直前対策問題集 (学科試験編)

学科(解答・解説)
2級FP技能検定(兼AFP資格審査)試験
直前対策問題集
(学科試験編)
-解答・解説-
-山田コンサルティンググループ-
株式会社東京ファイナンシャルプランナーズ
CFP ® 、 CERTIFIED FINANCIAL PLANNER ® 、 サ ー テ ィ フ ァ イ ド フ ァ イ ナ ン シ ャ ル プ ラ ン ナ ー ®
は 、 米 国 外 に お い て は Financial Planning Standards Board Ltd.( FPSB) の 登 録 商 標 で 、
FPSB と の ラ イ セ ン ス 契 約 の 下 に 、 日 本 国 内 に お い て は NPO 法 人 日 本 FP 協 会 が 商 標 の 使 用
を認めています。
2級直前対策-学科(解答・解説)-H24①
ライフプランニングと資金計画
問題1.正解/2
1.誤り。税金に関する顧客からの個別具体的な相談に回答することは、有償・無償にか
かわらず「業として行う税務相談」にあたるため、税理士の資格を保有していないF
Pが行うことはできない。
2.正しい。なお、生命保険会社への規制として、登録された自社の保険募集人以外の者
への募集委託などを禁止している。
3 . 誤 り 。 投資判断を一任されて自らの調査・分析に基づいて顧客のために投資を行うなどの
投資運用業を行うためには、金融商品取引法の規定により登録を受けなければならな
い。また、投資顧問契約に基づき助言を行うこと、および投資顧問契約の締結を代理
または媒介することなどの投資助言・代理業においても、同様の登録が必要である。
4.誤り。弁護士でない者が単独で具体的な法律判断を下すことは、非弁護士による「一
般の法律事務」の取扱い等の禁止規定に抵触するおそれがあるため、弁護士でないF
Pが単独で行うことはできない。
問題2.正解/3
1.不適切。可処分所得とは、年収から所得税・住民税・社会保険料を差し引いた後の、
顧客が使途を自ら決定できる金額のことである。財形貯蓄や生命保険料は、個人が選
択できる支出であるため、可処分所得に含めるものである。
2.不適切。ライフイベント表に顧客と家族の年齢を記載する場合は、4月1日時点での
年 齢 ( 学 年 年 齢 ) で 記 入 す る 方 法 と 12 月 31 日 時 点 の 年 齢 ( 税 務 年 齢 ) で 記 入 す る 方
法などが考えられ、必ず年末時点の年齢でなければならないわけではない。なお、税
金の計算を考慮すれば年末時点の年齢を把握しておいたほうが便利であり、税額を適
切に反映させたキャッシュフロー表を作成するのであれば、ライフイベント表もキャ
ッシュフロー表にあわせて年末時点の年齢とするとよいといえる。
3.適切。
4.不適切。キャッシュフロー表に記載する将来の支出額の変動率は、全項目で一律であ
る必要はなく、実態にあわせて各項目ごとに設定するのがよい。なお、一般にライフ
イベント表は現在価値で記載、キャッシュフロー表は将来価値で記載するという記述
は正しい。
問題3.正解/2
1.誤り。国民健康保険の一般被保険者には被扶養者という概念がなく、加入する者全員
が年齢等に関わらず被保険者として加入する。なお、健康保険では、被保険者に扶養
されている一定の者は被扶養者として加入する。
2.正しい。なお、傷病手当金の支給額は、1日につき標準報酬日額の3分の2相当額で
ある。
3.誤り。保険診療を受けた場合の治療にかかる費用の自己負担割合は、医療保険制度共
通 で 、小 学 校 就 学 前 は 2 割 、小 学 校 就 学 後 70 歳 未 満 は 3 割 、70 歳 以 上 75 歳 未 満 は 原
則として1割(一定の高所得者は3割)である。
4.誤り。自己負担の限度額は、負担能力に応じて3種類となる。具体的には、所得また
は 標 準 報 酬 月 額 に 応 じ て 低 所 得 者・ 一 般・上 位 と 3 区 分 さ れ て い る 。た と え ば 、70 歳
未満の者の場合、低所得者については一定額、一般または上位に区分された者につい
ては医療費総額から所定の計算式によって自己負担の限度額が算出される。
問題4.正解/4
1.正しい。
2.正しい。中小企業の社長・役員、および個人タクシー業者やとび職等の一人親方等は、
2級直前対策-学科(解答・解説)-H24①
労災保険に特別加入することができる。
3.正しい。なお、通勤災害により受ける給付について、名称に「補償」は入らない。
4.誤り。労災保険料は、全額事業主が負担し、労働者の負担はない。
問題5.正解/3
1 . 正 し い 。 た と え ば 、 自 営 業 者 や 20 歳 以 上 の 学 生 な ど が 該 当 す る 。
2 . 正 し い 。 な お 、 例 外 が あ り 、 た と え ば 65 歳 以 上 の 会 社 員 で す で に 老 齢 基 礎 年 金 ・ 老 齢
厚 生 年 金 の 受 給 権 を 有 す る 者 は 、厚 生 年 金 保 険 に は 加 入 す る が 、国 民 年 金 第 2 号 被 保 険
者にはならない。
3.誤り。国民年金第3号被保険者に該当することをその配偶者である第2号被保険者の
勤務先に届け出ることで、第2号被保険者の勤務先が配偶者の第3号被保険者の手続
を行うことになっている。未届出期間は国民年金未加入期間となり、加入期間が短け
れば将来の年金が受け取れない、あるいは減少してしまうため、もれのないように手
続を行う必要がある。なお、第3号被保険者の要件についての記述は正しい。
4 .正 し い 。60 歳 以 上 65 歳 未 満 の 者 や 、日 本 国 内 に 住 所 は 無 い が 日 本 国 籍 を 有 す る 20 歳
以 上 65 歳 未 満 の 者 は 、 国 民 年 金 に 任 意 加 入 す る こ と が で き る 。 な お 、 65 歳 時 点 で 受
給 資 格 期 間 を 満 た さ な い た め に 老 齢 年 金 を 受 給 で き な い 者 で 昭 和 40 年 4 月 1 日 以 前
生 ま れ の 者 は 、 70 歳 ま で 任 意 加 入 で き る 。
問題6.正解/1
1 . 誤 り 。 受 給 資 格 期 間 は 、 原 則 と し て 25 年 以 上 あ る こ と が 必 要 で あ る が 、 い く つ か 特 例
が 設 け ら れ て い る 。生 年 月 日 や 被 用 者 年 金 制 度 へ の 加 入 期 間 、ま た 中 高 齢 で の 厚 生 年 金
加 入 期 間 等 の 条 件 を 満 た し て い る 場 合 に は 、25 年 な く て も 老 齢 基 礎 年 金 を 受 給 で き る 。
2.正しい。合算対象期間は、老齢基礎年金の受給資格期間となるが、老齢基礎年金の額
に は 全 く 反 映 さ れ な い 。な お 、合 算 対 象 期 間 の 代 表 的 な も の と し て 、昭 和 36 年 4 月 ~
昭 和 61 年 3 月 の 被 用 者 年 金 加 入 者 の 被 扶 養 配 偶 者 だ っ た 期 間 、 昭 和 36 年 4 月 ~ 平 成
3 年 3 月 の 学 生 だ っ た 期 間 、 第 2 号 被 保 険 者 期 間 の う ち 20 歳 未 満 お よ び 60 歳 以 上 の
期間などがある。
3 .正 し い 。65 歳 か ら 受 け 取 る 老 齢 厚 生 年 金 は 、老 齢 基 礎 年 金 の 受 給 資 格 期 間 を 満 た し て
いること、すなわち、保険料納付済期間、保険料免除期間、合算対象期間をあわせて
原 則 と し て 25 年 以 上 あ る こ と 、か つ 厚 生 年 金 被 保 険 者 期 間 が 1 ヵ 月 以 上 あ っ た 場 合 に
支給される。
4 .正 し い 。60 歳 台 前 半 の 老 齢 厚 生 年 金 は 、生 年 月 日 と 性 別 に よ っ て 支 給 開 始 年 齢 が 異 な
る。支給開始の引上げスケジュールでは、男性と女性の生年月日が異なる(女性は男
性の生年月日より5年遅い)点に注意。なお、共済年金の支給開始の引上げスケジュ
ールは、男女同一で厚生年金における男性のスケジュールと同じである点についても
確認しておくこと。
問題7.正解/3
1.不適切。国民年金基金に加入できるのは、国民年金の第1号被保険者のみである。た
だし、第1号被保険者であっても、国民年金の保険料を全額納付していない保険料免
除 者 や 保 険 料 滞 納 者 、付 加 保 険 料 を 納 付 し て い る 者 は 、国 民 年 金 基 金 に 加 入 で き な い 。
2 . 不 適 切 。 国 民 年 金 基 金 の 掛 金 の 限 度 額 は 、 原 則 と し て 月 額 68,000 円 で 、 個 人 型 確 定 拠
出 年 金 に も 加 入 し て い る 場 合 は 、 両 方 の 掛 金 を 合 算 し て 月 額 68,000 円 で あ る 。
3.適切。
4 . 不 適 切 。 小 規 模 企 業 共 済 の 掛 金 は 、 月 額 1,000 円 ~ 70,000 円 の 範 囲 ( 500 円 刻 み ) で
加入者が任意に設定できる。
3
2級直前対策-学科-1701
問題8.正解/3
教育一般貸付
融資機関
日本政策金融公庫
年収要件
あり
最長返済期間
