平成16年度公共施設等のコスト縮減に関する取組実績

平成17年7月14日
財
務
局
建
設
局
平成16年度公共施設等のコスト縮減に関する取組実績
この度「東京都公共施設等コスト管理委員会」は、「東京都公共施設等のコスト縮減に関
する行動計画」の平成16年度(初年度)におけるフォローアップ結果をとりまとめました
のでお知らせいたします。
1.コスト縮減の取組実績
縮減目標・・平成 15 年度を基準として、総合的なコスト縮減目標 10%以上
(計画期間の最終年度、平成 18 年度)
平成16年度におけるコスト縮減取組実績は次のとおり
縮 減 額
縮 減 率
建設コスト縮減額
416億円
6.4%
維持管理コスト縮減額
32億円
8.3%
計 (総合的なコスト縮減額)
448億円
6.5%
1)建設コスト取組内容
各取組項目の実施内容は下記のとおり。
(1) 計画段階の取組
目標・・個別案件毎に 10∼20%以上の縮減。
縮減額は、36 億円となった。
事 業 例
事
業
名
実 施 局
合流改善対策事業(新河岸水再生センター)
下水道局
(2)
当初事業費
10.5 億円
縮 減 額
1.7 億円
工事実施段階、入札・契約段階、将来の維持管理費縮減に向けた取組
目標・・平成 15 年度の標準的な建設コストを基準として、平成 18 年度(最終年度)
の縮減率を 7%以上。
工事総額 5,980 億円で、334 億円の縮減、縮減率は、5.3%となった。
施 策 例
工事実施段階の取組
実 施 局
縮 減 額
財 務 局
0.3 億円
マシンルームレスエレベータの導入拡大
都市整備局
9.7 億円
低コスト型基準設計の活用促進
建 設 局
5.3 億円
次世代型電線共同溝の活用
交 通 局
1.0 億円
施工方法の見直し
水 道 局
0.8 億円
水道本管非開削布設替工法の採用
縮減額又は状況
入札・契約段階の取組
実 施 局
都市整備局
0.6 億円
エレベータ発注方式の見直し
財務局外 9 局で実施 4件で提案を採用
契約後VEの拡大
財 務 局
2件実施
入札時VEの拡大
将来の維持管理費縮減に向けた取組
実 施 局
縮 減 額
中央卸売市場
0.4 億円
効率に優れた材料の使用
港 湾 局
2.5 億円
無線画像伝送装置の導入
【問い合わせ先】
財務局建築保全部計画保全課
都庁内線 27-685 直通
1
5388-2785
建設局総務部技術管理課
都庁内線 40-041 直通
5320-5216
(3)
社会的コスト縮減に向けた取組
目標・・個別案件毎に 20%以上の縮減。
縮減額※は 46 億円となった。
事 業 例
事
業
名
物流ボトルネックの解消
実 施 局
港 湾 局
縮 減 額
2.1 億円
※事業の効果を縮減額とする。
2)維持管理コスト取組内容
目標・・平成 15 年度の維持管理コストを基準として、平成 18 年度(最終年度)の
縮減率を 10%以上。
各局において実施した、縮減項目毎の主な施策は次のとおり
縮 減 項 目
施 策 名
委託費の縮減など
積算・仕様の見直し
標準仕様等見直しによる発注価格の縮減
委 託 仕 様 内 容 の 見 直 空調設備機器などの点検回数見直し
清掃・除草などの履行面積・回数の見直し
し
直営管理の見直し
施設管理の民間委譲による経費縮減
施設の有効活用など
収入の確保
民間への施設提供など
省エネルギー対策の取組など
電気料金の低減
省エネ機器の導入など
縮減額
28.5 億円
2.3 億円
1.6 億円
2.今後の取組
新しい「行動計画」による取り組みの初年度となる平成 16 年度のコスト縮減額は、6.5%
となった。今後も引き続き、縮減目標である 10%を達成するため、公共施設等の計画、建設、
維持管理のあらゆる段階において全庁的な取組体制を強化し、さらなるコスト縮減に取り組ん
で行く。
3.東京都公共施設等コスト管理委員会(平成 17 年 3 月 31 日現在)
(1) 構成局 :総務局・大学管理本部・財務局・主税局・生活文化局・都市整備局・環境局・
福祉保健局・病院経営本部・産業労働局・中央卸売市場・建設局・港湾局・
