インターネット調査サンプルの品質に関する国際指針表明: Peter

2015年第2四半期
こんにちは!
各国加盟団体の皆様へ、2015年第2四半期
インターネット調査サンプルの品質に関する国際指針表明:
Peter Milla座長の所感
のGRBNニュースレターをお届けします!
最近行われたGRBN指導部会議では、次の3
つの中核目標を支援するために、今後6-9
ヶ月に取るべき行動について概略を定めま
した:
1.
2.
各国組織の強化
調査実施者の知識と専門技術の改善
3.
業界への周知と業界開拓
特に今回は、GRBNとESOMARが共同指針公表
に関するプロトコルで合意したことをお知
らせします。その共同指針の第一回分であ
る「インターネット調査サンプルの品質」
が最近リリースされました。このニュース
レターで、同プロジェクトの座長を務める
Peter Millaは、この新たな指針について
の所感を述べており、また、ゲスト寄稿者
として、MRIAのCEO、Kara Mitchelmoreが
「カナダのスパム防止立法」について、非
インターネット調査サンプルの品質に関するESOMAR-GRBN共同指針が公開されました。 内容については こ
こからご覧頂けます。Reg Bakerと共に同プロジェクトの座長を務めるCASRO顧問Peter Millaは、この新た
な指針について次の様に述べています...
「GRBNはESOMARと共にインターネット調査サンプルの品質に関する共同指針の開発に携わっていたが、最
近この成果がESOMAR/GRBN共同指針として公表された。この指針では、インターネット調査サンプルの提供
者、サンプルの購入者、そして、末端クライアントへ向けたベストプラクティスの手引きが述べられてい
る。この指針は、サンプル品質の向上に繋がる主な促進要因を示し、現在および今後のインターネット調
査サンプルへのアプローチの品質にアクセスする上で利用できる枠組みを提示している。
この指針は、インターネット調査サンプルの提供に関する運営面での要件を明示することにより、調査業
界の持つ懸念に応えている。また、サンプルが広く許容される品質基準に適ったものとなるよう、インタ
ーネット調査サンプルの提供者、サンプルの購入者、そして、末端クライアントが取るべき方法について
述べている。これは、調査設計者からデータ使用者まで、調査プロセスに関わる全てのステークホルダー
にとって、必須のツールとなるべきものといえる。
この指針はインターネット調査サンプルの品質に関する考察において、種々の重要な問題を扱っている。
この中には次のような項目が含まれる:
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調査参加者の検証
不正な調査の防止
調査の契約
カテゴリー除外
プロセスの透明性
この指針は様々なステークホルダーのグループに大きなメリットをもたらすであろう:
常に興味深い報告を寄せています。
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このニュースレターが皆様にとって興味深
く、いささかでもお役に立つものとなれば
幸甚です。また、ご意見・ご感想がござい
ましたら、どうぞお気兼ねなく私宛にお知
調査業界にとっては、各国調査機関の専門的・倫理的な調査規定ならびに国際的なISO調査品質基準に
基づく、真の意味でグローバルな品質基準に依拠できるというメリットがある。
インターネット調査サンプルの提供者及びその購入者にとっては、運営面での要件・方法に関する指
針が得られるというメリットがある。
末端クライアントにとっても、この指針は調査の透明性と一般的な定義付けを提唱しているため、恩
恵を受けられるのである。」
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らせ下さい 。
インターネット調査サンプルの品質指針について詳しい情報をご希望の方は、当方へご一報下さい。
Andrew Cannon
GRBNエクゼクティブ・ディレクター
しかし、私どもの計画はそれに留まりません。GRBNとESOMARは、すでに次の指針の策定に着手しており、
これにはインターネット調査・ モバイル調査・ソーシャルメディア調査の指針が含まれています。
本エディションには以下が含まれます:
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インターネット調査サンプルの品質に関する国際指針表明:Peter Milla座長の所感
今後のイベント:GRBNの割引特典をぜひご利用下さい。
世界各国で最近開催された会議についてAndrew Cannonの感想
GRBN信用構築プログラム:あとは行動あるのみ。経済的支援の要請
 カナダのスパム防止立法Kara Mitchelmore (MRIA CEO)からの報告
GLOBAL RESEARCH BUSINESS NETWORK UPDATE
今後のイベントGRBNの割引特典をぜひご利
用下さい。
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13th & 20th May – MRS webinar: International Research (2-part
webinar)
14th May – CASRO webinar: Privacy in the Cloud
19th May – AMSRS webinar ‘Microsimulation in Research’
21st May – MRS webinar: Introduction to Sensory Evaluation
28th 7 29th May – CASRO Technology & Innovation Event in Phil
adelphia USA