原 則 15 年
融資限度額
学 生 ・ 生 徒 1 人 あ た り 300 万 円
保証
(公財)教育資金融資保証基金または連帯保証人
問題9.正解/3
1.誤り。企業型確定拠出年金において企業が拠出する掛金は、その全額が損金として認
められる。
2.誤り。従業員負担分の税金の取扱いは、企業年金制度により異なる。社会保険料控除
が適用されるのは、厚生年金基金のみである。
3.正しい。なお、退職時に一時金で受け取る場合は、退職所得として課税される。
4.誤り。確定拠出年金の年金資産(個人別管理資産)の運用期間中の運用益は、非課税
となっている。
問 題 10. 正 解 / 1
1 . 不 適 切 。「 フ ラ ッ ト 35」 の 金 利 は 、 融 資 実 行 時 の も の が 適 用 さ れ る 。
2.適切。
3.適切。元利均等返済と元金均等返済と同条件で比較すると、元金均等返済のほうが返
済開始当初の返済額は多くなるが、一方で元金部分は早く減少するため、総返済額は
元利均等返済の住宅ローンよりも少なくなる。
4.適切。民間住宅ローンは、一般的に公的住宅ローンに比べ物件に対する基準が緩く、
建築基準法等の要件を満たしていればほとんどの物件で利用できる。
4
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リスク管理
問 題 11. 正 解 / 1
1 .適 切 。生 命 保 険 契 約 者 保 護 機 構 は 、原 則 と し て 、日 本 国 内 に お け る 元 受 保 険 契 約( 運 用
実 績 連 動 型 保 険 契 約 の 特 定 特 別 勘 定 に 係 る 部 分 を 除 く )を 対 象 と し て 、高 予 定 利 率 契 約
を 除 き 、 破 綻 時 点 の 責 任 準 備 金 の 90% を 補 償 す る 。 高 予 定 利 率 契 約 に 該 当 す る 保 険 契
約 の 補 償 割 合 は 、 90% か ら さ ら に 引 き 下 げ ら れ 、 90% を 下 回 る ( 一 定 の 算 式 に よ る )。
2 . 不 適 切 。 自 動 車 保 険 ( 任 意 保 険 ) の 保 険 金 は 、 破 綻 後 3 ヵ 月 間 は 100% 、 3 ヵ 月 経 過
後 は 80% が 補 償 さ れ る 。 な お 、 自 賠 責 保 険 の 保 険 金 は 、( 破 綻 後 3 ヵ 月 間 、 3 ヵ 月 経
過 後 を 問 わ ず ) 100% が 補 償 さ れ る 。
3 . 不 適 切 。 家 計 地 震 保 険 の 保 険 金 は 、( 破 綻 後 3 ヵ 月 間 、 3 ヵ 月 経 過 後 を 問 わ ず ) 100%
が補償される。
4.不適切。少額短期保険業者の取り扱う保険契約は、生命保険契約者保護機構・損害保
険契約者保護機構の補償対象とならない。
問 題 12. 正 解 / 1
1.誤り。生命保険会社の営業所等を自ら訪問して、契約の申込みをした場合については、
従 来 は ク ー リ ン グ ・ オ フ の 対 象 外 と な っ て い た が 、 平 成 19 年 6 月 の 保 険 業 法 施 行 令 等
の 改 正 に よ り 、「 生 命 保 険 会 社 の 営 業 所 等 を 訪 問 し て 契 約 の 申 込 み を し た 場 合 で あ っ て
も 、事 前 に 訪 問 日 を 連 絡 し た 上 で 訪 問 し 、事 前 連 絡 の 際 ま た は 訪 問 し た 際 に 、訪 問 の 目
的 が 契 約 の 申 込 み を す る た め で あ る こ と を 伝 え た 場 合 で な け れ ば( つ ま り 、他 の 手 続 が
目 的 で 訪 問 し た 場 合 は )、 ク ー リ ン グ ・ オ フ が で き る 」 こ と と な っ て い る 。
2.正しい。生命保険会社が契約の引受を承諾するか否かを決定するには通常多少の日時
を 要 す る が 、 そ の 結 果 引 受 を 承 諾 し た 場 合 に は 、「 申 込 み 」「 診 査 ( 告 知 )」「 第 1 回 保
険料(充当金)の払込み」のすべてが完了した時点にさかのぼって保障(保険会社の
責 任 ) が 開 始 す る 。 し た が っ て 、 本 問 の 場 合 は 12 月 4 日 が 責 任 開 始 期 と な る 。( 注 )
実 際 に は 、「 診 査 ( 告 知 )」「 第 1 回 保 険 料 ( 充 当 金 ) の 払 込 み 」 に 先 だ っ て 「 申 込 み 」
を 行 う の で 、責 任 開 始 期 は「 診 査( 告 知 )」ま た は「 第 1 回 保 険 料( 充 当 金 )の 払 込 み 」
のいずれか遅いほうが完了した時点となる。
3.正しい。保険料の自動振替貸付は、その時点の解約返戻金の範囲内で保険会社が保険
料を立て替えて契約を有効に継続させる制度である。なお、自動振替貸付を受けた保
険料も、生命保険料控除の対象となる。
4 .正 し い 。払 済 保 険 ま た は 延 長 定 期 保 険 に 変 更 し た 場 合 、元 の 契 約 に 付 加 し て い た 各 種 特
約 は す べ て 消 滅 す る 。な お 、払 済 保 険・延 長 定 期 保 険 は い ず れ も 、保 険 料 の 払 込 み を 中
止 し て 、そ の 時 点 の 解 約 返 戻 金 を も と に 契 約 を 有 効 に 継 続 す る 方 法 で あ り 、払 済 保 険 で
は 保 険 金 額 は 小 さ く な る が 保 険 期 間 は 変 わ ら ず 、延 長 定 期 保 険 で は 保 険 期 間 は 通 常 短 く
なるが保険金額は変わらない。
問 題 13. 正 解 / 3
1.適切。収入保障保険は、死亡保険金が原則として分割で支払われる保険であり、一時
金で支払われる定期保険に比べて、保険料は安くなっている。なお、収入保障保険の
死亡保険金を一時金で受け取ることもできるが、その場合の一時金の額は年金受取総
額より少なくなる。
2.適切。逓減定期保険は、期間の経過にしたがって保険金額が一定割合で減少していく
保険であるが、保険料は保険期間中一定である。なお、逓増定期保険は、期間の経過
にしたがって保険金額が一定割合で増加していく保険であるが、こちらも保険料は保
険期間中一定である。
3.不適切。こども保険では、契約者(通常は親)が保険期間内に死亡・高度障害状態と
なったときは、以後の保険料払込が免除される(不要となる)のが一般的である。な
お、その場合も、進学時等の祝い金や満期保険金は契約どおりに支払われ、その他に
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2級直前対策-学科-1701
育英年金等が支払われる商品も多い。
4.適切。なお、変額個人年金保険は、年金受取開始前の死亡給付金も運用実績により変
動するが、死亡給付金については払込保険料相当額を最低保証する商品が一般的であ
る ( 死 亡 給 付 金 の 最 低 保 証 額 が 切 り 上 が っ て い く ラ チ ェ ッ ト 型 な ど も あ る )。
問 題 14. 正 解 / 2
1.不適切。医療保険の死亡保険金(保険会社により「死亡給付金」ということもある)
は 、 従 来 は 入 院 給 付 金 日 額 の 100 倍 と す る の が 一 般 的 で あ っ た が 、 近 年 は 多 様 化 し て
おり、死亡保険金を少なくしたりゼロにしたりすることによって保険料を安くする商
品もある。なお、医療保険は病気やケガで入院したときや所定の手術を受けたときに
給付金が支払われるという記述は適切である。
2 .適 切 。な お 、一 般 的 に 、ガ ン 以 外 を 原 因 と す る 場 合 の 死 亡 保 険 金( 保 険 会 社 に よ り「 死
亡 給 付 金 」と い う こ と も あ る )は 、ガ ン を 原 因 と す る 場 合 の 死 亡 保 険 金 よ り 少 額 で あ る 。
そ の 他 、ガ ン 保 険 の 特 徴 と し て 、一 般 的 に 入 院 給 付 金 の 支 払 日 数 に 限 度 が 設 け ら れ て い
な い こ と 等 が あ る 。( 注 ) ガ ン 保 険 は 、 ガ ン と 診 断 さ れ た と き や ガ ン で 入 院 ・ 手 術 を 受
け た と き な ど に 所 定 の 給 付 金 が 支 払 わ れ る「 定 額 払 い 」が 一 般 的 で あ る が 、入 院 中 の ガ
ン治療にかかった実費をカバーする「実損てん補型」も販売されている。
3.不適切。ガン保険は、免責期間中にガンと診断確定されると、契約は無効となる。
4.不適切。介護保障保険は、認知症または寝たきりで所定の要介護状態になった場合に
給付が受けられるが、給付基準には、公的介護保険の要介護認定に連動しているもの
と、保険会社独自の規定によるものがある。また、公的介護保険の加入年齢は第1号
被 保 険 者 が 65 歳 以 上 、第 2 号 被 保 険 者 が 40 歳 以 上 65 歳 未 満 で あ る が 、介 護 保 障 保 険
の加入年齢は各保険会社で規定している。
問 題 15. 正 解 / 3
1.不適切。生命保険(保険種類は問わない)の全期前納払いの保険料は、当該年分の支
