PDFファイルで表示 - サイバー・コミュニケーションズ

2013 年 4 月 17 日
各位
株式会社サイバー・コミュニケーションズ
ニューロテクノロジーを活用した自主調査
PC・タブレット・スマートフォン
第2弾
3 デバイスの接触態度に関する比較調査
株式会社サイバー・コミュニケーションズ(本社:東京都港区、代表取締役社長:長澤 秀行、以下 cci)
は、ニューロテクノロジーを活用したデスクトップ PC、タブレット、スマートフォンの 3 デバイスの
ユーザーの接触態度に関する比較調査を実施いたしました。
調査の結果、PC は、①大きい画面を生かして詳細情報を検索・比較検討される、②高い信頼を得て
おり EC や仕事等集中して確認が必要な場面で活用されている、また、タブレットは、①リラックスし
て家やカフェで使用される、②動画等の趣味に近いコンテンツとの親和性が高い、③サイズが適切で
あるため PC とスマートフォンの代替デバイスとして使用されている、一方で、スマートフォンは、①
移動中や外出時の隙間時間に利用される、②プライベートな情報を扱うために SNS との親和性が高い、
③画面が小さいために乗り換え案内やゲーム等のアプリを中心とした気軽なコンテンツに適している、
という各デバイスの特性を確認することができました。
これらの結果から、各デバイスの特性を以下の通り確認できました。
・ PC = 安心安全デバイス
・ タブレット = リラックスデバイス
・ スマートフォン = プライベートデバイス
cci では今回の調査結果を踏まえ、デバイス各々に適ったコンテンツや広告商品等の開発を行うこと
で、今後もインターネット広告市場の活性化および健全な発展に貢献してまいります。
【調査目的・背景】
近年、スマートフォンやタブレットが大きな市場を形成している一方、PC 市場はダウントレンドにな
りつつあります。しかし依然として PC の市場規模は大きく、生活者は PC とタブレット、スマートフ
ォンをそのスペックや利用目的によって使い分けていることが予測されます。本調査では、デバイス
の特性を確認することを目的としました。今回の調査では、アイトラッキング、脳波、皮膚反応等の
ニューロテクノロジーに加え、詳細なインタビューを行いました。
News Release
cyber communications inc. All Rights Reserved.
【調査概要】
・ 調査内容①:サイトに関するデバイス別接触
・ 調査内容②:動画に関するデバイス別接触
・ 調査内容③:各デバイスの特徴
・ 調査手法①:Implicit(無意識的・非言語的)調査
¾
アイトラッキング、EEG(脳波)、GSR(皮膚反応)
・ 調査手法②:Explicit(意識的・言語的)調査
¾
インタビュー
・ 調査対象コンテンツ:5 サイト、2 動画 CM
・ 調査対象デバイス(サイズ)
:デスクトップ PC(21.5 インチ)、タブレット(9.7 インチ)、スマー
トフォン(4 インチ)
・ 調査期間:2013 年 3 月 8 日~2013 年 3 月 10 日
・ 調査場所:cci オフィス内会議室(被験者は cci が入居しているビル 1F に参集)
・ サンプル数:30(男性=15、女性=15)
・ 調査会社:EYE SQUARE GmbH
【調査手法詳細】
・ Implicit(無意識的・非言語的)調査①:アイトラッキング
¾
視覚データを、1/1000 ミリ秒単位で収集。ポイントからポイントで画面上にプロットした点
は XY 軸の座標データで集計され、点と点の動きをヒートマップ化。これにより、対象とする
コンテンツ部分や広告枠への下記の把握が可能
—
Reach(%)、滞在時間(秒)、初回到達時間(秒)、接触回数(回)
・ Implicit(無意識的・非言語的)調査②:EEG(脳波)
¾
高次元で情報処理を行い、脳全体の司令塔的部位である大脳皮質のデータに分析を施し、下
記の把握が可能
—
Engagement(好感度)、Workload(心理的負荷)等
z
各々の数値の推移を分析
z
High、Middle、Low の 3 段階に分けて分析
・ Implicit(無意識的・非言語的)調査③:GSR(皮膚反応)
¾
指にセンサーを取り付けて、皮膚の伝導力等を測定。人間の感情反応によって皮膚抵抗が異
なることを利用して、学習能力や反応を分析。情報に対して高反応状態であるかどうか、下
記の把握が可能
—
ピーク回数:記億への影響度(回数が多ければ影響度が高く、少なければ影響度が低い)
—
平均値:興味喚起度(平均値が高ければ喚起度が高く、低ければ喚起度が低い)
・ Explicit(意識的・言語的)調査:インタビュー
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【デバイス別接触調査結果①
