第三章 第一節 第二十六款《外貨建取引の換算等》 第二十六款 外貨建取引の換算等 一 用語の意義 第二十六款《外貨建取引の換算等》における用語の意義は、それぞれ次に掲げるところによる。 1 外 2 円 貨 換 建 取 算 引 額 外国通貨で支払が行われる資産の販売及び購入、役務の提供、金銭の貸付け及び借入れ、 剰余金の配当その他の取引をいう。 (法61の8①) 外国通貨で表示された金額を本邦通貨表示の金額に換算した金額をいう。(法61の8①) 外国通貨をもって表示される支払手段(外国為替及び外国貿易法第6条第1項第7号《定 義》に規定する支払手段をいう。)又は外貨債権(外国通貨をもって支払を受けることが 3 先物外国為替取引 できる債権をいう。)の売買契約に基づく債権の発生、変更又は消滅に係る取引をその売 買契約の締結の日後の一定の時期に一定の外国為替の売買相場により実行する取引をい う。 (規27の7①Ⅵ) 先物外国為替取引に係る契約のうち外貨建資産・負債の取得又は発生の基因となる外貨建 4 取引に伴って支払い、又は受け取る外国通貨の金額の円換算額を確定させる契約をいう。 先 物 外 国 為 替 契 約 (法61の8④、令122①、規27の10①) 注 「外貨建資産・負債」については、三の3《先物外国為替契約により発生時の外国通貨の円換算額を確定 させた外貨建資産・負債の換算》を参照。 先物外国為替契約又は金融商品取引法第2条第20項《定義》に規定するデリバティブ取引 に係る契約のうちその取引の当事者が元本及び利息として定めた外国通貨の金額につい てその当事者間で取り決めた外国為替の売買相場に基づき金銭の支払を相互に約する取 引に係る契約(次に掲げるいずれかの要件を満たすものに限る。)をいう。(法61の8②、 規27の11①) 5 先物外国為替契約等 その契約の締結に伴って支払い、又は受け取ることとなる外貨元本額(その取引 の当事者がその取引の元本として定めた外国通貨の金額をいう。以下5において ① 同じ。 )の円換算額が満了時円換算額(その契約の期間の満了に伴って受け取り、 又は支払うこととなる外貨元本額の円換算額をいう。以下5において同じ。)と 同額となっていること。 その契約に係る満了時円換算額がその契約の期間の満了の日を外国為替の売買 ② の日とする先物外国為替契約に係る外国為替の売買相場により外貨元本額を円 換算額に換算した金額に相当する金額となっていること。 次の表の掲げる資産及び負債をいう。 (法61の9①、規27の12) 外貨建債権(外国通貨で支払を受けるべきこととされている金銭債権をいう。以 ① 下同じ。)及び外貨建債務(外国通貨で支払を行うべきこととされている金銭債 務をいう。以下同じ。) 外貨建有価証券(次に掲げる有価証券をいう。 ) 6 外 貨 建 資 産 等 イ その償還が外国通貨で行われる債券 ロ 残余財産の分配が外国通貨で行われる株式 ハ イ又はロに掲げる有価証券に準ずる有価証券 ② ③ 外貨預金 ④ 外国通貨 -1219- 第三章 第一節 第二十六款《外貨建取引の換算等》 (いわゆる外貨建て円払いの取引) (1) 外貨建取引は、その取引に係る支払が外国通貨で行われるべきこととされている取引をいうのであるから、例え ば、債権債務の金額が外国通貨で表示されている場合であっても、その支払が本邦通貨により行われることとされて いるものは、ここでいう外貨建取引には該当しないことに留意する。(基通13の2-1-1) (前渡金、未収収益等) (2) 外貨建取引に関して支払った前渡金又は収受した前受金で資産の売買代金に充てられるものは、外貨建債権債務 (外貨建債権又は外貨建債務をいう。以下同じ。 )に含まれない。ただし、外貨建取引に係る未収収益又は未払費用は、 外貨建債権債務に該当するものとして取り扱う。(基通13の2-2-1) (先物外国為替契約等の範囲――選択権付為替予約) (3) 法人が、選択権付為替予約をしている場合において、当該選択権付為替予約に係る選択権の行使をしたときは、 その選択権の行使をした日が三の2《先物外国為替契約等により決済時の外国通貨の円換算額を確定させた外貨建資 産等の換算》に掲げる先物外国為替契約等の締結の日となることに留意する。この場合、オプション料に相当する金 額は、五の1《為替予約差額の配分》に掲げる為替予約差額の直先差額に含めて各事業年度の益金の額又は損金の額 として配分する。 (基通13の2-2-3) 二 外貨建取引に係る会計処理等 法人の各事業年度において生じた外貨建取引に係る会計処理等については、次によるものとする。 (外貨建取引及び発生時換算法の円換算) (1) 三の1《外貨建取引の換算》及び四の1の(1)の表の(一)《発生時換算法》に基づく円換算(三の2《先物外国 為替契約等により決済時の外国通貨の円換算額を確定させた外貨建資産等の換算》の適用を受ける場合の円換算を除 く。 )は、その取引を計上すべき日(以下「取引日」という。 )における対顧客直物電信売相場(以下「電信売相場」 という。)と対顧客直物電信買相場(以下「電信買相場」という。 )の仲値(以下「電信売買相場の仲値」という。)に よる。ただし、継続適用を条件として、売上その他の収益又は資産については取引日の電信買相場、仕入その他の費 用(原価及び損失を含む。以下同じ。 )又は負債については取引日の電信売相場によることができるものとする。(基 通13の2-1-2) 注1 本通達の本文の電信売相場、電信買相場及び電信売買相場の仲値については、原則として、その法人の主たる取引金融機関のものによ ることとするが、法人が、同一の方法により入手等をした合理的なものを継続して使用している場合には、これを認める。 注2 上記の円換算に当たっては、継続適用を条件として、当該外貨建取引の内容に応じてそれぞれ合理的と認められる次のような外国為替 の売買相場(以下「為替相場」という。 )も使用することができる。 イ 取引日の属する月若しくは週の前月若しくは前週の末日又は当月若しくは当週の初日の電信買相場若しくは電信売相場又はこれら の日における電信売買相場の仲値 ロ 取引日の属する月の前月又は前週の平均相場のように1か月以内の一定期間における電信売買相場の仲値、電信買相場又は電信売相 場の平均値 注3 円換算に係る当該日(為替相場の算出の基礎とする日をいう。以下同じ。)の為替相場については、次に掲げる場合には、それぞれ次 によるものとする。 イ 当該日に為替相場がない場合には、同日前の最も近い日の為替相場による。 ロ 当該日に為替相場が2以上ある場合には、その当該日の最終の相場(当該日が取引日である場合には、取引発生時の相場)による。 ただし、取引日の相場については、取引日の最終の相場によっているときもこれを認める。 注4 本邦通貨により外国通貨を購入し直ちに資産を取得し若しくは発生させる場合の当該資産、又は外国通貨による借入金(社債を含む。 以下同じ。)に係る当該外国通貨を直ちに売却して本邦通貨を受け入れる場合の当該借入金については、現にその支出し、又は受け入れ た本邦通貨の額をその円換算額とすることができる。 注5 外貨建資産等の取得又は発生に係る取引は、当該取得又は発生の時における支払が本邦通貨により行われている場合であっても、(1) の本文及び注2から注4までを適用し、当該外貨建資産等の円換算を行う。 注6 いわゆる外貨建て円払いの取引は、当該取引の円換算額を外貨建取引の円換算の例に準じて見積もるものとする。この場合、その見積 額と当該取引に係る債権債務の実際の決済額との間に差額が生じたときは、その差額は、(10)《製造業者等が負担する為替損失相当額等》 により益金の額又は損金の額に算入される部分の金額を除き、当該債権債務の決済をした日(同日前にその決済額が確定する場合には、 その確定した日)の属する事業年度の益金の額又は損金の額に算入する。 (多通貨会計を採用している場合の外貨建取引の換算) (2) 法人が、外貨建取引を取引発生時には外国通貨で記録し、各月末、事業年度終了の時等一定の時点において本邦 -1220- 第三章 第一節 第二十六款《外貨建取引の換算等》 通貨に換算するといういわゆる多通貨会計を採用している場合において、三の1《外貨建取引の換算》の適用に当た り、各月末等の規則性を有する1か月以内の一定期間ごとの一定の時点において本邦通貨への換算を行い、当該一定 の時点を当該外貨建取引に係る取引発生時であるものとして(1)の取扱いを適用しているときは、これを認める。こ の場合、円換算に係る為替相場については、当該一定期間を基礎として計算した平均値も使用することができるもの とする。(基通13の2-1-3) 注 四の1の(1)《発生時換算法及び期末時換算法の意義》の表の(二)に掲げる期末時換算法を選定している場合の事業年度終了の時におい て有する外貨建資産等の円換算は、四の1の(3)《期末時換算法――事業年度終了の時における為替相場》の為替相場による。 (前渡金等の振替え) (3) (1)により円換算を行う場合において、その取引に関して受け入れた前受金又は支払った前渡金があるときは、 当該前受金又は前渡金に係る部分については、(1)にかかわらず、当該前受金又は前渡金の帳簿価額をもって収益又 は費用の額とし、改めてその収益又は費用の計上日における為替相場による円換算を行わないことができるものとす る。 (基通13の2-1-5) (先物外国為替契約等がある場合の収益、費用の換算等) (4) 外貨建取引に係る売上その他の収益又は仕入その他の費用につき円換算を行う場合において、その計上を行うべ き日までに、当該収益又は費用の額に係る本邦通貨の額を先物外国為替契約等により確定させているとき(当該先物 外国為替契約等の締結の日において、当該法人の帳簿書類に三の2《先物外国為替契約等により決済時の外国通貨の 円換算額を確定させた外貨建資産等の換算》の表の右欄に掲げる記載事項に準ずる事項の記載があるときに限る。 )は、 その収益又は費用の額については、(1)((2)により準用して適用する場合を含む。以下同じ。 )にかかわらず、その 確定させている本邦通貨の額をもってその円換算額とすることができる。この場合、その収益又は費用の額が先物外 国為替契約等により確定しているかどうかは、原則として個々の取引ごとに判定するのであるが、外貨建取引の決済 約定の状況等に応じ、包括的に先物外国為替契約等を締結してその予約額の全部又は一部を個々の取引に比例配分す るなど合理的に振り当てているときは、これを認める。(基通13の2-1-4) 注1 事業年度終了の時において、この取扱いの適用を受けた外貨建取引に係る外貨建資産等で決済時の円換算額を確定させたものを有する 場合には、当該外貨建資産等に係る五の1《為替予約差額の配分》に掲げる為替予約差額に相当する金額を五の1、五の1の(1)《適格 分割等を行った場合の為替予約差額の配分計算》及び五の2《短期外貨建資産等に係る為替予約差額の一括計上》に基づき各事業年度に 配分することに留意する。この場合、当該事業年度終了の日における当該為替予約差額に相当する金額の計上は、課税上弊害がない限り、 為替差損益の調整勘定として処理することができるものとする。 注2 第二十五款の一《繰延ヘッジ処理による利益額又は損失額の繰延べ》又は同款の二《時価ヘッジ処理による売買目的外有価証券の評価 益又は評価損の計上》の適用を受ける場合には、当該法人の帳簿書類に三の2に掲げる記載を行わず、第二十五款の一の1《繰延ヘッジ 処理による利益額又は損失額の繰延べ》又は同款の二の1《時価ヘッジ処理による売買目的外有価証券の評価益又は評価損の計上》に掲 げる記載を行うことになる。 (延払基準の適用) (5) 第一款の五の1の①のハ《延払基準の方法》による延払基準の方法を適用する長期割賦販売等(以下(5)及び(6) において「長期割賦販売等」という。 )の対価の一部につき前受金を受け入れている場合において、その対価の全額に つき(1)により円換算を行い、これを基として延払基準を適用しているときは、当該前受金の帳簿価額と当該前受金 についての円換算額との差額に相当する金額は、当該長期割賦販売等に係る目的物の引渡し又は役務の提供の日の属 する事業年度の益金の額又は損金の額に算入し、同ハの(イ)の(1)《賦払金割合の意義》に掲げる賦払金割合の算定 に含めることに留意する。 (基通13の2-1-6) (長期割賦販売等に係る債権等につき為替差損益を計上した場合の未実現利益繰延額の修正) (6) 長期割賦販売等に該当する資産の販売等について債権総額を計上するとともにその未実現利益を繰延計上する経 理を行っている法人が、当該資産の販売等に係る外貨建債権を当該事業年度終了の時の為替相場により円換算を行っ た場合において、その円換算による為替差損益を計上しているときは、繰延経理をした当該未実現利益の額を調整す るものとする。(基通13の2-1-7) 注 長期割賦販売等に該当する資産の販売等に係る短期外貨建債権(四の3《外貨建資産等の期末換算方法の選定の方法》の表の①に掲げる 短期外貨建債権をいう。以下同じ。)につき計上した為替差損益に対応する未実現利益の額を法人が継続して調整しないこととしていると きは、本文にかかわらずこれを認める。 -1221- 第三章 第一節 第二十六款《外貨建取引の換算等》 (海外支店等の資産等の換算の特例) (7) 法人が国外に支店等を有する場合において、当該支店等の外国通貨で表示されている財務諸表を本店の財務諸表 に合算する場合における円換算額については、当該支店等の財務諸表項目の全てについて当該事業年度終了の時の為 替相場による円換算額を付すことができるものとする。(基通13の2-1-8) 注 上記の円換算に当たっては、継続適用を条件として、収益及び費用(前受金等の収益性負債の収益化額及び前払金等の費用性資産の費用 化額を除く。)の換算につき、取引日の属する月若しくは半期又は当該事業年度の一定期間内における電信売買相場の仲値、電信買相場又 は電信売相場の平均値も使用することができる。この場合、当該国外支店等に係る当期利益の額又は当期損失の額の円換算額は、当該国外 支店等に係る貸借対照表に計上されている金額の円換算額となることに留意する。 (為替差益を計上した場合の資産の取得価額の不修正) (8) 資産の取得に要した外貨建債務を当該事業年度終了の時の為替相場により円換算を行ったため為替差益が生じた 場合であっても、当該資産の取得価額を減額することはできないことに留意する。(基通13の2-1-9) (外貨建てで購入した原材料の受入差額) (9) 法人が、外貨建てで購入した原材料についての仕入金額の換算を社内レートによって行う等(1)及び(4)に掲げ る方法によって行っていない場合には、(1)又は(4)に掲げる方法によって換算した金額と当該法人が計上した金額 との差額は、原材料受入差額に該当する。(基通13の2-1-10) 注 当該差額については第五款の六の(10)《原材料受入差額の処理の簡便計算方式》を適用することができる。 (製造業者等が負担する為替損失相当額等) (10) 製造業者等が商社等を通じて行った輸出入等の取引に関して生ずる為替差損益の全部又は一部を製造業者等に負 担させ又は帰属させる契約を締結している場合における商社等及び製造業者等の取扱いについては、次による。 (基通 13の2-1-11) 外貨建債権債務について四の1の(1)《発生時換算法及び期末時換算法の意義》に掲げる期末 時換算法を選定している場合(発生時換算法を選定している外貨建債権債務につき三の1の (2)《外国為替の売買相場が著しく変動した場合の外貨建資産等の期末時換算》の適用を受け たときを含む。)において、当該契約に係る外貨建債権債務につき当該事業年度終了の時にそ の決済が行われたものと仮定した場合において製造業者等に負担させ又は帰属させることと (一) 商社等 なる金額(当該外貨建債権債務に係る換算差額又は五の1《為替予約差額の配分》 、同1の(1) 《適格分割等を行った場合の為替予約差額の配分計算》若しくは五の2《短期外貨建資産等に 係る為替予約差額の一括計上》に掲げる各事業年度に配分すべき金額に相当する金額のうち、 負担させ又は帰属させることとなる金額に限る。)を当該事業年度の益金の額又は損金の額に 算入する。 全ての商社等に対する当該契約に係る金銭債権及び金銭債務につき当該事業年度終了の時に その決済が行われたものと仮定した場合において負担し又は帰属することとなる金額(当該金 (二) 製造業者等 銭債権及び金銭債務につき外貨建債権債務を有するとした場合において当該外貨建債権債務 に係る換算差額又は五の1、同1の(1)若しくは五の2に掲げる各事業年度に配分すべき金額 に相当する金額のうち、負担し又は帰属することとなる金額に限る。)を当該事業年度の損金 の額又は益金の額に算入しているときは、継続適用を条件として、これを認める。 三 外貨建取引の換算 1 外貨建取引の換算 内国法人が外貨建取引を行った場合には、当該外貨建取引の金額の円換算額は、当該外貨建取引を行った時における外 国為替の売買相場により換算した金額とする。(法61の8①) (外貨建資産等の評価換え等をした場合のみなし取得による換算) (1) 内国法人がその有する一の表の6に掲げる外貨建資産等(次の表の(一)から(三)までに掲げる資産又は負債を除 -1222- 第三章 第一節 第二十六款《外貨建取引の換算等》 く。以下(1)において「外貨建資産等」という。)につき、評価換え等(第九款の一の2《会社更生等による評価換え を行った場合の資産の評価益の益金算入》に掲げる評価換え若しくは同款の二の2《評価換えを行った場合の資産の 評価損の損金算入》若しくは同二の3《会社更生等による評価換えを行った場合の資産の評価損の損金算入》の適用 を受ける評価換え又は民事再生等評価換え〔第二十三款の一の3の②の(2)《移動平均法――民事再生等評価換えが あった場合の一単位当たりの帳簿価額の算出の特例》に掲げる民事再生等評価換えをいう。以下(1)において同じ。〕 をいう。)又は非適格株式交換等時価評価(第二十三款の一の3の②の(3)《移動平均法――非適格株式交換等を行っ た場合の一単位当たりの帳簿価額の算出の特例》に掲げる非適格株式交換等時価評価をいう。 )をした場合には、その 外貨建資産等の取得又は発生の基因となった外貨建取引は、当該評価換え等又は非適格株式交換等時価評価に係る評 価の時(当該評価換え等が民事再生等評価換えである場合には、第九款の一の3《民事再生等による特定の事実が生 じた場合の資産の評価益の益金算入》に掲げる事実又は同款の二の4《民事再生等による特定の事実が生じた場合の 資産の評価損の損金算入》に掲げる事実が生じた時)において行ったものとみなして、1を適用する。 (法61の8④、 令122の2) (一) 2《先物外国為替契約等により決済時の外国通貨の円換算額を確定させた外貨建資産等の換算》の適用を受け た資産又は負債 第二十五款の一の2の表の①《ヘッジ対象資産等損失額》のイに掲げる資産又は負債につき外国為替の売買相 (二) 場の変動による価額の変動に伴って生ずるおそれのある損失の額を減少させるため同表の②《デリバティブ取 引等》に掲げるデリバティブ取引等を行った場合(当該デリバティブ取引等につき同一の1《繰延ヘッジ処理 による利益額又は損失額の繰延べ》の適用を受けている場合に限る。 )における当該資産又は負債 第二十五款の二の1《時価ヘッジ処理による売買目的外有価証券の評価益又は評価損の計上》に掲げる売買目 (三) 的外有価証券につき外国為替の売買相場の変動による価額の変動に伴って生ずるおそれのある損失の額を減 少させるため同二の1に掲げるデリバティブ取引等を行った場合(当該デリバティブ取引等につき同二の1の 適用を受けている場合に限る。 )における当該売買目的外有価証券 注 連結納税に関することは省略した。 (編者) (外国為替の売買相場が著しく変動した場合の外貨建資産等の期末時換算) (2) 内国法人が事業年度終了の時において有する外貨建資産等(当該事業年度において(1)《外貨建資産等の評価換 え等をした場合のみなし取得による換算》を適用したもの及び第二十三款の一の1の表の⑤《企業支配株式等》に該 当するものを除く。以下(2)において同じ。 )につき当該事業年度においてその外貨建資産等に係る外国為替の売買相 場が著しく変動した場合には、その外貨建資産等と通貨の種類を同じくする外貨建資産等のうち外国為替の売買相場 が著しく変動したものの全てにつきこれらの取得又は発生の基因となった外貨建取引を当該事業年度終了の時におい て行ったものとみなして、1を適用することができる。 (法61の8④、令122の3①) (外国為替の売買相場が著しく変動した場合の適格分割等により移転する外貨建資産等の換算) (3) (2)は、内国法人が適格分割、適格現物出資又は適格現物分配(適格現物分配にあっては、残余財産の全部の分 配を除く。以下(3)において「適格分割等」という。 )により分割承継法人、被現物出資法人又は被現物分配法人に移 転する外貨建資産等につき当該事業年度開始の日から当該適格分割等の直前の時までの間においてその外貨建資産等 に係る外国為替の売買相場が著しく変動した場合について準用する。この場合において、(2)中「当該事業年度終了 の時」とあるのは、 「(3)に掲げる適格分割等の直前の時」と読み替えるものとする。(法61の8④、令122の3②) (為替相場の著しい変動があった場合の外貨建資産等の換算) (4) 事業年度終了の時において有する個々の外貨建資産等((2)に掲げる外貨建資産等に限る。以下(4)において同 じ。 )につき次の算式により計算した割合がおおむね15%に相当する割合以上となるものがあるときは、当該外貨建資 産等については、(2)に掲げる「外国為替の売買相場が著しく変動した場合」に該当するものとして当該外貨建資産 等の額(帳簿価額として付されている金額の外貨表示金額をいう。)につき(2)に基づく円換算を行うことができる。 (基通13の2-2-10) -1223- 第三章 第一節 第二十六款《外貨建取引の換算等》 (算式) 当該外貨建資産等の額につき当該事 当該事業年度終了の日における当該外 業年度終了の日の為替相場により換 - 貨建資産等の帳簿価額(同日における (2)の適用前の帳簿価額をいう。) 算した本邦通貨の額 当該外貨建資産等の額につき当該事業年度終了の日の 為替相場により換算した本邦通貨の額 注1 算式中の「当該事業年度終了の日の為替相場」は、四の1の(3)《期末時換算法――事業年度終了の時における為替相場》に掲げると ころによる。 注2 多数の外貨建資産等を有するため、個々の外貨建資産等ごとに算式による割合の計算を行うことが困難である場合には、外国通貨の種 類を同じくする外貨建債権、外貨建債務、外貨建有価証券、外貨預金又は外国通貨のそれぞれの合計額を基礎としてその計算を行うこと ができるものとする。 注3 外国通貨の種類を同じくする外貨建資産等につき上記の算式により計算した割合がおおむね15%に相当する割合以上となるものが2 以上ある場合には、その一部についてのみ(2)による円換算を行うことはできないことに留意する。 注4 本文の取扱いは、(3)に掲げる適格分割等により分割承継法人、被現物出資法人又は被現物分配法人に移転する外貨建資産等について 準用する。この場合、算式中「当該事業年度終了の日」とあるのは、 「当該適格分割等のあった日の前日」とする。 2 先物外国為替契約等により決済時の外国通貨の円換算額を確定させた外貨建資産等の換算 内国法人が先物外国為替契約等により外貨建取引(第二十二款の一の1の(1)《短期売買商品の範囲》に掲げる短期売 買商品及び第二十三款の一の1《用語の意義》の表の②に掲げる売買目的有価証券の取得及び譲渡を除く。(1)《適格合 併等により先物外国為替等が移転した場合の外貨建取引の換算の引継ぎ》において同じ。 )によって取得し、又は発生する 資産又は負債の金額の円換算額を確定させた場合において、当該先物外国為替契約等の締結の日において次の表の①又は ②の左欄に掲げる帳簿書類に右欄に掲げる事項を記載したときは、当該資産又は負債については、当該円換算額をもって、 1《外貨建取引の換算》により換算した金額とする。(法61の8②、規27の11②) 帳簿書類 ① ② その資産若しくは負債の取得又 は発生に関する帳簿書類 その先物外国為替契約等の締結 等に関する帳簿書類 記載事項 イ 円換算額を確定させた旨 ロ 先物外国為替契約等の契約金額、締結の日及び履行の日 ハ その他参考となるべき事項 イ 円換算額を確定させた旨 ロ その外貨建取引の種類及び金額 ハ その他参考となるべき事項 (適格合併等により先物外国為替等が移転した場合の外貨建取引の換算の引継ぎ) (1) 内国法人が、適格合併、適格分割又は適格現物出資(以下(1)において「適格合併等」という。)により被合併法 人、分割法人又は現物出資法人(以下(1)において「被合併法人等」という。)から外貨建取引によって取得し、又は 発生する資産又は負債の金額の円換算額を確定させるために当該被合併法人等が行った2に掲げる先物外国為替契約 等の移転を受け、かつ、当該適格合併等により当該外貨建取引(当該先物外国為替契約等によりその金額の円換算額 を確定させようとする当該資産又は負債の取得又は発生の基因となるものに限る。 )を当該内国法人が行うこととなっ た場合において、当該被合併法人等が当該先物外国為替契約等につきその締結の日において2の表の①又は②の左欄 に掲げる帳簿書類に同表の①又は②の右欄に掲げる事項を記載していたときは、当該適格合併等の日の属する事業年 度以後の各事業年度における三《外貨建取引の換算》の適用については、当該内国法人が当該資産又は負債の金額の 円換算額を確定させるために当該先物外国為替契約等を締結し、かつ、当該記載をしていたものとみなす。 (法61の8 ③) 注 適格合併等により被合併法人等から先物外国為替契約等(外貨建取引によって取得し、又は発生する資産又は負債の金額の円換算額を確 定させるために被合併法人等が行ったもの)の移転を受け、かつ、その外貨建取引(その先物外国為替契約等によりその金額の円換算額を 確定させようとする資産又は負債の発生の基因となるもの)を行うこととなった場合には、外貨建取引の換算はその確定させた円換算額に より行う。(編者) (先物外国為替契約等がある外貨建資産・負債の換算) (2) 2に掲げる「資産又は負債の金額」又は3《先物外国為替契約により発生時の外国通貨の円換算額を確定させた 外貨建資産・負債の換算》に掲げる「外貨建取引に伴って支払い、又は受け取る外国通貨の金額」の円換算額が先物 外国為替契約等により確定しているときは、2又は3に基づき、当該先物外国為替契約等により確定している円換算 -1224- 第三章 第一節 第二十六款《外貨建取引の換算等》 額をもって2又は3に掲げる資産又は負債(以下「外貨建資産・負債」という。 )の円換算額とするのであるが、当該 外貨建資産・負債につき先物外国為替契約等を締結しているかどうかは、原則として個々の外貨建資産・負債ごとに 判定することに留意する。ただし、法人が、その取引の決済約定の状況等に応じ、包括的に先物外国為替契約等を締 結しているような場合には、当該外貨建資産・負債に係る3に掲げる円換算額は、その予約額の全部又は一部を個々 の取引に比例配分するなど合理的に振り当てて算出するものとする。(基通13の2-2-6) 注 2は、3に優先して適用されることに留意する。 (外貨建資産等につき通貨スワップ契約を締結している場合の取扱い) (3) 外貨建資産等につき一の表の5《先物外国為替契約等》の右欄の①又は②のいずれかの要件を満たす同表の5の 右欄に掲げる「金銭の支払を相互に約する取引に係る契約」(以下(3)において「通貨スワップ契約」という。 )を締 結している場合の当該外貨建資産等に係る先物外国為替契約等により確定している円換算額(以下(3)において「通 貨スワップ換算元本額」という。)は、当該通貨スワップ契約により元本の額として授受すべき本邦通貨の額とする。 この場合、通貨スワップ契約により授受をする契約上の受取利子又は支払利子の総額は、利息法又は定額法に基づき 各事業年度に配分する。