H25 JCM 方法論実証調査(DS) 最終報告書(概要版) 「高効率エアコン普及プログラム」 (調査実施団体:清水建設株式会社) 四国電力【外注先】 ダイキン工業【外注先】 ポリテック・エイディディ【外注先】 EGAT【調査協力先】 SUAN DUSIT RAJABHAT UNIVERSITY【外注先】 調査対象国・地域 タイ、ベトナム、インドネシア 対象技術分野 省エネルギー プロジェクトの概要 日本が得意とする高効率インバーターエアコンを、タイ、ベトナム、 インドネシアをはじめとする東南アジア地域で普及させるプログラム 的プロジェクトである。電力消費量をモニタリングする代わりにデグ リーデーの理論を応用し、計算に必要な外気温度等をモニタリング 対象とし、販売されたエアコンの台数とその性能データから排出削 減量を算定する方法論を適用した。 実証調査の対象は、エアコンの省エネラベリング制度を運用してい るタイを中心として取りまとめ、ベトナムとインドネシアではタイ向け に作成した方法論の適用可能性について検討した。 JCM 方法論 適格性要件 要件 1:タイでインバーターを搭載した高効率エアコンを普及させる プログラムであること。 要件 2:プログラムで対象とする高効率エアコンは、以下の要件を満 たすこと。 新規もしくは設備更新で導入される新品の空冷エアコンである こと。 定格能力が 9,000~24,000BTU/h クラスあること。 暖房機能を有しないこと。 セパレートエアコンであること。マルチエアコンではないこと。 タイのエアコンラベリング制度上で、ラベル 5 のエアコンである こと。 デフォルト値 気候帯、代表都市とその緯度経度、エアコンの設定温度、モデル建 の設定 築の仕様など多数のデフォルト値がある。これらは周知の事実や、 専門家の意見などを基に保守的に設定している。 リ フ ァ レ ン ス リファレンスは高効率でないエアコンの継続使用による電力消費に 排 出 量 の 算 よる排出である。その理由は、高効率エアコンと高効率でないエア 定 コンの価格差は、省エネによる省コストでは賄えないからである。 モニタリング 気象データ、系統の排出係数、高効率エアコンの自然普及率、エア 手法 コンの販売実績等を原則毎年モニタリングする。 モニタリング実施結果 2012 年の 1 年間に販売された高効率エアコン複数機種による、 2013 年 8 月 1 日~10 月 31 日の 3 ヶ月間の排出削減量をモニタリ ングし、計算した。 排出削減量=リファレンス排出量-プロジェクト排出量 GHG 排出量及び削減量 リファレンス排出量=標準リファレンス排出量×デグリーデー÷標 準デグリーデー 調査協力機関 H25 JCM 方法論実証調査(DS)最終報告書(概要版) 環境影響等 日本技術の導入可能性 ホスト国における持続可能 な開発への寄与 類似案件の開発・普及 プロジェクト排出量=標準プロジェクト排出量×デグリーデー÷標 準デグリーデー 標準リファレンス排出量、標準プロジェクト排出量、デグリーデー、 標準デグリーデーは、モデル建築の仕様、エアコンの性能曲線、 気象データなどからサプリメントシートを用いて計算する。 実際のモニタリングに基づき、排出削減量は 24tCO2 と計算され た。 本プロジェクトによる環境影響は軽微である。 プロジェクトを実施する主体が、日本メーカーの製品だけを取り扱う ことで、日本技術の導入を図ることができる。 本プロジェクトと同種のプロジェクト実施によるホスト国の持続可能 な開発への寄与は、下記点があると考えている。 排出削減による地球温暖化の防止。 省エネによるエネルギー資源枯渇の防止。 省エネによる大気汚染の防止。 省エネによる電力不足、エネルギー不足の回避。 省エネ啓蒙効果(エアコンだけでなく、他の電力消費機器への 省エネ意識の波及)。 エアコンの設計、製造、メンテナンス技術の向上。 本調査の対象となっているプロジェクトは、タイ、ベトナム、インドネ シア以外の東南アジアの国のみならず、冷房負荷のある南アジア、 中東、アフリカ、中南米等でも普及展開できる可能性がある。 H25 JCM 方法論実証調査(DS)最終報告書(概要版) 調査名:二国間クレジット制度(JCM)方法論実証調査 「高効率エアコン普及プログラム」 (ホスト国:タイ、ベトナム、インドネシア) 調査実施団体:清水建設株式会社 1.調査実施体制: 国 調査実施に関与した団体名 日本 四国電力 【外注先】 日本 ホスト国(タ イ) ダイキン工業 【外注先】 ポリテック・エイディディ 【外注先】 EGAT 【調査協力先】 ホスト国(タ イ) SUAN DUSIT RAJABHAT UNIVERSITY 【外注先】 日本 役割 現地情報の精査、EGAT との調整、高効率エアコンの技術 の普及と展開方法の検討、JCM を活用した高効率エアコン 普及プログラム実施体制の検討 エアコンに関する技術情報、販売情報の提供 PDD の作成補助 現地情報収集(気象データの収集、エアコンラベリング制度 に関する情報提供、エアコンの使用方法に関するアンケー ト調査のとりまとめ、他) 現地情報収集(エアコンの使用方法に関するアンケート調 査) 2.