寝屋川市子ども読書活動推進計画

寝屋川市子ども読書活動推進計画
元気わくわく読書プラン
平成18年3月
寝 屋 川 市
はじめに
近年、子どもの読書活動はテレビをはじめ、ゲームやインターネットな
どさまざまなメディアの普及・影響などにより、本に親しむ機会が少なく
なってきており、活字離れが進んでいます。
このような中、平成 13 年 12 月、
「子どもの読書活動の推進に関する法
律」が施行され、国および大阪府において、この法律に基づき、それぞれ
「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」、
「大阪府子ども読書活
動推進計画」が策定されました。
本市におきましても、これら、国、大阪府の読書活動推進の基本的な考
え方を踏まえ、平成 17 年3月に策定した「寝屋川市こどもプラン」の基
本理念である「子どもの輝きが、すべての人を結び、育むまち」の実現に
向けて、「寝屋川市子ども読書活動推進計画」を策定いたしました。
この計画の目的は、
「子どもが読書の楽しさに気づくきっかけをつくり、
さらに子ども自らすすんで本を読みたくなるような読書環境を、学校・家
庭・地域など社会全体で支援する仕組みを総合的、計画的に推進すること」
としております。
子どもが成長する過程で読書が重要な役割を果たすことを、大人が理解
し、積極的に関わることが大切であり、子どもの読書をみんなで支える地
域社会とするため、学校をはじめ、図書館などの関係機関、地域社会にお
ける諸機関・団体との連携・協力を促進しなければなりません。皆様方の
一層のご支援、ご協力をお願いいたします。
最後に、この計画策定にあたり、貴重なご意見・ご提言をいただきまし
た多くの市民の皆様方に厚くお礼申し上げます。
平成 18 年 3 月
寝屋川市長
馬 場 好 弘
目
第1章
次
計画の策定にあたって
1
第1節
計画策定の経緯
1
第2節
計画の基本的な考え方
2
1.目的
2
2.基本方針
2
3.対象
2
4.期間
2
第2章
子どもの読書活動推進のための取り組み
第1節
1
2
家庭・地域における推進
2
2
2
(1)取り組みの現状
3
(2)今後の取り組み
3
図書館における推進
4
(1)取り組みの現状
4
(2)今後の取り組み
5
①図書資料の充実
5
②図書情報の強化・充実
5
③おはなし会等の充実
5
④学校との連携
6
⑤講座・講演会の充実
6
⑥図書館利用の促進
6
⑦各種情報の収集・提供
7
⑧児童担当職員の技術や資質の向上
7
⑨その他
7
第2節
1
家庭・地域における推進
2
学校等における推進
7
幼稚園・保育所における推進
7
(1)取り組みの現状
7
(2)今後の取り組み
8
小中学校における推進
8
(1)取り組みの現状
9
(2)今後の取り組み
9
第3節
第3章
障害のある子どもや外国人の子どもなどの読書 活動の推進
9
(1)取り組みの現状
10
(2)今後の取り組み
10
第4章
理解の促進と関心の深まりに向けて
11
(1)市民の理解と関心
11
(2)広報、啓発の促進
11
効果的な計画の推進に向けて
12
(1)地域社会全体での取り組み
12
(2)子どもの読書活動推進連絡会(仮称)の設置に 向けて
12
資料編
子どもの読書活動の推進に関する法律
13
寝屋川市子ども読書活動推進計画策定委員会設置要 綱
15
寝屋川市子ども読書活動推進計画策定委員会開催状 況
18
寝屋川市子ども読書活動推進計画策定委員会委員名 簿
19
寝屋川市子ども読書活動推進計画策定作業部会委員 名簿
19
用語解説
20
第1章
第1節
計画の策定にあたって
計画策定の経緯
子どもの読書離れが進むなか、平成11年8月、読書の持つ計り知れない価
値を認識して、子どもの読書活動を国を挙げて支援するため、平成12年を「子
ども読書年」とする国会の決議がなされました。
また、平成12年5月には、国立国会図書館の支部図書館として「国際子ど
も図書館」が開館し、さらに、平成13年4月には、「子どもゆめ基金」が創
設され、民間団体の行う子どもの読書活動等に対する助成が始まりました。
「子ども読書年」を契機とする子どもの読書活動の推進をするための取り組
みをさらにすすめていくため、平成13年12月、「子どもの読書活動の推進
に関する法律」が施行されました。
この法律は、子どもの読書活動の推進に関し、基本理念を定め、地方公共団
体の責務等を明らかにするとともに、4月23日を「子ども読書の日」とする
ことなどを定めることにより、施策の総合的かつ計画的な推進を図るものです。
平成14年8月には、この法律に規定されている「子どもの読書活動の推進
に関する基本的な計画」が閣議決定されました。
この基本計画は、すべての子どもがあらゆる機会とあらゆる場所において、
自主的に読書活動を行うことができるよう、積極的にそのための環境の整備を
推進することを基本理念として、施策の総合的かつ計画的な推進を図るために
定めるもので、平成14年度から平成18年度までのおおむね5年間にわたる
施策の基本的方向と具体的な方策を明らかにしています。
