10年度第一回記者発表文 最終

2010年8月26日
報道機関各位
サービス産業生産性協議会
2010年JCSI(日本版顧客満足度指数)の第1回発表について
~サービス産業8業界のお客様評価~
サービス産業生産性協議会(代表幹事:牛尾治朗・ウシオ電機(株)代表取締役会長)では、業界横断
での比較・分析が可能な「JCSI(日本版顧客満足度指数:Japanese Customer Satisfaction
Index)」を開発し、昨年度から発表を行っています。
この度、8つの業界(コンビニエンスストア、衣料品専門店、生活雑貨・家具専門店、ビジネスホ
テル、シティホテル、レジャーイベント、携帯電話キャリア、宅配便)について調査を実施し、満足
度等を算出しました。JCSIは、日本の幅広い産業をカバーして、年間30業界300社以上に
ついての調査を年間4回に分けて実施いたします。今回は、今年度第1回の速報となり、2011
年 3 月に全業界のデータが揃ったところで再計算して全体の結果を改めて発表いたします。
(年度末に、全四回調査の全体をベースに再計算を行うため、最大で2点程度の増減が起きる可能性があります)
業界別の顧客満足度分布
*図中の は業界
中央値を示す
09年度調査
10年6月調査
100点
80
携帯電話
70
60
証券
クレジットカード
損害保険
銀行
通信・物流系 健康・教育系
生命保険
学習塾・通信教育
フィットネスクラブ
介護サービス
宅配便
観光・飲食・交通系
病院
小売系
国内交通(長距離)
0点
近郊鉄道
国際航空
レジャーイベント
旅行(ネットサイト含)
カフェ
ビジネスホテル
飲食
シティホテル
通信販売
生活雑貨・家具専門店
衣料品専門店
ドラッグストア
ホームセンター
コンビニエンスストア
家電量販店
スーパーマーケット
百貨店
50
金融系
■調査結果概要
1.昨年と比べ、顧客満足度は同一業界内で差が開く傾向が出ました(次ページ参照)
。
2.業界として顧客満足度(業界中央値)で最も高い評価を得たのは、
「シティホテル業界」
。
3.第一回調査における企業別の評価では、
「劇団四季の観劇」が昨年度年間 1 位の「東京ディ
ズニーリゾート」を上回り、最高得点となりました。
【お問合せ先】 サービス産業生産性協議会事務局(担当:向山、齋藤、下村)
〒150-8307 東京都渋谷区渋谷 3-1-1 生産性ビル((財)日本生産性本部内)
tel:03(3409)1189 fax:03(3409)1187 http://www.service-js.jp Mail:S. [email protected]
1
Ⅰ.調査結果(満足度の昨年度比較)
調査8業界における顧客満足度推移
100
83.3点
82.3点
80
77.5点
76.9点
76.5点
75.3点
77.1点76.1点
71.8点 70.7点
70.2点
69.6点 70.0点
70
67.6点
65.7点
62.0点
60
50
コンビニ
0
衣料品
専門店
09年度業界分布
生活雑貨・
家具専門店
シティ
ホテル
ビジネス
ホテル
10年度業界分布
宅配便
レジャー
イベント
携帯電話
*棒グラフ上の数字は最高得点企業の満足度点数
[備考]
◎棒グラフの上端にその業界において最も顧客満足度が高い企業、下端に最も低い企業が位置します。
◎今回の対象企業全体では、右端のレジャー・イベント業界の最上位企業が最高の評価点(83.3)であり、
左端の携帯電話業界の最低位企業が最低の評価点(45.7)となっています。
◎棒の間に示された矢印(
)は、各業種・業態で調査対象となった企業を順番に並べた際、ちょうど中間
に位置づけられる(中央値)企業です。
◎上位と下位の企業間でばらつきが大きい業界と小さい業界があることや、中央値が分布全体の中で偏ったとこ
ろに位置する業界と、分布の中心近くに位置する業界があることがわかります。
2
Ⅱ.調査の概要
■日本版 CSI(顧客満足度指数:Customer Satisfaction Index)の特徴
1.利用者であるお客様に各業界共通の設問で評価してもらい、それを指数化しているた
め、業界横断的な比較・分析を可能にしています。
