員としてご
ころ、「TVゲームの登場以来近視の生徒が増え
参加いただいている。
ていたが、ここ 4 ∼ 5 年はTVゲームの爆発的
人気が衰えたこともあり、近視の生徒の率はやや
地域の専門家等の派遣事業
低下している。また、TVゲームをしない児童と
相談のテーマは現在の状況を反映してか、ここ
4 ∼ 5 時間もする児童と二極化している。」「TV
ろの問題や性の問題に関するものが多い。
ゲームは近視の低年齢化にも影響していると思わ
れる。また、近視だけでなく子どもの発育の面か
学校専門医相談事業
らも問題がある。
」「 姿勢が悪いことが近視の進
学校医以外の産婦人科、整形外科、皮膚科、精
行のリスクファクターである。」 との意見があっ
神科の各専門科の先生方に、各地域で学校専門医
た。さらに遺伝と環境との関係については、「 サ
として学校からの電話による相談を受け付けてい
ルでもヒヨコでも生まれた子供に遠視の眼鏡をか
ただいている。平成 17 年度の相談件数は、精神
けると近視をつくれる事実がある。」「両親が近
科 8 、産婦人科 4 、整形外科 2 、皮膚科 1 の計
視の場合、子どもが近視である場合が多い一方で、
15 件であった。
双子の一人だけが近視になる場合もあるので、遺
今年度から、もっと地域に密着した「顔の見
伝だからとあきらめずに環境に注意することが必
える」相談しやすい体制にするため、県内 7 地
要」「学校における照明にも配慮が必要で、学校
域ごとに各専門医 1 名ずつの計 28 名の先生方に
の照明が天井だけということも考えないといけな
専門医になっていただくとともに、パンフレット
いのではないか。
」との議論があった。
に専門医の先生のコメントと写真あるいはイラス
トを掲載した。
1061
平成 18 年 11 月
山口県医師会報
第 1755 号
ただ、今年度はこれまでのところ相談件数が
今後の方向について県としては、どのような
0 である。学校にはいろいろな研修会等で気軽に
形で継続発展させていくかは検討中とのことであ
相談してほしいと言っているが、相談件数が伸び
る。郡市医師会からは「その点がはっきりしない
ていないのが現状である。
とPRするのは難しいので、早急に結論を」との
要望があったが、連携してやっていくこと自体は
合同研修事業
必要なので継続させることは間違いないとのこと
地域の学校保健に関わる専門家が集まり、情報
であった。
交換や忌憚のない意見交換をし、お互いの実情を
知るということも含めて連携を図ることを目的と
4 学校における敷地内禁煙について
した研修であり、平成 17 年度は 1 回開催した。
児童生徒の喫煙防止教育でもっとも効果的なこ
今年度は 6 地区で開催予定であり、前半は専門
とは、大人が喫煙する姿を子どもに見せないこと
の方々がそれぞれの立場から 3 人ぐらいで連携
であり、特に教育現場で教職員が喫煙をしないこ
のトークをしていただき午後にはそれぞれのグ
とは重要である。
ループに分かれて連携を深める話しあいをしてい
県内では、県立高校については平成 18 年度中
る。
に全校で学校敷地内禁煙となるが、市町立のすべ
ての学校で敷地内禁煙になるよう、本協議会の要
ワーキング会議
望として、郡市医師会から各市町教育委員会に要
今は成果物を作って配布しようとしている。
望してほしいとの県医師会からの提案を行った。
下関市では、市の教育委員会に要望してもうま
以上、事業開始から 3 年を経て、本事業の必
くいかなかったので、市長に直接要望した結果、
要性は言うまでもないので、この 3 年間で作り
市立学校すべてで 2 年間の猶予期間のうちに敷
上げた連携を今後どのように発展させるか、これ
地内禁煙が実現するとのことである。
までの検証を行い、来年度につなげる検討を行っ
「学校に来る人達や運動会などではどうするか
ているところである。予算等の関係もあり、今の
を決めておく必要がある。」「足もとの総合保健
段階では来年度以降のことについては、はっきり
会館の敷地内禁煙を行うことも必要ではないか。
」
申し上げることができないが、いずれにしても、
「医師は禁煙しているのかとの質問が当然出てく
この連携についてはわれわれも大事に考えている
るのではないか。」などの議論があったが、基本
し、発展させていきたいと考えている。
的には子供たちの前で喫煙している姿をみせて欲
しくないということが目的で、喫煙してはいけな
以上の説明を受けて、本事業が地域でどれだけ
いとは言っていないとの答弁がなされた。
周知されているかについては、
「昨年、市の学校
協議の結果、本協議会の要望として、郡市医師
保健会で校長にリーフレットをコピーして、講師
会から各市町長あるいは教育委員会に敷地内禁煙
の依頼等されてはとPRを行ったが、依頼の仕方
の要望を行うことを決定した。
がよく分からなかったという声があった」とのこ
とであった。また、
「養護教諭からの依頼により
5 学校医部会の事業計画について(学校医名簿
市医師会からリーフレットを配付し『子どもの健
作成等に係るお願い)
康支援ネットワーク研修会』の参加勧奨を行って
山口県医師会学校医部会については、本年 7
いる」ところもあった。県としては「子どもの健
月 16 日に設立総会を行い発足した。(県医師会
康支援ネットワーク研修会でリーフレットを配付
報 9 月号第 1753 号参照)
し、また各学校への周知については市町立学校に
運営方針としては、①学校医研修会の開催、②
ついては市町教育委員会を通じてPRを行ってい
「学校医の手引」の作成、③「学校医名簿」の作成、
る」とのことであるが、さらにPRをしていきた
いとのことであった。
1062
④学校医認定制度創設に向けた検討、である。
①学校医研修会の開催は 12 月 10 日開催の予
平成 18 年 11 月
山口県医師会報
定になっており、この講師の選定は決定していな
いので適切な方があれば推薦をお願いした。②学
第 1755 号
閉会の挨拶(木下副会長)
校医名簿の作成について郡市医師会の協力をお願
各地区で学校保健および学校医活動が円滑に行
いした。
えるよう、本日の協議を活用いただき「わが国の
また、④学校医認定制度創設に向けた検討につ
将来を担う子どもたちのために」をキーワードに
いては、以前の坪井会長は学校医認定制度に否定
今後の学校保健活動の取り組みにこれからもご尽
的な意向だったようであるが、9 月 13 日開催の
力いただきますようお願い申し上げます。
日本医師会の学校保健委員会で委員の一人が、こ
の問題について日医の見解を質問したところ、内
田常任理事より、認定医制度の要望もかなり出て
きているので、創設の方向で検討する、との回答
があった。
大阪府医師会では独自の指定学校医制度を作
り、うまく機能しているようである。
山口県医師会としては、少なくともこれから学
校医になられる先生については、研修を受けて認
定を取っていただける方向で創設を検討していき
たい。
これについて郡市医師会より、
「認定医制度の
最終的な目的は、認定を受けないと学校医になれ
ないということであるか。また、大阪のように学
校医の人数が多いところはよいかもしれないが、
郡部では一人が多くの学校の校医をしている場合
もあるので、そういった事情も考慮してほしい」
との質問があり、濱本常任理事より、
「最終的に
はその方向で考えたいが、それはずいぶん先のこ
とになるかと思う。当面は縛りを設けずに、研修
を受け単位を修得していただきたい。郡部の事情
は十分考慮していきたい。
」と回答した。
6 その他
11 月 11 日(土)の午前 10 時より、松江市で
開催される第 37 回全国学校保健・学校医大会の
参加勧奨ならびに徳山医師会の谷村 聡先生ほか
4 名の先生の共著による『学校医は学校へ行こ
う!』(医歯薬出版)について紹介を行った。
1063
平成 18 年 11 月
県
医
師
会
の
動
き
山口県医師会報
