∼街と星空の共存を目指して∼ 星空公団 デジカメ星空診断とカメラの特性 星空公団 小野間史樹 平成27年度 天体画像教育利用ワークショップ (2016.3.20) ∼街と星空の共存を目指して∼ 星空公団 「夜空の明るさ」とは ∼街と星空の共存を目指して∼ 照明と大気散乱 星空公団 照明光が大気中の水蒸気・ エアロゾルに散乱されてい るのが夜空の明るさ 夜空が明るいのは 「光害」の一部 「地域照明環境計画策定マニュアル」より ∼街と星空の共存を目指して∼ 明るさを測る単位 星空公団 • カンデラ毎平方メートル(cd/m2) ü 国際単位系(SI)のひとつ ü 照明分野で多く使われる • 等級/□ (magnitude/arcsec2) ü 単位平方秒あたりの等級 ü 天文学で多く使われる β α 【平方度】 中心から角度αとβで区切られた角度の面積. 中心からの距離が変わっても平方度は変わらない. ∼街と星空の共存を目指して∼ 夜空の明るさ比較 星空公団 原因 明るさ 薄明 (日没後30分) +15等級/□ 満月の夜空 +18等級/□ 黄道光 (太陽から90 の位置) +22等級/□ 大気光 +23等級/□ 人工光 +15等級/□ ∼+22等級/□ 夜空の明るさからわかること ∼街と星空の共存を目指して∼ 星空公団 日本の夜空が今どういう環境にあるかを,星空公 団が調査した結果を中心に紹介します • 地域分布 • 時間変化 • 街明かりとの比較 • 長期観測 どうしたら無駄な光を減らせるかの ヒントに ∼街と星空の共存を目指して∼ 静岡県西部での調査例 星空公団 静岡県西部における夜空の明るさの時間変化(2008年3月8日∼9日) Luminance (mag/arcsec2) 16 市街地 (浜松市中区・西遠女子学園) 17 住宅街 (浜松市浜北区内野台) 18 郊外 (磐田市上野部) 19 20 郊外 (浜松市北区都田町) 18 20 22 00 Local Time 02 ・土地利用状況によってカーブの形が変わる ・照明などによる夜空の明るさへの影響がわかる 04 甲府盆地の市街光の明るさ Sky Brightness (mag/arcsec2) 17.0 ・街明かりは日によっ てあまり変わらない 18.0 18.5 ・夜景を同時撮影でき る場所が必要 19.0 19 20 21 22 23 00 01 02 03 04 05 Local Time (JST) Artificial Light (Count) 1000 500 200 100 星空公団 ・街明かりと夜空の明 るさの関係がわかった 17.5 19.5 ∼街と星空の共存を目指して∼ 19 20 21 22 23 00 01 Local Time (JST) 02 03 04 05 人口と夜空の明るさ Light pollution in southern Ontario, Richard L. Berry, 1976 ∼街と星空の共存を目指して∼ 星空公団 The effects of urban lighting on the brightness of the night sky, Merle F. Walker, 1977 ∼街と星空の共存を目指して∼ 三が日効果 星空公団 夜空の明るさ [等級/□ ] 16.0 16.5 東京都墨田区 17.0 17.5 18.0 山梨県甲府市 18.5 19.0 11/01 12/01 01/01 02/01 03/01 測定日 ・正月三が日は夜空が暗い ・夜空の明るさは経済活動と関係があるのでは? 04/01 東京都内の夜空の明るさ定点測定 測定範囲(15 ) ∼街と星空の共存を目指して∼ 星空公団 東京都墨田区において夜空 の明るさを継続的に測定中 震災前の撮影画像 2011年3月4日20:00 [JST] 高度90 (天頂) [測定場所] 「ユートリヤ」 すみだ生涯学習センター (東京都墨田区) [測定時刻] 2011年10月∼ 夕方18時より翌朝6時まで 10分おきに測定 震災後の撮影画像 2011年4月4日20:00 [JST] 120 100 80 60 16.1 明るさが 約40%減少 20:00 0 16.9 0:00 2011年3月11日 Relative Brightness とは 2011年2月を基準とした相対的 な明るさ 01-Nov-2010 01-Dec-2010 16.3 16.5 22:00 40 20 星空公団 01-Jan-2011 01-Feb-2011 01-Mar-2011 17.3 18.0 01-Apr-2011 01-May-2011 20時の夜空の明るさは,震災前の2011年2月と比較し て約40%に減少 計画停電等が行われていない時間帯の変化であることか ら,節電による夜空の明るさの変化ではないか? 