平成 26 年度版 - 尼崎市病診連携協力歯科医会

尼崎市病診連携協力歯科医会
尼崎市病診連携協力歯科医会共通プロトコル
病診連携ガイドライン/保険請求ガイドライン
(平成 26 年度版)
一般社団法人 尼崎市歯科医師会
医療連携推進委員会編
1
平成 26 年度版
尼崎市病診連携協力歯科医会共通プロトコル
Ⅰ)尼崎市病診連携協力歯科医会の目的
1)地域完結型医療の体制を整え、専門医療機関としての病院歯科がその本来の
目的である専門的で高度な診療に専念できるように開業歯科医師がバックアップを
行う事を目的に尼崎市病診連携協力歯科医会を設立する
2)病院歯科および一般開業歯科は互いの立場、役割を尊重し、地域完結型医療
に貢献するために努力する
3)病院歯科と一般開業歯科との調整は尼崎市歯科医師会及び同会各委員会がこ
れにあたる
4)単に歯科分野におけるチーム医療にとどまらず、将来的な医科等の医療福祉全
般との連携を視野に入れ、尼崎市における地域完結型総合医療体制の歯科側の
窓口となることを目標とする
Ⅱ)病院歯科より一般開業歯科への周術期口腔機能管理等の依頼、紹介
1)専門医療機関である病院歯科でなくても診療可能な症例を一般開業歯科へと依
頼紹介することとする
2)紹介内容は①入院前処置 ②術後フォロー ③退院後治療 ④その他 とする
3)周術期管理での依頼については、管理計画の策定段階より一般開業歯科での
管理を念頭に置いた計画策定を行う
2
4)周術期管理を依頼する場合の依頼先は患者本来のかかりつけ医を第一選択と
し、かかりつけ医のいない場合やかかりつけ医が受け入れ不可能な場合は当会登
録会員の中から患者様と相談し選定することとする
5)依頼する処置および管理の内容は当面の間原則として限定的に運用する

スケーリング/PMTC

TBI/口腔衛生管理

う蝕処置/充填処置

義歯調整/修理

歯の固定

抜髄/感染根管処置(根管充填まで至らなくても可)

不良補綴物の除去/研磨

抜歯
6)紹介先医療機関が決定した後は、特に周術期管理の場合時間的制約が大きい
ことを考慮しできる限り速やかに紹介先へと連絡する
7)当会登録会員への医療情報の提供は可能な限り当会規定の書式を用い、必要
に応じて各種資料、データの添付を行う
特に周術期管理依頼に関しては計画書策定の意図と目的を明確にし、情報の共
有と意識の共通化を目指す
8)退院後の歯科治療やフォローアップの依頼を行う際も周術期と同様な紹介手続
きをとるものとする
Ⅲ)一般開業医での管理、処置、病院歯科への紹介
1)病院歯科より当会規定の紹介手続きにより依頼のあった場合はやむを得ない場
合を除き依頼に応じる
3
2)病院歯科からの周術期口腔機能管理の依頼に関しては、病院歯科にて策定さ
れた管理計画を尊重する
3)常に周術期管理を含む連携医療に関する研鑽を積む
4)処置にあたり安全性と確実性に重点を置くと共に患者とのラポール形成を目指
す
5)紹介症例受診時は速やかに紹介元への連絡を行う
6)医療情報の共有と意識の共通化のため、必要に応じて情報提供書を作成する
7)地域連絡室等、病院歯科を通さず直接担当科より紹介された周術期症例、およ
び歯科医院より病院歯科への紹介の場合も同様に取り扱い、当会規定情報提供
書書式を用いるものとする
附)周術期管理を依頼した際の双方の保険算定
附1)保険請求算定に関しては別にガイドラインを定めるものとする。
附2) 保険請求算定のガイドラインについては病院歯科、一般開業医双方のメリッ
トが最大限になることを目指し保険改正の都度再検討するものとする。
4
目次
尼崎市病診連携協力歯科医会ガイドライン ............................................................................................ 7
平成 26 年度版 .................................................................................................................................. 7
Ⅰ)はじめに ~当会の目的と意義 ..................................................................................................... 7
1)
地域完結型チーム医療とは ................................................................................................... 7
2)
チーム医療の成功のために ................................................................................................... 9
3)
チームワークを育てるために .................................................................................................. 9
4)
医科、介護系に対する歯科側の窓口として............................................................................. 9
Ⅱ)病院歯科の先生へ ........................................................................................................................ 9
1)紹介すべき症例か充分検討ください ........................................................................................... 9
