核と向き合う 第1章 はじめに 第2章 研究の展開

核と向き合う
所属
政治経済ゼミ
1年
2組
10 番
今野
裕泰
第1章 はじめに
第1節
テーマ設定の理由
現在、日本は「非核三原則」を唱え、核兵器の所有、製造、持ち込みを禁止している。
しかし、世界では大量の核兵器が未だ現役で存在しており、人々は核抑止力という力の下、
平和な生活を送っているかのように思える。改めて核兵器というものと向き合い、私たち
の暮らす世界は本当の意味で“平和”なのか考え直したいと思い、このテーマを設定した。
第2節
研究内容と方法
第1項
研究の内容
世界各国の核兵器の所有及び配備の状況、これまでに行われた核実験の詳細、各抑止論
の意味や存在意義とその欠点を調べ、そこから日本が世界に対しどのような行動をおこし
ていかなければならないのか考察していく。
第2項
研究の方法
主に岩波書店から発売されている「大量破壊兵器廃絶のための 60 の提言」を読み、
調べ学習を進めた。足りない情報はインターネットから得た。
第2章
研究の展開
核兵器は生物、科学兵器と並び大量破壊兵器と称され、たった一回の使用で何万人もの
命を奪う。第2章では、今の世界の核兵器に関する様々な状況を取り上げる。
第1節
世界各国の核兵器の所有、配備の状況
冷戦後の削減にもかかわらず、未だ世界には約1万2000発の核兵器が現役で配備さ
れていると推定されている。このうち90%以上はアメリカとロシアが保有するものであ
る。また、配備されたものと配備外の核兵器を合わせた数は約2万7000発と推定され
ている。しかし、開示された情報が非常に断片的だったため、この情報はあくまで推定で
あり、正確な数が分からないことは、核兵器廃絶の大きな壁となっている。
1
配備された核兵器
6000
5000
4000
配
備 3000
数
2000
1000
0
第2節
世界中で行われる核実験
核爆発実験を行うことは核兵器の設計、開発、改良のための大切なステップであり、
また、ある国が核兵器の技術を習得したことを世界に発信する政治的なメッセージでも
ある。1945年7月に最初の核実験が行われて以降、2000回以上の核実験が実施さ
れた。核実験が行われる場所は、地上、水中、地下である。 今までに行われた核実験の詳
細は以下の通りである。
国
最新の核実験
大気圏内または
水中
地下
合計
アメリカ
1992
217
815
1032
ソ連
1990
219
496
725
フランス
1996
50
160
210
イギリス
1991
21
24
45
中国
1996
23
22
45
インド
1998
-
3
3
パキスタン
1998
-
2
2
530
1522
2052
合計
第3章
平和の実現に向けて
世界中にある約2万7000発の核兵器の多くは、未だ即時発射の出来る警戒的な態勢
に置かれている。これらの核兵器は偶発的または誤解による発射、さらには計画的使用の
2
危険さえ持っている。第二章では核兵器の廃絶に向けた世界の取り組みを紹介し、それに
向けていったい私たちに何が出来るのかについて考察する。
第1節
世界は平和か
少数の核保有国の政府高官らは、テロ攻撃や核兵器以外の大量破壊兵器を使用した侵略、
さらに通常攻撃による攻撃に対してさえも報復に核兵器を使用する可能性がある、という
警告をしている。一例として2006年1月 、フランスのジャック・シラク大統領は、
「我が国に対してテロ手段を用いようとしている、あるいは何らかの大量破壊兵器の使用
を検討している国々の指導者たちは、そのようにすれば、我々からの 断固たる相応しい反
応にさらされるということを知るべきである。この場合の反応とは、通常兵器による場合
もあるし、そうでない種類の場合もある」。
と、述べている。
ジャック・シラク大統領
このほかに核兵器が使用される可能性の一つとして、核テロリズムが挙げられる。核兵
器を作るために必要なプルトニウム高濃縮ウランを生産することは困難かつ高価であるた
め、これらを作ることができるのは国家だけであると推測できる。しかし生産施設の保安
に弱点があれば、テロリストに必要となる物質や装置を盗まれてしまう可能性がある。初
歩的な核爆発装置を設計するために必要な情報は一般に公開されているため、テロリスト
によって核兵器が使用される可能性は捨てきれないのである。
第2節
核抑止論
ある国が核兵器による攻撃を防ぐのに最も信頼に足る方法は核抑止論、つまりその国が
核 攻 撃 を 受 け て も 生 き 残 っ て 核 に よ る 圧 倒 的 反 撃 を 行 う 能 力 と 意 志 を 保 持 す る こ と を示
すことによって、相手国の核攻撃を思いとどまらせることだと言われている。 冷戦時の対