大阪府は、平成15年1月、「大阪府子ども読書活動推進計画」を策定しまし
た。この計画の中では、子どもが本の選び方や楽しみ方がわからないこと、身
近なところに本や子どもと本をつなぐ人が少ないこと、読書活動の地域差(内
容、広がり)が大きいことの3点を課題として、
「府内のすべての子どもたちが
本を読む喜びを味わい、豊かな感性をもつことができるような環境づくりに取
り組む」ことを基本としています。
これら国、大阪府における読書活動推進の基本的な考え方を踏まえ、平成
17年3月に策定した「寝屋川市こどもプラン」の基本理念である「子どもの
―1―
輝きが、すべての人を結び、育むまち」の実現に向けて、
「寝屋川市子ども読書
活動推進計画」の策定を行うものです。
第2節
計画の基本的な考え方
1.目的
子どもが読書の楽しさに気づくきっかけをつくり、さらに子どもが自らすす
んで本を読みたくなるような読書環境の整備を、地域・家庭・学校など社会全
体で支援する仕組みを総合的、計画的に推進することを目的に計画を策定しま
す。
2.基本方針
①子ども自らが読書の楽しさや魅力に気づくきっかけづくりと、読書環境の整
備をすすめます。
②子どもが成長する過程で読書が重要な役割を果たすことを、大人自らが気づ
けるよう、広報・啓発につとめます。
③子どもの読書をみんなで支える地域社会とするため、学校、図書館などの関
係機関、地域社会における諸機関・団体との連携・協力を促進します。
3.対象
おおむね18歳以下のすべての子どもと、家庭・地域・学校などの市民及び
団体を対象とします。
4.期間
平成18年度から平成22年度までの5年間とし、必要に応じて計画の見直
しをします。
第2章 子どもの読書活動推進するための取り組み
第1節
1
家庭・地域における推進
家庭・地域における推進
家庭は子どもの成長にとって大切な場です。また、子どもが最初に本と出会
い、読書の楽しさを知り、その楽しさを分かち合える場として、家庭の果たす
役割は重要です。
子どもが自主的に読書を行うようになるためには、乳幼児期から読書に親し
む環境づくりに配慮することが必要です。特に、幼い子どもたちは身近な大人
―2―
に本を読んでもらうことで、本の面白さに気づき、本を読んでくれる人ととも
に過ごすことの心地よさを知ります。
また、子どもの成長にともなって、家庭や学校とは違った出会いや体験がで
きる地域社会も、子どもの自主的な読書活動を支える上で欠かすことのできな
い大切な場となります。
地域には、子どもの読書活動に関わるさまざまな施設や市民活動団体(子ど
も文庫、子ども会、子育てサークルなど)があり、子どもの読書活動の広がり
に大切な役割を担っています。
(1)取り組みの現状
あらゆる機会を通して本に触れることは、子どもが読書の楽しさを知る上で
大切なことです。
子どもがいつでも本を身近に感じられるよう、家の中で手の届くところに本
があることも、子どもといっしょに地域の図書館に行くことも、子ども文庫に
出かけることも、子どもにとっては楽しい読書の時間となります。
地域には、図書館や子ども文庫のほかに子どもが身近に本と出会えるところ
として、こどもセンターなどの子育て支援センター、エスポアール、教育セン
ターなどがあります。
これらの施設では、蔵書の充実を図ったり、絵本の読み聞かせや、「おはな
し会」を職員やボランティアの協力で行っています。
4か月児健康診査時には絵本の啓発コーナーをつくり、啓発につとめており、
1歳6か月児健康診査時においては、絵本の贈呈と啓発を行っています。
また、育児教室などのあらゆる機会をとらえ「読み聞かせ」など読書の大切
さについて理解を深める事業も実施しています。
(2) 今後の取り組み
・子どもとその保護者が読書に親しむための取り組みを充実させます。
・読み聞かせやおはなしの語り手の養成を行い、ボランティアの育成と支援に
つとめます。
・職員を対象に、子どもの読書活動推進について理解と関心を深めるための研
修を行います。
・各施設において図書の充実につとめ、絵本コーナー等を設置します。
―3―
・ 乳幼児健康診査時などを活用した絵本の啓発をブックスタートとして充実
させます。
・ 図書館を中心に各公共施設・関係部署や関連団体とのネットワーク化を図
り、本や子どもの読書活動推進についての情報交換や協働の取り組みの充
実を図ります。
2
図書館における推進
図書館は、市民一人ひとりが社会生活を営むうえで知りたいと思う資料や情
報を無償で提供し、市民の生涯にわたる学習を支える中核的施設です。
また、子どもにとっては、図書館は自分の読みたい本を豊富な蔵書の中から
自由に選べ、読書の楽しみを知ることのできる場所であり、気軽に利用できる
身近な施設であり、保護者にとっては、自分の子どもに読ませたい本を選んだ
り、子どもの読書について相談することのできる場所でもあります。
図書館は幼い時期から子どもの読書習慣を育成し、それを強化することを使
命としています。図書館が中心となって家庭、地域、学校や市民団体との連携
を図り、子どもの読書環境の整備をすすめることが求められています。
