平成19 平成 19年度調査研究開発実施結果 19 年度調査研究開発実施結果 1 研究開発 平成19年度は、全日本トラック協会からの受託1件の外、自主研究5件 の計6件について調査研究に取り組みました。 その概要は次のとおりです。 ( 1 ) デジタルカメラによる デジタルカメラ による実況見分調書等 による 実況見分調書等に 実況見分調書等 に 係 る 作図技術の 作図技術 の 研究開発 ( 継続 ) ( 自主研究 ) 本研究は、交通事故実況見分に関わる現場の図面を、市販のデジタルカ メラを用いて作成しようとするものであり、レンズ歪み係数、焦点距離、 画面中心点などカメラ定数の算出方式を開発することができました。 また、このカメラ定数を用いて、事故現場を想定した道路を地上3~4 メートル程度の高さから俯瞰撮影した1対の写真から、点間距離を計測す る実験を行い、良好な結果を得ました。 さらに、平坦道路における斜め撮影の写真画像を、 図面と同じ感覚で見 ることのできる正射投影画像に変換する技術を開発しました。 ( 2 ) 画像処理技術を 画像処理技術 を 用 いた信号制御 いた 信号制御のための 信号制御 のための車両 のための 車両の 車両 の 位置と 位置 と 速度検知に 速度検知 に 関 する 研究 ( 継続 )( 自主研究) 自主研究 ) 本研究は、信号灯器の位置から、水平方向に設置した2台のビデオカメ ラで接近する車両を撮影し、画像処理手法を適用して車両の位置と動きを 求めるものです。 このため、実道路上における各種環境下で、接近する対象車両を正確に 追跡する手法について考案、実映像による検証を行うと共に複数台の車が 接近する場合でも1台1台を区分して追跡できる手法について実証を行 い、いずれもほぼ良好な結果を得ました。 また、計測精度を一層向上させるための手法についても検討を行いまし た。 ( 3 ) 空中画像を ( 継続 )( 自主研究) 空中画像 を 用 いた駐車調査方法 いた 駐車調査方法の 駐車調査方法 の 研究 自主研究 ) いわゆる航空写真に比べ解像度の低い衛星画像から車両を検出する手法 の検討を行いました。 車両抽出の精度を向上させるため、衛星画像自体が有する情報である色 相の違い及び明度の差異を利用して抽出処理を行った結果、80%程度の 車両抽出率を得ました。 ( 4 ) 交通事故自動記録装置( 交通事故自動記録装置 ( TAAMS)の ) の 有効活用に 有効活用 に 関 する調査研究 する 調査研究 自主研究) ( 継続 )( 自主研究 ) 既に開発したアプリケーションソフト(①自動キャプチャソフト②デー -1- タベースコントロールソフト③静止画編集ソフト④速度解析ソフト)につ いて、実用に向けた動作検証と不具合箇所の修正を行い、試験運用に備え ました。 ( 5 ) カーナビデータ新情報収集 カーナビデータ 新情報収集・ 新情報収集 ・ 提供システム 提供 システムに システム に 関 する調査研究 する 調査研究 ( 新規 ) ( 自主研究 ) 現在、デジタル交通規制データベース(KKD)の作成は、都道府県公 安委員会の意思決定資料を基に、正確を期すための現場調査を行った上で データベース化しているが、この現場調査に膨大な経費とマンパワーを要 している。また、提供情報についても今後は随時更新が主流になっていく ものと予想されます。 そこで、これらの作業をより効率的・合理的に行うために実現すべき情 報収集・提供システムについて、その具備すべき機能と問題点を明らかに しました。 ( 6 ) トラックドライバーの トラックドライバー の 事故防止に 事故防止 に 向 けた適切 けた 適切な 適切 な 情報伝達方法に 情報伝達方法 に 関 する 調査研究 ( 新規 ) ( 受託研究 ) 貨物運送事業の安全輸送に寄与することを目的に、現況の情報伝達方法 の実体や携帯電話の利用実態(ハンズフリーを含む)を把握し、これらに 関係する交通事故を防止し安全かつ効果的な情報伝達方法について調査研 究を行い、先端技術を利用した安全な情報伝達方法への切替えと法令順守 の徹底を主旨とする報告書にまとめました。 