2.単なる満足度指数だけでなく、なぜ満足/不満足となったかの原因と、満足/不満足
がどのような影響をもたらすかの結果についての関係が明らかになります。
3.これらの多面的な分析データを提供することで、個別の業界や企業の具体的な経営改
善への活用が期待できます。
1.調査対象業界/企業:
・ 下記8業界の売上上位企業(1業界につき5社~15社、計74社)
。
今後、年間4回に分けて、のべ30業界・300社以上の調査を実施するうちの第1回の対象です。
コンビニエンスストア、生活雑貨・家具専門店、衣料品専門店、ビジネスホテル、シティホテル、
レジャーイベント、携帯電話(キャリア)
、宅配便
2.調査期間: 2010年5月21日~6月10日
3.調査方法:インターネット・モニターを用いた調査 (2 段階にて回答者を抽出)
・第1次抽出、約60万人:約150万人のモニター全体から年齢別・地域別の人口構成を配慮した上で無
作為抽出し、利用経験の有無を確認・問い合わせ。→ 約20万人の回答を得ている。
・第2次抽出、約5万人:回答を得た方々から、個別企業において「直近に利用経験がある」方のみを対象
に、無作為抽出によりサービスの具体的な評価について回答を依頼。→ 各社700名程度に依頼。
4.回答数: 有効回答者数22,200人(8業界)
。1企業あたりの回答数300件以上を確保。
5.質問項目:約110問 ※12 ページ「参考資料1」参照
6.指数化の方法:
・日本版CSIは顧客満足度をはじめとした6つの指数(構成概念)について、質問項目のデータから得点
を計算し、100点満点で指数化しています。10点満点の複数設問に対し、
「全員が満点とした」場合
に100点、
「全員が1点とした」場合に0点としています。
7.日本版CSIの因果モデル図:
日本版CSIのモデルは、
「顧客満足度」
満足/不満足の原因
満足/不満足の結果
だけでなく、顧客満足の原因となる「顧
知覚品質
(利用した際の
客期待(利用する前の期待・予想)
」
「知
品質評価)
クチコミ
(他者への
推奨)
覚品質(実際に利用した後での顧客の主
知覚価値
観的な品質評価)
」
「知覚価値(価格への
顧客満足
(価格への
納得感)
納得感)
」
、ならびに顧客満足の結果であ
ロイヤルティ
(継続的な
る「クチコミ(他者への推奨度)
」や「ロ
顧客期待
利用意向)
(利用前の
期待・予想)
イヤルティ(再利用意図)
」といった6つ
の指数から構成されます。これら6つの
影響度がかなり強い
影響度がある
影響度がとても強い
影響が少ない
(0.7以上)
指数によって、特定企業に対する顧客評
(0.7~0.2)
(0.8以上)
(0.2以下)
矢印は、「心理的な動き」を示す。黒い部分は、業界共通での関係性が特に強いことを示す。
価を多面的に診断することができます。
お客様が満足度を向上させている重点が
価格面であったり、品質面であったりすることを具体的に確認することができます。
3
Ⅲ.調査結果(業界別)
「大手企業の中央値」は、各項目において中央に位置した企業の点数を示しています。
■ コンビニエンスストア業界
順位
企業・団体名
[2010年度の調査・指数化対象企業は以下の通り]
セブン-イレブン、ローソン、ファミリーマート、サー
クルKサンクス、ミニストップ、デイリーヤマザキ、
am/pm、NEWDAYS、セイコーマート
点数
1位
セブン-イレブン
69.6
2位
セイコーマート
68.6
3位
ファミリーマート
66.9
コンビニエンスストア業界は、昨年度と比べて上位企業と下位企業の差が開きました。 セブン-イレブン
の満足度が向上した主要因は、下表・図で見れば明らかなように「知覚価値」の向上にあります。元々「知
覚品質」の高さで満足度を向上させていた会社と位置付けられますが、価格や支払い費用に対する納得感が
向上し、その影響で満足度が上がったことになります。また、事前の期待も引きあがっているのは、様々な
企業行動により購買行動前の印象が良くなっていることが予期されます。
コンビニエンスストア業界全体の傾向を示す業界中央値も、昨年度より全部の項目で点数が向上をしてお
り、他業界等と比した相対評価が向上していることが見込まれます。