(1)取り組みの現状
市立図書館は中央図書館、東図書館、分室(西北・東北・南・西南の4分室)、
移動図書館「おきがる号」により、市内31ヶ所を巡回し、図書館網(システ
ム)をつくっています。
中央図書館では、平成17年度より児童向けサービスをより充実すべく職員
体制を改革し、子どもの読書活動の推進担当グループを立ち上げ、ブックスタ
ート等、赤ちゃんから絵本に親しむための機会づくりや子どもたちの読書活動
推進に重点的に取り組めるように、担当の司書を配置しました。
子ども向け資料の充実はもとより、行事として、おはなし会や紙芝居、ブッ
クフェア、夏のおはなし大会、図書館まつりなどを開催しています。
また、各小学校からの図書館見学や中学生の体験学習にも図書館を利用して
もらい、読書活動をすすめるためのきっかけづくりとして積極的に対応してい
ます。
移動図書館では毎年8月に「たそがれとしょかん」として地域に出向きボラ
ンティアとの協働で、おはなし会や大型紙芝居、本の貸出しを行っています。
―4―
また、地域の住民に児童文学、あるいは絵本そのものに興味を持っていだく
よう「子どもの本の入門講座」や児童文学講演会・地域講座等を開催していま
す。さらにおはなしの語り手を養成し、ボランティアとして図書館の各種行事
に協力していただけるよう「おはなしの入門講座」を開催しています。
平成14年10月からは、寝屋川市内だけでなく、北河内七市(守口市・枚
方市・寝屋川市・大東市・門真市・四條畷市・交野市)の市立図書館を相互利
用できるようになり、子どもたちが本と出会う場が広がりました。市内の大学
図書館との連携もすすめています。
図書館に求められるサービスが多様化しているなか、さらに子どもの読書活
動を推進していくためには図書館内の資料や施設の整備を含む児童向けのサー
ビスの充実を図るとともに、幼稚園、学校、各種団体等との連携の強化、ボラ
ンティアや地域団体との協力体制づくりが必要です。
(2)今後の取り組み
①図書資料の充実
子どもの読書推進の一層の充実を図るために魅力的な資料の収集を幼児か
ら青少年までを対象に計画的に行います。印刷物だけでなくさまざまなメデ
ィアで情報として発信される資料を幅広く収集・提供することで、子どもた
ちの新しい興味と、将来の可能性を伸ばすことにつながるようつとめます。
また乳幼児向け資料をはじめとする年齢に応じた資料の収集と紹介の充
実につとめます。
②図書情報の強化・充実
・インターネットやホームページによる情報提供(蔵書検索・予約等)の強
化・充実をはかります。
・児童図書の紹介、図書館行事等のPRを市広報や「としょかんだより」
を通して積極的に行います。
・ブックリストの配布やブックフェアでの情報提供につとめます。
③おはなし会等の充実
児童・青少年向けのサービスに携わる職員体制の整備を図り、ボランテ
ィアと協働して「おはなし会」
「おたのしみ会」
「ブックトーク」
「ブックス
タート」「学校訪問おはなし会」等の充実につとめます。
―5―
④ 学校との連携
・「総合的な学習」「調べ学習」への対応及び情報提供
「総合的な学習の時間」が始まって以来、様々なテーマを調べるために
来館する子どもが増えてきています。テーマに沿った資料を自分で探し出
し、結果をまとめるという作業は時間もかかり、子どもたちにとって容易
ではありません。図書館ではこうした子どもたちに対し、辞典類の使い方、
目次や索引の見方などを指導し、与えられたテーマを広い視野で捉え、複
数の資料から回答を導き出せるようフロアワークの充実につとめます。
今後は、調べ学習において図書館が有効に利用されるよう、調べ学習を
支援するために作成した『図書館利用の手引き』(児童生徒用)、『図書
館利用の際のお願い』(教師用)の内容充実を図りながら、総合的な学習
の時間における学習や職場体験学習への一層の支援協力をすすめます。各
学校との情報交換等を行い連携を図ります。
・学校と図書館間の配送サービスの構築
学校図書館と市立図書館のネットワークを構築し、蔵書の共同利用化や
必要な図書の相互利用による蔵書の有効活用を推進するため、学校と市立
図書館の間における図書資料の配送サービス、配送方法を検討していきま
す。
⑤講座・講演会の充実
大人の方に対しては、子どもの本について、また子どもと本を結びつけ
る技術について「絵本講座」や「児童文学講演会」
「地域講座」等を開催し、
より多くの人が子どもの読書に関心と理解を持ち、読書活動推進につなが
るよう充実につとめます。
⑥図書館利用の促進
・子どもたちが、その必要とする資料をより的確に探せるようフロアワ
ークの充実につとめます。
・小学校入学時に、図書館利用案内を学校を通じ配布し、図書館利用の
促進を図ります。
・職場体験、図書館見学等の受入れを充実します。
・「子ども読書の日」関連事業(おはなし会や絵本の展示)を実施します。
―6―
・YA(ヤングアダルト)コーナーを設置します。
⑦各種情報の収集・提供
図書館の蔵書には、児童書の研究書や児童サービスに関する研究書、学
