立命館大学 学外研究成果報告書 - 立命館大学 研究者情報データベース

(様式9)
立命館大学 学外研究成果報告書
年
月
日
立命館大学長 殿
所属:
理工
学部/研究科 職名:
教授
氏名:
小西 聡
印
このたび学外研究を終了しましたので、下記のとおり報告いたします。
所属長承認
印
研 究 課 題 マイクロマシン・MEMS のバイオメディカル応用に関する研究
申 請 区 分
■ 学部研究科人数・予算枠内
滞在先国名
(複数ある場合は
全て記入してく
ださい)
□ 国外のみ
ベルギー(ブリュッセル大を拠点とし、ベルギー国内研
□ 国内の
究機関、オランダ国内研究機関、CNRS(フランス))
■ 国内 4.5 ヵ月、国外 1.5 ヵ月
研究期間
2011 年 4 月 1 日 ~2011 年 9 月 25 日 (
期
①
□ 学外資金・セメスターごと人数枠内
間
2011 年 4 月 ~
滞在都市名
2011 年 7 月 日本(滋賀県)
~
研 究 日 程 ②
概
要
2011 年 7 月
③
2011 年 9 月
2011 年 9 月
~
ベルギー(ブリュ
ッセル)
年
月 日本(滋賀県)
④
年
月 ~
年
月
⑤
年
月 ~
年
月
□ 役職者別枠 □ 助教
6 ヵ月間)
研究機関名
滋賀医科大学、京都大学、先端医療振興財団、
立命館大学
Université libre de Bruxelles(ブリュッセル大
学)、ルーベン大学、デルフト大学、IMEC 研
究所、CNRS 研究所
滋賀医科大学、京都大学、先端医療振興財団、
立命館大学
1.実施状況:研究方法や受入研究機関との関係なども含め、上記研究日程概要に即して実施した事柄を具体的に記述してください。
①および③の期間では、国内での学外研究を実施した。バイオメディカル分野の連携研究関係を構築中の研究機関
(先端医療振興財団(神戸)、京都大学薬学研究科、滋賀医科大学等の関係機関等)との研究推進強化を図った。
各研究機関を訪問し、通常の研究打合せにとどまらず、大局的なディスカッションを実施する交流の場を設定し、
異分野連携・融合、さらには学際的研究の意義や課題について意見交換を実施した。
②の期間では、国外での学外研究を実施した。ブリュッセル自由大学(Université libre de Bruxelles)を拠点として研究
活動を実施した。滞在時には、研究員や学生とセミナーを開催し、研究紹介や研究員や学生の現状課題へのアドバイ
スを実施した。本学では、我々の研究内容を参考にした研究が進められており、特に重要なテーマとなった。また教
員とは、マイクロマシン・MEMS のバイオメディカル研究とともに教育について、現状今後の意見交換を実施した。
さらには、ブリュッセル自由大学を拠点とし、ベルギー周辺にある研究機関(Catholic University of Leuven や
IMEC)、オランダ国内研究機関(Delft 大)、フランス CNRS 研究所を訪問した。Catholic University of Leuven
でも我々の研究内容を参考にした研究が進められており、ブリュッセル自由大学と同様に交流を実施した。IMEC は、
ヨーロッパのみならず世界でも有数の半導体研究、マイクロマシン・MEMS 研究の拠点であり、セミナーで講演を
行うとともに、施設見学、運営方法に関する意見交換などを実施した。Delft 大では、主として二つの研究室を訪問し
た。両研究室ともにマイクロマシン・MEMS 分野を牽引してきた代表的な研究室であり、ミーティングの実施とと
もに、当該分野の現状、今後について意見交換を行った。特にマイクロマシン・MEMS のバイオメディカル応用に
ついて意見交換を実施した。フランスに関しては、CNRS 研究所(レンヌ)を訪問し、MEMS のバイオ研究の推進
状況を視察し、意見交換を実施した。CNRS 研究所(パリ)においては、互いの共通関心テーマである、マイクロマ
シン・MEMS のバイオメディカル応用を中心に交流を実施し、滞在中にセミナーでの講演を行った。
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(様式9)
2.成果の概要: 今回の研究成果の概要を上記の実施状況に則して具体的に記入してください。 [2500~3000字程度]
国内での学外研究期間中は、現在バイオメディカル分野の連携研究関係を構築中の研究機関(先端医療振興財団(神
