17.ガラス 17.ガラス 17.ガラス 17.ガラス

17.ガラス
17.ガラス
ƒ 特徴
ƒ 定義
ƒ 結晶を析出することなく溶融体が冷却固化した無機物
ƒ 歴史
ƒ 太古
ƒ ローマ時代
ƒ 1876年
1876年
ƒ 明治末期
天然黒曜石から石刃
建築へのガラス使用
工部省品川硝子製作所
失敗
旭硝子尼崎工場(ベルギーよりの輸入設備
初の国産品製造
ƒ
ƒ
ƒ
ƒ
ƒ
ƒ
ƒ
ƒ
ƒ
ƒ
ƒ
ƒ
ƒ
無限に大きい粘性を持った液体
均質等方性材料
結晶粒の界面が存在しない
高い透光性(可視光:0.3
∼2.7μ
高い透光性(可視光:0.3∼
2.7μmの波長を透過)
高い透視性(表面を平行・平滑)
高透光性・低透視性(表面を粗)
微量の金属類添加→着色→光の吸収率制御
表面に金属・金属酸化物の膜→光の反射率を制御
線形弾性体・脆性材料
理論強度(Si
29420N/mm2
理論強度(Si--Oの結合力)
実用強度(表面の微小な傷→応力集中)
49∼
49∼98N/mm2
強度のばらつき大(傷の大きさ・方向・分布が不均一)
強度設計値:1/1000
の破壊確率となる値
強度設計値:1/1000の破壊確率となる値
17.ガラス
17.ガラス
ƒ 化学成分による分類
ƒ 化学成分
種類
ƒ ソーダ石灰ガラス(クラウンガラス)
主成分
SiO2
Al2O3
CaO
MgO
Na2O
割合
70∼
70∼74%
0∼2%
6∼12%
0∼4%
12∼
12∼16%
ƒ B2O3
ƒ Al2O3
ƒ K2O、PbO
ƒ アルカリ
→化学的安定度・不溶性増加、熱膨張係数減少
→耐食性増加
→屈折率増加
→熱膨張係数増加
性質
用途
ソーダ石灰ガラス(クラウンガラス)
一般的
建築用板ガラス
ソーダ石灰アルミナガラス
強さ・不溶性大
ビールびん
カリ石灰ガラス(ボヘミアガラス)
耐食性・硬さ大
化学器具、ステンドグラス
食器
カリ鉛ガラス
(フリントガラス、クリスタルガラス)
密度・屈折率大
高級食器、光学ガラス
ホウ酸クラウンガラス
(パイレックスガラス)
耐食性大、熱膨張小 理化学器具
ホウ酸フリントガラス
耐食性大、熱膨張小
理化学器具
屈折率大
石英ガラス
熱膨張係数極小
高融点、耐熱性大
理化学器具
1
17.ガラス
ƒ 製造法
17.ガラス
ƒ 製造法
ƒ 表面加工
ƒ 調合・溶融
ƒ 成形
ƒ フロート板ガラス
ƒ 溶融ガラスを溶融金属(すず)の上に浮かべて製板
ƒ 型板ガラス
種類
サンドブラスト
エッチング
サンドブラスト(彫り込み)→フッ化水素酸による表面腐食→滑らか
フロスト加工
サンドブラスト(粗面)→フッ化水素酸により半透明
彫刻刀で彫ったようなV
彫刻刀で彫ったようなV字型溝(ガラスを何枚も断積みしたような視
覚効果)
ƒ 溶融ガラスをロール製板機(下ロール:彫刻模様)に通し、ガラス表
面に模様付け
ƒ 徐冷・熱処理
ƒ 徐冷
方法
金剛砂吹き付け→粗面・彫り込み
Vカット
シルク印刷
シルク板による印刷
セラミックプリント セラミックインクをシルクスクリーン印刷→焼き付け
ƒ 製品内部の弾性ひずみ除去
ƒ 熱処理(強化加工)
ƒ 徐冷→
∼700℃
徐冷→再加熱(軟化点付近:650
再加熱(軟化点付近:650∼
700℃)→急冷(表面:圧縮
100N/mm2、内部:引張)
ƒ 耐衝撃強度・曲げ強度3
3
∼
5
倍
耐衝撃強度・曲げ強度
ƒ 破片は粒状
シート貼り
カッティングシート貼り
薄膜加工
金属・金属酸化物等の反射性薄膜をコーティング
・熱分解法(スプレー焼き付け、浸漬塗布焼き付け)
・金属イオン移動法
・化学めっき法
