放射能測定法シリーズ17 連続モニタによる環境γ線測定法 平成 8 年改訂 文 部 科 学 省 科学技術・学術政策局 原子力安全課防災環境対策室 放射線審議会測定部会の委員及び専門委員 朗治信誠己子司司彦 勝弘 隆 愛 勝 部野上田瀬津山和田 一史眞正 清道子郎 男 啓 義 ■ 正 民 活允 島田崎村 尾 田 後 阿岡阪戸席深丸大吉 専 門 委 員 岩池岩田 寺 中 備 委員(部会長) 株式会社 環境管理センター 社団法人 日本アイソトープ協会 財団法人 放射線影響協会 電子技術総合研究所 国立衛生試験所 動力炉・核燃料開発事業団 日本原子力研究所 放射線医学総合研究所 財団法人 放射線影響協会 金沢大学 名書教授 海上保安庁水路部 気象庁気象研究所 財団法人 日本分析センター 財団法人 放射線影響協会 動力炉・核燃料開発事業団 水産庁中央水産研究所 (敬称略・五十音順) 幸 義良敵寿栄 敬敏博有鉄 明巌典朗雄康逸郎一忠行行信恒柱茂男 隆 田塚山藤藤川川橋中本島島川 島内崎 池大桂加加黒笹高田辻中中早東真森山 本分析法の作成にあたっては、上記委員のはか下記の方々の協力を得た。 日本原子力発電株式会社 社団法人 日本アイソトープ協会 京都大学原子炉実験所 電子技術総合研究所 放射線医学総合研究所 動力炉・核燃料開発事業団 関西電力株式会社 立教大学 放射線医学総合研究所 京都大学原子炉実験所 名古屋大学 放射線医学総合研究所 福井県衛生研究所 日本原子力発電株式会社 アロカ株式会社 日本原子力研究所 文 社団法人 日本アイソトープ協会 生夫和一一億均 長文広敬慎政 田石山根崎本辺 地白杉関山山渡 特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する告示により、 の一部改訂にあたっては、下記委員の方々に協力を得た。 試薬等の一部を改訂した。本分析法 社団法人 日本アイソトープ協会 立教大学 岡山県環境保健センター 日本原子力研究所 農林水産省農業科学技術研究所 金沢大学 動力炉・核燃料開発事業団 (敬称略・五十音順) 第1章 序 ……………………………………………………………… 1 第2章 用語の説明…………………………………………………………… 2 第3章 連続モニタ概説……………………………………………………… 3 3.1 一般的要件…‥‥‥…‥・‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥・‥‥‥‥・‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 3 3.2 連続モニタの検出部の概要………………………………………… 3 3.3 測定値の記録………………………………………………………… 5 3.4 ……………………………………………… 5 第4章 連続モニタの設置………………………………………………‥,‥‥ 7 第5章 測定と校正…………………………………………………………… 8 テレメーク・レステム 5.1 使用上の留意事項…………………………………………………… 8 5.2 電離箱式モニタ……………………………………………………… 9 5・3 D BM方式NaI(Tβ)レ/チレーレヨ/式モニタ……………… 10 5・T4 特殊しゃへい方式NaI(TC)v/チレーVヨ/式モニタ……… 11 5・5 簡易しゃへい方式Nal(TB)v/チレーVヨ/式モニタ…・・…・ 11 5.6 G M計数管式モニタ ………………………………………………… 11 第6中 州琵結果の解析と評価……………………………………………… 61 低 調‥‥‥・‥…‥‥‥‥‥‥‥……‥‥‥‥‥‥‥ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 13 13 6・2 平均値と標準偏差の算出…………………………………………… 13 6・3 異常値の抽出……………………………………‥t………………… 13 6.4 異常値の原因の解析………………………………………………… 13 解説1 連続モニタによる環境r線測定における一般的事項…………… 16 解説2 各方式モニタの原理,構成および特性…………………………… 18 2.1 電離箱式モニタ ……………………………………………………… 18 2・2 D B M方式NaI(TV)レ∴/チレーーレヨ/式モニタ………‥・‥・・・・ 20 2∴i /特殊しゃへい方式Nal(Tβ)レ/チレーレヨ/式モニタ……… 26 2.4 簡易しゃへい方式NaI(Tβ)レンチレーレヨノ式モニタ……… 29 2.5 37 GM計数管式モニタ………………………………………………… 付録1 基準r線源‥‥・‥‥……‥・‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥…‥‥‥‥‥ 42 付録2 校正時の散乱線対策………………‥曽……………………………… 44 付録3 測定結果の解析……………………………………………………… 49 3.1 母集団の選定………………………………………………………… 49 3 2 異常値の抽出と原閃の究明‥‥‥…‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥・‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 50 第1章 序 本マニュアルは,主として原子力施設周辺環境のモニタリノクの−・環として実施される固定 式連続モニタKよる空間照射線量率の測定法忙ついて定めたものである。 現在,上記の目的には数種類の方式のモニタが使用されており,特性,取り扱い方法などは それぞれ異なっている。したがって,本マニュアル化おいては,モニタの設置,測定結果の評 価等の共通事項のほか,それぞれの方式のモニタごとにその持つべき特性を記し,それを前提 として,使用上の留意事項および測定法を述べた。 この文中,①∼しなけれはならない,②、すべきである(または,∼が必要である),③− が望ましい,など種々の表現が用いられているが,大ざっば忙いえは,否定も含めて,①ぜひ そうしなけれはならない,②できる限りそうした方がよい,③そうしなくてもよいが,そうし た方が統一がとれる,の3グループ忙分かれるであろう。 本マニュ7ルの利用Kあたっては,上記のような表現は正確さを期しがたいが,現時点では やむを碍ないと考える。 マニュアル本文の記述をなるべく簡潔托する必要上,追加的な説明および参考となる事項等 は「解説」およぴ「付録」として本文の後作加えたので,必要忙応じて参照されたい。 −1− 第2章 用語の説明 自 己 汚 染 放射線検出器の構成材料中K微量の放射性核種が含まれ,測定系に影響な 及ぼすような場合,自己汚染があるとレ=ハ,低レベルの放射能(繚)測定 において問題となる。 エネルギー特性 放射線計測器のレスポンスまたは校正定数が放射線のエネルギーに依存す る性質をいう。 方 向 特 性 放射線計測器のレスポンスまたは校正定数が放射線の検出器忙対する入射 方向忙依存する性質をいう。 高エネルギー成 分,低エネルギ ー成分 環囁放射線は主として宇宙頓,環境K存在する放射性物質からの放射線お よび原子力施設から放出される放射性物質からの放射碩に大別できるが, このうち字箇頒を除いては,そのエネルギーは3MeV以下が大部分であ り,本マニュアルでは3MeVを越えるものを高エネルギー成分,それ以下 を低エネルギー成分として区別する。 基準 γ 線源 領量率の値付けについて,国家標準とのトレーサビリティが確立されてい るγ線源である。通常給源中心から1mの点の照射線量率が値付けされて いる。 チェック用紳源 測定装置の動作なとを点検するため忙使用される密封線源で,その強匿等 は参考程度の値付けがなされているのが普通である。 レ ス ポ ン ス モニタ指示値と測定すべき量との比である。普通,感度といわれるが,感 度忙は感度限界の意味も含み,まぎらわしいので,ここではレスポンスと いう。校正定数の逆数である。 −2− 第3章 連続モニタ概説 3.1 一般的要件 環境γ線の連続測定は、積算線量の測定と異なり、時々刻々の変動の監視を可能にし、このこ とはまた、気象観測データ等との比較対照によって異常の早期発見と原因調査に役立つ。 このような役割をもつ連続モニタを日常のモニタリングに使用するためには、モニタは少なく とも次の条件を満たすべきである。 (1)線量率値が得られること。 (2)必要な精度が保たれること。 (3)連続した測定値が得られること。 (4)全天候性構造であること。 (5)点検が容易で、故障率の低いこと。 なお、モニタは単なる線量率測定器としての性能の他、γ線のエネルギー情報を与えるもので あること、および気象観測機器と組み合わせた一つのシステムとすることが望ましい。 3.2 連続モニタ検出部の概要 現用モニタの検出器の概要を第3.1表に示す。 第3.1表 検出器の概要 検 出 器 方 式 空気等価壁 電 離 箱 記録の方法 検 出 器 容 量 有効体積2 0 ゼ以上 常圧空気型 アルゴンガス 1気圧換算体積2 0 ゼ以上 洞 アナログレコーダ 加圧型 ならびにプリンタ NaI(Tゼ) DBM方式 ※ 1in¢×1in以上、球形2阜n¢以上 ※‡‡ ンンチレーンョ ン検出器 簡易しゃへい方式 1in¢×linに3mmCu相当のしゃ へい体を組み合わせたもの GM計数管 ※ 有効体積15万ば以上 Discrimination Bias 兄odulation の略で、エネルギM補償の一方式 ※※ 自動レンジ切換えが可能なことが望ましい。 ※※※ 構造的なエネルギー補償方式 −3− 3.2.1電離箱式モニタ (i) 常圧空気型電離招 この機種は厚さ5mm程度の空気等価とみなされる壁材を用いた有効体積約20ゼの密封型 構造の検出器である。 