ただし、当該受取利子又は支払利子に係るスワップレート(当該受取利子又は支払利子に係 る本邦通貨の額を当該利子の外国通貨表示の金額で除して計算した金額をいう。 )が、当該法人が当該法人の主たる取 引金融機関との間で為替予約をするとした場合のものと同等と認められるときは、当該通貨スワップ契約により授受 をする契約上の受取利子又は支払利子の額を上記の配分額に代わる各事業年度の利子相当額とすることができる。 (基通13の2-2-7) 注 外貨建資産等につき通貨スワップ契約によって生ずる換算差額相当額(当該外貨建資産等の取得時又は発生時の為替相場による円換算額 と通貨スワップ換算元本額との差額をいう。)は、五の1《為替予約差額の配分》 、五の1の(1)《適格分割等を行った場合の為替予約差額 の配分計算》及び五の2《短期外貨建資産等に係る為替予約差額の一括計上》により各事業年度に配分することに留意する。 (期末時換算法――為替差損益の一括表示) (4) 法人が外貨建資産等につき期末時換算法を選定している場合の為替差損益を個々の外貨建資産等の額に加算又は 減算しないで、いわゆる洗替方式により売掛金、借入金等のそれぞれの項目に一括して加算又は減算している場合で あっても、その計算を認めるものとする。この場合、貸倒引当金の計算の基礎となる金銭債権の額は、当該金銭債権 の額に対応する為替差損益に相当する金額を加算又は減算して計算することに留意する。(基通13の2-2-9) (適正な円換算をしていない場合の処理) (5) 法人が当該事業年度終了の時において有する外貨建資産等につきそのよるべきものとされる方法による円換算を 行っていない場合には、当該事業年度の所得の金額の計算上そのよるべきものとされる方法により換算した金額とそ の帳簿価額との差額は、益金の額又は損金の額に算入する。ただし、その差額を損金の額に算入しなかったことにつ き第二章第三節の一の2《仮装経理に基づく過大申告の場合の更正の特例》の適用があると認められる場合には、こ の限りでない。(基通13の2-2-11) 3 先物外国為替契約により発生時の外国通貨の円換算額を確定させた外貨建資産・負債の換算 内国法人が先物外国為替契約により外貨建資産・負債(外貨建取引によって取得し、又は発生する資産又は負債をいい、 2《先物外国為替契約等により決済時の外国通貨の円換算額を確定させた外貨建資産等の換算》の適用を受ける資産又は 負債を除く。以下3において同じ。 )の取得又は発生の基因となる外貨建取引に伴って支払い、又は受け取る外国通貨の金 額の円換算額を確定させ、かつ、その先物外国為替契約の締結の日において、次の表のイに掲げる帳簿書類にロに掲げる 事項を記載した場合には、その外貨建資産・負債については、その円換算額をもって、1《外貨建取引の換算》により換 算した金額とする。 (法61の8④、令122①、規27の10①②) イ 帳 簿 書 類 ロ 記 載 事 項 その先物外国為替契約の締結等に関する帳簿書類 (イ) 円換算額を確定させた旨 (ロ) その外貨建取引の種類及び金額 (ハ) その他参考となるべき事項 -1225- 第三章 第一節 第二十六款《外貨建取引の換算等》 (適格合併等により先物外国為替契約を移転した場合の外貨建資産等と換算の引継ぎ) 内国法人が、適格合併、適格分割又は適格現物出資(以下3において「適格合併等」という。 )により被合併法人、 分割法人又は現物出資法人(以下3において「被合併法人等」という。 )から外貨建資産・負債の取得又は発生の基因 となる外貨建取引に伴って支払い、又は受け取る外国通貨の金額の円換算額を確定させるために当該被合併法人等が 行った先物外国為替契約の移転を受け、かつ、当該適格合併等により当該外貨建取引を当該内国法人が行うこととな った場合において、当該被合併法人等が当該先物外国為替契約につきその締結の日において3《先物外国為替契約に より発生時の外国通貨の円換算額を確定させた外貨建資産・負債の換算》の表のイに掲げる帳簿書類に同表のロに掲 げる事項を記載していたときは、当該適格合併等の日の属する事業年度以後の各事業年度における3の適用について は、当該内国法人が当該外国通貨の金額の円換算額を確定させるために当該先物外国為替契約を締結し、かつ、当該 記載をしていたものとみなす。 (法61の8④、令122②) 四 外貨建資産等の期末換算差益又は期末換算差損の益金又は損金算入等 1 外貨建資産等の期末換算 内国法人が事業年度終了の時において次の表の左欄に掲げる外貨建資産等を有する場合には、その時における当該外貨 建資産等の金額の円換算額は、当該外貨建資産等の次の表の左欄に掲げる区分に応じ、それぞれ同表の右欄に掲げる方法 (①、②のロ及び③に掲げる外貨建資産等にあっては、右欄に掲げる方法のうち当該内国法人が選定した方法とし、当該内 国法人がその方法を選定しなかった場合には、6《外貨建資産等の法定の期末換算方法》に掲げる方法とする。)により換 算した金額とする。 (法61の9①) ① 外貨建債権及び 外貨建債務 発生時換算法又は期末時換算法 次の表の左欄に掲げる有価証券の区分に応じ、それぞれ同表の右欄に掲げる方法 イ ② 外貨建有価証券 ロ ハ 第二十三款の一の1《用語の意義》の表の②に 掲げる売買目的有価証券 同表の⑥に掲げる売買目的外有価証券(償還期 限及び償還金額の定めのあるものに限る。) イ及びロに掲げる有価証券以外の有価証券 ③ 外 貨 預 金 発生時換算法又は期末時換算法 ④ 外 国 通 貨 期末時換算法 期末時換算法 発生時換算法又は期末時換算法 発生時換算法 (発生時換算法及び期末時換算法の意義) (1) 第二十六款《外貨建取引の換算等》において、発生時換算法及び期末時換算法とは、次に掲げる方法をいう。 (法 61の9①Ⅰ) 事業年度終了の時(以下(2)までにおいて「期末時」という。)において有する外貨建資産 等について、三の1《外貨建取引の換算》により当該外貨建資産等の取得又は発生の基因と なった外貨建取引の金額の円換算額への換算に用いた外国為替の売買相場により換算した (一) 発 生 時 換 算 法 金額(当該外貨建資産等のうち、その取得又は発生の基因となった外貨建取引の金額の円換 算額への換算に当たって三の2《先物外国為替契約等により決済時の外国通貨の円換算額を 確定させた外貨建資産等の換算》の適用を受けたものについては、先物外国為替契約等によ り確定させた円換算額)をもって当該外貨建資産等の当該期末時における円換算額とする方 法をいう。 期末時において有する外貨建資産等について、当該期末時における外国為替の売買相場によ り換算した金額(当該外貨建資産等のうち、その取得又は発生の基因となった外貨建取引の (二) 期 末 時 換 算 法 金額の円換算額への換算に当たって三の2の適用を受けたものについては、先物外国為替契 約等により確定させた円換算額)をもって当該外貨建資産等の当該期末時における円換算額 とする方法をいう。 -1226- 第三章 第一節 第二十六款《外貨建取引の換算等》 (発生時換算法――期末時換算による換算差額を純資産の部に計上している場合の取扱い) (2) 期末時に有する1の表の②のロ及びハに掲げる有価証券について、期末時における為替相場により換算した金額 をもって当該有価証券の当該期末時における円換算額とし、かつ、当該換算によって生じた換算差額の金額の全額を いわゆる洗替方式により純資産の部に計上している場合の当該換算の方法は、発生時換算法として取り扱うのである から留意する。(基通13の2-2-4) 注 上記の円換算を行っている場合における次に掲げる事項は、それぞれ次によることに留意する。 イ 当該有価証券の第二款の四の1の①の表のロの(1)《関係法人株式等に係る配当等の額から控除する負債の利子の額の計算》に掲げる 帳簿価額は、当該期末時の換算を行う前の金額となる。 ロ 純資産の部に計上した換算差額に相当する金額は、第二章第一節の二《定義》の表の16に掲げる資本金等の額のうち資本金の額又は出 資金の額以外の金額及び同表の18に掲げる利益積立金額に該当しない。 ハ 「換算差額の金額の全額をいわゆる洗替方式により純資産の部に計上している場合」には、税効果会計に基づき、当該換算差額の金額 の一部に相当する金額を繰延税金資産又は繰延税金負債として計上している場合が含まれる。 (期末時換算法――事業年度終了の時における為替相場) (3) 法人が期末時換算法により円換算を行う場合(三の2《先物外国為替契約等により決済時の外国通貨の円換算額 を確定させた外貨建資産等の換算》の適用を受ける場合を除く。)の為替相場は、事業年度終了の日の電信売買相場の 仲値による。ただし、継続適用を条件として、外国通貨の種類の異なるごとに当該外国通貨に係る外貨建資産等の全 てについて、外貨建ての資産については電信買相場により、外貨建ての負債については電信売相場によることができ る。 (基通13の2-2-5) 注1 当該事業年度終了の日の電信売買相場の仲値、電信買相場又は電信売相場は、継続適用を条件として、当該事業年度終了の日を含む1 か月以内の一定期間におけるそれぞれの平均値によることができる。 注2 当該事業年度終了の日の電信買相場又は電信売相場が異常に高騰し、又は下落しているため、これらの相場又はその仲値によることが 適当でないと認められる場合も、注1の平均値を使用することができる。 (外貨建資産等の評価換え等をした場合のみなし取得による換算) (4) 内国法人がその有する一の表の6に掲げる外貨建資産等(三の1の(1)の表の(一)から(三)までに掲げる資産又 は負債を除く。