サイト】
・ 仮説:デバイスによってサイトへの接触態度が違う
・ 目的:各々のデバイスに最適化していないサイトへの接触態度を分析することで、タブレット、ス
マートフォンへの最適化の必要性を検証
・ 手法①Implicit(無意識的・非言語的)調査:アイトラッキング、脳波(EEG)、皮膚反応(GSR)
・ 手法②Explicit(意識的・言語的)調査:インタビュー
・ 対象デバイス:デスクトップ PC、タブレット、スマートフォン
・ 対象サイト:タブレットとスマートフォンにフォーマットを最適化していないサイト(A、B)
¾
参考のため、スマートフォンに最適化している 3 サイトも調査
・ 被験者への指示:ページを自由に回遊し、興味のあるコンテンツをひとつ探す
・ 調査結果
¾
最適化の必要性:画面の大きさやユーザビリティにより接触態度が大きく異なり、タブレッ
ト、スマートフォンへの最適化は重要だということが分かった
¾
各デバイスの特徴
—
PC:大きい画面に優位性があり、接触時間が長く、詳細情報に向いている
—
タブレット:スマートフォンと PC の中間的立ち位置
—
スマートフォン:画面の大きさに優位性はなく(ただし外出・移動時には便利)
、接触時
間が短く、軽い情報に向いている
・ 調査結果の詳細
¾
アイトラッキング①ヒートマップ:下記ヒートマップで分かるように、PC では、広範囲に視
覚行動が見られるが、タブレット、スマートフォンでは視覚行動に偏りがある。表示される
スクリーンの大きさの制約により、このような傾向になることが伺える
≪サイト A のヒートマップデータ≫
PC
タブレット
>
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スマートフォン
>
アイトラッキング②接触時間:広範囲に見られないことに連動し、デバイスによって接触時間に
大幅な違いがあることが分かる
≪サイト A とサイト B の平均接触時間≫
300
250
241.65
200
150
100
73.7
67.7
タブレット
スマートフォン
50
0
PC
¾
アイトラッキング③接触回数:画面が大きいというデバイスの特性もあり、コンテンツへの
接触回数は PC で多く、逆にスマートフォンでは少ない(スクロールしてしまうと戻ってこな
い傾向にあるといえる)
≪サイト A とサイト B のコンテンツへの平均接触回数≫
25
20
19.85
15
10
6.25
5
2.9
0
PC
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タブレット
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スマートフォン
¾
アイトラッキング④広告への到達 Reach:スマートフォンでは広範囲に接触されず、接触回数
も少ないため、広告への到達 Reach は PC>タブレット>スマートフォンという傾向に
≪サイト A とサイト B の広告到達 Reach≫
※PC の広告①(最も Reach が高かった広告枠)を 100%とした場合
100%
100%
100%
90%
100%
89%
80%
80%
80%
70%
67% 67%
60%
56%
60%
広告①
広告②
広告③
44%
40%
広告①
広告②
広告③
40%
33%
20% 20%
20%
20%
0%
¾
0%
0%
PC
タブレット
スマートフォン
18% 18%
17% 17%
PC
タブレット
スマートフォン
脳波(EEG)/Engagement(好感度)と Workload(心理的負荷)の推移:サイト接触時の Engagement
(好感度)と Workload(心理的負荷)の推移をみていると、PC では閲読開始より好感度のス
コアは下落しないが、スマートフォンでは当初より心理的負荷が高く、好感度のスコアも下
落していく。端末によって、大きく傾向が異なる結果を示した
≪サイト A 接触時の Engagement(好感度)と Workload(心理的負荷)の推移≫
PC
スマートフォン
(メインターゲット層/閲読開始90
秒間)
(メインターゲット層/閲読開始90秒間)
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¾
皮膚反応(GSR)/記憶への影響度:記憶への影響度と連動するピーク回数の平均を見ると、
広範囲に接触されず、接触時間が短く、接触回数も少ないため、スマートフォンの記憶への
影響度が低いことが伺える
≪サイト A の皮膚反応(GSR)平均ピーク数≫
25
19.6
20
15
10
6.3
5
3.2
0
PC
¾
タブレット
スマートフォン
インタビュー:下記の通り、スマートフォン用に作られていないサイトへは、マイナスの意