一日一日と、日の出の位置が東の山の端を移
第 1755 号
定の設立総会・記念講演会の具体的内容について
動し、朝の空気にピーンと張りつめた緊張感が出
の協議が行われた。また、設立準備委員以外に、
てくると、酔芙蓉の花が咲き始める。一日限りの
各郡市医師会長からご推薦頂いた世話人の先生方
花だが、朝の純白の花弁が昼を過ぎ、夕方近くに
に、各地域において部会設立へ向けての広報活動
なると淡い紅色から濃い紅に染まって行くのが面
などをお願いし、有意義な設立総会となるよう準
白い。秋の日の短い西日を精一杯受けて徐々に染
備を進めている。なお、今回から宇部市医師会の
まっていく姿に、酔って染まる女性の頬を喩えた
上田聡子先生に委員にご就任いただき、今までの
古人の風雅な想像力に拍手を送りたい。
豊富な活動経験を部会の設立に向けて生かして頂
ける事となった。
9月 28 日(木曜)平成 18 年度第 2 回花粉情
報委員会が開催された。年度途中ではあるが、今
9 月 30 日(土曜)∼ 10 月 1 日(日曜) 第 3
回から山口大学医学部眼科の熊谷直樹先生に花粉
回「指導医のための教育ワークショップ」が開催
情報委員にご就任頂いた。また、平成 19 年 1 月
された。今年度の参加者は、県内の病院あるいは
21 日(日曜)に、山口県総合保健会館 2 階多目
診療所と山口大学の先生方で 34 名、「カリキュ
的ホールで、平成 18 年度花粉測定講習会と花粉
ラムプランニング」をテーマに、丸 2 日間の合
症対策セミナーを開催する予定であり、広く県民
宿形式でワークショップを行い、指導医として
に花粉症についての知識と対策を学んでもらう、
の教育能力を身に付けるための企画であった。山
県民参加型のセミナーを企画している。詳細は、
口大学医学部附属病院総合診療部福本陽平教授に
後日県医師会報などで広報予定である。関連して
は、チーフタスクフォースとしてお骨折りを頂い
だが、日本医師会テレビ健康講座に、山口県医師
た。詳細については、県医師会報の報告記事に譲
会の「花粉情報システム」を取り上げて頂き、沖
るが、本企画は今後も毎年開催される予定であり、
中委員長、藤原県医師会長出演で、山口県の取り
県内の指導的立場の先生方には機会をみつけて、
組み、ならびに県医師会の県民への医療情報提供
是非一度ワークショップ参加をお願いしたい。
の姿勢などをアッピールする機会を得た。具体的
な放送日時などは未定だが、是非周囲の県民の方
への広報をお願いしたい。
10 月 3 日(火曜) 厚生連小郡第一総合病院
勤務医懇談会が開催され、小郡第一総合病院から
は、土井院長はじめ 31 名の参加があり、田邉吉
副会長
三
浦
修
9月 29 日(金曜)自民党山口県連厚生部会と
南医師会長、沖田勤務医部会長、小田勤務医部会
山口県医師会との懇談会が開催された。山口県医
副会長にもご参加いただいた。県医師会からは、
師会から、医師確保対策の推進について、療養病
藤原会長以下 11 名が参加し、医師会の概要と医
床再編対策について、有床病床再編対策の実施に
師会活動、医療制度改革などの中央情勢を説明、
ついて、有床診療所対策の実施について、単県福
土井院長から病院の概要についてご説明を頂い
祉医療助成制度の窓口負担現物給付の継続につい
た。フリーディスカッションの中での中心課題は、
て、看護師等の確保・養成対策の推進についてな
勤務医の過重労働や勤務条件の問題、勤務医不足
ど 10 項目の新規、重点、継続事項につき要望さ
の問題、救急医療体制の問題、開業後の後任医師
せて頂いた。併せて現在山口県の置かれている医
補充の問題、診療報酬の問題など多岐に亘った。
療情勢、喫緊の課題などにつきご理解頂いた。
限られた時間内での懇談会であり、意を尽くせな
い感はあったが、勤務医の先生方に医師会参画の
9月 30 日(土曜)
女性医師参画推進部会設
立準備委員会が開催された。
この準備委員会では、
意義をご理解頂ける様、引き続き努力を続けて行
きたい。
部会設立趣意書と部会規約(案)の確認(県医師
会報 10 月号 888 ∼ 889 に掲載)と平成 19 年 3
10 月5日(木曜) 第 3 回「山口県医師会の
月 11 日(日曜)に山口グランドホテルで開催予
歩み」作成委員会が開催された。これまでの決
1064
平成 18 年 11 月
山口県医師会報
第 1755 号
定事項としては、デジタルアーカイブ「山口県医
の集団指導では約 40 数医療機関の参加を得た。
師会の歩み」について、どのような形にしていく
午後からの保険指導医による面談指導やいろいろ
かの協議がなされていたが、DVD-video 方式によ
なアドバイスは、日常診療の支えであったり知識
り、ドキュメンタリー風に纏めることとした。平
であったりすることも多く、有意義な会であった。
成 19 年度中に編集し、平成 20 年初めに制作し、
会員等へ配布することとした。今後、作業計画に
10 月 18 日(水曜) 山口県肝炎診療協議会が
沿って全体構成を行い、シナリオの作成、収録へ
開催された。これは、平成 13 年の「肝炎対策に
と進めていく。以前の各郡市あるいは県医師会に
関する有識者会議」と平成 17 年の「C型肝炎対
関する貴重な写真や動画などをお持ちの方は、是
策等の一層の推進について」報告書に基づき、肝
非 お申し出頂きたい。
機能異常などの要精密者の中で精密検査受診率が
低く、肝臓癌を見落とす例などの反省から、今回
10 月 7 日(土曜)中国四国医師会連合常任委
山口県でも山口大学坂井田巧教授を委員長に、山
員会が日医会館で開催され、さらに引き続き、第
口県肝炎診療協議会を設置し、肝炎対策の充実を
115 回日本医師会臨時代議員が開かれた。平成
図ることとなったものである。県医師会からも木
17 年度日本医師会一般会計決算の件など第 1 号
下副会長が委員として参加することとなった。
から 7 号まで7つの議案が提出され、
審議された。
詳細は県医師会報の代議員会報告記事をご覧頂き
教育基本法改正案は前国会にて「時間切れ」で
たいが、代表質問や関連質問の中で、近畿ブロッ
終わってしまったが、政府与党は今臨時国会で成
クの代議員あるいは臨時代議員(前日医常任理事
立するよう目指している。教育の目標としての、
数名)が、本年春の日医会長選挙の総括や特定の
「人格の完成」と「国家・社会の形成者として必
国会議員との関係などについて唐澤会長の意見を
要な資質を備えた心身共に健康な国民の育成」を
求めた。いまだ近畿ブロックの代議員には、日医
掲げ、その実現のために重要と考えられる具体的
会長選挙の遺恨を抱き続けているかのような現場
な資質を教育の目標として挙げている。
での雰囲気であった。唐澤会長は所信表明の挨拶
藤原正彦氏は、新潮文庫「祖国とは国語」の
の中で、医療制度改革関連法案の施行、実施にむ
中で、「すなわち、この国家的危機の本質は誤っ
けて厚生労働省などの行政官庁から出される広範
た教育にあるということにある。教育を立て直
囲の政省令や通達などへの関与により、地域医療
すこと以外に、この国を建て直すことは無理であ
体制の激変を防止し、受診者、利用者にとって混
る。」と断言し、さらに「国語教育が軽んじられ
乱を来さないよう、最大限のはたらきかけをして
てきた結果の国語力低下が、知的活動能力の低下、
きたと述べ、関連法案にはしっかりと対峙しなが
論理的思考力の低下、情緒の低下、祖国愛の低下
らも認めざるを得なかった経緯を説明している。
を同時に引き起こしている。」と、国語教育の重
過去のしこりに固執することなく、これからの日
要性を強調している。
本医師会と医療施策をどうするか、おそらくはほ
安倍首相には、日本を再生し日本人の心をも
とんどの代議員が前向きに考えている今回の臨時
う一度取り戻すための真の教育改革を強く望みた
代議員会で、これらの質問に拍手をおくる人達は
い。
どれほどいただろうか?