顧客満足度
セブン-イレブン
(昨年度点数)
業界中央値
(昨年度点数)
顧客期待
知覚品質
(利用前の (利用した際
期待・予想) の品質評価)
知覚価値
(価格への
納得感)
クチコミ
(他者への
推奨)
ロイヤルティ
(継続的な
利用意向)
69.6
66.9
69.5
66.9
56.1
60.0
67.6
62.6
69.0
63.3
57.2
60.2
65.5
60.6
64.9
64.8
53.3
55.1
63.4
56.9
63.0
61.2
53.2
54.4
企業・業界毎の満足度構造の違い【コンビニエンスストア】
75.0
2 0 0 9 年度全体平均
セブン- イレブン( 今年度)
セブン- イレブン( 0 9 年度)
70.0
コンビニエンスストア業界
中央値( 今年度)
コンビニエンスストア業界
中央値( 0 9 年度)
65.0
60.0
55.0
50.0
64.4
67.1
65.0
68.0
58.2
56.9
顧客期待
知覚品質
知覚価値
顧客満足
クチコミ
ロイヤルティ
4
■衣料品専門店業界
順位
企業・団体名
点数
1位
ローリーズファーム、グローバル 71.8
ワーク(ポイント)
2位
ユニクロ
(ファーストリテーリング)
70.4
3位
GAP
68.8
[2010 年度の調査・指数化対象企業は以下の通り]
ユニクロ(ファーストリテーリング)
、しまむら、
青山商事、AOKI、西松屋、ライトオン、
GAP、コムサ(ファイブフォックス)
、ローリー
ズファーム/グローバルワークス(ポイント)
、
ユナイテッドアローズ
昨年度 1 位であった「ユニクロ(ファーストリテーリング)
」は、昨年度と同等の評価を得ていますが、新
規に調査対象となった「ポイント」が満足度において上回ることになりました。
「ポイント」は「知覚品質」
と「知覚価値」がバランス良く高いことが要因となって高い満足度となっています。
業界全体を示す「中央値」は、ほぼ昨年と同等の点数でした。満足度の原因系に当たる「顧客期待」
「知覚
品質」
「知覚価値」と「ロイヤルティ」が上がっています。
顧客満足度
ポイント
(昨年度点数)
業界中央値
(昨年度点数)
顧客期待
知覚品質
(利用前の (利用した際
期待・予想) の品質評価)
知覚価値
(価格への
納得感)
クチコミ
(他者への
推奨)
ロイヤルティ
(継続的な
利用意向)
71.8
65.3
67.0
71.4
60.0
51.6
-
-
-
-
-
-
67.4
63.5
65.5
67.9
56.0
51.4
67.7
60.7
64.6
66.1
58.2
50.8
企業・業界毎の満足度構造の違い【衣料品専門店】
75.0
2 0 0 9 年度全体平均
ポイント( 今年度)
衣料品専門店業界・
中央値( 今年度)
70.0
衣料品専門店業界・
中央値( 0 9 年度)
65.0
60.0
55.0
50.0
45.0
64.4
67.1
65.0
68.0
58.2
56.9
顧客期待
知覚品質
知覚価値
顧客満足
クチコミ
ロイヤルティ
5
■生活雑貨・家具専門店業界
順位
1位
企業・団体名
[2010 年度の調査・指数化対象企業は以下の通り]
良品計画、ロフト、ニトリ、東急ハンズ、
大塚家具
点数
東急ハンズ
70.2
比較的、業界内のばらつきが少ないことが特徴の業界です。東急ハンズは、元々「知覚品質」が高いこと
で顧客満足を構築していた企業ですが、今回調査では前年と比べ 1.4 点向上した「知覚価値」の効果が効い
て満足度の確保がされました。
業界全体を示す「中央値」は全般的に昨年実績を下回っています。利用者が類似商品などを検討していく
際に、他業界等の品揃えや価格政策などの攻勢が盛んであることから、結果的に守勢に立たされていた可能
性が読み取れます。
顧客満足度
東急ハンズ
(昨年度点数)
業界中央値
(昨年度点数)
顧客期待
知覚品質
(利用前の (利用した際
期待・予想) の品質評価)
知覚価値
(価格への
納得感)
クチコミ
(他者への
推奨)
ロイヤルティ
(継続的な
利用意向)
70.2
70.7
70.7
64.9
60.5
54.5
70.2
72.3