立の中で米ソ間の大規模戦争を防いだのは核抑止力であったと考える人も多くいる。
しかし、核抑止論は完璧というわけだはない。核抑止力がさらなる核兵器の拡散を防ぐ
とは思えない上、上記で述べたように政府の無謀な行動あるいはテロリストによる核兵器
の拡散や使用を防ぐことはできないからである。
3
第3節
核兵器廃絶に向けて
広島、長崎への原爆投下以後60年以上にわたって、核兵器を管理、廃棄し核拡散を防
ぐための非常に多くの取り組みが行われてきた。まず、核兵器削減に向けたいくつかの進
展を紹介する
・1945年以降核兵器が使用されていないこと。これは一見大したことのない事柄の
ように思えるが、保有国の核使用に対する敷居が非常に高いことを示している。
・ほとんど全ての国が核不拡散条約(NPT)に加盟している。つまり、例外を除いて
は加盟国は核兵器を取得しないという誓約を守っている。
・部分的核実験禁止条約(PTBT)によって地下以外のあらゆる場所での核実験が禁
止されていること。
・地域的な非核地帯によって、南半球全体が事実上、核兵器の配備禁止地域になってい
る。また、核兵器を海底、宇宙及び南極に配備されることが非合法化されている。
・アメリカとロシアは、数千発の核兵器を現役から引退させた。また、イギリスは冷戦
終結後、保有核兵器を大幅に削減した。
しかし、世界は未だ既存の兵器、さらなる拡散、テロリズムという3つの主要課題に直
面している。既存の核兵器の貯蔵量が多ければ多いほど、それらの外部への流出や誤用の
可能性は高まる。核兵器廃絶へのステップの一つとして拡散の問題はとても重要な位置に
ある。
第4節
私たちは何をすべきなのか?
核兵器廃絶というテーマは各国間に限った問題ではない。まず、上記の資料に目を通し、
我々がいかに不安定な偽りの平和の下に生活しているのかを再確認していただきたい。
重要な課題のひとつは、核兵器の非合法化など不可能であるという考えを払拭することで
ある。核兵器の廃絶は慎重で思慮深い現実的な方法を通じて達成可能である。それを実現
するためには、唯一の被爆国である日本が率先して世界にこの核兵器廃絶を訴えていかな
ければならないと私は考える。そして国を動かすのは私たち国民なのである。
一般市民レベルでの十分な知識や関心なくしては、政府に対し効果的な圧力をかけるこ
とは期待できない。実際、核兵器に対する一般市民の関心の現れは時や場所によって大き
く異なる。欧州、大西洋地域においては核兵器及び大量破壊兵器に対する関心が高いと言
4
える。私たちの周りではどうであろう。私はこれまで世界は真に平和であると信じて疑わ
なかった。同じように思っている人も多いのではないだろうか。核兵器の削減や拡散防止
そして廃絶が多くの人々の優先課題に入っていないことは明らかなことであると思う。
1956年、アメリカのドワイト・アイゼンハワー大統領はこう述べている。
「人類は、世界戦争を行えばそれらは自らに対する死刑宣告に等しいというくらい恐ろし
い兵器を開発することができたのだから、人類の知性及び理性をもってすれば自らの手で
平和解決を見出すこともできるであろう」。
私はこの言葉が真実であると信じたい。そして理想の実現のため、
できることをしていきたいとおもう。このレ ポート読んでくださった
人にもこれをお願いしたい。
ド ワ イ ト ・ ア イ ゼ ン ハ ワ ー 大統 領
第4章
感想・参考文献
テーマを設定 した と きはス ケール が大き すぎ たと後 悔した が、調 べ学 習を進 めるに 連れて
多くの事実を知ることができ、非常に大きな経験になったと思う。大戦や冷戦を経てもなお世
界は多くの危険を孕んでいるということを知ったときは正直とても驚いた。それと同時に自分
は今、社会に対しどのような働きができるのか、ということについて深く考えるよい機会とな
ったと思う。
<参考文献>
西原正
日本語版監修、川崎哲、森下麻衣子、メレディス・ジョイス
訳
「大量破壊兵器廃絶のための60の提言」(岩波書店)2007年9月14日
第一版発
行
ジャック・シラク大統領
画像
http://area2.sakura.ne.jp/World/France/Government.html
2014年1月24日アクセス
ドワイト・アイゼンハワー大統領
画像
http://www.allposters.co.jp/-sp/%E3%83%89%E3%83%AF%E3%82%A4%E3%83%88%E3%83%BB%E3
%82%A2%E3%82%A4%E3%82%BC%E3%83%B3%E3%83%8F%E3%83%AF%E3%83%BC -Posters_i8274311_.h
tm
2014年1月29日アクセス
5