町の弁護士から見た歯科事件

2013(平成25)年10月3日
町の弁護士から見た歯科事件
101-0032東京都千代田区岩本町2-11-7
ラ ・ ア ト レ 岩 本 町 3 階
神 田 お 玉 ヶ 池 法 律 事 務 所
TEL03-3864-3677 FAX020-4664-8868
[email protected]
弁 護 士
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はじめに
元 橋
一 郎
自己紹介
1988年東京医科歯科大学歯学部卒業。歯科医師登録。
その後、都庁の事務職
司法試験合格後、2000年4月から弁護士。2003年6月独立。
主として個人、小企業業務を取り扱う。
借地等の不動産事件、消費者事件、家事(離婚、成年後見等)、若干の刑事
医療過誤原告側訴訟は10数件、内歯科は半分程度。
現在は、弁護士2名の体制。
弁護士も増員で仕事がなくなり暇で、業界中は四苦八苦。 弁護士業界全体で、営業優先の傾向が強くなっている。 事件は、交通民事事件と人事事件を除いて、減少傾向。 歯科から弁護士に変わった先見性のなさに自分であきれている。
弁護士として歯科事件を見ると。
患者側が、歯科のことを知らな過ぎる。
(治療してもうまくいかないことは多い。自分の歯は大切にしよう。)
一部の歯科医師は、患者側に夢をもたせすぎている。エビデンスのある歯科
治療の効果をよく説明して欲しい。
訴訟では歯科への不満は解消しない。
歯科医師会等の歯科医療界の中で、自律的なトラブル解消を。
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司法の特徴
どんな事件でも、結論を出す。
裁判に提出された資料(両当事者から裁判所に提出される説得の資料)の範囲
内で、必ず結論を出す。
結論が客観的真実(仮に存在するとして)と一致するかは、不明。
民事事件は、金を払うか払わないか。(刑事、行政はほとんど無関係。) 真実発見自体を目的としているものではない。 民事事件が本質的に解決するのは、双方が納得した和解の場合のみ。 (昀近、戦う弁護士を売りにしている弁護士もいるが大いに疑問) 事後審査。司法は常にレトロスペクティブ。
(事案は、すべて悪い結果が生じているもので、事後的に原因を探る。)
結果からさかのぼって、過失(落ち度)があるか、という視点になる。
例えば、好ましくない結果があり、その原因を、説明文書や、説明の言葉が
なかったという事実を前提に、一定の情報を提供するべき義務があったという
ことを探っていく。
また、多くの場合、判断過程が、一般論、個別の事実認定、当てはめによる
結論という三段論法をとることが多い。
(事実を並べて、だから問題あり、とすることも、一般論を認定できないとき
にはありうる。)
判例を読んでも、基本的に事例の判断なので、何をしなければならなかったの
か、必ずしも明らかにならない。
判例は、限定された事案の解決として示された判断。
ただし、昀高裁レベルの判断で公表されるもの(昀高裁のホームページに当日
6時ころに公表される判例)では、後に残る影響を十分に考慮している。
医療
分からないこともある。
治療は、常にプロスペクティブ
(将来の治癒のために、薬を投与。噛めるようになるために入れ歯を入れる等。)
ということで、裁判では、歯科の良し悪しは、確定できません。
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歯科診療の法的特徴
一般には、医療は、準委任契約(手段が十分だったら、結果が問われない)
と理解されている。
しかし、歯科、特に自費診療、美容歯科は、患者側からの期待としては、請
負(建築工事のように、結果の完成が目的とされる契約)に類似すると思われ
ている。
つまり、患者の側からは、インプラント治療や歯科矯正は、成功して当然。
失敗した事自体が悪いと考える傾向が強い。やるべきことをやらなかったから
けしからん、というのではなく、結果自体を非難する傾向がある。
治療の成否は、何を根拠に判断するべきか。 患者の感覚? 施術した歯科医師の評価? 歯科医業の一般的治療水準?