10 月 15 日(日曜)
県医師会館において新規
第一号会員研修ならびに保険指導が行われた。こ
れは、毎年新規第一号会員となられた先生方に対
して、山口県医師会と山口社会保険事務局、国保
連合会、支払い基金から、新規会員の研修会と面
談形式による保険指導を行うものであり、午前中
1065
県
医
師
会
の
動
き
山口県医師会報
平成 18 年 11 月
第 1755 号
8 がん診療拠点病院について
理事会
第 11 回
9 月 21 日 午後 5 時 15 分∼ 8 時
藤原会長、木下・三浦副会長、杉山専務理事、
吉本・濱本・佐々木・西村・加藤各常任理事、
井上・正木・小田・萬・弘山・田中 ( 豊 )・田中 ( 義 )
各理事、青柳・山本・武内各監事
地域医療対策委員会で対応を協議。
<報告事項>
1 個別指導〔萩地区〕(8 月 31 日)、
〔萩地区実地〕(9 月 7 日)、
〔徳山・山口地区〕(9 月 14 日)
診療所 4 機関、病院 1 機関、診療所 5 機関に
ついてそれぞれ実施、立ち会った。(西村・萬・
田中義)
<協議事項>
2 山口県救急フェア・AED 講習会(9 月 7 日)
1 平成 17 年度山口県医師会決算について
今年度の山口県救急医療功労者知事表彰は、団
事務局から決算の報告後、青柳監事から監査報
体:山口県小児科医会、個人:川上俊文 ( 岡田病
告があり、決算を承認。
院長 ) 先生が受賞された。記念行事 AED 講習会
は、山口大学高度救命救急センター笠岡講師の講
2 第 154 回定例代議員会の議事運営ついて
演に引き続き AED 実技講習を実施。県民、AED
標記会議の議事運営について検討した。
設置機関の参加者 166 名。(佐々木)
3 唐澤日本医師会長特別講演について
3 健康教育委員会(9 月 7 日)
10 月 29 日 ( 日 ) 開催することに決定。
今年度のテキスト「更年期障害」の初校正。
(濱本)
4 平成 19 年度施策・予算に関する要望書につ
いて
4 第 22 回全国医師会共同利用施設総会
(9 月 9・10 日)
今年度も自民党へ 10 項目の要望事項を提出す
ることに決定。
唐澤会長による特別講演「医療制度改革と地域
医療∼日本医師会の取り組み∼」ほか、「医師会
5 保険医療機関及び保険薬局等が発行する領収
共同利用施設の新たなる展開へ向けて」をメイン
証等サービス改善に関する実態 調査に係る調査
テーマとした 3 つの分科会、全体討議が行われ
協力依頼 ( 山口行政評価事務所 ) について
た。参加者は 500 名。次回は平成 20 年に岐阜
総務省設置法に基づく調査について、山口社会
県で開催される。(田中 ( 豊 ))
保険事務局を調査対象機関とするもの。協力依頼
があったが、再度協議を行う。
5 第 1 回WMAアジア−大洋州地域会議
(9 月 10・11 日)
6 第 2 回医療関係団体新年互礼会について
世界医師会との共催で「災害への備えと対応」
19 年 1 月 13 日 ( 土 ) 開催することに決定。
と「今日の医師」をテーマに開催された。(三浦)
7 郡市医師会長会議における意見・要望につい
6 山口県認知症予防推進会議(9 月 12 日)
て
会長選任後、周防大島モデル事業の取組みの評
予告質問 1 題について協議。
価について意見交換した。(佐々木)
1066
山口県医師会報
平成 18 年 11 月
7 第 1 回山口県動物由来感染症情報関連体制整
第 1755 号
15 第 2 回都道府県医師会長会議協議会
備検討会(9 月 13 日)
(9 月 19 日)
犬、猫について、Q熱、E型肝炎、ブルセラ症、
唐澤会長の挨拶に続き、各県医師会から提出の
オウム病の病原体や抗体等保有調査状況等の調
あった 8 題の議題について協議した。山口県か
査に新たに腸管出血性大腸菌感染症が加わった。
らは「勤務医の日本医師会入会促進について」を
(田中豊)
提出した。(木下)
8 日医学校保健委員会(9 月 13 日)
委員長、副委員長指名後、諮問事項等について
医師国保理事会
第8回
協議した。
(濱本)
1 傷病手当金支給申請について
9 第 28 回産業保健活動推進全国会議
1 件について協議、承認。
(9 月 14 日)
安衛法の改正および関連の指針が本年 4 月に
2 医師国保資金の運用について
改正。一月に 100 時間労働超えの従業員にはメ
1 年を限度に外国債の運用に変更することが了
ンタルを含めた医師による面接指導が義務化され
承された。
た。詳細は県医会報 11 月号掲載。
(小田)
10 健康やまぐち 21 推進会議(9 月 14 日)
食育推進計画の作成、地域・職域連携推進協議
会の設置、健康やまぐち 21 推進対策分科会等に
ついて協議した。
(三浦)
11 日医総研戦略会議(9 月 14 日)
一橋大学大学院:井伊雅子教授の「医療の基礎
的実証見聞と政策」をテーマにディスカッション
を行った。(藤原)
12 郡市学校保健担当理事協議会(9 月 14 日)
報告事項の後、学校・地域保健連携推進事業、
学校における敷地内禁煙や学校医部会の今年度事
業計画について協議した。
(濱本)
13 山口県障害者施策推進協議会(9 月 14 日)
本年 4 月施行の障害者自立支援制度の利用状
況、現状の問題点や「障害福祉計画」の策定につ
いて協議した。
(弘山)
14 県民健康栄養調査検討委員会(9 月 14 日)
県民栄養調査結果について説明があり、現状分
析の後、県民栄養調査結果ダイジェスト版につい
て協議した。
(杉山)
1067
山口県医師会報
平成 18 年 11 月
理事会
第 12 回
10 月 5 日 午後 5 時 15 分∼ 8 時 20 分
藤原会長、木下・三浦副会長、杉山専務理事、
吉本・濱本・佐々木・西村・湧田・加藤各常任
理事、正木・小田・萬・弘山・田中 ( 豊 )・田中 ( 義 )
各理事、山本・武内各監事
第 1755 号
<報告事項>
1 個別指導 「 宇部地区 」(9 月 21 日)
診療所 7 機関について実施、立ち会った。
(湧田・
加藤)
2 医事案件調査専門委員会(9 月 21 日)
診療所 1 件、病院 1 件の新規事案について審
議した。( 吉本 )
<協議事項>
3 郡市介護保険担当理事協議会(9 月 21 日)
事前にアンケート調査した地域包括支援センタ
1 がん診療連携拠点病院の指定について
ーについて内容を協議。ケアマネタイムアンケー
地域医療対策委員会を開催して対応を協議する
ト調査を昨年度に続き実施した結果を報告。最後
ことに決定。
に主治医意見書の提出について取扱業者によるデ
モを実施。(田中義)
2 総務省山口行政評価事務所との協議について
前回理事会で継続審議となっていた、保険医療
4 郡市医療廃棄物担当理事協議会(9 月 21 日)
機関及び保険薬局等が発行する領収証等サービス
感染性廃棄物対策委員会監修のDVD「病院・
改善に関する実態調査に係る調査協力依頼につい
診療所廃棄物の分別と処理」を示した。また、廃
て、山口行政評価事務所と再度協議を行った。立
棄物処理法の改正について説明。(西村)
ち入り調査は診療に差し障りのない時間帯にする
こと等について確認を行った。病院への調査は既
5 学校心臓検診検討委員会(9 月 21 日)
に実施済み、今後診療所に対し実施される。
回収済み精検票は 16 年度 1,567 件、17 年度
1,818 件。疑義返戻 88 例。調査票の不備事項、
3 「 中四九地区医師会看護学校協議会 」 への県
精検結果問い合わせ照会の返戻書式について報
医師会担当理事派遣依頼について
告。(濱本)
防府医師会・防府看護専門学校から要望のあっ
たもの。派遣することを了承した。再来年は下関
6 生涯教育セミナー(9 月 24 日)
市医師会引受で開催される。
アクティブやないで開催。ミニレクチャー 2 題、
特別講演 3 題があった。出席者 80 名。(杉山)
4 コ・メディカル研修会講師の依頼について
本会からの医業経営勉強会(講師は山口銀行法
7 県民の健康と医療を考える会企画委員会・総
人営業部支援グループ)の開催勧奨案内に対し、
会(9 月 26 日)
岩国市医師会から依頼があったもの。しかし、申
企画委員会にて県民公開講座のチラシ最終案を
し出のテーマが山口銀行では対応が難しいため、
確認。その後総会にて、17 年度事業報告、18 年
依頼先変更を含め、担当者に一任。
度事業計画について承認を得た。(加藤)
5 日医医療政策シンポジウムについて
8 山口県社会保険診療報酬支払基金幹事会
12 月 1 日 ( 金 ) 日医会館で開催予定、出席者
を協議。
(9 月 27 日)
幹事会幹事の改任、審査委員の辞任、審査関係
訴訟事件の判決等について報告があった。(藤原)
1068
平成 18 年 11 月
山口県医師会報
第 1755 号
フリートーキングを行った。(湧田)
9 山口県地方社会保険医療協議会(9 月 27 日)
医科 11 件(新規 6 件、組織変更 5 件)が承認。
(藤原)
17 広報委員会(10 月 5 日)
主要記事掲載予定、歳末放談会、郡市広報担当
理事協議会、新年号等について協議。(加藤)
10 花粉情報委員会(9 月 28 日)
19 年度花粉情報システム、1 月 21 日に開催
18 療養病床に入院している高齢者に適用され
する県民対象花粉症対策セミナーについて協議し
る入院時生活療養費に係る福祉医療制度(重度心
た。( 加藤 )
身障害者医療費助成制度、母子家庭医療費助成制
度)における取扱いについて
11 日医地域医療対策委員会(9 月 29 日)
療養病床に入院する 70 歳以上の者の入院時生
都道府県医師会に調査した「地域医療に関する
活療養費について国の方針通り取り扱うもの。関
アンケート調査」結果の内容について協議した。
係機関へは県から通知される。
(佐々木)
19 会員の入退会異動
12 自民党厚生部会との懇談会(9 月 29 日)
前回理事会で承認された要望事項について協議
した。(杉山)
互助会理事会
13 周南地区ORCA体験研修会(9 月 30 日)
1 傷病見舞金支給申請について
山口キャリアデザイン専門学校で開催、12 医
2 件について協議、承認。
第7回
療機関 21 名の参加者があった。
(吉本)
14 女性医師参画推進部会設立準備委員会
(9 月 30 日)
医師国保理事会
第9回
設立総会・設立記念講演会について協議。19
年 3 月 11 日 ( 日 ) 午後 1 時から山口市小郡:山
1 全国国民健康保険組合協会理事長・役員研修
口グランドホテルにて開催することが決定。講師
会(9 月 26 日)
は千葉県衛生研究所長:天野恵子先生。また、部
