第2部 DIASシンポジウム2016 地球環境情報がもたらす、社会・ビジネスインパクトの展望 ダム管理におけるDIAS活用への期待 平成28年8月1日 中部電力㈱発電カンパニー 再生可能エネルギー事業部 Copyright © CHUBU Electric Power Co.,Inc. All Rights Reserved. ダム管理におけるDIAS活用への期待 本日の発表内容 1.当社の水力発電の状況 2.ダム管理について 3.ダム管理におけるDIAS活用への期待 ・DIASの活用(高精度な気象観測データなど) ・降雨予測、流入量予測の精度向上 ・水資源の有効利用 1.当社の水力発電の状況 ・地球環境・CO2問題から再生可能エネルギーへの期待が高まっています。 ・水力発電は、エネルギー変換効率が高く、CO2の排出量が少ない発電 方式で、中部電力㈱の場合、ベース供給力として、電力需要の約1割が、 水力発電でまかなわれています。 【中部電力㈱の再生可能エネルギー】 平成27年度(2015年度) 設 備 発電電力量 再生可能エネルギー 553.7万kW(200ヶ所) 94.7億kWh 水力 549.7万kW(196ヶ所) 94.0億kWh 新エネルギー 3.9万kW( 4ヶ所) 0.7億kWh 1 1.当社の水力発電の状況 中部電力㈱の水力発電所は主に大井川、天竜川、矢作川、木曽川、信濃川など の水系にあって、愛知・岐阜・三重・静岡・長野県の5県に渡っています。 内訳 ダム群を形成 箇所数 常駐管理ダム・えん堤 12 出向管理ダム(遠隔制御) 22 洪水吐ゲートを有するダム 管理えん堤A(遠隔制御) 洪水吐ゲートを有するえん堤 その他 洪水吐ゲートを有さない取水堰等 計 16 270 320 当社管内で計50の ダム・えん堤を制御 2 2.ダム管理について 水力発電ダムでは、河川の水をダムに貯水し、その水を取水して、水が高い ところから低いところへ落ちる時の力を利用して発電しています。 【水力発電のしくみ】 【ダム管理における課題】 水資源の有効利用 (貯水の確保) 洪水時の下流河川の公衆保安 (下流の急激な水位変動を防止) ダム管理の高精度化 3 2.ダム管理について (運用方法) 降雨により河川が増水した場合は、適切なダムのゲート操作により、安全に 下流へ放流するよう努めています。 【ダムの放流操作の流れ】 降雨予測 (レーダー観測等) 流入予測 → 放流計画 ゲート放流操作 4 2.ダム管理について 【洪水時のダム操作の例】 ダム水位 高 ダム水位 常時満水位 予備放流 水位 ダムへ貯留 (水位上昇) 低 多 流量 洪水量 最大使用 水量(発電) ダム水位低下 (洪水処理の容量を確保) ダム放流開始 流入量> 最大使用水量 遅らせ操作による 洪水のピークカット (下流の水位上昇の低減) 放流量 少 流入量 ダムからの放出 (水位低下) 時 刻 ○ダム制御・・・時々刻々と状況が変化する中で、 流入状況に基づく的確な判断が重要となる。 5 2.ダム管理について 流入予測精度 の信頼性 (制御上の課題) 常時満水位や 予備放流水位 公衆保安 の確実性 水資源の 有効利用 裕度 裕度のある 水位運用 流入予測精度の向上 6 2.ダム管理について(中部電力㈱の降雨・流入予測システム) 0 10 予測雨量 20 気象庁レーダ雨域画像 当社レーダ雨域画像 合 成 雨量(mm) レーダ雨域画像は 1kmメッシュ 雨域の移動・発達衰退を予測 対象流域の3時間先までの流域平均 雨量を予測(10分更新) (3時間よりも先は、気象庁の数値予報により予測) 流量(m3/s) 300 200 100 0 予測流入量 時間 7 3.ダム管理におけるDIAS活用への期待 DIAS活用による急出水・長期流入予測の精度向上に期待 流入予測に関して、活用が期待できるデータ ・高精度気象観測データ(ひまわり8号、XRAIN) 例)数値予報 ・・・ひまわり8号 レーダ観測・・・XRAIN 高分解能 250mメッシュ(当社の16倍) 高頻度 配信周期 1~2分程度 (当社の5倍) 狭域の精度向上 → ゲリラ豪雨による急出水予測 広域・長期の精度向上 → 長期流入予測 下流の公衆保安と水資源の有効利用との両立の可能性 8 3.ダム管理におけるDIAS活用への期待 例えば、局地的な集中豪雨による急出水の場合 ダム水位 高 ダム水位 当初の水位計画 常時満水位 水資源の発電への有効利用 低 公衆保安の向上 (下流への放流量を低減) 多 流量 急出水の予測 放流量 当初の放流計画 最大使用 水量(発電) 少 流入量 時 刻 現状の予測精度では、 この時点で急出水を予測できたとする 早期に精度よく予測できれば、早期に発電使用水量を最大にすることが可能 9 3.ダム管理におけるDIAS活用への期待 例えば、大規模な出水が予測されたが、実際には流量が少なかった場合 ダム水位 高 ダム水位 当初の水位計画 修正後の水位計画 常時満水位 予備放流 水位 低 水資源の発電への有効利用 多 当初の流入量予測 (大きめの流入量) 流量 当初の放流計画 放流量 最大使用 水量(発電) 少 実際の流入量 流入量 当初の流入予測が外れて、 この時点で実際の流入量が 少ないと判明したとする 時 刻 修正後の放流計画 早期に精度よく予測できれば、水位低下することなく貯水量の確保が可能 10 3.ダム管理におけるDIAS活用への期待 DIAS活用による 流入予測の精度向上に期待 下流の公衆保安と水資源の有効利用との両立 再生可能エネルギーの増加に寄与 11
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