エネルギー特性は解説2.l,解第2.1図に示すとおり50ⅩeY以上で平担である。 (2) アルゴンガス加圧型電離箱 l気圧換算体積20ゼ以上の純アルゴンガスを8∼20kg/c霹‡の圧力で封入した鉄製の 壁をもった電離箱であり、小型で高い感度が得られる。 エネルギー特性は解説2.1,解第2.2図に示すとおりであり、常圧空気型電離箱と比較して 10 0KeV 以下の領域に大きな差がある。 3.2.2 N aI(Tゼ)シンチレーション式モニタ N al(Tゼ)シンチレーション検出器はγ線に対して高い感度を有するため、低い線量率レ ベルの測定には有効なものである。しかし、エネルギー特性が悪く、これを補正するために次の ような方式が採用されている。 (1)D B M方式 この方式では50KeV∼3#eV の範囲で検出感度のエネルギー補償がなされている。なお、 3¥eY 以上については、3¥e†として換算し、加算または分離して計測データとしている。ま た一般に エネルギー情報を得るための回路を付加しうるようになっている。 (1)特殊しゃへい式 この方式ではN a‡(Tゼ)シンテレ一夕の周囲に特殊しゃへいを施すことでエネルギーの ※ 現在の国内法規(高圧ガス容器)では、10kg/c汀㌻以上のガス圧での使用に対し、制限がある ので注意を要する。 −4 − 補償を行っている。シノチレー∵ダKより得られる字高検を含む高エネルギー成分の寄与は, 低エネルギ鵬成分のア線との比較においてほとんど無視することができる。また波高弁別 レベルを20∼50keVをて選ぶこと㌢こより,測定器の温度依存性を小さくすることができ る。 (3)簡易しゃへい方式 この方式ではシンテレ岬タの周囲を銅3取相当の吸収体で簡み,約100k套Ⅴ以下のエ ネルギー成分をある程匿減衰させている。波高弁別レベルは特殊しゃへい方式の機種と同 様な理由により20∼50keV托選ぷ。宰領線の寄与は特殊しゃへい方式に比べさらに少 ない〇 3.23 GM計数管式モニタ GM計数管は,出力ノてルスが管内の一次イオン対の豊作無関係に∵定の大きさの信号とし て得られることが特徴である。しかし経年的に封入気体の分解や劣化が起こるので寿命ほ有 限である。GM計数管托は自己汚染があり,また丁線化対する検出効寒が低いため,低線量 率の測定忙は不利である。補長い構造のGM計数管では軸方向を垂直托するか水平托するか 托より字高検托基づく計数値が異なる。 3.3 測定値の記録 測琵値の記録方式としては,デジタル記録およぴアナログ記録の2方式を併用することが 望まししつ。 3,31 デジタル記録 一定の時間間隔を定め,綿量率または計数輩あるいはそれらの平均値または積算値を記録 する。記録は磁気テ…ブまたは紙テープ●などを用いるとデータ処鰐を容易托することができ る。この場合は測定地点コート■,日時などを同時に記録する。測定結果の統計処理など記録 の解析は電算機を用いて行うことを考慮しておくことが望ましい。 3.3.2 7ナログ記録 線量審または計数審を打点式またはベン式レコーダで連続記録する。アナログ記録はデジ タル記録のノミソクアップ,短時間の変動傾向を直接把握する場合など佗利用し,記録の読み 取りは必要に応じて行う。 3.4 テレメータ・ノステム 伝送データは低周波信号ほ変換して伝送回鰊躍負荷する。回線の持つ周波数特性,デ¶ク 内容に対する変調・復調時の精度.回線占有時間,経済性などから,専用回線を使用する場 −5− 合を除いて,連続したデータの伝送は困難であるので,一定時間ごとの伝送で,かっ伝送信 号はS/N比が良好で解読忙誤りの少い2進化符号を2種類の低周波信号忙変換したものが よい。無線回線が使用できる場合はプログラマブルな遠隔指令による選択読取りができるト ラ/スボンダンステムが望ましい。 公社線を経由する場合の一般的データ伝送法としてはホストコンピュータと遠隔端末装置 双方の終端末忙モデム(変復調装置)が用いられ,デジタルデータを特定周波信号に変換伝 送し,処理端末で再変換する方法でデータを収集する。 −6− 第4葦 連続モニタの設置 連続モニタの設置にあたっては,次の事項繹留意しなけれはならない。 (1)モニタの設置場所は原子力施設の位置,風向分布,集落分布,地形などを考慮して選定す る0 (2)周囲が開放され,立ち入りが容易であり,水はけの良い場所を選定する。 用 高温,多湿などの悪環境の場所を避ける。特に常圧空気型電離箱ほ直射日光を避け,首薬 箱等に入れるぺきである。 (4)検出器の地上高をそれぞれの方式忙ついて統一する。 ① 常圧空気塑電離箱は地上高1鵜以上とする。 ㊥ 簡易しゃへい方式NaI(Tβ)シ∵/テレーショノ式モニタの検出器は地上高107乃以上, 屋上からの高さ3m以上とする。 0 その他の方式のモニタの検出器は,保守の容易さ等を考慮した高さにする。 (5)検出器周辺の地形,建物などによるしゃへい効果などを最小托する。 く6)同一地点で複数の連続モニタを同時綻使用する場合は可能な限り近接して設置し,地上高 などの条件を統一しなけれはならない。 (7き 連続モニタの設置場所周辺はフェンスなどで韓み,人為的な影響托よる線量率の変動がな いようにすべきである。 (8)無線を用いてデータ伝送を行う場合托は,発射された電波による影響を考慮して,無線局 の位置,空中線の指向性,電源回路および諸ケーブル托対する電波のまわり込み等の防止処 置K十分に留意しなけれはならない。 ー7− 第5葦 測定と校正 5.1 使用上の留意事項 連続モニタほ複雑な機構を持ち,きびしい野外環境托おいて無人の状態で長期間放置され るうえ,欠剰を最′j\にすることが要求される。このようなきびしい条件を満足するため托は, 十分吟味された製品を使用することはもちろん日常の綿密な保守・管理が必要である。 連続モニタを使用するうえで留意すべき事項は数多くあるが,その主なものを示せは次の とおりである。 川 使用するモニタの諸特性(エネルギー特性,方向特性,温度特性等)をよく知ってお くとと孝う柁.検出部の構造.電子回路の機能等托ついても,できうれはメーカーから十分な 情報を得ておく。万一,モニタの性能がモニタリングの目的に対して不十分であると思われ たとき托は,適切な対策を講じなけれはならない。 (2〉 モニタの取り扱いは説明書托従って正しく行う。 (3)・一定期間ごとに,必要控応じて点検を実施する。 用 検出部は∵般に衝撃に対して非常に弱いので,取り扱いに際しては細心の注意をはら う。 (5)検出部Kは高電圧が供給されており,高圧端子等は湿気,塵攻の付着で電気的漏洩を 生じて雑音の原因となるおそれがあるので,定期的に清掃する。また乾煉剤を用いている場 合に甘定期的に交換する。 (6)チエ.ブタ用線源を内蔵した機種にあっては,繚源のシャッタが完全に閉じることを確 認する。 イ7き 落雷綻よる事故を防ぐため了レスク(避雷器)を内蔵した機種綻あっては,定期的に 点検を行う必要があり,とく佐貫の多い地域ではその点検を頻繁忙行う。 以上のほか,各方式のモニタ控対する留意事項としては次のようなものがある0 (1)電離箱式モニタは定期的托ゼロ点のチエッグを行う(自動化きれているものもある)。 せた,密封の破壊忙よる圧力の変化に注意する。圧力の変化は,加圧型電離箱では指示値の著し い減少終よって,また,常圧型電離箱では大気圧への依存性が現われること控よって,発見する ことができる。 (2)NaI(T必)シソチレーション式モニタは一般托いくらかの温鑑特性を示す可能性があ るので,指示値の日変化および季節変化綻注意し,必要ならほ適切な対策を講ずる0 −8− く:主き GM言†薮管は有限の寿命を持つので,ある葦変の余裕を見込んで定期的経文換する。 なお,その場合佗は校正を実施しなけれはならない。 5.2 電離箱式モニタ 5.21 校正 基準γ線源は通常線源から1mの点におけるγ級照射線量賽が徳竹けきれている。線落と 検出器中心を結ぷ線が地表面または床面K平行であるならは,散乱r線の寄与率はある範囲 内で凄希および検出器の地表からの高さが低いほど,ぜた検出器の線源からの距離が疑れるほど 大きくなり,高さが高いほど,距離が近づくほど小さくなる(付録2参照)。距離が著しく 近くなると実効中心の変化が無視できなくなる。 校正は次の条件で行う。 (1)校jEほは137cs.Raまたは80coの基準丁線涼を用いる。 (2)電離箱中心が基準γ検源の既知墳量率となるよう線源を設定する。 (3)基準r凄源の設定Kあたっては.周囲近傍の散乱休の影響の少ない方向を選ぷ。 ほ+基準㌻線源の線量率常つ車ては高さおよび距離托応じて散乱㌻槙の寄与を考慮し,必 要があれば補正する(付録2参照)。 (5)基準γ線源の高さは1m以上とする。綾瀬と検出器間の距離は1mが基準となる。 往き ∼乳式から校正定数Kを算出する。 丈。;基準滴蚤率 K=Ⅹ0/(Q岬Q8G)=Ⅹ0/Qm ただし Q ;指示値 Q8。;パックグラウンド値 Qm;測定値 (7)校正実施の頻度は,四季の気象・環境の変化を考慮すれば年間咽が望ぜしい0 しかし 年間4回が不可能な場合綻ほ,チェック用線源を用いて,可能な限り短い間隔でチエブタを 行うことにより,十分査信根性とトレーサビリティの確認ができる0 (8)鮫正の日時,校正条件および結果は記録しておかなけれはならない0 なお,多くの地点で校正を行う場合,各地点ごとの周辺環境の遠いのため散乱諭などの影 響は異なる。したがってできるならは散乱の少ない環境で充分に校正された線量(峯)計を 各測定機閏が基準測定器として所有し,それを使用施設の機関標準として・設置場所Kおい て被校正モニタとの比較校正を行うのがよい0 一9 − 5.22 データ処理 (1)データの記諒は7ナログとデジタルとがあり,7ナログの場合は記録計K記録し,デジ タルの場合はアナログ量を一定時間間隔K打ち出す場合と,電離イオ/量の積分値を打ち 出す方法がある。