厚労省保険局国民健康保険課長:神田裕二氏に
会設立について準備委員、世話人を通じて広く会
よる「医療制度改革について」、参議院議員:藤
員に周知することとなった。
(三浦)
井基之氏による「今後の社会保障制度について」
の講演が行われた。(田中 ( 豊 ))
15 指導医のための教育ワークショップ
(9 月 30 日∼ 10 月 1 日)
今年度は山口大学と合同開催で、1 泊 2 日の合
宿形式(実質講義 16 時間)によるワークショッ
プを開催した。参加者 34 名。
(湧田)
16 厚生連小郡第一総合病院勤務懇談会
(10 月 3 日)
県医師会からは、①医師会活動について②医療
制度改革等中央の動きについて、病院側からは医
師確保対策について議題が出され協議し、その後
1069
平成 18 年 11 月
山口県医師会報
第 1755 号
故郷へ帰って二十三年
熊毛郡医師会 松 岡 勝 之
この 8 月 24 日 ( 木 ) には「郡市医師会地域医
同志、離合の難しいところも少しはあるが、舗装
療担当理事協議会」も終わり、急いで帰って事故
道路の今とは大違いの時代だったようである。2
を起こしてもと思い、途中の喫茶店で一休み。遅
週間に1回、と考えていたが 「 是非毎週 」 という
くに帰宅。翌日は、昨日出務できなかった老人ホ
ことで、毎週出務している。当時はちょうど郡医
ームにも行かなければならずバタバタ。そこへ県
師会長の番が回ってきたときで、ちょくちょく県
医から一通の郵便。?と思いながら開封してみる
医師会や保健所への出張と重なったりで出務でき
と 「 いしの声 」 原稿執筆依頼である。確か 23 年
ないときもあり、地区の患者さんに迷惑をかけた
前に故郷へ帰って 2 ∼ 3 年後に一度、今度は二
が、最近はその回数も減ってきた。
度目、否、確かもう一度 「 病診連携 」 について書
地区の患者さんは、この診療所だけにかかって
いたから三度目である。本棚を探してみると 「 い
いる人、普段は町内外の病医院にかかっていてマ
しの声 」 第 2 集がありました。そして昭和 61 年
イクロ・注射や風邪を引いたりした時だけこの診
に私の 「 過疎の故郷に帰って 」 が載っていました。
療所にかかる人等などいろいろである。また中に
私たちがまだ小さかった昭和 30 年代の当町は、
は 3 ∼ 4 の病医院にかかっている人も。他院で
子どもの数も多く人口も 1 万 2 千人くらい。そ
どんな薬をもらっているのかほとんど知らせてく
して故郷に帰ってきた昭和 58 年ごろは 6,800 人
れない人も多く、副作用や飲み合わせに注意して
くらい。そして最近は 3,900 人くらい。長期入
いろいろ症状があっても出来るだけ一種類のしか
院の方もいらっしゃるので実際はもう少し少ない
も投与量も少なくしている。どこの老人にも言え
と思われる。「 少子高齢化 」 でここ 5 ∼ 6 年は小
ることだが痛み止めの注射が好きである。添付文
学校は一学年 10 人いるかどうか。今年4月から
書には 「 ショックを起こすことがあるので直ちに
は、小学校も統合されました。また 2 人に 1 人
救急処置を・・・ 」 とある。そんな状態の患者を目
は老人という、たぶん県内トップの高齢化率。
の前にして、たった一人で救急処置を行って救命
当町はあちこちに集落が散らばっていて、離島
できる自信は、私にはない。
2 箇所を含め 4 つの僻地診療所があります。あれ
平成 11 年だったと思うが、当町にも特別養護
は、平成 2 年 6 月頃だったと思うが、当院から
老人ホームが建設され、当院が最も近い医院 ( 約
約 12 キロ離れた地区の僻地診療所に出務されて
7 キロ ) ということで週 2 回出務することになっ
いた町内の大先輩が、体調を崩され出務出来なく
た。定員は 30 人。全員が高齢者で、今は 100
なり、町より当方に打診があった。亡き父も、昭
歳の方も入所中である。ほとんどの方が多かれ
和 30 年代から 40 年代前半にかけて出務してい
少なかれ持病を持っている方々である。施設の 2
た診療所である。当時はその地区への道路は、山
人の看護師は 1 週間交代で夜も待機である。私
越えがあったり幅も狭かったりで車も通れず、ポ
も施設から携帯電話を持たされ、出務日以外でも
ンポン船で 1 時間もかかって診療所に出務して
連絡がきて、転倒・急な高熱・意識喪失発作等では
いたとのこと、また時には帰る途中で海が荒れて
深夜でも施設に往診したり、救急車に同乗して他
きて船長さんから 「 もう海は危ないのでここから
院に搬送したり。体力のある間は何とか続けてや
は歩いて帰りなさい 」 と途中で船から下ろされ、
っていきたいと思っている。
夜中にやっと自宅にたどり着いたことも。対向車
1070
平成 18 年 11 月
山口県医師会報
第 1755 号
1071
平成 18 年 11 月
山口県医師会報
第 1755 号
転 載
私の意見
大学勤務医からの開業医への変身
東入間医師会 黒
田浩郎
(埼玉県医師会誌 第 674 号 )
原稿執筆の依頼があり快く引き受けて、「開業
大学勤務医 40 年間と開業医はまだ 9 ヶ月ですが、
医の奮闘記」と題して書いてみましたが、開業し
両方経験させていただき、大学から見た開業医の
ている先生方から見ると内容的にあまり興味のな
あり方、開業医から見た大学の役割について、ま
いものに思え、上記のような題名となりました。
た、私なりの開業医の理想像について述べてみた
両方を経験した今、医師として、大学病院からみ
いと思います。
た開業医のあり方、また、開業医からみた大学病
院の役割について私なりに意見を述べさせていた
2)大学からみた開業医
だきたいと思います。
私は東京医科歯科大学の産婦人科に入局し、都
立府中病院を経て防衛医大までのほぼ 40 年間大
1)開業医への決心とその準備
学病院で過ごしました。防衛医大につきまして述
今まで大学勤務医として 40 年間励んできまし
べますと、開院当初は開業医の先生方と接触する
たが、臨床医としては不完全燃焼でした。自分
機会はあまりありませんでした。そのうちだんだ
の今までの臨床経験と大学で研究した超音波診断
んとプライベートでお付き合いする機会が増え、
学、ウイルスの研究などを生かし、病気で悩み苦
少しずつ患者が送られてきました。また、各地区
しんでいる患者の手助けと、自分を必要としてい
の医師会と各講座の医局長などの会合がもたれる
る患者がいるのではないかとの思いに駆られ、定
ようになり、意見を交換しあい患者を大学に送る
年退職後、開業する事を決心いたしました。年齢
システムが整ってきました。大学の使命は紹介患
的なことを考えると心配な面はありましたが、精
者と緊急を要する患者の受け入れです。数回にわ
神的、肉体的にもまだいけると思い、ポジティブ
たる医師会との懇談会でお互いの価値観が理解で
思考を持つことにしました。開業するにあたり、
きるようになり、患者の受け入れ体制が出来上が
地域医療に貢献するのは当たり前ですが、金銭的
りました。
な面も考えなければなりません。クリニックの改
大学から見ると開業医の先生は次のように分類
装、人材集め、機械の購入などができればほとん
されるように思います。
ど OK だと思っていましたが、実際には宣伝、薬
①困った患者をすぐ送る先生
や駐車場の確保、医療廃棄物の処理、院内の清掃、
②患者をギリギリまで診て、手遅れになった患
カルテなどの印刷物の作成など、想定外の負担が
者を送る先生
増加し愕然とした次第です。周りの人々の、適切
③非常にシビアな患者(送るべき重症患者)
な忠告や多大な指摘援助などを得て、東武東上線
を送る先生
ふじみ野駅徒歩 3 分のマンション 2 階に平成 17
大体この 3 つです。
年 7 月 1 日、どうにか開業にたどり着きました。
大学病院は三次救急なので③のタイプの患者を
1072
平成 18 年 11 月
山口県医師会報
第 1755 号
転 載
期待しているわけですね。
通じて自分の知識を伸ばし、勉強したいと思って
大学病院は便利屋ではあってはならないと思い
います。そのため、新しい知識を吸収すべき臨床
ます。
学会が、開業医にとって一番患者が集中する土曜
転送されてきた患者に関しては、開業医の少々
日に行われることは少々残念です。私のクリニッ
のミスはフォローしていましたが、個人情報の
クでは診療前に朝のカンファレンス、週一回の勉
保護の観点から、最近では患者に起こったそのま
強会を実行し、スタッフ全体の知識の向上に努め
まの事実をそのまま家族にムンテラする傾向にな
て少しでも患者の役に立てばと思っております。
っています。したがって大学は開業医をフォロー
してくれる機関ではなくなってきたように患いま
以上、勝手気ままに述べさせていただきました
す。
が、医師会の会合に出席させて頂き、その役員や
会員の皆様が必死に頑張っていらっしゃる様子が
3)開業医からみた大学病院の役割
ひしひしと胸に伝わってきました。自分を含め、
ところで、私は今回開業して逆の立場になり
諸先生方のご健闘を祈って、筆を置かせていただ
ました。患者の生の声をストレートに聞き、どん
きたいと思います。
なに小さな問題でもすぐに対応しなければならな
いことが、大学病院との大きな違いであることを
痛感しています。忙しい中での診療ですが、患者
を以下のように直ちに分類すべきだと恩っていま
す。
①診断と治療が可能な患者
②診断ができるが治療不可能な患者
③診断も治療もできない患者(これは滅多にい
ません)
私としては①の患者をなるべく増やし、②、③
の患者はなるべく減らすべきだと思っています。
しかし、忙しい中での診療ですので、時には困っ
た患者を送らなければならないこともあります。
このことは開業医となって初めてわかりました。
大学病院はそのことを理解して頂きたいです。そ
のため救急患者の受け入れには積極的に取り組ん
で貰いたいです。
4)私の描いた開業医の理想像
開業医の目的は、病気で苦しんでいる患者に
対する徹底的な奉仕ではないかと私は考えていま
す。それには的確な診断と、すぐれた治療、適切
な診療費などをモットーに患者のニーズに答える
べきだと思います。そのためにはあらゆる機会を
1073
平成 18 年 11 月
山口県医師会報
第 1755 号
転 載
休日在宅当番医雑感
柳井医師会 浜田 克裕
(柳井医師会報 2006 年 6 月号 № 481 )
と来院を認める。しかし 2 時間後 ( 柳井の住人
「お疲れ様、どうもありがとう !」
休日在宅当番を終えた午後 5 時過ぎ、日曜出
勤してくれた看護師さんと事務職員さんに声をか
であるのに、来るのに何故 2 時間もかかるのか ?