校や家庭における読書推進に関する資料も多数あります。これらは、子ど
もの読書推進の動きが高まるにつれ、児童書そのものの充実とあわせて強
化していく必要があります。
「子ども読書の日」にはこれらの展示も併せて実施していきます。
また、生涯学習情報の一環として子どもの読書活動に関する情報を収集
するとともに、その提供につとめます。
⑧ 児童担当職員の技術や資質の向上
読書に関する相談への対応や情報の提供を充実します。
⑨その他
各公共施設・関係部署や関連団体とのネットワーク化を図り、本や子ど
もの読書活動推進についての情報交換や協働の取り組みの充実を図ります。
第2節
1
学校等における推進
幼稚園・保育所における推進
幼児期は、生涯にわたる人間形成の基礎を培う時期にあたります。この時
期に、一日の多くの時間を過ごす幼稚園や保育所は子どもたちの成長にとっ
て、非常に大きな意義を持っています。
この大切な時期に友だちや先生と一緒に読書を日常的に体験することは、
子どもたちのことばや遊びを広め、より豊かな感性を育む重要な役割を果た
しています。
(1)取り組みの現状
各施設では、年齢やその日の状況に応じて、日常的に絵本の読み聞かせを
行っています。
また、子どもが自由に絵本を見たり、読んだりできるよう絵本室(コーナ
ー)を設けたり、保護者やボランティアによるおはなし会などを実施してい
ます。
保護者に絵本室(コーナー)の開放と貸出し、絵本の紹介などを行ってい
るところもあります。
―7―
幼稚園には、より多くの人に絵本に親しんでほしいという願いから、地域
の未就園児やその保護者にも絵本室を開放しているところもあります。
(2)今後の取り組み
・絵本の質や量の充実につとめ、子どもがより身近に楽しく絵本にふれるこ
とができる絵本室(コーナー)の環境整備につとめます。
また、保護者には、絵本選びのパンフレットを作ったり、子どもの発達段
階に応じたおススメ絵本などを掲げたりして、絵本室(コーナー)の充実
につとめます。
・幼稚園教諭や保育士の意識と技術向上のための研修を行います。
・ボランティアによるおはなし会などを計画し、地域の活力の導入につとめ
ます。
・保護者に絵本の楽しさや大切さを啓発し、子どもとともに絵本を楽しむ機
会を多く持ってもらうよう働きかけていきます。
・地域の公共施設等(エスポアール・教育センター・こどもセンターなど)
をより多く利用してもらうように啓発していきます。
・サークル支援としての絵本の貸出しや、地域における子育て支援グループ
への絵本貸出し等を行い、支援していきます。
・未就園児とその保護者に対する絵本の貸出しが、地域により広がっていく
よう啓発活動を行っていきます。
また、未就園児の保護者に対しても読み聞かせの大切さの啓発を積極的に
行っていきます。
2
小中学校における推進
学校は子どもたちにとって、日々を過ごすたいへん身近な存在です。その
学校で子どもたちの学習や生活をより豊かにするのが学校図書館です。
学校図書館を活用することは、日々の学習活動を深めるだけでなく、さら
に知的好奇心を増大させ、学習意欲の高揚につながります。
また、読書を通じて得た経験から、いろいろな感じ方や考え方を学ぶこと
によって目の前の世界が広がり、自分のこれからの生き方を考えさせてくれ
るきっかけともなります。
こうした学校図書館がもつ大切な機能を充分に発揮させるためには、昼休
―8―
みや放課後に気軽に利用できる雰囲気づくりをしたり、読書に魅力を感じる
ような取り組みをすることによって、子どもたちにたくさんの本との出会い
の機会を積極的に促進していかなければなりません。
(1)取り組みの現状
子ども自らが読書の楽しさ、魅力に気づくきっかけづくりと、読書の習慣
を身につけるため、朝の一斉読書指導の時間や読書週間を設ける学校が増え、
読書の習慣が徐々に身についてきています。
国語・社会・総合的な学習の時間などの授業で学校図書館を利用する機会
も増えてきています。
また、地域のボランティアによる読み聞かせや紙芝居など、市立図書館
と連携した図書資料の貸し借りが実施されています。
(2)今後の取り組み
・子どもたちの資料要求に的確な対応をするため、司書教諭の有効活用と資
質の向上を図り、専門性を高めるようにつとめます。
・地域における人材の活用を図るため、地域ボランティア等の積極的な登用
につとめます。
・学校図書館充実のため市立図書館との連携強化を図ります。
・魅力ある図書の充実を図るとともに、魅力ある空間として、読書環境の整
備につとめます。
・すべての学校で図書活動を盛んにし、教職員の意識の高揚につとめます。
・子どもの読書実態や学校における取り組みについて、家庭・地域にも積極
的に伝え、子どもの読書活動の推進につとめます。
・地域の方々や保護者との連携を図り、読書活動をより推進するために、さ
らに開かれた学校づくりにつとめます。
第3節 障害のある子どもや外国人の子どもなどの読書活動の推進
障害のある子どもの読書活動を推進していくためには、子どもの障害、
発達の状態に応じて多様な図書資料の収集や施設・設備の整備が必要です。