チノクル出力は機種に応じた時間間隔で打ち出す。 (2)データの処理は1時間単位で行い,l時間値を用ぃて最大値,最小値および平均値を求 める。平均値をもって測定結果とする。さら忙,1日の最大値,最′ト値および平均値を求 めて記録する。測定結果の記録にあたっては,結果のはか忙測定器の種類,仕様,測定条 件,校正およびチェックを行った日時,内容等を明記する。 5.3 D BM方式NaI(TB)シ/チレーション式モニタ 5.3.1 判定時間の決定 測定値の1データの積算計数時間は3in¢×3inNaI(Tβ)シ/チレーション検出器使用 の場合, 計数値の統計的変動からみて数分の勘定時間で十分な精度が得られる。しかし実際 Kは自然放射線と施設起因放射線の変動特性を考慮してそれぞれの分離精度をそこなわずK統 計精度を十分満たすような積算時間を選ぷ。 自然放射線の変動と施設起因放射線の変動をその変動周期の速いから区別する忙は解説2 23(4)に示すような理由から1データの積算計数時間を数分から10分春慶に選ぶのが適当 であるqノてクー/をより忠実に再現するため忙演算時間を1−3分程度とし,後のデータ処 理の際K平滑化や平均操作を行う方法もあるが,データの処理が膨大Kなり過ぎる。測定段 階でデータ数を減らしておいた方がよい。 5.3.2 調整と校正 川 校正は5.2.1忙準ずるが,DBM方式のモニタは増幅器の利得の変化または通過率の変化 旺伴ってレスポノスが変化するので,由路を常忙正しく調整するとともK,年4回校正を 行うことが必要である。実際の調整方法および校正方法に関しては解説に詳しく示した。 (2)DBM方式モニタの基準丁線源およぴチ$ツク用給源としては131cs,Ra,00coのい ずれかを用いる。線源強度は校正用で100FLCi,チェック用でIpCi程度が良い0 チェックの回数はモニタの安定性にもよるが,原則として月l回とする。 チェックの際,計数率値が安定性能から割り出した許容変動幅をはずれる場合は校正を 行わなけれはならない。 5.3.3 データ処理 データの処理は,計数率を線量峯に換算し,5.2・2(2)K準じて行う。 −10− 5.4 特殊しゃへい方式NaI(Tβ)シ/チレーンョノ式モニタ 5.1.1 測定時間の決定 これにL果してIユ5.3.1が参考Kできる。なお,計数率の測定を計数率計(レートメータ) l′〔よってわう場合,時矩数を60、100秒として記録計忙7ナログ記暮する。計数値をデ ジタル記録する場合は1∼15分(例としてl分,3分,5分, 10分,15分)を選び, その間の積算計数値から平均計数率を求める。 5.4.2 調整と校正 特殊しゃへい方式のモニタ(D調整は波高弁別レベルK関するものが最も重要であり,解説 2・3・3K示した方法Kより20∼50keVの問に設定する。 校正の方法はDBM方式モニタK準じて行うが,計数審と線量率の比は解第212図に示 すようなエネルギー特性を有するため,任用する基準r線源の核種によってレスポ/ス忙差 が生ずる。 5.4.3 データ処理 データ処理は5.22(2)に準じて行う。 5.5 簡易しゃへい方式NaI(Tβ)シ/チレーショノ式モニタ 測定時間の決定,モニタの調整および校正は5.4忙準じて行う。波高弁別レベルは20∼ 50kマⅤの間作設定する。 本方式のモニタ忙よる照射線量率測定忙おけるエネルギー特性は解第214図K示すよう によくないため,通常は計数率表示とする。照射線量率K換算する場合,その換算係数は, 環境のr線スペクトルに類似した線源を用いるか,その場の照射線量率を正確に測定して. 決定しなけれはならない。 5.6 GM計数管式モニタ 5.6.1調整と校正 調整および動作試験としては,プラトー及び使用電圧の確認,電子回路の調整(主として 波高弁別レベルの調整)等がある。この場合,GM計数管に過大な電圧を与え放電を起こさ せてはならない。 検出器のレスポ/スおよび電子回路の動作試験は月忙1回程度は内蔵繚源(90sr−90Y) あるいは試験電気信号Kよって行い,・指示値忙変動のないことを確認する。 校正の方法はDBM方式モニタ忙準じて行うが,エネルギー特性は平担ではないので,基 準γ線源として使用する核種を決めておかなけれはならない。GM計数管は各種の外簡K包 −11− まれているので.あらかじめ外筒の外側K校正のための基準位置を表示して校正を行うとよ し(o GM計数管を取り替えた時は,必ず基準r線源作よる校正が必要とな 5.6.2 データ処理 計数率の連続記録を行うとともK,1日の積算値を読み取り,平均計数率を決定する。 −12− 第6章 測定結果の解析と評価 6.1 概 説 環境γ線の連続測定記録のうち,平均値K対して有意な変動を抽出し,解析する。このた め,長期にわたる測定結果Kついて単位時間の測定値の平均と分散を求めなけれはならない。 単位時間は1時間(GM計数管式モニタKあっては1日)とし,必要忙応じて短くする。 6.2 平均値と標準偏差の算出 単位時間の測定値の算術平均をとる。n個の測定値Kついてそれぞれの値をmiとすると, 平均値石は n 訂=∑mi/n で求まる。 i干l 分散¢2を n ∑(元一mi)2 ¢2= i=1 (n−1) で算出し,この平方根けを標準偏差とする。 また,平均値前の分散ロ2は n ∑(訂−mi)2 i=1 n(n−1) で算出される。 平均値および標準偏差は着目する母集団のとり万化よって異なる。母集団の選定Kついて は付録3K示す。 6.3 異常値の抽出 異常値は,平均値K対して単位時間の測定値がそれらの数値の分布を考慮して過大せたは過 小であるかを一定の基準にしたがって判別して決定する。この基準のとり方Kはいろいろあ るが,本マニュ7ルでは測定値が訂士3けの範囲を越えるものを異常値とする。付録3K示 したようK母集団の分布の形作よってこれを越える確率は異なり,たとえば正規分布では 026%,指数分布では18%となる。 6.4 異常値の原因の解析 30を越えたため作興常値と判定された測定値Kは,前項K示す割合で正常値が含まれる。 −13− このほか,連続観測Kおいては,自然現象ならびに人工的な要因Kよって環境放射線が特定 の期間変動し,統計的な確輩を上回って異常値が観測される。異常値の原因レ〔ついて解析す る場合Kは,このことを十分考慮しなけれはならなレ㌔ 異常値の生ずるおもな要因は,母集団の大きさおよび分布の形作依存する統計的な確率の ほか(i)降水,(ii)積雪,(iiかその他の自然現象,例えは逆転層等lてよる放射墳レベルの変動,細 大気圏内の核爆発実験,(∨)原子力施設等人工的な放射線源血l)測定器の異常,などである。 これらの要因について解析を行う忙は, (1)それぞれの要因について情報を得る, (2)測定時間間隔を選択する. =)母集団を選択すろこ ことが必要である。付録3Kは,母集団のとり方,おもな異常値の発生原因,およぴこれら 解析忙必要な時間間隔のとり方を例示した。また第6.1図K異常値解析のフローチャートの 一例を示した。 −14−  ̄ 第6.1園 異常値解析のフローチャート例 解説1 連続モニタによる環境r線測定における一般的事項 本マニュアルで対象とするモニタは,+・−一般環境中の竃艶放射線のうち少なくとも数10keV から数睦Vまでのエネルギー範囲の丁線を測定でき,短い時間間隔の計数値を連続的に得て, その値を実時間で出力(アナログまたはデノクル表示)できる,いわゆる【連続モニターであ る。環境γ検の連続モニタとしては現在,歴史的な背景および技術の進歩を反映して多くの方 式のものが使用されており,その特性および性能はかなり異なっている。しかしいずれの方式 のモニタKついても,それらから得られる計測値は主として,検出器の置かれた場所での照射 線量輩(FLRh−1等)または検出器の計数率(cps,Cpm等)である。 連続モニタの使用Kより連続的な実時間データが得られるため,照射線量率の時間的変化を 追うことができ,気象観測デーークと組み合わせることなどにより,その変動の原因追求がより 容易忙なる。これは長時間の積算線量を与える熱ルミネセ/ス線量計等と比較して特徴的なこ とである。また,連続記録のノくクーノの解析等から自然放射線と人工放射線の弁別が可能とな ることもあり,そのような場合Kは施設からの寄与分を推定することができる。 −一方,連続モニタは一般的忙複雑な機構を持ち,保守■管理Kかなりの手間がかかること, 高価であること,電力を必要とすることなどの理由から,多数のモニタを設置することは困難 である。したがって周辺地域のきめ細かい線量測定はTLD忙委ねるのが普通である。 硯用の各方式のモニタから得られる測定値間作は,その検出器の種類,検出器まわりの構造, 装置の特性,信号処理回路などの速いのため忙,同一地点忙おける同時の測定でも差が生ずる 場合がある。宇宙線の寄与,しゃへい効果,方向特性,エネルギー特性等の違い,GM計数管 忙おいて特に間頸となる自己汚染など,検出器付近だけを見ても問題となる事項は多い。たと えl軍手高額の寄与忙ついて,:/ノチレークを検出器に用いたDBM方式ケこは,−・般の使閂では3 施Ⅴ以上の宇宙線を含む高エネルギー成分も含まれるれ 3MeV以上のものを分離した使用 法もあるので注意を要する。また,特殊しゃへい方式および簡易しゃへい方式Kおいても,シ /チレークの特性上線量率で評価した字高検K対する感度は環塙丁線K対する感度に比して非 常に低い。一般にノンチレークを検出器としたモニタの検量妾指示値は,電離箱またはGM計 数管を検出器としたものに比較して,通常宇宙線寄与分に相当する値だけ低いと考えてよい。 したがって,これらを考慮して測定値の補正が行われれは異なった機種の測定値の比較がで きるわけであるが,現状ではこのような補正は容易ではない。