理解に苦しむ ) に来院した患者の、鼻血はもう止
まっていたので「ホッ」とした。
けて帰ってもらい、椅子に深々と腰掛けて「フ
「明日、耳鼻科へ受診しなさいよ」で幕引きと
ー」とため息が出た。今日もまた、本日の受診患
なったが、この間の徳山や岩国への問い合わせに
者 27 名中 6 名 ( うち小児科 3 名 ) を周東総合病
私は大汗をかき、患者が来院するまでの 2 時間
院へ紹介し、当直の先生および小児科の先生のお
は胃がシクシクと痛んだ次第。
手を煩わせてしまった ! 全く申し訳ないことであ
皆様御承知のように、最近の患者族は色々な
るが、一次対応で済ますべきであるかも知れない
所から医療情報 ( しばしば間違った情報だが ) を
患者を紹介しても、すぐに引き受けて下さる周東
得ていて、医療に対する要求度が拡大・向上して
総合病院の先生方のご厚意には、ただただ感謝申
いるので対応が難しい。従って最近は、しょっぱ
し上げるのみである。
なに「今日は休日当番ですから難しいことは出来
いつものことながら、どんな患者が来院する
か分からない休日在宅当番日は、私の場合、前夜
ません。応急処置だけですが、それでも良いです
か ?」と聞くことにしている。
から一日中緊張しているため胃が痛み、血圧も上
そこでいつも考えることは、この休日当番医も
がりっ放しで体調不良となる。特に私は皆様のよ
含めて、時間外・夜間急患診療の責め苦から、何
うな優秀な「医師」ではなく、老人専科の中途半
とか逃れる方法はないものか ? と言う事である。
端な「デモシカ医者」であり、かつ小児科を初め
少々ヤブニラミ的理屈で申し訳ないが、本来
他科の事はさっぱり分からない「ヤブ医竹庵」で
「病院での宮仕え」が嫌で、
「自由」を求めて「開業」
あるので、尚更患者に気を遣うため、一層くたび
したのに、開業した途端に休日在宅当番医へ組み
れ果ててしまう傾向があるようだ。
込まれ、胃酸の分泌を高めなければならないとは、
今日も今日とて「鼻血が出て止まらない。鼻
医者と言う職業はあまり良い職業ではないナと思
の奥に痛みがある。救急隊へ電話したら、浜田内
う。ただし、周東総合病院の当直医の先生方は、
科へ行け ( 救急隊もいい加減 ?) と言われた」と
夜も外来患者対応で眠れず、そのまま引き続いて
の電話あり。ここ三十年来、鼻血の処置なんてや
翌日の勤務をこなすので 36 時間以上の勤務とな
ったことがないので、徳山や岩国も含めてどこか
り、私の数倍も苦労しておられるわけだからあま
耳鼻科はやっていないか ? 電話で調べるも何処に
り文句も言えない。もっとも私でも勤務医時代は、
もない。大竹に一軒やっていると言うので「大竹
しばしば 36 時間勤務したものだが……。
まで行くか ?」と患者に尋ねるも「車がないので
行けない」と言う。
「エエイ、ママヨ、綿花でも突っ込んでみるか ?」
1074
さて、救急医療対応策として一番理想的なこ
とは ( 昔、県医師会報へも書いたことがあるが ) 、
行政の責任において「独立した救急医療病院」を
平成 18 年 11 月
山口県医師会報
第 1755 号
転 載
各医療圏毎に設置し、行政の管理運営により救急
険が迫っていること、などより早急に解決すべき
患者に対応して呉れることである。そのスタッフ
問題であり、柳井医師会としても近隣医師会と連
は医師もナースも救急医療専門資格のあることが
携して行政の尻を叩き、休日夜間診療所設置を急
望ましい。しかし、現状ではこれは夢物語に過ぎ
ぐべきである。
ない。
その場合の管理・運営責任者は行政 ( 柳井市お
次善の策としては、
「地域中核的病院に独立し
よび近隣町 ) とし、ナースその他のコ・メディカ
た救急医療部門」を設置し ( 現在のような病院当
ルスタッフは行政の責任に於いて雇うべきであ
直医が片手間に対応するものではない ) 、救急専
る。
門スタッフを設置して救急患者に対応して頂くこ
出務医師についてはやはり私ども医師会が協
とである。大都市圏では現実に実施されているこ
力してやらなければなるまい。この場合、柳井医
とである。
師会だけでなく、田布施町、平生町、上関町の医
ただしこの地域の中核的病院にそんな金が無
いことは分かっているし、専門スタッフを集める
師会とも組むべであろう。
診療時間については終夜が理想ではあるが、
ことも困難であろうから、県や市町村等の行政が
私ども開業医も翌日の診療があるので、終夜勤務
その部門の管理・運営に当り、行政の責任におい
は無理であろうから、以前、周東総合病院より希
て金を出し、大学その他と交渉してスタッフも集
望された如く、まずは平日・休日準夜の 18 時∼
め、中核的病院へ提供すべきである。
22 時位の出務を考慮しては如何であろうか ?
何故ならば、県民あっての山口県、柳井市民
診療所への出務は、柳井および上記近隣医師
あっての柳井市であり、その市民の健康を守るの
会の内科・小児科および外科・整形外科の二本立
は行政の義務であり、責任があるからだ。
てでローテーションを組むとすると、2 週間に一
大体、トラブルが起こりやすく、利益も上が
回位の出務となるのでは ?( 本当は私のような「小
らない救急医療を、一般の民間病院や民間医療機
児科音痴」もいるので、小児科医は別体制が望ま
関に委ねるのは、
筋論から言っても間違いであり、
しいが、現状では無理であろう ) 。また、耳鼻科、
行政が全ての責任を持つべきであると言うのが、
眼科、皮膚科、婦人科などは、周南市以東の広域
私の昔からの持論である。しかし現実にはこの案
医療圏に一医療機関が在宅待機体制をとればよい
も今すぐ実現することは困難であろう。
のではないか ?
となると私ども開業医も一次救急医療に対す
財政面についても、柳井市単独では無理であ
る倫理上の義務・責任がある訳で、やはり責め苦
るので、周東総合病院に世話になっている近隣市
から逃れることは諦めざるを得ない。
町が、その受診患者数の比率に応じて合同で予算
そこで第三の案として、平成 15 年に柳井市
休日夜間診療所検討委員会でまとめた答申のう
ち「Ⅱ . 休日夜間診療所シュミレーションの検討」
を捻出すべきであり、それが行政たるものの責任
であると思う。
以上は私案であるが、私ども医師会も常に問
の項の「(4)( 休日夜間 ) 診療所新設」を何とか実
題意識を持って前向きに考え、行政等と折衝を重
現することである。この時の検討委員会の結論で
ねて行く必要があろう。
は、柳井市単独では財政的に無理であること、ま
なお救急隊に提言する。日夜を分かたぬ救急
た医師会員の協力体制 ( アンケート ) も不備であ
隊員の皆様の御尽力には感謝申し上げる。ただ、
ること、などより見送られた。
柳井市の救急車出動回数は、同規模の他市町村に
しかし現実に、周東総合病院に時間外・夜間・
比べで多いのではないだろうか ? それは取りも直
休日急患が殺到し、当直医の先生方が悲鳴を上げ
さず柳井市民の救急医療の認識が低く、救急隊に
ていること、二次病院としての機能が麻痺する危
対する「甘え」があるのではないだろうか ? 仄聞
1075
平成 18 年 11 月
山口県医師会報
第 1755 号
転 載
ゆえに真偽のほどは確かでないが、以前、救急出
そうすれば市民も「真の救急医療とは何か ?」を
動したら、呼んだ本人 ( かぜ症状 ?) が橋の袂で「オ
少しは考えるのではないだろうか ?
オイ、此処だ、此処だ」と手を振っていたとか
……。この際、法律を改正して ( 東京都ではその
以上、休日当番医の一日を終えたボケ予備老
のたわごとである。
ような動きがあった由 ) 、真の重症患者は別にし
さて、一風呂浴びて一杯飲むベエカ……。
ても、救急車利用料金を取っては如何であろう ?