71.3
63.5
59.9
55.4
69.6
66.2
66.7
65.6
57.6
54.5
70.2
67.0
68.2
66.4
59.5
55.4
企業・業界毎の満足度構造の違い【生活雑貨・家具専門店】
75.0
2 0 0 9 年度全体平均
東急ハンズ ( 今年度)
東急ハンズ ( 0 9 年度)
生活雑貨・ 家具専門店業界
中央値( 今年度)
生活雑貨・ 家具専門店業界
中央値( 0 9 年度)
70.0
65.0
60.0
55.0
50.0
64.4
67.1
65.0
68.0
58.2
56.9
顧客期待
知覚品質
知覚価値
顧客満足
クチコミ
ロイヤルティ
6
■シティホテル業界
順位
企業・団体名
点数
1位
帝国ホテル
76.9
2位
ホテル オークラ
76.8
3位
ロイヤルパークホテル
75.7
[2010 年度の調査・指数化対象企業は以下の通り]
プリンス、東急、阪急第一、リーガロイヤル、帝国、
オークラ、ニューオータニ、京王プラザ、ロイヤルパ
ーク、インターコンチANA/全日空、ホテルニッコ
ー、メトロポリタン、シェラトン/ウェスティン(ス
ターウッド)
、ヒルトン、ハイアット
業界そのものの評価は全体的に高めですが、特に「クチコミ」や「知覚品質」が他業界と比しても高い傾
向を持っています。シティホテル業界は、業界内の差が開くという全体傾向とは異なり、全体として評価が
上がり業界内の差は少し縮まっています。
業界1位に評価をされている帝国ホテルは、高い「知覚品質」によって満足度を向上させていますが、今
年度は「知覚価値」を3点近く改善することができたことで、満足度をさらに向上させています。オークラ、
ロイヤルパークは、昨年度より利用者からの評価を上げることで上位に評価をされています。
顧客満足度
帝国ホテル
(昨年度点数)
業界中央値
(昨年度点数)
顧客期待
知覚品質
(利用前の (利用した際
期待・予想) の品質評価)
知覚価値
(価格への
納得感)
クチコミ
(他者への
推奨)
ロイヤルティ
(継続的な
利用意向)
76.9
80.6
79.9
72.3
70.8
60.7
75.3
78.3
79.2
69.6
71.9
59.9
73.7
74.9
74.0
69.9
66.8
58.6
71.3
70.8
74.7
67.4
67.3
58.1
企業・業界毎の満足度構造の違い【シティホテル】
85.0
2 0 0 9 年度全体平均
帝国ホテ ル( 今年度)
帝国ホテ ル( 0 9 年度)
80.0
シテ ィホテ ル業界中央値
( 今年度)
シテ ィホテ ル業界中央値
( 0 9 年度)
75.0
70.0
65.0
60.0
55.0
50.0
64.4
67.1
65.0
68.0
58.2
56.9
顧客期待
知覚品質
知覚価値
顧客満足
クチコミ
ロイヤルティ
7
■ビジネスホテル業界
順位
企業・団体名
点数
1位
スーパーホテル
77.5
2位
ホテル ルートイン
73.5
2位
東横イン
73.5
[2010 年度の調査・指数化対象企業は以下の通り]
ワシントン、東横イン、東急イン、スーパー、
サンルート、アパ、チサン、ルートイン
全体として、
「知覚価値」が高いことにより「顧客満足」を引き上げている傾向のある業界です。
業界1位に評価をされたスーパーホテルは、
「知覚品質」と「知覚価値」の双方の評価の高さが「顧客満足」
を生み出していますが、特に「知覚価値」は業界を超えた全体でもトップクラスです。今年度の特徴は「顧
客期待」が3点以上向上したことであり、様々な外部評価や利用者の評価によって期待値も上がってきてい
ることがわかります。
業界全体を示す中央値は昨年度とほとんど違いがありません。今回公表している上位評価企業が点数を伸
ばしているのに対し、業界全体の中央値が変わらないということは、業界として評価の2極化が少しずつ進
んでいることを示します。特に今後の利用継続意向を意味する「ロイヤルティ」が下がっている企業があり、
徐々に顧客が減少するような可能性も予見できます。
顧客満足度
スーパーホテル
(昨年度点数)
業界中央値
(昨年度点数)
顧客期待
知覚品質
(利用前の (利用した際