プロジェクトの概要: (1)プロジェクトの内容: 日本が得意とする高効率インバーターエアコンを、タイ、ベトナム、インドネシアをはじめとする東 南アジア地域で普及させるプログラム的プロジェクトである。電力消費量をモニタリングする代わり にデグリーデーの理論を応用し、計算に必要な外気温度等をモニタリング対象とし、販売されたエ アコンの台数とその性能データから排出削減量を算定する方法論を適用する。 実証調査の対象は、エアコンの省エネラベリング制度を運用しているタイを中心として取りまとめ、 ベトナムとインドネシアではタイ向けに作成した方法論の適用可能性について検討する。 (2)ホスト国の状況: ホスト国 タイ JCM の状況 二国間文書はまだ署名されていない。 ベトナム 二国間文書が署名済みであり、第 1 回合同委員会 も開催済みである。 インドネシア 二国間文書が署名済みであり、第 1 回合同委員会 も開催済みである。 エアコンの政策(ラベリング制度) エアコンのラベリング制度が存在するが、年間の消費電 力量を反映しているわけではなく、定格能力時の性能し か反映していない。 エアコンのラベリング制度が存在するが、ノンインバータ ーエアコンのラベリング制度は、年間の消費電力量を反 映しているわけではなく、定格能力時の性能しか反映して いない。 今のところ、エアコンのラベリング制度が存在しない。 3. 調査の内容及び結果 項目 JCM 方法論 作成に関す る調査 本調査において明 らかにすべき課題 電力量をモニタリン グせずとも排出削 減量を定量化 でき る MRV 方法論の構 築。 課題解決のために行った調査内容 排出量計算方法の検討。 モデル化に必要な建築情報の収 集。 タイで販売されているエアコンに関す る情報の収集。 -1- 調査成果(解決できた課題の内容) 気象データを入手。 エアコンの使用方法に関するアンケ ートの実施。 建築モデル化に必要な情報を決定 し、情報を入手し、モデル化を実施。 H25 JCM 方法論実証調査(DS)最終報告書(概要版) その他必要な情報の洗い出し。 情報を入手するための外注(四国電 力、ダイキン工業、他)契約の締結と その交渉。 JCM プロジ ェクト設計 書(PDD)の 作成に関す る調査 JCM 方法論 の実証に関 する調査 利害関係者のコメ ントの収集方法。 EGAT を通じて TGO の方針を徴収。 タイにおける方法論 の適用可能性。 ベトナムにおける方 法論の適用可能 性。 インドネシアにおけ る方法論の適用可 能性。 情報を入手するための外注(四国電 力、ダイキン工業、EGAT)契約の締 結とその交渉。 方法論に基づき、実際にモニタリング 報告書を作成。 気象データ、エアコンデータの入手 可能性、建築モデル化の可能性に ついて調査。 気象データ、エアコンデータの入手 可能性、建築モデル化の可能性に ついて調査。 エアコンの性能曲線の表現方法を決 定し、性能曲線を入手。 エアコ ンの販売台数のデータを入 手。 稼働中のエアコンの電力量を実測し て本方法論の正当性を補強。 排出量の計算方法を決定し、方法論 を作成。 利害関係者のコメントの収集方法は 決定されていないことが判明。 PDD を作成。 方法論に基づき、実際にモニタリング 報告書を作成。 方 法 論 は 適 用 可 能 で あ る こ とを 実 証。 タイと同様に適用可能であると判断。 気象データが入手できないこと、エア コンの使用方法がいびつであること が判明し、方法論は適用できないと 判断。 (1)JCM 方法論作成に関する調査 ①適格性要件 適格性要件 タイでインバーターを搭載 した高効率エアコンを普及 させるプログラムであるこ と。 プログラムで対象とする高 効率エアコンは、以下の要 件を満たすこと。 新規もしくは設備更 新で導入される新品 の空冷エアコンである こと。 定格能力が 9,000~ 24,000BTU/h ク ラ ス あること。 暖房機能を有しない こと。 セパレートエアコンで あること。マルチエア コンではないこと。 タイのエアコンラベリ ング制度上で、ラベ ル 5 のエアコンである こと。 左記要件が適切であると考える理由 東南アジアではインバーターを搭載した高効率エアコンはほとんど普及していない。例えば、タイ エネルギー省によれば、2011 年の実績でわずかに 6.65%である。エアコンメーカーであるダイキ ン工業による推計でも 2013 年現在で 7%である(いずれも新規販売ベース)。タイのような比較的 発展した途上国(新興国)でもこのレベルであるため、他の東南アジアの国ではさらに低い割合 であると推定される(具体的な統計データは調査した限りでは見当たらない)。高効率エアコンが 高価格であることと、高効率エアコンの効果が十分に理解されていないこと、省エネ意識が低い こと等がその理由である。従って、高効率エアコンの導入が適格となる条件として必要である。 中古品は対象にしない。その理由は、新品での販売時のダブルカウントを防止するためで ある。