これまで資産に余裕のある人たちが行なうというイメージが強かった株式

こ れまで資産に余裕の ある人たちが行なう と いうイメ ージ が強かった株 式投資だ が、インターネッ
トを介して株 取引ができ るオンライントレード が普及 してきたこ とから、現在 一般の人 たちに広く浸透
している。その 背景には、長引 く低金利による 閉塞感 、銀行窓 口での投資 信託の販 売に伴 う証券 投
資の浸透、 パ ソコ ンとブロード バンド の普及 などが ある。 オンラ イントレード とはブラウザーを使って
証券会 社のサ イトに接続し、 オンラ インで株の 売買を行 なうもので、窓口 に出向 いて行なう 取引や
電話による 取引よりも手数料が 相当安い などのメ リットが ある。
1986年に大和証券はいち早くパソコンによるホームトレードサービ
スの提供を開始し 、1996年には本格的 なオンライントレードを始め
た。この 業界 の先駆け である「ダイワのオ ンラ イントレード」は、 総合証
券とし ての利点を 生かし、 店舗で投資 相談ができ るなど、インタ ーネッ
トとリアル店 舗の連携 を密にしながら、株式 、投資信 託、外国 為替証
拠金 取引(FX)などの取引 をサイトで行なえる。 「ダイワの オンラ イント
レード」は、eコマースサイトを評価す るゴメス・コ ンサル ティン グ(SBI
グループ)が行 った アンケートによると、昨 年11月の総 合証券オンライ
ンサ ービス・ランキングで1位 を獲得し ており、ユーザ ーの 評価も高
い。「『ダ イワのオ ンライントレード』をスタート時より支 えているの が、
大和総 研(http ://www. dir. co.jp /)です」と 話すのは同社 の証券グル
ープシステム開発本部オンライントレードシステム統括部長だ。「2004
年末の 銀行へ の証券仲 介業解禁 に伴い、 大和証 券グル ープは住友
信託 銀行、地 方銀行各 行と提携 しました。そ の際もシステ ム連携の イ
ンタ ーフェイスを整 えるなど、『ダイワ のオン ライン トレ ード 』で培ったノ
ウハウと技 術力をもとにスピーディーなシステ ム提案が できるの も私
たちの強みです」と、 リテール・フロントシ ステム開 発部課長 代理も語る。
「ダイワのオンライントレード」は、大 和証券の 株式部など
のプロの トレーダ ーが 長年使い ながら洗練させ てきた証券
情報を 、ユーザ ーの 投資をサポートする道具 として提 供して
いるため、投資 家への情 報の充実 度には 自信を持 ってい
る。 マーケット情報は国 内外の市 場の主要 指数それ ぞれ の
チャートが 用意され 、個別銘 柄情報も幅広 く提供され てい
る。 「昨年9月に、ユーザーがログイン後 に利用 できる画 面
のデザインや機能を大幅 にリニ ューア ルして、 効率的な情 報
収集や取引の操作を実現しました。 これは2003年から東芝
ソリューションをパートナーにスタートしている次期システム
への移行作業 の 一環でした 」と話すのはもう一 人のリテ ール ・フロントシステ ム開発部 課長代理 だ。
オンライントレードシステムは、24時間365日、止まることが許されな
い社会 インフラとし ての側面を 持つ。 同社でも、次期 システム への移
行に向けたシ ステム増 強プロジェ クトが終 盤を迎えている。「課題 は、
オンライントレードサービスの根源となるシステムのパフォーマンスや
拡張 性の追求 、コストの削減 でした」と説明 するのは、 大和総研 データ
センタ ーオープンシステム基盤設計部課長代理だ。2003年、 すでにユ
ーザー数の急増 を予測し ていた同社では 、当時のピーク 値の2倍にあ
たる同時ログイン数に耐えうるシステム増強を、2005年6月に稼動さ
せようとし ていた。その パートナーに選ば れたのが 金融業界 のシステ
ム構 築・運用に明るい東芝ソリューションだ。「5社 の中から選びまし
た。 主な理由は、他社 の 金融システ ムを数多 く手掛けてお り、 金融業
界に明るか った 点、ミッシ ョンクリティ カルなUNIX系シ ステム の実績
やノ ウハウに長 けていた点です」(オンライントレードシステ ム統括部
長)。 東芝ソリューシ ョンは、こ れまでも大和証券 のエクイテ ィー系(株
式、 ワラント、先物、 オプションなど)トレーディングシ ステムの 構築・運
用に携わるなど、 10年以上にわたって大和 総研と関 わってきている。
それだ けに前 出の話には実感 がこもる。 その間の 実績が 、今回の 大
規模なプロジェクトのパートナー 選定に影響を与 えたこと は想像に難くない。
同 社と東芝ソリューショ ンによる 次期システ ムへの 移行は順 調に稼
働した。しかし 、2005年末の相場の活 況や、2006年1月に起こったIT
ベンチャー企 業の証券 取引法違 反事件は 、国内外 に大きな 影響を与
えた。 「同 時ログインが 想定以上 の件数を 超えてしまったため、これ 以
上シ ステムにログインできない よう、 システム 制御機 能が作動 してしま
ったのです」(オンライントレード システム 統括部長 )。正月休 みを返上
して、 同社と東芝 ソリューショ ンは さらに倍以 上の能力 となるようシス
テム 増強に全力を尽 くした。「東 芝ソリューショ ンが 迅速に対応してく