戸)、京都大学薬学研究科、滋賀医科大学等の関係機関等)との研究推進を強化した。さらには、再生医療研究の拠
点の一つである東京女子医大とも交流の場を複数回設定、実施した。
先端医療振興財団(神戸)とは再生医療分野に関し、JST・S-イノベ“iPS を核とする細胞を用いた医療産業の構築”
研究プロジェクトで共同研究を現在進めている。具体的には、失明要因の一つである加齢黄班変性症の画期的な治療
法として注目されている網膜色素上皮細胞移植の研究を共同で進めている。特に、細胞シート移植のための移植ツー
ル、デバイスの研究開発を担当しており、今回の学外研究期間中のミーティングでは、現在進めている研究の推進強
化について議論を実施した。また現在の研究を軸に、その枠を超えた医工連携の今後についても意見交換を実施し、
今期前期より研究員として 1 名の受け入れをスタートさせるに至っている。
京都大学薬学研究科とは、現在進行している革新的ナノバイオ創薬拠点活動の一環で進めている研究内容にとどま
らず、薬学と工学の連携研究の今後にういて意見交換を実施し、今期前期より新しい研究テーマを複数スタートさせ
ている。
滋賀医科大学との医工連携では、都市エリア産学官連携促進事業(一般的および発展型)で産学官共同研究を推進
し、地域活性化に繋がる成果が得られている。その成果が評価されて採択・進行中の文部科学省地域イノベーション
戦略支援プログラム(グローバル型)に関して研究推進強化について議論を実施した。また現在進めている研究内容
をベースに、今後の医工連携の進め方や課題について意見交換を実施した。
さらに、再生医療研究の拠点の一つである東京女子医大の研究者とも医工連携研究に関する交流を実施した。再生
医療分野では、体性幹細胞を培養に供して作成した組織移植により、皮膚、角膜、軟骨、心筋等で既に臨床応用が始
まっている。東京女子医大のグループでは、細胞をシート上に加工し、患部に移植する細胞シート工学を用いた再生
医療を推進中であり、工学の果たすべき役割や連携における課題について有意義な意見交換を実施することができた。
以上のように、今回の国内における学外研究活動期間においては、推進中の研究活動を通常よりも時間の余裕をも
って長期的、重点的な視野から意見交換を実施することができた。強化する予定である。
国外での学外研究期間は、これまでに本学の二名の研究者を招聘、セミナーを開催して研究交流をしてきているブ
リュッセル自由大学(Université libre de Bruxelle)のグループとの研究交流実施を計画、実施した。ブリュッセル自
由大学のグループは、我々の保有するマイクロマシン・MEMS の研究内容に強い関心をもっており、関連する内容で現
地の PhD 候補者が研究を進めているなど関係が深い。これまでに担当の教員、PhD 候補者自身が本学を訪問し、セミナ
ーやミーティングを実施してきている。今回の学外研究はこれまでの交流の延長線上となる滞在となった。
具体的な研究活動の実施に加え、ブリュッセル自由大学では、メカトロニクスのバイオメディカル応用研究の組織を
構築し、学際的な教育体制と医工連携研究の実践を行っている。滞在中は、ブリュッセル自由大学でのこうした実績
のヒアリングを実施するとともにブリュッセル自由大学学長との意見交換を行った。今回の意見交換内容は、我々が
構想中の医工連携研究活動に関して非常に参考となるものとなった。
氏 名
2
小西 聡
(様式9)
国外での期間中は、
ブリュッセル自由大学を拠点とし、
ベルギー周辺にある研究機関
(Catholic University of Leuven
や IMEC)、オランダ国内研究機関(Delft 大)、フランス CNRS 研究所を訪問し、研究会議を行い、マイクロマシ
ン・MEMS に関するこの地域での研究動向、特にマイクロマシン・MEMS のバイオメディカル応用に関する動向に
ついて情報収集を実施した。以下に、滞在訪問先での成果について報告する。
●ルーベン大学、IMEC 研究所
ルーベン大学では、我々の研究を参考にした研究活動が進められていることから、訪問の要請があり、研究会議を
実施した。ルーベン大学機械工学科の Reynaerts 教授他、研究メンバーと研究内容についてディスカッションを深め、
両者の今後の協力関係の構築などを検討した。継続して関係を強化することで合意した。