また、エアコン更新に当たって撤去されるエアコンが再利用される可能性はほとんど ないとのことである。 タイで販売されている小型のエアコンの能力範囲は左記の範囲である。本方法論では大型 のエアコンは対象にしていない。大型のエアコンを対象にすると、建築のモデル化が多岐 にわたることになって困難になるためである。 本方法論は冷房のみを対象にしており、暖房にまで対応できる方法論とはしていない。実 際に東南アジアでは暖房負荷はほとんどないため、暖房にまで対応させる必要性が乏し い。例えば、タイでは暖房負荷はなく、年間冷房負荷である。 空冷エアコンは東南アジアで最も普及しているエアコンであるため、本方法論の対象として いる。それ以外のエアコン(水冷エアコン、空冷チラー、水冷チラー、地中熱利用ヒートポン プ等)はエアコンの性能の評価等で技術的に空冷エアコンと異なる面があるため、取り扱っ ていない。 マルチタイプは複数ある屋内機の稼働状況によって、その消費電力量が変化するものであ る。マルチタイプを適用対象にすれば、方法論が複雑になりすぎるため、実用的ではないと 判断した。 より高効率なエアコンを導入することが本方法論の命題である。また、タイで販売されている エアコンのほとんどが最高ランクのラベル 5 であることも考慮するべきである。すなわち、ラ ベル 5 未満のエアコンは粗悪品と位置づけられる。但し、ベトナムのラベリング制度はタイの ラベリング制度とは異なり、販売されているエアコンのほとんどすべてが最高ランクとはなっ ていない点、インドネシアではラベリング制度が存在しない点を考慮し、ベトナムとインドネ シアでは「タイのエアコンラベリング制度上で、ラベル 5 のエアコンであること」という要件は 削除する。 以上のため、左記要件が必要である。 -2- H25 JCM 方法論実証調査(DS)最終報告書(概要版) ②プロジェクト実施前の設定値 設定値の名称 タイにおける気候帯 北部の代表都市 東北部の代表都市 中央部の代表都市 南部の代表都市 チェンマイの緯度、経度 ウボンラーチャターニーの緯 度、経度 バンコクの緯度、経度 ソンクラーの緯度、経度 飽和空気における水蒸気分 圧 太陽定数 日赤緯 平年の外気乾球温度 以下の①もしくは②もしくは ③ ①平年の外気相対湿度 ②平年の外気絶対湿度 ③平年の外気水蒸気分圧 以下の①もしくは② ①平年の法線面直達日射量 と水平面散乱日射量 ②平年の水平面全天日射量 日本との時差 エアコンの使用方法(外気温 度が何℃まで上昇したらエ アコンを使い始めるか) エアコンの使用方法(エアコ ンの室内設定温度) エアコンの使用方法(平日の 各時間でエアコンが稼働し ている可能性(確率)) エアコンの使用方法(土曜日 の各時間でエアコンが稼働 している可能性(確率)) エアコンの使用方法(休日の 各時間でエアコンが稼働し ている可能性(確率)) モデル建築 M1 の大きさ、窓 の大きさ、適用するエアコン の容量クラス モデル建築 M2 の大きさ、窓 の大きさ、適用するエアコン の容量クラス 設定値 設定根拠 北部、東北部、中央部、南部 の 4 種類 チェンマイ ウボンラーチャターニー バンコク ソンクラー 北緯 19.27 度 東経 98.94 度 北緯 16.21 度 東経 104.77 度 北緯 13.92 度 東経 100.60 度 北緯 8.36 度 東経 100.46 度 複数の値があるので、ここで は表記を省略。方法論参 照。 1,367W/m2 複数の値があるので、ここで は表記を省略。方法論参 照。 複数の値があるので、ここで は表記を省略。 複数の値があるので、ここで は表記を省略。 EGAT からの情報 方法論上のデフォルト値、事 前設定値(プロジェクト固有 値)の区分 方法論上のデフォルト値 EGAT からの情報 EGAT からの情報 EGAT からの情報 EGAT からの情報 Google マップ 方法論上のデフォルト値 方法論上のデフォルト値 方法論上のデフォルト値 方法論上のデフォルト値 方法論上のデフォルト値 Google マップ 方法論上のデフォルト値 Google マップ 方法論上のデフォルト値 Google マップ 方法論上のデフォルト値 「理科年表」(国立天文台) 方法論上のデフォルト値 「新太陽エネルギー利用ハ ンドブック」(日本太陽エネル ギー学会) 「建築設備基礎」(木村建一) 方法論上のデフォルト値 方法論上のデフォルト値 タ イ 気 象 庁 ( Thai Meteorological Department) タ イ 気 象 庁 ( Thai Meteorological Department) 事前設定値 複数の値があるので、ここで は表記を省略。 タ イ 気 象 庁 ( Thai Meteorological Department) 事前設定値 -2 時間 26.04℃ 周知の事実 アンケート調査 方法論上のデフォルト値 方法論上のデフォルト値 24.82℃ アンケート調査 方法論上のデフォルト値 複数の値があるので、ここで は表記を省略。方法論参 照。 