外国人の子どもには、母国語の資料を通して自らの文化に触れる機会を
多く持つことや、親子で母国語を使い続けられることも大切です。
また、日本で育ち、成長し、社会生活を営む上で必要な言語習得のため
―9―
に、日本語を学ぶ資料も必要となります。
読書環境を整備するために、ニーズの多様化や資料の特殊性に合わせた
取り組みを行う必要があります。
(1)取り組みの現状
市立図書館・肢体不自由児通園施設「あかつき園」、知的障害児通園施
設「ひばり園」「第2ひばり園」・学校などで障害のある子どもたちの読書
活動に取り組み、読み聞かせを実施したり、子どもが自由に絵本を選んで
見て楽しめるような環境整備をするなど日常的に絵本に親しめるようにつ
とめています。
また、保護者には、相談に応じて絵本を紹介したり、絵本に関する学習
会を行うなどの啓発を行っています。
その他、図書館の紹介(園外保育で図書館に出かけ施設利用の経験をさ
せる)やボランティアグループの協力を得て絵本に親しむ機会づくりなど
を行っています。
市立図書館では、外国人の子どものために中国語・ハングル・英語など
で書かれた絵本を購入し、母国語に親しむ機会をつくっています。
(2)今後の取り組み
・障害の程度や内容に応じた資料収集を行います。
点字図書・録音図書・大活字本の収集に加え障害のある乳幼児の読書活動を
支援するために音のでる絵本や布の絵本等の配備・充実を図ります。
・図書の量、種類ともにまだまだ不十分なため、実態に合わせて、読書環
境整備をさらにすすめていきます。
・資料提供方法の多様化に取り組みます。
ボランティアの協力によるプライベートサービス・対面朗読のより積極的
な取り組みや入院児童への資料提供の方法を検討します。
・関連機関やボランティアとの連携を図ります。
・読書環境の充実、各家庭の図書館利用に向けての情報交換等、各施設と市
立図書館との連携をすすめていきます。
・情報提供の充実や利用者のニーズの把握につとめます。
点字図書・録音図書のデータベース化を行い、インターネットによる蔵書
―10―
検索や予約・レファレンスができる環境をつくります。
また、資料や貸出しの電算管理することで、利用者ニーズの把握も容易
に なります。
・点字図書・録音図書のデジタル化と情報提供機器(フレックストーク等)
の充実につとめます。
・読書環境の整備・充実のために障害者団体、施設、ボランティア団体等の
関係団体が情報交換することができる場の提供を図ります。
・市立図書館、関係施設、関係団体、ボランティアが連携して外国人の子ど
もの読書活動を推進し、外国人の子どもが必要とする資料の収集と提供に
つとめます。
第3章
理解の促進と関心の深まりに向けて
(1)市民の理解と関心
すべての市民が本を読むことの大切さを知り、子どもの読書活動に理解と関
心をもつことは、子どもの読書活動を推進するうえで大変重要で、欠かすこと
のできないものです。
子どもはそれぞれ個性を持ち、自主性を身につけながら成長し、その歩みも
また、一人ひとり違っています。
だれもが、子ども一人ひとりの個性や成長段階にあわせた読書活動を理解し、
関心をもちながら見守ることは、子ども自らが読書の楽しさ、大切さに気づく
ことを支える大きな力になります。
(2)広報、啓発の促進
読書に関する情報を子どもたちに積極的に発信するとともに、読書活動がも
つ意義や重要性についての理解を促進し、関心を深めるため、さまざまな機会
をとらえて普及や啓発につとめます。
また、子どもの読書活動を推進するためにさまざまな施設や団体が現在実施
している取り組みについても、広く周知を図り、理解を得るようにつとめます。
① 「子ども読書の日」にあわせた行事・広報の充実
② 地域情報メディアを活用した広報、啓発、子ども向けの図書館ホームペー
ジの立ち上げ
―11―
③ 広報紙・「ねやがわ生涯学習あんない」などを活用した広報、啓発の充実
④
母子健康診査時での配布資料による啓発
⑤
児童図書に関する情報提供や相談対応など、児童サービスの向上につなが
る各種研修会の開催
第4章
効果的な計画の推進に向けて
(1)地域社会全体での取り組み
家庭、地域、学校をはじめ社会全体でこの計画に取り組むことにより、子ど
もの自主的な読書活動を効果的に推進することができます。
子どもの読書活動に関わる施設は市内に多数あり、そこでは、多くの市民や
団体が子どもと日常的に関わり、また、積極的に読書活動推進に携わっていま
す。
それぞれの施設や関係者がその特性を生かして、子どもが読書に親しむ機会
の充実を図ること、また、各施設を運営する関係機関、ボランティア、団体等
が情報交換や交流などを通して連携し、協力するための拠点づくりについて検
討します。
(2)子どもの読書活動推進連絡会(仮称)の設置
この計画に基づく諸施策を効果的に推進していくために、総合的な推進体制
を整備することが必要です。
このため、子どもの読書活動に関わる施設を運営する関係機関、子どもへの
読書活動を実践しているボランティアや団体等による「子どもの読書活動推進
連絡会(仮称)」を設置します。
―12―
資 料 編