交通局・水道局・下水道局・教育庁・警視庁・東京消防庁(関係局 19 局)
(2) 委員長 :財務局長
(3) 副委員長:建設局道路監 ・ 都市整備局技監
(4) 委 員 :構成局の局長級及び部長級職員
4.備
考
詳細については、別紙のとおり
2
【別
平成16年度
紙】
コスト縮減フォローアップ結果
建設コスト
1.計画段階の取組における事業例
事
業
名
事
業
の
概
要
取
組
内
容
○合流改善対策
本事業は、水再生センタ−における
汚濁負荷の高い初期雨水2Q1時
事業(新河岸水再 降雨初期の汚濁負荷の高い雨天時放流 間分の貯留池建設について、休止中
生センター)
水について、流入水量2Q1時間分※ の水処理施設を改造し、活用を図る
を貯留することにより、放流水質の改 見直しにより、新たに貯留施設を建
善を図る事業である。
設した場合と比べ、コストの縮減が
図れる。
当初事業費 約 10.5 億円
※ 水再生センターで、晴天時1時間
縮減額
約 1.7 億円
あたりに処理可能な最大汚水量の2倍。
(下水道局)
(2時間に相当する量)
2.工事実施段階、入札契約段階及び将来の維持管理費縮減に向けた取組の施策例
取組項目
具体的施策名
施
策
内
容
取
組
内
容
◎工事実 ○ マ シ ン ル ー ム
昇降路内上部に巻上げ機と制
機械室が不要なので、当該面
施段階の レ ス エ レ ベ ー タ 御装置を設置する、機械室の要 積の減による建設費の縮減が
取組
の導入拡大
らないエレベータを採用。
図れる。
縮減額 約 0.3 億円
(財務局)
○低コスト型基
改定した低コスト型の基準設
都営住宅の建替工事で基準
準 設 計 の 活 用 促 計の活用を進める。
設計を低コスト型に改定し、活
進
用を推進。
縮減額 約 9.7 億円
(都市整備局)
○次世代型電線
共同溝の採用
次世代型電線共同溝の採用。
電線共同溝設置工事に、埋設
の浅くコンパクトな次世代型
電線共同溝を採用し、コスト縮
減を図った。
縮減額 約 5.3 億円
(建設局)
○施工方法の見
建築工事における施工方法の
駅構内工事で既存壁を利用
直し
見直し。
して新規パネルの取付を行い、
コスト縮減を図った。
縮減額 約 1.0 億円
(交通局)
3
取組項目
具体的施策名
施
策
内
容
取
組
内
容
◎工事実 ○ 水 道 本 管 非 開
非開削により交通障害、振動 大田区蒲田 5 丁目∼4 丁目地
施段階の 削 布 設 替 工 法 の 騒音などの近隣への影響を最小 先間配水本管(600mm)布設替
取組
採用
限にし、同口径・同位置で水道 工事において、鋳鉄製経年管
(FC 管)を非開削・同口径・
本管の布設替を行う。
同位置で布設替えを行うこと
により、コスト縮減を図った。
縮減額 約 0.8 億円
(水道局)
◎入札・ ○ エ レ ベ ー タ 発
エレベータ設置工事の発注
エレベータ設置工事を一定地
契約段階 注方式の見直し
域単位にまとめて発注すること を町屋六丁目、村山など7団地
の取組
で集約化。
で、契約金額の低減を図る。
縮減額 約 0.6 億円
(都市整備局)
○契約後VEの
契約締結後に受注者から、施
拡大
工方法などについてコスト縮減
が可能となる技術提案を受け、
審査によって採用となった場合
は、コスト縮減額の1/2をV
E管理費として受注者に支払う
方式。
510件の工事を対象に実施
し、4件についてVE提案を採
用した。
※ 知事部局及び下水道局において
は、建築工事5億円以上、土木工事
4億円以上、設備工事 1.2 億円以上
の工事案件について全件で適用。
水道局においては、1億円以上の
工事案件について全件適用。
(提案採用は、建設局・交通局・
下水道局)
○入札時VEの
拡大
(技術提案型競
争入札方式)
(技術提案型総
合評価方式)
競争参加者から、施工方法な
どについてコスト縮減が可能と
なる技術提案を受け、その内容
を審査して、競争参加者をあら
かじめ決定し、競争参加者は自
らの提案に基づいて入札し、価