払保険料相当額が毎年一般生命保険料控除の対象となる。
2.不適切。生命保険(保険種類は問わない)の一時払いの保険料は、支払保険料全額が
支払った年だけ(1回限り)一般生命保険料控除の対象となる。
3.適切。なお、変額個人年金保険の保険料は、一般生命保険料控除の要件を満たした場
合は一般生命保険料控除の対象となる。
4.不適切。自動振替貸付を受けて保険料に充当された金額についても、生命保険料控除
の対象となる。
問 題 16. 正 解 / 1
1.適切。一定期間の死亡保障を準備する際に、保険料負担の軽減を図る場合は、必要保
障額の減少に応じて保険金額が逓減する逓減定期保険や、死亡保険金を年金受取にす
ることで通常の定期保険より割安な保険料となる収入保障保険などが適切である。な
お、収入保障保険のうち〔歳満了タイプ〕は、逓減定期保険の死亡保険金を年金受取
に し た も の で あ り 、〔 確 定 タ イ プ 〕は 、通 常 の 定 期 保 険 の 死 亡 保 険 金 を 年 金 受 取 に し た
ものである。
2.不適切。外貨建て定額年金保険は、外貨ベースでの基本年金額は確定しているが、円
ベースでの基本年金額は確定していないため、受取時の為替相場によっては元本割れ
となる可能性もある。
3.不適切。変額終身保険(変額保険終身型)は、運用実績によって保険金額や解約返戻
金額が変動し、解約返戻金には最低保証はないが、死亡・高度障害保険金は契約時の
基本保険金額が最低保証されているため、解約を前提としない相続対策には活用する
ことができる。また、保険会社によっては通常の終身保険に比べて保険料が割安な商
品もあるので、相続対策(死亡保障)として変額終身保険の活用は有効な手段の1つ
である。
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4 .不 適 切 。代 償 分 割 は 、相 続 人 の 1 人 を 事 業 承 継 者 に す る 場 合 や 相 続 財 産 が 分 割 し に く い
も の で あ る 場 合 な ど 相 続 財 産 を 公 平 に 分 割 で き な い と き に 、相 続 分 を で き る だ け 公 平 に
す る た め の 方 法 の 1 つ で あ る 。代 償 分 割 に 生 命 保 険 を 活 用 す る 場 合 の 契 約 形 態 と し て は 、
契 約 者 お よ び 死 亡 保 険 金 受 取 人 を 長 男 、被 保 険 者 を 父( 被 相 続 人 )と す る こ と で 、相 続
財 産 を 増 や す こ と な く 、代 償 交 付 金 の 準 備 が で き る 。本 問 の 契 約 形 態 で は 、死 亡 保 険 金
は贈与税の課税対象となり、代償交付財産とはならないため、不適切である。
問 題 17. 正 解 / 3
1.適切。なお、住宅火災保険と普通火災保険の補償内容はほぼ同じであるが、それぞれ
住宅総合保険、店舗総合保険より補償範囲が狭く、盗難による損害や水災による損害
は補償されない。
2 . 適 切 。「 失 火 の 責 任 に 関 す る 法 律 」 で は 、 軽 過 失 に よ る 失 火 に よ り 隣 家 等 を 類 焼 さ せ た
場 合 は 、そ の 隣 家 等 に 対 す る 損 害 賠 償 責 任 を 免 れ る と 規 定 さ れ て い る が 、借 家 人 が 借 家
を 焼 失 さ せ た 場 合 の 家 主 に 対 す る 損 害 賠 償 責 任 を 免 れ る こ と は で き な い( つ ま り 、こ の
法 律 は 、 民 法 上 の 不 法 行 為 の み に 適 用 が あ り 、 債 務 不 履 行 に つ い て は 適 用 が な い )。 ま
た 、借 家 人 は 借 家 の 所 有 者 で は な い た め 、借 家 を 保 険 の 目 的 と し て 火 災 保 険 に 加 入 す る
ことはできず、問題文に記述の方法により火災保険に加入して備える。
3.不適切。地震保険は単独で加入することはできず、必ず火災保険(住宅火災保険、住
宅総合保険など)に付帯して加入する。なお、地震保険に加入できる建物は居住用建
物に限られるという記述は正しい。
4 .適 切 。主 契 約 の 火 災 保 険 に 付 帯 で き る 地 震 保 険 の 保 険 金 額 は 、主 契 約 の 保 険 金 額 の 30
~ 50% の 範 囲 内 で 、 建 物 は 5,000 万 円 、 家 財 は 1,000 万 円 を 限 度 と す る 。
問 題 18. 正 解 / 3
1.不適切。普通傷害保険は、病気については一部を除き補償対象外である。したがって、
スポーツ中に骨折などのケガをした場合のリスクに備えることはできるが、ストレス
で病気になった場合のリスクに備えることはできない。また、普通傷害保険は、被保
険者の職業・職務により保険料が異なる。
2.不適切。海外旅行傷害保険は、海外旅行の目的をもって自宅を出発してから帰宅する
までの傷害等を補償する保険であり、往路での飛行機等の交通機関へ搭乗するまでの
傷害等および復路での飛行機等の交通機関から降りて自宅へ着くまでの傷害等も補償
されるが、契約した保険期間内であっても自宅を出発する前および帰宅した後の期間
は補償対象とならない。なお、海外旅行傷害保険では細菌性食物中毒やウイルス性食
物中毒も補償され、地震・噴火・津波による傷害も特約なしで(基本契約で)補償さ
れる。
3.適切。火災保険は、建物と家財は別々に契約する。また、水災は住宅火災保険では補
償されないが、住宅総合保険では補償される。
4.不適切。個人賠償責任保険は飼い犬が散歩中に他人に噛み付いてケガをさせた場合の
賠償リスクに備えることができるという記述は適切であるが、個人賠償責任保険の被
保険者には、本人のほか、配偶者、本人または配偶者と生計を一にする同居の親族お
よび別居の未婚の子が含まれるので、大学生で他県に住む長男も被保険者となる。
問 題 19. 正 解 / 1
1.適切。従業員全員を被保険者とする傷害保険の保険料は、福利厚生費となるが、個人
事業主が被保険者である契約の保険料については、事業所得の必要経費に算入するこ
とはできない。
2.不適切。積立型損害保険の保険料は、積立保険料と補償保険料から構成されており、
個人事業主が事業に関連して積立型損害保険に加入した場合、支払保険料のうち補償
保険料部分については期間の経過に応じて必要経費に算入している。したがって、個
人 事 業 主 が 受 け 取 る 満 期 返 戻 金 が 一 時 所 得 と な る 場 合( 注 )、一 時 所 得 の 計 算 に お い て
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満 期 時 受 取 額( 満 期 返 戻 金 + 契 約 者 配 当 金 )か ら 控 除 す る の は 、「 積 立 保 険 料 総 額 」お
よ び 特 別 控 除 額( 最 高 50 万 円 )で あ る 。( 注 )金 融 類 似 商 品 と し て 20% 源 泉 分 離 課 税
の対象となる場合を除く。
3.不適切。法人が傷害保険から受け取った保険金は益金に算入し、見舞金等として支給
し た 額 を 損 金 に 算 入 す る 。支 給 額 の う ち 社 会 通 念 上 妥 当 な 金 額 は 福 利 厚 生 費 と な る が 、
そ れ を 超 え る 額 に つ い て は 賞 与 と な る ( 従 業 員 の 所 得 税 ・ 住 民 税 の 課 税 対 象 )。
4.不適切。法人が受け取った車両保険金は益金に算入するが、代替車両を取得した場合
は、一定要件を満たせば保険差益の圧縮記帳が認められる。
問 題 20. 正 解 / 1
1.適切。保険期間が長期の長期平準定期保険などでは、解約時期によってはある程度多
額の解約返戻金が支払われる場合もある。長期平準定期保険では、死亡保険金を役員
の死亡退職金・弔慰金および会社の事業保障資金に充当するとともに、解約返戻金を
役員の生存退職金に充当することができる。
2.不適切。終身保険では、死亡保険金を役員の死亡退職金・弔慰金および会社の事業保
障資金に充当するとともに、解約返戻金を役員の生存退職金に充当することができる
( 終 身 保 険 は 期 間 の 経 過 に 従 っ て 解 約 返 戻 金 が 増 え て い く た め )。な お 、終 身 保 険 契 約
を役員の勇退時に解約せず、契約者変更により退職金(の一部)として現物支給する
こともできる。
3 .不 適 切 。総 合 福 祉 団 体 定 期 保 険 は 、従 業 員 の 死 亡 退 職 金・弔 慰 金 を 準 備 す る 1 年 更 新 の
定 期 保 険 で 、従 業 員 の 死 亡 に よ る 経 営 上 の 損 失 補 て ん 分( 代 替 従 業 員 の 採 用・育 成 費 用
等)についてはヒューマン・ヴァリュー特約を付加して備えることができる。ただし、
満期保険金はないので定年退職金に備えることはできない。
4.不適切。ハーフタックスプラン(1/2養老保険)は、原則として従業員全員を対象
とした普遍的加入であり、死亡保険金受取人が被保険者の遺族、満期保険金受取人が
法人である場合に、保険料の2分の1を損金に算入することができる。なお、養老保
険は、契約形態にかかわらず、死亡保険金を死亡退職金・弔慰金に充当し、満期保険