2)紹介の種類は以下の 4 種類とします ........................................................................................ 10
3)周術期管理計画の策定段階で依頼するかどうか決定してください ............................................. 10
4)周術期管理の依頼先選択は、かかりつけ歯科医→協力歯科医の順番で .................................. 11
5)依頼する処置および管理は可能な限り下記の範囲で ............................................................... 13
6)紹介先歯科医療機関が決定した場合、速やかに紹介先へと連絡してください ........................... 15
7)医療情報提供書は可能な限り当会規定の書式を用いてください ............................................... 15
8)退院後の歯科治療やフォローアップの場合............................................................................... 15
Ⅲ)歯科医院の先生へ ...................................................................................................................... 16
1)
原則的に特段の事情を除き依頼に応じてください ................................................................. 16
2)
管理計画を尊重してください ................................................................................................. 16
3)
常に周術期管理を含む連携医療に関する研鑽を積む .......................................................... 16
4)
処置は安全に確実に、できるだけ患者への説明をしてください。 ........................................... 16
5)
依頼症例受診時は速やかに紹介元へ連絡してください ........................................................ 17
6)
医療情報の共有と意識の共通化のため連絡は密に ............................................................. 18
7)
病院歯科への紹介の場合 .................................................................................................... 18
附)保険請求のガイドライン(平成 26 年度暫定版) ................................................................................ 19
保険請求における基本的ガイドライン ............................................................................................... 19
病院歯科にて周術期管理計画を策定する場合 ............................................................................. 19
歯科医院にて周術期管理計画を策定する場合 ............................................................................. 20
Ⅰ)病院歯科で管理計画策定を行った場合の病院歯科での保険算定 ............................................... 22
1)外来・入院までの保険算定について ......................................................................................... 22
5
2)入院から手術までの保険算定 .................................................................................................. 22
3)手術後の保険算定 ................................................................................................................... 23
Ⅱ)病院歯科より周術期管理の依頼があった場合の歯科医院での保険算定 .................................... 23
1)
入院前処置の依頼があった場合 .......................................................................................... 23
2)
退院後歯科治療の依頼があった場合................................................................................... 23
3)
術後フォローアップの依頼があった場合 ............................................................................... 24