格競争により落札者を決定する
方式。(競争入札方式)
価格以外の要素を重視しなけ
ればならない工事を対象とし、
競争参加者が技術提案と価格提
案とを一括して行い、工期、安
全性などの「価格以外の要素と
価格とを総合的に評価」し、発
注者にとって最も有利な者を落
札者とする方式。(総合評価方
式)の拡大
4
都立青梅地区総合学科高等
学校(仮称)(16)改修工事にお
いて、実施した。
(価格競争方式)
都立北多摩看護専門学校
(H16)屋上防水改修工事に
おいて、防水性、耐久性、施
工補償期間を評価項目として
実施した。 (総合評価方式)
(財務局)
取組項目
具体的施策名
施
策
内
容
取 組
内
容
◎将来の ○ 効 率 に 優 れ た
照明ランプに高効率省エネ型
高輝度高効率照明のため設
維持管理 材料の使用
を採用、光熱費の縮減。
置数が縮減でき、工事費・将来
費縮減に
にわたる光熱費(電気料)の縮
向けた取
減が図れた。
組
縮減額 約 0.4 億円
(中央卸売市場)
○無線画像電送
従来の光ファイバーから無線
平成 16 年度東京港保安対策
装置の導入
による画像伝送装置を採用する 中央管施設備設置工事ほか2
ことにより、維持管理費及び工 件において、無線画像電送装置
事費を縮減する。
の導入により、定期点検等の維
持管理費及び工事費の縮減を
図った。
縮減額 約 2.5 億円
(港湾局)
3.社会的コスト縮減に向けた取組における事業例
事
業
名
○物流ボトルネ
ックの解消(中防
地区内の道路整
備と信号現示の
最適化)
事
業
の
概
要
平成 14 年 4 月の城南島と中央防波堤
埋立地とを結ぶ「臨海トンネル」の開
通により、青海ふ頭−中防地区間の交
通量の大幅に増大し、中防大橋北詰交
差点に慢性的な交通渋滞が発生した。
このため、渋滞の一要因とされていた
中防地区内の車両滞留を解消するた
め、物流車両及び建設発生土運搬車両
用の仮設のルートを新たに整備すると
ともに信号現示の変更調整等を実施
し、移動時間の短縮を図った。
取
組
内
容
中防地区内の車両滞留を解消する
ため、同地区へ流出入する物流車両
及び建設発生土運搬車用の仮設の別
ルートを整備するとともに、交通管
理者と信号現示の変更調整等を実施
した。
取組の結果、渋滞区間約1㎞の通
過時間が約6分から約4分となり、
約2分短縮した。
約 2.1 億円
縮減額※
(港湾局)
※事業の効果を縮減額とする。
5
維持管理コスト
1.委託費の縮減など
縮減項目
○ 積算・仕様の
見直し
施策名
○ 標準仕様等の
見直しによる発
注価格の縮減
事 例
○ 東京都における維持保全業務の委託を発注する際
の基準である標準仕様等の改正を行い、発注価格の
縮減を図った。
○ 委託仕様内容
の見直し
○ 空調設備機器
などの点検回数
見直し
○
○ 清掃・除草など
の履行面積・回
数の見直し
○
○ 施設管理の民
間委譲による経
費縮減
○
○ 直営管理の見
直し
空調設備機器の点検回数を運転期間中のみ、また
給排水設備機器の月例点検回数を必要最小限とし
た。
○ 使用頻度が少ないエレベータについて、保守点検
回数の見直しを行い、経費を縮減した。
建物施設の床・窓ガラスなどの清掃回数について
見直しを行い、経費の縮減を図った。
○ 公園などの清掃及び除草作業についてサービスの
低下を最小限に抑えつつ、履行面積や回数の縮減な
ど、管理レベルの見直しを行った。
従来は直営管理を行っていた都有施設を民間委譲
することにより、委託経費を縮減した。
2.施設の有効活用など
縮減項目
○ 収入の確保
施策名
○ 民間への施設
提供など
事 例
○ 庁舎の空きスペースを民間事業者に貸付けること
によって使用料収入の確保に取り組んだ。
3.省エネルギー対策の取組など
縮減項目
○ 電気料金の低
減
施策名
○ 省エネ機器の
導入など
事 例
○ 照明、外灯器具を高効率蛍光灯器具に更新すること
によって電気料金を低減化した。
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