従って,異種の検出器(GM計 数管では検出器を交換しても)を待った装置や異質の測定装置を同一地点K併設してある場合 −16− のノてノクグテク/トレペルでの測定値を相互K比較することは注意を要㌻る。 −17一 各方式モニタの原理,構成および特性 解説2. 2.1 電離箱式モニタ 現在、実用されている電離箱式連続モニタの電離箱には乾燥空気を密封した大容積常圧電離箱、 純アルゴンガスを高圧に封入した金属製球形電離箱などがある。感度を高くするためには容積を 増したり封入ガスを加圧する。電離箱式モニタは高抵抗に電離電流を通すことによる電流一電圧 変換のアナログ出力、または一定時間間隔の電流積分による電荷のデジタル出力等で線量率を表 示する。電離箱式モニタは一般にエネルギー特性および方向特性が良好で、線量率測定範囲を大 きく取り得る。電離箱式モニタは従来移動測定用のものが主であったが、固定用としても設置さ れる傾向にある。解第2.1表に電離箱式モニタの性能等の代表例を示す。また、各種電離箱のエ ネルギー特性を解第2.1∼2.3図に示す。 解第2.1表 各種電離箱式モニタの性能等の一覧 常圧空気型 検出γ線エネルギー領域 20KeV ∼ 8址eV 電離箱壁材,厚さ フェノール樹脂・5 m爪 および電離持寄量 検 出 部 60ⅩeV ∼ 8】eV 鉄・3 m爪 約 8ゼ,(約14 ゼ) 約 20 ゼ 1気圧または大気圧 封 入 ガ ス 圧 アルゴンガス加圧型 −200 ∼+ 55 ℃ 25 kg/c汀FG (8 kg/c汀fG) −23 0 ∼十 55 ℃ 環境温度 測 定 部 安定度(零点ドリフト) 50 ∼ 35 ℃ 0.05〟R/h・℃ 撼ax5×10 ̄▲8A(∼0.2〟R/h) ∼1.9 ×10 ̄lら 換 算 係 数 5 0 ∼ 35 ℃ −3×10 ̄=A/〃R・h ̄l A/〟R・h ̄l 1.5 ×10 ̄=A/〟丘・h ̄1) 宇宙線を含む io〟R/h程度の 環境場における アナログ 0.4〟E/h 検出感度 デジタル 0.1〃R/h 50KeV∼3撼eV±2∼3% エネルギー特性 解第2.1図 野外設置法(検出部) 直射日光を避ける程度の 設備(百葉箱が最適) −18− 80KeV∼3址eV±20% (80KeV∼3址eV±15%) 解第2.2図 野外放置も可 ー・t一 二軍謀窄︶ぺ\策Kゝ ▲ ▲ r 九  ̄ ▼ 実動値 ●Ⅹ綾 夫r線 103 102 1U 10ヰ エネルギー(keV) 解第2.1園 常圧空気型電離箱のエネルギー特性 (有効体積21.3β壁厚 メタアクリル酸樹脂5mm) ︹ 明l−・ l一 nV ぷ.露見\司O﹁×︶巧\∴℃ぺ上 一1 I1 l 実感:計算(アルミ ニウムケースを含でず) l 破線:測定(了ルミ ニウムケースを含む〕 102エネルギー(keV) 1q3 104 解第2.2区)了ノLゴンノカス加圧型電離箱のエネルギ鋤特性 (有効体積8P壁厚s u s 3mm圧力0℃にぉいて 25わ/c方≠G) ー19− 2.2 D B M方式N a t(T P)シンチレーション式モニタ 2.2.1 モニタの原理と構成 N al(T P)シンチレーションスペクトル分布から照射線量や吸収線量を評価する方法の一 つに、スペクトル分布に直接、ある荷重関数を適用して線量計算を行うスペクトル一線量変換演 算子による方法がある。DBM方式?モニタはこの荷重計算過程を簡単な電子回路で自動的に行 わせ、エネルギー特性の悪いN al(Tゼ)シンチレーション検出器のエネルギー特性を改良し たものである。 この方法は荷重値を時間に置き換えた逆関数波形で波高弁別器のバイアスを変調することによ って荷重計算を行わせるもので、通称、波高弁別バイアス変調(Discri皿ination Bias yodula− tion略してD BM)方式N aI(T P)シンチレーションモ= 図に示すような回路構成をもっている。D BM方式によるエネルギー特性平坦化回路以外の、検 出器、前置増幅器およびその他の回路は、市販のスペクトル測定に使用するものがそのまま使わ れており、他の回路を付加することによりスペクトル分布に関する情報も取り出すことができる。 2.2.2 モニタの特性 −20− il)安定性 川 検 出器 こ山方ぺのモニタでレスポンス変化捉鳩係した最も蛋宴な項臼は環境の舛気温正)変化 K対する検出器および回路の安定性である。温匿変化ほ対する検出器の不安定性賓軋ま, Nai(Tg)シソテレ一夕の発光効率と光の減衰時間の温度依存性および光電子増倍管の 光電面の光電子放射の温鑑依存性の二つ托分けることができる。通常この二つの変化の 重なったものが検出器の温度特性となり,これと電子回路のノてルス整形の時定数の組み 合せでモニタの温度依存性が現われる。 ㈱ 電子回路 高圧電源の温度特性もまた重要である。一般に,放射線計測綻使用されている光電子 増倍管の刹博愛化は高電圧の変動率の10倍近い値となり,利得変化で±1%以内の安 定性を要求する場合,高圧電源の安定性は士0.1%以下(±1V相当以下)でなけれは ならない。しかし現在の市販品には30∼50ppm/℃を保証するものもあり,長時間 の安定性についても経験上十分であることがわかっている。 ㈹ 安定化対策 年間を通じて気温変動幅の大きい環境のγ線モニタリングではや托温度贋性ケこついて の配慮が大切で,年間を通して少なくとも士(3∼5%)の幅躍安定度を確保したい。 現在市販の装置の多くは種々の安定化対策,たとえばプローブの断熱対象恒温処置, 電子回路㌢こよる温暖補償対策等が講じられ,年間を通じ十分な安定性が得られている。 く2〉 エネルギー特性 DBM方式モニタのエネルギー特性は通常0.1∼3MⅣの範既で土10%以内(解第2 5図)となっており,環境γ線のエネルギー分布からみてこの特性で十分である(汁むプ ローブのカバー托よるγ旅の吸収でもこの特性は変化するので,不必要に厚いカバ触の使 用は避けなけれほならない。 DBM匝l路K異常が起こるとエネルギー特性に変化が生ずるれ定期的K電子回路の点 検を実施することKよって検知できる。 モ3)レスポンスと計測誤差 この郵定器はエネルギー補償範狸とレスポンスの閉経密接な関係があり,補償範簡を狭 くするとレスポノス(この場合,単位線量率あたりの計数峯)が増加し,拓くするとレスポ ノスが減少する性質かある(解第2−5園)0環境r線のエネルギー範掛ま,自然放射線で −21− は262MeVが最高で,施設起因のものKついても18Nからのr繊を除き3MⅣを越す有 意なものは存在しないので,3MeVせでエネルギー補償さわていれけ十分である。 エネルギー補償範団とレスポンスの関係は解第26図のとおりである。 測定値の標準偏差は上作示したレスポ/スと測定時間とを考慮して計算できる。これレこ ついては解第223(6)忙触れられている。なお,解第2.7区眠いろいろな寸法のシソテレ 一夕K対する10分間測定忙おける吉十削誤差の計算例を示した。 (4)方向特性 NaI(Tβ)シ/チレークは形状によって方向特性が異るれ実際の特性は使用状態のブ リ−ブの構造によってさらに変わる。球形シ/チレークは方向特性托すぐれ,円柱形のも のでは径4,高き3の比宰のとき最も良好な方向特性を示す。径と高さの等しいシンチレ ークの場合,軸方向と横方向で感度忙8%の差がある。しかし個々のプローブで使用状態 忙おける構造忙差があるので,正確な方向特性は実測によって決めるべきである。解第2. 8図㈹,旧)K3血¢×3in円柱形およぴ3in¢球形の軸方向感度を1.0とした場合の方 向特性の一例を示した。 (5)字箇線と自己汚染の寄与 (l)宇宙線の寄与 宇宙碩成分はノくルス波高値で3M占V相当以下のノてルスと3MeV相当以上のものK分け て取り扱うのが合理的である。3M(Ⅳ以下に入る成分は環境のγ紳のスペクトル忙重な るために地上での分離評価は極めて難しい。通常,地殻からのγ線のない海上や湖上K おいて測定したり,飛行機忙より高空観測値を地上忙補外したりして評価が行われる。 高空観測で得られたデータ托基づくわが国の低地忙おける宇宙線成分は,3in¢×3 inNaI(TC)シ/チレーション検出器の場合3MeV以下で0.23pR/h相当値である。 3MeV以上の成分は換算係数K依存して変わるが,標準的Kは0.36FLR/h相当(1.2 ×102cpm忙対応するもの)となる(解第22表)。緯度や高度が変化すると字箇検 強度は変化するが,3M占Ⅴ以上の計数牽からその程度を知ることができる。また3MeV 以下の宇宿線寄与分は,3in¢×3inシソテレNク使用の場合3M占V以上の計数率I cpmKつき20×10 ̄3′侃/hとして計算される。 (ii)自己汚染の寄与 自己汚染の寄与忙ついては検出器のガラス材料中の40KKよる放射線のみを考えれは よい。40Kの寄与は,外部からの40Kの影響口ないしゃへい休中で測定された川Kの ー22− 1L16MeV r牌のt:’−−ク計数室に,3)n¢x:3in,2in4)T<21nL二・つそれぞれのシ/チレ ーク抒ついてi・8\10】2〃R・h【ソも即または,46XlO ̄㍉沌・h ̄ソcpローを乗じて 算∼出する(解第23表)。通常0、1#R/h相当櫨以下で,カリウムの少な守つカラスを Nal(Tβ)シソテレ岬クおよび光電子増倍管の窓面K使用してあれは40Kの寄与はほと んどない。 22.3 測定法と校正 用 安定性に対する配慮 この方式のモニタで最も大切なことは温匿特性K対する配慮と回路調整である。環境の 年間の気温ははほ−10℃から十35℃までの範囲で非常托大きく変動する。したがって, モニタの購入時あるいは使用前綻,温変変化托対して対策を講じておく必要がある。 また,温度特性はパルス増幅器の徴・積分時定数によっても変わるので,時間分解能を そこなわぬ範聞で最も高い安定性の得られるノくルス処理条件で使用する。 