期待・予想) の品質評価)
知覚価値
(価格への
納得感)
クチコミ
(他者への
推奨)
ロイヤルティ
(継続的な
利用意向)
77.5
68.5
74.2
78.4
65.2
64.2
76.5
65.1
73.0
78.0
64.2
63.0
69.2
66.5
68.3
69.4
62.9
57.2
69.5
64.7
68.5
69.9
62.8
58.7
企業・業界毎の満足度構造の違い【ビジネスホテル】
80.0
2 0 0 9 年度全体平均
スーパーホテ ル( 今年度)
スーパーホテ ル( 0 9 年度)
75.0
ビジネスホテ ル業界中央値
( 今年度)
ビジネスホテ ル業界中央値
( 0 9 年度)
70.0
65.0
60.0
55.0
50.0
64.4
67.1
65.0
68.0
58.2
56.9
顧客期待
知覚品質
知覚価値
顧客満足
クチコミ
ロイヤルティ
8
■レジャーイベント業界
順位
企業・団体名
[2010 年度の調査・指数化対象企業は以下の通り]
■テーマパーク・観劇:
東京ディズニーリゾート、ユニバーサル・スタジ
オ・ジャパン、ナガシマリゾート、東京ドームシ
ティ・アトラクションズ、ハウステンボス、宝塚、
劇団四季、吉本興業(新喜劇、寄席、漫才等)
点数
1位
劇団四季 (観劇)
83.3
2位
東京ディズニーリゾート
82.0
■スポーツ観戦(プロ野球、Jリーグ)
:
阪神タイガース、読売ジャイアンツ、中日ドラゴ
ンズ、福岡ソフトバンクホークス、北海道日本ハ
ムファイターズ、浦和レッドダイヤモンズ、
アルビレックス新潟、横浜Fマリノス
*スポーツ観戦の高評価対象
企業・団体名
点数
北海道日本ハムファイターズ
75.5
阪神タイガース
72.5
今年度は、具体的な改善などを行いやすいように個別企業名での調査に切り替えたため、新たな調査対象
が多くなった業界です。業界全体で見ると、高い評価の企業と低い評価の企業の差が大きくなりました。
昨年度に全サービス業で最も高い顧客満足度であった東京ディズニーリゾートは、昨年度とほぼ同等の評
価を得ましたが、それ以上に高評価であった劇団四季にトップを譲ることになりました。劇団四季は全般に
評価が高いのですが、レジャーイベント業界内においては、他社を引き離して高い「知覚価値」が満足度の
引き上げに効果を示していると考えられます。
顧客満足度
顧客期待
知覚品質
(利用前の (利用した際
期待・予想) の品質評価)
知覚価値
(価格への
納得感)
クチコミ
(他者への
推奨)
ロイヤルティ
(継続的な
利用意向)
劇団四季
83.3
82.3
82.7
74.9
69.0
66.3
業界中央値
69.8
66.8
68.3
63.9
58.5
58.7
71.9
64.2
69.0
62.1
60.8
59.1
(昨年度点数)
企業・業界毎の満足度構造の違い【レジャーイベント】
85.0
2 0 0 9 年度全体平均
劇団四季( 今年度)
80.0
レジャーイベント業界
中央値( 今年度)
75.0
レジャーイベント業界
中央値( 0 9 年度)
70.0
65.0
60.0
55.0
50.0
64.4
67.1
65.0
68.0
58.2
56.9
顧客期待
知覚品質
知覚価値
顧客満足
クチコミ
ロイヤルティ
9
■携帯電話(キャリア)業界
順位
1位
企業・団体名
[2010 年度の調査・指数化対象企業は以下の通り]
NTTドコモ、au、ソフトバンク、ウィルコム、
イーモバイル
点数
NTTドコモ
65.7
業界は、
「高く満足をして使っている方」と「我慢をして使っている方」が利用者に混在していることもあ
り、満足度が高くなり難い傾向を持っています。その中で、上位社が昨年よりも利用者の評価を上げたこと
で、業界全体の各指数(業界中央値)は向上しています。
業界1位に評価をされているNTTドコモは、昨年度と比べ各項目で大きく点数を伸ばしました。特に「知
覚価値」を大幅に引き上げることができたため、これを主な理由として顧客満足度も向上しています。また、
企業のブランドイメージなどを含む「顧客期待」や今後の継続利用意向を意味する「ロイヤルティ」も大き
く改善が進んでいます。
