在宅介護の救いの手シニアライフ情報センターに寄せられるご相談で、「病院を退院する事になったが、一人暮らしなので体調が回復するまで何処かにお世話になりたい」「母親の介護をしているが、親戚の葬式で数日出掛けなければならないので、留守中に母を預かってくれる所を探している」「奥さんが急に入院する事になり、家事のできないご主人の面倒をみてくれる所を探している」という声が聞かれます。自宅で元気に暮らしていたり、自宅介護をめざしていても、高齢になると急に体調を崩したり、面倒をみてくれる家族の事情などで、一時的にサービスの付いた施設を利用したいというケースはよくある事です。ステイには介護保険制度を利用したものと、介護保険適用外の施設で独自に設定したものの２種類があります。今回は、それぞれを比較しながら、最近のそうした時に利用できるサービスに、ショートステイがあります。ショートショートステイ事情について取材したのでご報告します。けられますが、医療系の施設介護保険を利用したショートステイ医療系と福祉系の２種類には、看護師や医師も常駐し介護保険制度のショートスているので、より医療的なケテイ︵以下、保険ショート︶アを重視した対応が可能とは、自宅で介護をする家族のなっています。られています。医療系と福祉系の２種類あり、要介護認定で、介護保険制度では居宅サービスのひとつに位置づけ参照︶した民間企業が運営する事業所も増えてきました。︵表１ホームやデイサービスに併設負担軽減を目的としたものを受けている方が利用対象者安い利用料福祉系の保険ショートには、この他にも、有料老人となります。医療系は療養病床や老人保す。どちらも、入浴や排泄、食期入所生活介護﹂と呼ばれる介護保険サービスになりま養︶などが滞在先となる﹁短入所療養介護﹂、福祉系は特別養護老人ホーム︵以下、特用品費などで、かなり安く利用できます。表２は、特養に１割負担と居住費・食費・日度によっても変わります。費用の内訳は、介護保険の多床室か個室か、また要介護保険ショートの利用料は、滞在先が医療系か福祉系か、健施設が滞在先となる﹁短期事の介助、日常生活の世話や機能訓練などのサービスが受シニアライフ通信 ● 2 ● 【表 1】保険ショートを行う主な民間企業事業主体事業所数ショートベット数㈱メデカジャパン 57事業所 1236床デイサービスや有料老人ホームに併設した「そよ風」シリーズを全国に展開㈱レオパレス21 46事業所 908床デイサービスに併設した「あずみ苑」を埼玉県を中心に関東で展開㈱ウィズネット 6事業所 110床グループホームに併設したタイプ「なごや家」を埼玉を中心に関東圏で展開【表２】特養併設型ショートステイ負担額の目安（１泊２日）【表３利用日数の目安】多床室従来型個室ﾕﾆｯﾄ型個室利用できる日数（１ヶ月につき）約７日約１２日約１８日約２０日約２６日約２７日約３０日 ①介護保険要介護１ 698 円 615 円 707 円要介護２ 770 円 686 円 778 円要介護３ 840 円 757 円 848 円要介護４ 912 円 829 円 919 円要介護５ 983 円 900 円 979 円 ②居住費（基準額） 320 円 1,150 円 1,970 円 ③食費（基準額） 1,380 円 1,380 円 1,380 円要介護１ 2,398 円 3,145 円 ①+②+③ 要介護２ 2,470 円 3,216 円（利用可能日数は利用する施設や加算によって異なり、平均的な 4,128 円単価をもとに算出）要介護３ 2,540 円 3,287 円 4,198 円要介護４ 2,612 円 3,359 円 4,269 円要介護５ 2,683 円 3,430 円 4,329 円合計 4,057 円です。①介護保イ１泊２日の利用料の目安ショートステ併設した最大利用日数は日までます。