産婦人科後期研修

産婦人科後期研修
●指導医
産婦人科部長 山本 信博
当科の歴史は昭和25年開設時から始まりますが、平成18年4月にNICU施設の
有る周産期の準基幹病院として常勤医4名で再出発しました。しかしながら、この2,
3年の近隣の産婦人科施設の縮小、閉鎖に伴い、当初の方針から、地域の産婦人科
疾患の受け皿ともなり、又OGCS(大阪府産婦人科診療相互援助システム)の参加
施設として府下の産婦人科救急疾患の一端を担う施設にもなり、産婦人科疾患全般
を対象とせざるを得ない状況になりました。
産婦人科後期研修の具体的目標は日本産婦人科学会専門医取得です、3年間の
後期研修終了後に受験資格が与えられます。当科の医療圏の人口は多く、又当院は
当地域では数少ない産婦人科を有する救急医療と癌診療を行う総合病院です。当科
での研修では、救急を含めた急性疾患に慢性疾患、更には良性疾患のみならず悪
性疾患と、幅広い症例に遭遇し、専門医となる為の必要な疾患はほぼ経験する事が
出来ます。
●主な設備と医療内容
超音波診断装置(経腹エコー3台、経膣エコー4台)、腹腔鏡及び各種内視鏡、コル
ポスコープ、総合病院としてのCT、MRI。分娩監視装置、電子カルテ情報システムに
よる分娩監視システム。
診療体制は、一般外来は主に午前に3診、午後は専門外来としてハイリスク妊婦
外来、子宮癌検診、病棟患者の診察、手術や各種検査を行っています。
●主な症例数
分娩は月間50症例、手術は20症例程度に制限して市中病院として、又教育病院
としてのレベルを維持出来る様にしています。分娩症例では、合併症や各種の既往
症を持った妊婦、切迫早産や前期破水やIUGR(子宮内胎児発育遅延)、前置胎盤
等の救急疾患等と多彩です。手術症例では帝王切開、卵巣嚢腫や子宮筋腫等の良
性疾患、子宮頚部癌や体部癌や卵巣癌等の悪性疾患、救急疾患としての子宮外妊
娠や卵巣嚢腫茎捻転等とこれも多彩です。
●取得できる認定・専門医
日本産婦人科学会認定専門医(卒後6年目に受験資格)
●プログラムの目的と特徴
産婦人科医としての基本的必須の知識と技能を習得して頂き、社会からの高い倫
理性の保持を求められている事の重要性や新しい生命の誕生に立ち会える喜びを
感じて頂きたい。
産科医としての周産期の管理や、婦人科医としての骨盤外科に必要な診断と治療
の知識や技量は、従来個人の勘や経験に大きく左右され、診療体制も一人医長等の
個人が中心で、とかく産婦人科は重労働で危険な職場との印象が拭い切れませんで
した。当科での研修で、産婦人科医を集約化し、EBM(根拠に基づいた医療)に努力
して、産婦人科内のみならず、他科とも共通の認識を持って、互いに連携してチーム
医療を行えば、比較的安心して、充分とまでは言えなくても、それなりに余裕の有る、
充実した発展性の有る科と受け止めて頂けるものと確信します。
●関連大学医局
奈良県立医科大学産婦人科医局