AsiaNet 50452 共同 JBN 1096 (2012.9.2) COPD 管理の

AsiaNet 50452
共同 JBN 1096 (2012.9.2)
◎COPD 管理のリスク削減の重要性増大を強調
タケダの記者会見で
【ウィーン 2012 年 9 月 2 日】タケダは 2 日、オーストリアのウィーンで 9 月 1-5 日に開
かれている 2012 年欧州呼吸器学会年次総会の機会にタケダが組織した記者会見で紹介さ
れた COPD(慢性閉塞性肺疾患)に関する新たな専門家リポートの内容を発表した。
マルチメディアのニュース・リリースを見るには以下をクリック。
http://www.multivu.com/mnr/56582-expert-report-on-copd-launch
「慢性閉塞性肺疾患(COPD)管理の変化するパラダイム」というタイトルのリポートは
武田ファーマシューティカルズ・インターナショナル GmbH が提唱し、作成したもので、
主要な国際的呼吸器専門家のパネルである欧州アレルギー・気道疾患患者協会連合
(EFA)と COPD 患者の意見論文をまとめて、更新された指針と研究を反映させている。
この新しい専門家リポートは、現在の障害の治療と同様に将来のリスクを重視する最近の
COPD 管理の重点の変化に応えて作成された(1)。現在の治療目標は症状の減少とリス
クの削減の 2 つのグループに分かれている(1)。
新しい専門家リポートの発表に当たりカナダ家庭医カレッジの呼吸器疾患特殊関心集中グ
ループの議長であるアラン・キャプラン博士は「安定性の COPD の管理は慢性閉塞性肺
疾患世界イニシアチブ(GOLD)に従って現在の症状の重さと病気の進行の将来のリスク
の両方を総合した評価に基づくべきである。予防の重要性は、心臓血管病を含むほかの多
くの病気で十分確立されており、COPD でこれを認め、目標とすることが重要である。新
しい専門家リポートの目的は GP、看護師、コンサルタントを含む呼吸器病ケアのあらゆ
るレベルで健康管理専門家をサポートすることであり、示唆や指針を提供してより情報に
通じた決定を行う助けをし、COPD 患者の治療結果を向上させるケアの改善、助言を提供
することである」と語っている。
新しい専門家リポートでは、COPD 管理の変化するパラダイムは将来リスクに対する集中
の強化が重要である理由と並んで考察されている。これには、予測的でパーソナル化され
たリスク評価を通常行為として実行する心臓血管分野から学ぶことができる教訓の検討、
直接的な恩恵より長期的な恩恵を提供するインターベンションに対する執着が続くことに
関する患者と医師の前向きな関係の重要性と影響、COPD 管理のこの変化をサポートする
ために利用できる薬物学的、非薬物学的インターベンションに対する重視が含まれている。
いまのところ新しい GOLD 評価アルゴリズム(A-D)で規定された患者カテゴリーで異
なる治療インターベンションの効果を示すデータはまだないが、新しい抗炎症剤のロフル
ミラスト(roflumilst)は COPD 関連の慢性気管支炎、重症の肺機能損傷、ひんぱんな悪
化の病歴がある(GOLD カテゴリーD)患者で気管支拡張薬とともに投与すると中程度/
重度の悪化を大幅に減少させることを示している(2)。新しい専門家リポートは、中程
度から重度の肺機能損傷で、45%がベースライン mMRC グレード≥2(GOLD カテ
ゴリーB および D)の症状性 COPD 患者で、チオトロピウム(tiotropium)に加えてロフ
ルミラストを投与すると悪化が大幅に減少することを示唆する 2012 年 ERS で報告された
事後分析に迫っている(3)。
COPD は世界の死亡、病気、健康管理コストの重大要因であり、約 2 億 1000 万人がこの
病気にかかり、罹患、死亡の主な原因である。2030 年までに COPD は世界の死因の第3
位になるだろう(4)。
患者の経験する悪化の数を減らすことが COPD では満たされておらず大いに必要とする
ところであり、悪化の最大半数を患者は報告していないことを数字は示している(5)。
COPD の悪化は COPD 患者の健康状態の最も重要な決定要素であり(5)、この事象の治
療、予防の両観点から重要な治療目標である。
(編集者注)
▽COPD について
新しい専門家リポートのコピーと COPD のバックグラウンド資料は要請すれば入手でき
る。
▽COPD に関する新しい専門家リポートの執筆者について
COPD に関する専門家リポートには以下のような呼吸器病ケアの主要関係者が関わってい
る。
*オンドレイ・リブニチェク博士。欧州アレルギー・気道疾患患者協会連合(EFA)
*スティーブン・レナード博士。米ネブラスカ州オマハネブラスカ大学医療センター内
科学部ラーソン医学教授
*アンドルー・マッキバー教授。カナダ・マクマスター大学医学教授
*アラン・キャプラン博士。カナダ家庭医カレッジ呼吸器疾患特殊関心集中グループ議
長
*ウィシア・ウェジチャ教授。ロンドン・ユニバーシティー・カレッジ呼吸器内科セン
ター呼吸器内科教授
*ロバート・ホーン教授。UCL 薬学スクール行動医学教授、実行・政策部長、行動医学
センター長
欧州アレルギー・気道疾患患者協会連合(EFA)はアレルギー、ぜん息、COPD 患者組
織の欧州ネットワークである。EFA は情報、教育、仲間の接触、財政サポートを提供し
て患者の利益に奉仕している。http://www.efanet.org/
▽ロフルミラストについて
ロフルミラストは新しい作用モードで COPD 特定の炎症を標的にして開発された初めて
の抗炎症治療薬である。その有効成分のロフルミラストは PDE4 酵素の有効な選択的阻害
剤である(6)。
4 つの大規模な無作為の偽薬対比試験はロフルミラストを長時間効力がある気管支拡張剤
