ウォルト・ディズニーの美女と野獣

箕輪北小学校だより
平成26年9月18日
No.11
日が一日一日短くなっていくことが実感されるようになってきました。秋の夜長です。
今年から毎月 7 日は読書の日となり、宿題もなく、じっくり家の人と読書ができる日ができました。
北小の皆さんは読書が好きで、朝図書館に行っても、大勢の人が本を借りに来ています。また、
「ふき
のとう」の皆さんが読み聞かせをしてくれて、とても集中して聞いています。読書は楽しいですね。校
長先生も読書は大好きで、夏休みもたくさんの本を読みました。今日は、読書のお話をします。
皆さん、このキャラクターを知っていますか?そうです。ミッ
キーマウスですね。ミッキーマウスが好きな人?たくさんいます
ね。では、ミッキーマウスの生みの親を知っていますか?そうで
す。ウォルト・ディズニー、この人です。ディズニーはたくさん
のアニメ作品を作っています。皆さんが知っているアニメはどん
なものがありますか?
さて、これはどんなお話でしょう?(白雪姫スライド)そうで
す。白雪姫です。白雪姫の義理のお母さんが、「鏡よ鏡、この世
で一番美しいのは誰だい?」と聞くと、鏡が「それは白雪姫です」と答えたのに頭に来て、白雪姫を毒
りんごで殺そうとするお話ですね。誰もが知っている白雪姫ですが、その原作を読んだことがある人は
いますか?実は、白雪姫の原作はグリム童話です。このグリム童話を読むと私たちが知っている白雪姫
と違って、とてもこわいお話だということがわかります。
例えば、ディズニーの白雪姫は、王子と恋する少女ですが、原作では 7 歳の女の子です。また、白雪
姫を助ける小人もディズニーではかわいい小太りの老人ですが、原作では人間に似た小鬼です。まだま
だあります。狩人が白雪姫を森に逃がしますが、原作では、白雪姫を殺した証拠にと持ってきた猪の内
臓を狩人が差し出すと、后はそれを食べてしまいます。また、ディズニーでは毒りんごを使って白雪姫
を殺そうとしますが、原作ではそれ以外にも 2 回、紐で胸を締め付けたり、毒をぬった櫛で梳かしたり
して殺そうとします。ディズニー映画とグリム童話ではいくつも違いますね。その外にも、ディズニー
では、小人に助けられ、森の中で歌っている白雪姫を見て王子は好きになりますが、原作では、王子が
白雪姫を初めて見たのは死んだ後の白雪姫で、その死体がきれいだからといって持ち帰ろうとします。
死体を好きになるなんてみなさんはどうですか? ディズニーでは、お話の最後に后は雷が落ちて断崖
から転落しますが、原作では、白雪姫に会いに行った后は、真っ赤に焼けた鉄の靴を履かされ、熱くて
とび跳ね続けて、死んでしまいます。残酷ですね。このように、ディズニー映画と原作は随分違ってい
るところがあるのです。
次は、ピノキオのお話です。ピノキオは、ゼペット爺さんに作られた操り人形です。人間の子どもに
なるためには、勇気を持ち、正直で優しくなければなりません。良心を教えるコオロギのジミニ―が注
意しますが、ピノキオは楽をしたり、うそをついたりして鼻が伸びたり、ロバになりかけたりします。
怪物クジラに飲み込まれてしまったゼペット爺さんを助け出した勇気が認められて最後は本当の子ど
もになるお話ですね。
このピノキオの原作は、イタリアの童話作家コッローディの「ピノッキオの冒険」というお話です。
原作では、ピノキオたちが呑まれたのはクジラではなく、大きなフカ、つまりサメでした。でもその大
きさと言ったら全長 1.5km です。大きすぎますね。また、クジラから脱出するには、ディズニーではク
ジラのお腹で火を焚いて、煙たがったクジラがくしゃみをしたときに脱出しますが、原作では大きなフ
カは年寄りで喘息と心臓の動悸に悩まされていて、口を開いたまま寝ているときに脱出します。いつも
口が開いていたならもっと早く逃げればいいのにね。また、ディズニーでは、最後までアドバイスして
くれるコオロギも、原作ではコオロギの忠告に腹を立てたピノキオは木槌を投げつけて物語の初めの方
で殺してしまいます。その外にも原作では、ピノキオは鼻が伸びたりロバにされたりする罰が与えられ
ても当然のようなずるいことや悪いことをたくさんしています。最後に心を入れ替えたピノキオはおじ
いさんのために本気になって働いている姿を妖精に認められて人間になるのは一緒ですが、ディズニー
映画と原作では随分違います。
このようにディズニーは、多くの子どもや母親が安心して
楽しめるように、原作の怖いところや残酷なところを変えて、
映画を作ったのです。白雪姫やピノキオ以外にもディズニー
映画には、シンデレラ、リトル・マーメイド、美女と野獣、
眠れる森の美女、ピーターパン、不思議の国のアリスなどた
くさんのお話があり、それが原作かと思っていますが、シン
デレラはグリム童話の「灰かぶり姫」
、リトル・マーメイドは
アンデルセン童話の「人魚姫」など実は原作があって、読み
比べると新しい発見がたくさんあっておもしろいですよ。実
は、今大流行の「アナと雪の女王」も原作はアンデルセン童話の「雪の女王」という物語です。手塚先
生に探してもらいましたが、このように図書館にも原作の童話や本がたくさんあります。是非、手塚先
生に聞いたり、自分で探したりして読んでみてください。新しい発見がたくさんありますよ。
実はもう一つ大切なお知らせがあります。それは、今度、6 年生の皆さんが読んでみたいと選んだ本
を図書館に入れることにします。今までは司書の手塚先生に皆さんが楽しめそうな本を選んで買っても
らいましたが、今年は自分で読みたい本を自分で選んでその本を買ってもらいます。6 年生が本を選ぶ
選書会は 9 月 11 日の水曜日に行う予定です。残念ながら今年は 6 年生だけですが、来年は他の学年の
みなさんが選ぶなど広げていく予定です。楽しみですね。
これから、秋になっていきます。秋は読書の秋、芸術の秋などといわれ、さわやかな気候で、勉強に
も集中しやすい季節です。本をたくさん読んで、勉強をたくさんして、新しいことをたくさん知って、
分かった喜び、できた喜びをたくさん味わってほしいと思います。
全校の皆さん。たくさん本を読みましょう。そしてしっかり勉強しましょう。
9月11日(木) 6年生による選書会
校長講話にあった選書会を行いました。
書店より、各種ジャンルの 581 冊の本
を搬入していただき、約 30 分かけて、購
入したい本、第1希望から第3希望までを
選びました。その後、第1希望の本にカー
ドをはさみ込み選書が完了。第1希望が重
なった場合には第2・第3希望の本を選び
ました。
今後、購入手続きを済ませ、キャッチコピーや説明文・イラスト等によるポップを書き、全校に紹介
していく予定です。
「早く読みたい」という顔にあふれた選書会でした。