Ⅲ)保険点数算定の実例 .................................................................................................................. 26
1)
ス
手術単独、病院歯科にて抜歯後歯周病管理を歯科医院に依頼、退院後も歯科治療を行うケー
26
2)
手術後一時退院、再度入院して放射線治療を行うケース ..................................................... 27
3)
手術後通院にて抗がん剤治療を行うケース ......................................................................... 28
4) もともとかかりつけ医であった歯科医院へ依頼があったケース ............................................... 29
5) 病院歯科より周計を算定せずに紹介されたケース .................................................................. 30
6) 術前は病院歯科にて周術期管理し、退院後歯科医院でフォローするケース ............................ 31
6
尼崎市病診連携協力歯科医会ガイドライン
平成 26 年度版
Ⅰ)はじめに ~当会の目的と意義
1) 地域完結型チーム医療とは
昨今、「地域完結型医療」「チーム医療」をキーワードに我々を取り巻く環境、医療体制が大きく変わろう
としています。では「地域完結型医療」とはどのようなものなのでしょうか。一般的には下のように説明され
ています。
『地域完結型医療』
患者さんの身近な地域の中で、それぞれの病院や診療所・クリニック等が、その特長を
活かしながら役割を分担して、病気の診断や治療、検査、健康相談等を行い、地域の医療
機関全体で 1 つの病院のような機能を持ち、切れ目の無い医療を提供していこうというも
の。
つまり地域全体の医療機関が連携すること、歯科どうしのみでの連携にとどまらず医科との連携も含
めた地域医療機関全体の連携体制が今後確実に求められています。
しかしながら現状を考えると、医科と歯科との連携どころか歯科界内部においてすら連携体制は確立し
ているとは言えず、本来高度に専門的な治療を行うものであるはずの病院歯科が専門性を必要としない
業務まで押しつけられ、一般開業医にとっても地域の病院歯科というリソースを充分に生かし切れていな
い、お互いに不幸な状況となっています。そのため病院歯科と一般開業医が協力し合い、それぞれの強
みを生かして地域の歯科医療を分担することで地域完結型歯科医療を目指し、さらに医科との連携の窓
口となり真の地域完結型チーム医療を確立することを目的として当会を設立します。
7
現在の地域医療体制
医科病院
医科診療所
患者
歯科診療所
病院歯科
地域完結型チーム医療体制
医科病院
医科診療所
患者
病院歯科
8
歯科診療所
2) チーム医療の成功のために
チーム医療において何よりも大切なのは情報の共有と意識の共通化です。
そのため、できる限り詳細かつ迅速な情報伝達と互いの立場を尊重した意識の共有が必要です。当プ
ロトコルおよびガイドラインをよく理解していただいて患者、病院歯科、一般開業医、手術担当科の 4 者そ
れぞれのメリットが最大限になるように運営にご協力ください。
しっかりとしたチームが育つことで、将来本当の 医科-歯科の緊密な連携のとれた地域完結型チーム
医療が行えると考えています。
3) チームワークを育てるために
紹介状のやり取り、情報の共有だけではチームとしての医療に限界があると考えます。
病院歯科と一般開業医、互いの顔が見える関係を築き多様な症例に対応するチームワークを得るた
めに、できる限り病院歯科と一般開業医の意見交換、交流を持てる場を提供するよう考えていますので、
可能な限りご参加ください。
もし何らかのトラブルはもちろんのこと、気付かれたことがありましたら歯科医師会へお知らせください。
トラブルの解消はもちろんのこと、よりよいシステム作りのために全力で取り組みます。
4) 医科、介護系に対する歯科側の窓口として
地域完結型医療を考える際、現状では歯科側の窓口がはっきりとしておらず医科が紹介をしたくても問
合せ先すらはっきりしていない状況です。今後は尼崎市病診連携協力歯科医会が尼崎市の歯科側窓口
をなるべく発展を目指します。
Ⅱ)病院歯科の先生へ
1)紹介すべき症例か充分検討ください
一般開業医の経歴、経験はそれぞれさまざまです。今後とも各種研修等を開催し、知識技術の習得に
励んでいきますが、設備の問題もありますので、一般開業医に紹介すべき症例なのか熟慮ください。参加
歯科医院リストには対応する症例の目安が記載されていますので参考にしていただいて結構ですが、や
むを得ずハイリスク症例を紹介する場合には必ず相手歯科医院へ前もってご相談ください。症例や状態
9
に応じて抜歯等の観血処置を病院歯科で、口腔衛生管理等を一般歯科医院でといったような分担型の連
携をとっていただいても結構ですが、その場合であってもハイリスク症例では前もって相談するようにして
ください。
例 1) 抗凝固剤服用中の不整脈およびコントロール不良の高血圧患者ではあるが、入院手術まで日数
がありまた自宅から手術実施病院まで距離があるため近医外来での術前管理を希望。
→管理計画策定前に予定紹介先歯科医院へ打診、抜歯は病院歯科で行い、その他の口腔衛生管理
等は一般歯科医院にて施行との管理計画を策定。
2)紹介の種類は以下の 4 種類とします
①入院前処置
周術期管理にあたり、入院前の外来通院期間に必要な術前処置を行います。
②術後フォロー
術後化学/放射線療法までの待機期間の一時退院期間中または通院化学/放射線療法期間中の管理
フォローアップを行います。術前に通院抗がん剤治療時等の管理もこちらに分類してください。
③退院後治療