以下(4)において「外貨建資産等」という。 )につき、評価換え等(第九款の一の2《会社更生等によ る評価換えを行った場合の資産の評価益の益金算入》に掲げる評価換え若しくは同款の二の2《評価換えを行った場 合の資産の評価損の損金算入》若しくは同二の3《会社更生等による評価換えを行った場合の資産の評価損の損金算 入》の適用を受ける評価換え又は民事再生等評価換え〔第二十三款の一の3の②の(2)《移動平均法――民事再生等 評価換えがあった場合の一単位当たりの帳簿価額の算出の特例》に掲げる民事再生等評価換えをいう。以下(4)にお いて同じ。 〕をいう。 )又は非適格株式交換等時価評価(第二十三款の一の3の②の(3)《移動平均法――非適格株式 交換等を行った場合の一単位当たりの帳簿価額の算出の特例》に掲げる非適格株式交換等時価評価をいう。 )をした場 合には、その外貨建資産等の取得又は発生の基因となった外貨建取引は、当該評価換え等又は非適格株式交換等時価 評価に係る評価の時(当該評価換え等が民事再生等評価換えである場合には、第九款の一の3《民事再生等による特 定の事実が生じた場合の資産の評価益の益金算入》に掲げる事実又は同款の二の4《民事再生等による特定の事実が 生じた場合の資産の評価損の損金算入》に掲げる事実が生じた時)において行ったものとみなして、1を適用する。 (法 61の9④、令122の2) 注 連結納税に関することは省略した。 (編者) (外国為替の売買相場が著しく変動した場合の外貨建資産等の期末時換算) (5) 内国法人が事業年度終了の時において有する外貨建資産等(当該事業年度において(4) 《外貨建資産等の評価換 え等をした場合のみなし取得による換算》を適用したもの及び第二十三款の一の1の表の⑤《企業支配株式等》に該 当するものを除く。以下(5)において同じ。 )につき当該事業年度においてその外貨建資産等に係る外国為替の売買相 場が著しく変動した場合には、その外貨建資産等と通貨の種類を同じくする外貨建資産等のうち外国為替の売買相場 が著しく変動したものの全てにつきこれらの取得又は発生の基因となった外貨建取引を当該事業年度終了の時におい て行ったものとみなして、1を適用することができる。 (法61の9④、令122の3①) (外国為替の売買相場が著しく変動した場合の適格分割等により移転する外貨建資産等の換算) (6) (5)は、内国法人が適格分割、適格現物出資又は適格現物分配(適格現物分配にあっては、残余財産の全部の分 配を除く。以下(6)において「適格分割等」という。 )により分割承継法人、被現物出資法人又は被現物分配法人に移 転する外貨建資産等につき当該事業年度開始の日から当該適格分割等の直前の時までの間においてその外貨建資産等 -1227- 第三章 第一節 第二十六款《外貨建取引の換算等》 に係る外国為替の売買相場が著しく変動した場合について準用する。この場合において、(5)中「当該事業年度終了 の時」とあるのは、 「(6)に掲げる適格分割等の直前の時」と読み替えるものとする。(法61の9④、令122の3②) 2 外貨建資産等の期末換算差益又は期末換算差損の益金又は損金算入 内国法人が事業年度終了の時において外貨建資産等(期末時換算法によりその金額の円換算額への換算をするものに限 る。以下2において同じ。 )を有する場合には、当該外貨建資産等の金額を期末時換算法により換算した金額と当該外貨建 資産等のその時の帳簿価額との差額に相当する金額((2)において「為替換算差額」という。 )は、当該事業年度の所得の 金額の計算上、益金の額又は損金の額に算入する。(法61の9②) (外貨建資産等の為替換算差額の翌事業年度における処理) (1) 内国法人が2により当該事業年度の益金の額又は損金の額に算入した金額に相当する金額は、当該事業年度の翌 事業年度の所得の金額の計算上、損金の額又は益金の額に算入する。(法61の9④、令122の8①) (適格分割等により外貨建資産等を移転する場合の為替換算差額の益金又は損金算入) (2) 内国法人が適格分割、適格現物出資又は適格現物分配(適格現物分配にあっては、残余財産の全部の分配を除く。 以下(6)までにおいて「適格分割等」という。 )により分割承継法人、被現物出資法人又は被現物分配法人に外貨建資 産等(当該適格分割等の日の前日を事業年度終了の日とした場合に期末時換算法によりその金額の円換算額への換算 をすることとなるものに限る。以下(2)において同じ。 )を移転する場合には、当該適格分割等の日の前日を事業年度 終了の日とした場合に2により計算される当該外貨建資産等に係る為替換算差額に相当する金額は、当該適格分割等 の日の属する事業年度の所得の金額の計算上、益金の額又は損金の額に算入する。 (法61の9③) (適格分割等により外貨建資産等を移転する場合の当該適格分割等の直前の帳簿価額) (3) 内国法人が(2)の適用を受ける場合には、適格分割等により分割承継法人、被現物出資法人又は被現物分配法人 に移転する外貨建資産等の当該適格分割等の直前の帳簿価額は、当該外貨建資産等につき(2)により為替換算差額に 相当する金額を計算する場合の2に掲げる期末時換算法により換算した金額とする。(法61の9④、令122の8②) (適格合併若しくは適格現物分配又は適格分割等により移転を受けた期末時換算法の適用対象外貨建資産等に係 る期末換算差損益の戻入れ又は損金算入) (4) 内国法人が適格合併若しくは適格現物分配(残余財産の全部の分配に限る。以下(4)及び(6)において同じ。 )又 は適格分割等により外貨建資産等の移転を受けたときは、当該適格合併に係る被合併法人の最後事業年度(第三十四 款の一の1の②に掲げる最後事業年度をいう。(6)において同じ。)若しくは当該適格現物分配に係る現物分配法人の 当該残余財産の確定の日の属する事業年度又は当該適格分割等に係る分割法人、現物出資法人若しくは現物分配法人 ((6)において「分割法人等」という。)の当該適格分割等の日の属する事業年度において当該移転を受けた外貨建資 産等につき2又は(2)により益金の額又は損金の額に算入された金額に相当する金額は、当該内国法人の当該適格合 併の日の属する事業年度若しくは当該残余財産の確定の日の翌日の属する事業年度又は当該適格分割等の日の属する 事業年度の所得の金額の計算上、損金の額又は益金の額に算入する。(法61の9④、令122の8③) (為替換算差額を計上した外貨建資産等の翌事業年度首における帳簿価額) (5) 2により為替換算差額を当該事業年度の益金の額又は損金の額に算入した外貨建資産等の当該事業年度の翌事業 年度開始の時における帳簿価額は、その外貨建資産等の2を適用した後の当該事業年度終了の時における帳簿価額か ら(1)により損金の額に算入される金額に相当する金額を減算し、又はその帳簿価額に(1)により益金の額に算入さ れる金額に相当する金額を加算した金額とする。(法61の9④、令122の8④) (適格合併若しくは適格現物出資又は適格分割等により移転を受けた外貨建資産等の移転時における帳簿価額) (6) 内国法人が適格合併若しくは適格現物分配又は適格分割等により移転を受けた外貨建資産等で、当該適格合併若 しくは適格現物分配に係る被合併法人若しくは現物分配法人が2により2に掲げる為替換算差額を最後事業年度若し くは当該適格現物分配に係る残余財産の確定の日の属する事業年度の益金の額若しくは損金の額に算入したもの又は 当該適格分割等に係る分割法人等が(2)により(2)に掲げる為替換算差額に相当する金額を当該適格分割等の日の属 する事業年度の益金の額若しくは損金の額に算入したもののその移転を受けた時における帳簿価額は、その外貨建資 産等につき当該被合併法人若しくは現物分配法人において2を適用した後の当該最後事業年度終了の時若しくは当該 -1228- 第三章 第一節 第二十六款《外貨建取引の換算等》 残余財産の確定の時の帳簿価額若しくは当該分割法人等における当該適格分割等の直前の帳簿価額から(4)により損 金の額に算入される金額に相当する金額を減算し、又はこれらの帳簿価額に(4)により益金の額に算入される金額に 相当する金額を加算した金額とする。 (法61の9④、令122の8⑤) 3 外貨建資産等の期末換算方法の選定の方法 内国法人が事業年度終了の時において有する外貨建資産等(1《外貨建資産等の期末換算》の表の①、②のロ及び③に 掲げるものに限る。以下4までにおいて「外貨建資産等」という。 )の金額を円換算額に換算する方法は、その外国通貨の 種類ごとに、かつ、次の表の①から⑥までに掲げる外貨建資産等の区分ごとに選定しなければならない。この場合におい て、2以上の事業所を有する内国法人は、事業所ごとに換算の方法を選定することができる。(法61の9④、令122の4) 短期外貨建債権(外貨建債権のうちその決済により外国通貨を受け取る期限が当該事業年度終了の日の翌日から1 ① 年を経過した日の前日までに到来するものをいう。②において同じ。)及び短期外貨建債務(外貨建債務のうちそ の決済により外国通貨を支払う期限が当該事業年度終了の日の翌日から1年を経過した日の前日までに到来する ものをいう。②において同じ。 ) ② ③ ④ ⑤ ⑥ 外貨建債権のうち短期外貨建債権以外のもの及び外貨建債務のうち短期外貨建債務以外のもの 1の表の②のロに掲げる有価証券のうち第二十三款の一の1の表の③《満期保有目的等有価証券》のイに掲げるも のに該当するもの 1の表の②のロに掲げる有価証券のうち③に掲げるもの以外のもの 短期外貨預金(外貨預金のうちその満期日が当該事業年度終了の日の翌日から1年を経過した日の前日までに到来 するものをいう。⑥において同じ。 ) 外貨預金のうち⑤に掲げる短期外貨預金以外のもの (期限徒過の外貨建債権) (1) 外貨建債権で既にその支払期限を経過し支払が延滞しているものは、短期外貨建債権に該当しないものとして取 り扱う。(基通13の2-2-12) (自社発行の新株予約権証券及び転換社債型新株予約権付社債) (2) 自社発行の外貨建ての新株予約権証券及び行使期間満了前の外貨建ての注2に掲げる《外貨建ての転換社債型新 株予約権付社債の権利行使があった場合の資本積立金額》に掲げる転換社債型新株予約権付社債の円換算に当たって は、原則としてこれらのものを金銭債務である外貨建債務に該当しないものとして取り扱うのであるが、当該転換社 債型新株予約権付社債(償還日が当該事業年度終了の日の翌日から1年以内に到来するものに限る。 )の行使価格が、 当該事業年度終了の時に、その行使の対象となる株式の相場を大きく上回り、行使の請求の可能性がないと認められ る場合には、当該転換社債型新株予約権付社債は、短期外貨建債務に該当することに留意する。 (基通旧13の2-2-13) 注1 法人の保有する外貨建ての新株予約権証券及び転換社債型新株予約権付社債は、外貨建有価証券に該当する。 注2 (2)は、平成19年3月13日付課法2-3《法人税基本通達等の一部改正について》により除かれているが、法人が平成18年4月30日以 前にその発行に係る決議をした外貨建ての転換社債型新株予約権付社債については、なおその適用がある。 (平19課法2-3 第1 五十一 経過的取扱い(5)) なお、(2)に掲げる《外貨建ての転換社債型新株予約権付社債の権利行使があった場合の資本積立金額》は次による。(編者) (外貨建ての転換社債型新株予約権付社債の権利行使があった場合の資本積立金額) 外貨建ての転換社債型新株予約権付社債に係る新株予約権の行使により株式を発行した場合において、これに伴いその資本積立金 額とされる金額は、その行使の対象となった転換社債型新株予約権付社債の帳簿価額から当該株式の発行により資本に組み入れられ た金額を控除した金額とする。 (基通旧1-5-5) 注 転換社債型新株予約権付社債とは、新株予約権の行使があったときに代用払込の請求があったものとみなす旨を決議をした新 株予約権付社債のうち、次のいずれかの事項があらかじめ社債要項等において明らかにされているものをいう。 (一) 新株予約権について消却事由を定めておらず、かつ、社債についても繰上償還を定めていないこと。 (二) 新株予約権について消却事由を定めている場合には、新株予約権が消却されたときに社債も同時に償還されること、かつ、 社債について繰上償還を定めている場合には、社債が繰上償還されたときに新株予約権も同時に消却されること。 4 外貨建資産等の期末換算の方法の選定の手続 内国法人は、外貨建資産等(3《外貨建資産等の期末換算方法の選定の方法》に掲げる外貨建資産等をいう。)の取得(適 -1229- 第三章 第一節 第二十六款《外貨建取引の換算等》 格合併又は適格分割型分割による被合併法人又は分割法人からの引継ぎを含む。以下4において同じ。 )をした場合(次の 表の左欄に掲げる場合を含む。 )には、その取得をした日(同表の左欄に掲げる場合にあっては、それぞれ同表の右欄に掲 げる日。以下4において「取得日等」という。 )の属する事業年度に係る確定申告書の提出期限(当該取得日等の属する仮 決算による中間申告書を提出する場合には、その中間申告書の提出期限)までに、その外貨建資産等と外国通貨の種類及 び3の表の①から⑥までに掲げる区分を同じくする外貨建資産等につき、1の(1)の表の(一)《発生時換算法》及び同表 の(二)《期末時換算法》に掲げる換算の方法のうちそのよるべき方法を書面により納税地の所轄税務署長に届け出なけれ ばならない。ただし、当該取得日等の属する事業年度前の事業年度においてその外貨建資産等と外国通貨の種類及び3の 表の①から⑥までに掲げる区分を同じくする外貨建資産等につき4による届出をすべき場合並びに内国法人である公益法 人等又は人格のない社団等が収益事業以外の事業に属する外貨建資産等の取得をした場合は、この限りでない。 (法61の9 ④、令122の5) ① 内国法人である公益法人等又は人格のない社団等につき、収益事業以外の その収益事業に属する外貨建資産等 事業に属する外貨建資産等が収益事業に属する外貨建資産等となった場合 となった日 公益法人等に該当していた普通法人又は協同組合等につき、当該普通法人 ② 又は協同組合等に該当することとなった時の直前において収益事業以外の その該当することとなった日 事業に属する外貨建資産等を有していた場合 (届出の効力) 法人が3《外貨建資産等の期末換算方法の選定の方法》に基づき、3の表の①から⑥までに掲げる外貨建資産等の 区分ごとに外貨建資産等の換算の方法を届け出ている場合において、その届出後届出をしたいずれかの区分に属する 外貨建資産等を有しないこととなっても、当該区分に属する外貨建資産等の換算方法に係る届出は引き続きその効力 を有することに留意する。 五の2の(2)《為替予約差額の一括計上の方法の選定》に基づき、五の2《短期外貨建資産等に係る為替予約差額 の一括計上》の方法を外国通貨の種類の異なるごとに届け出ている場合も同様とする。(基通13の2-2-14) 注 その後当該区分又は当該外国通貨の種類に属する外貨建資産等の取得又は発生があった場合において、その外貨建資産等につき当該届出 による方法以外の方法により円換算等をしようとするときは、5《外貨建資産等の期末換算の方法の変更の手続》又は五の2の(4)《為替 予約差額の一括計上の方法の変更の手続》の適用がある。 5 外貨建資産等の期末換算の方法の変更の手続 内国法人は、3《外貨建資産等の期末換算方法の選定の方法》に掲げる外貨建資産等((6)において「外貨建資産等」 という。)につきその金額の事業年度終了の時における円換算額への換算の方法として選定した方法(その方法を届け出な かった内国法人がよるべきこととされている6《外貨建資産等の法定の期末換算方法》に掲げる方法を含む。(6)におい て同じ。)を変更しようとするときは、納税地の所轄税務署長の承認を受けなければならない。(法61の9④、令122の6①) (期末換算の方法の変更承認申請書の提出) (1) 5の変更の承認を受けようとする内国法人は、新たな換算の方法を採用しようとする事業年度開始の日の前日ま でに、次に掲げる事項を記載した変更承認申請書を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。(法61の9④、 令122の6②、規27の13) (一) 申請をする内国法人の名称及び納税地並びに代表者(人格のない社団等で代表者の定めがなく、管理人の定め があるものについては、管理人)の氏名 (二) 選定した換算の方法を変更しようとする旨 (三) その変更しようとする理由 (四) その換算の方法を変更しようとする3に掲げる外貨建資産等の外国通貨の種類及び同3の表の①から⑥までの 区分(事業所ごとに換算の方法を選定しようとする場合には事業所の名称) (五) 現によっている換算の方法及びその換算の方法を採用した日 (六) 新たに採用しようとする換算の方法 (七) その他参考となるべき事項 -1230- 第三章 第一節 第二十六款《外貨建取引の換算等》 (申請の却下) (2) 税務署長は、(1)に掲げる変更承認申請書の提出があった場合において、その申請書を提出した内国法人が現に よっている換算の方法を採用してから相当期間を経過していないとき、又は変更しようとする換算の方法によっては その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算が適正に行われ難いと認めるときは、その申請を却下することができ る。 (法61の9④、令122の6③) (換算方法の変更申請があった場合等の「相当期間」 ) (3) 一旦採用した外貨建資産等の換算の方法は特別の事情がない限り継続して適用すべきものであるから、法人が現 によっている換算の方法を変更するために(1)に基づいてその変更承認申請書を提出した場合において、その現によ っている換算の方法を採用してから3年を経過していないときは、その変更が合併や分割に伴うものである等その変 更することについて特別な理由があるときを除き、(2)《申請の却下》に掲げる相当期間を経過していないときに該 当するものとする。 五の2の(4)《為替予約差額の一括計上の方法の変更の手続》に基づきその選定した方法を変更する場合も同様と する。 (基通13の2-2-15) 注 その変更承認申請書の提出がその現によっている換算の方法を採用してから3年を経過した後になされた場合であっても、その変更する ことについて合理的な理由がないと認められるときは、その変更を承認しないことができる。 (承認又は却下の通知) (4) 税務署長は、(1)に掲げる変更承認申請書の提出があった場合において、その申請につき承認又は却下の処分を するときは、その申請をした内国法人に対し、書面によりその旨を通知する。