3rd &10th June – MRS webinar: Researching Children (2-part we
binar)
11th June – CASRO webinar ‘How to differentiate your firm in
a crowded marketplace’
17th June - MRS webinar: Introduction to B2B Market Research
25th June - MRS Automotive Research 2015 in London UK
30th June – MRS webinar: Commissioning Qual for Client Insigh
t Teams
16th & 17th July – AMSRS Winter School in Sydney Australia
3rd & 4th September – ‘The power and the passion - AMSRS 60
years’ conference in Sydney, Australia
7th & 8th September APRC National Conference in Auckland
New Zealand
21st – 23rd October – CASRO 40th Annual Conference in Miami,
USA
GRBN信用構築プログラム:あとは行動ある
のみ。経済的支援の要請
この数ヶ月、我々は同プログラムについて幅広い層の人々と話し合いを持ち、初期ス
ポンサーとの契約に向けて、着実に歩みを進めています。MRSはAndrew Cannonのため
に、イギリスの市場調査業界におけるシニアリーダーらに対し、「信用及び個人情報調
査」の結果と信用構築プログラムの概要を講ずる機会を設けました。
聴衆は全員一致で 「一般社会の中で信用を構築することは、業界とクライアントの
双方にとって価値がある」という点に同意し、また、「それは調査参加者、参加者の
所属する企業、そして参加者個人にもメリットがある」という点については、10人中9
人が同意を示しました。この様な結果や、直近数ヶ月に収集したフィードバックに基
づき、我々は今まで以上に「社会の中で信用を構築するために一丸となって行動する
ことの必要性」と「まさにGRBNのプログラムでそれが可能になること」を確信するに
至りました。
GRBNプログラム概要と共に、今、行動を起こすことの必要性についても十分にご理解
頂けることと思いますので、このリンクからプレゼンテーションの改訂版をダウンロ
ードして、是非お読み下さい 。
我々が一丸となって行動を起こせば、この業界のために大きな成果を上げることがで
きると確信いたしております。MRS会議の基調演説で、ユニリーバのCEO、Paul Polman
は「世の習いとして、言うは易く行うは難し」と嘆いていました。しかし、我々が社
会で信用を構築するため力を合わせるなら、彼の懸念は外れていると実証できるはず
です。
しかし、実際行動に移すとなると、GRBNにはプログラムへの経済的な支援が必要で
す。当団体では、スポンサーに大きなメリットを提供できるプログラムを策定いたし
ましたので、世界各国から多くのスポンサーのご協力を仰ぎたいと思います。「信用
及び個人情報調査」が示すように、我々の業界において信用の問題は、真の意味で世
界規模の問題であると言えるのです。ことに、貴社が「信用」 をその企業風土の中核
的な要素と考えるのであれば、このプログラムのスポンサーとして名乗りを上げるこ
とは、単に業界支援のための気前の良い行いというだけに留まらず、ビジネスの面に
おいても理に適った行為であると考えます。この機会に是非ご協力を賜りますよう、
宜しくお願い申し上げます。また、色々な可能性についてご検討頂く際には、どうか
ご遠慮なく当方へご連絡 下さい。
2015年第2四半期
世界各国で最近開催された会議に
ついてAndrew Cannonの感想
「最近、CASROデジタル会議及びMRS年次総会に参加する機会
を得たが、両会議での基調演説の講演者と専門部会の発表者
のレベルが非常に高かったのが印象に残った。ここで会議の
逐一を報告して読者諸氏を退屈させたくはないが、その中で
も特に幾つかの点については、この場を借りてご報告したい
と考える....
CASROデジタル会議では、JD PowerのValerie Lykes及びSSIの
Kristin Cavallaroが「個人情報への懸念が消費者行動と市場
調査に及ぼす影響」に関する論文発表を行った。この論文はG
RBNが昨年実施した「信用及び個人情報調査」の趣意にも非常
によく適合するものであり、この極めて重要な問題に対する
業界の取組みに、継続的な努力を促すものであった。特に我
が業界にとって切実な問題は、多くの人々、それも特に若年
層が、少なくとも時おり、インターネットで虚偽の情報を提
供しているという報告である。私はデータの品質に関する優
れた発表を傾聴し、新しいテクノロジーやテクニックを取り
入れることの重要性と共に、「基本的権利」の重要性に改め
て思い至った。なかでも、調査プロジェクトを設計する上
で、デバイスにとらわれない汎用性を保証することの重要性
に気づかされた。また、この業界は「高品質のデータを競合
的な価格で迅速に提供しつつ、マージンを確保する」という
難しさに直面しているが、この会議では、その困難に対する
才能溢れる人々の優れた取組みが数多く紹介された。もっと
くだけた面では、この会議は様々な人と人間関係を築く好機
であり、また、会場のごく近隣であるナッシュビルで聞ける
カントリーミュージックの質の高さと多様さには感心した。
MRS年次総会では、特に基調演説が素晴らしかったが、中でも
ユニリーバのCEO、Paul Polmanによる開会基調演説と、彼の