原病に関する一連の治療終了後、継続的に治療の必要な口腔疾患の治療にあたります。
④その他
周術期口腔機能管理対象外の症例等、その他の症例の治療依頼となります。
当面の間、入院中の患者に関する往診は対象外とします。
3)周術期管理計画の策定段階で依頼するかどうか決定してください
入院までの限られた時間で最大限の結果を得るためにも、管理計画は無理のない範囲で策定してくだ
さい。また管理計画書に管理を紹介先歯科医院でも行う旨を記載し、紹介状には必ず管理計画書の写し
を添付してください。
また、情報の共有化、意識の共通化のために紹介状には下記から優先順位をつけて紹介状に記載し
てください。
 感染源対策
 清掃性向上
 術時安全性
10
これは処置の必要性を患者に説明する際にも非常に重要でありインフォームドコンセントの基本ともなる
部分ですのでお手数ですがご協力ください。
4)周術期管理の依頼先選択は、かかりつけ歯科医→協力歯科医の順番で
周術期管理の依頼先は、患者にかかりつけ歯科医のいる場合はまずそちらを優先してください。
かかりつけ歯科医が協力歯科医院登録リストにない場合は、まずかかりつけ歯科医に受け入れ可能
かどうかを問い合わせてください。かかりつけ歯科医が受け入れ不可能かつ他の歯科医院での周術期管
理に同意した場合のみ患者と相談のうえ登録リストより紹介先を選択してください。またその場合、かかり
つけ歯科医があることを紹介状に記入してください。
登録リストより選択する際には同名、類似名の医療機関にご注意ください。
11
病院歯科外来
管理計画
かかりつけ歯科医
入院前処置
入院前外来治療
入院中
入院中術前管理
協力歯科医
手術
入院中術後管理
入院化学/放射線療法
術後フォロー
通院化学/放射線療法
退院後治療
周術期管理協力の基本スキーム
12
5)依頼する処置および管理は可能な限り下記の範囲で
 スケーリング/PMTC
 TBI/口腔衛生管理
 う蝕処置/充填処置
 義歯調整/修理
 歯の固定
 抜髄/感染根管処置(根管充填まで至らなくても可)
 不良補綴物の除去/研磨
 抜歯
限られた時間、回数での処置であり、また歯科医院間での処置内容の均一性を得るためにも当面の間
できる限り上記の処置内容にて依頼してください。
また時間的制約を考え、依頼の際には処置は多くなりすぎないようご注意ください。
①
スケーリング/PMTC
②
TBI/衛生管理
細菌叢の除去、周術期の清掃性の確保のための処置とし、一連の処置でセットとして考えてください。
歯科医院により用意している歯ブラシ、清掃補助剤等は異なりますので選択は依頼先へ任せてくださ
い。
IE 予防のためのスケーリング時術前抗菌薬投与の必要のある症例では必ずその旨を紹介状に記載し
てください。
③
う蝕処置/充填処置
清掃性の確保、感染源の除去のための処置と考えてください。
う処になるか充填になるかは基本的に処置医に任せてください。
エピネフリン添加局所麻酔薬使用禁忌症例では必ずその旨を紹介状に記載してください。
④
義歯調整/修理
義歯の新製は適応外とし、退院後歯科治療で対処することとします。
⑤
歯の固定・保護
術中、術後管理時の安全性の確保のための動揺歯の固定が対象です。
固定方法はエナメルボンド暫間固定 300/500 点のみとし、現時点ではプロテーゼ、マウスガード等は対
応外とします。
13
⑥
抜髄/感染根管処置
軽微な感染源の除去と疼痛対策とお考えください。
時間的に制約のある中での治療となりますので必ずしも根充まで至らず貼薬または根管解放までにな
る可能性のある事をご承知ください。
⑦
不良補綴物の除去/研磨
安全性の確保、清掃性の向上、感染源の除去としての処置と考えてください。
鋭縁の削合研磨、仮充填等までは行うものとします。
⑧
抜歯
抜歯については当会の基準を以下のように定めます。1
口腔内所見
造血器腫瘍への化学
固形癌に対する化学療
比較的低侵襲の手術
療法
法
経口癌化学療法等
頭頚部が照射野となる
高侵襲手術
放射線治療
術後長期の集中治療
人工弁置換等の IE ハ
が必要な症例
イリスク群
臓器移植
ビスフォスフォネート投
与予定等
直径 5 ㎜を超える根
尖病巣、排膿の見られ
原則抜歯
抜歯を考慮
歯科的に妥当な場合
る膿瘍、8 ㎜以上の歯
全身状態の評価が必
を除き抜歯以外の治療
周ポケット、動揺度3の
要
を選択する。
歯、残根状態や歯根の
破折により保存の見込
みのない歯、感染所見
のあるまたは感染の既
往のある智歯
計画策定者と処置者が異なる場合、患者が一度は抜歯に納得しても処置の際には難色を示す事が
往々にして見られます。抜歯を依頼する際には必ず患者によく説明したうえで抜歯の旨を計画書に明記し
てください。
1
Yamagata K,et al. Bone Marrow Transplantation 2006;38:237-242 より改変
14
抜歯の適応に関しては感染源除去を主とし、動揺歯への処置としての抜歯は、激しい動揺を伴う孤立
歯である等、歯科的に妥当な選択である事を心がけてください。
6)紹介先歯科医療機関が決定した場合、速やかに紹介先へと連絡してください
アポイント調整のためにも患者の状態、処置内容の把握が必要となります。入院までの限られた時間
で最大限の処置を行い周術期管理の成果を得るためにも紹介が決まりましたらできるだけ速やかに紹介
先歯科医院へ紹介状の写しを FAX してください。高リスク患者以外では診療予約は患者さんが直接取っ
てもらう方法でも結構ですができるだけ早く予約をするように指導してください。
7)医療情報提供書は可能な限り当会規定の書式を用いてください
規定外の書式の場合、必ず以下の点を明記してください。
1. 患者氏名、生年月日、年齢
2. 主病名、術式、手術/CT/RT、入院予定日、手術予定日、CT 開始予定日、RT 開始予定日
3. 紹介目的、かかりつけ歯科医の有無
4. 合併症、観血処置の可否、術前抗菌薬の必要性、エピネフリンの可否、抗血栓療法の有無
5. 感染症の有無、その他の注意事項
6. 管理目的の優先順位
7. 依頼処置の部位と内容