・真空法(真空蒸着法、スパッタリング法:微量の特殊ガス→電圧)
17.ガラス
ƒ 製造法
ƒ 切断
ƒ カッター
ダイヤモンドカッターで割れ目→折る
ƒ ダイヤモンドソウ
ダイヤモンド埋め込みグラインダーで削り取る
ƒ サンドブラスト
金剛砂を圧縮空気で吹き付け
ƒ ウォータージェット
金剛砂混入水を拘束で吹き付け
ƒ エッジ加工
ƒ ガラスの切り口を研磨・研削
ƒ エッジ露出使用時の化粧目的・危険除去
ƒ 強度低下の防止
ƒ 曲げ加工
ƒ 軟化温度付近まで加熱→型に沿って折り曲げ
ƒ 合わせ加工
ƒ 2枚の板ガラスの間に強靱な樹脂中間膜を挿入
ƒ 破片の飛散防止、衝撃物の貫通防止
17.ガラス
ƒ 遮熱性
ƒ フロート板ガラス
ƒ
ƒ
ƒ
ƒ
ƒ
ƒ 日射:100
、直接透過:79.4
79.4、反射:
、反射:7.3
7.3、吸収:
、吸収:13.3
13.3
日射:100、直接透過:
ƒ 再放熱(
再放熱(内):4.6、再放熱
4.6、再放熱((外):8.7
熱線反射ガラス(日射透過率を減少)
ƒ 日射:100
、直接透過:26.2
26.2、反射:
、反射:16.7
16.7、吸収:
、吸収:57.1
57.1
日射:100、直接透過:
ƒ 再放熱(
再放熱(内):17.4、再放熱
17.4、再放熱((外):39.7
熱線反射複層ガラス
ƒ 日射:100
、直接透過:51.3
51.3、反射:
、反射:28.6
28.6、吸収:
、吸収:20.1
20.1
日射:100、直接透過:
ƒ 再放熱(
再放熱(内):6.7、再放熱
6.7、再放熱((外):13.4
高性能熱線反射複層ガラス
ƒ 日射:100
、直接透過:5.4
5.4、反射:
、反射:36.2
36.2、吸収:
、吸収:58.4
58.4
日射:100、直接透過:
ƒ 再放熱(
再放熱(内):9.6、再放熱
9.6、再放熱((外):48.8
高断熱複層ガラス(室内側の熱抵抗を増大)
ƒ 日射:100
、直接透過:21.7
21.7、反射:
、反射:17.3
17.3、吸収:
、吸収:61.1
61.1
日射:100、直接透過:
ƒ 再放熱(
再放熱(内):13.2、再放熱
13.2、再放熱((外):47.8
遮熱高断熱複層ガラス
ƒ 日射:100
、直接透過:23.6
23.6、反射:
、反射:21.3
21.3、吸収:
、吸収:55.1
55.1
日射:100、直接透過:
ƒ 再放熱(
再放熱(内):7.4、再放熱
7.4、再放熱((外):47.7
2
ƒ 製品
17.ガラス
ƒ 表面処理
ƒ 一次製品
種類
性質
フロート板ガラス 高精度な平滑平面
すり板ガラス
プライバシーの確保と採光性
装飾性、プライバシーの確保、光と
型板ガラス
影
用途
一般建築の内外装
間仕切・建具、住宅の窓
窓、建具、間仕切、浴室、洗面所
防火戸、危険物を扱う建築物、展
防火性・耐火性、盗難防止、飛散防
望用エレベーターのかご、アー
止
ケード
線入り板ガラス 盗難防止、飛散防止
一般建築、店舗、住宅
柔らかく均一な採光、防火性・耐火
工場・倉庫・体育館の屋根・天窓、
網入り波形ガラス 性、安全性(波形)、経済性(外枠・
住宅のテラス、アーケード
桟不要)
鉄・ニッケル・コバルト含有で着色
住宅から高層建築、家具、間仕切、
熱線吸収板ガラス 日射熱のコントロール、デザイン性、
インテリア、自動車
防眩性、プライバシーの確保
網入り板ガラス
ƒ 製品
合わせガラス
種類
性質
用途
表面に金属酸化物焼付け
住宅から高層建築
熱線反射板ガラス 日射熱の遮断、デザイン性・ハーフミラ
ガラススクリーン