01-Jun-2011 Brightness of Night Sky [mag/arcsec2] Relative Brightness of Night Sky [%] 震災後に夜空の明るさが40 %程度減少 ∼街と星空の共存を目指して∼ 東京電力のデータとの比較 ∼街と星空の共存を目指して∼ 星空公団 万W 年 消費電力の変化の様子と墨田区の夜空の明るさの関係 (○…21時の夜空の明るさ、△…0時の夜空の明るさ) ※消費電力は東京電力から提供頂いたデータを使用 ・消費電力の減少と夜空の明るさが減少が同時期に見られる ・夜空の明るさと消費電力ともに段々と増加している 山梨県立科学館の定常観測カメラ ∼街と星空の共存を目指して∼ 星空公団 2009年10月より,夜空の明るさと市街光を 定常観測するカメラを設置している 2011年12月10日皆既月食 月食前 (2011/12/10 21:30:45) ∼街と星空の共存を目指して∼ 星空公団 皆既月食中 (2011/12/10 23:35:06) ∼街と星空の共存を目指して∼ 2011年12月10日皆既月食 星空公団 夜空の明るさ [等級/□ ] 15.0 2011年12月10日∼11日(皆既月食時) 15.5 2011年11月25日∼26日(新月時) 16.0 16.5 皆既食の始まり 23:05.7 半影食の始まり 20:31.8 17.0 皆既食の終わり 23:58.0 部分食の始まり 21:45.4 半影食の終わり 部分食の終わり 02:31.7 17.5 01:18.3 18.0 18.5 19.0 18 19 20 21 22 23 00 測定時刻 01 ・月食による明るさ変化は2.5等級/□ ・街明かりの影響で月食の時の明るさもかわる 02 03 04 05 06 ライトダウン時の夜空の明るさ 17.8 Sky Brightness (mag/arcsec2) 18.0 ∼街と星空の共存を目指して∼ 星空公団 • 大気の状態による 日々変化あり 明るさに日々変化あり • ライトダウン当日に は特徴的な変化が見 られている 18.2 18.4 • 11月3日21時以降に は月の影響により明 月の影響 るくなる傾向 18.6 18.8 19.0 2012-11-3 2012-11-7 2012-11-9 2012-11-10 19.2 19.4 18:00 19:00 20:00 21:00 Local Time (JST) 22:00 23:00 ライトダウンの効果を 確認するため,日々の オフセットを取り除く (次頁) 他の日との時間変化の比較 ∼街と星空の共存を目指して∼ 星空公団 −0.1 • 18時を基準として時間 変化を比較 0.0 Sky Brightness (mag/arcsec2) 0.1 • ライトダウン実施日はお おむね一致 0.2 0.3 0.4 • ライトダウン実施日 (11/3)は20時前までの 時間変化も急である 約0.3等 =75% 0.5 0.6 0.7 • ライトダウンによる夜空 への効果は約0.3等程度 2012-11-3 2012-11-7 2012-11-9 2012-11-10 0.8 0.9 1.0 18:00 19:00 20:00 21:00 Local Time (JST) 22:00 23:00 • 約25%の明るさ変化 ∼街と星空の共存を目指して∼ 星空公団 夜空の明るさを測る 夜空の明るさ測定方法の比較 ∼街と星空の共存を目指して∼ 星空公団 冷却CCD デジタル一眼 カメラ Sky Quality Meter-LE 双眼鏡による 観察 測定方法 ◎ 比測定 ◎ 比測定 ○ 絶対値測定 ○ 絶対値測定 視野角 ◎ 0.1 以下 ◎ 0.1 以下 約20 ◎ 0.1 以下 測定次元 ◎ 2次元画像 ◎ 2次元画像 △ 1点測定 ◎ 2次元画像 コスト △ ¥150,000∼ ○ ¥50,000∼ ○ ¥40,000 ◎ ¥10,000∼ 自動測定 ○ 可能だが複雑 ◎ 可能 ◎ 可能 不可 特徴 天文学で一般的 な観測法 全国星空継続観察 で環境省が採用 光害の少ない地 全国星空継続観察 域向けの測定器 で20年以上実施 写真測光(冷却CCDおよびカメラ測定) ∼街と星空の共存を目指して∼ 星空公団 標準星の明るさ S 撮影した画像 背景の明るさ bk 