に加えて投与すると悪化を大幅に減らし、肺機能を改善させることを示している(7、8、
9)。
ロフルミラストは EU(欧州連合)では気管支拡張剤治療の追加療法としてひんぱんな悪
化の病歴がある成人患者の慢性気管支炎に関連する重症 COPD(気管支拡張剤使用後の
FEV1 が予想の 50%以下)の維持治療が適応症とされている(10)。
臨床 COPD 試験は 1 万 2000 人以上の患者が参加した。ロフルミラストは一般的に受容性
がよかった。最も多く報告された悪性反応は下痢(5.9%)、体重減少(3.4%)、吐き気
(2.9%)、腹部痛(1.9%)、頭痛(1.7%)だった。これら悪性反応の大半は軽度から中
程度だった。これらの悪性反応は主として治療の最初の数週間に起こり、ほとんどは治療
継続で解消された。
▽武田ファーマシューティカルズ・インターナショナル GnbH について
チューリヒ本社を置く武田ファーマシューティカルズ・インターナショナル GnbH は大阪
に本社のある武田薬品工業株式会社(タケダ)の完全所有子会社である。タケダは研究ベ
ースの世界的な企業で、主に医薬品に集中している。日本最大の医薬品会社、業界の世界
的リーダーのなかの 1 企業として、タケダは医薬品をリードする革新を通じて世界の患者
の健康の向上を目指す努力にコミットしている。タケダについての詳しい情報は同社ウェ
ブサイト(http://www.takeda.com)を通じて入手できる。
▽参照
1. Global Strategy for the Diagnosis, Management and Prevention of COPD, Global Initiative
for Chronic Obstructive Lung Disease (GOLD) 2011.
http://www.goldcopd.org (accessed July 2012).
2. Bateman ED, Rabe KF, Calverley PM, et al. Roflumilast with long-acting beta 2-agonists
for COPD: influence of exacerbation history, Eur Respir J 2011;38:553-560.
3. Fabbri LM, et al. Effects of roflumilast in highly symptomatic COPD patients (abstract).
In: European Respiratory Society's 22nd Annual Congress; 2012 Sept 1-5; Vienna, Austria: ERS;
2012. Abstract P742.
4. World Health Organization. COPD. Fact Sheet No 315. 2008.
http://www.who.int/mediacentre/factsheets/fs315/en/index.html (accessed June 2012)
5. Seemungal TAR, Donaldson GC, Paul EA,Bestall JC, Jeffries DJ, Wedzicha JA. Effect of
exacerbation on quality of life in patients with chronic obstructive pulmonary disease. Am J Respir
Crit Care Med 1998;157:1418-1422
6. Hatzelmann A, et al. The preclinical pharmacology of roflumilast – a selective, oral
phosphodiesterase 4 inhibitor in development for chronic obstructive pulmonary disease, Pulm
Pharm Ther 2010;23:235-256.
7. Calverley PMA, et al. Roflumilast in symptomatic chronic obstructive pulmonary disease:
two randomised clinical trials. Lancet 2009; 374:
685-94.
8. Fabbri LM, et al. Roflumilast in moderate-to-severe chronic obstructive pulmonary disease
treated with long-acting bronchodilators: two randomized clinical trials. Lancet 2009;374:695-703.
9. Rabe KF. Update on roflumilast, a phosphodiesterase 4 inhibitor for the treatment of
chronic obstructive pulmonary disease. Br J Pharm 2011;163:53-67.
10. EU Summary of Product Characteristics, Daxas(R), May 2011 (available at
http://www.ema.europa.eu)
このプレスリリースは武田ファーマシューティカルズ・インターナショナル GmbH
(Thurgauerstrasse 130, CH-8152 Glattpark-Opfikon (Zurich), Switzerland)が発表した。
ソース:Takeda Pharmaceuticals International GmbH