見が多数見受けられた
—
スクリーンが小さすぎて見えにくい
—
拡大表示すると他が見えない
—
ぼやけていて見にくい
—
最適化されてないので見づらい
—
スマートフォン対応してないサイトは見ない
—
全体が見えない、見づらい
—
画面が小さく、情報量が多すぎて読めない
【デバイス別接触調査結果②
動画】
・ 仮説:デバイスによって動画への接触態度が違う
・ 目的:同じ動画 CM の接触態度をデバイス毎に分析することで、最も動画を見るのに適したデバイ
スを把握
・ 手法①Implicit(無意識的・非言語的)調査:アイトラッキング、脳波(EEG)、皮膚反応(GSR)
・ 手法②Explicit(意識的・言語的)調査:インタビュー
・ 対象デバイス:デスクトップ PC、タブレット、スマートフォン
・ 対象動画:動画 A(男性向け CM)、動画 B(女性向け CM)
・ 被験者への指示:表示される動画を閲覧
・ 調査結果
¾
最も動画を見るのに適したデバイスはタブレット
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¾
—
リラックスして閲覧される傾向にあり、動画と親和性が高い
—
スマートフォンは画面の小ささがネックに
各デバイスの特徴
—
PC:集中して閲覧され、動画よりは詳細情報検索・比較検討等に向いている
—
タブレット:リラックスして接触され、動画との相性がいい
—
スマートフォン:画面が小さく、動画に関しての数値はタブレットには及ばなかった
・ 調査結果の詳細
¾
脳波(EEG)①デバイス毎のリラックス度:各デバイスで動画閲覧時のリラックス度を比較し
たところ、タブレットの数値が最も高かった
≪動画 A と動画 B の各デバイスの動画閲覧時における平均リラックス度≫
※PC を 1.0 とした場合
1.20
1.00
1.14
1.10
1.00
0.80
0.60
0.40
0.20
0.00
PC
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タブレット
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スマートフォン
¾
脳波(EEG)②デバイス毎のリラックス度の推移:各デバイスで動画 B を閲覧時のリラックス
度の推移を比較したところ、動画の内容によるものの、当初タブレットはスコアが低下する
が、時間経過とともに上昇し、その傾向を保持。これに対して、PC・スマートフォンはタイ
ミングによりアップダウンが大きく、スコアも低い傾向が見られる
≪動画 B を各デバイスで閲覧時のリラックス度の推移≫
タブレット
¾
PC
スマートフォン
皮膚反応(GSR)①記憶への影響度:各デバイスで動画閲覧時の GSR ピーク回数を比較したと
ころ、PC が記憶への影響度が高く、集中して閲覧される傾向にあることが分かった。逆にタ
ブレットはリラックスモードで閲覧されるため、記憶への影響度は低いことが分かった
≪動画 A と動画 B の各デバイスで動画閲覧時の GSR ピーク平均回数≫
2.5
2
1.97
1.425
1.5
1
0.9
0.5
0
PC
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タブレット
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スマートフォン
¾
皮膚反応(GSR)②興味喚起度:各デバイスで動画閲覧時の GSR 平均値を比較したところ、リ
ラックスして閲覧されるタブレットでいずれも高い数値になり、動画との親和性が高いこと
が分かった。また、PC は低調だった
≪動画 A と動画 B の各デバイスで動画閲覧時の GSR 平均値≫
0.5
0.46
0.4
0.305
0.3
0.21
0.2
0.1
0
PC
¾
タブレット
スマートフォン
インタビュー:下記の通り、インターネットにおいて動画 CM を閲覧する際は、付帯情報を参
考にしていることが見受けられた。また、興味のないものはスキップされる傾向にあること
が分かった
—
タブレットは PC で見るより分かりやすく感じた。下に表示されるコメントを見てより理
解できる
—
普段は関連動画や下のコメントの内容を紐付けながら動画を見ている
—
動画 CM 再生は 30 秒くらいが限度
—
TV とタブレットで比較すると、特に感じ方に差異はない
—
サウンド ON/OFF は特に差はない
—
動画 CM は必ずスキップする
—
動画 CM は意外と観る。ただ、興味がないものは 5 秒後にスキップ
【インタビュー調査結果
各デバイスの特徴】
・ 仮説:各デバイスには特性があり、それに応じて生活者はデバイスを使い分けている