サステナビリティに対する観点には考えさせられた。「2015
年、調査はいっそう重要性を増す」という彼のコメントは
我々の業界にとっては耳に心地よい。しかし、「世の習いと
して、言うは易く行うは難し」という彼の言葉は、一般社会
での信用構築においてその轍を踏むことは許されない我々に
とって、一つの警告であるように思えた。会期中、休憩時間
ごとの歓談からも、セッション全てがどれほど示唆に富む内
容であるかがしのばれた。この会議では、データ保護と個人
情報に関する優れたセッションがあり、「Private Lives」と
いうタイトルのMRS Delphi社リポートが公表された。この興
味深いリポートは、ここから閲覧できる。」
この3月、アムステルダムのIIeX Europeイベントにおいて、G
RBNはGreenBookとも提携し、「信用及び個人情報調査」につ
いて発表を行い、また「信用構築」についてインタラクティブ
型セッションを実施しました。GRBNのセッションの最後を飾
ったのは、「調査の将来: クライアント、成長、組織」につい
ての発表と討論会でした:このセッションにはMOA会長のBart
Nauta、MRS取締役のDebrah Harding、Vodafone市場研究部門
シニアマネージャのJan Zwangが参加しました。IIeX Europe
は、現在この業界で進行中の大きなイノベーションの幾つか
を取り上げています。このイベントについてDebrah Harding
が書いたブログはここからお読み頂けます。
2015年第2四半期
カナダのスパム防止立法
Kara Mitchelmore (MRIA CEO)からの報告
世界各国の立法機関でデータの保護は引き続き懸案となっていま
す。そうした状況の中で、MRIA CEOのKara Mitchelmoreがカナダ
のスパム防止立法(CASL)や、MRIAがカナダの市場調査業界のため
に行った院外活動の成功を報告するこの記事は、皆様にとっても
ると、「インセンティブに関する記述を含むEメールは、正規の
インターネット市場調査/意識調査に結びついたものであるため、
CASLの規制対象にならない」と解釈しても特に不都合は無いと思
われる。
興味深いことと思います。
「カナダのスパム防止立法(CASL)は2014年7月1日に発効したが、
このCASLがどの様に適用され、それが市場調査業界も含めた様々
な業種にどう影響を及ぼすかについては、まだ曖昧な点も残され
ている。
MRIAはカナダ連邦政府から、「商品販売の意図を持たない正規の
市場調査や意識調査であれば、この法規の適用対象にはならない」
という確証を得た。それは逆に、調査への参加を隠れ蓑とする販
売促進の場合、CASLが適用されることも意味している。結果とし
て、この規定は我々が詐欺行為(調査を装った販売促進や勧誘)を
禁ずるもう一つの法的バリアーを手に入れたことをも意味する。
しかし、市場調査関係者にとって今一つ分かりにくいのは、「イ
ンセンティブを用いて調査プロジェクトへの参加を促す場合、CA
SLの規制対象となるかどうか」という点である。カナダのラジ
オ・テレビ・通信委員会(CRTC)はMRIAに書面で「正規のインター
ネット市場調査/意識調査に対してCASLの規制は適用されない」
という論評を寄せているが、市場調査機関から送信されたインセ
ンティブに関する記述を含むメール連絡が、果たしてCASLの対象
となるか否かについては、まだ若干の不確かさがある。
たとえ、こうしたEメールがCASLの下での規制に掛かる可能性が
低いとは言え、CRTCまたは裁判所が異なる決定を下す可能性を出
来る限り低くしたいと考えるのであれば、同意書の取得を含め、
CASLに基づく全ての義務をベストプラクティスとして遵守するこ
とが望ましい。
MRIAは今後も引き続きIndustry Canada及びCRTCと建設的な協力
を行い、カナダ連邦政府に働きかけ、勧誘の意図が無い限り、市
場調査/意識調査にCASLの規制は適用しない旨を伝えるよう促す
所存である。我々はこれを、CASLの対象となるものと対象外のも
のの混同を避け、同法規を成功に導く上で不可欠な作業であると
考えている。」
これは、各国組織がその国の加盟団体のためになし得る、業界を
代表しての強力な支援であると言えます。さらに、各国及び国際
社会において、市場調査業界に逆風を吹かせかねない、法的イニ
シアチブの頂点に立つことの重要性にも光を当てています。他の
国の政府も、スパム防止法の導入・改定を検討する際には、CASL
の例をつぶさに検証することが予想されます。
この法規が発効する前に、CRTCから「正規の市場調査/意識調査
はCASLの規制対象とならないだろう」と通知があった事実を考え
カナダのスパム防止法は、2010年12月15日に国王裁可を経
て、2014年7月1日に発効しました。この法律は、カナダ国
民をスパムや、フィッシング、スパイウエアなどのマルウ
エア、その他の電子的な脅威から保護することを目標とし
ています。その広汎な対象範囲、厳しい罰則、法的措置へ
の私的権利により、CASLは世界で最も厳格なスパム防止法
であると広く認識されています。
GRBNについて
グローバルリサーチ・ビジネスネットワーク(GRBN)は、APRC、ARIA、EFAMROによって設立
された非営利団体です。GRBNは、38の各国市場調査/社会調査/意識調査協会ならびに世界
5大陸の3500を超える調査機関をネットワークしています。これらの事業団体により生み
出される年間調査料収益(売上)は、年間250億米ドル(188億ユーロ)以上です。
GRBNは、各国で強力な自律性を持つ調査協会を組織・支援することにより、調査産業を振
興・前進させることを使命としています。グローバルリサーチ・ビジネスネットワーク(G
RBN)についての詳細はwww.grbn.orgでご覧ください。