標準星の明るさを基準に背景の明るさを測定 測定方法は「比測定」 明るさの分かっている恒星を基準 Sky Quality Meter-Lとは? ∼街と星空の共存を目指して∼ 星空公団 • 単素子のフォトダイオード(TAOS TSL237)を使用した 測定装置 • 測定値を単位立体角あたりの等級で表示 • 測光範囲は半値幅 80 (SQM)および20 (SQM-L) CIE比視感度 ∼街と星空の共存を目指して∼ 星空公団 ∼街と星空の共存を目指して∼ デジタルカメラの波長特性 星空公団 デジタルカメラの受光波長特性測定結果(Canon EOS Kiss X7) 1.1 1.0 Relative Sensitivity 0.9 0.8 Johnson V magnitude 0.7 0.6 Digital Camera G ch 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 0.0 350 400 450 500 550 600 650 Wavelength [nm] カメラのGチャンネル波長特性と波長特性とほぼ同等 測定には,RGBのうちGのみを使う 700 ∼街と星空の共存を目指して∼ SQM-Lの波長特性 星空公団 1.0 TSL237 + HOYA CM-500 (カタログ値) Relative Response 0.8 0.6 0.4 Johnson V 0.2 0.0 300 350 400 450 500 550 600 Wavelength 650 700 Johnson Vフィルタに比べ,かなり広い波長特性を持つ 光源の種類によって値がばらつく可能性あり 750 800 ∼街と星空の共存を目指して∼ 星空公団 デジカメ星空診断 デジカメ星空診断の実施 ∼街と星空の共存を目指して∼ 星空公団 調査期間: 2009年10月∼継続 調査時刻:20時30分∼22時 調査数: 1,000件以上の蓄積 ・デジカメを用いた全国調査 ・測定を自動化することで、デー タ送信と同時に結果を表示 ・2009年に実験的に実施 ・2013年以降は継続して実施中 カメラで夜空を撮影する(1) ∼街と星空の共存を目指して∼ カメラのダイヤルを 『M』に合わせます カメラの設定画面から シャッタースピード 30秒 F 5.6 ISO 800 保存形式 RAW 長秒時ノイズ低減 ON 高感度ノイズ低減 OFF に設定 星空公団 RAW設定 ∼街と星空の共存を目指して∼ 星空公団 カメラで夜空を撮影する(2) ∼街と星空の共存を目指して∼ 星空公団 フォーカスモードを MFにします 遠くの風景でピントを合わせます カメラで夜空を撮影する(3) ∼街と星空の共存を目指して∼ 星空公団 カメラを三脚にセットします. カメラは真上(天頂)に向け, 画面の長辺が東西方向に 向くようにします シャッタースピード 30秒で撮影します ∼街と星空の共存を目指して∼ 星空公団 デジカメ測光 ∼街と星空の共存を目指して∼ 写真測光の原理 星空公団 P 40 背景の明るさ bk 背景の等級Mbkは Mbk = Mref - 2.5 40 P el ix ix 撮影した画像 el 20 20 0 0 CCD Count 1000 恒星の明るさ S log10(bk / S / θ2) ただし,Mrefは基準星の等級,θはピクセルあたりの立体角 ∼街と星空の共存を目指して∼ バックグラウンドの求め方 CCD Count 1000 1) 恒星がない範囲の平均 値を求める 星空公団 2) ヒストグラムのピーク 値を求める 3) ヒストグラムをガウス フィッティングして求 める P el 20 20 0 0 1) 40 40 P el ix ix 背景の明るさ bk 20000 2) 15000 10000 3) 5000 0 0 50 100 CCD Counts 150 200 標準星のカウント値の測定 ∼街と星空の共存を目指して∼ 星空公団 恒星のカウント値 全カウント値 バックグラウン ドのカウント値 全カウント値からバックグラウンドのカウント値を 引き算して恒星のカウント値を求める ∼街と星空の共存を目指して∼ ファイル形式の変換 星空公団 RAWファイルをraw2fits.exeに ドラッグ&ドロップします G1 R G1 R G1 R G1 R G1 R G1 R B G2 B G2 B G2 B G2 B G2 B G2 G1 R G1 R G1 R 4 pixelごと G1 R G1 R G1 R B G2 B G2 B G2 分割 B G2 B G2 B G2 