複数の値があるので、ここで は表記を省略。方法論参 照。 複数の値があるので、ここで は表記を省略。方法論参 照。 4m×3m 1.71m2 9,000BTU/h 4m×4m 2.29m2 12,000BTU/h アンケート調査 方法論上のデフォルト値 アンケート調査 方法論上のデフォルト値 アンケート調査 方法論上のデフォルト値 建築の専門家、エアコンの 専門家 方法論上のデフォルト値 建築の専門家、エアコンの 専門家 方法論上のデフォルト値 -3- 事前設定値 H25 JCM 方法論実証調査(DS)最終報告書(概要版) モデル建築 M3 の大きさ、窓 の大きさ、適用するエアコン の容量クラス モデル建築 M4 の大きさ、窓 の大きさ、適用するエアコン の容量クラス モデル建築 M5 の大きさ、窓 の大きさ、適用するエアコン の容量クラス モデル建築の屋根面積 4m×5m 2.86m2 15,000BTU/h 4m×6m 3.43m2 18,000BTU/h 4m×8m 4.57m2 24,000BTU/h 0 m2 モデル建築の窓の方位 北 モデル建築の階高 モデル建築の外壁の構造と 厚さ モデル建築の窓の厚さ コンクリートの熱伝導率 2.5m コンクリート 100 ㎜ ガラスの熱伝導率 0.779W/m℃ ガラスの日射透過率 0.65 外壁の室内側表面熱伝達率 22.7W/m2℃ 外壁の屋外側表面熱伝達率 8.37W/m2℃ 室内機器発熱量 1 部屋当たりの人員密度 5W/m2 1人 1 人当たりの換気量 0m3/h 1 人当たりの顕熱負荷 58.1W/人 1 人当たりの潜熱負荷 64.0W/人 エアコンの性能曲線(冷房能 力、外気乾球温度、室内湿 球温度、電力消費量の関係) エアコンの販売実績 複数の値があるので、ここで は表記を省略。 気候帯毎、建築モデル毎の 高効率エアコンの年間電力 消費量 気候帯毎、建築モデル毎の 高効率でないエアコンの年 間電力消費量 気候帯毎、建築モデル毎の 標準(拡張)デグリーデー 6㎜ 1.64W/m℃ 建築の専門家、エアコンの 専門家 方法論上のデフォルト値 建築の専門家、エアコンの 専門家 方法論上のデフォルト値 建築の専門家、エアコンの 専門家 方法論上のデフォルト値 左記値を採用すれば、保守 的となるため 左記値を採用すれば、保守 的となるため 建築の専門家 建築の専門家 方法論上のデフォルト値 建築の専門家 「空気調和設備の実務の知 識」(空気調和・衛生工学会) 「空気調和設備の実務の知 識」(空気調和・衛生工学会) 左記値を採用すれば、保守 的となるため 「空気調和設備の実務の知 識」(空気調和・衛生工学会) 「空気調和設備の実務の知 識」(空気調和・衛生工学会) 建築の専門家 左記値を採用すれば、保守 的となるため 左記値を採用すれば、保守 的となるため 「空気調和設備の実務の知 識」(空気調和・衛生工学会) 「空気調和設備の実務の知 識」(空気調和・衛生工学会) エアコンメーカー 方法論上のデフォルト値 方法論上のデフォルト値 方法論上のデフォルト値 方法論上のデフォルト値 方法論上のデフォルト値 方法論上のデフォルト値 方法論上のデフォルト値 方法論上のデフォルト値 方法論上のデフォルト値 方法論上のデフォルト値 方法論上のデフォルト値 方法論上のデフォルト値 方法論上のデフォルト値 方法論上のデフォルト値 事前設定値 複数の値があるので、ここで は表記を省略。 複数の値があるので、ここで は表記を省略。 エアコンメーカーもしくは代 理店、販売店等 計算の方法は方法論参照 事前設定値 事前設定値 複数の値があるので、ここで は表記を省略。 計算の方法は方法論参照 事前設定値 複数の値があるので、ここで は表記を省略。 計算の方法は方法論参照 事前設定値 ③JCM 方法論の実証に関する調査 当該プロジェクトのモニタリング計画 番号 モニタリングパラメーター 記号 1 当該モニタリング期間中の外気乾球 温度 - モニタリングオ プション A 2 以下の①もしくは②もしくは③ - A -4- 入手方法 モニタリング頻度 タ イ 気 象 庁 ( Thai Meteorological Department) 毎年(もしくは当 該モニタリング期 間に対応した時 期) 毎年(もしくは当 タ イ 気 象 庁 ( Thai H25 JCM 方法論実証調査(DS)最終報告書(概要版) 3 4 ①当該モニタリング期間中の外気相 対湿度 ②当該モニタリング期間中の外気絶 対湿度 ③当該モニタリング期間中の外気水 蒸気分圧 以下の①もしくは② ①当該モニタリング期間中の法線面 直達日射量と水平面散乱日射量 ②当該モニタリング期間中の水平面 全天日射量 系統の排出係数 Meteorological Department) 該モニタリング期 間に対応した時 期) - A タ イ 気 象 庁 ( Thai Meteorological Department) 毎年(もしくは当 該モニタリング期 間に対応した時 期) EF A タイ政府 DD A(1~3 に基 づき方法論に 従って計算す る) A モニ タ リング報告 書作成時 毎年(もしくは当該 モニタリング期間 に対応した時期) 5 気候帯毎、建築モデル毎の当該モ ニタリング期間中の(拡張)デグリー デー 6 各エアコンの販売実績 N 7 高効率エアコンの自然普及率 c 計算の方法は方法論 参照 エアコンメーカーもしく は代理店、販売店等 EGAT 計算の方法は方法論 参照 A(方法論に従 って計算する) 毎年 毎年 モニタリング実施結果 本調査では、2013 年 8 月 1 日~10 月 31 日までの気象データを使用した。