宅2き 装置の構成 モニタの構成は基本的托は解第24図のとおりであるれ エネルギー分布についての情 報を利用した自然放射線と施設起因放射線の弁別,手簡憤成分の分離測定などを考えると きはシングルチャネル波高分析器(SCÅ)を併用したシステムとする(解第2.9図)。 また,地表からのバックグラウンド成分を減じて上積み分の判別精度を上げようとする 場合は,検出器の下面に釦しゃへい休等を置く方法もある。この方法はいずれの方式のモ ニタKもあて‡ままるれ 宇宙線寄与の小きいNaI(Tβ)シノテレージョン式モニタに対し てほや㌢こ有効である(解第210,211図)。 (3)データの記録方式 モニタの村滞装置として大きなものKデータ集録・処理装置かある。環境r線のモニタ リノグでは長期の連続観測が行われるととも綻,その結果め解析を実施して原因別の検量 寄与の分離評価が行われるのが普通である。そのための装置綻は,デ岬タのオフライ/処 理を考えた最も単純なものとして,時系列データのカセットテープ,テープパノチャ等へ 記録のみのものから,最終結果まで一貫処理できるミニコン∵ンステムまで種々の方式のも のがある。 (4)測定時間の決定 測定値のlデータの積算計数時間は3in¢×3hNaI(Tg)ン/チレーンヨノ検出器使 用の場合,言‡一数値の統計的変動からみて数分の測定時間で十分な精鑑が得られる。測定時 ー23− 間を決めるにあたっては,降水,フォールアウトおよび原子力施設の寄与のそれそれの時 間的バク∴∵/を考慮することが必要である。一般膵自然放射鰍ま,降雨,降雪などほよる 線量率の急激な上昇があっても減衰はラドン娘核種の実効的な半凍朗35分なレーし40分 より速くなることはなく,その変動は比較的ゆっくりしているのが普通である。これ㌢〔斉j し施設寄与のものは,急激な立ち上りと下降および数分∼数10分の短い変動周期を示す のが普通である。しかし施設起因のものでもスタックの高さやブルームまでの距乳 風速, 風向の変動など托よって自然のものと判別できないようないろいろのパターンがある。こ のような性質を考慮して測定時間を適当に遺ぺるような装置を使用することが望ましい。 たとえは自然放射線の変動と施設起因放射線の変動をその’変動周期の逢いから区別できる ようlデータの積算計数時間は数分から10分程鑑に選ぶのが適当であ呑。パター /をよ り忠実K再現するため佗積算時間を1∼3分程度とし,後のデー一夕処理の際躍平滑化や平 均操作を行う方法もあるが,データの処理が膨大陀なりすぎる。測定段階でデータ数を減 らしておく方がよい。 (5〉 感度調整と校正 D BM方式のモニタは増幅器の利得の変化忙障って感度が変化するので,DBM回路に は常托その測定系経過合する正確な波高・エネルギ岬比(たとえば1.50V/0.662MモⅣ) を供給しなけれはならない。このために校正K先だち,利得およぴDBM回路のパルス通 過率特性曲線の調整を行う。この調整は一般lてメ鵬カー等忙より実施されているが,参考 までにその方島野概略を示す。 ∈iき 回路の調整 最研の利碍調整はDBM回路のパルス通過率特性曲線をもと忙行う。 まず 稽 パルス通過審曲繚から137Gの0.662M抒γ線の食吸収ビータ佐相当するパルスの 波高値(Ⅴ)と通過峯値を読み取る。同時にPHAのエネルギーチャネル数の関係か ら,137G;のγ線エネルギ岬0.662MⅣ忙相当するチャネル数をあらかじめ定めてお く。 次に ② 装置を使用状態佗接続し137csの0.662M甜γ線の全吸収ピーーク忙相当するパルス の波高値と通過乳 および全吸収ピークの計数値が規定どおりケこなるように利得調整 を行う。 −24− ③ なお,パルス通過輩曲壊そのものの確認は以下のようにして子・iう。 ① 検出器の代わりケニノごルスノェネレ一夕をブリ了ンブ㌢こつなぐ○ ㊥ ノ”こネしノータの周波数を一定ほし,入力電圧をノてルス通過養曲線の範鞄内で変 えていき,そのときの入プ〕電圧とDBM−Outのカウノトを読む。 の 通過峯を 通過審ニ 出プ〕カウ/ト(DBM−0机) で計算し, 入力カウ/ト(ジェネレータ出力) 各入力電圧ごと綻通過奉を読み取る。 ㊤ 理想ノてルス通過奉曲顧と上で計算した通過率とが土10%の範浅内托あることを 確認する。 ④ SCAが併設してある場合,パルスジェネレータ托より各エネルギー相当の波高 値を入力し,SCÅの波高弁別レベルとウイノドを設定する。 川)校 上二 校正は①基準ア繚源を用いて行う方法,②r繚源を任意の場所綻おいて基準r繚源を スペクトル一線農変換演算子法によって評価する方法の2つがある〇レ、ずれの場合も 校正托先だち,まずチェック用碩源を用いてモニタを正規の動作状態托合わせる。 ① 基準γ練磨を用いて行う方法 この場合は逆二乗則匿よる線量率と計数率から換算係数を計算する。散乱綴があれ はそれだけ校正が不正確綻なるので,校正綻あたっては散乱緑柁特托注意を払い,精 牝の保持柁務める(散乱線の評価控つぃては付録2参照)。 佗)プ阻準となるr線量をスペクトル一線量変換演算子法Kよって評価する方法 この場合は基準r線源法K比べて値付け誤差や散乱線(これを含めて評価するので) の影響はほとんどないが,変換綻用いる関数の誤差や,それを決定するさいに使用する 検出器を禎校正検出器との間の条件の差,たとえはプローブ容器の厚みの遠いによる吸収 の差などが評価指数を低下・させる原因となる。 校正後の感渡合わせ,感度チェブタはすぺて感度調腰時に用いたチェック用線源一て よって行う。これらの線源は複数の種類とすることが望ましい0また繚源使用時托は・ 増幅器出力を波高汁析茶托入れて.全吸収ビータチャネルのドリフトがないことを確 認する。なお.回路調整は年4回,校正は年l回行うことが望ましい0 く6〉 線量換算法 −25− 計数率N(cpm)から線量奉ⅩT(〟軋/h)への換算式は次のとおりである。 ⅩTニ〔(N叫NcR)xK−Ⅹc只+一−Ⅹ艶〕×F(〟R/h) (解2−1) ここで,NこR 二3施Ⅴ以上の計数峯(cpm) K ‥換算計数(〃R・h−1パ叩m) Ⅹ。R:3MeV以下の線量評価域K入る字属領成分 (〃R/′h相当) ⅩⅩ :40K汚染寄与(〟R/h) F :方向特性補正係数 また,計数の統計托基づく測定値の標準偏差は次式で赤きれる。 √㌻ (解2−2) (cpm) ♂N=士ノ寺 ♂xニ士♂NxK (〃R/h) (解2−−−3) ここででは測定時間(min)である。 宰領橡差引後の標準偏差は(解2−1)式をもと佗通常の統計誤差の計算式で算出でき るが,N=とⅩQの絶対値は小さいので,自然放射線レベルの軌定では(解2−2),(解2 −3)式による値とほとんど変わらない。このよう忙して求めた標準偏差の大きさは,r 嬢成分が5〟虹hの場合,3in¢×3inNaI(T針)シンチレークでl分測定ではl〃= 0.12〟R/h,10分測定では0.04〃R/hとなる(解第2−7図を参照)。なお,NXK に27∼28〟R/hを加えたものが字嘗繚を含めた全照射線量率にほぼ相当する値となる。 2.3 特殊しゃへい方式NaI(でg)シノテレ≠ショノ式モニタ 2鼠1 モニタの原理と構成 エネルギーEγのγ繚の検束密暖¢(Eγ)忙対するモニタの計数率をN(ET),これ忙対 応する照射繚蚤率をⅩくEr)とすると,それぞれ次式のような関係がある。 N(E守)=¢(Eγ)(1鵬e−〟(ET)dトAx (解2−4) X(Er)二二K・¢(Erトロ(EγトEγ (解2−5) ここで〟(Er)はソンテレ一夕の減衰係数,dはシ∵ソテレ州クのr頗通過方向の長さ,ÅⅩ 甘通過方向から見たシ′ノテレ一 夕の断面積,Kは比例定数,♂(Eγ)はエネルギーErのr 線K対する空気のエネルギ州吸収係数である。線量測定器としてはN(E†)/Ⅹ(EりがEr 陀かかわりなく一定となる必要があるが,(解2・−4),(解2−5)式の比をみれほ明ら かなよう打線巌紅紆㌻る計数効率はEア紅よって大きく変化する。これを解決するため托検 ー26− 山器と綾瀬の問に吸収体を設け,特性を補碩するのが特殊しゃへい方式のNaI(Tg)シ/チ レーノヨノ式モニタの原摺仁亡ある。すなわち,厚さヱの吸収体を置くと,(雛2−・1)式に 代わり次式が礪ゃかる。 N′(ET)=41(ET)(卜e−ij(ET)d)血・e−〆(ET)x (解2−6) ここで〟′(EりはエネルギーErのγ線忙対する吸収体の減衰係数である。 特殊しゃへい方式ではさらに低エネルギー域の過大な吸収を補正するためK吸収体忙孔ま たは間隙を設け,低エネルギー領域の特性を向上することが行われている。 また,黄銅の吸収体の再生係数を考慮した特性を解第2.12図陀示す。 この検出系の特性はNa王(Tβ)シ∵ンチレークの寸法,しゃへい体の材料・厚さ・孔の構造 ・取炉付け方法,波高弁別電圧の選定,さら陀検出体(検出部およぴしゃへい体の全体)の 設置方法など控よって決まる。現在使用されているの注解第2」3図に示す構造のもので, 扱高弁別バイ了スは20∼50keVの問托設定する。 2、3.2 モニタの特性 (l)安定性 この方式では構造的なエネルギ岬補償が行われているので,電子回路の安定性や測定条 件托対する要求が他の方式に比して緩和され,極めて安定した計測が行われる。安定性K かかわる考え得る問題点は光電子増倍管の印加電圧の変動あるいは増幅器の利得変動その 他柁よる波高弁別エネルギーの変化に伴う計数効率の変動であるが,波高弁別パイ7スが 20keVから50keVまで変動しても計数K大きな変化はみられない。 (2)エネルギー特性 解第2、12図托点線で示されているよう忙,エネルギー特性は十分良いとはぃえないが, 環境γ線モニタとして使用する場合Kはそれほど深刻な問題と考えなくてもよい場合が多 い0 ミ3〉 方向特性 本検出器は解第乙13図綻示すように特殊なしゃへい体で覆われているので,その形状, 構造に原因する方向特性がある。特勘 穴方向に対して高い検出効率を示すことが予想き れる。