ー性、プライバシー確保、適度な照度
ホテル、レストラン、ブティック、
カラーガラス
板ガラス片面に塗料焼付け
オフィス、住宅の内装
エッチングガラス
住宅・オフィス・ホテルの内外装
和紙調フィルムを表面に密着
和紙調ガラス
障子・スクリーン、採光窓、壁面
装飾性、飛散防止
ƒ 強化処理
種類
性質
強化ガラス
曲面強化ガラス
色焼付ガラス
用途
階段まわりのフェンス、エスカ
レーターの腰板、浴室間仕切り
住宅、店舗
高強度、安全性、耐熱性
装飾性(昼:透明、夜:鏡)、安全性
片面にセラミック塗料を高温で焼付け
一般建築物の外装、カウンター
デザイン性、耐久性、強度、安全性
17.ガラス
17.ガラス
ƒ 製品
ƒ 合わせ加工
種類
17.ガラス
ƒ 製品
性質
安全性、盗難防止、着色可能
用途
トップライト、屋根、浴室間仕切、ベ
ランダフェンス、ショーウィンド
導電性金属(ニッケル)メッキポ
リエステルネットを無色透明の2
枚の中間膜で挟み込んだ合わ
電磁波シールドガラス
せガラス
電磁波シールド、透視性・採光
性、帯電防止性、安全性
装飾用合わせガラス
強化合わせガラス
和紙調合わせガラス
立体映像ガラス
レインボーホログラム
ƒ 複層加工
種類
性質
ガラスとガラスの間に空気
断熱複層ガラス 層を密封
断熱性、結露防止、防音性
室内側のガラスに金属膜を
高断熱複層ガラス コーティング
断熱性、結露防止、防音性
用途
冷暖房不可の大きな建物、温
湿度の厳密な調整を必要とす
る建物
冷暖房不可の大きな建物、温
湿度の厳密な調整を必要とす
る建物
天井照明カバー、ステンドグラス、
レストランの光壁、住宅の間仕切り
防弾・防犯、金融機関、水族館の
水槽、ガラスの床・階段、猛獣の檻
住宅・店舗・ホテルの内外装
店舗ディスプレイ、スタジオ
3
18.プラスティック
18.プラスティック
ƒ 特徴
ƒ
ƒ
ƒ
ƒ
ƒ
ƒ
ƒ
ƒ 熱可塑性樹脂
成形が比較的簡単
軽量
電気絶縁性が良好
耐薬品性が良好
熱膨張率が大
透明性・着色性・つやがよい
耐熱性に劣る
ƒ 線状分子構造の高分子化合物
ƒ 加熱により軟化・溶融し、冷却により固化するが、
何ら化学的変化を起こさない
ƒ 熱硬化性樹脂
ƒ 三次元網状構造の低分子化合物
ƒ 加熱により分子間結合を生じ、重合度が増加し
硬化するが、硬化後は再度加熱しても可塑化し
ない
ƒ 用途
ƒ 成形品、接着剤、塗料、繊維
18.プラスティック
18.プラスティック
ƒ 熱可塑性樹脂
種類
ポリエチレン
樹脂
長所
ƒ 熱可塑性樹脂
短所
耐水性、耐薬品
接着性
性、電気絶縁性
用途
フィルム、ルーフィング、パ
イプ
ポリプロピレン 耐薬品性、強度、 耐直射日
高融点、軽量
光、接着性
樹脂
種類
長所
短所
軽量、強靱、無色透明、着
メタクリル樹脂
色性、耐候性、耐水性
スチレン樹脂
透明性、強度、耐水性、絶
縁性、成形性、多孔質化
用途
採光板
耐衝撃性 フィルム、採光板
塩化ビニル樹
脂
難燃性、耐薬品
性、電気絶縁
性、耐有機溶剤
フィルム、ルーフィング、床
用タイル・シート、化粧板、
パイプ、塗料
耐衝撃性、強靱、耐摩耗
ポリアミド樹脂 性、耐薬品性、耐溶剤性、
耐油性、振動吸収性、軽量
酢酸ビニル樹
脂
耐候性、他の樹
耐水性
脂との相溶性
塗料、接着剤
フッ素樹脂
耐熱性、耐薬品性、電気絶
成形性
縁性、非粘着性、低摩擦性
ポリカーボ
ネート樹脂
耐熱性、耐老化性、耐衝撃
性、透明性
フィルム
採光板
1
19.ゴム
19.ゴム
ƒ 合成ゴム
ƒ 天然ゴム
ƒ 良好な弾性特性
ƒ 空気・光・紫外線による老化(変色、脆化)