おわり
日常診療雑感
柳井医師会 吉浦 宏治
(柳井医師会報 2006 年 7 月号 № 482 )
開業して 7 年になりますが、以前の病院勤務
何でもかんでも患者に承諾書を求める風潮などを
の時には外来あり、病棟あり、手術ありで忙しい
見聞きすることが多いことによる私の過剰反応な
ながらも仕事にバラエティーがありましたが、現
のでしょう。以下、こんな私の日常診療での医師・
在は外来業務が中心となっていますのでどうして
患者関係に関して、日頃感じていることを少々書
も日常診療が単調になっています。この単調さの
いてみたいと思います。
中にあっても、医師というものは自分の患者の病
6 月号の日経メディカルに「患者はなぜ怒るの
気を正確に診断し、治療し、それがうまくいって
か」という特集記事が載っていました。いつも
患者の喜ぶ顔をみたり感謝されたりすれば「ああ、
はこの雑誌に目を通すことはほとんどないのです
よかった」という満足感にひたることができ、そ
が、つい気になって読んでしまいました。この記
してこのことが明日からの仕事をする上でのモチ
事には、もはや患者は医師に対する無条件の尊敬
ベーションを高めていることは確かです。しかし
の念など持っておらず、物言う医療消費者に変貌
最近では、診療が終わってほっと一息つくと同時
してきているとのことが書いてありました。この
に、「今日 1 日さして患者とのトラブルもなく診
医療消費者とは納得できるまで説明を求め、ベス
療が終わって本当によかった」という気持ちが頭
トの結果を期待し、きめ細かく行き届いたサービ
の中に漂ってくるようになりました。特別過去に
ス (「真夜中でも診て欲しい」
「待たされるのはイ
患者と大きなトラブルになったことがあるわけで
ヤ」「気が済むまで話を聞いてほしい」など ) を
はないのですが、これはおそらく近年の医者たた
求める消費者としての権利を主張する者と説明さ
きとも思える報道や、それに対応するかのように
れています。つまり、このような患者に少しでも
1076
平成 18 年 11 月
山口県医師会報
第 1755 号
転 載
気にさわる対応をすれば即、クレームが来るとい
何でもかんでも平等、つまり医師と患者は対等で
うことになります。
なければならない、という概念を持ち込むから話
私の身近には現在のところこのような患者はい
がややこしくなるのです。医師というものは本来、
ませんが、以前勤務していた病院では、昼間は働
目の前に弱った人がいれば持てる力すべてをだし
いているから来院するのはいつも当直体制の時、
て助けようとする本能があるはずです。この大前
という患者がいました。通常の診療時間に来るよ
提を患者、ひいては社会に認知させるような行動
うに言っても、自分の正当性を主張するばかりで
をしていかなければならないし、そうでなければ
この患者はいつも最後には怒りだしてしまい、こ
円滑な医師・患者関係は生まれないと思います。
ちらも黙認するしかなくなってしまうのです。患
しかしまだ当分は、話がこじれそうな患者を前
者は立場が弱いので医師が少しでも強く言ったり
にして、「もう少し私のことを信用してくれても
するだけですぐドクターハラスメントなどと報道
いいのに」と心の中でボヤきながらの診療は続い
されてしまいがちですが、このような時は患者は
ていくのでしょう。
弱者の衣を着た実は強者なのではないかと思って
しまいます。
また、私が専門としている頭頸部領域は、脳
神経をはじめさまざまな末梢神経が入り組んでい
る部位であり、異常感覚を引き起こしやすい領域
といわれています。咽喉頭異常感症という病気が
あります。これは、のどに何かつまった感じがす
るなどの症状を訴えるが器質的異常を認めないも
の、と定義されている病気です。中年以降の女性
に多く、診察して「何でもない」( 例えばガンな
どができていない ) ことがわかるとそれだけで直
ってしまうこともあります。しかし、この「何で
もない」ことを証明することも実際には難しいの
ですが、それを患者に納得させることがさらに難
しいのです。もともとのどに何か問題があって来
院しているのだから、
「何でもない」と言われて
も患者の方も困ってしまうし、中にはむしろ、
「こ
こに異常がありそうです」といわれた方が少しは
安心するかのような人もいるようです。この「何
でもない」ことをうまく説明できないと、患者は
いつまでも納得せず、怒ることになったり、ドク
ターショッピングを繰り返すことになるのでしょ
う。
医師と患者との関係は少なくとも診察室の中で
は明らかに患者の方が弱者です。( これは必ずし
も医師が強者という意味ではありません ) ここに、
1077
平成 18 年 11 月
山口県医師会報
第 1755 号
飄
々
広 報 委 員
堀病院事件で露呈した
産科医療の問題点 渡 木 邦 彦
去る 8 月 24 日横浜市の堀病院では看護師等に
内診を行わせ、併せて分娩も取り扱わせていたと
■分娩第Ⅰ期(陣痛開始から子宮口全開大まで)
して、保健師助産師看護師法(保助看法)違反容
の内診を看護師にさせることの是非について。も
疑で、院長逮捕および家宅捜査を受けた。この事
っと解りやすく言えば、日祭日を含めた時間外に
件がもたらした影響は産科婦人科診療に携わって
陣痛発来や子宮収縮の主訴での入院時に看護師が
いる医師にとり甚大であったばかりか、妊婦でさ
内診することは、産科医療の実情を無視してまで
えもが、自分の診療所は大丈夫かしらと不安を抱
も違法行為として処罰の対象になるのかと言うこ
き始め、診療所の内情を蒐集し、診療所を彷徨す
とである。
るような事態を招き始めているようでもある。
看護師はその教育課程の母性看護で、産科学と
この逮捕事件は、内診という産科医療のとも
して内診教育を受ける。看護師のみの分娩で児を
すれば日常茶飯事的診療行為が内包する問題点を
取り上げることは論外としても、分娩第Ⅰ期に内
いとも簡単に炙り出して現場を混乱させるに至っ
診をして、事故に繋がるなど、どんな発想から出
た。それらの焦点をあげてみたい。
てくるのか不思議である。看護師を採用したその
日から、夜勤、内診、そんな出鱈目は診療所側と
■発端となった母体死亡と保助看法違反とは全く
して恐くて出来ようがない。ちゃんと手順を踏み、
関係がない。にもかかわらず、違法医療行為とし
教育、訓練をすれば、資格を持った女性看護師な
て院長逮捕となった。医師法第 21 条での " 異常
ら、自分の身体として、母親なら自分の経験とし
死 " の扱いと同様、警察権の早期介入で、萎縮医
て内診を十分に理解し、正確に判断できる。内診
療を迫られる結果を生んでいる。
をして、CTG モニターリングを読み、助産師な
このことよりも何よりも今回の事件は、産科医
り医師に連絡する。これで役割は充分である。
療が、如何にも出鱈目をして、医療の社会的評価
を失墜せしめたことにある。最近、マスコミは彼
■医療事故と直接関係がない事柄を、大捜査と現
らの流儀で助産院と助産師を持ち上げ始めている
実を知らないマスコミが例によって産科医療をよ
が、医師のいない施設で分娩することが拡まると、
り破綻に追い込む様な事件に仕上げてしまった。
周産期の母児死亡率が増加するはずで、四半世紀
それでも、その後週刊誌やテレビで三面記事とし
前は先進国中で底辺にあった周産期死亡率を、周
て、事件その後が一切流れてこないところを見る
産期医療関係者の献身的奮闘努力で世界のトップ
と、報道管制を敷いたのかと思われる節がある。
レベルまで引き上げた昨今の周産期医療が元の黙
看護師内診禁止を厳密に取り上げたら、助産師の
阿弥となることは目に見えている。
いない診療所はあっと言う間に妊婦さんが受診し
1078
平成 18 年 11 月
山口県医師会報
第 1755 号
なくなり、診療所経営が破綻し、日本の診療所の
夜に入院毎に内診をしに起きると、連日の激務に
3 分の 1 は、今年度中に閉鎖に追い込まれるだろ
身体が持たない。不可能である。労働基準法以前
う。産科診療所側も医療事故の発生防止に躍起に
の問題である。それならと助産師を雇用しように
なっているのである。看護師内診を黙認する方向
も雇用に応じる助産師はいないし、数人の助産師
に行かざるを得ないようで、他の原因で医療事故
を雇用する人件費も捻出できない。経験を積んだ
を起こすと、ついでに初内診が誰かを追求される
看護師の入院時の的確な内診により、次の行動が
であろう。当然のことだが、とにかく医療事故を
とれる。助産師でないと内診が信用出来ない、事
起こさないことである。少子化、産科医不足の現
故に繋がると考えるのは、実情・現場を知らない
実を踏まえ、法を厳守して妊産婦の行き場をなく
方々の杞憂にしか過ぎない。経験と訓練が実学の
す愚行を強行すべきではない。看護師内診の現状
基本だからである。
を生み出したのは、
産科医師のみの責任ではない。
■助産師不足は、四半世紀前頃から声高に言い続
■厚生労働省は産科医療の現状を全く把握して
けられておりながら、施設やその定員の増加をも
いなかったことを図らずも露呈してしまったので
含めて、現在に至るまで何らの手も打たれていな
はないか。日本産婦人科医会と日医が何度か折衝
い。助産師学校側からは、充実した教育病院とし