2 研究開発に 研究開発 に 係 る 事業等 平成19年度は、千葉県警察の交通管制センター更新に伴う実施設計の受 託及びワンストップサービスシステム推進警察協議会からの業務委託の外、 自主研究による6件、計8件の事業等に取り組みました。 ( 1 ) 交通管制センター ( 新規 )( 千葉県警察) 交通管制 センターの センター の 実施設計 千葉県警察 ) 平成20、21年度の2箇年における交通管制センターの移設工事につ いての実施設計( 工事仕様書 、図面及び工事積算書の作成 )を行いました 。 主な内容は次のとりです。 ○ 上位装置(C/ S 化対応)の詳細設計 ○ 交通状況表示板の詳細設計 ○ 交通管制卓の詳細設計 ○ 交通管制システムの移設工事の詳細設計 ( 2 ) デジタル交通規制 デジタル 交通規制データベース 交通規制 データベース(KKD) データベース (KKD)の (KKD) の 調査研究(KKD 調査研究 (KKDの (KKD の 更新) 更新 ) 自主研究) ( 継続 )( 自主研究 ) 従来どおり進行の可否に関する交通規制である「一方通行 」、「車両通 行禁止 」、「指定方向外進行禁止」及び「進行方向別通行区分」の基本4 -2- 規制及び信号機設置位置についてデータの更新整備を行い、これをカーナ ビゲーションメーカー等に提供しました。 これらのデータを組み込んだカーナビゲーション用地図の出荷件数は約 4,640,000 件で、前年度比約15%の増加でありました。 ( 3 ) 交差点名称データベース 交差点名称 データベース構築 データベース 構築に 構築 に 関 する調査研究 する 調査研究(KKD 調査研究 (KKDの (KKD の 更新関連) 更新関連 ) 自主研究) ( 継続 )( 自主研究 ) 本事業は、カーナビゲーションメーカー等の強い要望により、平成17 年度から開始したものであります。 平成17年度及び平成18年度新設した信号機設置交差点、約 3,500 箇 所について調査し、データベースを作成して規制データと併せて提供しま した。 なお、平成19年度末現在における調査済み交差点数は約 96,000 箇所 です。 ( 4 ) ワンストップサービスシステム( ワンストップサービスシステム ( OSS)推進警察協議会 ) 推進警察協議会からの 推進警察協議会 からの業務委託 からの 業務委託 推進警察協議会) ( 継続 )( 0SS 推進警察協議会 ) 本業務は、OSS協議会からの事務局としての委託事務である。平成19 年度も従来通り以下の事務を実施しました。 ・会員の入退会に関する事務 ・負担金の徴収、保管に関する事務 ・総会、委員会の開催等に関する事務等 なお、OSSシステムは、平成19年度末現在10都府県で導入されておりま す。 ( 5 ) 交通環境整備の 交通環境整備 の 維持管理業務( 維持管理業務 ( PHS) 本業務は、信号機柱に設置した PHS 設備の保守委託をNTTドコモ、 アステル関西から委託を受けて行っていたものでありますが、平成20年 1月7日のPHSサービス終了に伴い19年度をもって終了しました。 ( 6 )VICSシステム )VICS システムに システム に 関 する調査研究 する 調査研究(VICS 調査研究 (VICSリンクデータベース (VICS リンクデータベースの リンクデータベース の 更新) (継続 自主研究) 更新 ) ( 継続 )( 自主研究 ) VICSリンクは、都道府県警察及び道路管理者が道路交通情報をオン ラインで提供する場合、交通渋滞や通行止め等の位置をデジタル道路地図 の上に重畳表示させるために必要な道路の区間(リンク)を参照するデー タであります。 