会社にとって役に立つ供給者の評価方法とは

執筆者 相澤 秀雄
WRITTEN
BY HIDEO AIZAWA
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会社にとって役に立つ供給者の評価方法とは?
執筆者:ISO9001/14001コンサルタント
相澤
秀雄
ISO9001の7.4項に供給者の評価に
業者に伝える評価の中で一番大事なこと
関する要求事項がある。通常、どの会社でも
は、品質に関する評価である。ただ品質が良
ISO取得時にその評価表を作成して採点し
いか悪いかを点数で採点しても「審査受け」
て判定している。さらに再評価として定期的
はするかも知れないが、業者にとっては何を
にあるいは品質問題、度重なる納期遅れが発
どうすればよいのかはわからない。
生したときのみに行っていることが多い。
具体的に不良件数は何件あったか、そのほ
あなたの会社では評価の結果をどうしてい
か再発防止依頼に対して回答率、回答納期遅
るであろうか。審査員に提示はしているが、
れの件数又は遅れ日数、内容不備で再検討依
会社のために役立つ様に使用しているだろう
頼に対しての対応(回答率、遅れ日数)、再
か。
発防止の対策後に発生した不良件数など数値
で捉えられるものがあれば出来るだけ数値で
多くの会社では、1年毎のサーベイランス
表現をすることである。そして、コメントと
の際に再評価して上司の確認を取っている
して何を改善してほしいかを記入すると、こ
が、実際の供給者にも伝達されずそのまま
ちらの意志が正確に伝わる。
眠っている場合が多い。
納期についてはどう評価しているだろう
その理由として供給者(外注先、仕入先、
か。これには、指定された納期からの遅れ日
購入先等であるがここでは業者と呼ぶ)と良
数を集計して数値化する方法がよく用いられ
い関係を保ちたいので多少無理を聞いてくれ
ると思う。
るなら、あまり採点などを伝えずに済ました
しかし、「納期遅れ」には、納期が遅れて
い、或いは大きな問題であれば書面で再発防
製造上に大きく支障が出る場合と、逆に製造
止の回答をお願いするが、通常の小さな問題
日程が変更されて問題にならなかった場合の
点は口頭で伝えるだけでよしとしていること
両方のケースがある。それを考えると、むし
が多いと思われる。
ろ、納入品の品質トラブルにより顧客への納
それでは、どのように再評価の結果を業者
品遅れ、納入品の納期遅れで当方が損害と
に伝えたらよいか、それによって、何が改善
なった内容を明解に示すのがよいだろう。当
できるかを考えてみよう。
然ながら、この場合にはコメントを入れて改
善点を示す必要がある。
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また、納期については、生産の必要な時に
最近、担当が次々と替わる、あるいはコミュ
間に合えばよく、早く納入されて置き場所に
ニケーションが急に悪くなった等の兆しがあ
困ったり、使用時に探すのが大変になること
る時は要注意である。
もある。そこで、特に大物で置き場所に苦労
そのときは、必要であればデータバンクに
する場合などトヨタのカンバン方式のように
料金を払って、更に詳しい経営状態を調査す
納入日を生産にあわせてもらったほうが助か
るのが適切である。
る場合がある。可能であればその要求もコメ
ントの中に入れてみたらどうであろうか。
私の知っている社長は自ら定期的にイン
ターネットで業者の調査を行い、取引を継続
次には価格に関する評価である。出来るだ
してよいかどうかの確認をしている。もし状
け安く買いたいが、常にコストダウン要求だ
況確認が必要であれば、早速担当者がコンタ
け で は、業 者 か ら 敬 遠 さ れ て し ま う。し か
クトを取り詳しい状況を確認している。当然
し、何らかの方法で価格の見直しをしたいと
ながら、顧客に対しても同様の調査をしてい
言うのが人情である。そこで、価格が高いと
るとのことである。
思われる業者に対しては、何年か一度は相見
積もりによって市場の状況を調査し、その結
残念ながら中小の企業においては、財務状
果を市場価格として評価表に入れて業者に見
態が公開されることはない。また個人情報法
直しを要求してみたらどうであろうか。その
の施行で金融機関からも希望する会社の情報
回答が希望通りでないとしても次の取引から
は取れない。足で稼いで情報を集めるしかな
希望に近い価格で取引できる可能性は十分に
さそうである。
期待できる。
なお、注意していただきたい事は当然なが
ら、このデータは調査しても相手には伝えら
従来は、近くの業者が無理を聞いてくれる
れないのでマル秘とすべきであろう。
からよいという判断で多少問題があっても取
引を継続していた。しかし、数量的に関係な
以上何点か業者の評価を行う際の方法を述
く遠方でも宅急便で届ける時代になってき
べたが、あなたは忙しいのに評価にそれほど
た。また、インターネットの普及により必要
時間はかけられないといわれるかもしれな
なものを供給する業者を探すのも大変に便利
い。しかし、同時にすべての業者を評価する
になってきた。材料部品などの購入には、是
必要はない。
非検討していただきたい。
一番重要と思われる会社、一番重要と思わ
れる内容に絞って維持審査日程に合わせるこ
次に、業績の安定性についてである。希望
する会社の経営状態を見るときは、インター
となく、定期的(例えば、月に1社)に実施
すればよいのである。
ネットを使用して確認するのが、早道である
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評価結果を業者に伝えた結果、わずかな改
善しか現れないとしても、続けることで大き
な成果になっていく。
是非、あなたの会社で最適な方法を見つけ
て、業績に反映するよう実施されたらどうで
あろうか。
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