しかし,環境のr線源が点状であることはまずないことと,散乱線を伴っているこ ともあって,方向特性による影響が顕著に現われることは少ない。 (j)感度と計測誤差 計数寒から線量輩への換算係数は1.5山¢×l、5inNaI(Tl)シノチレークK厚さ3・5 −27− c7nの黄銅しやへVl体を用いた場合,6.06×10JpR・h.穴pmである∩ 計測誤差は上作示した換算係数と測定時間を考慮して計算できる。 (5)手首線と自己汚染の寄与 これらは鉛しゃへい体内(10cm)で実刺される。(4)K述べた仕様の検出系では,宇宙 線寄与分は20cpm,自己汚染を含めた全休の寄与分は30∼40cpmとなり,線量率 に換算して通常0.20−0.25/」R/h程度Kなる。 23.3 測定法と校正 (1)波高弁別バイアスレベルと換算係数 (i)波高弁別バイ7スレベルの設定 ?41Amの密封緑野約10〟Ciをしゃへい体の穴の位置忙固定する。光電子増倍管の高 圧電源を変化し,プラトー曲線を求め,計数がプラトー計数値のレうKなる印加電圧を 決定する。この電圧は波高弁別バイ7ス60k占Ⅴ忙相当する。さら忙これを20−50 k(ⅣとするKは, H)波高弁別バイ7スをシも∼朽に下げる(ディスクリミネーショノ電圧が弁別レベ ル忙比例している場合)。 (ロ)印加電圧を10%(約100V)上げる(一般化使用されている光電子増倍管は 10%印加電圧を上げるごと忙増幅率が2∼3倍増加する)。 使用する放射碩源として他・か核種を用いる場合も,これに準じて行うことができるが. その放出γ線はできるだけ低エネルギ→(60kdV−150k占Ⅴ)で単色のものが望ま しい。137cs(662keV)を用いる場合には,あらかじめメーカー托よって調整して もらうか,または上記のプラトー曲憤の測定法忙よって137csの662keVの弁別バイ 7スを定め,さらK印加電圧を何ボルト上げて使用したら良いかを決めておくことが必 要である。 (ii)換算係数の決定 線量率と計数率との関係は解第2.12図忙示すようKエネルギー托依存するため.使 用する基準r線源のγ線エネルギー忙よって換算係数は多少変化する。それゆえ州K従 って調整されたモニタ忙ついては,1.5in¢×1.5inNaI(TC)シ/チレーク,3・5m 厚の黄銅しゃへい体の場合,165(cpm/ルR・h−1)という値を採用するが,117cs基 準γ紳源作よる校正を行って換算係数を決定してもよい。 (2)線量換算庄 一28− 計数峯N(cpm)から線量輩XT(iLIレ/h)への換算式は次のとrfdりである, ⅩT=NXK−XcRX (FLR/h) (解2q7) ここでKは上記(tl)の換貸係数,XcRK は宇箇繊および自己汚染の寄与である。 測定値の精匿は計数の統計誤差で決まる。 24 簡易しゃへい方式NaI(Tβ)シンチレーンョ/式モニタ 2.4.1 モニタの原理と構成 この方式のモニタは検出器を3抑厚の銅の吸収休で覆い,100keV以下の†繚成分を減 衰させ,史K波高弁別バイアスを20∼50keV佗定めることlてよって利得変化に伴う不安 定性を排除している。 本マニュアルで述べられている他の方式のモニタと異なり,このモニタは線量審よりは検 束密度にほぼ比例した出力を与えるので,その使用およぴデータ解析忙あたってはその点忙 注意する必要がある。 2.4.2 モニタの特性 NaI(Te)シ∵/チレークは1in¢×1inが標準的作用いられており,その場合の特性を解 第2・14図K示した。このよう忙,このモニタの指示値は照射線量峯よりはむしろr櫻束密 度K比例し,特にフォール7ウトのような表面分布の線源に対しては,計数率値はr線のエ ネルギー忙関係なくその表面密度忙比例した値となる。一方,照射線量輩を得るためKは, 線束密度と線量奉との問の関係と環境γ線のエネルギースペクトルがわかっていなけれはな らないが,後者は環境の条件,放射線源の種類と分布Kよって異なる。 このため木方式のモニタを環境r線量率測定に用いる場合には,次の条件を満たすことが 必要である。 (1)計数率から照射線量峯への換算には環境のγ線エネルギー分布K見合う定数を選んで用 いる。 (2)検出器の設置場所を比較的高い所作設ける。 解第22表 3in4)×3inDBM方式シ/チレーショノ式モニタ K対する字電線の寄与の一例(東京) −29− 解第23表 DBM方式シ/チレーンヨ/式モニタのヰOK汚染の寄与 1.46MeVの全吸収ビータ計数率からの換算係数 検 出 器 寸 法 (〃R・h00ソcpm) 2h¢×2in i.8×10−2 3in¢×3in 4.6 ×10−3 解第2.3園 DBM方式シ′:/チレーション式モニタのブロックダイアグラム −30− 2 J 0 1 只U ノLU 3 O l 8 ‘U 丁上・銘ミ\EdU 42 ︵ ′q っ‘︵b 0 1 ︶ぺ\ハ呈∴へゝ ′b 上り 2 4 6 8 0.1 2 4688 1.0 2 4 r塀エネルギー(MeV) 解第2.4図 DBM方式2in4)×2inNal(Te)シ/チレーション式モニタのエネルギー 特性(1はエネルギー補償を行わないもの,2,3,4はエネルギ ー補償を行ったもので,補償範凶はそれぞれ0.5,1.0,2MeVであ る。) −3】− ヽ O l 8 ‘U /q 3 0 1 8 ムU 4 つ﹂ l O ︵Hリ ︵1.ぷ・再ミ\Ed。︶轟墜恥部 ムU 4 0.1 2 ん 6 81。0 2 4 エネルギー補偵範紬(上限値,MeV) 解第2.5図 エネルギー補償範囲とレスボン/⊥スの関係 ー32− 相対標準偏差 ︵降︶ 照射横良案(〟Iレ′h) 解第2,6区‡DBM方式モニタによる環境γ感の 10分測定における統計誤差(1げ) tl O 相対鹿渡 二船 ¢ 】¢ 引) 98 1】8 1}O l抑 入射角度 i8 亨O i】0 入射角度 (B)3in¢球形Nal(Tβ) (刃 3in¢x3in円柱形NaI(Tβ) 群舞2.7図 Nai(Tβ)・ンンナレータの形状と方向特性の例 −33− 1うO 180 Y 解第2.8図 D BM方式モニタの多チャネルシステム 弼第2.9国 人地肘射顧と施設起閃放潮順の分離測定用 しゃ′、、\い/ぺタン■トゲト・例 −34− ︵エ \ ∝ q ︶ 舗 瑚 延 宗 聖 15:00 18:∞ 21:∞ 0:00 さ:00 4ね5 4ね6 解第2.10図 降雨と重なった41Arブルームr線による照射線量輩の変動の例 (1):下面銘しゃへい体のない場合 (2):下面鉛しゃへい体のある場合 (注:点線はS CAから評価した自然変動成分) 丁 ′ ̄ヽ ヽJ 0 ■1 ハリ V∧ 5 0 5 干這宣\Ed。︶ぺ\∴でぺユ 0.轟 0.5 l.0 r組エネルギー(M8V) 5.U 点線は厚さ3.6cmを用いたときの孔による補正曲線 痘、は実測値 解第2.11図 1.5in〆×1.5inNaI(Tの シソチレークを用い真ちゅうのしゃへい体 の厚さ(ェ仰うを変えた場合のビルド7ッフ 係数を実測で求めて算出した一レスポンス ー35− 5em 「1 解第2・12図 検出部およぴしゃへい体の構造 樹聖職Q繋L史更甲糊藻玉食腫誕0≠−ユ小1ヽ l.0 ∩.1 引責伴 ▼■のl′) F■月 ∂占 0.03 解第2.13区I 0,1 r崩エネルギー(MeV) 1.0 3.0 簡易しゃへい方式モニタのエネルギー特件 A:ノンナレー B: タの固有検出効率(糾O mm−) ′′ (銅3nlnl) t二::単位照射繰言諒キ当たりの訂数率(エネルギー特件) なも・参考と して,釦折よる r線の減弱もホしてある。 ー36− 25 GM計数管式モニタ 25.1 モニタの原理と構成 GM計数管式モニタの一般的な構成を解第215図忙示す。図K示されるようKGM計露文 管の外筒の内側の容器内Kチエノク用線源(通常90Sr−リOY)を内蔵し,遠隔操作Kより 線源容器のシャッタを開き,随時動作をチェックできる機構のものが多い。 指示記録部はレートメーク,電源,記録計および積算計(ないものもある)から構成され ている。レートメークの指示単位はRaあるいは00coなどで校正された正札/hまたは で表示されている(この両方を備えたものもある)。表示方式は対数と直線の2とおりがあ る。 2.5.2 モニタの特性 (1)安定性 このモニタは他の方式忙比べて電子回路そのもの忙要求される条件はそれはどきびしく はないが,温度と感光性が問題となる場合がある。GM計数管の種類Kよっては温度Kよ る感度変化およぴバックタラウ/ドの変化がみられ,冬期∼夏期の広い範囲忙わたる外気 温の変化忙伴う安定性忙は特K注意を払う必要がある。ただし,その影響を全く受けない ものもあるので,使用検出器の選定の際はこの点忙留意すべきである。 GM計数管の種類によっては光K対して高い感度を示すものも見られる。通常,γ線測 定K使用する場合Kは金属円筒のカバーを施すためこの間題は生じないが,′繚測定用と してむき出しのまま使用される場合はその影響が日変化として現われることがある。この 変動も,温度の場合と同様GM計数管の種類を選ぶことKよって回避できるので,モニタ の本質的な問題ではない。 なお,GM計数管は寿命が比較的短いため,定期的K交換する必要があるが.そのたび K感度,プラトー特性,ノくルス波高等K変化が生ずることがあるので,安定な測定を継続 するという観点から,交換前後の感度差の■検査など他の方式のモニタK見られない保守管 理上の注意が必要となる。 (2)エネルギー特性 エネルギー特性はGM計数管の壁掛こよって定まる0通常300keV付近で感度が最低 となり,より低いエネルギN側では50keV∼100keV付近K感度のど−クを持つ0 高いエネルギー側では感度が徐々K上昇する傾向を示す0壁厚の蒔いものは100keV以 下で特化高い感度を示すので.100keV∼3MeVの範囲で感直の鱒巨化を図るため2 −37一 cps 和厚程度の黄銅カバーをかぶせる方法がとられている。