しても、何も打つ手を持ち得ていない。いや何等
ての実習病院さえあれば、現在の定員を倍に増や
かの手を打とうと取り組んでいるのかもしれない
すことなどたやすいと聞いている。それにしても
が、先送りか、時間稼ぎなのか改善具体策が現場
最近の助産師の中には、夜勤は出来ない、仕事が
まで聞こえてこない。このことが産科診療所の今
激務である、自由な時間が持てない、等々のご託
を生んできたのである。
を並べ上げて、真摯に助産業務に取り組もうとし
ていない人がいる。これらのご託は資格を取る前
■今回の事件は、我が国の産科医師に、将来の暗
から解り切っていたことであるにもかかわらずで
さ、子に継承したくない、もう診療を辞めようと
ある。業務への使命感、忠誠心が欠如していると
の思いをより強く抱かせた。これは産科診療所の
しか思えない。さらには産科・分娩を取りやめた
衰退に拍車がかかる。
産科の熟練医師は高齢化し、
病院等でも、多数の助産師を看護師として雇用し
員数も少ない。ただでさえ少子化がその廃業に傾
続けて、助産師不足に知らんぷりを決めこんでい
かせているのに、看護師の内診禁止、警察権介入
る。適正配置以前の問題ではないか。産科のない
は診療所閉鎖をさらに加速するであろう。自費診
公的病院で、もし助産師雇用契約に基づいた給与
療とは名ばかりで、都会はいざ知らず、地方では、
を支払っているとしたら、不要過払いに繋がる。
産科自由診療費が、
経済の伸び率について行けず、
病院経管理者の経営感覚を疑わざるを得ない。
安い医療費のまま、献身的な過酷な肉体労働と助
産師の勤労奉仕精神におんぶに抱っこしてきたの
■今後の改良策としては、助産師の必要数が満ち
である。自分たちのリフレッシュや再生産の費用
るまで、分娩第Ⅰ期の内診は法改正で看護師で是
も捻出できない低賃金のままで。一人か二人の助
とするか、或いは黙認するかであろう。助産師を
産師が、付きっきりで献身的に分娩まで面倒を見
早急に増やす対策を導入する。現行の保助看護法
てきた。経験の実学の通りあまり事故も起きなか
を堅守して、看護師の内診禁止を強行し産科医療
った。起きても、妊産婦とは厚い信頼関係で結ば
の崩壊を招くなど、憲法第 9 条を遵守して、国
れており、出生後の命の定めを産婦も従容として
破れて憲法が残ったという愚策と同じではないの
受け入れていたものである。日本の医療文化のこ
か。法律は遵守する義務がある、しかし現実に即
のような妊婦と診療所の関係はもう神話の時代の
さない役に立たない法律を、改正もせず、遵守、
話となってしまうのであろうか。
遵守の挙げ句に違法だ違法行為だと、逮捕劇まで
やると、法治国家が泣きます。誰による、誰のた
■産科婦人科の診療所では、医師、助産師が毎深
めの、誰の法なのか。机上の空論で理不尽に痛め
1079
山口県医師会報
平成 18 年 11 月
第 1755 号
つけられることは現場の当事者であるという常態
となった。このことは産科医療を熱心に真摯に施
は、変わることのない現代日本史上での厳然たる
行してきた産科医にとり、青天の霹靂を通り越し
決まりなのだろうか。
て、恐怖の事件となったことは否めない。厚労省
の当事者も我々の代表である日本産婦人科医会の
■企業、事業所では、その長たる者、職場の理想
役職の方々も、今回を含め触れてはいけない部分
的機能や経営を頭に描いているものである。いわ
(他にまだある筈です)を堅実に検討して戴き、
ゆる経営者意識の一部である。しかし現実には、
事前通達で医師たちへ情報を流して欲しいもので
その理想にほど遠いところに位置しているのが
ある。助産師を増やす、分娩費用の適正値をはじ
実情であろう。それでも理想に一歩でも近づこう
き出すといった要望は要望として、将来助産師数
と経営向上のため日夜弛まぬ努力をするものであ
が社会に潤った頃に内診は助産師以外は違法とす
る。これは医療機関とて同様である。この企業努
べき事項ではあろうが、それまでは流動的に次善
力をしない職場の長は失格である。ましてや診療
の策として事故防止に勤める等の妥協点を打ち出
所の医師が、企業努力として今日的医療を施す努
すべきである。「異常死」も含めて、警察の逮捕は、
力を怠ったとしたら、これは企業倫理からもある
刑事事件として犯罪を特定できたら、ただそれだ
まじき行為である。殆どの診療所医師たちが「い
けのものであり、一件落着したら次の異常死や医
い医療」を患者さんに提供するんだと研鑽努力し
療事故が起きないといった、次の予防、警告、改
ているのである。ところが今回の産科医療の保助
善に何ら繋がるものではないところが、不毛で悲
看法違反事件は、現場を知らない、日本的産科医
劇的なアクシデントなのである。他科の先生方、
療の現実を知らない警察司直の手が真っ先に入っ
産科のこの実情・問題点をご理解頂けますでしょ
たことだった。厚生労働省が待ったをかける間も
うか。如何ですか。
ない程に素早い捕り物事件として周知のニュース
マ
ン
ハ
ッ
タ
ン
女
神
立
像
夏
の
空
1080
マ
ン
ハ
ッ
タ
ン
崩
壊
の
テ
ロ
夏
の
跡
な
に
ご
と
も
な
き
里
な
り
き
稲
の
花
あ
で
や
か
な
女
踊
り
や
阿
波
育
ち
紅
芙
蓉
大
ら
か
に
咲
き
一
会
あ
り
鳳
仙
花
は
じ
か
せ
遊
ぶ
皺
の
指
姫
野
武
田
村
田
豊
山
子
龍
周
陽
傷
あ
と
も
と
も
に
太
り
て
ゆ
く
青
柚
黒
雲
の
時
に
隙
あ
り
月
を
待
つ
浅
海
日
出
子
稲
の
花
徳
医
句
会
山口県医師会報
平成 18 年 11 月
第 1755 号
会員の声
地域医療のありのままを体験する
済生会山口総合病院 研修医 2 年目 田島 歓子 日本は 65 歳以上の人口が 25% を超える超高
スタンスであった。自らの医療守備範囲を医師側
齢社会を迎えた。厚生労働省は平成 12 年より医
の都合で規定せずに患者にとって最良の解決策を
療と福祉を再編成した介護保険を導入し、その後
直接・間接的に提供する姿はまさに「かかりつけ
も改訂が繰り返されよりよい高齢者医療の充実を
医」であった。また、私が出会った地域医療ス
目指している。私はそんな高齢者を中心とした医
タッフは、シシリー・ソンダースが「Not doing
療環境をまさに進行している現実として知るため
but being」と表現した在宅ケアの理想的なあり
に、訪問看護ステーションおよびデイケアなどの
方をまさに実行し、生きがいと活力ある高齢社会
福祉施設と無床診療所で合計 1 ヶ月間、研修さ
を作る努力を惜しんでいなかった。
せていただいた。私は祖父母の介護体験から高齢
医師もその他の地域医療スタッフも高まる需要
者はデイケアなどの福祉施設を活用して元気に過
に応え、自らの使命を果たすために奮闘している
ごしているものだと思いこんでいた。実際にデイ
のに高齢者医療が破綻の危機に晒される原因は、
ケアで出会った高齢者も「毎回来るのが楽しみ」
絶対的な人員不足にある。手厚い在宅介護および
「仲間がいて楽しい」と親しみやすい笑顔で答え
在宅医療が円滑に進むためには、さらなる福祉制
てくれた。
度充実やスタッフの充足が急務だ。生も死も患者
しかし一方で、訪問診療および訪問看護に同行
および介護者と共に同じ目線で見つめる介護支援
すると独居高齢者やひっそりと暮らす高齢夫婦、
が日本の高齢者全員に対して地道に行われること
寝たきりの高齢者を抱える家庭が驚くほど多い。
が望まれる。私は福祉介護と在宅医療の連携を質
介護者は介護疲れをにじませながら「お腹が張っ
的および量的に強固にすることで、すべての在宅
ている」「湿疹ができた」
「胃ろうから注入したも
患者や介護者の身体的・心理的不安も解消する充
のが漏れる」など日常茶飯事に起きる問題に苦慮
実した医療提供体制が確立すると感じた。
していた。医師や訪問看護師、ホームヘルパーが
最後に、研修を支えて頂いた Y 病院訪問看護
出来る限り対応しようとするが、社会から隔絶さ
ステーションの皆様および A 消化器内科の皆様、
れがちな介護生活の過酷さは豊かな現代社会とは
本当にありがとうございました。
全くかけ離れており、現実のものとは思えなかっ
た。そんな脆弱な側面を持ったままでは、将来、
高齢者医療は破綻してしまうだろう。
入院治療が中心である急性期病院では患者をそ
れぞれの生活環境の中で診ることは難しいため、
地域密着型の慢性期高齢者医療は開業医や福祉施
設を中心に行われている。地域医療研修のご指導
頂いた診療所の先生は毎日、大勢の通院患者を抱
えながらも一人一人丁寧な診察を行い、場合によ
っては患者の抱える医療、介護、福祉の諸問題に
対応し、必要あれば在宅患者への往診も厭わない
1081
平成 18 年 11 月
お
知
ら
せ
・
ご
案
内
山口県医師会報
第 1755 号
高血圧フォーラム in 徳山
と き 平成 18 年 11 月 17 日(金) 午後 7 時 15 分∼
ところ ホテルサンルート徳山 周南市築港町 8-33 TEL:0834-32-2611
演 題
「 循環器治療戦略における第 3 世代カルシウム拮抗薬の役割 」
桜橋渡辺病院内科部長 伊藤 浩