金を定年退職金に充当することができる。
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金融資産運用
問 題 21. 正 解 / 1
1.不適切。国内総生産(GDP)は、内閣府が四半期ごとに調査・公表している。なお、
国 内 総 生 産( G D P )と は 、一 定 期 間 に そ の 国 で つ く り 出 さ れ た 財 や サ ー ビ ス な ど の 付
加 価 値 の 合 計 で あ る と い う 記 述 は 適 切 で あ る 。ま た 、日 本 の 国 内 総 生 産( G D P )の う
ち の 約 50~ 60% が 民 間 最 終 消 費 支 出 、 い わ ゆ る 個 人 消 費 で あ る 。
2.適切。なお、DIは景気に敏感な指標を選定し、そのうち原則として上昇(拡張)し
ている指標の割合を表わした指数であり、主として景気の各経済部門への波及度合い
を測定することを目的として作成されている。一方、CIは景気に敏感な指標の量的
な動きを合成した指数であり、主として景気変動の大きさや量感を測定することを目
的として作成されている。
3.適切。なお、企業短期経済観測調査(日銀短観)で最も注目度が高いのは、業況判断
D I で あ る 。業 況 判 断 D I は 、調 査 対 象 企 業 に 現 況 や 先 行 き の 見 通 し を「 良 い 」「 さ ほ
ど 良 く な い 」「 悪 い 」の 3 つ の 段 階 で 尋 ね 、「 良 い 」を 選 択 し た 企 業 の 割 合 か ら「 悪 い 」
を選択した企業の割合を差し引いて算出する。
4.適切。なお、消費者物価指数(CPI)は、全国の世帯が購入する商品やサービスの
価格の動きを指数化したものであり、総務省が毎月、調査・公表している。
問 題 22. 正 解 / 3
1.適切。なお、半年複利型を利用できるのは個人に限られる。
2.適切。なお、大口定期預金は、取扱金融機関との交渉によって、金利を上乗せするこ
とができるが、マル優を利用することができない。
3.不適切。ゆうちょ銀行(郵便局)の定期貯金について、預入期間3年以上のものは、
半年複利型のみである。
4 .適 切 。な お 、ゆ う ち ょ 銀 行( 郵 便 局 )の 定 額 貯 金 の 1 口 の 預 入 金 額 は 、1,000 円 、5,000
円 、 1 万 円 、 5 万 円 、 10 万 円 、 50 万 円 、 100 万 円 お よ び 300 万 円 の 8 種 類 で あ る 。
問 題 23. 正 解 / 1
1.不適切。目論見書は、投資信託委託会社によって作成される。なお、目論見書は、フ
ァンドの概要や投資方針、その他の取決めに関する詳細が記された文書であるという
記述は適切である。
2.適切。なお、投資信託委託会社は、すべてのファンドに対して、原則として決算日を
迎えるごとに、運用報告書を作成することが義務づけられている。
3.適切。解約価額は基準価額と等しくなるケースがほとんどであるが、信託財産留保額
(信託期間中にファンドを解約等する人と、そのファンドの受益者との公平性を確保
するための費用)を差し引くファンドについては、その分解約価額が低くなる。
4.適切。なお、信託報酬率は、一般的に公社債投資信託よりも株式投資信託のほうが高
く設定されている。
問 題 24. 正 解 / 4
1 .適 切 。な お 、パ ッ シ ブ 運 用 の 代 表 的 な フ ァ ン ド に は 、日 経 平 均 株 価 や 東 証 株 価 指 数( T
OPIX)などの値動きに連動することを目標とするインデックスファンドがある。
2.適切。なお、バリュー投資のファンドは、一般的にPERやPBRなどが相対的に低
い銘柄でポートフォリオが構築される傾向がある。
3.適切。なお、グロース投資のファンドは、一般的にPERやPBRなどが相対的に高
い銘柄でポートフォリオが構築される傾向がある。
4.不適切。ボトムアップ・アプローチとは、ファンドの運用方針に基づいて、投資魅力
の高い銘柄を積み上げていくことによりポートフォリオを構築する運用手法である。
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2級直前対策-学科-1701
したがって、ボトムアップ・アプローチのファンドの国別組入比率や業種別組入比率
などは、結果として決まることになる。問題文は、トップダウン・アプローチについ
て述べたものである。
問 題 25. 正 解 / 3
1.不適切。応募者利回りとは、新しく発行された債券(新発債)を購入し償還期限まで
保有した場合の利回りである。問題文は、最終利回りについて述べたものである。
表面利率+
額 面 ( 100 円 ) - 発 行 価 格
償還年限
応募者利回り(%)=
×100
発行価格
2.不適切。最終利回りとは、すでに市場で取引されている債券(既発債)を購入し償還
期限まで保有した場合の利回りである。問題文は、応募者利回りについて述べたもの
である。
表面利率+
額 面 ( 100 円 ) - 購 入 価 格
残存期間
最終利回り(%)=
×100
購入価格
3.適切。所有期間利回りとは、購入した債券を償還期限まで保有せずに途中で売却した
場合の利回りである。
表面利率+
売却価格-購入価格
所有期間
所有期間利回り(%)=
×100
購入価格
4.不適切。直接利回りとは、購入金額に対して毎年いくらの利息があるかをみる場合の
利回りである。
直接利回り(%)=
表面利率
購入価格
×100
問 題 26. 正 解 / 2
1.不適切。株式の売買代金は、約定日から起算して4営業日目に受渡しを行うのが原則
である。たとえば、月曜日に売買が成立した場合、その売買代金の受渡しは木曜日と
なり、水曜日に売買が成立した場合、その売買代金の受渡しは翌週の月曜日となる
( 土 ・ 日 曜 日 、 祝 日 、 年 末 年 始 な ど の 休 業 日 は 、 営 業 日 と し て カ ウ ン ト し な い )。
2 . 適 切 。 な お 、 指 し 値 注 文 を し た 場 合 、「 買 い 注 文 」 の と き は 指 定 し た 価 格 よ り も 低 い 価
格 で 、「 売 り 注 文 」 の と き は 指 定 し た 価 格 よ り も 高 い 価 格 で 約 定 さ れ る こ と が あ る 。
3.不適切。信用取引の委託保証金は、現金だけでなく、有価証券により代用することも
認められている。
4.不適切。株価指数連動型上場投資信託や上場不動産投資信託(REIT)も、証券会
社 が 対 象 銘 柄 に 選 定 し て い れ ば 、株 式 累 積 投 資( る い と う )で 投 資 す る こ と が で き る 。
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2級直前対策-学科-1701
問 題 27. 正 解 / 2
1.適切。なお、一旦いずれかを選択すると、その年中についてはこれを変更することが
できない。
2.不適切。複数の証券会社でそれぞれ特定口座を開設しており、一方で利益、他方で損
失がある場合、損益を通算することができる。ただし、この通算するには、確定申告
が必要となる。
3.適切。なお、この規定を適用する場合には、損失が生じた年分および繰越控除を行う
年分における確定申告書を所轄税務署長に提出しなければならない。
4.適切。その年分の上場株式等の譲渡所得等の金額の計算上生じた損失の金額があると
きは、この損失の金額を上場株式等の配当所得の金額(申告分離課税を選択したもの
に限る)から控除することができる。
問 題 28. 正 解 / 1
1.適切。なお、外貨定期預金について、預入時に為替予約をつけた場合、元金部分の為
替 差 益 は 利 息 と 合 わ せ て 20% が 源 泉 分 離 課 税 さ れ る 。
2.不適切。外国株式の国内店頭取引は、外国取引(海外委託取引)と異なり、指し値注
文を出すことはできない。なお、外国市場の株価を基準として、証券会社と投資家が
相対で外国株式を取引することであるという記述は適切である。
3.不適切。外貨建MMFは、いつでも解約手数料を支払うことなく換金できる。なお、
外貨建MMFの収益分配は毎日行われ、月末最終営業日に1ヵ月分まとめて再投資さ
れる。
4.不適切。外国為替証拠金取引の取引手数料は、一般的に外貨預金の為替手数料と比べ
て低い。
問 題 29. 正 解 / 1
1.適切。なお、ポートフォリオとは、一般的に個々の投資家が保有している有価証券の
組合せのことである。
2.不適切。一般的に、ポートフォリオのリスクは、相関関係によるリスク低減効果があ
るため、各証券の標準偏差を投資比率によって加重平均した数値よりも小さくなる。
3 . 不 適 切 。 相 関 係 数 は 、 - 1 か ら 1 ま で の 数 値 で 表 示 さ れ る 。 な お 、「 相 関 係 数 = - 1 」
は 2 つ の 証 券 等 が 全 く 逆 の 方 向 に 値 動 き す る こ と を 表 わ し 、「 相 関 係 数 = 1 」 は 2 つ の
証 券 等 が 全 く 同 じ 方 向 に 値 動 き す る こ と を 表 す 。 ま た 、「 相 関 係 数 = 0 ( 無 相 関 )」 は 、