従来型個室を利用した場合、１泊２日で１５６７円ですみ万円以下の要介護３の方が例えば非課税かつ年金収入介護保険制度の居宅サービスでは、要介護度によって利険１割負担の利用料は、この金額に栄養士・ 10 夜間看護体制などの加算が用限度額が決まっています。護１で約日、要介護５で約日となり、それ以上利用す円ほど加施設によって金額が異なりる時は全額自己負担になりま約ますが、厚生労す︵表３参照︶。実際は、ショートステイやデイサービそのため、限度額内でショートステイだけを利用した場働省が勧める基準額を採用スなど他のサービスと組み合わる施設もあります。②居住している施設わせたケアプランを作成する事が多いので、利用できる日 ● シニアライフ通信 18 費と③食費は、合、利用できる日数は、要介が多くみられます。また、収数はもっと少なくなります。 3 入によっては居住費と食費の減免措置があります。 ● 30 要支援1 要支援２要介護１要介護２要介護３要介護４要介護５ 30 80 いつも予約でいっぱいほとんどの施設が２∼３ヶ月前から利用の予約を開始しますが、希望通りの日数や利用したい時にすぐに利用できない、といった声がよく聞かれます。特にお盆・ＧＷ・年末年始の利用希望者が多く、予方に向けて、保険外で短期的な受入れ︵以下、独自ショート︶を行う有料老人ホームが見られます。ただ、多くの有料老人ホームは長期入居を目的とした事業のため、独自ショート用の部屋を常に用意できる施設に比べ、ほとんどの有料老人ホームが個室であただ、保険ショートが利用プランの契約に切り替えるとて独自ショートを利用し、ある程度の期間をすぎると長期が得になるので、お試しとし用すると長期入居プランの方ること、トイレや洗面などのいうケースが多いようです。ただ、独自ショートをこうります。設備も充実し、面積も広く、居住性が高いといった点や、空ショートのように、入居するトに満足できず、高い費用を何ヶ月も先の予約は難しいもあります。数ヶ月の利用も可能た利用者もいるようです。いため、何ヶ月も先の予約を受空き室を活用して独自ショートを行っている施設が多ショートを利用する、といっ支払ってでも、それ以上の設備やサービスを求めて独自手厚くしている所もあります。意思もなく何度も繰り返し利こうした事から、保険ショー用するのは快く思わない施設タッフの人員配置を基準よりしているわけではありません。き室があればすぐにも利用でした長期入居を視野に入れたあったとしても数室程度です。きるといった特徴があります。体験入居のひとつとして行っまた、施設によっては介護スている施設も多いため、保険空き室がある場合に限り利用可能など、条件付きで受け入れているのが現状です。約開始とともにすぐにいっぱいになります。ただし、体調不良や予定の変更などの理由で利用料は１万円以上用料は施設によってばらばらで、１泊２独自ショートの利直前にキャンセルになる事も多いようです。保険適用外のショートステイ日食費込みで１万円台後半のところが多く、なかには３万円代の施設もありまけ付けている施設は少ないのが現状です。多くの施設が約１ヶ保険収入が見込めないので、ショートには利用日数に制限その分利用者が費用を負担すＧＷ・年末年始は予約が殺到するのは、保険ショートと状況は保険ショートと違い、独自がないので、１泊から数ヶ月まで利用できる施設が多いよ同じようです。した。︵表４参照︶施設側は、利用者が要介護認定を受けていない、あるいは認定を受ることになり、保険ショートうです。実際は、何ヶ月も利空き室の有効活用けていても保険ショートはすに比べると利用料は高額にな月前からの予約でした。