邦銀の海外ビジネスと課題

金融市場パネル 5周年記念コンファレンス
パネルディスカッション : 「東南アジアの金融ビジネス」 - 日本の銀行のフロンティア
邦銀の海外ビジネスと課題
格付投資情報センター(R&I)
格付本部
チーフアナリスト
久保 太郎
本資料の意見等は作成者の個人的見解であり、所属する組織の公式見解ではない。
資料中の誤り、表現についてはすべて作成者の責任に帰する。
ASEANにおける中間層の拡大
億人
4.5
4.0
3.5
3.0
2.5
2.0
1.5
1.0
0.5
0.0
1990
1995
2000
インドネシア
2005
タイ
ベトナム
2010
マレーシア
2015(E)
2020(E)
フィリピン
2
出所)Euromonitor International 2011
日系企業のASEANシフト
日系海外現地法人の新規設立・資本参加の地域別割合
100%
90%
80%
70%
60%
50%
40%
0%
30%
20%
10%
0%
2002
2003
2004
2005
北米
中国
2006
ASEAN4
2007
NIEs3
2008
その他アジア
2009
欧州
2010
2011
2012
その他
3
出所)経済産業省 「海外事業活動基本調査」 ASEAN4:マレーシア、タイ、インドネシア、フィリピン
ASEANビジネスの成長
日系海外現地法人の売上高の地域別割合
(%、兆円)
100%
90%
80%
70%
60%
18.9
16.0
18.7
21.3
25.2
22.7
2004
2005
2006
2007
2008
50%
24.3
22.9
29.4
2010
2011
2012
40%
30%
20%
10%
0%
北米
中国
ASEAN4
NIEs3
その他アジア
2009
欧州
その他
4
出所)経済産業省 「海外事業活動基本調査」
2
2001Q1
2001Q2
2
2001Q3
2
2001Q4
2
2002Q1
2
2002Q2
2
2002Q3
2
2002Q4
2
2003Q1
2
2003Q2
2
2003Q3
2
2003Q4
2
2004Q1
2
2004Q2
2
2004Q3
2
2004Q4
2
2005Q1
2
2005Q2
2
2005Q3
2
2005Q4
2
2006Q1
2
2006Q2
2
2006Q3
2
2006Q4
2
2007Q1
2
2007Q2
2
2007Q3
2
2007Q4
2
2008Q1
2
2008Q2
2
2008Q3
2
2008Q4
2
2009Q1
2
2009Q2
2
2009Q3
2
2009Q4
2
2010Q1
2
2010Q2
2
2010Q3
2
2010Q4
2
2011Q1
2
2011Q2
2
2011Q3
2
2011Q4
2
2012Q1
2
2012Q2
2
2012Q3
2
2012Q4
2
2013Q1
2
2013Q2
2
2013Q3
2
2013Q4
2
ASEAN域内でのビジネス拡大
ASEAN4における日系海外現地法人の売上高とその地域別割合
100%
60,000
90%
80%
50,000
70%
40,000
60%
50%
30,000
40%
30%
20,000
20%
10,000
10%
0%
0
うち自国内向け
出所)経済産業省 「海外現地法人四半期調査」
うち日本国向け
うち第三国向け
売上高(右軸、100万ドル)
5
日本のメガバンクの
アジアビジネス
三菱東京UFJ銀行連結(除く BAY)のアジアでの業務粗利益とその構成
三菱東京UFJ銀行連結(除く、BAY)のアジアでの業務粗利益とその構成
100%
1200
90%
1000
80%
70%
800
60%
50%
600
40%
400
30%
20%
200
10%
0%
0
2009 2H
2009 2H
貸出収益
2010 1H
2010 1H
預金収益
2010 2H
2010 2H
手数料収益
2011 1H
2011 1H
外為収益
2011 2H
2011 2H
CIB収益
2012 1H
2012 1H
日系比率
2012 2H
2012 2H
非日系比率
2013 1H
2013 1H
2013 2H
2013 2H
アジア対顧客業務粗利益(右軸、億円)
6
出所)MUFG開示資料、為替レート:業務計画レート($1=83円、他)
グローバルバンクの
アジアビジネス
HSBCのアジアビジネスにおける国別ビジネスライン別の利益構成
(税前利益、2011‐2013年の平均)
100%
80%
60%
40%
20%
0%
香港
中国
台湾
シンガポール
マレーシア
インドネシア
ベトナム
インド
オーストラリア
その他
‐20%
20%
リテールバンキング&ウェルスマネジメント
コマーシャルバンキング
グローバルバンキング&マーケッツ
グローバルプライベートバンキング
その他
7
出所)HSBC アニュアルレポート
海外ビジネスの潮流と課題
 アジアにおける市場拡大の恩恵を享受

日本企業のグローバル展開とアジア域内の商流拡大を捕捉し、トレードファイナンス/トランザクション業務などプロダクツ提供力を強化
 脱・貸し出し依存モデルへの挑戦


リーマン・ショック後、グローバル企業やアジア財閥企業などのコアバンク化には一定の進展も、コアバンクとなる顧客数の拡大に課題
リ
ン ショック後、グ
ル企業やアジア財閥企業などの ア ンク化には 定の進展も、 ア ンクとなる顧客数の拡大に課題
CIBモデルの展開・強化(海外DCM、金利・為替のセールス&トレーディング、日本・アジア起点のクロスボーダーM&A、CMS)
 ASEANを中心とした、アジアにおけるマルチナショナルでのフルバンキング展開へ






中間層の飛躍的拡大や日系企業が絡むアジア域内での商流拡大など、邦銀がフルバンキングを展開する素地が醸成されつつある
一方、ASEANにおける経済統合の流れの中でも、金融市場が完全に統合されるわけではなく、各国の市場規模がまだ小さいという制約
ASEANにおける外資規制緩和、一部国有銀行売却の方向性
サプライチェーン・ファイナンスを切り口に日系企業と取引のある地場有力中堅企業との取引を開始、親密な異業種との連携も重要に
個人・SMEを対象としたリテールバンキングをアジアで展開する前提として、日本におけるリテールバンキングのモデルを磨くことも重要
ASEAN各国への貢献(インフラ整備へのファイナンス提供 アジアDCM発展への関与 各国で異なる金融システムの課題への貢献)
ASEAN各国への貢献(インフラ整備へのファイナンス提供、アジアDCM発展への関与、各国で異なる金融システムの課題への貢献)
 ドルの調達力強化に向けた顧客預金の増強、グローバル展開を支える米国戦略の重要性
 グローバル展開や買収戦略におけるオペレーティング・モデルのあり方
 グローバル人材や優秀なナショナルスタッフの確保・育成、ガバナンスのあり方
 日本ソブリンの問題への適切な対応で母国市場で安定したフランチャイズを保つ事が前提
8
ディスクレーマー
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R&Iが信用格付を行うに際して用いた情報は、R&Iがその裁量により信頼できると判断したものではあるものの、R&Iは、これらの情報の正確性等について独自に検証しているわけではありま
R&Iが信用格付を行うに際し
用 た情報は R&Iがそ 裁量により信頼 きると判断したも
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R&Iは れら 情報 正確性等に
独自に検証し
るわけ はありま
せん。R&Iは、これらの情報の正確性、適時性、網羅性、完全性、商品性、及び特定目的への適合性その他一切の事項について、明示・黙示を問わず、何ら表明又は保証をするものではあり
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