G1とG2 を加算 G1 +G2 G1 +G2 G1 +G2 G1 +G2 G1 +G2 G1 +G2 Gチャンネルだけのファイル(IMG_0015.CR2.g.fits) が出力されます 撮影データ読み込み ∼街と星空の共存を目指して∼ マカリ起動→「開く」→g.fitsを選択します 星空公団 撮影データの確認 画面の左から右方向へ 星が流れて写っていることを確認します ∼街と星空の共存を目指して∼ 星空公団 星図との比較 ∼街と星空の共存を目指して∼ 星図ソフトウェア(StellariumやCartes du Ciel) を使って撮影した日時と同じ夜空を再現し,写っ ている星と同じものを探します 星空公団 標準星の選択 以下の条件にあう基準星を探します • 明るさが4.0∼5.0等星 • B-Vが0.5以下の白い星 ∼街と星空の共存を目指して∼ 星空公団 測光(1) ∼街と星空の共存を目指して∼ 「測光」→測光モード「開口測光」を選択します 星空公団 測光(2) ∼街と星空の共存を目指して∼ 星空公団 • 測定半径は半自動 &重心を探す • 恒星径は丸枠が恒 星を覆うようにす る • SKY内径は他の恒 星が測定範囲に入 らないようにする カウント値を求める ∼街と星空の共存を目指して∼ 星空公団 (1) SKYの平均よりバックグ ラウンド平均値 bk を求 める (2) Countから標準星のカウ ント値 S を求める 標準星のカウント値の測定 ∼街と星空の共存を目指して∼ 星空公団 恒星のカウント値 全カウント値 バックグラウン ドのカウント値 全カウント値からバックグラウンドのカウント値を 引き算して恒星のカウント値を求める Count値 STAR総計 ‒ SKY 平均 ∼街と星空の共存を目指して∼ 星空公団 STARのピクセル数 199790.0 ‒ 104.2 221 = 176761.8 ピクセルあたりの立体角を計算 ∼街と星空の共存を目指して∼ 星空公団 素子サイズ d [um]とレンズの焦点距 離 f [mm]から,次の式を使って1ピ クセルあたりの立体角θ[ ]を求める. θ θ=2 tan-1[(d/1000)/2f] 3600 夜空の立体角 カメラレンズ 例)EOS Kiss X50の場合,センサーの幅が22 [mm], 4272ピクセルなので,素子サイズは 5.15 [um]. 焦点距離 f 50 [mm]レンズを使うと1ピクセルあたりの立体角は, 2 tan-1[(5.15 / 1000) / (2 50)] 3600 = 21.25 [ ] カメラセンサー 素子サイズ d となる. raw2fitsの場合は4ピクセルを合成しているので, ピクセルあたりの立体角は縦横それぞれ2倍になる. = 42.5 [ ] ∼街と星空の共存を目指して∼ 夜空の明るさを求める 星空公団 背景の等級Mbkは Mbk = Mref - 2.5 log10(bk / S / θ2) 標準星の等級 Mref バックグラウンド平均値 bk 標準星のカウント値 S 1ピクセルあたりの立体角 θ これらを上の式に代入して夜空の明るさを求める 例)標準星の等級 3.8等星 バックグラウンド平均値 標準星のカウント値 94.8 117483 1ピクセルあたりの立体角 42.5 [ ] とすると,夜空の明るさは 3.8 - 2.5 log10[94.8 / 117483 / (42.5 = 19.67 等級/□ 42.5)] ∼街と星空の共存を目指して∼ 大気減光 星空公団 • 地球の外からやってくる恒星の光は,地球の大 気によって弱まる • 観測者の真上ほど弱まる量は小さくなる 天頂 θ 高度 h [m]の地点で,天頂角 z [ ]の大気減光量Δmは Δm = F(z) a(h) ただし F(θ) = 1 / [cos θ + 0.025 exp (-11 / cos θ)] →ななめに見上げる影響 a(h) = 0.1451 exp(-h / 7996) + 0.156 exp(-h / 1500) + 0.016 →大気によって弱まる影響 θ 地球大気 観測点 天頂角を計算する ∼街と星空の共存を目指して∼ 90 から標準星の高度を引いて天頂角を求 める 星空公団 大気減光の補正を行う ∼街と星空の共存を目指して∼ 星空公団 高度 h [m]の地点で,天頂角 z [ ]の大気減光量Δmは Δm = F(z) a(h) ただし F(z) = 1 / [cos z + 0.025 exp (-11 / cos z)] a(h) = 0.1451 exp(-h / 7996) + 