頭の中に浮かんでくる考え。 ex)①他の人が触ったものに触れると、自分が汚染された感じがする。 ②ちゃんとカギを確認しないと泥棒に入られるのではないか。 ③人に対して危害を加えてしまったのではないか。倒れているのではないか。 不安を打ち消すために何度も繰り返し行う目に見える行動。 ex)①他人が触ったものに触れると汚いと思い、何度も手を洗ってしまう。 ②カギをかけたか心配になり、何度も何度も戸締りを確認してしまう。 ③人とすれちがったあと、必ず後を振り返る。人が倒れてないことを確認する。 しかし… このことが不安を長引かせています。 強迫性障害の認知行動療法は エクスポージャー&儀式妨害(Exposure and Ritual Prevention :ERP)です☆ (暴露) 怖いと思っていることに直面する。最初はとても怖いが、時間が経つと慣れが生じて、不 安が自然と少なくなる。治療では怖いと思っているものに触れて、時間とともに不安が低 減するのを体験する。 ex)①他人が触ったものに触れる(汚い、嫌だ、手を洗いたい、と思いながら)。 (反応妨害) 不安から逃れるためにやっている強迫行為を行わない。 ex)①汚いと思っても手を洗わない ②カギの確認は 1 回だけにする。 ③人とすれ違っても振り返らない。その場所をすばやく通りすぎる。 1 不 安 の 強 さ 1 回目 2 回目 3 回目 時間 図 1 エクスポージャーを行った時 エクスポージャーのポイント 1. 不安は時間が経てば減ることを学ぶ (不安が減るまで向きあうのがポイント) 2. 何回も実施すれば、不安はますます下がる。 ※エクスポージャーをしないと、いつまで経っても不安はなくならない 初めて行う時は、ものすごい不安を感じます。 大事なのは不安が下がるまで待つことです。 ~たとえ話~ ある日、犬にかまれた人がいます。その人は犬に近づくのが怖くなってしまいました。 ・パターン 1(不安が続く) その人は、犬が怖くなって、それ以降犬の姿をみると、回り道するようになりました (回避行動)。それ以来、ずっと犬が怖いままです(不安が継続)。 不安はさけ続けると減らないんだね。 ・パターン 2(不安がなくなる) 仲のいい友だちが犬を飼っていました。最初は近づくのさえ怖かったけど、ある日なでる ことができました(エクスポージャー)。また、近づいても噛まれない、ということを経験し たので、犬に対する不安も減りました。最近は違う犬に対しても不安が薄れてきました。 2 儀式行為をしない時よ 不安なので儀式行為(手洗いな り、一時的に不安は高ま ど)を行う。やったときは、不安 りピークに達する が少し減る。しかし、不安は高い 水準のまま維持される。 不 安 の 強 さ そのまま儀式行為をしな くても、不安は減少する。 儀式行為をしなくても大 丈夫になる。 図2 強迫性障害の患者さんの不安 時間 エクスポージャー中に、儀式行為をしていると不安は消えない。 ex)自分の苦手なものにふれ、そのまま手を洗わない。 ×「大丈夫、汚くない!汚くない」と心のなかでつぶやく。 →儀式行為にあたり、不安は継続する。 ×「後で手を洗うから大丈夫」と言い聞かせる。 →儀式行為にあたり、不安は継続する。 ◯「汚いけど、不安が減るまで待とう」「汚いけど、これで症状がよくなるならやってみよ う」「すごい嫌だけど、汚いものにどんどん触ってみよう」 →儀式行為をしてない。今までとは違う行動パターン。 「エクスポージャー&儀式妨害」をしっかり行うことで不安は減ります。 強迫性障害を治療することは、結局ご自身にしかできないのです。 人生をもう一度楽しむために、チャレンジしてみましょう☆ 3
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