一例を解第216図K示す。 (3)方向特性 GM計数管はその形状の関係からγ線の入射方向Kよって感度の違いが大きい。丁線の 入射断面積の大きい側面方向が最も高く,軸方向が最も低い感度を示す。AntonlO6 (壁材:Fe72‰ Cr28%)の例を解第217図忙示す。これ托よれは.′検しゃへ い円筒の有無Kよってもその方向特性は大きく変化している。なお,実際の使用状態では 検出器の取り付け方法,付属装置の有無(チェック用線源容器など)でさら忙変化する。 (解第2・18図の1およぴ2) 方向特性の補正を正確忙行う場合は,GM計数管の形状と入射γ線の方向分布とを考慮 して補正係数を求める。しかし,実際忙は環境γ線は多くの散乱練成分を伴うため,正確 な補正係数を決定することは困難である。このため測定対象に通した取り付け方向および 位置で使用する必要がある。 (4)レスポ/スと計測誤差 通常のモニタ忙おける計数率から凄量率への換算係数は0・1∼0・4/用・h ̄ソbpm程度 である。これでわかるとおり,自己汚染寄与などを含んだ状態での通常の勘定精度はかな り悪い。 (5)宇宙線と自己汚染の寄与 GM計数管は丁線と宇宙線とK対して異なったレスポ/スを示す。このため宰領器から の寄与分を自己汚染寄与分ととも忙評価しておかなけれはならない。 宇宙線の硬成分はγ線をしゃへいした状態で外套GM計数管と供試GM計数管の同時計 数をとることによって評価でき,従来の実験では,硬成分に対してγ線用の換算係数を使 用するとやや低めの値Kなることが知られている。また,反同時計数をとれは自己汚染成 分が評価できる。一般忙宇宙線成分と自己汚染成分を一括評価するKは,経験的な次の方 法が有効である。すなわち, Ⅹ.G =Npb XK十11 (〃R/h) (解2−7) ここでNpb は屋外または木造家屋内の50珊厚鉛容器内での計数率(cpm),Kは基準 丁線源作対する線量率換算係数(pR・・h−1/cpm)である。1・1というのは鉛50椚厚に よりしゃへいされた宇宙線寄与分である。 また,自己汚染ではなしへが,差し引くべきバックグラウンドとして検出部K内蔵された 紳源容器からの漏洩がある。モニタ忙よっては高い寄与の見られるものがあるので,この −38− ようなものKついては,内蔵綾取を取りIまずして調査しなけれけならなし、。 自己汚染は,普通,顔量輩K換算して15、35甘R/h程度である。 一一●−−︼一一●−−一− 一 解窮2.14図 GM計数管式モニタのブロックダイヤグラム −39− ′−ヽ、 ′ ′ ヽ 黄詞力′こ・− なし ̄ヽ、 ヽ 、− −−■■■_ ぺ\羊ご:土涙管 ヽ、_ f 1n2 10 103 エネルギーkeV 解第2・15図G ̄ . の外側に2汀m厚の黄銅円筒(カバ岬)がついて いる。) −′模しゃへぃ付 一−【ダ接しゃへレゝなし ト0 師弟2,16園 GM討数管の方向特性の一例 −40− 解窮2.17図の1 GM計数管式モニタの鉛直断面の方向特性の一例 検出部カバー GM計数管保護カバー GM 踊容器 解第2.17図の2 上記GM計数管式モニタの検出部断面図 (チェック用線源内威) −41− 付録1 基準 γ 線 源 11 基準†線源の適用 基準γ線源は綾瀬から一定の距離(通常1m)(ておける丁線照射線量室が値仙ナされたト レーサビリティの明確なγ線源で,これをモニタの校正に使用する。 1.2 基準γ線源と線量率 環境のT線は数1O keVから数MeVの範囲のエネルギースペクトルをもち,また線量率 は10/ノル//h程度である。連続モニタ校正用の基準γ線源としては,これらのことを考慮 し,長半減朋であることと入手の容易さを条件として,本文佗示す137cs,鮎,60coの 他241Am,57co,I3:一Baを加えた6核種を選択した。241Am,57co,J33Baは低エネル ギー領域Kおけるエネルギー特性確認用で,放射能は100〃Ci以下とした。100/jCi以 下であると移動性用が容易であり,野外に設置されたモニタの校正の場合K便利である。 1.3 線量葦校正の精度 137cs ,Ra,60co基準丁線源の場合,廟量率校正の精度は特別な場合を除き士5%, 241Am,57co,133Baは士(10∼20)%とされる。 1.4 基準γ線源の入手 基準丁線源は電子技術総合研究所または(社)日本7イソトーブ協会から供給されている。電子 技術総合研究所は標準供給機関および特定の機関忙備えられる一次基準を供給す。(杜)日本ア イトノーブ防会は電子技術総合研究所から高相慶の一次基準を受け,基準r線源の値付けと 供給を行う。 1.5 γ線源の線量率の値付け 1.5ユ 比較法Kよる値付け 基準γ線源は国家標準忙より値付けされた一次の基準γ線源,一次基準γ線源作より値付 けされた二次の基準γ練乳 続いて三次,……とあるわけであるれ 普遍的な基準としては 二次までが採用される。しかし,場合によっては施設で基準γ線源Kより他のγ線源の線量 室を校正し基準とすることもできる。この場合,基準γ線源と校正するγ線源は同一核種と しておくのがよい。仲介用検出器は安定性とエネルギー特性のよいものであれは特化限定し ない。付第l.1図のようK,検出器から一定の距離Lをとり基準r線源の指示値をQsとす る。ついで校正するア綿源作おきかえたときの指示値がQであるとする。基準γ線源の1爪 での線量率をⅩsとすると,値付けするγ線源の1mにおける線量率Ⅹは次式で求められる0 −42− . X=Xs Q (付1−1) 上式はLK無関係作成立するので,線量率Kよって適当な距離を選べはよしつ。少なくとも 2回以上くりかえして測定し,結果については平均値をとるのがよい。100〟Ci程鑑のr 線源であれほ,仲介用検出器として現用しているモニタを使用することができる。 1.5.2 基準測定器Kよる値付け 基準測定器である高橋鑑の電離箱式線量・線量率計で線量率が値付けされたγ線源は.基 準γ線源とすることができる。 散乱線の寄与Kついては,付録2を参照されたい。 付第1.1図 比較法による㌻線源線量峯の値付けの一例 −43− 付録2 校正時の散乱線対策 基準γ線源作よる校正時の検量率Ⅹは線源からの直接のγ栃昭よる線量率Ⅹdと周囲からの 散乱丁線の線量奉Ⅹbとの和である。 Ⅹ=Ⅹd十Ⅹb (付2−1) 散乱r虐の寄与率Ⅹb//Ⅹdは線源と検出器間の距離,繚源および検出器の地表面(または床 面)からの高さ,周囲物休等の条件Kよって変わり,ある範囲内で綾源と検出器間の距離が近い ほど,線源および検出器の地上高が高いほど,また周囲物休が遠くかつ少ないほど′トさい。 校正に際しては,散乱γ線の寄与の程度を知っておく必要がある。また散乱r顔のエネルギ ーは一般的忙直接r牌のエネルギーK比較してかなり低く,検出器の特性Kよっては散乱γ線 の影響が見かけ上大きくなる場合がある。校正は散乱丁線の寄与の小さな状態で行うのが望ま しい。 連続モニタ(D設置状況は種々であるが,広い地表面上のある高さ忙検出器が設置されている とする。校正方向(線源と検出器を結ぷ線)は地表面K平行または垂直とする。(付第2.1図) 校正方向が地表面K平行な場合の散乱r線の寄与率Kついては,付第2,之およぴ2.3図忙示 すようなデータがある。付第2・2図中の曲線は地表がコンクリート,検源がdOcoの場合忙つ いてChiltonが半経験的に求めたものである。また,種々の条件下忙おいて80co給源を用 いて得られた実験結果も同図忙示してある。付第21表はやはりChiltonのデータで,線源 と検出器の高さが異なる場合,および137c8線源忙ついての結果も含まれている。 また,モニタリンクポスト屋上の検出器から1mの高さKγ線源を置辛て測定した結果Kよ れは,散乱r線の寄与率は00co線源を用いたとき,鉄製屋根で230‰ コンクリート屋根 で2・45‰ また】37cs線源作ついてはそれぞれ2.64%およぴ3.48%であった。 散乱r線源の寄与率の測定Kはシャドーシールド法およびスペクトル測定法等がある。ここ では原理的K簡単なシャドーシールド法を説明しておく。 シャドーシールド法は,付第2.4図K示すように,繚汲と検出器の問に鉛ブロックをおき,直接線 をさえぎって周囲からの散乱γ線を測定する方法である。鉛ブロックは直接線を十分(1/1000 程度)減衰させる厚さとする。鉛ブロックの支持台は発泡スチロールのような軽量のものがよ し(0 鉛ブロックがないときの指示値をId,置いたときの指示値をIsとすると,散乱r線の直 接γ線レて対する寄与率】‖ま ー44− ヤ=Is/(Id−Is) (付2−2) で求まる。鉛ブロック支持台からの散乱を確認しておくのがよい。無視できなけれは次式によ ってヤを求める。すなわち,支持台のみをおいたときの指示値をIoとすると(Is,Idにつ いては付2−2式K同じ) 1s−(Io−Id) 甲 = (付2−3) Io−1s 水平方向の場合 垂直方向の場合 付第2.1図 校正忙おける線源と検出器の配置 ー45− ロ ロ ○ ′′  ̄ ヽ / \ ◇ \ ロ / 裸地.コ/クリート \ / \ ◇ / \ / \ / △ \ / \ ● ′−Chiltonの値 \◇ △ \ \ \ ◇ ‘U 鋪嘲確藩世塵 繍噛漣潅感溢 X ーAの1 ︵求︶00t / \ \ ◇ \○ スペクトル軋定法 D(h=0.5m) \○ 裸地 ◇(h=】m) .■. ●(d=l.5m) \ \ ) △(h=1ml コンクリート シャドーシールト‘法 0(d=1・Om) 簡易舗装面 0.1 h/d 付第2.2図 Chilton等の半実験的結果(曲線)と測定結果 ︵求︶00T 樹嘲海港報国 樹咽優麗痛感 X 3 β(m) 付第2.3区l軽量ブロック壁がある場合の散乱線寄与 −47− 線 付第ユ尋囚 ヤトーシ・−ルトー法の配置図 ー48− \、ノ 率 量 リートまたは類似物賃による散乱「線の寄与宰 線 接 付弟2・1表 コン∵グ 付録3 測定結果の解析 本文6.4(′こおいて述べられているモニタ指示値の時間変動は付第31表のようにまとめられ る。