0.156 exp(-h / 1500) + 0.016 例)観測点高度 10 [m]で天頂角 10 [ ]の標準星を用いて測定した 結果が,15.9 等級/□ だった場合, F(10 ) = 1 / [cos10 + 0.025 exp (-11 / cos10 )] = 1.015 a(10) = 0.1451 exp(-h / 7996) + 0.156 exp(-h / 1500) + 0.016 = 0.316 より,Δm = 0.32 等級となるので,夜空の明るさは, 15.9 等級/□ となる. + 0.32 等級 = 16.1 等級/□ 3つ以上測定して ばらつきを調べておくとよい デジカメ感度の個体差 ∼街と星空の共存を目指して∼ 星空公団 全国各地の有志の方よりデジカメを使ったデータ提供 Digital Camera Count [DN] EOS 60D EOS Kiss X2 10000 10000 1000 1000 100 100 10 15.0 17.5 20.0 22.5 2 Night−sky Brightness [mag/arcsec ] 10 15.0 17.5 20.0 22.5 2 Night−sky Brightness [mag/arcsec ] 60秒/F4.0/ISO400相当のカウント値と夜空の明るさの 関係からカメラ感度のデータベースを作成 ∼街と星空の共存を目指して∼ デジタルカメラのガンマ特性 星空公団 Digital Camera Gamma Characteristic Curves 12 bit Sensor Model 14 bit Sensor Model 10000 10000 OLYMPUS E−500 1000 NIKON D40X NIKON D60 Canon EOS Kiss F Canon EOS 20Da 100 OLYMPUS E−3 CCD/CMOS Count 100000 CCD/CMOS Count 100000 1000 NIKON D3 Canon EOS Kiss X3 100 FUJIFILM S5Pro PENTAX K10D NIKON D200 10 1 −3 −2 Relative Exposure −1 0 NIKON D700 10 NIKON D70 NIKON D700 SONY DSLR−A350 Canon Kiss Digital X2 Canon EOS Kiss Digital −4 FUJIFILM S3Pro 1 Canon EOS 5D MarkII −4 −3 −2 Relative Exposure カメラのリニアリティはいずれのモデルでも良好 10カウント以下ではノイズの影響が見られる −1 0 CM図作成におけるデジタル一眼 カメラの測光精度検証 春日 郁香(横浜市立横浜サイエンスフロンティア高校) 小野間 史樹(星空公団) 福島 英雄(国立天文台) *目的 • 星団の測光によってHR図データを作成する実習 が活発である • 冷却CCDカメラを使用・・・高価? →代用としてデジタル一眼カメラで測光し、 カメラの有用性を検証 *観測日・観測対象 • 対象 :ペルセウス座散開星団 M34 • 観測日: 2013/11/15 PM19:00頃~ (サイエンスフロンティア高校屋上ドーム内) *測光範囲 *使用機材① • タカハシsky90 (口径90mm 焦点距離500mm) • SBIG ST-402ME/A (4.6mm × 6.9mm) • Canon EOS Kiss X4 (22.3mm × 14.9mm) *使用機材 *観測・検証方法① ①冷却CCDカメラ or デジタル一眼カメラで観測 対象を撮影 *観測・検証方法② ②各画像をソフトで測光した後CM図を作成 ※一眼カメラの撮影データは「raw2fits」で rawデータからfitsに変換 撮像時刻 露出時間 対象高度 CCD(Johnson V) 19:17:59 120秒×3 54.7° CCD(Johnson B) 19:36:33 50秒×3 58.2° デジタル一眼カメラ 20:20:57 30秒×3 66.3° *観測・検証方法③ ③観測に使用した一眼カメラを分光器に取り付け、 光を通してカメラの分光特性を確認 *結果①(CM図作成) CM !4# ( CCD) CM( !4# !2# !2# 0# 0# 2# 2# 4# 4# 6# 6# 8# 8# 10# !0.2## ) 0.0## 0.2## 0.4## 0.6## 0.8## B"V) 1.0## 1.2## 