・ 目的:デバイスの関連キーワードを把握することで、各デバイスの特徴を把握
・ 手法:Explicit(意識的・言語的)調査(インタビュー)
・ 調査結果
¾
各デバイスの関連キーワード
—
PC:仕事、EC、比較・検討、じっくり、詳しい情報、大きい画面
—
タブレット:家・カフェ、ベッド、動画、リラックス、趣味、スマートフォンと PC の代
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用、サイズが適切、SNS
—
スマートフォン:移動中・外出、プライベート、SNS、乗り換え、アプリ・ゲーム、見づ
らい
¾
インタビュー詳細①20 代
—
スマートフォンではすぐファイルを確認したい時に利用するが見づらいのでタブレット
の方が良い、頻度は移動中が多く、主に SNS を見ている
—
スマートフォンは移動中、外出先での検索、アプリの使用。タブレットも家や外出先で
使用するがゲームなどが多い(サイズが適切であるため)
—
PC は動画と EC(入力が楽)、タブレットは SNS、動画、EC(入力が楽)、スマートフォン
は SNS で利用
—
文章を作るときは絶対 PC で
—
PC は壊れていて使えないが使っていた時は音楽や動画などで利用。大画面で見たいもの
は PC
—
普段は PC、スマートフォンのみ。外出先ではスマートフォン、家では PC メインで使い分
ける
—
¾
やはり PC はスクリーンが大きくコンテンツが一番見やすい
インタビュー詳細②30 代
—
スマートフォンは電車や外出先、タブレットは家やカフェ、PC は自宅と使い分け。外出
が多いので自然とスマートフォン使用率が高い
—
スマートフォンは目覚ましや乗換え案内などを見るのに利用している
—
EC 利用は PC(慣れているため)、スマートフォンは移動時に利用
—
PC はもっぱらショッピング利用
—
買い物(EC)はほとんど PC。PC は会社と自宅で利用。タブレットは持ち歩きやゆっくり
したい時。スマートフォンはゲーム、メール、SNS
—
PC は家でゆっくり、EC で買い物や長時間利用の時。タブレットはベッドで動画とリラッ
クス時。スマートフォンは外出、普段使いや、子供を寝かしつける際に利用
—
SNS をスマートフォンで見る。プライベート寄りの情報収集の手段としてスマートフォン
をよく利用する
—
すべてのデバイスで SNS を見ることがあるが、中でもスマートフォンの利用率が一番高
い
¾
インタビュー詳細③40 代以上
—
タブレットは家でリラックス時に利用。カラオケ(音楽)など、コミュニケーションツ
ールとしても役立つ
—
PC は家でメール、SNS、EC で利用。タブレットは外出先(喫茶店など)
、スマートフォン
は移動中(電車など)、EC はしない
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—
PC は自宅や会社、ネットサーフィンなどと使い分け
—
PC は動画、ゆっくり買い物、キーボードで使いやすい。タブレットでは地図や、パーっ
と調べられるもの。スマートフォンは外で使用し、動画サイトも見る
【全体調査結果
¾
¾
各デバイスの特性】
PC=安心安全デバイス
—
特性①:大きい画面を生かして、じっくりと詳細情報検索・比較検討
—
特性②:高い信頼を得ており、EC、仕事等の注意が必要となる場面で活用
タブレット=リラックスデバイス
—
特性①:リラックスして家やカフェで使用される
—
特性②:動画等、趣味に近いコンテンツの親和性が高い
—
特性③:サイズが適切であり、スマートフォンと PC の代替デバイスとして使用されてい
る
¾
スマートフォン=プライベートデバイス
—
特性①:移動中や外出時の隙間時間に利用される
—
特性②:プライベートな情報を扱うため、SNS との親和性が高い
—
特性③:画面が小さいため、乗り換え案内、ゲーム等のアプリを中心とした気軽なコン
テンツに向いている
【今後の展望】
cciでは今回の調査結果を踏まえ、デバイス各々に適ったコンテンツや広告商品等の開発を行うことで、
今後もインターネット広告市場の活性化および健全な発展に貢献してまいります。
以上
-----------------------------------------------------------------------------------【本リリースに関するお問い合わせ先】
株式会社サイバー・コミュニケーションズ
経営企画部
乾・竹内・杉澤
E-mail: [email protected]
【本調査に関するお問い合わせ先】
統合プランニング推進チーム
岸本・小山
E-mail: [email protected]
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