2つの証券等の間に全く連動性がないことを表す。
4.不適切。シャープの測度(シャープレシオ)は、数値が高いほど評価される。なお、
シャープの測度(シャープレシオ)は、無リスクで得られたリターンを除いた、純粋
にリスクの対価としてのリターンをそのポートフォリオの標準偏差で除したものであ
るという記述は適切である。
問 題 30. 正 解 / 2
1.不適切。農業協同組合は、預金保険制度に加入していない。ただし、農業協同組合は、
預金保険制度とほぼ同様の「農水産業協同組合貯金保険制度」に加入している。
2.適切。なお、預金保険の対象外商品にはこの他、CD(譲渡性預金)や金融債(募集
債および保護預り契約が終了したもの)などがある。
3 . 不 適 切 。 預 金 保 険 制 度 の 対 象 と な る 預 金 等 の う ち 、「 無 利 息 、 要 求 払 い 、 決 済 サ ー ビ ス
を 提 供 で き る 」の 3 つ の 条 件 を 満 た す 預 金( 決 済 用 預 金 )に 該 当 す る も の は 、全 額 保 護
とされる。
4.不適切。投資者保護基金は、適格機関投資家などを除く顧客の預り資産を1人当たり
1,000 万 円 を 限 度 に 補 償 す る 。
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2級直前対策-学科-1701
タックスプランニング
問 題 31. 正 解 / 2
1.適切。なお、雇用保険の基本手当(いわゆる失業手当)も非課税である。
2.不適切。クイズの賞金は一時所得である。
3 . 適 切 。 な お 、 給 与 所 得 者 の 通 勤 手 当 は 、 月 額 10 万 円 ま で が 非 課 税 で あ る 。
4.適切。なお、生活用動産(家具や什器、衣服など)を売却して損失が生じた場合、そ
の損失はなかったものとみなされる。
問 題 32. 正 解 / 4
1.不適切。公社債投資信託以外の証券投資信託の収益分配金は、配当所得として扱われ
る。なお、預貯金や公社債の利子、公社債投資信託の収益分配金は、利子所得として
扱われるという記述は適切である。
2.不適切。個人が金銭等を貸し付けた場合に得られる利息は、雑所得または事業所得と
して扱われる。
3 . 不 適 切 。 配 当 所 得 を 求 め る 際 、「 配 当 金 等 の 収 入 金 額 」 か ら 「 株 式 等 を 取 得 す る た め に
要した借入金の利子」を差し引くことができる。
4 .適 切 。配 当 所 得 の 金 額 の 計 算 に お け る 収 入 金 額 は 、源 泉 徴 収( 特 別 徴 収 )前 の 金 額 、つ
まり税込金額である。
問 題 33. 正 解 / 1
1.適切。なお、請負契約を締結した場合の収入は、原則として目的物の全部を完成して
相手方に引き渡した日に計上する。
2 . 不 適 切 。 事 業 所 得 の 金 額 は 、「 総 収 入 金 額 - 必 要 経 費 」 で 計 算 す る 。
3.不適切。事業税は、必要経費に含めることができる。なお、個人事業者が支払った所
得税・住民税や個人事業者が支払った本人の国民健康保険料、配偶者等の生計一親族
に対して支払う給料(青色事業専従者に対して支払う一定の給料を除く)は、必要経
費に算入することができない。
4.不適切。個人事業者が事業用固定資産を売却した場合の所得は、原則として譲渡所得
として扱われる。
問 題 34. 正 解 / 4
1 . 不 適 切 。 懸 賞 の 賞 金 は 、 競 馬 ・ 競 輪 の 払 戻 金 と 同 様 に 一 時 所 得 で あ る 。 な お 、「 契 約 者
( 保 険 料 負 担 者 )= 受 取 人 」で あ る 生 命 保 険 契 約 の 満 期 保 険 金 や 損 害 保 険 契 約 の 満 期 返
戻金も一時所得である。
2.不適切。宝くじの当選金は非課税である。
3 . 不 適 切 。 一 時 所 得 の 課 税 対 象 額 は 、「 { 総 収 入 金 額 - そ の 収 入 を 得 る た め に 支 出 し た 金
額 - 特 別 控 除 額 < 最 高 50 万 円 > }×1 / 2 」で 計 算 す る 。問 題 文 は 、「 一 時 所 得 の 金 額 」
を求める際の計算式である。
4.適切。一時払およびこれに準ずるもので、保険期間が5年以内(5年超の契約で5年
以内の解約を含む)の場合については、金融類似商品として利益部分(収入金額-払
込 保 険 料 ) に 対 し て 20% ( 所 得 税 15% 、 住 民 税 5 % ) の 源 泉 分 離 課 税 が 適 用 さ れ る 。
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2級直前対策-学科-1701
問 題 35. 正 解 / 1
1 .適 切 。土 地 等・建 物 等 以 外( ゴ ル フ 会 員 権 や 美 術 品 な ど )の 資 産 の 譲 渡 に つ い て は 、資
産 取 得 日 か ら 譲 渡 日 ま で の 所 有 期 間 が 5 年 超 で あ れ ば 長 期 譲 渡 と な り 、5 年 以 下 で あ れ
ば短期譲渡となる。
2.不適切。同 年 中 に 総 合 課 税 さ れ る 長 期 譲 渡 所 得 と 短 期 譲 渡 所 得 が あ る 場 合 、 特
別 控 除 < 最 高 50 万 円 > は 短 期 譲 渡 所 得 か ら 優 先 し て 差 し 引 く 。
3.不適切。土地等・建物は、資産取得日の翌日から譲渡する年の1月1日時点における
所有期間が5年超であれば長期譲渡となり、5年以下であれば短期譲渡となる。
4.不適切。譲渡にかかる仲介手数料や立退料、建物を取り壊して土地を売却した場合の
取壊費用などは、譲渡所得の計算上、譲渡費用とすることができる。
問 題 36. 正 解 / 2
1.不適切。青色申告の対象者は、不動産所得、事業所得または山林所得を生ずる業務を
行う者である。
2.適切。なお、白色申告者は、原則として純損失の金額を繰り越すことはできない。ま
た 、 青 色 申 告 を 選 択 し た 個 人 は 、「 純 損 失 の 繰 越 控 除 」 に 代 え て 「 純 損 失 の 繰 戻 還 付 」
を受けることができる。
3.不適切。不動産所得については、事業的規模で不動産貸付を行っている場合に限り、
65 万 円 の 青 色 申 告 特 別 控 除 の 適 用 を 受 け る こ と が で き る 。な お 、事 業 的 規 模 で 不 動 産
貸付を行っていない場合でも、事業所得がある場合にはこの限りではない。
4.不適切。青色申告の承認を受けようとする場合には、その承認を受けようとする年の
3 月 15 日 ま で ( そ の 年 の 1 月 16 日 以 後 新 た に 業 務 を 開 始 し た 場 合 に は 、 そ の 業 務 開
始日から2ヵ月以内)に青色申告の承認申請書を所轄税務署長に提出しなければなら
ない。
問 題 37. 正 解 / 3
1.適切。なお、申告納税方式とは納税者自ら税額計算を行い申告納付する方式であり、
賦課課税方式とは徴税側が税額計算を行い納税者に納税額を告知する方式である。
2 . 適 切 。仮 に 平 成 24 年 12 月 31 日 ま で に 死 亡 し た 場 合 や 国 外 に 転 出 し た 場 合 は 、平 成 24
年 の 所 得 に 対 す る 平 成 25 年 度 の 個 人 住 民 税 は 課 さ れ な い 。ま た 、「 生 活 保 護 法 の 規 定 に
よ る 生 活 扶 助 を 受 け て い る 人 」「 前 年 の 所 得 が 一 定 額 以 下 で あ っ た 人 」「 障 害 者 、未 成 年
者 、寡 婦 ま た は 寡 夫 で 、前 年 の 合 計 所 得 金 額 が 125 万 円 以 下 で あ っ た 人 」は 、個 人 住 民
税は課されない。
3 .不 適 切 。現 在 の 個 人 住 民 税( 所 得 割 )の 税 率 は 、一 律 10%( 道 府 県 民 税 4 % 、市 町 村
民 税 6 % ) で あ る ( 不 動 産 の 譲 渡 、 株 式 等 の 譲 渡 に か か る 税 率 を 除 く )。
4.適切。その他、所得税と異なるものには、障害者控除や寡婦(夫)控除、勤労学生控
除、配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除、基礎控除がある。なお、個人住民税の
所得控除額が所得税の所得控除額よりも多くなることはない。
問 題 38. 正 解 / 3
1.不適切。法人を設立した場合、税務署長に提出する法人設立届出書の提出期限は、設
立の日から2ヵ月以内である。
2.不適切。新設法人が設立第1期から青色申告の承認を受けようとする場合の青色申告
承 認 申 請 書 の 提 出 期 限 は 、「 最 初 の 事 業 年 度 終 了 の 日 」か「 設 立 の 日 か ら 3 ヵ 月 を 経 過
した日」のいずれか早い日の前日までである。
3.適切。なお、会計監査人の監査を受けるなどの理由により、所定の期間内に決算が確
定しない場合は、法人の申請により申告期限を1ヵ月延長することができる。
4.不適切。当期純利益は、主として会社の財政状態および経営成績を正しく認識し、配