また、エアコンの販売 台数は 2012 年の 1 年分のデータを用いた。すなわち、2012 年の 1 年間に販売された高効率エア コン複数機種による、2013 年 8 月 1 日~10 月 31 日の 3 ヶ月間の排出削減量を計算したわけで ある。気候帯は中央部のみとし、エアコンは某社製品 4 機種(A-09、B-12、C-18、D-24)を対象と し、建築モデルはこれらのエアコンに対応するモデル(M1、M2、M4、M5)を使用した。以下にその 結果を記す。尚、系統の排出係数は 0.5113tCO2/MWh、高効率エアコンの自然普及率は 0.06827 であった。 表-1 モニタリング実施結果 エアコン機種 対応建築モ デル 販売台数 N (台) リファレンス電 力消費量 WR (kWh) プロジェクト電 力消費量 WP (kWh) 標準拡張デグリ ーデーSDD(℃ day) A-09 B-12 C-18 D-24 M1 M2 M4 M5 270 310 480 156 179 208 263 314 120 168 224 258 446 466 493 511 当該モニタリン グ期間中の拡 張デグリーデー DD(℃day) 398 417 442 459 モニタリング実施体制 本調査および、実際のプロジェクトにおいて想定されるモニタリング実施体制を以下にまとめる。 表-2 モニタリング実施結果 役割 モニタリングの担当者を任命する。 モニタリング報告書の内容と得られたデータの照合を行い、計算が正し く行われているかのチェックを行う。 気象庁から気象データを入手する。 -5- 本調査における関係 者 清水建設の調査責 任者 EGAT 実際のプロジェクト における関係者 コンソーシアムの構 成員でモニタリング 責任者 コンソーシアムの構 H25 JCM 方法論実証調査(DS)最終報告書(概要版) TGO から最新の排出係数を入手する。 エアコンメーカー、代理店、販売店等から販売しているエアコンのリス ト、エアコンの販売台数、エアコンの性能曲線を入手する。 EGAT からラベルを付与されたエアコンのデータを入手し、高効率エア コンの自然普及率を計算する。 リファレンス排出量、プロジェクト排出量、排出削減量を計算し、モニタリ ング報告書を作成する。 コンソーシアムに対して、販売しているエアコンのリスト、エアコンの販売 台数、エアコンの性能曲線を提供する。 四国電力 清水建設の調査担 当者 成 員 でモニ タリング の担当者 某エアコンメーカー エアコンメーカー、代 理店、販売店等 計測機器の校正に係る規制との整合性の担保方法 本方法論では、計測機器を使用するようなモニタリング項目はないか、もしくは計測機器を使用す る場合であっても、自らその計器を使用するわけではなく、気象庁等の公的機関の計器が測定し たデータを使用することとしているため、校正を考慮する必要はないと考えている。 ④排出削減量の算定(リファレンス排出量・プロジェクト排出量の算定)<1 ページ程度> リファレンス排出量・プロジェクト排出量の算定方法 リファレンス排出量は以下の式で計算する。 y 1 DDi , j , y (1) ( N i , j , k , m (1 c m ))) RE y (WRi , j , k EFPJ , y SDDi , j m y 7 i j k ここで REy WRi,j,k EFPJ,y DDi,j,y SDDi,j Ni,j,k,m cm y i j k m リファレンス排出量(tCO2/y) 気候帯 i におけるモデル建物 j に対応する高効率エアコン k に相当する高効率でない エアコンの標準気象データの下での年間電力消費量(MWh/台/y) y 年に入手可能な系統の排出係数(tCO2/MWh) y 年の気候帯 i におけるモデル建物 j に対応する当該モニタリング期間中の拡張デグリ ーデー(またはデグリーデー)(℃day) 気候帯 i におけるモデル建物 j に対応する標準拡張デグリーデー(または標準デグリ ーデー)(℃day) 気候帯 i におけるモデル建物 j に対応する高効率エアコン k の m 年の販売台数(台) m 年の高効率エアコン自然普及率(-) モニタリング年(西暦) 気候帯の区分 建物のモデル区分 高効率エアコン機種 西暦 y-7 年から西暦 y-1 年までの整数。すなわち、クレジットが得られるのは、エアコ ン販売時点から最大 7 年間とする。ただし、m の最小値はモニタリングを開始した年(西 暦)とする。 