1.4## 1.6## 10# !0.2## 0.0## 0.2## 0.4## 0.6## 0.8## (B#V) 1.0## 1.2## 1.4## 1.6## *結果①(CM図作成) CM !4# ( CCD) CM( !2# !2# 0# 0# 2# 2# 4# 4# 6# 6# 8# 8# 10# !0.2## ) !4# 0.0## 0.2## 0.4## 0.6## 0.8## B"V) 1.0## 1.2## 1.4## 1.6## 10# !0.2## 0.0## 0.2## 0.4## 0.6## 0.8## 1.0## 1.2## 1.4## 1.6## (B#V) • 主系列星は両方で確認 • デジタル一眼→色指数(B-V)が圧縮されたように見える *結果②(RGB分解波長特性) 1.4E+07# 1.4## 6500#K# 1.2E+07# 1.2## 9500#K# Johnson#B# 1.0E+07# 1.0## Camera#B# 8.0E+06# 0.8## Camera#G# 6.0E+06# 0.6## 4.0E+06# 0.4## 2.0E+06# 0.2## 0.0E+00# 200# 250# 300# 350# 400# 450# ![nm] 500# 550# 600# 650# 0.0## 700# ![Js] Johson#V# *結果②(RGB分解波長特性) 1.4E+07# 1.4## 6500#K# 1.2E+07# 1.2## 9500#K# 50nm差 Johnson#B# 1.0## Johson#V# Camera#B# 8.0E+06# 0.8## Camera#G# 6.0E+06# 0.6## 4.0E+06# 0.4## 2.0E+06# 0.2## 0.0E+00# 200# 250# 300# 350# 400# 450# 500# 550# 600# 650# 0.0## 700# ![nm] • Vフィルタ・・・大きな相違なし • Bフィルタ・・・全体的に大きなズレあり →色指数(B-V)の値に起因 ![Js] 1.0E+07# *色の分解特性の評価 ( 2.0$$ 1.5%% 1.5$$ ) ) ) 2.0%% 1.0%% 1.0$$ 0.5%% 0.5$$ B"V( B"V$( 3000K$ 4500K$ 6500K$ 0.0$$ 0.0%% 9500K$ 12000K$ !0.5%% !0.5%% 0.0%% 0.5%% B"V( 1.0%% CCD) 1.5%% 2.0%% +0.5$$ +0.5$$ 0.0$$ 0.5$$ B"V$( 1.0$$ CCD) 1.5$$ • モデル計算と測光データの各色指数を比較 →実際より色指数が小さく出ることが分かる 2.0$$ *他の一眼カメラ機種測定結果 EOS Kiss X4 1.1 1.0 1.0 0.9 0.9 Relative Sensitivity Relative Sensitivity EOS Kiss N 1.1 0.8 0.7 0.6 0.5 0.4 0.3 0.8 0.7 0.6 0.5 0.4 0.3 0.2 0.2 0.1 0.1 0.0 350 400 450 500 550 600 650 700 0.0 350 400 Wavelength [nm] 1.0 1.0 0.9 0.9 0.8 0.7 0.6 0.5 0.4 0.3 0.5 0.4 0.3 0.1 Wavelength [nm] 700 0.6 0.2 550 650 0.7 0.1 500 600 0.8 0.2 450 550 EOS Kiss X7 1.1 Relative Sensitivity Relative Sensitivity EOS Kiss F 400 500 Wavelength [nm] 1.1 0.0 350 450 600 650 700 0.0 350 400 450 500 550 600 650 700 Wavelength [nm] • デジタル一眼カメラでの測光を行う場合、その波長特 性が測光用フィルタと異なる *結論 • デジタル一眼カメラで測光を行う場合、特にB チャンネルを使用する場合は、その波長特性が 一般的な測光用フィルタと異なる • 特にCM図を作成する際、本来のCM図に対して 色指数が圧縮されて観測される →デジタル眼カメラの分光特性を測定し、 あらかじめ2種のカメラの関係を知っておく 必要有り
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