また、原則として主病主治医からの管理依頼書/コンサルテーションの写しを添付してください。必要に
応じ検査データの写しなども添付ください。
手術後一時退院し、在宅通院にて CT/RT を行う予定の場合は、初回情報提供は手術単独と同様な扱
いとし、一時退院時にフォローアップの情報提供を行ってください。
患者には、歯科医院受診時に必ず保険証を持参するように指示してください。
8)退院後の歯科治療やフォローアップの場合
退院後の歯科治療、および在宅化学/放射線療法のフォローに関しても、原則的に同様の扱いとします。
ただし術中術後の合併症等、できるだけ情報共有をお願いします。
15
Ⅲ)歯科医院の先生へ
1)
原則的に特段の事情を除き依頼に応じてください
体調不良による休診中などやむを得ない場合以外は応診してください。特に感染症等を理由とした依
頼拒否は決してしないでください。
リスク評価に疑義があり依頼に応じられないと感じられたケースでは速やかに依頼元および尼崎市歯
科医師会へ連絡してください。3 者にて対応を協議します。
2)
管理計画を尊重してください
管理計画は全身状態、術中術後のリスク等を総合的に判断して策定されたものです。決して自己判断
で変更しないでください。計画策定から口腔状況の変化で患者に何らかの主訴がある場合は計画に影響
を与えない範囲で処置していただいて結構ですが必ずその旨を返書に明記してください。判断に迷われた
際には必ず依頼元へ相談してください。
3)
常に周術期管理を含む連携医療に関する研鑽を積む
今後尼崎市歯科医師会でも関連講演会などを開催していきます。特に名簿更新時の対象者向け講演
会等は必ず受講してください。依頼内容、処置等で不明な点がある場合はいつでも歯科医師会へご相談
ください。
4)
処置は安全に確実に、できるだけ患者への説明をしてください。
周術期の患者は必ず何かしらの基礎疾患があります。常に有病者であることを意識してください。
あくまで周術期の安定と安全のために行う処置ですので確実性を重視してください。
周術期の患者はともすればナーバスになります。信頼関係の構築を重視し、不用意な発言に注意して
ください。
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スケーリング/PMTC、TBI/口腔衛生管理について
周術期管理の要となります。必ずブラッシング指導を行ってください。本人の意識状態や術後自身によ
るブラッシングが難しいと考えられる症例では家族への指導を考慮してください。また必ず口腔衛生実地
指導文書の発行を行ってください。口腔衛生実地指導文書は患者へ渡すとともに写しを必ず返書に添付
してください。
う蝕処置/充填処置について
安全のため鋭縁を作らないと同時に清掃性の確保に留意してください。恒久的な治療である必要は必
ずしもありませんので充填よりもう処の方が適しているケースも多いことに留意してください。
局所麻酔薬使用時には必ずエピネフリン使用の可否を確認してください。
義歯調整/修理について
周術期の摂食が可能な状態であれば可とし、義歯新製は基本的に行わないでください。
歯の固定について
気管内挿管により思わぬ力がかかることがあります。必要であればワイヤー等で補強を入れてください。
同時に不潔域を作らないように注意してください。
抜髄/感染根管処置について
必ずしも根管充填までは必要ありません。むしろ疼痛が出ないようにすることに留意してください。不用
意に仮封が外れないように注意してください。
局所麻酔薬使用時には必ずエピネフリン使用の可否を確認してください。
不良補綴物の除去/研磨について
全身麻酔下や術後の意識低下時には補綴物等の鋭縁で舌等を傷つける可能性もあり、またマージン
不良などで不潔域が存在すると術後合併症の原因にもなり得ます。清掃性の確保にも充分留意してくだ
さい。
抜歯について
術式や術後の治療によっては一見保存可能な歯のようであってもトラブルの原因になる場合がありま
す。抜歯の管理計画は尊重してください。万が一、患者が抜歯を拒否した場合には必ず速やかに依頼元
へ相談してください。できる限り治癒期間を確保するため、治療の順序には注意してください。基本的に何
らかの疾患を持つ患者ですので充分な止血処置を行ってください。
局所麻酔薬使用時には必ずエピネフリン使用の可否を確認してください。
5)
依頼症例受診時は速やかに紹介元へ連絡してください
依頼された患者の初回来診時にはできる限り速やかに所定の書式の連絡票を依頼元へ FAX してくだ
さい。同時に依頼内容で不明な点などがあれば質問を行ってください。
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6)
医療情報の共有と意識の共通化のため連絡は密に
処置途中であっても必要に応じて情報提供書、電話、FAX 等で依頼元へ連絡してください。
処置終了時には必ず所定の書式で情報提供書返書を発行し、写しを依頼元へ FAX してください。
7)
病院歯科への紹介の場合
地域医療連絡室等、病院歯科を通さず手術担当科より直接紹介された周術期症例など、歯科医院で
周術期管理計画を策定した場合や周術期症例以外での病院歯科への紹介症例などの場合もできるだけ
当会所定の情報提供書を用いてください。
このような組織ができたことを最大限有効に活用ください。
18
附)保険請求のガイドライン(平成 26 年度暫定版)
保険請求における基本的ガイドライン
病院歯科にて周術期管理計画を策定する場合
病院歯科で周計を算定、紹介先歯科医院で周管Ⅰを、入院後病院歯科で周管Ⅱの算定をすることを
基本とします。紹介までに病院歯科で術前管理を行い周管Ⅰを算定した場合は必ず紹介先歯科医院あ
ての医療情報提供書にてその旨を明記してください。
周管Ⅰを算定した場合、同月に歯管の算定はできません。
ただし、紹介初診にて周管算定し、手術後継続して歯科医院にて歯科治療を行う際には(周管算定で
初診を起こし、同一初診内で一度も歯管を算定していない場合であっても)周管算定期間終了後に歯管
に切り替えて診療を継続することが可能です※
※(通知抜粋)
歯科疾患管理料 注