当 可 能 利 益 の 算 出 を 目 的 と し て い る 。問 題 文 は 、課 税 所 得 に つ い て 述 べ た も の で あ る 。
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2級直前対策-学科-1701
問 題 39. 正 解 / 2
1.不適切。法人が支出した国・地方公共団体に対する寄附金や財務大臣が指定した寄附
金は、全額を損金に算入することができる。
2.適切。役員給与のうち退職を基因として支給する役員退職金は、相当であると認めら
れる部分については損金に算入することができるが、不相当に高額な部分については
損金不算入となる。
3.不適切。利子税も損金に算入することができる。なお、法人税・法人住民税やそれら
に付される延滞税・加算税、罰金・科料・過料については、損金不算入となる。
4 . 不 適 切 。 平 成 10 年 4 月 1 日 以 後 に 取 得 し た 建 物 に つ い て は 、 定 額 法 に よ り 減 価 償 却 費
の 計 算 を 行 わ な け れ ば な ら な い が 、平 成 10 年 3 月 31 日 以 前 よ り 保 有 し て い る 建 物 に つ
いては、定額法と定率法のいずれかを選択することができる。
問 題 40. 正 解 / 3
1.不適切。法人が役員・使用人に対して、適正利率に満たない利率で金銭を貸し付けた
場合、原則としてその差額が経済的利益の供与として給与課税される。
2.不適切。会社が役員・使用人に対して無償で社宅を貸与した場合には、経済的利益の
供与として給与課税される。なお、適正賃料未満を徴収している場合には、その差額
が経済的利益の供与として給与課税される。
3.適切。会社が役員に対して土地を無償で譲渡した場合、会社は時価で譲渡したものと
みなされ、その土地の時価が役員給与となる。なお、役員についても、時価取引とさ
れ、その資産を時価で取得したこととなる。
4.不適切。役員が会社に対して土地を無償で譲渡した場合、役員はその資産を時価で譲
渡したものとみなされ、時価と取得費等の差額は譲渡所得となり、所得税・住民税が
課 さ れ る( た だ し 、譲 渡 損 の 場 合 は 課 税 な し )。な お 、会 社 も 土 地 の 時 価 が 受 贈 益 と な
り、法人税の課税対象となる。
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2級直前対策-学科-1701
不動産
問 題 41. 正 解 / 1
1.正しい。これを「一不動産一登記記録主義」という。
2.誤り。不動産登記簿の権利部(甲区)欄には所有権に関する事項が記録され、権利部
(乙区)欄には賃借権、抵当権など所有権以外の権利に関する事項が記録される。な
お、表題部には土地・建物の物理的概要が記録される。
3 . 誤 り 。 登 記 所 に 備 え 付 け ら れ た 第 14 条 地 図 は 精 度 が 高 く 現 地 復 元 能 力 が あ る が 、 公 図
は 土 地 の 位 置 等 は 概 ね 正 確 で あ る も の の 、土 地 の 形 状 、面 積 等 は 必 ず し も 正 確 で は な い 。
4.誤り。権利に関する登記(所有権移転登記、抵当権設定登記など)は任意であるが、
登記がなければ第三者に対抗することができない。ただし、借地権は建物の登記をも
って第三者に対抗でき、借家権(建物賃借権)は建物の引渡しにより第三者に対抗で
きる。
問 題 42. 正 解 / 4
1.正しい。なお、道路距離は平面地図上の距離であり、信号待ちや坂道などは考慮され
ていない。
2.正しい。なお、都市計画図には、土地利用計画(市街化区域・市街化調整区域の線引
きや用途地域、建ぺい率・容積率など)や都市計画施設(道路や公園など)等の都市
計画の内容が記載されている。
3.正しい。前面道路の幅員や種類(公道・私道の区別、建築基準法上の取扱い)によっ
て建築行為が制限されることがあるため、道路に関する調査は非常に重要な事項とい
える。道路台帳等に記載されている道路の幅員は必ずしも現況と一致しているとは限
らないため、実際の幅員を調査しておく必要がある。なお、前面道路が建築基準法上
どの道路に該当するかは、市町村役場等の建築課等で調査する。
4.誤り。固定資産課税台帳の閲覧は借地人、借家人、納税管理者等一定の利害関係者に
も 許 可 さ れ る 。な お 、固 定 資 産 税 評 価 額 は 、所 轄 の 市 町 村 役 場( 東 京 23 区 に お い て は
都税事務所)で調査することができるという記述は正しい。
問 題 43. 正 解 / 2
1.誤り。借地借家法では、普通借家契約の存続期間(契約期間)は1年以上と規定され
ており、上限は設けられていない。なお、1年未満の期間を定めたときは「期間の定
め の な い 賃 貸 借 」 と な る ( 一 時 使 用 の 場 合 を 除 く )。
2 .正 し い 。
「 建 物 の 賃 借 権 」は 、そ の 登 記 が な く て も 建 物 の 引 渡 し が あ れ ば 第 三 者 に 対 抗
で き る 。な お 、「 土 地 の 賃 借 権 」に つ い て は 地 上 権 と 異 な り 地 主 に 登 記 協 力 義 務 が な く 、
実際上登記をすることが困難となるため、建物登記があれば土地の賃借権を第三者に
対抗できる。
3.誤り。定期借家契約は、公正証書等の書面により契約することが規定されており、公
正証書でなくても書面による契約であれば有効である。
4.誤り。定期借家契約の場合、賃貸人は「契約を締結する前」にあらかじめ、更新がな
く、期間の満了により契約が終了する旨を、賃借人に対し書面を交付して説明しなけ
れ ば な ら な い 。( こ の 説 明 を 怠 っ た 場 合 に は 通 常 の 普 通 借 家 契 約 に な る 。) な お 、 定 期
借家契約は、賃貸借期間が満了した場合、当該契約は更新されることなく必ず終了す
ることになる。契約の終了にあたっては、賃貸人の正当事由は問われない。
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2級直前対策-学科-1701
問 題 44. 正 解 / 4
1 . 正 し い 。 な お 、 普 通 借 地 権 を 更 新 す る 場 合 の 存 続 期 間 は 、 最 初 の 更 新 で は 20 年 以 上 、
2 回 目 以 降 の 更 新 で は 10 年 以 上 で 当 事 者 が 約 定 す る 。
2.正しい。借地権のうち、地上権は地主に登記協力義務があるため登記することができ
るが、土地の賃借権は地主に登記協力義務がないためその登記をすることが難しい。
したがって、借地権(土地の賃借権)はその登記がなくても借地上の建物の所有権を
登記することによって第三者に対抗することができる。
3.正しい。普通借地権の存続期間の満了に際し、地主が遅滞なく異議を述べたときは更
新されないが、この異議は正当事由があると認められる場合でなければ述べることが
できない。正当事由の存否は、①当事者双方の土地使用の必要性のほか、②借地に関
する従前の経過、③土地の利用状況、④財産上の給付をする旨の申し出(立退き料の
支 払 )、等 を 考 慮 し て 判 断 さ れ る( 立 退 き 料 の 支 払 の み で 正 当 事 由 が あ る と 認 め ら れ る
わ け で は な い )。
4.誤り。借地権者に不利な特約は、原則として無効である。借地権の存続期間中に建物
が 滅 失 し て も 借 地 権 は 消 滅 せ ず 、期 間 満 了 ま で 存 続 す る 。「 存 続 期 間 が 満 了 す る 前 に 建
物が滅失した場合は、当該借地権は消滅する」という旨の特約は、借地権者に不利な
特約である。
問 題 45. 正 解 / 3
1.誤り。都市計画区域および準都市計画区域における建築物の敷地は、原則として幅員
4m以上の「道路」に2m以上接していることが必要となるが、この場合の「道路」
とは、道路法による道路だけでなく、都市計画法や土地区画整理法に基づく道路等も
認 め ら れ る 。こ の 場 合 、公 道 、私 道 の 別 は 問 わ れ な い 。な お 、幅 員 4 m 未 満 の 道 路( 私
道を含む)であっても、建築基準法が適用された際、現に建築物が建ち並んでいた道
路で特定行政庁の指定したもの(2項道路)は、建築基準法上の道路とみなされる。
2.誤り。保育所はすべての用途地域において建築できるが、病院は第1種・第2種低層
住 居 専 用 地 域 お よ び 工 業 地 域 、工 業 専 用 地 域 に お い て 建 築 す る こ と が で き な い 。ま た 、
すべての用途地域において建築することができる建築物には保育所のほか、診療所、
公衆浴場、神社・寺院・教会、巡査派出所等がある。
3 . 正 し い 。 容 積 率 は 敷 地 の 前 面 道 路 の 幅 員 が 12m 未 満 で あ る 場 合 、「 都 市 計 画 で 指 定 さ
れ た 容 積 率 」 と 「 前 面 道 路 の メ ー ト ル 数 値 ×法 定 乗 数 ( 用 途 地 域 に よ り 4 / 10、 6 /
10 な ど )」 の い ず れ か 小 さ い ほ う に な る と い う 制 限 を 受 け る が 、 建 ぺ い 率 に は 前 面 道