子どもの読書活動の推進に関する法律
公布:平成 13 年 12 月 12 日法律第 154 号
施行:平成 13 年 12 月 12 日
(目的)
第一条 この法律は、子どもの読書活動の推進に関し、基本理念を定め、並びに国及
び地方公共団体の責務等を明らかにするとともに、子どもの読書活動の推進に関する
必要な事項を定めることにより、子どもの読書活動の推進に関する施策を総合的かつ
計画的に推進し、もって子どもの健やかな成長に資することを目的とする。
(基本理念)
第二条 子ども(おおむね十八歳以下の者をいう。以下同じ。)の読書活動は、子ど
もが、言葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、創造力を豊かなものにし、人生をよ
り深く生きる力を身に付けていく上で欠くことのできないものであることにかんがみ、
すべての子どもがあらゆる機会とあらゆる場所において自主的に読書活動を行うこと
ができるよう、積極的にそのための環境の整備が推進されなければならない。
(国の責務)
第三条 国は、前条の基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、子どもの
読書活動の推進に関する施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。
(地方公共団体の責務)
第四条 地方公共団体は、基本理念にのっとり、国との連携を図りつつ、その地域の
実情を踏まえ、子どもの読書活動の推進に関する施策を策定し、及び実施する責務を
有する。
(事業者の努力)
第五条 事業者は、その事業活動を行うに当たっては、基本理念にのっとり、子ども
の読書活動が推進されるよう、子どもの健やかな成長に資する書籍等の提供につとめ
るものとする。
(保護者の役割)
第六条 父母その他の保護者は、子どもの読書活動の機会の充実及び読書活動の習慣
化に積極的な役割を果たすものとする。
(関係機関等との連携強化)
第七条 国及び地方公共団体は、子どもの読書活動の推進に関する施策が円滑に実施
されるよう、学校、図書館その他の関係機関及び民間団体との連携の強化その他必要
な体制の整備につとめるものとする。
(子ども読書活動推進基本計画)
第八条 政府は、子どもの読書活動の推進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を
図るため、子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画(以下「子ども読書活動推
進基本計画」という。)を策定しなければならない。
2 政府は、子ども読書活動推進基本計画を策定したときは、遅滞なく、これを国会
に報告するとともに、公表しなければならない。
3 前項の規定は、子ども読書活動推進基本計画の変更について準用する。
(都道府県子ども読書活動推進計画等)
―13―
第九条 都道府県は、子ども読書活動推進基本計画を基本とするとともに、当該都道
府県における子どもの読書活動の推進の状況等を踏まえ、当該都道府県における子ど
もの読書活動の推進に関する施策についての計画(以下「都道府県子ども読書活動推
進計画」という。)を策定するようつとめなければならない。
2 市町村は、子ども読書活動推進基本計画(都道府県子ども読書活動推進計画が策
定されているときは、子ども読書活動推進基本計画及び都道府県子ども読書活動推進
計画)を基本とするとともに、当該市町村における子どもの読書活動の推進の状況等
を踏まえ、当該市町村における子どもの読書活動の推進に関する施策についての計画
(以下「市町村子ども読書活動推進計画」という。)を策定するようつとめなければ
ならない。
3 都道府県又は市町村は、都道府県子ども読書活動推進計画又は市町村子ども読書
活動推進計画を策定したときは、これを公表しなければならない。
4 前項の規定は、都道府県子ども読書活動推進計画又は市町村子ども読書活動推進
計画の変更について準用する。
(子ども読書の日)
第十条 国民の間に広く子どもの読書活動についての関心と理解を深めるとともに、
子どもが積極的に読書活動を行う意欲を高めるため、子ども読書の日を設ける。
2 子ども読書の日は、四月二十三日とする。
3 国及び地方公共団体は、子ども読書の日の趣旨にふさわしい事業を実施するよう
つとめなければならない。
(財政上の措置等)
第十一条 国及び地方公共団体は、子どもの読書活動の推進に関する施策を実施する
ため必要な財政上の措置その他の措置を講ずるようつとめるものとする。
附 則
この法律は、公布の日から施行する。
○ 衆議院文部科学委員会における附帯決議
政府は、本法施行に当たり、次の事項について配慮すべきである。
一 本法は、子どもの自主的な読書活動が推進されるよう必要な施策を講じて環境を
整備していくものであり、行政が不当に干渉することのないようにすること。
二 民意を反映し、子ども読書活動推進基本計画を速やかに策定し、子どもの読書活
動の推進に関する施策の確立とその具体化につとめること。