(法61の9④、令122の6④) (みなし承認) (5) (1)に掲げる変更承認申請書の提出があった場合において、その新たな換算の方法を採用しようとする事業年度 終了の日(当該事業年度について中間申告書を提出すべき内国法人については、当該事業年度開始の日以後6か月を 経過した日の前日)までにその申請につき承認又は却下の処分がなかったときは、その日においてその承認があった ものとみなす。(法61の9④、令122の6⑤) (公益法人等の円換算額への換算の方法の変更の届出) (6) 内国法人である公益法人等若しくは人格のない社団等が新たに収益事業を開始した日の属する事業年度において 外貨建資産等につきその金額の事業年度終了の時における円換算額への換算の方法として選定した方法を変更しよう とする場合又は公益法人等(収益事業を行っていないものに限る。)に該当していた普通法人若しくは協同組合等が当 該普通法人若しくは協同組合等に該当することとなった日の属する事業年度において外貨建資産等につきその金額の 事業年度終了の時における円換算額への換算の方法として選定した方法を変更しようとする場合において、これらの 日の属する事業年度に係る第二節第三款の二《確定申告》による申告書の提出期限までに、その旨及び(1)に掲げる 事項を記載した届出書を納税地の所轄税務署長に提出したときは、当該届出書をもって(1)の申請書とみなし、当該 届出書をもって5の承認があったものとみなす。この場合において、(4)は適用しない。 (法61の9④、令122の6⑥) (評価方法の変更に関する届出書の提出) (7) (6)に掲げる届出書は、公益法人等又は人格のない社団等が収益事業の廃止等の事情により法人税の納税義務を 有しなくなった後に、次に掲げる事情により再び法人税の納税義務が生じた場合において、既に選定していた評価方 法を変更しようとするときに提出することに留意する。(基通5-2-14) (一) 公益法人等又は人格のない社団等が収益事業を開始したこと (二) 公益法人等(収益事業を行っていないものに限る。 )が普通法人又は協同組合等に該当することとなったこと 6 外貨建資産等の法定の期末換算方法 1《外貨建資産等の期末換算》に掲げる法定の期末換算方法は、次の表の左欄に掲げる外貨建資産等(3《外貨建資産 等の期末換算方法の選定の方法》に掲げる外貨建資産等をいう。 )の区分に応じ、それぞれ同表の右欄に掲げる方法とする。 (法61の9④、令122の7) ① 3の表の①に掲げる短期外貨建債権及び短 期外貨建債務並びに3の表の⑤に掲げる短 期末時換算法 -1231- 第三章 第一節 第二十六款《外貨建取引の換算等》 期外貨預金 ② 3に掲げる外貨建資産等のうち上記①に掲 げるもの以外のもの 発生時換算法 (参考) 外貨建資産等の換算方法についてとりまとめると、次のようになる。 (編者) 外貨建資産等の区分 換算方法 短期外貨建債権債務 発生時換算法又は期末時換算法(※) 上記以外のもの 発生時換算法(※)又は期末時換算法 売買目的有価証券 期末時換算法 外貨建債権債務 外貨建有価証券 償還期限及び償還金額の定めのあるもの 発生時換算法(※)又は期末時換算法 売買目的外有価証券 外 貨 預 上記以外のもの 発生時換算法 短期外貨預金 発生時換算法又は期末時換算法(※) 上記以外のもの 発生時換算法(※)又は期末時換算法 金 外 国 通 貨 注 期末時換算法 換算方法の選定に関する届出がない場合には、※を付した法定の期末換算方法により換算することになる。 五 為替予約差額の配分 1 為替予約差額の配分 内国法人が事業年度終了の時において有する外貨建資産等(第二十三款の一の1《用語の意義》の表の②に掲げる売買 目的有価証券を除く。以下五において同じ。)について、その取得又は発生の基因となった外貨建取引の金額の円換算額へ の換算に当たって三の2《先物外国為替契約等により決済時の外国通貨の円換算額を確定させた外貨建資産等の換算》の 適用を受けたときは、当該外貨建資産等に係る先物外国為替契約等の締結の日(その日が当該外貨建資産等の取得又は発 生の基因となった外貨建取引を行った日前である場合には、当該外貨建取引を行った日)の属する事業年度から当該外貨 建資産等の決済による本邦通貨の受取又は支払をする日の属する事業年度までの各事業年度の所得の金額の計算上、為替 予約差額(当該外貨建資産等の金額を先物外国為替契約等により確定させた円換算額と当該金額を当該外貨建資産等の取 得又は発生の基因となった外貨建取引を行った時における外国為替の売買相場により換算した金額との差額をいう。 )のう ち当該各事業年度に配分すべき金額として(3)に掲げるところにより計算した金額((1)において「為替予約差額配分額」 という。)は、益金の額又は損金の額に算入する。(法61の10①) (適格分割等を行った場合の為替予約差額の配分計算) (1) 内国法人が、適格分割又は適格現物出資(以下(1)において「適格分割等」という。)により分割承継法人又は被 現物出資法人に外貨建資産等(その取得又は発生の基因となった外貨建取引の金額の円換算額への換算に当たって三 の2《先物外国為替契約等により決済時の外国通貨の円換算額を確定させた外貨建資産等の換算》の適用を受けたも のに限る。以下同じ。)及び当該外貨建資産等の金額の円換算額を確定させた先物外国為替契約等を移転する場合には、 当該適格分割等の日の前日を事業年度終了の日とした場合に1により計算される当該先物外国為替契約等に係る為替 予約差額配分額に相当する金額は、当該適格分割等の日の属する事業年度の所得の金額の計算上、益金の額又は損金 の額に算入する。 (法61の10②) (適格合併等における為替予約差額の配分計算の引継ぎ) (2) 内国法人が、適格合併、適格分割又は適格現物出資(以下(2)において「適格合併等」という。)により被合併法 人、分割法人又は現物出資法人(以下(2)において「被合併法人等」という。)から外貨建資産等(その取得又は発生 の基因となった外貨建取引の金額の円換算額への換算に当たって当該被合併法人等が三の2《先物外国為替契約等に より決済時の外国通貨の円換算額を確定させた外貨建資産等の換算》の適用を受けたものに限る。)及び当該外貨建資 -1232- 第三章 第一節 第二十六款《外貨建取引の換算等》 産等の金額の円換算額を確定させた先物外国為替契約等の移転を受けた場合には、当該適格合併等の日の属する事業 年度以後の各事業年度における五の適用については、当該内国法人が当該外貨建資産等の取得又は発生の基因となっ た外貨建取引の金額の円換算額への換算に当たって三の2の適用を受けていたものとみなす。 (法61の10④) (為替予約差額配分額等) (3) 1に掲げる為替予約差額配分額は、次の表の左欄に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ同表の中欄に掲げる金額 とし、その金額を益金の額又は損金の額に算入すべき事業年度は、その金額の中欄に掲げる区分に応じ、それぞれ同 表の右欄に掲げる事業年度とする。 (法61の10⑤、令122の9①) 区 分 金 額 事業年度 イ その外貨建資産等の金額につきその外貨建取引を 行った時における外国為替の売買相場(以下(3)にお いて「取引時為替相場」という。)により換算した円 その先物外国為替契 換算額と先物外国為替契約等を締結した時における 約等の締結の日の属 外国為替の売買相場(以下(3)において「締結時為替 する事業年度 相場」という。)により換算した円換算額との差額に 相当する金額 ロ その外貨建資産等の金額につき締結時為替相場に より換算した円換算額と先物外国為替契約等により 確定させた円換算額との差額をその先物外国為替契 約等の締結の日からその外貨建資産等の決済による 本邦通貨の受取又は支払の日(以下(3)において「決 (一) 外貨建資 産等の 取得又 は 済日」という。)までの期間の日数で除し、これに当 発生の基 因とな った外 貨 該事業年度の日数(当該事業年度がその先物外国為替 建取引を 行った 時以後 に 契約等の締結の日〔その外貨建資産等が(2)《適格合 その外貨 建取引 に係る 先 併等における為替予約差額の配分計算の引継ぎ》に掲 物外国為 替契約 等を締 結 げる適格合併等により(2)に掲げる被合併法人等か した場合 ら移転を受けたものである場合にあっては、当該適格 合併等の日。以下同じ。〕の属する事業年度である場 合には、同日から当該事業年度終了の日までの期間の 日数)を乗じて計算した金額(当該事業年度がその外 貨建資産等の決済日の属する事業年度である場合に その先物外国為替契 約等の締結の日の属 する事業年度からそ の外貨建資産等の決 済日の属する事業年 度までの各事業年度 は、その差額から当該事業年度の前事業年度までの各 事業年度の所得の金額の計算上益金の額又は損金の 額に算入された金額〔その外貨建資産等が当該適格合 併等により当該被合併法人等から移転を受けたもの である場合にあっては、当該外貨建資産等について当 該被合併法人等の各事業年度の所得の金額の計算上 益金の額又は損金の額に算入された金額を含む。