ƒ 用途
ƒ 床用タイル・シート、接着剤、セメント用混和剤
用途
自動車タイヤ、床用
スチレンブタ
タイル・シート、塗料、
耐老化性、耐熱
ジエンゴム
低弾性 接着剤、シーリング
(合成ゴムの 性、耐摩耗性
材、塗膜防水材、セ
80%)
80%)
メント用混和剤
用途:ルーフィング、
耐油性、耐熱性、
防振ゴム、窓枠ゴム、
耐薬品性、耐候
クロロプレン
塗料、接着剤、シー
性、耐オゾン性、
ゴム
リング材、塗膜防水
(最良の接着剤
材、セメント用混和
ベース)
剤
種類
長所
短所
19.ゴム
ƒ 合成ゴム
用途
ルーフィング、
窓枠ゴム、塗
ブチルゴム
料、接着剤、
シーリング材
シーリング材、
ポリウレタン 耐摩耗性、引裂 耐熱性、耐日
塗床材、塗膜
強度、多孔質化 光性
ゴム
防水材
防振ゴム、電
気絶縁用、塗
シリコンゴム 耐熱性
料、接着剤、
シーリング材
種類
短所
長所
低透気性、耐日
光性、耐酸化性、
耐有機溶剤性
耐酸性、耐アル
カリ性
1
18.プラスティック
ƒ 熱硬化性樹脂
種類
フェノール樹脂
メラミン樹脂
不飽和ポリエステ
ル樹脂
用途
長所
電気絶縁性、強
FRP、塗料、接着剤
度、寸法安定性
表面硬度、耐薬
品性、寸法安定 化粧板、塗料、接着剤
性
フィルム、化粧板、
FRP、採光板、塗料、
強度、耐熱性、
接着剤、塗床材、塗膜
耐薬品性
防水材、防食ライニン
グ材
18.プラスティック
ƒ 熱硬化性樹脂
用途
FRP、塗料、接着剤、
接着性、寸法安定性、
塗床材、塗膜防水材、
エポキシ樹脂 耐水性、耐薬品性、電
防食ライニング材、セ
気絶縁性
メント用混和剤
電気絶縁性、弾力性、
ポリウレタン
塗料、接着剤、塗床
強靱、耐摩耗性、(熱
樹脂
材、塗膜防水材
可塑性・熱硬化性)
耐熱性、耐寒性、耐候
シリコン
性、耐水性、化学的不
活性、電気絶縁性
種類
長所
2
20.アスファルト
20.アスファルト
ƒ 石油アスファルト
ƒ 定義
物性値
性質
ƒ 天然産または原油の蒸留によって得る黒ないし暗褐色の
瀝青を主体とする膠着材で、固体または半固体のもの
ƒ 組成
体膨張係数 約6×10-4/℃
比熱
約0.5cal/g・℃
0.5cal/g・℃
熱伝導係数 0.13~
0.13~0.15kcal/m・
0.15kcal/m・h・℃
ƒ 炭化水素(脂肪族炭化水素、ナフテン族炭化水素、芳香
族炭化水素)
ƒ 用途
ƒ 防水用
ƒ ルーフィング用原料、張付け材
ƒ マスチック(瀝青物質に石綿・石粉・鉱油・砂などを練り混ぜた粘
着性物質)
ƒ 舗装用
ƒ アスファルトコンクリート(石粉、砂、砕石を混合)
電気抵抗
1012~1015Ω以上
透水係数
4~9×10-9g/cm・
g/cm・h・mmHg
耐候性
紫外線→酸化・重合→光沢喪失、針入度の低下、接着性の
減少、脆性化(しわ、亀裂、剥離)
耐薬品性
Ca(OH)2→変色(灰白色、チョコレート色)、物性の変化なし
高温の強アルカリ水溶液(KOH
、NaOH)→劣化
高温の強アルカリ水溶液(KOH、
NaOH)→劣化
酢酸・硝酸・濃硫酸→劣化
塩酸・乳酸・燐酸→物性の変化なし
20.アスファルト
ƒ ポリマー改質アスファルト
ƒ 改質点
ƒ
ƒ
ƒ
ƒ
高温時のだれ減少
低温時の柔軟性増大
接着性の向上
ゴム的弾性の付与
→高温時の流動変形防止
→ひび割れ追従性・柔軟性向上
→防水層の一体化
→復元性の改良
ƒ 用法
ƒ 加熱溶融→液状化(プライマー:下地への付着性を調整するた
めの下塗用液状物)
ƒ 溶剤に溶解
ƒ 水中に乳化・分散(マスチックのバインダー)
1