三 子どもがあらゆる機会とあらゆる場所において、本と親しみ、本を楽しむことが
できる環境づくりのため、学校図書館、公共図書館等の整備充実につとめること。
四 学校図書館、公共図書館等が図書を購入するに当たっては、その自主性を尊重す
ること。
五 子どもの健やかな成長に資する書籍等については、事業者がそれぞれの自主的判
断に基づき提供につとめるようにすること。
六 国及び地方公共団体が実施する子ども読書の日の趣旨にふさわしい事業への子ど
もの参加については、その自主性を尊重すること。
―14―
寝屋川市子ども読書活動推進計画策定委員会設置要綱
(設置及び目的)
子どもの読書活動の推進に関する法律(平成 13 年法律第 154 号)第9条
第1条
第2項の規定に基づき、寝屋川市における子どもの読書活動の推進に関する施
策についての計画(以下「寝屋川市子ども読書活動推進計画」という。)を策定
するため、寝屋川市子ども読書活動推進計画策定委員会(以下「委員会」とい
う。)を設置する。
(所掌事務)
第2条
委員会は次の各号に掲げる事項について検討し、意見を交換し合うとと
もに、互いに連絡調整を行う。
⑴
寝屋川市子ども読書活動推進計画の策定に関すること。
⑵
前号に掲げるもののほか、前条の目的を達成するために必要な事項に関
すること。
(組織)
第3条
委員会は、別表第1に掲げる職にある者(以下「委員」という。)10 人
以内で組織する。
(委員長及び副委員長)
第4条
委員会に、委員長及び副委員長1人を置き、委員の互選によりこれらを
定める。
2
委員長は、会務を総理し、委員会を代表する。
3
副委員長は、委員長を補佐し、委員長に事故のあるとき又は委員長が欠けた
ときは、その職務を代理する。
(会議)
第5条
委員会の会議は、委員長が召集し、委員長がその議長となる。
2
委員会は、委員の過半数が出席しなければ、会議を開くことができない。
3
委員長は、必要があると認めるときは、関係者に対し会議の出席を求め、説
明又は意見を聴くことができる。
(作業部会)
第6条
委員会に、寝屋川市子ども読書活動推進計画策定作業部会(以下「作業
―15―
部会」という。)を置く。
2
作業部会は、第2条各号に掲げる事項について、実務上の観点から、意見を
交換し合い、互いに連絡調整を行い、その結果を委員会に報告する。
3
作業部会は、別表第2に掲げる職にある者各1人(以下「作業部会委員」と
いう。)をもって組織する。
4
作業部会に、部会長及び副部会長1人を置き、作業部会委員の互選によりこ
れらを定める。
5
作業部会の会議については、委員会の会議の例による。
(任期)
委員及び作業部会委員の任期は、平成 18 年3月 31 日までとする。
第7条
(庶務)
第8条
委員会及び作業部会の庶務は、社会教育部中央図書館において処理する。
(委任)
第9条
この要綱の施行について必要な事項は、委員長が委員会に諮って定め
る。
附
則
この要綱は、平成 17 年7月1日から施行する。
―16―
別表第1(第3条関係)
企画財政部企画政策室課長
企画財政部情報化推進室課長
保健福祉部健康増進課長
保健福祉部こども室課長(子育て支援担当)
保健福祉部療育課長
学校教育部学務課長
学校教育部教育指導課長
社会教育部社会教育課長
社会教育部中央図書館長
社会教育部地域教育振興室地域教育課長
別表第2(第6条第3項関係)
企画財政部企画政策室係長
企画財政部情報化推進室係長
保健福祉部健康増進課係長
保健福祉部こども室係長
保健福祉部療育課係長
学校教育部学務課主幹
学校教育部教育指導課主幹
社会教育部社会教育課係長
社会教育部中央図書館係長
社会教育部地域教育振興室地域教育課主幹
―17―
寝屋川市子ども読書活動推進計画策定委員会開催状況
回
数
第1回
開
催
日
平成 17 年7月 27 日
内
1
(作業部会との合同会議)
第2回
平成 17 年 11 月 16 日
子ども読書活動推進計画の考え方及び計画イメー
ジについて
2
今後の日程について
1
寝屋川市子ども読書活動推進計画(素案)につい
(作業部会との合同会議)
第3回
容
て
2
パブリックコメントについて
3
その他
平成 18 年3月24日
1
パブリックコメントについて
(作業部会との合同会議)
2
最終案の取り扱いについて
寝屋川市子ども読書活動推進計画策定作業部会開催状況
回
数
第1回
開
催
日
平成 17 年7月 27 日
内
1
(委員会との合同会議)
子ども読書活動推進計画の考え方及び計画イメー
ジについて
2
第2回
平成 17 年 9 月 28 日
容
1
今後の日程について
寝屋川市子ども読書活動推進計画策定計画(素
案)の検討
2
第3回
第4回
その他
平成 17 年 10 月 26 日
寝屋川市子ども読書活動推進計画(素案)の検討
平成 17 年 11 月 16 日
1
(委員会との合同会議)
寝屋川市子ども読書活動推進計画(素案)につい
て
2
パブリックコメントについて
3
その他
第5回
平成 18 年3月
第6回
平成 18 年3月24日
