音楽科学習指導案 指導者 大阪市立四貫島小学校 硯 阿哉子 1.日 時 平成22年11月10日(水) 第5時限(13:45~14:30) 2.場 所 大阪市立四貫島小学校 音楽室 3.学 年 第4学年1組(23名) 4.題 材 曲想の変化を感じ取ろう 5.教 材 「ノルウェー舞曲 第二番 イ長調」グリーグ 作曲 「陽気な船長」 市川都志春 作曲 6.指導目標 ◎ 曲想の変化を感じ取り、表現活動を通して楽曲全体を味わうことができる。 ○ 曲想の変化に関心をもち、意欲的に表現することができる。 7.指導について 本学級の児童は 1 年生からずっと単学級で学校生活を過ごしてきている。そのため、互いのことをよく知っ ており、友達とのつながりも深い。音楽の学習では、大きな声で生き生きと歌ったり、合奏では休み時間も自 主的に練習したりするなど、意欲的に楽しく学習に取り組むことができる。その一方で、自分の思いや考えを 積極的に主張することはできるが、友達の意見を聞いたり、互いの考えを認め、みんなで高め合っていったり する態度はまだ十分育っていない。そこで、2 学期からはグループ活動を学習に取り入れる機会を増やし、ワ ークシートを使うなどして、グループで意見を交換し話し合いをしながら課題に取り組ませた。その結果、少 しずつではあるが互いの意見を取り入れながら協力して学習に取り組むようになってきた。今回もグループで 話し合って、自分たちの感じ取ったことを身体の動きや言葉で表現して交流しながら、音楽を聴く楽しさを味 わってほしい。 鑑賞教材「ノルウェー舞曲 第二番 イ長調」は、4つの舞曲からなる「ノルウェー舞曲」のうちの一つで、 旋律がとてもなじみやすく、一度聴けば口ずさんでしまうほど分かりやすい。また、この楽曲は A-B-A の三部 形式になっている。A の最初の部分はゆったりとした長調ではじまり、B の中間部では、急に短調になり、テ ンポが速く、音の大きさも大きく変化し、そしてまた、A のゆったりとした長調になるという構成になってい る。速度、強弱など音楽を形づくっている要素によって、曲想が劇的に変化するので、曲想の変化をとらえや すい曲である。 指導にあたっては、まず第 1 時では、くり返し聴いて音楽に触れ、体を動かすことで、三部形式に気付かせ たい。また、A-B-A のそれぞれがどんな感じかを話し合うことで、3つの場面の曲想の違いを感じ取り、グル ープで曲に合う「タイトル」を考えさせる。第 2 時では、タイトルをもとに、3つの場面の曲想に合う動きを グループで考えさせる。第 3 時では、グループでつくった動きを発表し合い、相互交流を行うことで、曲想を 変化させている構成要素に気付かせる。第 4 時では、一人一人が、この曲を紹介するワークシートを書かせる ことで、楽曲全体を味わい、感じ取ったことをふり返らせる。 器楽教材「陽気な船長」は、跳躍音程による歯切れのよい旋律と、順次進行によるなめらかな感じの旋律と が対照をつくり出している曲である。A-B-A の三部形式になっていて、A のハ長調に対し、B はト長調に転調 している。曲想の違いを感じ取って、リコーダーで表現を工夫するのに適した教材である。タンギングを生か した短い音は、息のスピードをコントロールすることが難しいので、初めはゆっくりとした速度から練習させ たい。 8.評価の規準 ア 音楽への 関心・意欲・態度 題材の評価規準 イ 音楽的な ウ 表現の技能 エ 鑑賞の能力 感受や表現の工夫 曲想の変化に関心 音楽を形づくって 旋律の特徴を生か 曲想の変化を感じ をもち、意欲的に表 いる要素に気付き、 して、器楽で表現す 取って、楽曲全体 学習活動における 具体の評価規準 現しようとしてい 曲想の変化を感じ ることができる。 を味わい、表現す る。 ることができる。 取ることができる。 ① 音楽に合わせて ① 曲想の変化を感 ① レガートやスタ ① 曲想の変化を 意欲的に身体を じ取っている。 ッカートなどの 感じ取って、楽 動かしている。 ② 音楽を形づくっ 表現に気を付け 曲全体を味わ ② 曲想の変化を、 ている要素を聴 て演奏してい い、身体の動き 表現しようとし き取っている。 る。 や言葉で表現 ② 旋律の特徴を生 ている。 している。 かして演奏して いる。 9.指導計画( 全4時間 本時 第3/4 ) 第 1 時 ねらい 第 2 時 第 3 時 第 4 時 曲想の変化に気付き 曲想の変化に合う身 曲想を変化させてい 楽曲全体を味わい その違いを感じ取 体の動き、演奏方法 る構成要素に気付 表現する。 る。 教 材 を考える。 く。 「ノルウェー舞曲 第二番 イ長調」 「陽気な船長」 学習内容 ・身体を動かして繰 ・グループで曲想に ・グループで作った ・曲を紹介するワー り返し聴き、曲に 合う身体の動きを 身体の動きを発表 クシートを書き、 親しむ。 考える。 し、相互交流する。 楽曲全体を味わ ・三部形式に気付き ・イメージに合った 曲想の変化を感じ 取る。 ・グループで曲のイ 演奏を工夫する。 ・二重奏の響きを楽 しむ。 ・曲想を変化させて う。 いる構成要素に気 ・グループごとに工 付く。 ・旋律の特徴を生か メージについて共 した演奏を工夫す 通理解を図る。 る。 夫した演奏を発 表し合う。 ・主旋律の演奏に慣 れる。 評価規準 ア① ア② イ② イ① ウ① ウ② エ① 10.本時の学習 (1)目標 曲想を変化させている構成要素に気付く。 (2)展開 学習活動 教師の支援(☆)と具体の評価規準(★) 1. 学習の意欲を高める。 ・ 既習曲を楽しく歌う。 ☆リズムにのって、のびのびと歌えるようにする。 ・ 「陽気な船長」をイメージに合わせて演奏する。 ★旋律の特徴を生かして演奏している。 (ウ②) 【演奏 中の様子の観察】 2. 本時の課題をつかむ。 曲想の変化を感じ取ろう ☆各グループで考えた動きを見て、曲想の変化をどの ように表現しているかに気付くことができるよう にする。 ・ 曲想を変化させているひみつを見つけよう 3.グループでつくった動きを発表する。 ・ 曲想の変化を意識して表現する。 ★曲想の変化を、表現しようとしている。 (ア②) 【活動中の様子の観察】 ・ 見たイメージを言葉や絵で表す。 ☆変化が明確なグループの動きを見て、ワークシート に記入していくようにする。 4.曲想を変化させている構成要素に気付く。 ・ ワークシートに書いたことを話し合う。 ☆交流したことは、言葉だけでなく、その都度音楽を 聴いて確認し、全員で共有できるようにする。 ・ 全曲を聴いて、 「速さ」と「強弱」の変化につ ☆感じ取ったイメージと関連づけることができるよ いてまとめる。 うにする。 ★音楽を形づくっている要素を聴き取っている。 (イ②) 【ワークシートの記述や発表】
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