これに明確性がある? 歯科事件では、過去に起こった事実に関する資料が不完全。 診療録の開示自体が不十分なことが多い (医療機関が診療録、レントゲン写真、模型等の開示に応じないため、証拠保
全を実施せざるを得ないことが多い。診療録の記載が不十分。)
また、単純X線写真では、立体構造、治療経過等は不明。
ガイドライン、標準的治療方法が明確でない部分がある
(インプラント、歯科矯正等)
専門家によって、違う意見となる事項がある。
治療方法に関するエビデンスがない(エビデンスレベルが高い文献が無い)。
ただし、日本語文献は、医中誌WEB等により、調査は容易。
結果の重大性と、対価(治療費)の不均衡 保険診療の場合、治療費が安すぎる。 4
医療裁判の登場人物
原告側弁護士
一部の非常に能力の高い弁護士を除いて、医療過誤原告側だけでは、事案の調
査(診療記録点検)、文献等の調査等、非常に手間がかかり、必ずしも勝てな
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いので、弁護士として商売にはならない。
医療過誤1件で、他の事件10件分の手間。
勝訴率は時代によって異なるが15%から40%程度(和解を除く。)。
経営的視点からは、できる限り多くの事件を集めて、その中から、勝訴の見
込みが高い事件を選んでいくという方法が必要になる。
医療過誤に関する被害者側法律相談中、訴訟に至る事件は、1割以下。実際
に実施している作業は、歯科、医療に対する患者の誤解を解く作業。
一般的には、回復可能な損害の場合、信頼できる新しい医療機関での治療を
優先するようにアドバイスする。
被害者(患者)
歯科事件の場合、損害賠償予想額が低いので、依頼者から見ての費用対効果
が低く、断念することも多い。
医療過誤訴訟を提起する依頼者は、1審判決までに、勝訴敗訴にかかわらず、
総額で100万以上負担する。
弁護士に対する情報提供のために、被害者の時間的負担も大きい。
思い込みの強い人もいる。
歯科医療に対する無理解が原因のこともある。
医療側被告側弁護士
相当に集中が進んでいる。
1人の弁護士で、年間示談等まで含めて50件以上取り扱っている人もいる。
裁判所
大規模地方裁判所では、医療過誤訴訟が集中部に集められている。1人の裁判
官で年間数十件以上担当する。
集中化が進んだ方が、適切な解決につながる。
被告医師及び医療機関、保険会社が関係者
被告医療機関と保険会社の利益相反。
例えば、医療機関は早期解決を望んでいるが、保険会社が払い渋っている場
合もある。
歯科医師会による医療過誤保険
歯科医師を守る傾向がある。
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関与した事件等
裁判所に対し、説明義務を認めさせるために、基礎事実、医学的知見をいかに
積み上げるかが問題になる。
(1)
下顎知歯抜歯後の神経麻痺
抜歯により、オトガイ神経、舌神経に、神経麻痺が発生する可能性について、
説明して、直ちに抜歯しないということも考慮することが可能になるような情
報を提供するべきであった。
和解が多い。数百万円か。
歯科からは、他にとりうる代替的な手段がないと反発される可能性がある。
(2)
上顎前歯部の補綴処置
若年者が、仮に便宜抜髄をした上でのメタルボンドブリッジによる歯並びを
改善することを希望したとしても、ブリッジが平均して8年程度もたないこと
など、ブリッジによる治療方法の利害得失と、代替え手段である歯科矯正治療
の利害得失を説明するべき。
抜髄の多くが他の歯科医師による感染根管治療に至った事案では、数百万円
の和解となったことがある。
(3)
インプラント
一般に広く普及していない材料及び手法を用いてインプラント処置を実施す
るのであれば、その方法及び予後に関する情報の提供を受けて、患者は、その
歯科医師による施術を受けるのか、他の医師による施術を受けるのかを、考慮
できるようにするべきであった。
インプラント治療に関する法律相談は、当事務所では月1件程度あり、相当
に多い。
早期離脱の事案(それほど多くない)では、ほとんど、治療費+通院慰謝料程
度で和解。
神経麻痺事案(それほど多くない。下顎5,6付近に埋入した場合の下顎管
損傷によるオトガイ神経麻痺等)は、数百万円の和解に至ることが多い。
インプラントの定着には成功したが、咀嚼や発声に不満(不定愁訴と評価さ
れることもある。)が残る事案。相談ケースは極めて多いが、患者側が救済さ
れることは困難。
インプラント治療への患者の期待が高すぎる場合。
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(本来は、施術前に、患者が高すぎる期待を持たないように説明するべき。)
インプラント周囲炎の発生。歯周病の程度等で問題の多い事案がある。
患者側としては、不具合との関係を立証することは困難。
診療録上、診療開始時期、プラーク除去の程度の記載と、インプラント埋入
手術実施時期等からみて、プラークコントロール不十分でインプラント埋入を
実施したと思われる事例もある。
まれに死亡事故。
(4)
歯科矯正
成人女性からの相談は非常に多い。