本年度は、全国の国道、主要地方道及び都道府県警察・道路管理者が必 要と認める道路について 、約 20,000 リンクの更新を行い 、都道府県警察 、 (財)デジタル地図協会及び(財)道路交通情報通信システムセンタ-に 提供しました。 なお、平成19年度末現在におけるVICSリンク数は、約 280,000 リ -3- ンクです。 ( 7 )UTMS に 関 する調査研究 する 調査研究 ( 継続 ) ( 自主研究 ) 平成19年度は 、UTMS 協会が主催する各種研究開発委員会 、分科会 、 セミナー等に参加しました。 ( 8 ) ITSJapan に 関 する調査研究 する 調査研究( 調査研究 ( 特定非営利活動法人 ITS Japan に 対 する 協力) (継続 協力 ) ( 継続) 継続 ) 当協会は、 ITS Japan が掲げる目的に賛同し発起人として発足に寄与す ると共に、理事団体として運営に協力、支援を行っております。 平成19年度は、毎月開催される幹事会に出席してセカンドステージを 迎えた ITS の発展普及に向けた ITS Japan が行う各種活動に参画すると 共に環境 ITS プロジェクトに協賛、支援を行いました。 また、中華人民共和国北京市で開催された 、「第14回 ITS 世界会議北 京2007」に参加し世界の ITS の取り組みについて情報の収集を行いま した。 3 海外協力 平成18年度から始まった独立行政法人国際協力機構(JICA)による 開発援助プロジェクトについて 、(株)アルメック及び(株)メッツ研究所 の両者に対し 、「業務協力」という形で交通管理技術に関する支援事業を行 っており、平成19年度は、その第2年度にあたります。 ( 1 ) ベトナム国 ベトナム 国 ハノイ市交通安全人材育成 ハノイ 市交通安全人材育成プロジェクト 市交通安全人材育成 プロジェクト ( 株 )( アルメック) アルメック ) 本プロジェクトは「交通安全に携わる職員(警察、公共事業局)の人材 育成を図りながらハノイ市において、交通規則に則った整然且つ安全な道 路空間が実現され、この成果がベトナム国全土に普及される 。」ことを事 業目的としております。 当協会から4名が計 12 回、延べ 234 日間に渡って現地に赴きこのプロ ジェクトに参画し、主に「交通指導取締り 」、「交通事故分析 」、「交通管 制技術」についてモデル地区を定めて指導を行い、高い評価を得ました。 ( 2 ) カンボジア国 カンボジア 国 プノンペン市都市交通改善 プノンペン 市都市交通改善プロジェクト 市都市交通改善 プロジェクト (株) ( メッツ研究所 メッツ 研究所 ) 本プロジェクトは「急速な経済成長による車両の増加に伴い、交通事情 が年々悪化し交通事故も多発傾向にあることから、これらに対処するため の「 交通規制( 技術 )」 「 交通広報 」 「 交通指導取締り 」の技術指導を行い 、 担当者の人材育成を図ると共に、各担当部署が協力して交通管理を行うこ とにより、交通ルールや交通モラルの徹底を市民に浸透させ、もって交通 -4- の安全と円滑を図る」ことを目的としております。 当協会から3名が計 10 回、延べ 202 日に渡って現地に赴き活動しまし た。主な任務は「交通管制 」「交通指導取締り」及び「交通事故分析」で ありますが 、「交通規制 」「交差点改良 」「運転者教育 」「交通広報」につ いても、当協会員の知識を生かして助言するなど、高い評価を得ました。 ( 3 ) アラブ首長国連邦 アラブ 首長国連邦アブダビ 首長国連邦 アブダビの アブダビ の 新交通管理システム 新交通管理 システム事前調査 システム 事前調査 アブダビに新交通管理システムを導入したいとのアブダビ警察の招聘に よって、本年2月、当協会から4名がアブダビに赴き交通事情を調査しま した。 その結果を「アブダビ総合交通管理システムの構築について」として報 告書にまとめ、 4 月初旬、アブダビ警察に提出しました。 -5-
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