1 1回目の歯科疾患管理料は、継続的な歯科疾患の管理が必要な患者に対し、患者又はその家族の同意を得て管理計画書
を作成し、その内容について説明を行い、管理計画書を提供した場合に、初診日の属する月から起算して2月以内に1回に限り、
算定できる。
2 2回目以降の歯科疾患管理料は、1回目の歯科疾患管理料を算定した患者に対して提供した管理計画書に基づく継続的な
管理を行っている場合であって、歯科疾患の管理及び療養上必要な指導について、継続管理計画書を作成し、その内容につい
て説明を行い、当該管理計画書を提供したときに、1回目の歯科疾患管理料を算定した日の属する月の翌月以降月1回に限り
算定できる。
3 区分番号B000-6に掲げる周術期口腔機能管理料(Ⅰ)、区分番号B000-7に掲げる周術期口腔機能管理料(Ⅱ)又は区
分番号B000-8に掲げる周術期口腔機能管理料(Ⅲ)を算定した患者に対して、周術期口腔機能管理の終了後に療養上の必
要があって歯科疾患の継続的な管理を行う場合は、歯科疾患管理料は注1及び注2の規定にかかわらず、周術期口腔機能管理
料(Ⅰ)、周術期口腔機能管理料(Ⅱ)又は周術期口腔機能管理料(Ⅲ)を算定した日の属する月の翌月以降から算定できる。
ただし、歯管に切り替えた月に関しては歯管の紙出し(1回目)が必要になると考えられますのでご注
意ください。
19
歯科医院にて周術期管理計画を策定する場合
地域医療連絡室等を通じ、手術担当科より(病院歯科を通さず)直接紹介された場合。
歯科が設置されている病院で入院手術が予定されている患者であっても、担当科より直接周術期管理
の依頼があった場合には、歯科医院にて周計、周管Ⅰの算定が可能です。
ただし、その患者が入院後(歯科設置病院、歯科非設置病院を問わず)往診にて周術期口腔機能管理
を行ったとしても周管Ⅱは算定できません(ただし周管(Ⅰ)は算定可)※
※(通知抜粋)
周術期口腔機能管理料(Ⅱ) 注
1 がん等に係る手術を実施する患者の周術期における口腔機能の管理を行うため、歯科診療を実施している病院である
保険医療機関において、周術期口腔機能管理計画に基づき、当該手術を実施する同一の保険医療機関に入院中の患者に対
して、歯科医師が口腔機能の管理を行い、かつ、当該管理内容に係る情報を文書により提供した場合には、当該患者につ
き、手術前は1回に限り、手術後は手術を行った日の属する月から起算して3月以内において、月2回に限り算定できる。
2 周術期口腔機能管理料(Ⅱ)を算定した月において、区分番号B000-4に掲げる歯科疾患管理料、区分番号B00
0-8に掲げる周術期口腔機能管理料(Ⅲ)、区分番号B002に掲げる歯科特定疾患療養管理料、区分番号B004-6
に掲げる歯科治療総合医療管理料、区分番号C001-3に掲げる歯科疾患在宅療養管理料、区分番号C001-4に掲
げる在宅患者歯科治療総合医療管理料及び区分番号N002に掲げる歯科矯正管理料は算定できない。
つまり周管Ⅱが算定できるのは
 歯科設置病院で入院手術が行われる患者で
 その病院の歯科医師が
 入院している患者に対して
周術期口腔機能管理を行った場合のみです。
また、往診の要件は周術期にかかわらず通常の要件が必要になりますので歯科設置病院へ往診するこ
とはできません。
20
保険請求の基本スキーム(病院歯科→歯科医院)
病院歯科
歯科医院
250 点
周術期管理計画策定料
300 点
診療情報提供料(Ⅰ)
250 点
周術期口腔機能管理料(Ⅰ)(術前)
280 点
歯周基本検査
スケーリング
歯科衛生実地指導料
周術期管口腔機能管理料(Ⅱ)(術前)
500 点
周術期専門的口腔衛生処置
80 点
う処、充填、義管、歯牙固定、麻抜、感根
処、除去、抜歯 etc
診療情報提供料(Ⅰ)
250 点
手術
周術期管口腔機能管理料(Ⅰ)(術後)
190 点
歯科衛生実地指導料
80 点
周術期管口腔機能管理料(Ⅱ)(術後)
300 点
周術期専門的口腔衛生処置
80 点
(ただし P または C の病名が必要)
通院 CT/RT
入院 CT/RT
周術期管口腔機能管理料(Ⅲ)
190 点
周術期管口腔機能管理料(Ⅲ)
190 点
歯科衛生実地指導料
80 点
術後歯科治療
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Ⅰ)病院歯科で管理計画策定を行った場合の病院歯科での保険算定
1)外来・入院までの保険算定について
病院歯科にて周計及び診療情報提供料(Ⅰ)の算定ができます。
入院前に病院歯科でも術前処置を行う場合は当該の処置点数算定も行ってください。
ただし、依頼先に歯周病に対する周術期口腔機能管理管理を依頼する場合には依頼先でルーティン
にてスケーリング、実地指の実施算定を行いますので算定内容にはご注意ください。
2)入院から手術までの保険算定
入院後口腔機能管理を行った際に周管(Ⅱ)を、歯科衛生士によるが専門的口腔清掃を行った場合に
は周術期専門的口腔衛生処置を算定できます。
(通知抜粋)
周術期口腔機能管理料(Ⅱ)
注
1 がん等に係る手術を実施する患者の周術期における口腔機能の管理を行うため、歯科診療を実施している病院である
保険医療機関において、周術期口腔機能管理計画に基づき、当該手術を実施する同一の保険医療機関に入院中の患者に対
して、歯科医師が口腔機能の管理を行い、かつ、当該管理内容に係る情報を文書により提供した場合には、当該患者につ
き、手術前は1回に限り、手術後は手術を行った日の属する月から起算して3月以内において、月2回に限り算定できる。
2 周術期口腔機能管理料(Ⅱ)を算定した月において、区分番号B000-4に掲げる歯科疾患管理料、区分番号B00
0-8に掲げる周術期口腔機能管理料(Ⅲ)、区分番号B002に掲げる歯科特定疾患療養管理料、区分番号B004-6
に掲げる歯科治療総合医療管理料、区分番号C001-3に掲げる歯科疾患在宅療養管理料、区分番号C001-4に掲
げる在宅患者歯科治療総合医療管理料及び区分番号N002に掲げる歯科矯正管理料は算定できない。
周術期専門的口腔衛生処置
注