すなわち環境γ線の変動の原因は大別すると自然現象,核爆発実験および原子力施設に起 因するものなどK分類できる。測定結果の解析は,これらの変動を抽出してその原因を調べ, 変動分の原因究明ならぴK線量評価をすることである。通常連続測定Kよって得られる測定結 果の変動のノくターンは変化の速度や周期性Kよって特徴づけられるが,変動の原因は他の情報 との相関Kよって知られることが多い。 「方,モニタ指示値Kは以上のほか,統計的な現象K起因する本質的な変動があり・これは 測定器自身に関するものと放射線源K関するものとの2つ忙大別される(前者は純粋な吉十数 統計によるものが含まれる)。 測定結果の解析Kは母集団の選定,平均値および標準偏差の計算,異常値の抽出等が含まれ るが,特に母集団の選び方は重要である。 3.1 母集団の選定 選定K際しては次の事項について考慮する必要がある。 3.1.1 時間間隔 1データの積算計数時間またはデータの打ち出し時間間隔は,着目する事象の線量峯の変 動速度K見合うものとする必要がある。降雨など自然現象を対象とした場合忙用いられる時 間間隔は数分∼数10分である。原子力施設K基づく変動を対象とするときはその数分のl またはそれ以下の短い間隔,フォールアウトの場合は数倍またはそれ以上の長い間隔が適用 される。(なお,自然現象忙は1日およぴ1年の周期変動などがある。)したがって,連続 測定忙際してのデータの抽出間隔は5分,10分,15分のいずれかを標準とし,短い間隔 が必要なときはl分,2分,3分,5分のいずれかとする。 現在わが国で行われている連続測定Kおぃてはこの標準間隔で得られる計数の統計誤差は 2∼5%で,検出しようとする変動K対して無視できる。しかし数分以下の場合は計数統計 (測定結果の数値のはらつき)を考慮する必要がある。 これらのデータから,あとの解析のため1時間値を求める。 3.1.2 母集団K含めるデータの数 母集団忙含めるデータの数は多けれは多いほど実の分布K近づくので,数10以上とする ことが望ましい。降水時のデータのみの母集団を作るような場合以外は,この程度のデータ ー49− 数を得ることは容易である。 3.1.3 母集団の分類 母集団は平常時,降水時,積雪時,核実験直後およびこれら以外K大別される。 (1)平常時はさら忙,日変動および年変動を考慮して特定の時刻および月ごとに分けること が有用な場合がある。 (2)降水時は雷雨,小雨,台風,降雪さらKは前線の性質などでさらK分類できるが,通常, 雷雨,その他の降水および降雪に分類しておくとよい。また横雪時は放射線レベルが低下 するので母集団を別托する必要がある。 (3)核実験直後K増加がみられた場合は別の母集団とする必要がある。通常,核実験の初期 のフォールアウトの寄与は,実験が行われた時刻からの経過時間をtとしてt ̄l・2で減衰 することから,tの数分の1の時間間隔,すなわち,実験が行われてから5日後は1日, 10日後は2日ごとのデータを採用し,データが平常値の標準偏差の3倍以内忙入るまで 別の母集団とする。 3.2 異常値の抽出と原因の究明 母集団ごと托その母集団のもつ分布の標準偏差の3倍を越えるものを異常値とし,その原 因を調べることKなるが,その際次の点K注意する必要がある。 平常値は無降雨時の観測値の分布は通常,正規分布とな少警一方,降雨時は高線量率側が ほほ指数関係で表わされるような分布になる。なお,降雨時の標準偏差♂’は無降雨時の標準 偏差♂よクー般に大きい。 無降雨時の観測値が平均値士3♂をこえる確率は,03%程度であれ 降雨時の観測値が 平均値十3〆をこえる確率は約2%である。 以上のような考慮をはらっても,なお標準偏差の3倍の範囲を越えるような自然現象とし て雷雨をあげることができる。 核爆発実験作よる増加忙ついては,実験後の経過時間と平常値K対する増加分の関係を両 対数方眼紙忙描いて分布を定める。この際は分布の分散を求めて異常値の判断を行うことが 望ましい。 モニタが過大(ときKは過小)な指示値を与えたときの異常値の抽出と原因究明の手続き ※無降雨時の観剛直の分布技,実際には土中水分や大気放射能(222RnlOOpCi〟で 約02〟R///h)の変動のため,分布の柁のあたりて拡がる傾向がある。 −5()− は,本文第6.1図托例示したよう佗,まずモニタ(D点検から始めるのがふつうである。 モニタの動作が正常であることが確かめられたならば,降水等の自然現象で説明できるか どうかを調ぺる。この場合,降水等を含む平常時のデータからなる母集団の分布と比べるか, あるいは,もしデータの十分な蓄積があって,降水時のデータのみからなる母集団の分布が 得られていれほ,それと比べる。なお,わが国托おける年間線量に対する降水の寄与は1mR の程度である。 以上の手続きにより降水の影響な考慮しても異常であると判定されたらは,次K,核爆発 実験の影響托よってそれが説明できるかどうかを調べる。核爆発実験の影響の現われ方とそ の程度は実験条件托よってまちまちであるが,これまでの程験では,中国托おける実験の2 日後作屋外忙おける線量率が数10〟R/hに遷した例がある。 以上の手続きによってもなお原因が究明されないときには,原子力施設の影響を廃う必要 がある。この場合には気象条件(風向,風速,大気安定度等)を調べ,施設の排気筒位置に 対して各方位Kおかれた複数のモニタの指示値の相関を検討して,風下方向忙おかれたモニ タの指示値が過大であるかどうかを見る。施設の運転状況に関する情報が得られれほなお良 いことはもちろんである。 排気筒からのブル岬ムが原因である場合.解第2.11図忙示すような比較的短周期の変動 を示すことが多く,したが?て変動ノてターンを知ることも原因究明紆役立つが,そのために はデータ抽出の時間間隔を標準値よりも短くしなけれはならない。また,施設に原因がある 場合忙は丁繚のエネルギー分布も平常とは異なってくるのがふつうであるから,エネルギ岬 情報も有力な決め手の一つとなることがある。 以上の手続きを経てもなお原因が不明の場合は必ず記録托とどめ,後日の検討資料として おく必要がある。 −51− 付第3.1表 降 自 雨 ン 降雨中ゆるやかな変動を もつ 然 雪 硯 増加と減少が複雑に入り まじる 象 雷 雨 横 雪 急激K増加して約30分 変 動 の 頻 度 加 篭17花R/シ 佗よって差がある。. 春先に多い 温 七2′」R/h 年間100回程象地域 土1正札/h l 変動のバク… 最高数〟R/h 托なることがある。 の半減期で減少 くて よ 棟雪佗よるしゃへい効果 地域佗よって差がある 七1∼3∠JR/h程度減少 逆転層による日周期 冬期佐多い モ1/JR/h程度 る 変 ▼ その他の気象 動 u 地表の水分托よる放射線 0.2〟R/h程度減少 の吸収 ▼ 実験の数日後に変動が現 大 気線 内 れ経過時間托ほほ比例し 核遅発棄験 て増加量を示す。 がある。 一定しない,特に負方向 原 子 力 施 設 預り 定 器 の 特 性 測 定 器 の 故 障 の変動が短い周期をもつ 温度変化の日変化,年 温度佗よって数%∼10 変化 %に及ぷ場合がある。 主と.・して温度変化把よる 過大または過小夜値を示 す 文部科学省放射能測定法シリーズ 1.全ベータ放射能測定法 昭和51年 9月(2訂) 2.放射性ストロンチウム分析法 昭和58年12月(3訂) 3.放射性セシウム分析法 昭和51年 9月(1訂) 4.放射性ヨウ素分析法 平成 8年 3月(2訂) 5.放射性コバルト分析法 平成 2年 2月(1訂) 6.NaI(TI)シンチレーションスぺクトロメータ機器分析法 昭和49年1月 7.ゲルマニウム半導体検出器によるガンマ線スペクトロメトリー 平成 4年 8月(3訂) 8.放射性ジルコニウム分析法 昭和51年 9月 9.トリチウム分析法 平成14年 7月(2訂) 10.放射性ルテニウム分析法 平成 8年 3月(1訂) 11.放射性セリウム分析法 昭和52年10月 12.プルトニウム分析法 平成 2年11月(1訂) 13・ゲルマニウム半導体検出器等を用いる機器分析のための試料の前処理法 昭和57年 7月 14.ウラン分析法 平成14年 7月(2訂) 15.緊急時における放射性ヨウ素測定法 平成14年 7月(1訂) 16.環境試料採取法 昭和58年12月 17.連続モニタによる環境γ線測定法 平成 8年 3月(1訂) 18.熱ルミネセンス線量計を用いた環境γ線量測定法 平成 2年 2月(1訂) 19.ラジウム分析法 平成 2年 2月 20.空間γ線スペクトル測定法 平成 2年 2月 21.アメリシウム分析法 平成 2年11月 22.プルトニウム・アメリシウム逐次分析法 平成 2年11月 23.液体シンチレーションカウンタによる放射性核種分析法 平成 8年 3月(l訂) 24・緊急時におけるガンマ線スぺクトロメトリーのための試料前処理法 平成 4年 8月 25.放射性炭素分析法 平成 5年 9月 26.ヨウ素−129分析法 平成 8年 3月 27.蛍光ガラス線量計を用いた環境γ線量測定法 平成14年 7月 28.環境試料中プルトニウム迅速分析法 平成14年 7月 連続モニタによる環境γ線測定法 昭和57年 7月 制定 平成8年 3月 改訂 平成9年1月31日 第1刷 発行 平成15年 9月 5 日 第3刷 発行 発 行 所 財団法人 日 本 分 析 セ ン タ ー 〒263−0002 千葉県千葉市稲毛区山王町295−3 電 話(043)423−5325(代表) (043)42≠卜8663(直通) F A ‡(043)423−4071
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