SINUMERIK 840D sl/SINUMERIK 828D 上級編 プログラミング説明書

SINUMERIK 840D sl/SINUMERIK 828D 上級編 プログラミング説明書
保護領域の起動/解除(CPROT、NPROT)
保護領域の起動/解除(CPROT、NPROT)
機能
以前に定義した衝突監視の保護領域の起動と起動待ち、および保護領域の解除
同じチャネルで同時に有効にできる保護領域の最大数は、マシンデータで定義します。
工具専用の有効保護領域がない場合は、ワーク専用の保護領域に対して工具軌跡をチェック
します。
注
ワーク専用の有効保護領域がない場合は、保護領域の監視はおこなわれません。
構文
CPROT(<n>,<state>,<xMov>,<yMov>,<zMov>)
NPROT(<n>,<state>,<xMov>,<yMov>,<zMov>)
意味
CPROT:
チャネル別保護領域を呼び出します(NCU 572/573 の場合の
み)。
NPROT:
機械別保護領域を呼び出します。
<n>:
保護領域番号です。
<state>:
状態パラメータです。
<xMov>,<yMov>,<zMov>:
0:
保護領域の解除
1:
保護領域の起動待ち
2:
保護領域の起動
3:
条件停止による保護領域の起動待ち
定義した保護領域をジオメトリ軸で移動します
例
フライスカッターと計測プローブの衝突の発生の可能性を、フライス盤で監視します。 機能
が有効なときは、オフセットにより計測プローブの位置が定義されます。 このために、以下
の保護領域が定義されます。
•
計測プローブホルダ(n-SB1)と計測プローブ(n-SB2)両方の、機械別とワーク専用の保護領域
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2017/04/27
SINUMERIK 840D sl/SINUMERIK 828D 上級編 プログラミング説明書
保護領域の起動/解除(CPROT、NPROT)
•
フライスカッターホルダ(c-SB1)、カッターシャンク(c-SB2)、およびフライスカッター(c-SB3)の
チャネル別、および工具専用の保護領域
すべての保護領域の向きは Z 方向です。
機能の適用時の計測プローブの基準点の位置は、X = -120、Y = 60、Z = 80 とします。
プログラムコード
コメント
DEF INT PROTECTB
; Help 変数を定義します。
G17 の保護領域を定義します。
; 向きを設定します。
NPROTDEF(1,FALSE,3,10,–10)G01 X0 Y–10
; n–SB1 の保護領域です。
X40
Y10
X0
Y–10
EXECUTE(PROTECTB)
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2017/04/27
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保護領域の起動/解除(CPROT、NPROT)
プログラムコード
コメント
NPROTDEF(2,FALSE,3,5,–5)
; n–SB2 の保護領域です。
G01 X40 Y–5
X70
Y5
X40
Y–5
EXECUTE(PROTECTB)
CPROTDEF(1,TRUE,3,0,–100)
; c–SB1 の保護領域です。
G01 X–20 Y–20
X20
Y20
X–20
Y–20
EXECUTE(PROTECTB)
CPROTDEF(2,TRUE,3,–100,–150)
; c–SB2 の保護領域です。
G01 X0 Y–10
G03 X0 Y10 J10
X0 Y–10 J–10
EXECUTE(PROTECTB)
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2017/04/27
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保護領域の起動/解除(CPROT、NPROT)
プログラムコード
コメント
CPROTDEF(3,TRUE,3,–150,–170)
; c–SB3 の保護領域です。
G01 X0 Y–27,5
G03 X0 Y27,5 J27,5
X0 Y27,5 J–27,5
EXECUTE(PROTECTB)
保護領域の適用:
NPROT(1,2,–120,60,80)
; オフセットを使用して保護領域 n–SB1 を起動
します。
NPROT(2.2,–120,60,80)
; オフセットを使用して保護領域 n–SB2 を起動
します。
CPROT(1,2,0,0,0)
; オフセットを使用して保護領域 c–SB1 を起動
します。
CPROT(2,2,0,0,0)
; オフセットを使用して保護領域 c–SB2 を起動
します。
CPROT(3,2,0,0,0)
; オフセットを使用して保護領域 c–SB3 を起動
します。
詳細情報
起動状態(<state>)
•
<state>=2
保護領域は通常、パートプログラムの status= 2 で有効になります。
機械専用の保護領域であっても、状態は常にチャネル別です。
•
<state>=1
PLC ユーザープログラムによって保護領域が効果的に設定されるように、PLC ユーザープログラ
ムで保護領域を指定している場合は、それに必要な起動待ちは status = 1 により実行されます。
•
<state>=3
条件停止による起動待ちの場合、システムは干渉した起動待ち保護領域の前では停止しません。
保護領域が起動した場合のみ停止が発生します。 これによって、保護領域が特別なケースで起動
した場合、中断のない処理を行うことができます。保護領域が移動の直前だけ起動される場合、
減速カーブがあるためシステムが保護領域内に入ることがありますので、注意してください。
条件停止による起動待ちは、status = 3 で設定します。
•
<state>=0
保護領域は Status = 0 で解除されて無効になります。オフセットは不要です。
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保護領域の起動/解除(CPROT、NPROT)
起動(待ち)のための保護領域の移動
オフセットは 1、2、または 3 次元で実行できます。 オフセットは次のとおりです。
•
•
ワーク別保護領域の機械原点
工具別保護領域の工具ホルダ基準点 F
ブート後の状態
保護領域は、ブート、およびその後のレファレンス点復帰の後に直ちに有効にできます。 こ
のためには、システム変数$SN_PA_ACTIV_IMMED[<n>]または$SC_PA_ACTIV_IMMED
[<n>]を TRUE に設定してください。 保護領域は Status = 2 で常に起動し、オフセットがあ
りません。
保護領域の複数適用
保護領域は、同時に複数のチャネルで有効にできます(2 面が対向する心押し台など)。 保護
領域は、すべてのジオメトリ軸が原点確立済みの場合にのみ監視されます。
これは下記のように適用されます。
•
•
保護領域は、同時に 1 つのチャネルで異なるオフセットを使用して有効にすることはできません。
機械専用の保護領域は、両方のチャネルで同じ向きになるようにしてください。
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2017/04/27