ワイヤレス給電と無線LANの共存手法

MWE 2016 WE4B-4
ワイヤレス給電と無線 LAN の共存手法 Coexistence Schemes for Wireless Power Transfer and Wireless LAN
山本 高至†
Koji YAMAMOTO†
†京都大学大学院情報学研究科
概要
無線センサネットワークなどの用途で端末数が膨大になると、端末に高いメンテナンスフリー性が求め
られるようになる。特に電源に関しては、バッテリレスが望ましいと考えられる。本稿では、2.4 GHz
帯を用いる IEEE 802.11g 規格の無線 LAN(local area network)端末に対し、同じく 2.4 GHz 帯を用いる
マイクロ波給電をどのように共存させるべきか検討した内容を紹介する。
まず、給電マイクロ波の中心周波数を、通信に用いる帯域からどれだけ離せば、通信のスループットを
低下させないかを評価した。その結果、端末において 0.6 uW/cm2 程度の給電マイクロ波であれば、無線
LAN の周波数帯域から離すことで、スループットを低下させないことが明らかとなった。一方、6 uW/cm2
程度の場合には、2.4 GHz 帯での同時利用は難しく、時分割動作が必要である。スケジューリングによ
る時分割動作の試作、ならびに給電マイクロ波放射の有無判定に基づく伝送レート制御の試作を行い、
実験的にそれらの動作を確認した。
図 1 給電マイクロ波の周波数と通信のスループットの関係 図 2 通信と給電のスケジューリング
Abstract
The division of radio resources in the time and frequency domains for wireless local area network (WLAN)
devices powered with microwave energy is discussed in this paper. In general, there are two ways to avoid
microwave power transmission (MPT) from influencing data communications: adjacent channel operation of
continuous MPT and WLAN data transmission and co-channel operation of intermittent MPT and WLAN data
transmission. A scheduling system and rate adaptation scheme were implemented and their feasibilities were
confirmed through experiments.