顧客満足度
NTTドコモ
(昨年度点数)
業界中央値
(昨年度点数)
顧客期待
知覚品質
(利用前の (利用した際
期待・予想) の品質評価)
知覚価値
(価格への
納得感)
クチコミ
(他者への
推奨)
ロイヤルティ
(継続的な
利用意向)
65.7
67.2
68.7
57.1
60.2
61.3
62.0
62.5
67.2
50.2
58.4
57.1
61.4
58.6
59.6
55.8
49.6
55.2
60.0
57.9
59.0
52.7
48.3
51.0
企業・業界毎の満足度構造の違い【携帯電話】
75.0
2 0 0 9 年度全体平均
NTTドコモ( 今年度)
NTTドコモ( 0 9 年度)
70.0
携帯電話業界中央値
( 今年度)
携帯電話業界中央値
( 0 9 年度)
65.0
60.0
55.0
50.0
45.0
64.4
67.1
65.0
68.0
58.2
56.9
顧客期待
知覚品質
知覚価値
顧客満足
クチコミ
ロイヤルティ
10
■宅配便業界
順位
企業・団体名
[2010 年度の調査・指数化対象企業は以下の通り]
ヤマト運輸、佐川急便、日本通運、福山通運、
西濃運輸、日本郵政
点数
1位
ヤマト運輸
76.1
2位
西濃運輸
68.6
トップ企業と2位以下の企業で、利用者からの評価が大きく分かれている業界です。調査時期は5月末か
ら6月であったため、日本通運と日本郵政の宅配便事業を別々に調べています。業界としての評価は、
「知覚
価値」が2点以上低下したために全体を引き下げることになったと思われます。
トップ企業のヤマト運輸は、抜群に高い「知覚品質」により満足度を引き上げる構造になっています。昨
年度と比べた際、他者への推奨意向である「クチコミ」が大きく低下していることは、課題であると思われ
ます。
顧客満足度
ヤマト運輸
(昨年度点数)
業界中央値
(昨年度点数)
顧客期待
知覚品質
(利用前の (利用した際
期待・予想) の品質評価)
知覚価値
(価格への
納得感)
クチコミ
(他者への
推奨)
ロイヤルティ
(継続的な
利用意向)
76.1
75.7
77.4
68.2
60.0
67.6
77.1
78.3
78.6
70.2
65.2
65.5
67.3
66.9
68.8
64.8
56.4
55.6
69.2
68.3
69.2
67.3
58.6
54.5
企業・業界毎の満足度構造の違い【宅配便】
80.0
2 0 0 9 年度全体平均
ヤマト運輸( 今年度)
ヤマト運輸( 0 9 年度)
75.0
宅配便業界中央値
( 今年度)
宅配便業界中央値
( 0 9 年度)
70.0
65.0
60.0
55.0
50.0
64.4
67.1
65.0
68.0
58.2
56.9
顧客期待
知覚品質
知覚価値
顧客満足
クチコミ
ロイヤルティ
11
参考資料1
■基本設問(6つの指数算出に用いている21設問)
[顧客期待]
1.全体期待:×××などの様々な点から見て、●●●の総合的な質にどれくらい期待していましたか
2.ニーズへの期待:あなたの個人的な要望に●●●はどの程度応えてくれると思っていましたか
3.信頼性:×××など様々な面からみて、不可欠なことがなかったり不十分なことが●●●で、どの程度起きる
と思っていましたか
[知覚品質]
1.全体評価:過去 1 年間にあなたが利用した経験から判断して、●●●はどの程度優れていると思いますか
2.ニーズへの合致:●●●は、あなた自身の要望にどの程度応えていると思いますか
3.信頼性:×××などの点から見て、不可欠なことがなかったり不十分なことが●●●でありましたか
4.バラツキ:過去 1 年の利用経験を振り返って●●●は、いつも問題なく安心して利用できましたか
[知覚価値]
1.品質対価格:あなたが●●●で支払った金額を考えた場合、×××などの点からみた●●●の総合的な質をど
のように評価しますか
2.価格対品質:●●●の総合的な質は、あなたが利用するために使った金額や手間ひまに見合っていましたか
3.お得感:他社と比べて●●●の方がお得感がありましたか
[顧客満足]
1.全体満足:過去 1 年間の利用経験を踏まえて、●●●にどの程度満足していますか