1 区分番号B000-6に掲げる周術期口腔機能管理料(Ⅰ)又は区分番号B000-7に掲げる周術期口腔機能管理料(Ⅱ)を算
定した入院中の患者に対して、歯科医師の指示を受けた歯科衛生士が専門的口腔清掃を行った場合に、周術期口腔機能管理
料(Ⅰ)又は周術期口腔機能管理料(Ⅱ)を算定した日の属する月において、術前1回、術後1回に限り算定する。
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2 周術期専門的口腔衛生処置を算定した日の属する月において、区分番号I030に掲げる機械的歯面清掃処置は、別に算定
できない。
3)手術後の保険算定
術後入院中の周術期管理を行った場合は周管(Ⅱ)を、衛生士による処置を行った場合は周術期専門
的口腔衛生処置を算定できます。術前に周管(Ⅱ)周術期専門的口腔衛生の算定があっても術後であれ
ば3か月以内は月2回まで算定可能です。退院後、同一月内に歯科医院に術後フォローアップや退院後
歯科治療を依頼する場合は原則として外来で周管(Ⅰ)の算定は行わないでください。術後入院にて化学/
放射線療法を行う際には周管(Ⅲ)の算定が可能です。
術後通院 CT 中に歯科医院に術後フォローアップを依頼する際には必ず診療情報提供書に周管の最
終算定日を記入してください。
Ⅱ)病院歯科より周術期管理の依頼があった場合の歯科医院での保険算定
1)
入院前処置の依頼があった場合
病院歯科にて周計策定されている場合、初診は周管(Ⅰ)で算定してください。
周計策定から依頼された場合、初診は周計、周管(Ⅰ)にて算定してください。
2)
退院後歯科治療の依頼があった場合
手術を行った月を含む術後 3 か月以内かつ術後3回以内は周管(Ⅰ)の算定が可能です(退院後であ
れば同一月内での周管(Ⅱ)との重複算定は可)。つまり 4 月 15 日に手術を行った場合なら 6 月 30 日が
算定可能な最終日となります。
周管算定期間中は機械的歯面清掃は算定できません。
周管(Ⅰ)算定時の病名は「術後合併症」または「周術期口腔機能管理中」を用いることができます。ただ
し歯科処置等を伴う場合は必ず当該の病名も記載してください。特に実地指を算定する際には P または
C の病名が必要ですので注意してください。
周管算定期間終了後は、前回歯管算定からの期間に関係なく歯管算定が可能です。ただし歯管算定 1
回目である場合、算定時に初回用の歯管管理計画書の発行が必要となります。
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(通知抜粋)
周術期口腔機能管理料(Ⅰ)
注
1 がん等に係る手術を実施する患者の周術期における口腔機能の管理を行うため、歯科診療を実施している保険医療機関に
おいて、周術期口腔機能管理計画に基づき、当該手術を実施する他の病院である保険医療機関(歯科診療を行うものを除く。)
に入院中の患者又は他の病院である保険医療機関若しくは同一の病院である保険医療機関に入院中の患者以外の患者に対し
て、歯科医師が口腔機能の管理を行い、かつ、当該管理内容に係る情報を文書により提供した場合には、当該 患者につき、手
術前は1回に限り、手術後は手術を行った日の属する月から起算して3月以内において、計3回に限り算定できる。
2 周術期口腔機能管理料(Ⅰ)を算定した月において、区分番号B000-4に掲げる歯科疾患管理料、区分番号B000-8に
掲げる周術期口腔機能管理料(Ⅲ)、区分番号B002に掲げる歯科特定疾患療養管理料、区分番号B004-6に掲げる歯科治
療総合医療管理料、区分番号B006-3-2に掲げるがん治療連携指導料、区分番号B006-3-3に掲げるがん治療連携管
理料、区分番号C001-3に掲げる歯科疾患在宅療養管理料、区分番号C001-4に掲げる在宅患者歯科治療総合医療管理
料及び区分番号N002に掲げる歯科矯正管理料は算定できない。
平成24年4月 20 日付
歯科診療報酬点数表関係 疑義解釈(抜粋)
機械的歯面清掃処置
問7 機械的歯面清掃処置は同一初診期間中に歯科疾患管理料又は歯科疾患在宅療養管理料を算定していれば、当月に当
該管理料の算定がなくても当該処置を算定しても差し支えないか。
答 差し支えない。
3)
術後フォローアップの依頼があった場合
術後在宅通院にて化学/放射線療法を実施する患者の術後フォローアップ依頼があった場合には、化
学/放射線療法開始月より周管(Ⅲ)の算定が可能です。ただし周管(Ⅲ)は周管(Ⅰ)及び(Ⅱ)との同月算
定は不可です。
術後 3 カ月以内であれば周管(Ⅰ)の算定は可能ですから、病院で周管(Ⅱ)算定後退院し化学/放射線
療法を行っている患者に同月周術期管理を行った際には周管(Ⅰ)を算定してください。
化学/放射線療法施行中は周管(Ⅲ)の算定が可能です。
周管(Ⅲ)算定後は翌月から歯管算定が可能なのは周管(Ⅱ)の場合と同様ですが、退院後歯科治療
の項目の注意をお読みください。
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Ⅲ)保険点数算定の実例
1)
手術単独、病院歯科にて抜歯後歯周病管理を歯科医院に依頼、退院
後も歯科治療を行うケース
6月2日
初診
周術期管理計画策定料 300 点
Per 抜歯 150 点×2
処方他点数省略
診療情報提供料(Ⅰ)250 点
6月4日
初診 234 点
周管(Ⅰ)(術前) 280 点
パノラマ X 線・P 基本検査 点数省略
6月9日
再診 45 点
スケーリング 点数略
病院歯科
6 月 10 日
再診 45 点
実地指 80 点
診療情報提供料(Ⅰ) 250 点
6 月 12 日
入院・同日病院歯科受診
再診
周管(Ⅱ)(術前) 500 点
周術期専門的口腔衛生処置 80 点
6 月 13 日
手術
歯科医院
6 月 16 日
病室往診
再診
周管(Ⅱ)(術後)300 点
周術期専門的口腔衛生処置 80 点
6 月 20 日
退院
再診
診療情報提供料 0 点
7月
周管(Ⅰ)(術後) 190 点
実地指・他
(同月同一医療機関向け 2 回目なので算定無し)
8月
周管(Ⅰ)(術後) 190 点
実地指他
