産婦人科 <オリエンテ-ション> 産婦人科は、基本研修で1か月研修していただきます。当科診療の特徴は、問診などで患者のプラ イバシ-に深く立ち入ることが多く、内診では患者が少なからず羞恥心を抱くことです。よって、患 者から得た情報は、プライバシ-保護の観点から守秘義務に留意するとともに、診察にあたっては言 葉遣い、身なりに気をつけ、不快感を与えない態度が必要です。短い研修期間の中で、産婦人科の全 てを修得するのは困難なため、以下の項目を目標に研修に臨んで下さい。 ロ-テ-ト中にできるだけ多くの患者の副主治医となり、主治医の指導のもとに診療を行ってくだ さい。また、副主治医となった患者の入院総括を必ず書いてください。 <産婦人科の週間予定表> 9 10 11 12 13 14 15 月 病棟回診 外来見学 火 病棟回診 外来見学 手術、麻酔 水 病棟回診 外来見学 手術、麻酔 木 病棟回診 外来見学 手術、麻酔 金 病棟回診 外来見学 母親教室 病棟処置 16 17 18 抄読会 症例検討 産婦人科 <一般目標(GIO:general instructional objective)> 社会人および医師としての人格を養い、将来の専門性にかかわらず 医学・医療の社会的ニーズを認 識しつつ、日常診療で頻繁に遭遇する病気や病態に適切に対応できるプライマリケアの基本的な診療能 力を身につける。地域の患者さんに対し、高度急性期から慢性ににわたる広い分野にわたって良質な医 療が提供できる素養を養う。 また、産婦人科疾患に関連する他科疾患を包含した患者ケア、医療の社会貢献、医療・患者を取り巻 く社会背景についても理解する。 <行動目標(SBO:specific behavioral objectives)> ① 問診(予診)では主訴、月経・妊娠歴、既往歴、合併症の情報を簡潔にまとめることができるよ うにする。 ② 産科診察では、経腹超音波で胎児の推定体重、胎位、胎盤の位置が診断できるようにする ③ 婦人科診察では経腹超音波を使用し、内性器の異常の有無を確認できるようにする。 ④ 膣鏡の基本的な使い方を習得し、膣内の異常の有無を確認できることを目標とする。 ⑤ 分娩に立会い、分娩機転を理解するとともに新生児の基本的診察を習得する。 ⑥ CT,MRI,US など画像診断で内性器の器質的疾患を診断できるようにする。 ⑦ 婦人科悪性疾患に対する抗がん剤の用法、用量、副作用を理解する。 ⑧ 脊椎麻酔、全身麻酔を理解し麻酔管理ができるようにする。 ⑨ 手術に参加し骨盤内臓器の解剖、術式を理解する。 ⑩ 産婦人科に関する英語論文を抄読し、Technical term を修得する。 < 手 技 > 手 技 名 目 標 回 数 備 考 問診(予診) 10例以上 指導医とともに 腹部超音波(胎児診察) 5例以上 指導医とともに 腹部超音波(婦人科診察) 5例以上 指導医とともに 膣鏡診察 5例以上 指導医とともに 分娩立ち会い 3例以上 指導医とともに 麻酔管理(気管内挿管) 可能な限り 指導医とともに 手術助手 可能な限り 指導医とともに 英語論文抄読 1編 産婦人科 <研修指導体制> 原則として産婦人科スタッフ全員が研修全期間を通じて研修の責任を負う。 適宜受け持ち患者や研修スケジュールを調整する。 研修医の受け持ち患者は研修期間中指導医が振り分ける。 入院患者の診察、検査、治療に関する直接的指導は主治医(指導医)が行う。 主治医と組み、担当患者の診察、検査、治療を行う。 休日や夜間の受け持ち患者の緊急時には主治医や当番医とともに対応する。 救急患者の対応を上級医とともに行う。 研修期間中の入院患者については、研修医が病歴、画像所見をカルテに記載し、主治医がチェ ックする。 < 方 略 > 1.オリエンテーション 2.病棟・外来研修 ・病棟回診に立会い、カルテ記録をする。 ・手術患者では手術に至った疾患について理解し、画像の読影をする。 ・術後経過を観察し、術後管理を理解する。 ・がん患者では緩和治療の方法、麻酔の使い方を学ぶ。 ・分娩に立会い、分娩貴機転を理解する。 ・褥婦を観察し、産褥経過について理解する。 ・正常新生児を観察する。 ・子宮内用除去術、羊水穿刺などの参加処置を見学する。 ・妊婦健康診査を上級医とともに行い、超音波検査を行う。 ・正常妊娠の管理、母子手帳の役割や公費負担制度について理解する。 ・婦人科疾患患者の診療を見学する。 ・産婦人科悪性疾患外来化学療法の実際について学ぶ。 (薬の量、投与スケジュール、副作用について) 3.救急研修 ・女性急性腹症の観察・検査の手順・判断の仕方を学ぶ。 4.手術研修 ・内診、膣鏡診を行う。 ・手術に参加し、骨盤内臓器の解部を理解するとともに、画像で得られた所見と肉眼所見を 照らし合わせる ・麻酔手術を修得する(気管内挿官・腰推穿刺) 。 産婦人科 5.カンファレンス等、科の行事への参加 6.自主学習すべきことの提示 < 評 価 > ローテート終了時に、指導医・指導者(コメディカル)より、行動目標・経験目標についての評価を 受ける。自己評価については随時おこない、評価後は指導医へ提出し、目標の達成状況を適時報告する。 産婦人科
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