尚、プロジェクト登録段階で(1)式を適用する場合は、DDi,j,y =SDDi,j とする。 プロジェクト排出量は以下の式で計算する。 y 1 DDi , j , y ( N i , j ,k ,m (1 c m ))) PE y (WPi , j , k EFPJ , y SDDi , j m y 7 i j k (2) ここで PEy WPi,j,k プロジェクト排出量(tCO2/y) 気候帯 i におけるモデル建物 j に対応する高効率エアコン k の標準気象データの下で -6- H25 JCM 方法論実証調査(DS)最終報告書(概要版) の年間電力消費量(MWh/台/y) EFPJ,y y 年に入手可能な系統の排出係数(tCO2/MWh) DDi,j,y y 年の気候帯 i におけるモデル建物 j に対応する当該モニタリング期間中の拡張デグリ ーデー(またはデグリーデー)(℃day) SDDi,j 気候帯 i におけるモデル建物 j に対応する標準拡張デグリーデー(または標準デグリ ーデー)(°Cday) Ni,j,k,m 気候帯 i におけるモデル建物 j に対応する高効率エアコン機種 k の m 年の販売台数 (台) cm m 年の高効率エアコン自然普及率(-) y モニタリング年(西暦) i 気候帯の区分 j 建物のモデル区分 k 高効率エアコン機種 m 西暦 y-7 年から西暦 y-1 年までの整数。すなわち、クレジットが得られるのは、エアコ ン販売時点から最大 7 年間とする。ただし、m の最小値はモニタリングを開始した年(西 暦)とする。 尚、プロジェクト登録段階で(2)式を適用する場合は、DDi,j,y =SDDi,j とする。 排出削減量は以下の式で計算する。 (3) ER y ( RE y PE y ) ここで ER y 排出削減量(tCO2/y) RE y リファレンス排出量(tCO2/y) PE y プロジェクト排出量(tCO2/y) 以下の表に本方法論における排出削減量の計算手順を示す。尚、拡張デグリーデーの計算には デグリーデーの計算時には必要のない日射量、換気量、室内発熱量等のデータが必要となるが、 日射量を入手できないバンコク以外の都市の場合は一定の条件の下で、デグリーデー法を利用 することになる。 表-3 プロジェクト登録前(PDD 作成時)に排出量(リファレンス排出量(標準リファレンス排出量)、 プロジェクト排出量(標準プロジェクト排出量)、排出削減量(標準排出削減量))と標準デグリーデ ーを試算するための手順(いわゆる ex-ante 計算における手順) 番号 デグリーデー法を活用する場合 拡張デグリーデー法を活用する場合 1 2 3 4 標準気象データの入手、加工、整理 標準気象データの鉛直面日射量の計算 エアコンの使用方法の設定(アンケート調査) 販売されているエアコンの性能曲線の入手、加 工、整理 販売されているエアコンの過去の販売実績の入 手、加工、整理 各高効率エアコンとそれに対応する高効率でな いエアコンの組み合わせの作成 建築物のモデル化 各高効率エアコンとそれに対応するモデル建築 物の組み合わせの作成 標準気象データの下でのモデル建築物の冷房 負荷計算、デグリーデー(SDDi,j)の計算 標準気象データの入手、加工、整理 標準気象データの鉛直面日射量の計算 エアコンの使用方法の設定(アンケート調査) 販売されているエアコンの性能曲線の入手、加 工、整理 販売されているエアコンの過去の販売実績の入 手、加工、整理 各高効率エアコンとそれに対応する高効率でな いエアコンの組み合わせの作成 建築物のモデル化 各高効率エアコンとそれに対応するモデル建築 物の組み合わせの作成 標準気象データの下でのモデル建築物の冷房 負荷計算、拡張デグリーデー(SDDi,j)の計算 5 6 7 8 9 -7- 参照する方 法論の Appendix Appendix-2 Appendix-3 Appendix-4 Appendix-5 Appendix-6 Appendix-6 Appendix-7 Appendix-6 Appendix-7 Appendix-8 Appendix-9 H25 JCM 方法論実証調査(DS)最終報告書(概要版) 10 11 12 各高効率エアコン、高効率でないエアコンの標 準気象データの下でのエアコン電力消費量 (WRi,j,k、WPi,j,k)の計算 高効率エアコン自然普及率の計算 標準気象データの下でのリファレンス排出量 (REy)、プロジェクト排出量(PEy)、排出削減量 (ERy)の計算(DDi,j,y =SDDi,j として(1)~(3)式 を使用) Appendix-10 Appendix-11 各高効率エアコン、高効率でないエアコンの標 準気象データの下でのエアコン電力消費量 (WRi,j,k、WPi,j,k)の計算 高効率エアコン自然普及率の計算 標準気象データの下でのリファレンス排出量 (REy)、プロジェクト排出量(PEy)、排出削減量 (ERy)の計算(DDi,j,y =SDDi,j として(1)~(3)式 を使用) Appendix-12 - 表-4 