路の幅員による制限はない。
4.誤り。建築物の敷地が異なる用途地域にわたる場合は、敷地の過半の属する用途地域
の規定が適用される。
問 題 46. 正 解 / 2
1.正しい。解約手付が交付された場合、契約の「相手方が」契約の履行に着手するまで
の間は、手付により契約を解除することができる。なお、手付を交付した買主から契
約解除する場合には手付金の放棄、手付を受領した売主から契約解除する場合には手
付金の倍額の償還が、それぞれ必要となる。
2.誤り。未成年者等の制限行為能力者であっても代理人になることができる。この場合
の代理行為は本人に帰属するため、代理人が制限行為能力者であることを理由に契約
を取り消すことはできない。
3.正しい。民法の規定では、売買の目的物である建物が自然災害や類焼等、売主に帰責
事由なくして滅失した場合、売主は、建物を引き渡すことなく売買代金全額を受領す
ることができる。なお、通常の不動産の売買契約においては、危険負担に関して「売
主が負担」する特約条項を盛り込み、不可抗力で売買の目的物が滅失した場合には契
約を白紙撤回することになっている。
4.正しい。売買の目的物に隠れた瑕疵(通常の取引上の注意を払っても発見できないよ
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うな欠陥)があった場合、売主は無過失であっても責任を負わなければならない。な
お、瑕疵担保責任は、建物だけでなく、土地の場合もその対象となる。
問 題 47. 正 解 / 1
1 . 誤 り 。 建 物 に つ い て は 消 費 税 お よ び 地 方 消 費 税 ( 以 下 、「 消 費 税 等 」 と い う ) の 課 税 対
象 と な る が 、土 地 取 引 に つ い て は 消 費 税 等 の 課 税 対 象 外( 非 課 税 )と な る 。し た が っ て 、
不 動 産 業 者 か ら 建 売 住 宅 を 購 入 す る 場 合 で あ っ て も 、消 費 税 等 は 、建 物 部 分 の 価 格 に つ
いてのみ課税されることになる。
2.正しい。住宅を取得した場合の課税標準の特例は、新築住宅だけでなく一定の要件を
満 た す 築 後 20 年 以 内 ( 耐 火 建 築 物 は 25 年 以 内 ) の 中 古 住 宅 ま た は 新 耐 震 基 準 に 適 合
している中古住宅(築年数要件なし)の場合にも、新築日に応じて課税標準から控除
できる特例が認められている。
3 .正 し い 。抵 当 権 の 設 定 登 記 に 係 る 登 録 免 許 税 の 課 税 標 準 に つ い て は 、不 動 産 の 価 格( 固
定資産税評価額)ではなく、その債権金額とする。
4.正しい。固定資産税の場合、原則として1月1日現在の所有者が、その年の4月1日
から始まる各市町村の財政年度における年税額すべてを納税する義務を負う。
問 題 48. 正 解 / 1
1.適切。限定価格は、一般的に正常価格よりも高くなる。限定価格とは、市場性を有す
る不動産について、隣地を取得する場合などのように市場が相対的に限定される場合
における取引の適正価格である。なお、不動産の価格には、その他、正常価格、特定
価格、特殊価格がある。
2.不適切。収益還元法は、自用の住宅地であっても、賃貸を想定することにより適用す
ることができる。なお、収益還元法とは、不動産を賃貸することによって生じる地代
収入や家賃収入などのインカムゲインに着目して、不動産が将来生み出すであろうと
期待される純収益の現在価値の総和を求めることにより不動産の価格(収益価格)を
求める手法である。
3.不適切。取引事例比較法は、取引に事情のある取引事例であっても、正常なものに補
正できる場合は採用することができる。なお、取引事例比較法とは、近隣地域および
同一需給圏内の類似地域における実際の取引価格について、事情補正・時点修正を行
い、かつ地域要因や個別的要因の比較をして不動産の価格(比準価格)を求める手法
である。
4.不適切。原価法は、更地でも最近造成された造成地や埋立地等には適用できる。なお、
原 価 法 と は 、不 動 産 の 建 築 等 に 要 す る 費 用 に 着 目 し て 、減 価 修 正 を 行 っ て 不 動 産 の 価 格
( 積 算 価 格 )を 求 め る 手 法 で あ る 。対 象 不 動 産 が 建 物 ま た は 建 物 お よ び そ の 敷 地 で あ る
場合に有効な手法であるが、再調達原価が把握できない既成市街地への適用は難しい。
問 題 49. 正 解 / 3
1.不適切。一般的にアパート・賃貸マンション経営は、オフィスビル経営より収益性は
低 い が 、景 気 変 動 に よ り 需 要 が 左 右 さ れ る リ ス ク は オ フ ィ ス ビ ル 経 営 に 比 べ て 少 な い 。
2.不適切。一般的にワンルームタイプの賃貸マンションは、ファミリータイプの賃貸マ
ンションよりも建築コストが割高になる。なお、一般的にワンルームタイプの賃貸マ
ンションは、ファミリータイプの賃貸マンションよりも賃料単価は高くなるという記
述は適切であり、そのため収益性が高くなることもある。
3.適切。なお、ロードサイド店舗は、立地条件として自動車の通行量の多い幹線道路沿
いであることが要求されるが、借入金がない場合は収益性がかなり高くなることがあ
る。
4.不適切。駐車場は借地借家法の適用がない。したがって、法的トラブルが少なく、暫
定的な使用形態として活用される。
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問 題 50. 正 解 / 4
1.不適切。不動産を証券化したファンドに投資するときは、投資対象となっている不動
産に対する知識も必要である。
2.不適切。不動産の証券化による資金調達は、間接金融ではなく直接金融である。なお、
調達した資金で有利子負債の削減などを行うことでキャッシュフローを高めることが
できるという記述は正しい。
3.不適切。不動産投資信託は、賃料などのインカムゲインを中心に投資家に分配する。
なお、不動産投資信託は、投資法人や投資信託委託業者が投資家から集めた資金を不
動産に投資して運用するという記述は正しい。
4.適切。なお、不動産投資信託の価格は、不動産投資信託の取引市場のほかに不動産取
引市場の動向にも左右され、分配金は不動産賃貸市場の影響も受ける。
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相続・事業承継
問 題 51. 正 解 / 4
1.不適切。贈与契約は、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思表示を
し、相手方がこれを承諾することによって、その効力が生じる。
2.不適切。書面によらない贈与契約は、履行前である場合に限り、各当事者が撤回する
ことができる。なお、書面による贈与契約の場合は、履行前であっても原則として撤
回することはできない。
3.不適切。死因贈与により取得した財産は、遺贈(遺言による財産の無償供与)により
取得した財産と同様に、贈与税ではなく相続税の課税対象となる。なお、死因贈与は
贈与者の死亡によって効力を生ずるという前段の記述は適切である。
4.適切。なお、負担付贈与契約において、受贈者が負担を履行しない場合は、贈与者は
負担付贈与契約を解除することができる。
問 題 52. 正 解 / 1
1.不適切。相続の限定承認または放棄の申述先は、簡易裁判所ではなく「家庭裁判所」
である。なお、熟慮期間3ヵ月に関する記述は適切である。
2.適切。なお、相続放棄をした者がみなし相続財産となる死亡保険金を受け取り、葬式
費用(債務控除の対象となるものに限る)を負担したときは、その負担額は、相続税
の課税価格の計算上、取得した死亡保険金の額から控除することができる。ただし、
生命保険金の非課税規定の適用を受けることはできない(生命保険金の非課税枠の計
算 に お け る 「 500 万 円 ×法 定 相 続 人 の 数 」 の 「 法 定 相 続 人 」 に は 、 相 続 を 放 棄 し た 者
も含まれるが、相続を放棄した者が受け取る死亡保険金には、非課税規定の適用はな
い 。)
3 . 適 切 。 な お 、 申 述 先 は 、 家 庭 裁 判 所 で あ る ( 選 択 肢 1 . の 解 説 を 参 照 )。
4.適切。
問 題 53. 正 解 / 2
1.正しい。遺言者は、いつでも、遺言の方式に従って、その遺言の全部または一部を取
り消すことができ、どんな方式の遺言(自筆証書、公正証書、秘密証書等)をした場
合でも、後になされた遺言が前の遺言に優先する。
2.誤り。公正証書遺言の作成には、証人2人以上の立会いが必要であるが、次の者は証
人になることができない。①未成年者、②推定相続人、受遺者およびその配偶者なら
びに直系血族、③公証人の配偶者、4親等内の親族、書記および雇人。
3.正しい。遺留分の割合は、原則として各相続人の法定相続分の2分の1であるが、例
外 と し て ① 配 偶 者 と 兄 弟 姉 妹 が 相 続 人 の 場 合 、配 偶 者 の 遺 留 分 は 相 続 財 産 の 2 分 の 1 、
②直系尊属だけが相続人の場合、直系尊属各人の遺留分は法定相続分の3分の1とな