れたお かげで、増強 にはそ れほど時間が かかりませんでした」と 当時
を振り 返 る。東 芝ソ リ ューシ ョンは 、危機 感、そして「 絶 対に止 め られ な
い」とい う使命感 を持って増強にあた った。始 めから事態 の深刻さ に
つい ての認識を共 有できたこ とが大 きかった、と オンラ イントレードシ
ステム 統括部長 は続ける。東芝 ソリューショ ンの 金融業界 での長い経
験や技術 が生きた 例と言 える。そ うした例 は他にも随 所に見 られ る。
「ブラウザーのバックボタンや画面 内のボタンを二 度押しすることで二
重注 文にならないようにする、セッショ ン管理 という機 能があります。 し
かしパ ッケージ製 品を使用し てセッション管理機 能を強化しよう とした
ときに期待通 りのパフォーマンスが 出ませんでした」(オ ープンシ ステム基 盤設計部 課長代 理)。そこ
で、東 芝ソリューショ ンが 持っている独自 のノウハウを生かし て、改めてセッショ ン管 理機能を一 から
設計・開 発した。 セッション管理機 能は、オ ンライントレードの各 画面を利 用する際に使われ る基盤
機能であり 、こ れを改定 する事はリスクも大きかったが 、東芝ソリューショ ンの技術 なくして実現は 難
しかっただ ろうと、 オープンシステ ム基盤設 計部課長 代理は語 る。
「大 和証券の 戦略として、 証券関連 サービスの充 実による収 益の多
様化があげられますが 、 その実現 の可能性 が開けてきまし た。『ダイ
ワのオンラ イントレード 』が 、大和 証券のネットビジネスの共通 インフラ
になっていくと 考えています」(オンラ イントレードシ ステム統 括部長)。
同社にとって 、オンライン取引には信頼性 と安全性 の確保が 何より優
先され るため、 東芝ソリューションでは同社 のシステ ムセンターに隣接
した場 所に専 門のシ ステムエンジ ニアを 50名 規模で配置 するなど、24
時間365 日 対応できるよう 万全の 体制を敷い ている。 ここにも、同社の
プロジ ェクトを完 璧にフォローしよう という東芝 ソリューシ ョンの姿勢が あらわれてい る。「東 芝ソリュ
ーションには、インフラだけでなくアプリケーション分野の開発も担当し始めてもらっており、私たち
のコ ラボレーションも次の段階 に入ってきた と思います。や るからには、業界 トップを狙い たい」(リテ
ール・フロントシ ステム開 発部課長 代理)と、 今後も安定稼 働を大前 提とした「ダ イワのオンライント
レード 」の機能強 化に余 念がない。 この要 望に応えるため 、 東芝ソリューシ ョンでは「ダイワのオンラ
イントレード 」の進化によって開か れる、 オンラ イ ントレードの 未来を形 にしようと奮 闘中だ。
株式 会社 大和総 研
●設 立: 198 9年 8月1 日
●代 表取締 役社長 :武 本 嘉之
●従 業員数 :1 ,64 5名( 20 06 年3月 末現在 )
● 資 本金:38 億9 ,800 万 円
● 所 在地: 東京 都江東区冬木 15 -6
●U RL: http://ww w.dir.co.jp/
●事 業内容 :シ ステム/ システム の企 画・開 発・ コンサ ルティ ングから運用 に至るトー タルソリューシ ョ ン、
SI 事業、 ネットワー ク事 業
リ サーチ/ 国内外 の経 済、産業 、企業、 制度など に関す る調査 ・分析
コ ンサル ティン グ/経営 ・年金 ・情 報化に関 するコンサル ティ ング、株価算 定、受 託調査 、政策提 言 など
リサ ーチ・ コンサルティ ング・ システム の3 つの機 能をメイン に、大和証 券グルー プ各 社をは じめ幅 広い 領域の クラ イ
ア ントに対してベ ストソリ ューシ ョンを 提供す る総合 シンクタンク。「お 客様 からの信頼 と社員の 情熱で築 く“ 日本 最
高の 情報サ ービス企 業” 」となることを目指 し、す べてにお いて最 高品質 の情報 サー ビスの提供 を実践 。大和 証券
グルー プビ ジネ スの拡大 を後押 しす る重要 な役割 を果た す。常 に進 化す る金融市 場にお いて、独 自に培った 金融
ノ ウハ ウとIT という 2つ のバックボー ンを活 かした質 の高い 、そして安 全で先進 的なサ ービスには 定評が ある。
証券 会社向 け オ ンラ イントレード 基幹シ ステム
エンド ユー ザーの 資産 を取り扱 うとい った 性質 上、た いへん 高い 品質水 準が 求められ るミ ッショ ンクリティ カルなオ
ンライ ントレ ード の基幹 システム 。中でも 、日本 初の インターネ ットによるオンライ ントレード システム となる、大和 証
券の 「ダ イワのオンラ イントレ ード (DO T )」の 構築 ・運用 に、大和総 研と共に携 わっている。新 たなサ ービスの 追加
をは じめ、法 令の改 正や新 設に伴う 各種 制度改 革も頻繁 にあり 、ま た単位 時間 辺りの トランザ クシ ョ ン数も膨大な
ものとなるなど 、金融 関連の 中でも高度 なシステム となる。
東 芝ソリューシ ョン株式会社
経営 企画部 広報担 当
電話: 044-331-1100
※社名、商品名等は各社の登録商標です。
※この記事は、2007年5月に制作されました。記事内における数値データ等は取材時のものです。