主催:徳山医師会
学術講演会
と き 平成 18 年 11 月 30 日(木) 午後 7 時∼
ところ ホテルサンルート徳山 周南市築港町 8-33 TEL:0834-32-2611
演 題
「 これからの気管支喘息治療 」
長崎大学医学部第二内科 松瀬 篤人
主催:徳山医師会
第 265 回木曜会(周南地区・東洋医学を学ぶ会)
と き 平成 18 年 12 月 14 日(木) 午後 7 時∼午後 9 時
ところ ホテルサンルート徳山 新館 1F「飛鳥の間」
周南市築港町 8-33 TEL:0834-32-2611
テーマ 症候の発生機序と弁証意義⑩「汗が出ない」
針灸症例トレーニング 総合 6 「遺精」
年会費 1,000 円
※漢方に興味おありの方、歓迎致します。お気軽にどうぞ。
[代表世話人・解説]周南病院院長 磯村 達 TEL:0834-21-0357
第 53 回山口県臨床整形外科医会教育研修会
と き 平成 18 年 11 月 25 日(土) 18:30 ∼ 20:00
ところ 山口グランドホテル 「 孔雀の間 」 山口市小郡黄金町 1-1 電話 083-972-7393
特別講演
「姿勢と QOL」 東北大学大学院医学系研究科 整形外科学 井樋 栄二
※取得単位
日本整形外科学会教育研究単位 1 単位
日本医師会生涯教育制度 3 単位
※講演終了後、意見交換の場をご用意いたしております。
主催:山口県臨床整形外科医会ほか
1082
平成 18 年 11 月
お
知
ら
せ
・
ご
案
内
山口県医師会報
第 1755 号
第 100 回 山口県医師会生涯研修セミナー
平成 18 年度第 5 回日本医師会生涯教育講座
日 時 平成 18 年 11 月 26 日 ( 日 ) 10 時から 15 時
場 所 山口県総合保健会館 2 階多目的ホール ( 山口市吉敷 3325 番地 1)
日 程
○開会 10:00
○特別講演Ⅰ 10:00 ∼ 11:00
生涯教育の重要性について
日本医師会常任理事 飯沼 雅朗
○特別講演Ⅱ 11:00 ∼ 12:00
新型インフルエンザ ( 仮題 )
国立感染症研究所・感染症情報センター長 岡部 信彦
○昼食・休憩 12:00 ∼ 13:00
○シンポジウム 13:00 ∼ 15:00
介護と介護予防―軽度要介護者を中心に―
司会:山陽小野田市病院局長 ( 山口大学名誉教授 ) 河合 伸也
1、制度改正と介護予防
山口県健康福祉部長寿社会課介護保険班調整監 鶴田 宗之
2、介護予防におけるケアプランのポイント
( 医 ) 丘病院介護支援専門員・理学療法士 ( 山口県介護支援専門員協会顧問 ) 松永 俊夫
3、介護予防の考え方と実践
NPO 法人夢の湖舎理事長 藤原 茂
総合討論
○閉会 15:00
【取得できる単位】
日医生涯教育制度:5 単位 ( 全日 )
日本内科学会認定内科専門医の更新:2 単位 ( 全日 )
山口県ドクターバンク
最新情報はこちらで http://www.yamaguchi.med.or.jp/docban/docbantop.htm
問合先 : 山口県医師会医師等無料職業紹介所
〒 753-0811 山口市吉敷 3325-1 山口県医師会内ドクターバンク事務局
TEL:083-922-2510 FAX:083-922-2527 E-mail:[email protected]
求人情報 公 的医療機関 11 件
その他医療機関 16 件
求職情報 公 的医療機関 0 件
その他医療機関 1 件
※詳細につきましては、山口県医師会のホームページをご覧ください。
1083
平成 18 年 11 月
お
知
ら
せ
・
ご
案
内
山口県医師会報
第 1755 号
山口県医師会カード〔ゴールドカード〕の発行について
当会では会員福祉事業として、㈱やまぎん JCB と提携し当会会員に年会費永久無料の山口
県医師会カード(ゴールドカード)を発行しました。
このカードは下記の特典があります。お申込は郡市医師会窓口にてお願いします。
<特典>
1 年会費永久無料
見本
家族会員カード年会費 1 名無料
2 優遇宿泊施設の確保
国内 900 施設 宿泊料割引サービス
国外 12,000 施設 優待割引サービス
3 利用限度額 100 万円
4 出張手配サポート 航空券・JR 券・ホテルの手配やベストプランの提示
5 旅行傷害保険サービス 最高 5,000 万円の傷害保険を自動付与
6 空港ラウンジの無料サービス
7 全国タクシーチケットサービス
8 その他
※ 申込用紙は郡市医師会に準備しております。
2006 年(平成 18 年)10 月 31 日 1669 号
■ 療養問題「提言の糸口できた」
■ 対前年度伸び率、過去3番目の低さ
2006 年(平成 18 年)10 月 27 日 1668 号
■ 療養病床再編で「介護難民」4万人
■ 医療区分見直し、中医協で再審議を
■ 療養病床で「必要な対応」も
■ 来年4月の薬価改定は見送りへ
2006 年(平成 18 年)10 月 24 日 1667 号
■ 後期高齢者医療の在り方について議論を開始
■ 各地の保育システムについて報告
2006 年(平成 18 年)10 月 20 日 1666 号
■ 「医師確保に関する見解」を公表
■ 緊急レセプト調査6∼8月分の結果公表
■ 看護師の不足・偏在を独自調査へ
■ 核実験に対する非難決議を可決
■ 個人情報保護で2つの指針
1084
2006 年(平成 18 年)10 月 17 日 1665 号 ■ 女性医師が働きやすい仕組みを
■ 一定条件満たせば有床診の整備可に
2006 年(平成 18 年)10 月 13 日 1664 号 ■ 医療制度崩壊への流れ、食い止める
■ 看護師需給見通し、再集計を要求
■ 医療計画、医療費などテーマに委員が講演
■ 国境なき医師団に義援金
■ 北朝鮮の核実験に断固抗議
■ かかりつけ医の質の担保について検討
■ 唐澤会長がテレビ出演
2006 年(平成 18 年)10 月 6 日 1663 号 ■ 伸び率管理の導入けん制
■ 有床診議連を発足へ 武見議員ら
■ 7日からテレビCM放映
■ 正看比率「小数切り上げ」削除
■ 医師の偏在、医師不足に対する対応を議論
2006 年(平成 18 年)10 月 3 日 1662 号 ■ 「新健康フロンティア戦略」を推進
■ 結核罹患に 5.5 倍の地域間格差
平成 18 年 11 月
山口県医師会報
第 1755 号
編集後記
今年の夏は例年に比べ、暑くまた長かったように思う。そんな中、地元山口県から安倍
総理大臣が誕生したことは、喜ばしい限りである。小泉政権下では、国民も医療界も辛い
思いばかり経験させられた。安倍総理も、改革路線を継承すると言っているので、両手を
上げて歓迎するわけにはいかないが、もともと安倍総理は社会保障が専門分野であり、経
済財政諮問会議や規制改革・民間開放推進会議のメンバーの入れ替え、柳澤伯夫厚生労働
大臣や鈴木俊一社会保障制度調査会長の発言などから、ひいき目ながら、小泉政権と違って、
期待が持てるのではないかと感じている。
私達は、総理のお膝元の医師会として、将来の国民のための医療はこうあるべきだと提
言できたらいいなと考えている。会員諸兄から建設的なご意見を県医師会へ上げて頂きた
い。
本号がお手元に届く頃には、もう忘年会の話などが出ていると思われるが、辛かった 5
年半を忘れ、将来に少しでも明るい兆しが見えていることを願うばかりである。
(弘山)
F rom E ditor
このたび、次の会員の方々がご逝去なさいました。つつしんで哀悼の意を表します。
小笠原 元日 氏 宇部市医師会 10 月 13 日 享年 87 歳
登 坂 仁 氏 徳 山医師会 10 月 24 日 享年 59 歳
野瀬 善勝 氏 宇部市医師会 10 月 31 日 享年 92 歳
1085
平成 18 年 11 月
1086
山口県医師会報
第 1755 号
山口県医師会報
平成 18 年 11 月
第 1755 号
会員の皆様へお願い
山口県医師会史第三巻
掲載 「 写真 」 等の募集について
本会は、来年で創立 120 周年を迎えます。これを記念して「山口県医師
会史第三巻」を発刊いたします。
また、山口県医師会の歴史等を貴重なデータとして、映像により保存す
るため、「DVD ビデオ」を平成 19 年度中に作成する計画をしております。
この制作に当たりまして、医師会の歴史や地域医療等に関する写真や新
聞記事等の資料が必要となります。
つきましては、この資料が大変不足いたしておりますので、 どのよう
な資料でも結構です。是非提供又は貸与してくださいますようご協力方、
よろしくお願い申し上げます。
連絡先 山口県医師会事務局(TEL083-922-2510)
〔 参考:保存写真一部 〕
新会館 ( 建設中 )
旧会館
1087
発行:山口県医師会
(毎月 15 日発行)
〒 753-0811 山口市吉敷 3325-1 総合保健会館5階
TEL:083-922-2510 FAX:083-922-2527
印刷 : 大村印刷株式会社
1,000 円(会員は会費に含む)
■ ホームページ
■ E-mail
http://www.yamaguchi.med.or.jp
[email protected]