1歳前にはじめる予防接種について(その2) ※ 予防接種の分類は、予防接種法の改正による平成25年4月1日~のものです。 誕生日 種類の異なるワクチンの受け方 【生ワクチン】接種後 →27日以上あける 【不活化ワクチン】接種後 →6日以上あける 1 予防接種の種類 どんな病気? ヒブは、中耳炎や気管支炎や髄膜炎のような重い 病気をおこす菌です。 インフルエンザ菌b型 ヒブによる髄膜炎は、5歳未満では、10万人に (ヒブ) 約7~8人、年間で約400人が発症し、そのう ち、約11%が予後不良とされています。生後4 か月~1歳までの乳児が過半数を占めます。 肺炎球菌 (PCV7) 定 期 予 防 接 種 ワ ク チ ン の 種 類 3 2 ワクチンの効果は? 欧米では、予防接種開始後、 重症感染症は劇的に減少しま した。 ヒブの抵抗力は、3歳以上で 急速に上昇します。 肺炎球菌は、子どもの多くが鼻の奥に持っていま す。ときに中耳炎や重い髄膜炎などを起こしま す。肺炎球菌が原因の化膿性髄膜炎は、5歳未満 予防接種開始後、多くの国か では、10万人に約2.5~3人、年間で150人前後 ら、細菌性髄膜炎が激減した が発症しているとされています。死亡率や後遺症 という報告があります。 は、ヒブの髄膜炎より高く、約21%が予後不良 です。 4 H 4回 不活化 3回 4回 不活化 3回 月齢ごとの日付をいれましょう / 定期の推奨接種開始時期 接種可能な期間(国が決めている接種可能期間) 受け方 同時接種が可能なワクチンもあります。 計画は、かかりつけ医と相談しましょう。 回数 資料24-2 年 効果的な接種時期と間隔 1 か 月 2 か 月 3 か 月 4 か 月 5 か 月 6 か 月 7 か 月 8 か 月 9 か 月 / / / / / / / / / 1 2 3 開始時期 生後2か月~ 27~56日以上(4~8週)間隔をあけて 3回、3回目終了後、7か月~13か月の間 隔をあけて1回追加 7か月以降に開始の場合は、27~56日以 上(4~8週)間隔をあけて2回、2回目終 了後、7か月~13か月の間隔をあけて1回 追加 27日以上(4週)間隔をあけて3回。(ただ し2回目・3回目の接種は1歳の誕生日の前 日まで。それ以降は接種しない)3回目終了 後、60日以上あけて1回追加。月齢12か月 ~15か月の前日に接種。3回目の接種が生 後12か月を超えた場合は、追加を1回のみ 接種。 2 11 か 月 か 月 1 歳 2 歳 / / / / 備 考 4 1 1 10 2 3 3 1歳以降に開始した場 合は、5歳になるまでに 1回 接種は5歳の誕生日前日 まで 4 1 7か月以降12か月前日までに開始の場合 は、27日以上間隔をあけて2回、2回目終 了後、7か月~13か月の間隔をあけて1回 追加 2 3 1~2歳の前日までに 開始した場合は、60日 以上あけて2回 2歳以降に開始した場 合は、5歳になるまでに 1回 接種は5歳の誕生日前日 まで 予防接種により患者激減。追 ジフテリアは、予防接種がはじまり、患者発生は 加接種をすることで10年間 年間0~1人です。 抗体持続。 4種混合 ジフテリア 百日咳 不活化ポリオ 破傷風 特有のけいれん性の咳発作を特徴とする急性気道 予防接種を受けた人が受けな 感染症である。母親からの免疫が期待できないた い人より90%発症を防げ め、乳児期早期からかかり、とくに生後6 カ月以 た。一定の抗体獲得あり。 下では死に至る危険性も高い。 予防接種の効果で日本での発 ポリオウイルスにより、胃腸炎などを起こす。1 症報告なし。生ワクチンから 000人~2000人に1人麻痺を起こし、一部 不活化になたったが、麻痺性 残る場合がある。 ポリオは90%予防有効。初回 から10~15年免疫保持。 開始時期 3か月~ 2 1 3 4 接種は7歳半の前日まで 11歳~12歳で二種混 合(ジフテリアと破傷 風)は追加接種 不活化 4回 20日~56日間隔をあけて3回。 3回目終了後、6か月以上(1年~1年半が 標準)あけて1回 生 1回 生後3か月から1歳の前日までの期間うち、 生後5か月~8か月の接種が望ましい 生 1回 1歳の誕生日を迎えたら早めの接種が望まし い MRⅡ期を就学前年度 に接種 不活化 3回 生後6か月~7歳半の前日ですが、3歳から が推奨年齢 3歳から3回接種 9歳以上でⅡ期追加 生 2回 生後6週間から開始 4週以上の間隔で2回、24週までに完了 (経口) 3回 生後6週間から開始 4週以上の間隔で3回、32週までに完了 破傷風菌は、土の中にいて、傷などから体内に入 追加接種後10年持続、11~ る。神経を傷め、痙攣をおこす。後遺症や死亡す 12歳頃、追加接種が必要。 ることもある。 BCG 麻しん風しん (MR1期) 日本脳炎 (第1期) 感染を受けても、予防接種を 結核の予防接種。結核菌による空気感染で、肺か 受けていない人の1/4に発 ら入り、肺結核などを起こす。予防接種を受けて 病を抑える。重症化の予防に いない乳児が感染すると、病気の発症がはやく、 は極めて効果的。効果は10~ 結核性の髄膜炎など重症になりやすい。 15年。 1 麻しんウイルスによる感染。免疫力を落とすの 接種者の95%は抗体獲得 で、症状が重く、他の感染症にもかかりやすくな し、長期に持続する。 る。 1 風しんウイルスによる感染。問題なく治ることが 接種者の95%は抗体獲得 多いが、まれに脳症などが起こる。 し、20年近く持続する。 日本脳炎ウイルスに感染すると、うち100人~1 000人に1人が脳炎を発症します。脳炎になる 初回2回と追加1回接種で抗 と、死亡率は20~40%、後遺症を残す場合も多 体獲得する。 い。最近は年間10人以下の発症。 任 ロタウイルスによる下痢症は、5歳までに95% 1価 は発症する。激しい下痢などで、脱水、けいれ 意 (ロタリックス) ん、脳症をおこすこともある。2歳未満だと重症 外国では予防接種により、病 予 ロタ 化しやすい。生後6ヵ月頃から患者が急増する。 気が劇的に減少したという報 防 乳児中期から後期になると予防接種の副作用であ 告があります。 5価 接 (ロタテック) る腸重積のリスクがより高くなるため接種時期 は、乳児期前期の期間が望ましい。 種 ロタウイルス以外の任意予防接種もあります。受け方は、かかりつけ医に相談しましょう。 1 2 どちらか 1種類を選ぶ 1 2 3 参考文献:予防接種ガイドライン2012年度版 予防接種とこどもの健康2012年度版
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