IMEC 研究所は、欧州のみならず世界的にも稀有な MEMS、電子デバイス開発施設を有する研究所であり、施設の視
察とともに、MEMS 関係者を対象とする講演を行った。講演に対しては、バイオメディカル応用に関する活発な質疑
が実施でき大変有意義なものとなった。
●オランダ・デルフト工科大学
MEMS や μTAS の分野で世界的にも有数の研究機関の一つであるオランダ、デルフト工科大学を訪問し、セミナ―
および見学等により情報交換を実施した。当該分野の代表的な国際会議 MEMS2009 年の実行委員長を務めた
P.M.Sarro 教授がホストとして対応頂き、また MEMS2004 年の実行委員長 P.French 教授の研究室にも滞在し、デ
ルフト工科大学におけるマイクロマシン・MEMS のバイオメディカル応用の現状について詳細をヒアリングするこ
とができた。
●フランス・CNRS 研究所
フランスでは、MEMS や μTAS の分野の研究が近年非常に活発になってきており、CNRS の各研究所でもそれぞ
れの特徴を活かした研究が進められており、国際会議等でもその成果を目にすることが増えている。フランスの
MEMS 研究者グループの中でも我々が長年交流をしてきているレンヌ・パリのグループを統括する教授は、我々と類
似したバイオ研究を重視しており、今回の学外研究を活用して有効な意見交換を実施することができた。
以上、滞在訪問したベルギー、オランダ、フランスにおいて、マイクロマシン・MEMS に関するこの地域での研究
動向、特にマイクロマシン・MEMS のバイオメディカル応用に関する動向について把握することができた。
マイクロマシン・MEMS の分野では、バイオ応用に関しては多くの関心が集まり、μTAS 技術が様々なデバイス
を実現し、バイオセンサやバイオアセンブリを始めとする先端研究の推進に大きく貢献している。毎年国際会議μTAS
が実施され、多くの最先端研究成果が発表され、活発な議論がなされている。
医療応用に関しても、マイクロマシン・MEMS 関連の国際会議では、近年医療応用のセッションが組まれ、治療具
やドラッグデリバリーデバイスへの応用成果の報告が増えてきている。
高齢化が進む日本では、ますます医療の低侵襲性が求められ、患者の QOL 向上が強く求められている。バイオ研究
成果の医療への貢献は、創薬応用が最も有望なものの一つと考えられているが、こうした医療からのニーズに応える
べく、マイクロマシン・MEMS のバイオメディカル応用が現在国際的に(特に今回の滞在訪問先で進められているこ
とがわかり、現在進めている研究内容の意義を再認識することができた。今回の学外研究での成果を有効に活用し、
今後の研究推進への糧としたいと考えている。
最後に、ここに今回の学外研究の貴重な機会を与えて頂いたことに深く謝意を表する次第である。
氏 名
3
小西 聡
(様式9)
3.研究成果の公表:今回の研究成果公表の状況と予定を具体的に記入してください。
既 発 表
テーマ
発表形態
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著書
論文
学会発表
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著書
論文
学会発表
著書
論文
学会発表
著書
論文
学会発表
著書
論文
学会発表
出版社/掲載誌、巻号/学会名等
刊行/発表年月日
執 筆 中 ・ 発 表 予 定
テーマ
ナノバイオ技術と最新創薬応用研究・
マイクロマシン技術の DDS 応用
内視鏡用アクチュエータに関する研究
発表形態
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出版社/掲載誌、巻号/学会名等
著書
論文
学会発表
著書
論文
学会発表
著書
論文
学会発表
著書
論文
学会発表
著書
論文
学会発表
(株)メディカルドゥ
遺伝子医学 Mook20 号
刊行/発表予定年月
2012 年
IEEE
International 2012 年 1 月
Conference of MEMS 2012
構想計画中
氏名
小西 聡
R O 受付
提出期限:帰着後 2 ヶ月以内
提出先: 各リサーチオフィス
★ 本書式は、研究部ホームページにて公開します。
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