作成 2014 年 5 月 8 日 Ver.1 Excel(エクセル)の使い方~相対参照と絶対参照~ 必ずといっていいほど、相対参照と絶対参照には一度は引っかかるのではないかと思 います。実は、かなり Excel を使っている人でも、計算ミスはここが原因であることが 多いです。 具体例でいきましょう。あるスポーツの成績表が以下です。4 人で 5 試合を戦った 結果です。年齢差、実力差があったのでこれにハンディキャップ(HDCP)を毎試合に つけて、その試合ごとの勝者と、総合成績による勝者を出したいと考えました。 【スポーツ成績表(HDCP 無し)】 1. ハンディキャップをつけた最終成績表をもう1つ作ります。ハンディキャップは M 列に入力されており、各試合毎にこれを足します。すると、山田さんの 1 試合目の 成績(C12 セル)は、「=C5+H12」となります。 元の成績+HDCP 2. しかし、この計算式をコピー&貼り付けで、D12 セルに貼り付けるとどうでしょ う。D12 セルの計算式は「=D5+I12」となります。元々の成績表への参照は正し いのですが、ハンディキャップは同じセルを参照しなければなりません。相対的に 参照位置が動いてもらっては困るのです。 1 作成 2014 年 5 月 8 日 Ver.1 HDCP の参照列がずれている 3. そこで絶対参照です。ハンディキャップを入れたセルの列番号(14)が変化して もらっては困るので、C12 セルの計算式を 「=C5+$H12」に変更します。$記号 は、「絶対(動かない)」という意味です。こうしておけば、2試合目、3試合目 に計算式を貼り付けても、ハンディキャップを読む位置は変わりません。 「C5+$H12」 「$H」で HDCP の参照列を固定 4. では、次の行の田中さんのセルに貼り付けるとどうなるのか? こちらは、1 試合 目であれば、計算式を貼り付けた時、「=C6+$H13」となります。これは問題な く計算できています。「$H」は、列方向に参照位置がずれていくのを防いでいる だけなので、行方向には効きません。そのため、行の数値は+1 され(“相対”的 に参照がずれる)、田中さんのハンディキャップを参照します。 もし、これを「$H$12」と両方に$を付けていたなら、どこのセルに計算式を貼 り付けても、ハンディキャップを参照するセルは変化せず(絶対的に参照)、山田 さんのハンディキャップのみがいつも参照されることになります。 HDCP の参照行は、ずれていって OK 2 作成 2014 年 5 月 8 日 Ver.1 【スポーツ最終成績表(HDCP 有り)】 → 各試合ごとは、山田3勝、鈴木2勝。総合優勝は山田。HDCP の割り振り方に やや問題があったようだ……。 以上をまとめますと、 ・ Excel は、計算式をコピー&貼り付けすると、基本的には参照するセルも自動的 に相対的にずれる。これが非常に強みでもあります。 ・ 一方で、上記のように、相対的にずれて欲しくないセルがある場合に、どうして も恣意的にそのセルを絶対参照に変更する必要があります。 ・ 絶対参照は、列方向のみ、行方向のみ、行と列どちらも、と3種類のやり方があ ります。 ・ 表全体に関係するようなルール、条件の数値が存在する場合に、絶対参照のこと を思い出してください。 <相対参照から絶対参照に切り替える方法> 一々$記号の入力をしていると必ず間違います。 1. 計算式を入れたセルを選択します。上に計算式が表示されます。 2. そのうち、絶対参照にしたい項目の上でクリックします(その場所への入力モード になる)。 3. F4 キーを押します。1回押すごとに、$記号の付く位置と数が変化します(行と 列両方 → 行のみ → 列のみ → 相対参照)。 4. なお、最初の計算式を作っている途中であれば、計算式に入れた直後に F4 キーを 押せば、同じように絶対参照に切り替えることができます。 相対参照 絶対参照(行と列両方) F4 絶対参照(列のみ) F4 F4 絶対参照(行のみ) F4 3
© Copyright 2024 Paperzz