手術後 3 カ月(6月、7
9月
歯管 110 点
月、8月)を超えている
ので歯管に戻ります
10 月
歯管 110 点
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2)
手術後一時退院、再度入院して放射線治療を行うケース
6月2日
初診
周術期管理計画策定料 300 点
診療情報提供料(Ⅰ)250 点
6月4日
初診 234 点
周管(Ⅰ)(術前) 280 点 他省略
6 月 12 日
入院・同日病院歯科受診
周管(Ⅱ)(術前) 500 点
周術期専門的口腔衛生処置 80 点
歯科医院
6 月 13 日
手術
6 月 16 日
再診
周管(Ⅱ)(術後)300 点
周術期専門的口腔衛生処置 80 点
6 月 20 日 退院
6 月 30 日
周管(Ⅰ)(術後) 190 点
※術後の周管の算定なので 6 月 2 回目でも算定可
能です。
7 月 20 日
放射線治療のため再入院
7月
周管(Ⅰ)(術後) 190 点
※同月周管(Ⅰ)算定済みのため周管(Ⅲ)算定でき
ず
8月
周管(Ⅲ)190 点
8 月 20 日放射線治療終了・退院
9月
歯管 110 点
病院歯科
手術後 3 月経過しているので
歯管に移行します。
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3)
手術後通院にて抗がん剤治療を行うケース
6月2日
初診
周術期管理計画策定料 300 点
診療情報提供料(Ⅰ)250 点
6月4日
初診 234 点
周管(Ⅰ)(術前) 280 点 他省略
6 月 12 日
入院・同日病院歯科受診
周管(Ⅱ)(術前) 500 点
周術期専門的口腔衛生処置 80 点
歯科医院
6 月 13 日
手術
6 月 16 日
再診
周管(Ⅱ)(術前)300 点
周術期専門的口腔衛生処置 80 点
6 月 20 日 退院
6 月 30 日
周管(Ⅰ)(術後) 190 点
7 月 10 日
周管(Ⅰ)(術後) 190 点
病院歯科
8月
周管(Ⅲ) 190 点
7 月 20 日より在宅で抗がん剤
治療開始
周管(Ⅲ)の算定は化学療法開
始月以降である事が必要
要件を満たしていれば周管(Ⅰ)
の算定も可能です
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4) もともとかかりつけ医であった歯科医院へ依頼があったケース
4月
歯管 110 点
パノラマ X 線・P 基本検査 点数省略
6月2日
初診
周術期管理計画策定料 300 点
診療情報提供料(Ⅰ)250 点
6月4日
再診 45 点
歯管から再診でも算定→ 周管(Ⅰ)(術前)
280 点
他 点数略
病院歯科
6 月 10 日
再診 45 点
実地指 80 点
診療情報提供料(Ⅰ) 250 点
6 月 12 日
入院・同日病院歯科受診
再診
周管(Ⅱ) 500 点
周術期専門的口腔衛生処置 80 点
6 月 13 日
手術
6 月 16 日
病室往診
再診
周管(Ⅱ)300 点
周術期専門的口腔衛生処置 80 点
歯科医院
6 月 20 日
退院
再診
診療情報提供料 0 点
7月
周管(Ⅰ) 190 点
実地指・他
(同月同一医療機関向け 2 回目なので算定無し)
8月
周管(Ⅰ) 190 点
実地指他
手術後 3 カ月以上で歯管
9月
歯管 110 点
機械的歯面清掃 80 点
に戻るので、機械的歯面清
掃が算定できます
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5) 病院歯科より周計を算定せずに紹介されたケース
6月2日
初診
他点数省略
診療情報提供料(Ⅰ)250 点
周計策定から歯科医院へ依頼
6月4日
初診 234 点
周術期管理計画策定料 300 点
パノラマ X 線・P 基本検査 点数省略
6月9日
再診 45 点
周管(Ⅰ) 280 点
スケーリング 点数略
病院歯科
6 月 10 日
再診 45 点
実地指 80 点
診療情報提供料(Ⅰ) 250 点
6 月 12 日
入院・同日病院歯科受診
再診
周管(Ⅱ) 500 点
周術期専門的口腔衛生処置 80 点
6 月 13 日
手術
入院中の管理を病院歯科へ依頼
6 月 16 日
病室往診
再診
周管(Ⅱ)300 点
周術期専門的口腔衛生処置 80 点
管理計画書の写しの添付が必須
歯科医院
6 月 20 日
退院
再診
診療情報提供料 0 点
7月
周管(Ⅰ) 190 点
実地指・他
(同月同一医療機関向け 2 回目なので算定無し)
8月
周管(Ⅰ) 190 点
実地指 他
手術後 3 カ月(6月、7
9月
歯管 110 点
月、8月)を超えている
ので歯管に戻ります
10 月
歯管 110 点
30
6) 術前は病院歯科にて周術期管理し、退院後歯科医院でフォローするケース
6月2日
初診
周術期管理計画策定料 300 点
周管(Ⅰ) 280 点
病院歯科
6 月 12 日
入院・同日病院歯科受診
再診
周管(Ⅱ) 500 点
周術期専門的口腔衛生処置 80 点
歯科医院
6 月 13 日
手術
6 月 16 日
病室往診
再診
周管(Ⅱ)300 点
周術期専門的口腔衛生処置 80 点
6 月 20 日
退院
再診
診療情報提供料(Ⅰ) 250 点
退院後のフォローを歯科医院へ依頼
7月
初診 234 点
周管(Ⅰ) 190 点
パノラマ X 線・P 基本検査 他点数略
8月
周管(Ⅰ) 190 点
他
手術後 3 カ月(6月、7
9月
歯管 110 点
月、8月)を超えている
ので歯管に戻ります
10 月
歯管 110 点
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尼崎市病診連携協力歯科医会プロトコル 平成 26 年度版
尼崎市病診連携協力歯科医会ガイドライン 平成 26 年度版
監修 岸本裕充 兵庫医科大学歯科口腔外科学講座主任教授
編 一般社団法人尼崎市歯科医師会 医療連携推進委員会
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