プロジェクト登録後(モニタリング報告書作成時)に排出量(リファレンス排出量、プロジェクト 排出量、排出削減量)を計算するための手順(いわゆる ex-post 計算における手順) 番号 デグリーデー法を活用する場合 拡張デグリーデー法を活用する場合 13 プロジェクト実施中の気象データの入手、加工、 整理 - 販売されているエアコンの性能曲線の入手、加 工、整理 プロジェクト実施中のエアコンの販売実績の入 手、加工、整理 各高効率エアコンとそれに対応する高効率でな いエアコンの組み合わせの作成 各高効率エアコンとそれに対応するモデル建築 物の組み合わせの作成 プロジェクト実施中の気象データの下でのデグリ ーデー(DDi,j,y)の計算 プロジェクト実施中の気象データの入手、加工、 整理 プロジェクト実施中の気象データの鉛直面日射 量の計算 販売されているエアコンの性能曲線の入手、加 工、整理 プロジェクト実施中のエアコンの販売実績の入 手、加工、整理 各高効率エアコンとそれに対応する高効率でな いエアコンの組み合わせの作成 各高効率エアコンとそれに対応するモデル建築 物の組み合わせの作成 プロジェクト実施中の気象データの下でのモデ ル建築物の拡張デグリーデー(DDi,j,y)の計算 高効率エアコン自然普及率の計算 プロジェクト実施中の気象データの下でのリファ レンス排出量(REy)、プロジェクト排出量(PEy)、 排出削減量(ERy)の計算 高効率エアコン自然普及率の計算 プロジェクト実施中の気象データの下でのリファ レンス排出量(REy)、プロジェクト排出量(PEy)、 排出削減量(ERy)の計算 14 15 16 17 18 19 20 21 参照する方 法論の Appendix Appendix-2 Appendix-3 Appendix-5 Appendix-6 Appendix-6 Appendix-6 Appendix-7 Appendix-8 Appendix-9 Appendix-10 Appendix-12 - ③の結果を踏まえた各排出量及び削減量 当該モニタリング期間(3 ヶ月間)中のリファレンス排出量は 123tCO2 、プロジェクト排出量は 99tCO2、排出削減量は合計で 24tCO2 であった。同時に、本方法論は適用可能であることも実証 された。 表-5 ③の結果を踏まえた各排出量及び削減量 エアコン機種 WR WP N c EF - MWh MWh unit - tCO2/MWh 0.179 0.120 A-09 270 0.06827 0.5113 SDD ℃ day 446 DD ℃ day 398 RE PE ER tCO2 tCO2 tCO2 21 14 7 B-12 0.208 0.168 310 0.06827 0.5113 466 417 27 22 5 C-18 0.263 0.224 480 0.06827 0.5113 493 442 54 46 8 D-24 0.314 0.258 156 0.06827 0.5113 511 459 21 17 4 合計 - - - - 123 99 24 - - - ③の結果を踏まえた年間の削減量推計値 当該モニタリング期間は 3 ヶ月であるため、モニタリング結果を単純に 4 倍して年間の排出削減推 -8- H25 JCM 方法論実証調査(DS)最終報告書(概要版) 定値を計算することもできるが、ここでは標準気象データとサプリメントシートを用いて計算を行っ た。その結果、リファレンス排出量は 566tCO2、プロジェクト排出量は 455tCO2、排出削減量は合 計で 110tCO2 であった。 表-6 ③の結果を踏まえた年間の削減量推計値 エアコン機種 WR WP N c EF RE PE ER - MWh MWh unit - tCO2/MWh tCO2 tCO2 tCO2 A-09 0.739 0.496 270 0.06827 0.5113 95 64 31 B-12 0.858 0.684 310 0.06827 0.5113 127 101 26 C-18 1.083 0.926 480 0.06827 0.5113 248 212 36 D-24 1.294 1.06 156 0.06827 0.5113 96 79 17 合計 - - 566 455 110 - - - リファレンスとして妥当と考える理由 プロジェクトの対象となる高効率エアコンはインバーターを搭載したエアコンであり、そのリファレン スは高効率でないエアコン、すなわちインバーターを搭載しないエアコンである。高効率エアコン がリファレンスにならない理由は、添付資料・適格性要件の設定根拠資料に示す。 (2)JCM プロジェクト設計書(PDD)の作成に関する調査 環境影響評価の要否 本プロジェクトは小規模なエアコンの導入を対象にしているため、環境影響評価は不要である。 現地利害関係者協議の対象となるステークホルダーの特定及び当該協議の実施方法 本プロジェクトは小規模なエアコンの導入を対象にしているため、利害関係者との協議の対象とは ならない。しかし、本プロジェクトを JCM のプログラムとして実施する場合は、別の考え方が出てく る可能性は否定できない。