る。遺留分は、法定相続人のうち配偶者、直系卑属、直系尊属に認められ、兄弟姉妹
には認められない。
4.正しい。なお、遺留分減殺請求権は、遺留分を侵害する者に対する意思表示をすれば
よ い ( 通 常 は 内 容 証 明 郵 便 を 用 い る )。
問 題 54. 正 解 / 4
1.誤り。小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例の適用を受けた結果、
相続税の課税価格が基礎控除額を下回ることとなり、相続税がかからない場合は、特
例の適用を受けるために相続税の申告書を提出しなければならない。なお、その他、
相続税の課税価格が基礎控除額を超えていても、配偶者の税額軽減の特例を適用する
ことにより相続税がゼロとなる場合は、特例の適用を受けるために相続税の申告書を
提出しなければならない。
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2.誤り。相続税の申告書の提出期限は、相続の開始(=被相続人の死亡)があったこと
を 知 っ た 日 の 翌 日 か ら 10 ヵ 月 以 内 で あ る 。な お 、相 続 税 の 申 告 書 の 提 出 先 は 、原 則 と
して被相続人の生前の住所地の所轄税務署長である。
3.誤り。相続税の延納をする場合に提供する担保については、相続財産に限定されてお
らず、納税者自身が所有する財産でなくてもよいが、物納財産は相続財産(相続開始
前 3 年 以 内 の 贈 与 財 産 で 生 前 贈 与 加 算 の 対 象 と な っ た も の を 含 む )に 限 定 さ れ て い る 。
4 .正 し い 。そ の 後 、遺 産 分 割 が 成 立 し た 時 点 で 、各 人 の 納 付 税 額 を 確 定 さ せ る 申 告( 更 正
の 請 求 ま た は 修 正 申 告 )を 行 う 。な お 、未 分 割 で 相 続 税 の 申 告 を 行 う 時 点 で は 、配 偶 者
の税額軽減の特例や小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例を適用す
ることはできない。
問 題 55. 正 解 / 1
1.不適切。配偶者の税額軽減は、贈与税の配偶者控除と異なり、婚姻期間に関係なく相
続開始の時点において配偶者である者に対して適用される。また、配偶者が相続放棄
をした場合であっても、遺贈により財産を取得したときは、配偶者の税額軽減の適用
を受けることができる。
2 . 適 切 。 配 偶 者 は 、 配 偶 者 の 法 定 相 続 分 ( 本 問 の 場 合 3 分 の 2 ) も し く は 160,000 千 円
までの財産を相続しても配偶者の税額軽減により相続税はゼロになるので、各人の課
税 価 格 の 合 計 額 が 210,000 千 円 で あ る と き は 、 法 定 相 続 分 の 3 分 の 2 (140,000 千 円 )
ま で で は な く 160,000 千 円 ま で 相 続 し て も 相 続 税 は ゼ ロ で あ る 。
3.適切。配偶者の税額軽減は、申告をすることによって初めて適用を受けることができ
る。なお、納税額の有無にかかわらず申告が必要となる場合として、その他、小規模
宅 地 等 の 課 税 価 格 の 計 算 の 特 例 ( 相 続 税 )、 相 続 時 精 算 課 税 制 度 ( 贈 与 税 )、 贈 与 税 の
配偶者控除(贈与税)の適用を受ける場合などがある。
4.適切。相続税の申告期限までに遺産分割が調(ととの)っていない場合には、配偶者
も法定相続分に対応する相続税をいったん納付しなければならない。その後、原則と
して申告期限から3年以内に遺産分割が調い、配偶者が相続する財産が確定した場合
には、この特例の適用を受ける旨の申告書(更正の請求)を提出して税金の還付を受
けることができる。
問 題 56. 正 解 / 3
1.正しい。なお、路線価方式とは、宅地の面する路線価を基にして、補正率や加算率を
用いて評価額を求める方法であり、倍率方式とは、宅地の固定資産税評価額に国税局
長が定める倍率を乗じて評価額を求める方法である。
2 .正しい。貸宅地(底地)の価額は、自用地評価額から借地権評価額を控除して評価する。
3 .誤 り 。貸 家 建 付 地 の 価 額 は 、「 自 用 地 評 価 額 ×( 1 - 借 地 権 割 合 ×借 家 権 割 合 ×賃 貸 割
合 )」 に よ り 評 価 す る 。 な お 、 借 家 権 割 合 は 30% ( 全 国 一 律 ) で あ る 。
4.正しい。なお、貸家建付借地権とは、借地権所有者が貸家を建てている場合のその借
地権をいう。
問 題 57. 正 解 / 4
1.誤り。代償分割とは、相続財産の全部または大部分を特定の相続人が相続する代わり
に 、そ の 相 続 人 が 他 の 相 続 人 に 対 し 、自 分 が 所 有 し て い る 金 銭 そ の 他 の 財 産 を 与 え て 、
他の相続人の相続分を満たす遺産分割方法である。
2.誤り。現物分割、換価分割、代償分割のいずれであっても、相続税の課税価格および
相続税の総額は変わらない。
3.誤り。代償交付財産が不動産の場合には、時価でその資産を譲渡したものとして取り
扱い、売却益が生じる場合には譲渡所得税・住民税が課税される。
4.正しい。代償分割は、遺産分割方法の1つであるため、遺産分割協議において内容を
決定し、遺産分割協議書にその内容を記載する必要がある。
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問 題 58. 正 解 / 4
1 . 不 適 切 。 相 続 時 精 算 課 税 制 度 を 選 択 し た 場 合 、 贈 与 金 額 の 累 計 額 が 2,500 万 円 ( 特 例
を 除 く ) を 上 回 る 贈 与 部 分 に つ い て は 一 律 20% の 贈 与 税 が 課 税 さ れ る 。
2.不適切。相続時精算課税制度は、受贈者が贈与者(父または母)ごとに制度の適用を
選択できるため、例えば、父からの贈与において相続時精算課税制度を選択した場合
で あ っ て も 、 母 か ら の 贈 与 に は 暦 年 課 税 制 度 に よ り 贈 与 税 の 基 礎 控 除 ( 110 万 円 ) を
適用することができる。
3 .不 適 切 。相 続 時 精 算 課 税 制 度 に 係 る 贈 与 者 に 相 続 が 発 生 し た 場 合 、相 続 財 産 に 加 算 す る
贈与財産の価額は、贈与時の価額である。
4.適切。なお、相続時精算課税制度を選択した年以後、選択した贈与者から受けた贈与
については、たとえ贈与税がゼロであっても、その年ごとに贈与税の申告書を提出す
る必要がある。
問 題 59. 正 解 / 2
1.不適切。取引相場のない株式の評価における会社規模の判定の基準とする要素は、直
前 期 に お け る 従 業 員 数 、直 前 期 に お け る 従 業 員 数 を 加 味 し た 直 前 期 末 の 総 資 産 価 額( 帳
簿価額)および直前期1年間の取引金額である。
2.適切。なお、類似業種比準価額を求める際の計算における斟酌率は、評価会社が大会
社 の 場 合 は 0.7、 中 会 社 の 場 合 は 0.6、 小 会 社 の 場 合 は 0.5 で あ る 。
3.不適切。比準要素数1の会社とは、類似業種比準価額の3要素(年配当金額、年利益
金 額 、簿 価 純 資 産 価 額 )の う ち 2 要 素 が 原 則 3 年 間 ゼ ロ 等 の 場 合 を い い 、こ の 場 合 は 、
会 社 規 模 の 区 分 に か か わ ら ず 、類 似 業 種 比 準 価 額 と 純 資 産 価 額 の 折 衷 割 合 は「 0.25 対
0.75」 と な る 。
4.不適切。会社が役員退職金を支給した場合、現金(資産)が外部に流出して減少する
ため、その会社の純資産価額を引き下げることになる。
問 題 60. 正 解 / 2
1.適切。なお、適正額は、役員の勤続年数や功績などから判断される。
2.不適切。遺族が会社から受け取る死亡退職金は、非課税枠を適用できるため全額が相
続財産に加算されるわけではない。したがって、一般的には遺族の納税資金対策とし
て有効であるといえる。
3.適切。オーナー社長を契約者(保険料負担者)および被保険者、相続人を死亡保険金
受取人とする生命保険の死亡保険金は、相続税の対象となるが非課税枠を適用できる
ため納税資金対策として有効であるといえる。なお、非課税枠を超える生命保険にさ
らに加入する場合には、その超える部分の契約について、相続税の対象となる契約形
態 と す る か 、ま た は 所 得 税・住 民 税 の 対 象 と な る 契 約 形 態( オ ー ナ ー 社 長 を 被 保 険 者 、
相続人を契約者(保険料負担者)および死亡保険金受取人とする)とするかは、両者
の税金の大きさを比較して検討する。
4.適切。株式公開により、市場で自由に株式を売買できるようになる。自社株の一部を
売却することで納税資金を準備できるため、株式公開は納税資金対策として有効であ
るといえる。
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