治療期間が5年以上に及ぶが治らない。ずっと、リテイナーを使い続けなけ
ればならない等が不満になる。
稀には、急速な歯根吸収等のトラブルもある。
しかし、成人に対する歯科矯正のガイドライン、標準的治療方法が裁判で立
証できるほどに明確とは言えないので、患者側の勝訴は困難。
(5) 咬合症(顎関節症)誘発
何らかの歯科処置(抜歯、義歯、クラウン、ブリッジ)後に重度の顎関節症が発生す
る例が見られる
一般的には、咬合症発生原因は歯科医学上不明確なので、過失、因果関係を立証する
ことは困難。また、ガイドラインも明確とは言えず、標準的治療方法が確定して
いるとは言えない
しかし、中には、数ミリ以上根拠なく(咬合調整と称していることがある)歯を削っ
ている事例等、信じられないほど不適切な医療行為が実施されている事例もある。
(6) 偶発事故
義歯による気道閉塞等
タービンで口腔底に穴を開ける
フッ化水素水を口腔内塗布
アルゼンによる顎骨壊死等
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昀近の問題
(1)
デンタルローン
割賦販売法の平成21年改正で、医療分野も抗弁の接続(販売店へのクレー
ムを理由にローンの支払いを拒むこと)が認められた。
(割賦販売法29条の4第2項(ローン提携販売
他社割賦)、同法30条の
4(包括信用購入あっせん。いわゆるクレジット))。
クレームが多いと、信販会社からデンタルローンを止められることになる。
(2)
医療者側からの提訴
医療者側から、内容証明郵便を送って窓口を弁護士に限定する、医療過誤に
基づく損害賠償義務不存在確認の調停、訴訟が提起されている例が、散見され
る。
理不尽なクレームに対しては、有効な手段。
しかし、医療者側が説明を尽くしていないで、患者をクレーマーとして扱って
いると思われる例に遭遇したこともある。
(3)
患者からの医療不正請求の追求
保険請求書の開示を求めて、領収書と照合し、行っていないと思われる治療
を指摘する人もいる。
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歯科における説明義務の特徴
現実には、不適切な結果が生じていても、施術上の過失を、
ガイドライン、標準的治療方法が不明確なこと
治療経過についての客観的明確な証拠がないこと、
等から患者側が立証できないことが多い。
ただし、レントゲン、模型等から、治療結果の不具合が明確に立証できる場合、
結果から見て、何らかのミスが推定できることもある。
例
エンドでのパーフォレーション。根管充填不十分。
過度な咬合調整等。
そこで、説明をしたか(不都合な結果発生の可能性を告知したか)という過程
を通らせることで、不適切な結果に関する責任を医療者側に発生させていると、
考えている。
5の例では
(1)では、神経麻痺という結果に関する説明
7
不適切な器具操作や舌側への浸潤麻酔の説明等
(2)では、ブリッジ除去、抜歯という結果に関する説明 歯科矯正の利害得失の説明等 (3)では、早期脱離、感染症発生という結果に関する説明 感染の危険、形成中の加熱の危険の説明 インプラントの噛み心地の説明等 8
相当因果関係
過失行為がなかったのなら、悪い結果が発生しなかったことの、
高度の蓋然性
が立証できないため、過失行為と悪い結果との間の相当因果関係が認められな
いことも多い。
裁判上の相当因果関係は、科学的な意味とは異なる。
医療者の積極的なミスがある場合は、原因なければ結果なしといえるので、
因果関係は認定されやすい。
これに対して、不作為型、何かするべきところ何かをしなかったので、悪い
結果を生じた、という場合、
過去に何かを実施していればという、仮定的な議論に過ぎないので、不作為に
よる過失は認定されにくい傾向にある。
高度の蓋然性が立証できなくても(7,8割)、
相当程度の可能性
(半々程度か)が認められ、結果の一部との相当因果関係が認められることも
ある。
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損害額の算定
交通事故に準じる。後遺障害認定等。
しかし、身体損害についての本来的な算定基準はないので、根本的には、過
去の積み重ね以外の根拠は不明の算定であると言わざるを得ない。
特に慰謝料の算定基準の根拠はない。
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当方が考える情報提供
(1)
カルテ・レセプトの開示
レントゲン、検査結果を含め当然
8
実費は患者負担か。
(2)
代替え的手段の利害得失を含めた情報提供
実際に行おうとする手段だけでなく、代替え手段の利害得失も説明してくだ
さい。
例えば、部分床義歯、ブリッジ、インプラント
補綴物の材質
審美歯科、矯正など、生存のために不可欠とは言えない医療行為については、
説明義務が重くなると主張しています。
(3)
情報提供の記録化
定型的な説明書面の活用と署名を求める。
抜歯のための説明書面等
(4)
保険診療の範囲の問題
保険診療外の治療法の積極的勧誘まで許されるのかの問題は残る。
例えば、拡大鏡を使用する私費のエンド専門医に対する紹介。
(5)