この点に関してはホスト国政府の JCM 窓口機関である TGO は公式の 見解を示していない。 (3)JCM 方法論が適用される同種プロジェクトの実現可能性に関する調査 ①日本の貢献 同種プロジェクトの実施による日本の貢献 本プロジェクトと同種のプロジェクト実施により、日本の高効率エアコンの製品が普及し、ホスト国 の省エネに貢献する。 同種プロジェクトに必要な技術・製品 本プロジェクトと同種のプロジェクトに必要な技術、製品は、インバーターを搭載した高効率エアコ ン(空冷エアコン)である。 日本と他国の技術・製品等の性能及び価格の比較 現地調査にて入手した各社のエアコンのカタログに記載のエアコンの性能データを比較すると、 日本メーカーのエアコンが他の国のメーカーのエアコンよりも性能が高い(エアコンの定格点での 効率を表す COP が高い)という顕著な事実はなかった。但し、ここに示されているのは定格点にお -9- H25 JCM 方法論実証調査(DS)最終報告書(概要版) ける性能である。高効率エアコンの部分負荷における性能については、メーカーからデータが公 表されていないので比較できていない。また、カタログに記載の数値が正しいかどうかは当社では 確認のしようがない。 同じ高効率エアコン(9,000~24,000BTU/h クラス)の価格比較で言えば、日本の某社の商品が 2.90~3.41THB/(BTU/h)、韓国の LG の商品が 1.83~2.25 THB/(BTU/h)で売られており、韓 国製品の競争力は高いようである。タイでは定格点の性能を表示して販売する方法しか行われて おらず、日本製品の良さ、すなわち部分負荷特性の良さ、引いては年間消費電力量の低さが正 当に評価されているとは言い難い状況である。 日本製技術・製品等が導入されるための条件 上記のように、少なくとも定格点において、日本メーカーのエアコンが他の国のメーカーのエアコ ンよりもカタログ上の性能が高いという顕著な事実はなかったため、また、日本メーカーのエアコン の良さである部分負荷時の効率の良さを証明する公表データがないため、性能で線引きをして日 本メーカーのエアコンだけを優先採用できるような方法論は構築できないと考えている。 従って、日本メーカーのエアコンの採用を確実なものとする唯一で有効な方法は、プロジェクトの 実施スキームに求めるしかない。例えば、上記コンソーシアムが取り扱うエアコンを日本メーカー のエアコンだけにし、日本メーカーだけに性能データと販売データの提供を求めるようにすればよ いと考える。 ただし、中国メーカーや韓国メーカーが別のカウンターコンソーシアムを組織して同様のプログラ ムを実施することは阻止することはできないであろう。このようなカウンターコンソーシアムを JCM の 制度で認めるかどうかは、合同委員会並びに両国政府の判断となる。 また、エアコンメーカーに正しいカタログ表示を行わせ、エアコンラベリング制度を透明にして発展 させるため、エアコンの性能表示を第三者が認証したものに限定するようメーカーに義務付ける、 あるいはエアコンの性能を実際に試験して結果を公表する公的機関を設置するなどの方策も、日 本製技術・製品の導入に寄与するであろう。さらに、部分負荷特性も考慮したラベリング制度を構 築するなどの対策も、高効率エアコンの普及にとって不可欠であり、日本製技術・製品の導入に 寄与するであろう。 ②環境十全性の確保 同種プロジェクトの実施による環境面での好影響の担保 本プロジェクトによる環境面での好影響は、省エネ、GHG の排出削減、化石燃料の消費量の低減、 大気汚染の低減等である。この好影響を担保するためには、高効率エアコンの正しい使い方を特 に販売時に啓蒙する必要がある。プロジェクトを実施する日本側コンソーシアムが主体となって販 売店での啓蒙キャンペーンを実施する方法が考えられる。 同種プロジェクトの実施による環境面での悪影響の回避のための措置 本プロジェクトによる環境面での悪影響は特にないと考えている。確かにエアコンには振動、騒音、 冷媒の漏えい等の環境面での悪影響が考えられる。しかし、それは高効率でないエアコンでも同 様であり、高効率エアコンだから悪影響が出るというものではない。むしろ、間欠運転の少ない高 効率エアコンは、圧縮機電動機の起動と停止に伴う騒音、振動の悪影響が少ないものと考える。 - 10 - H25 JCM 方法論実証調査(DS)最終報告書(概要版) ③ホスト国の持続可能な開発への寄与 本プロジェクトと同種のプロジェクト実施によるホスト国の持続可能な開発への寄与は、下記点が あると考えている。 排出削減による地球温暖化の防止。 省エネによるエネルギー資源枯渇の防止。 省エネによる大気汚染の防止。 省エネによる電力不足、エネルギー不足の回避。 省エネ啓蒙効果(エアコンだけでなく、他の電力消費機器への省エネ意識の波及)。 エアコンの設計、製造、メンテナンス技術の向上。 - 11 -
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