お盆・ぐに利用できない、そうしたシニアライフ通信 ● 4 ● 【表４】独自ショートを行う主な施設リスト 15,750円 12,500～25,000円 14,000円初回入会料３万円 1,5000円 15,750円 22,000円 25,000円年会費 21,000円宿泊費 13,650円冷暖房費 3,150円事業主体東京海上日動サミュエル㈱アイムス赤羽㈱ハンドル・ケアリアンレーヴ高田馬場ほか㈱キノシタライフウェルネスシップ三世三世株式会社パールヴィラ新宿御苑ジェイシーサービス㈱ 10日未満 26,250円 10日～19日 21,000円 20日以上 15,750円あすなろ大泉学園コーワ薬品㈱ 12,000円　（食費別）ライフケアガーデン湘南㈱ヘルスケアシステムズサニーパレス四谷一番館サニーペット㈱ロイヤルライフ奥沢㈱菱栄ライフサービス 31,136円グラニー鷺沼・川崎㈱ベネッセスタイルケア 12,600円サンフォーレ鵠沼㈱　サンフォーレ 7泊までﾞ 8～14泊まで 15泊以降上手に利用するためにどちらのショートステイくるので、事故のリスクも低くなります。います。これは、各自治体がえ、各自治体では高齢者緊急ショートステイ事業を行ってまた、明日からでもすぐにも、誰でも利用できるわけではありません。保険ショート利用したい、独自ショートをの場合は、利用者は要支援・要利用するほどお金に余裕がな介護認定者に限られますし、い、といった切実なケースも独自ショートでも、感染症やあります。そうした場合に備他人への暴力行為など他の入居者に被害がでる恐れがある場合は受け入れを拒否されま確保するという事業です。ほショートステイ用のベットをす。また、ショートステイを利用したら、馴れない環境で思わぬ事故や怪我をしたという施設と契約し、介護保険とは別に緊急時に利用できる事も多く、特に認知症の方のとんどの滞在先は特養が選ば受け入れは慎重です。そのため、利用を始める前れていますが、新宿区や練馬に受入れ先と充分な情報交換区など民間の有料老人ホームを行う事が重要になります。と契約している自治体もあり飲んでいる薬や持病、身体のます。新宿区の場合は、要支援・要介護の認定を受けた新状況、生活習慣や暮らし方といったアセスメントもそのひ宿区民を対象に、区内４施設とつです。できるだけ長く、︵計６床︶の有料老人ホーム何度も同じ所を利用すれば、を１泊３千円で７日間まで利用できます。利用者や受け入れ側も馴れて ● シニアライフ通信 5 ● 利用料(1泊2日) 26,250円施設名ヒルデモアたまプラーザ１泊２日約３千～６千円１泊２日１万円代後半から利用日数最大30日まで制限なし利用回数何度でも繰り返し利用可繰り返し利用できる所は少ない利用申込２～３ヶ月前１週間～１ヶ月前問合せ先ケアマネージャー地域包括支援センター社会福祉協議会自治体の福祉課民間の相談センターケアマネージャーなどショートステイ訪問介護事業の大手企業である㈱やさしい手︵東京都目黒区︶が、平成年４月に介施設など他のサービスに併設別養護老人ホームや老人保健田谷区に開設した。ほとんどのショートステイ事業所が特てらす三軒茶屋﹂を東京都世護保険で行うショートステイ専門の﹁ショートステイゆめ 20 された、利用した本人も刺激費用以上、保険ショートと独自有料老人ホームなどを受けて元気になってもどっ療養病床・老人保健施設特別養護老人ホーム有料老人ホームなどショートの特徴を表５にして滞在先てきた、といった声も聞かれます。それぞれの特色を活か自立・要支援要介護認定者まとめました。それぞれに課題や気をつけなければならな要支援要介護認定者し、快適な高齢期の生活が過利用者い事もありますが、ショート独自ショートごせるよう、工夫して利用しましょう。保険ショートステイを利用する事で、介護をする家族のストレスが軽減【表５】保険ショートと独自ショート比較表して行っているなか、室と介護３程度の方でも利用しやあった。そこで、要支援∼要用者ばかりで、比較的元気な方には利用しにくい雰囲気がのが多く、要介護度が高い利言う。これまでのショートステイは介護施設に併設したも主任指導員の佐藤孝子さんはホテルのような雰囲気だと利用者からとても好評です﹂とど、建物がとてもきれいで、﹁白を基調とした外観や、１階に併設されたカフェな軽度利用者を意識したプログラムづくりいう規模でショートステイのみ行う施設は珍しい。 54 シニアライフ通信 ● 6 ●