1
パブリックコメントについて
(委員会との合同会議)
2
最終案の取り扱いについて
3
その他
1日
パブリックコメントについて
―18―
寝屋川市子ども読書活動推進計画策定委員会委員名簿
氏
名
所
属
前川
寛
企画財政部企画政策室次長兼課長
徳重
衛
企画財政部情報化推進室課長
寺田
和広
保健福祉部健康増進課長
田中
道雄
保健福祉部こども室長兼課長
山崎
猛
保健福祉部療育課長
尾﨑
明
学校教育部学務課長
等
佃
千春
学校教育部教育指導課長
山口
正喜
社会教育部次長兼社会教育課長
廣庭
英一
社会教育部中央図書館長
藤坂
哲男
社会教育部地域教育振興室次長兼地域教育課長
寝屋川市子ども読書活動推進計画策定作業部会委員名簿
氏
名
荒木
和美
中川
平
所
属
等
企画財政部企画政策室係長
企画財政部情報化推進室係長
川上
眞理子
保健福祉部健康増進課係長
稲留
京子
保健福祉部こども室係長
塚本
國次
保健福祉部療育課係長
梅本
篤子
学校教育部学務課主幹
松岡
正男
学校教育部教育指導課主幹
田中
良三
社会教育部社会教育課係長
武井
昇一
社会教育部中央図書館係長
杣
順子
社会教育部地域教育振興室地域教育課主幹
―19―
用語解説
・子ども読書年
平成 12 年(2000 年)国立国際子ども図書館のオープンを記念して、この年
を「子ども読書年」としたもの。平成 11 年(1999 年)8月、衆参両院の決議
により制定された。この決議を受けて、「子ども読書年フェスティバル」をは
じめとして、イベントの開催などさまざまな取り組みが行われた。
・子ども文庫
地域の集会所等を利用して活動している地域文庫と、個人が家庭を開放し
て運営している家庭文庫がある。子どものために本の貸出しを中心として、
紙芝居や読み聞かせ、手づくりの遊びなどを通して子どもと本を結びつける
さまざまな活動を行っている。平成 17 年4月現在、寝屋川市では、図書館
において団体貸出登録をしている子ども文庫は9つある。
・子育て支援センター
子育ての不安に対する相談・指導や子育てサークル支援等、地域の子育て
家庭に対する育児援助を行う施設。寝屋川市ではこどもセンターと 2 ヶ所の
保育所内に地域子育て支援センターがある。就学前の子どもとその保護者が
いつでも気軽に利用できるよう、遊びのスペースを設けている。子どもだけ
でなく保護者も一緒に育ち合い、子育てに自信を持つことができるよう、さ
まざまな事業の開催や、市内の子育て情報の提供を行っている。
・移動図書館「おきがる号」
自動車に図書資料を積み、固定の図書館から離れている地域を対象に、利
用者の住居近くまで出向き、貸出しやレファレンスなどの図書館サービスを
提供する図書館。寝屋川市では昭和 47 年(1972 年)に開始し、現在市内 31 ヶ
所を定期的に巡回し、市民に図書資料の貸出しなどを行っている。
・おはなし会
複数の子どもを対象に、おはなしを語ったり本や紙芝居などの読みきかせ
―20―
を行うこと。内容は子どもの年齢や人数に応じてその都度異なっており、手
遊びなどを取り入れることもある。市立図書館、小学校、子ども文庫などで
定期的に行われている。寝屋川市では読み聞かせを行っているボランティア
と協働して実施している。
・ブックトーク
特定のテーマに関連した数冊の本を、簡潔にあらすじや特徴を説明しながら紹
介することで、読書意欲を喚起する。
・ブックスタート
1992 年イギリスのバーミンガムで始められ、民間の教育基金団体であるブ
ックトラスト基金が中心となり、公的機関や民間団体、企業などの支援を受
け、全国的な運動に広がった。乳幼児健康診査時に参加した赤ちゃんと保護
者に絵本や図書案内などを無料で配布する。
・総合的な学習の時間
これまでの画一的な学校の授業を変えて、地域や学校の実態に応じ、学校
が創意工夫して、特色ある教育活動を行える時間、また、国際理解、情報、
環境、福祉・健康などの従来の教科をまたがるような課題に関する学習を行
える時間として学習指導要領に取り入れられた。小・中学校では平成 14 年
(2002 年)度より、高等学校においては平成 15 年(2003 年)度より本格的に
実施されている。
・司書教諭
平成 9 年(1992 年)の学校図書館法の改正で、平成 15 年(2003 年)度より
全国の 12 学級以上の小・中・高等学校に司書教諭が配置されることとなった。
司書教諭は学校図書館における資料整理、貸出し、読書指導などの日常的な業
務を行うとともに、児童・生徒に対する適切な図書資料の提供などを行うこと
により、子どもの読書活動推進の担い手として期待される。
―21―
・布の絵本
布に刺繍やアップリケを着けたりして立体感をもたせ、ボタン・ファスナ
ー・マジックテープ・紐などを使って、くっつけたり、はずしたり、結んだ
りできる絵本。視覚だけでなく、布の感触を通して触覚も使って楽しめるの
で、障害のある子どもだけでなく、すべての子どもの発育・成長を助ける絵
本。
・フレックストーク
視覚障害者用に作成されたデジタル録音図書を再生する専用機械。
―22―