患者側の理解力の問題
患者の理解力は様々なので、どのようなレベルで説明するか問題。
(6)
標準的説明の作成
専門家団体である歯科医師会が中心となるべき課題では。
前提として、標準的治療方法、ガイドラインの作成が必要。
(7)
歯科医の一部のとんでもない治療
実験的ともいうべき治療を行っている歯科医がいる。
六本木美容歯科等(上記5(2))
(抜髄処置して、上顎前歯部に長いブリッジを入れる。「クウィック矯正」)
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裁判に現れる説明義務
(1)
前提として、法律的位置づけ
医療契約(準委任契約)に基づく債務不履行責任
不法行為責任。不法行為を起こさない注意義務としての説明義務。
(2)
療養指導としての説明
以下の判例は、判例タイムズ1178号(2005年7月10日号)185
頁に記載されているものです。
①
大阪高判S59.12.20
判例タイムズ549号305頁
未熟児網膜症による失明事故につき、医療水準に照らし医師の診療上の
債務不履行がないとし、転送の説明義務違反による責任を否定した事例。
9
②
東京地判H4.7.8
判例時報1468号116頁
妊娠初期に風疹に罹患した妊婦の子が先天性風疹症候群に罹患して出生
する可能性は、治療当時の医療の到達点からどの程度なのか正確に伝える
べきとされた事例。
③
東京地判H15.4.25
判例タイムズ1131号285頁
遺伝性難病患者の両親に、同じく遺伝性の難病に罹患した子どもが出生
する危険性の説明を怠り賠償が命じられた事例。
④
大阪地判H10.9.22
判例タイムズ1027号230頁
内視鏡的ポリペクトミー後の療養指導が適切でなかったとされた事例。
⑤
東京高判H10.9.30
判例タイムズ1004号214頁
慢性肝炎の患者が肝がんで死亡したことにつき、肝がんに進展しやすい
肝硬変と疑いながら漫然と慢性肝炎の治療を続け、適切な医療を受ける機
会及びがん発生を遅らせる可能性を喪失したとして医師の過失と慰謝料
を認めた事例。
⑥
東京地判H13.7.5
判例タイムズ1089号228頁
美容整形外科手術において医師の患者に対する説明義務違反はないと判
断されたが、術後の包帯の巻き方等について指導・説明義務違反が認定さ
れた事例。
(3)
患者の承諾を得るための説明(患者の自己決定権)
昀も問題となるもの。
経済学でいう情報の非対称の是正等。
①
東京地判H2.3.12
判例時報1371号96頁
患者の承諾を得るために説明すべき範囲については、患者側が特に説明
を求めるということでない限り、通常の医師が通常の患者になす説明でよ
いとした事例。
②
東京高判H3.11.21
判例タイムズ779号227頁
人工股関節置換手術についての説明の程度・方法は、医師の合理的裁量
に委ねられるとした事例。
③
大阪地判H7.10.26
判例タイムズ908号238頁
患者に対する説明は、具体的かつ平易に行われるべきであるとした事例。
④
東京地判H15.3.14
判例タイムズ1141号207頁
説明は患者が選択をするために与えられるのであるから、心理的な強制
があってはならないとした事例。
⑤
昀判H13.11.27
判例タイムズ1079号198頁
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乳癌の手術方法の選択に関して、未確立の療法であっても相当数の実施
例があり医師間で積極的な評価がされているものについては、患者に当該
療法の適応可能性があり強い関心を示していると医師が知った場合にお
いて、知っている範囲でその療法の説明すべき義務があるとした事例。
⑥
昀判H7.4.25
判例タイムズ877号171頁
胆のう癌の疑いを患者に説明しなかった場合に、診療当時癌は異なる病
名を告げるのが一般的で、事案においても異なる病名で入院させ検査しよ
うとしたのはやむを得ない措置であり、家族への説明についても診療経過
から問題はないとし医師の責任を否定した事例。
⑦
昀判H14.9.24
判例タイムズ1106号87頁
患者が末期的疾患に罹患し余命が限られている診断をした医師は、患者
本人に告知しない場合、診断結果の重大性に照らし、診療契約の付随義務
として患者家族等と家族への告知の適否を検討し、告知が適当であると判
断できたときには、診断結果等を家族等に説明すべきとした事例。
⑧
福岡高判H14.9.27
訴訟月報49巻6号1666頁
子宮癌の診断を受けた患者の手術方法につき、患者の年齢が妊娠可能だ
った場合、患者が子宮温存の意向を持っているか確かめるべきであったと
した事例。
(4)
治療後の説明
①
広島地判H4.12.21
判例タイムズ814号202頁
死亡の経過及び原因の説明
②
甲府地判H16.1.20
判例タイムズ1848号119頁
診療録の改ざんや偽証工作の事例(出産に関する事案)
遺族からの説明の求めにもかかわらず診療録の改ざんや偽証工作を行ったこ
とをきわめて悪質な不法行為として高額(1500万円)の慰謝料を認めた。
以
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上