2.選択満足:過去 1 年を振り返って、●●●を選んだことは、あなたにとって良い選択でしたか
3.生活満足:●●●の利用は、あなたの生活を豊かにすることに、どの程度役立っていますか
[クチコミ]
あなたが●●●について人と話をする際、以下の点を好ましい話題としますか、それとも好ましくない話題として
話そうと思いますか
1.商品の魅力/2.会社としてのサービス/3.適切な情報提供/4.従業員・窓口対応
[ロイヤルティ]
1.頻度拡大:これから××の間に、●●●を今までより頻繁に利用したい
2.関連購買:今後 1 年間で、これまでよりも幅広い目的で●●●を利用したい
3.持続期間:これからも、●●●を利用し続けたい
4.第一候補:次に××を使う時には、私は●●●を第一候補にすると思う
* 上記の設問で、
「×××」は該当業界の質を示す代表的な内容を挿入。
「××」が該当の業界名を挿入。
「●●●」は指数化対象の
企業・サービス名を挿入する。 個々の調査対象業界により、若干の表現の変更は行っていく。
■その他設問(約90設問)
・回答者属性および利用実績に関わる 約15設問
・業界個別の調査項目 約70設問。
・自由回答項目(不満だった点、満足した点、利用理由等)
12
参考資料2
■指数化対象企業と選定条件
指数化対象の選定手順は以下の通り:
1) 売上高をベースに、日本国内に一定数以上の利用者がいると思われる企業を業界単位でピックアップ。
業界別の指数化対象企業数(5社~15社程度)の2倍程度の候補を選定。
2) 選定した候補を一覧化し、
「対象企業選定条件(下表右側の条件)
」に従って一次抽出時に利用経験を確
認。
3) 利用経験のある人が多い企業から順に指数化対象とし、当該企業のサービス利用経験の具体的内容につ
いて本調査を実施。
*企業名は、一般的な呼称、短縮名称等を使わせて頂いています。
業界名
指数化対象企業名
対象企業選定条件
コンビニエンス
セブンイレブン、ローソン、ファミリーマート、サークルKサンクス、
1か月以内に2回以上利用したことがあり、
ストア
ミニストップ、デイリーヤマザキ、am/pm、NEWDAYS、セイコーマート
1回2百円以上の買い物をした
衣料品
ユニクロ、しまむら、青山商事、AOKI、西松屋、ライトオン、GAP、
1年以内に2回以上利用したことがあり、1
専門店
コムサ(ファイブフォックス)、
回千円以上の買い物をした
ローリーズファーム/グローバルワークス(ポイント)、ユナイテッドアローズ
生活雑貨・
良品計画、ロフト、ニトリ、東急ハンズ、大塚家具
1年以内に2回以上利用したことがあり、1
家具専門店
シティホテル
回千円以上の買い物をした
プリンス、東急、阪急第一、リーガロイヤル、帝国、オークラ、
日本国内で1年以内に 2 回以上利用(主と
ニューオータニ、京王プラザ、ロイヤルパーク、
して宿泊)し、かつ料金は自分で支払った/
インターコンチANA/全日空、ホテルニッコー、メトロポリタン、
会社等の費用として支払ったが、金額はわ
シェラトン/ウェスティン(スターウッド)、ヒルトン、ハイアット
かっている
ビジネス
ワシントン、東横イン、東急イン、スーパー、サンルート、アパ、チサン、ル 1年以内に 2 回以上利用した
ホテル
ートイン
レジャー
阪神タイガース野球観戦、読売ジャイアンツ野球観戦、
イベント
中日ドラゴンズ野球観戦、福岡ソフトバンクホークス野球観戦、
1年以内に2回以上行った
北海道日本ハムファイターズ野球観戦、
浦和レッドダイヤモンズ・サッカー観戦、アルビレックス新潟・サッカー観戦、
横浜Fマリノス・サッカー観戦、
TDR、USJ、ナガシマリゾート、東京ドームシティ・アトラクションズ、
ハウステンボス、宝塚・舞台鑑賞、劇団四季・舞台鑑賞、
吉本興業・舞台鑑賞(新喜劇、寄席、漫才等)
携帯電話
NTTドコモ、au、ソフトバンク、ウィルコム、イーモバイル
3か月以上利用をしていて、自分で支払って
いる/親や会社の支払いだが料金は知って
いる/家族分を含め複数台分の料金を支
払っている
宅配便
ヤマト運輸、佐川急便、日本通運、福山通運、西濃運輸、日本郵政
1年以内に2回以上発送手配(小荷物の配
送)をした
13