〕を 控除して得た金額)に相当する金額 その外貨建資産等の金額につき取引時為替相場により 外貨建資 産等の 取得又 は 発生の基 因とな った外 貨 (二) 建取引に 係る先 物外国 為 替契約等 を締結 した後 に その外貨 建取引 を行っ た 場合 換算した円換算額とその先物外国為替契約等により確 定させた円換算額との差額をその外貨建取引を行った 日からその外貨建資産等の決済日までの期間の日数で 除し、これに当該事業年度の日数(当該事業年度がその 外貨建取引を行った日〔その外貨建資産等が(2)に掲げ る適格合併等により(2)に掲げる被合併法人等から移 転を受けたものである場合にあっては、当該適格合併等 の日。以下(二)において同じ。〕の属する事業年度であ -1233- その外貨建取引を行 った日の属する事業 年度からその外貨建 資産等の決済日の属 する事業年度までの 各事業年度 第三章 第一節 第二十六款《外貨建取引の換算等》 る場合には、同日から当該事業年度終了の日までの期間 の日数)を乗じて計算した金額(当該事業年度がその外 貨建資産等の決済日の属する事業年度である場合には、 その差額から当該事業年度の前事業年度までの各事業 年度の所得の金額の計算上益金の額又は損金の額に算 入された金額〔その外貨建資産等が当該適格合併等によ り当該被合併法人等から移転を受けたものである場合 にあっては、当該外貨建資産等について当該被合併法人 等の各事業年度の所得の金額の計算上益金の額又は損 金の額に算入された金額を含む。〕を控除して得た金額) に相当する金額 注 上表中「日数」とあるのは、 「月数」とすることができる。この場合において、月数は暦に従って計算し、1か月に満たない端数を生じた ときは、これを1か月とする。 (法61の10⑤、令122の9③) (2以上の先物外国為替契約等を締結している場合の契約締結日の特例) (4) 法人が当該事業年度において外貨建資産等につき2以上の先物外国為替契約等を締結した場合において、当該2 以上の先物外国為替契約等の締結した日の属する月が異なるときは、当該2以上の先物外国為替契約等の全てにつき 当該事業年度開始の日以後6か月(当該事業年度の月数が12か月に満たない場合には、6に当該事業年度の月数を乗 じてこれを12で除して計算した月数)を経過した日において締結したものとして1、1の(1)及び2《短期外貨建資 産等に係る為替予約差額の一括計上》を適用することができるものとする。(基通13の2-2-8) 注1 当該月数は、暦に従って計算し、1か月に満たない端数を生じたときは、これを1か月とする。 注2 (3)の注に基づく月数による按分は継続適用を前提として認められているものであるが、本文の適用は、同注の適用を受けている場合 に限られないことに留意する。 (先物外国為替契約等の解約等があった場合の取扱い) (5) 三の2《先物外国為替契約等により決済時の外国通貨の円換算額を確定させた外貨建資産等の換算》の適用を受 けた外貨建資産等に係る先物外国為替契約等につき解約(解除を含む。以下(5)において同じ。 )があった場合には、 その解約があった日の属する事業年度(以下(5)において「解約事業年度」という。)の所得の金額の計算上、当該外 貨建資産等に係る為替予約差額(1に掲げる為替予約差額をいう。〔(7)において「為替予約差額」という。〕をいい、 (3)の表の(一)の「区分」欄に掲げる場合にあっては、当該為替予約差額から同表の(一)の「金額」欄のイに掲げる 差額に相当する金額を控除した金額をいう。)を当該先物外国為替契約等の締結の日(その日が当該外貨建資産等の取 得の日又は発生の日前である場合には、その取得の日又は発生の日)から当該外貨建資産等に係る債権債務の当初の 支払の日までの期間の月数又は日数で除し、これに解約事業年度開始の日から当該先物外国為替契約等の解約の日ま での期間の月数又は日数を乗じて計算した金額に相当する金額を益金の額又は損金の額に算入する。(基通13の2- 2-16) 注 月数又は日数は、暦に従って計算し、月数につき1か月に満たない端数を生じたときは、これを1か月とする。 (外貨建資産等に係る契約の解除があった場合の調整) (6) 三の2《先物外国為替契約等により決済時の外国通貨の円換算額を確定させた外貨建資産等の換算》の適用を受 けた外貨建資産等の取得又は発生に係る契約につき解除があった場合(再売買と認められる場合を除く。 )には、その 解除があった日の属する事業年度(以下「契約解除事業年度」という。)の所得の金額の計算上、当該契約解除事業年 度の前事業年度までの間に当該外貨建資産等につき1、1の(1)及び2《短期外貨建資産等に係る為替予約差額の一 括計上》により益金の額又は損金の額に算入した金額の合計額を損金の額又は益金の額に算入する。 (基通13の2-2 -17) (外貨建資産等の支払の日等につき繰延べ等があった場合の取扱い) (7) (3)の適用を受ける外貨建資産等に係る債権債務の支払の日又は当該外貨建資産等に係る先物外国為替契約等の 履行の日につき繰延べ(繰上げを含む。以下(7)において「繰延べ等」という。 )が行われた場合においても当該外貨 建資産等につき円換算額(当該繰延べ等により円換算額に異動が生じたときは、異動後の円換算額)が確定している ときは、その繰延べ等が行われた日の属する事業年度(以下(7)において「繰延事業年度」という。 )以後の事業年度 -1234- 第三章 第一節 第二十六款《外貨建取引の換算等》 の所得の金額の計算上、当該外貨建資産等に係る為替予約差額の残額(当該外貨建資産等に係る為替予約差額から当 該繰延事業年度の前事業年度までの各事業年度において益金の額又は損金の額に算入した金額を控除して得た残額を いい、その繰延べ等に伴い当該外貨建資産等に係る先物外国為替契約等の内容が変更されたことにより、その円換算 額に異動が生じたときは、異動後の円換算額に基づく再計算後の残額をいう。以下(7)において同じ。 )を当該繰延事 業年度開始の日から当該外貨建資産等に係る債権債務の繰延べ等後の支払の日までの期間の月数又は日数で除し、こ れに当該事業年度の月数又は日数を乗じて計算した金額に相当する金額を益金の額又は損金の額に算入する。(基通 13の2-2-18) 注1 当該事業年度が当該外貨建資産等に係る債権債務の支払の日を含む事業年度である場合には、当該為替予約差額の残額から当該事業年 度の前事業年度(繰延事業年度以後の事業年度に限る。)までの間に益金の額又は損金の額に算入した金額を控除して得た金額に相当す る金額を益金の額又は損金の額に算入することに留意する。 注2 月数又は日数は、暦に従って計算し、月数につき1か月に満たない端数を生じたときは、これを1か月とする。 注3 外貨建資産等に係る債権債務の支払の日又は当該外貨建資産等に係る先物外国為替契約等の履行の日につき繰延べ等が行われたこと に伴い、当該外貨建資産等に係る円換算額が確定しないこととなった場合には、(5)の取扱いによる。 2 短期外貨建資産等に係る為替予約差額の一括計上 外貨建資産等が短期外貨建資産等(当該外貨建資産等のうち、その決済による本邦通貨の受取又は支払の期限が当該事 業年度終了の日〔当該外貨建資産等が適格分割又は適格現物出資〈以下「適格分割等」という。 〉により分割承継法人又は 被現物出資法人〈以下「分割承継法人等」という。〉に移転するものである場合にあっては、当該適格分割等の日の前日〕 の翌日から1年を経過した日の前日までに到来するものをいう。以下2において同じ。)である場合には、1《為替予約差 額の配分》に掲げる為替予約差額は、1にかかわらず、当該事業年度の所得の金額の計算上、益金の額又は損金の額に算 入することができる。(法61の10③) (短期外貨建資産に該当することとなった場合の取扱い) (1) 1《為替予約差額の配分》の適用を受けた外貨建資産等については、短期外貨建資産等に該当することとなった 場合においても、引き続き1を適用する。(法61の10⑤、令122の9②) (為替予約差額の一括計上の方法の選定) (2) 2により為替予約差額を当該事業年度の益金の額又は損金の額に算入する方法は、外国通貨の種類を異にする短 期外貨建資産等ごとに選定することができる。(法61の10⑤、令122の10①) (為替予約差額の一括計上の方法の選定の手続) (3) 内国法人は、その有する短期外貨建資産等につき(2)の方法を選定しようとする場合には、その選定をしようと する事業年度に係る確定申告書の提出期限(当該事業年度の中間申告書で仮決算による中間申告書を提出する場合に は、その中間申告書の提出期限)までに、その旨を記載した書面を納税地の所轄税務署長に届け出なければならない。 (法61の10⑤、令122の10②) (為替予約差額の一括計上の方法の変更の手続) (4) 内国法人は、(3)により選定した方法を変更しようとするときは、納税地の所轄税務署長の承認を受けなければ ならない。 (法61の10⑤、令122の11①) 注 四の5《外貨建資産等の期末換算の方法の変更の手続》の(1)から(5)までは、内国法人が(4)に掲げる承認を受けようとする場合につ いて準用する。この場合において、同5の(1)《期末換算の方法の変更承認申請書の提出》中「新たな換算の方法を採用」とあるのは「五 の2の(2)に掲げる方法を変更」と、四の5の(2)《申請の却下》中「現によっている換算の方法」とあるのは「五の2の(2)に掲げる方 法」と、 「変更しようとする換算の方法」とあるのは「同(2)に掲げる方法以外の方法」と読み替えるものとする。 (法61の10⑤、令122の 11②) -1235-
© Copyright 2024 Paperzz